特許拒絶査定不服審判
2019-016711
無人商品引渡システム
- 審判番号
- 2019-016711
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-143759外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年12月10日
- 審決日
- 2020年12月09日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-143759「無人商品引渡システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 1月25日出願公開、特開2018- 13996、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成28年7月21日の出願であって、平成31年2月18日付けで拒絶理由通知がされ、平成31年4月8日付けで手続補正がされ、令和元年9月13日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和元年12月10日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和元年9月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-6に係る発明は、引用文献1-3に記載された発明、及び、引用文献4-7に記載のごとくの周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2003-157472号公報
2.特開2016-110563号公報
3.特開2002-174061号公報
4.特開2002-109614号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2011-047254号公報(周知技術を示す文献)
6.特開2015-190170号公報(周知技術を示す文献)
7.特開2005-232754号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、平成31年4月8日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
ユーザ端末からサーバにアクセスして商品の購入決済を行い、該購入決済後に、商品が収容された商品収容装置から決済した商品の引渡しを受ける無人商品引渡システムであって、
前記サーバは、
前記商品の情報が記憶される第1記憶部と、前記ユーザ端末からの前記商品の購入決済を受付ける決済受付部と、購入決済完了後に前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む決済完了情報を通知する決済完了通知部とを有し、
前記ユーザ端末は、
固有の識別子が記憶される第2記憶部と、前記サーバの第1記憶部に記憶された商品の購入決済操作を受付ける操作受付部と、前記サーバが通知する決済完了情報が記憶される第3記憶部と、ユーザ端末の現在位置を出力する位置情報出力部とを有し、
前記商品収容装置は、
電気錠により施錠及び開錠が可能な複数の収容エリアを有し、前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品が前記複数の収容エリアのそれぞれに個別に収容される商品収容部と、前記サーバが発行する決済完了情報が記憶される第4記憶部と、前記ユーザ端末から決済完了情報を取得し、該取得した前記ユーザ端末の決済完了情報が、前記第4記憶部に記憶される決済完了情報と一致するか否かを判定する第1判定部と、一致すると判定される場合に前記決済完了情報に対応する商品が収容された収容エリアの電気錠を開錠する商品引渡部とを有する
ことを特徴とする無人商品引渡システム。」
なお、本願発明2-6の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1の商品収容装置が有する第1判定部及び商品引き渡し部を、サーバが有するものとした発明である。
本願発明3-6は、本願発明1または2を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2003-157472号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「【0038】図1は、本発明のマルチボックス装置を用いたオンライン販売システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0039】図1に示す本実施の形態は、通信ネットワークとしてのインターネット500と、インターネット500に接続されインターネット500上に商品の販売或いはレンタルを行う販売サイト200を開設する販売装置250と、インターネット500に接続され販売サイト200へのアクセス機能と電子メール送受信機能とから成るアクセス手段を備えた複数の利用者端末300と、インターネット500に接続され販売装置250の販売サイト200からの商品の販売或いはレンタルの成約を示す取引情報600を受信すると共に、取引情報600に関わる商品を収納可能な複数の収納部(収納ボックス)を備えたマルチボックス装置100と、インターネット500に接続され販売装置250の販売サイト200が商品を販売或いはレンタルしたときの料金の決済をクレジットカードで行うためのクレジットカード決済機関400と、から構成されている。」
