2019-014741
複合層を有する熱伝達管理装置
- 審判番号
- 2019-014741
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-147759外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年11月05日
- 審決日
- 2021年03月24日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 分類
- P18 .121-WY (H01L) / P18 .536-WY (H01L) / P18 .537-WY (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,2015年(平成27年) 7月27日(パリ条約による優先権主張 2014年 7月25日 (US)アメリカ合衆国)の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願請求項1-10に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は,令和 2年10月20日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は,以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】熱伝達管理装置であって,絶縁基板と該絶縁基板に結合された複数の熱伝導トレースとを有する複合層と,前記複合層に結合された発熱部品マウントと,前記複合層に結合され且つ前記発熱部品マウントから遠位に配置された低耐熱性部品マウントと,を具備し,前記複数の熱伝導トレースの少なくとも一つが前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通し,前記熱伝導トレースの少なくとも1つが,前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁され,前記発熱部品マウントの外周の部分と前記低耐熱性部品マウントの外周の部分との間の領域を横断する,熱伝達管理装置。」
なお,本願発明2-10は,概略,本願発明1を減縮した発明である。
第3 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(当審注:日本語訳は当審により付記した。また,下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同様である。)
「[0029] FIG. 5 shows a simplified plan view of a circuit board assembly 500 according to another example of the present disclosure. The circuit board assembly 500 may include a printed circuit board 502 (also referred to as board 502), which may be implemented according to any of the examples herein. The board 502 may include a plurality of alternating conductive layers separated by insulating layers. In the present example, multiple sets of fanned out or radially extending traces 506, 510 (e.g. heat sink traces) may be used to provide a directionality of heat transport and/or dissipation on the printed circuit board. For purposes of illustration, a simplified schematic of a PCB is depicted in FIG. 5 in which some components, which may not be necessary for understanding the present examples, have been omitted. The printed circuit board 502 may include a first component 504 and a second component 508. The first component 504 may be a processing chip, which may generate a significant amount of heat when power is being supplied to the board 502 and the chip is in operation. In this regard, the first component may be referred to as the hot chip. The second component 508 may be integrated circuit chip with other functionality, for example a radio frequency transducer (RF chip). The second component 508 may also generate heat when powered but in certain examples the second component 508 may generate less heat than the first component 504. In this regard the second chip may be referred to as the cooler chip. In some instances it may be desirable to maintain the cooler chip at a lower temperature than may otherwise be possible given natural heat transfer principles and the board tending towards equilibrium. In this regard it may be advantageous to direct heat generated by the hot chip (e.g., first component 504) away from the cooler chip (e.g., second component 508).[0030] Such directionality may be achieved by using a plurality of conductive traces 506 arranged around the hot chip such that heat is selectively transported from the hot chip and towards a region away from the cooler chip, as indicated by pattern 522. Although the conductive traces (and all traces) are shown on an exterior surface of the board 502, the traces may be present at any layer of the stack-up. They are shown as being on the surface for illustrative purposes only. In further examples, a second plurality of conductive traces 510, may be provided around the second component 508 to further direct and distribute heat throughout the board. A thermal barrier region 524 may be defined between the first and second components 504, 508 by virtue of heat being generally directed away from the region 524 via the first and second plurality of fanned-out heat sink traces. Thermal separation between the location of the first component 504 and the location of the second component 508 may be enhanced by forming one or more slots 512 through the board 502 for inhibiting heat transfer across the thermal barrier region 524. Alternatively, a pattern of micro-perforations 514 may be used to minimize the risk of the slot 512 accidentally functioning as an antenna. For example, for signal frequencies of about 5 GH, the micro perforations 514 may have a diameter not exceeding about 1.5 mm.[0031] As described with reference to FIGS. 3A-3B, a bundle 518 of heat sink traces or a wide strip of a conductive material may be used to direct heat to a specific location on the board or perimeter of the board, to which other heat dissipating components may be mounted. For example, heat may be piped via the bundle 518 to the metal component 510 which may be a heat sink extending from the side of the printed circuit board. In other examples, and as further described with reference to FIG. 6, heat may be piped to virtually any other grounded metallic component of the portable device 100.」
(当審訳;[0029] 図