「【0043】マルチボックス装置100は、商品を収納可能な収納部(収納ボックス)を複数備えた商品収納装置であり、各収納部は正面側と背面側の両面に自動錠付扉を備えている。」
「【0044】そして、マルチボックス装置100は、さらに、インターネット500や携帯端末と接続するための通信手段と、通信手段に接続された情報処理手段を備えており、情報処理手段は各収納部の自動錠付扉の開閉を制御するため各自動錠付扉に接続されている。」
「【0048】販売サイト200の会員である利用者350は、自己の利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、希望する商品の検索・閲覧を行い、購入を行いたい商品の購入契約を行う(図1の800)。購入契約を行った際に、該購入商品の料金決済の方法についても契約し、購入契約と同時にクレジットカード(クレジットカード或いはデビットカード、プリペイドカードなど)での料金決済を行ってしまう場合には、その手続きも同時に行う。
【0049】販売サイト200は、商品の購入契約が成されると、該商品を一意に識別可能な商品識別コードを生成すると共に、該商品識別コードと、購入契約を行った利用者350の会員番号と、利用者端末300の利用者端末アドレスと、購入商品の料金決済が成されているか否かを示す料金決済情報と、購入契約された商品の商品名及び数量、などを含む取引情報600を生成して、この取引情報600をマルチボックス装置100へ送信する。」
「【0050】マルチボックス装置100は、販売サイト200からの取引情報600を受信すると、取引情報600の内容を自マルチボックス装置100に備えられている表示装置に表示する。取引情報600の内容がマルチボックス装置100の設置してある店舗150の係員に閲覧されると、該係員は取引情報600に記載の商品を取り揃え、マルチボックス装置100の未使用の収納部の背面側の自動錠付扉を開けて商品を収納し施錠する(図1の820)。
【0051】マルチボックス装置100の何れかの収納部に商品が収納されると、マルチボックス装置100は、該商品がマルチボックス装置100に収納された旨を通知する収納通知700を生成し、該収納通知700を取引情報600に記載の利用者端末アドレスを有する利用者端末300に電子メールで通知する。収納通知700には、商品を収納したマルチボックス装置100を一意に識別可能なマルチボックス装置コードと、取引情報600に記載の商品識別コードと料金決済情報とが含まれている。」
「【0052】収納通知700を利用者端末300で受信した利用者350は、マルチボックス装置100が設置されている店舗150に出向いて、マルチボックス装置100に対して、商品をマルチボックス装置100から取り出すための取出し指示情報として利用者350の会員番号と会員パスワード、及び収納通知700に記載されていた商品識別コードを入力する(図1の830)。マルチボックス装置100は、該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部の正面側の自動錠付扉の施錠を解除するので、利用者350は該収納部から購入商品を取り出して引き取る(図1の840)。」
「【0053】以上説明したように、本発明のマルチボックス装置を用いたオンライン販売システムは、商品の購入或いはレンタルを希望する利用者が、自宅から或いは移動中であってもインターネットに接続できる環境であれば何処からでも店舗に足を運ぶことなく、希望の商品の検索及び購入またはレンタルの手続きが容易に行え、かつ、商品の受け取りにあたってもマルチボックス装置の背面側から収納された商品を正面側から取り出すことができるので、店舗の係員とも接触することなく完全な無人化取引が可能となり、利用者のプライバシーが保たれるという効果を有している。」
「【0066】次に、本発明のマルチボックス装置100の動作について詳細に説明する。」
「【0068】マルチボックス装置100は、インターネット500上の販売サイト200から、ある商品の販売或いはレンタルの成約を示す取引情報(図1に示した取引情報600)を受信すると、該取引情報が通信手段70と情報処理手段90を介して表示装置50に表示される。該取引情報には取引契約(購入契約)された商品の商品識別コードと商品名や数量、及び、購入契約を行った利用者350の会員番号と、利用者350の利用者端末300の利用者端末アドレスと、購入商品の料金決済が成されているか否かを示す料金決済情報などが明示されている。」
「【0070】すると、マルチボックス装置100の情報処理部90は、該商品がマルチボックス装置100に収納された旨を通知する収納通知(図1に示した収納通知700)を生成し、該収納通知を前記取引情報に記載の利用者端末アドレスを有する利用者端末300に電子メールで通知する。該収納通知には、商品を収納したマルチボックス装置100を一意に識別可能なマルチボックス装置コードと、前記取引情報に記載の商品識別コードと料金決済情報とが含まれている。
【0071】該収納通知を利用者端末300で受信した利用者350は、マルチボックス装置100が設置されている店舗150に出向いて、マルチボックス装置100に対して、商品をマルチボックス装置100から取り出すための取出し指示情報として、利用者350の会員番号と会員パスワード、及び該収納通知に記載されていた商品識別コードを入力する(図1の830)。
【0072】取出し指示情報の入力は、以下の3種類の方法のうちの何れか1つの方法で行う。第1の方法は、利用者端末300が携帯端末であって、かつ、他の電子機器との接続コネクタを備えている場合に、該携帯端末をマルチボックス装置100の携帯端末接続コネクタ87とコネクタ接続し、該携帯端末内に記憶されている会員番号と会員パスワードと商品識別コードとをマルチボックス装置100に入力する。第2の方法は、利用者端末300が携帯端末であって、かつ、近距離無線通信部を備えている場合に、該携帯端末をマルチボックス装置100の特定無線送受信部86と無線接続し、該携帯端末内に記憶されている会員番号と会員パスワードと商品識別コードとをマルチボックス装置100に入力する。第3の方法は、マルチボックス装置100のテンキー61から利用者350自身が記憶している会員番号と会員パスワードと商品識別コードとをマルチボックス装置100に入力する。
【0073】マルチボックス装置100の情報処理部90は、入力された取出し指示情報を解析し、取出し指示情報の商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部10の正面側の自動錠付扉21の施錠を解除するので、利用者350は該収納部10から購入商品を取り出して引き取る(図1の840)。」
上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「販売サイト200を開設する販売装置250と、利用者端末300と、マルチボックス装置100と、から構成されているオンライン販売システム(【0038】-【0039】)であって、
マルチボックス装置100は、商品を収納可能な収納部(収納ボックス)を複数備えた商品収納装置であり、各収納部は正面側と背面側の両面に自動錠付扉を備えており(【0043】)、さらに、情報処理手段を備えており、情報処理手段は各収納部の自動錠付扉の開閉を制御するため各自動錠付扉に接続されており(【0044】)、
利用者350は、自己の利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、希望する商品の検索・閲覧を行い、購入を行いたい商品の購入契約を行い、購入契約と同時に料金決済を行ってしまう場合には、その手続きも同時に行い(【0048】)、
販売サイト200は、商品の購入契約が成されると、該商品を一意に識別可能な商品識別コードを生成すると共に、該商品識別コードを含む取引情報600を生成して、この取引情報600をマルチボックス装置100へ送信し(【0049】)、
マルチボックス装置100の設置してある店舗150の係員は取引情報600に記載の商品を取り揃え、マルチボックス装置100の未使用の収納部の背面側の自動錠付扉を開けて商品を収納し(【0050】)、
マルチボックス装置100の何れかの収納部に商品が収納されると、収納通知700を利用者端末300に電子メールで通知し、収納通知700には、取引情報600に記載の商品識別コードが含まれており(【0051】)、
収納通知700を利用者端末300で受信した利用者350は、マルチボックス装置100に対して、収納通知700に記載されていた商品識別コードを入力し(【0052】)、利用者端末300が携帯端末であって、前記入力は該携帯端末内に記憶されている商品識別コードをマルチボックス装置100に入力するものであり(【0072】)、
マルチボックス装置100は、該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部の正面側の自動錠付扉の施錠を解除し、利用者350は該収納部から購入商品を取り出して引き取る(【0052】)ことにより、
商品の受け取りにあたって店舗の係員とも接触することなく完全な無人化取引が可能となる(【0053】)、
オンライン販売システム。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2016-110563号公報)には次の事項が記載されている。
「【0056】また、通信端末109A~109Dは、通常、GPS受信機や無線LAN基地局の電波強度を測定する測定手段を有している。これら機能により、その通信端末の場所(現在位置)を特定することができる。注文を行う店舗の所在地と上記特定結果とに基づいて、発注の可否を事前に判定するようにシステムを構成してもよい。
【0057】すなわち、本システムは、基本的には利用者の持ち帰り商品の提供や、店舗から近場への商品の宅配に用いられることを想定している(商品やサービスの提供範囲を、店舗から数キロメートル程度の範囲に限っている)。従って、その想定を超えた遠方の顧客からの発注は、受け付けるべきではない。
【0058】そこで、例えば通信端末の位置(緯度および経度)と、その通信端末から発注がなされる店舗の位置(緯度および経度)とから、その通信端末とその店舗との距離を算出し、所定の距離以内でなければその通信端末の画面に「サービス提供範囲外です。」などのメッセージを表示して発注を不可能とし、その通信端末とその店舗との距離が所定の距離以内である場合にのみ発注を受け付けることとしてもよい。
【0059】このような通信端末と店舗との距離の算出、発注の可否の判定は、アプリケーションプログラムで行うこともできるし、サーバ側で行うようにしてもよい。また、距離が所定以内でなければ、送信するファクシミリの内容にその旨を記載することで、店舗側に注意を喚起するようにシステムを構成してもよい。所定の距離内であるか否かの判定に代えて、端末位置と店舗とが同一の国や同一の行政区画内にあるか否かを判定してもよい。または、端末位置が所定の国や所定の行政区画内にあるか否かを判定してもよい。端末位置が海上や配達不可能な位置にある場合などには、発注を不可能とするよう、システムを構成してもよい。」
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2002-174061号公報)には次の事項が記載されている。
「【0064】購入者3は商品を選択し購入を行う時に、受け渡し手段をロッカーなどにすると同時に、購入商品名、受け渡し場所、受け渡し日、連絡先(電話番号、メールアドレス)、及び購入者を特定する個人識別情報を指定する(サーバへ送信する)。
【0065】販売会社4(サーバ)は、購入者から指定された受け渡し場所の鍵管理装置を予約する。予約することで確実に鍵を格納できる場所を確保することになる。もし指定した場所の鍵管理措置に空きが無い場合は、指定された受け渡し場所を受け付けず、指定日・受け渡し場所、及び受け渡し方法の変更を案内する。」
「【0068】与信チェックに問題がない場合、中央制御装置10の予約データベース16に対して、指定された受け渡しロッカー場所/受け渡し日に鍵管理装置20の区画が空いているかを確認し、空いていれば、商品情報(商品識別No),個人識別情報,予約された鍵管理装置について鍵管理装置情報等を合わせて予約データベース16に書き込み(予約を行い)、中央制御装置10は、その結果を販売システムに通知する。」
「【0070】販売システム30は、受け取った通知を元に、購入者に予約が正常に受け付けられたことの確認通知を送付する。また、この際に、鍵管理装置の設置場所を表示する場所情報を提示するようにしてもよい。」
「【0075】ここで、所在場所とは、鍵管理装置の開閉を要求する主体の現在位置を確認するための情報を意味し、例えば、各鍵管理装置に識別番号,暗号等を表示させ、これを入力させることにより、主体が鍵管理装置の付近にいることを確認するようにしてもよい。
【0076】また、使用された携帯電話の位置情報に基づいて主体の現在位置を確認するようにしてもよい。
【0077】これにより、鍵管理装置の開閉を要求する主体が鍵管理装置の付近にいない場合に、誤って鍵管理装置を開錠又は施錠してしまうことを防止することができる。」
「【0082】(購入者が商品を受け取るまでの流れ)図7は、購入者が鍵管理装置から既設ロッカー鍵を取り出すプロセスを示す流れ図であり、図2の購入者3が、鍵管理装置20から既設ロッカー40の鍵を取り出す(図2の71、72)場合のプロセスを示したものである。
【0083】初めに、購入者3は、商品予約時の個人識別情報で事前に登録した携帯電話1で中央制御装置10に電話をかける(図2の矢印71)。この時、中央制御装置側の主制御部14では、電話番号受信部12から受け取った発信者の電話番号が予約データベース16に登録されている電話番号であるかを確認し、一致していない場合は音声応答装置13で商品予約時に登録されている携帯電話番号でないことを購入者3に通知し通話を切断、一致している場合は音声応答装置13で確認メッセージと商品識別No/所在場所の入力要求を通知する。
【0084】次に購入者3は、要求された商品識別No/所在場所を携帯電話1で中央制御装置10に通知する。中央制御装置10は受け取った商品識別No/所在場所が予約データベース16の内容と一致している場合は鍵管理装置20の区画通知機構(図2の26)を光らせたり音を出したりして、既設ロッカー鍵が格納されている区画24を購入者3に知らせる。
【0085】購入者3が鍵が格納されている区画24を確認後、携帯電話1から中央制御装置10にその鍵格納区画24の開錠指示を行う。中央制御装置10は鍵管理装置20の鍵機構(図2の25)に開錠指示を行いその区画の鍵が開く。
【0086】購入者3は開いた鍵格納区画24の鍵格納部(図2の27)から既設ロッカー鍵を取り出し、携帯電話1で取り出し報告を行う。鍵管理装置の制御部(図2の22)は鍵格納部27から鍵が取り出された事を通知する鍵センサー(図2の28)からの情報と中央制御装置10から受け取った鍵取り出し報告を合わせて鍵が取り出されたことを確認し、鍵機構(図2の25)に施錠指示を行い、鍵取り出しの管理情報を動作記録装置(図2の29)と、予約データベース16に記録する。」
「【0088】鍵管理装置20から鍵取り出しの管理情報を受信した中央制御装置10は、既設ロッカー鍵が取り出された事を、商品取り出し(商品受け渡し)と判断し、中央制御装置10は販売システム30に対して商品受け渡し通知を発行する(図2の73)。商品受け渡し通知を受け取った販売システム30は、金融機関/クレジット会社に対し決済処理を行う。
【0089】購入者3は、鍵管理装置から取り出した鍵で既設ロッカー40を開き、商品を受け取る(図2の74、75)。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 「ユーザ端末からサーバにアクセスして商品の購入決済を行い、該購入決済後に、商品が収容された商品収容装置から決済した商品の引渡しを受ける無人商品引渡システム」について
引用発明における「利用者端末300」、「販売サイト200」、「マルチボックス装置100」は、それぞれ、本願発明1における「ユーザ端末」、「サーバ」、「商品収容装置」に相当する。
そして、引用発明において「利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、希望する商品の検索・閲覧を行い、購入を行いたい商品の購入契約を行い、購入契約と同時に料金決済を行ってしまう」ことは、本願発明1において「ユーザ端末からサーバにアクセスして商品の購入決済を行」うことに相当する。
さらに、引用発明において、上記購入契約及び料金決済の後に、マルチボックス装置100の何れかの収納部に商品が収納され、利用者350は該収納部から購入商品を取り出して引き取ることは、本願発明1において「該購入決済後に、商品が収容された商品収容装置から決済した商品の引渡しを受ける」ことに相当する。
また、引用発明である「オンライン販売システム」は、「商品の受け取りにあたって店舗の係員とも接触することなく完全な無人化取引が可能となる」とされ、「商品の引渡し」を「無人」で行うものといえるから、本願発明1の「無人商品引渡システム」に相当する。
以上を総合すると、引用発明は、本願発明1の「ユーザ端末からサーバにアクセスして商品の購入決済を行い、該購入決済後に、商品が収容された商品収容装置から決済した商品の引渡しを受ける無人商品引渡システム」に相当する構成を有する。
イ 「サーバ」が有する「前記商品の情報が記憶される第1記憶部」について
引用発明では、「利用者350は、自己の利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、希望する商品の検索・閲覧を行」う。この検索・閲覧にあたり、「販売サイト200」の有する構成に「希望する商品」の情報が記憶されることは、当業者に明らかであり、当該構成が、本願発明1における「サーバ」が有する「前記商品の情報が記憶される第1記憶部」に相当する。
したがって、引用発明は、本願発明1の「サーバ」が有する「前記商品の情報が記憶される第1記憶部」に相当する構成を有する。
ウ 「サーバ」が有する「前記ユーザ端末からの前記商品の購入決済を受付ける決済受付部」について
引用発明では、「利用者350は、自己の利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、」「購入を行いたい商品の購入契約を行い、購入契約と同時に料金決済を行ってしまう場合には、その手続きも同時に行」う。この購入契約及び料金決済について、「販売サイト200」においてアクセスを受付ける構成が、本願発明1における「サーバ」が有する「前記ユーザ端末からの前記商品の購入決済を受付ける決済受付部」に相当する。
したがって、引用発明は、本願発明1の「サーバ」が有する「前記ユーザ端末からの前記商品の購入決済を受付ける決済受付部」に相当する構成を有する。
エ 「サーバ」が有する「購入決済完了後に前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む決済完了情報を通知する決済完了通知部」について
引用発明では、「販売サイト200は、商品の購入契約が成されると、該商品を一意に識別可能な商品識別コードを生成すると共に、該商品識別コードを含む取引情報600を生成して、この取引情報600をマルチボックス装置100へ送信」する。これは、ウに検討した「購入契約と同時に料金決済を行ってしまう場合」、上記生成及び送信が、購入契約及び料金決済の完了後になされるものとなる。そして、引用発明において購入契約及び料金決済が成されると生成される「商品識別コード」は、決済の完了に対応する情報であることから、本願発明1の「決済完了情報」に相当し、引用発明の「販売サイト200」において当該「商品識別コード」を含む取引情報600の送信をする構成が、本願発明1の「サーバ」が有する「決済完了情報を通知する決済完了通知部」に相当する。
したがって、引用発明は、本願発明1の「サーバ」が有する「購入決済完了後に」「決済完了情報を通知する決済完了通知部」に相当する構成を有する。
オ 「ユーザ端末」が有する「前記サーバの第1記憶部に記憶された商品の購入決済操作を受付ける操作受付部」について
引用発明では、「利用者350は、自己の利用者端末300から販売サイト200にアクセスし、」「購入を行いたい商品の購入契約を行い、購入契約と同時に料金決済を行ってしまう場合には、その手続きも同時に行」う。そして、この商品の情報が「サーバ」の「前記商品の情報が記憶される第1記憶部」に相当する構成に記憶されることは、イに検討したとおりである。
また、引用発明における上記購入契約及び料金決済のための利用者350の利用者端末300からのアクセスについて、「利用者端末300」の備える構成が利用者350の操作を受付けることは、当業者に明らかであり、当該操作を受け付ける構成が、本願発明1における「ユーザ端末」が有する「前記サーバの第1記憶部に記憶された商品の購入決済操作を受付ける操作受付部」に相当する。
以上を総合すると、引用発明は、本願発明1の「ユーザ端末」が有する「前記サーバの第1記憶部に記憶された商品の購入決済操作を受付ける操作受付部」に相当する構成を有する。
カ 「ユーザ端末」が有する「前記サーバが通知する決済完了情報が記憶される第3記憶部」について
引用発明では、「収納通知700には、取引情報600に記載の商品識別コードが含まれており」、「収納通知700を利用者端末300で受信した利用者350は、マルチボックス装置100に対して、収納通知700に記載されていた商品識別コードを入力し」、「利用者端末300が携帯端末であって、前記入力は該携帯端末内に記憶されている商品識別コードをマルチボックス装置100に入力するものであ」る。この「取引情報600に記載の商品識別コード」、すなわち、取引情報600に含まれる「商品識別コード」が、本願発明1の「サーバ」が有する「決済完了通知部」が「通知する」「決済完了情報」に相当することは、エに検討したとおりである。
そして、上記「利用者端末300が携帯端末であって」、「該携帯端末内に記憶されている商品識別コード」という事項によれば、携帯端末である「利用者端末300」は、上記「商品識別コード」を記憶する構成を備えるものと認められ、引用発明の当該記憶する構成が、本願発明1の「第3記憶部」に相当する。
以上を総合すると、引用発明は、本願発明1の「ユーザ端末」が有する「前記サーバが通知する決済完了情報が記憶される第3記憶部」に相当する構成を有する。
キ 「商品収容装置」が有する「電気錠により施錠及び開錠が可能な複数の収容エリアを有し、前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品が前記複数の収容エリアのそれぞれに個別に収容される商品収容部」について
引用発明では、「マルチボックス装置100は、商品を収納可能な収納部(収納ボックス)を複数備えた商品収納装置であり、各収納部は正面側と背面側の両面に自動錠付扉を備えており」、「さらに、情報処理手段を備えており、情報処理手段は各収納部の自動錠付扉の開閉を制御するため各自動錠付扉に接続されて」いる。この制御のための情報処理手段との接続が電気的になされることは、当業者に明らかであるから、引用発明において情報処理手段に接続され制御される自動錠は、本願発明1の「電気錠」に相当し、引用発明の情報処理手段に接続され開閉が制御される自動錠付扉を備える複数の収納部は、本願発明1の「電気錠により施錠及び開錠が可能な複数の収容エリア」に相当する。
また、引用発明では、「マルチボックス装置100の設置してある店舗150の係員は取引情報600に記載の商品を取り揃え、マルチボックス装置100の未使用の収納部の背面側の自動錠付扉を開けて商品を収納」する。引用発明の「取引情報600に記載の商品」は、イ-エの検討によれば、本願発明1の「前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品」に相当する商品について購入契約及び料金決済がされたものであるから、引用発明の「取引情報600に記載の商品」は、本願発明1の「前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品」に相当する。そして、引用発明において取引情報に応じて上記収納がされることは、本願発明1の「前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品が前記複数の収容エリアのそれぞれに個別に収容される」ことに相当する。
以上を総合すると、引用発明は、本願発明1の「商品収容装置」が有する「電気錠により施錠及び開錠が可能な複数の収容エリアを有し、前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品が前記複数の収容エリアのそれぞれに個別に収容される商品収容部」に相当する構成を有する。
ク 「商品収容装置」が有する「前記サーバが発行する決済完了情報が記憶される第4記憶部」、「前記ユーザ端末から決済完了情報を取得し、該取得した前記ユーザ端末の決済完了情報が、前記第4記憶部に記憶される決済完了情報と一致するか否かを判定する第1判定部」及び「一致すると判定される場合に前記決済完了情報に対応する商品が収容された収容エリアの電気錠を開錠する商品引渡部」について
引用発明では、「収納通知700を利用者端末300で受信した利用者350は、マルチボックス装置100に対して、収納通知700に記載されていた商品識別コードを入力し」、「利用者端末300が携帯端末であって、前記入力は該携帯端末内に記憶されている商品識別コードをマルチボックス装置100に入力する」。この、携帯端末である利用者端末300内に記憶されている商品識別コードをマルチボックス装置100に入力することは、マルチボックス装置100からみると当該入力内容を取得することにあたる。また、上記「商品識別コード」が、本願発明1の「決済完了情報」に相当することは、カに検討したとおりである。したがって、引用発明の上記入力に対応するマルチボックス装置100における取得は、本願発明1の「前記ユーザ端末から決済完了情報を取得」に相当する。
次に、引用発明では、上記入力された「商品識別コード」に応じて「マルチボックス装置100は、該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部の正面側の自動錠付扉の施錠を解除」する。これによれば、引用発明では「商品識別コード」で「該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部」が特定でき、入力された「商品識別コード」で特定される「該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部」の施錠を解除するものと解される。そして、当該事項を具体的に実現するためには、少なくとも、マルチボックス装置100が、「商品識別コード」から「該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部」への対応関係を記憶し、当該記憶した対応関係の中から、入力された「商品識別コード」と「商品識別コード」が一致する対応関係を特定し、当該対応関係に基づいて「該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部」を特定する必要があることは、当業者に明らかである。
このとき、上記対応関係の記憶をする構成は、対応関係に係る商品識別コードも記憶するから、本願発明1の「前記サーバが発行する決済完了情報が記憶される第4記憶部」に相当する。また、上記入力された「商品識別コード」と「商品識別コード」が一致する対応関係の特定は、入力された「商品識別コード」と前記記憶された「商品識別コード」とが一致するか否かを判定することによりなされるものであり、先に検討した取得と当該判定とをする構成が、本願発明1の「前記ユーザ端末から決済完了情報を取得し、該取得した前記ユーザ端末の決済完了情報が、前記第4記憶部に記憶される決済完了情報と一致するか否かを判定する第1判定部」に相当する。そして、特定された「該商品識別コードで識別される商品が収納されている収納部」の施錠を解除する構成が、本願発明1の「一致すると判定される場合に前記決済完了情報に対応する商品が収容された収容エリアの電気錠を開錠する商品引渡部」に相当する。
以上を総合すると、引用発明は、本願発明1の「商品収容装置」が有する「前記サーバが発行する決済完了情報が記憶される第4記憶部」、「前記ユーザ端末から決済完了情報を取得し、該取得した前記ユーザ端末の決済完了情報が、前記第4記憶部に記憶される決済完了情報と一致するか否かを判定する第1判定部」及び「一致すると判定される場合に前記決済完了情報に対応する商品が収容された収容エリアの電気錠を開錠する商品引渡部」に相当する構成を有する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
<一致点>
「ユーザ端末からサーバにアクセスして商品の購入決済を行い、該購入決済後に、商品が収容された商品収容装置から決済した商品の引渡しを受ける無人商品引渡システムであって、
前記サーバは、
前記商品の情報が記憶される第1記憶部と、前記ユーザ端末からの前記商品の購入決済を受付ける決済受付部と、購入決済完了後に決済完了情報を通知する決済完了通知部とを有し、
前記ユーザ端末は、
前記サーバの第1記憶部に記憶された商品の購入決済操作を受付ける操作受付部と、前記サーバが通知する決済完了情報が記憶される第3記憶部を有し、
前記商品収容装置は、
電気錠により施錠及び開錠が可能な複数の収容エリアを有し、前記サーバの第1記憶部に記憶されている商品の情報に対応する商品が前記複数の収容エリアのそれぞれに個別に収容される商品収容部と、前記サーバが発行する決済完了情報が記憶される第4記憶部と、前記ユーザ端末から決済完了情報を取得し、該取得した前記ユーザ端末の決済完了情報が、前記第4記憶部に記憶される決済完了情報と一致するか否かを判定する第1判定部と、一致すると判定される場合に前記決済完了情報に対応する商品が収容された収容エリアの電気錠を開錠する商品引渡部とを有する
無人商品引渡システム。」
<相違点>
(相違点1)本願発明1において、決済完了通知部が通知し、第3記憶部に記憶され、第4記憶部に記憶され、第1判定部が一致するか否かを判定する、「決済完了情報」は「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む」のに対し、引用発明の「商品識別コード」は「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む」ものでない点。
(相違点2)本願発明1の「ユーザ端末」は、「固有の識別子が記憶される第2記憶部」を有するのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点3)本願発明1の「ユーザ端末」は、「ユーザ端末の現在位置を出力する位置情報出力部」を有するのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
ア 相違点1について
相違点1に係る本願発明1の「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む」「決済完了情報」は、サーバが有する決済完了通知部が通知し、ユーザ端末が有する第3記憶部に記憶され、商品収容装置が有する第4記憶部に記憶され、商品収容装置が有する第1判定部が一致するか否かを判定するものである。
一方、引用文献2には、「本システムは、利用者の持ち帰り商品の提供に用いられることを想定している。」「従って、その想定を超えた遠方の顧客からの発注は、受け付けるべきではない」(【0057】)、「通信端末の位置(緯度および経度)と、その通信端末から発注がなされる店舗の位置(緯度および経度)とから、その通信端末とその店舗との距離を算出し、所定の距離以内でなければその通信端末の画面に「サービス提供範囲外です。」などのメッセージを表示して発注を不可能とし、その通信端末とその店舗との距離が所定の距離以内である場合にのみ発注を受け付けることとしてもよい。」(【0058】)、「このような通信端末と店舗との距離の算出、発注の可否の判定は」、「サーバ側で行うようにしてもよい」(【0059】)と記載されている。ここで、上記判定をサーバ側で行うためには当該判定に用いる情報がサーバ側で必要になるから、上記判定をサーバ側で行う場合に通信端末からサーバ側に与えられる発注に係る情報には通信端末の位置情報が含まれるものと解される。
しかしながら、引用文献2に記載の技術事項は、位置情報に基づいて受け付けるべきではない発注を不可能とすることを目的とするものであるから、発注を可能とした後に用いる本願発明1の「決済完了情報」について、「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む」ようにすることや、「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置を含む」「決済完了情報」を記憶し一致するか否かを判定することを、開示や示唆するものとはいえない。
また、引用文献3には、「購入者3は商品を選択し購入を行う時に」、「受け渡し場所」「を指定し」(【0064】)、「販売会社4(サーバ)は、購入者から指定された受け渡し場所の鍵管理装置を予約」し(【0065】)、「指定された受け渡しロッカー場所」「に鍵管理装置20の区画が」「空いていれば、」「予約された鍵管理装置について鍵管理装置情報等を」「予約データベース16に書き込み(予約を行い)」(【0068】)、「販売システム30は、」「購入者に予約が正常に受け付けられたことの確認通知を送付する」「際に、鍵管理装置の設置場所を表示する場所情報を提示するようにしてもよ」く(【0070】)、購入者が商品を受け取る際に、「購入者3は、」「所在場所を携帯電話1で中央制御装置10に通知」し、「中央制御装置10は受け取った」「所在場所が予約データベース16の内容と一致している場合は鍵管理装置20の」「既設ロッカー鍵が格納されている区画24を購入者3に知らせ」(【0084】)、「購入者3は開いた鍵格納区画24の鍵格納部(図2の27)から既設ロッカー鍵を取り出し」(【0086】)、「購入者3は、鍵管理装置から取り出した鍵で既設ロッカー40を開き、商品を受け取る」(【0089】)ことが記載されている。
しかしながら、引用文献3に記載の「所在場所」は、「鍵管理装置の開閉を要求する主体の現在位置を確認するための情報を意味し」(【0075】)、「これにより、鍵管理装置の開閉を要求する主体が鍵管理装置の付近にいない場合に、誤って鍵管理装置を開錠又は施錠してしまうことを防止する」(【0077】)ことを目的とした、商品を受け取る際の購入者3の所在場所であるから、本願発明1の「決済完了情報」が含む「前記購入決済した際の前記ユーザ端末の現在位置」を、開示や示唆するものとはいえない。
よって、相違点1に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
また、相違点1に係る本願発明1の構成は、引用文献4-7に記載された技術的事項を参照しても、充足することはできないことが明らかである。
イ 相違点2について
引用文献1の【0049】,【0051】,【0068】,【0070】に記載されている「利用者350の利用者端末300の利用者端末アドレス」のように、「固有の識別子」は種々のものが一般に用いられており、ユーザ端末に当該識別子が記憶される構成を設けることも、ユーザ端末における当該識別子の参照など種々の目的でなされていることである。
したがって、引用発明における「ユーザ端末」を「固有の識別子が記憶される第2記憶部」を有するものとすることは、当業者が適宜なし得ることである。
ウ 相違点3について
引用文献2の【0056】に「通信端末109A~109Dは、通常、GPS受信機や無線LAN基地局の電波強度を測定する測定手段を有している。これら機能により、その通信端末の場所(現在位置)を特定することができる」と記載されているように、ユーザ端末に、ユーザ端末の現在位置を出力する構成を設けることは、発明の具体化にあたり適宜採用し得ることである。
したがって、引用発明における「ユーザ端末」を「ユーザ端末の現在位置を出力する位置情報出力部」を有するものとすることは、当業者が適宜なし得ることである。
(3)したがって、相違点1に係る構成を備える本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2.本願発明2-6について
本願発明2-6も、1(2)アに検討した相違点1に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-6は、当業者が引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-016711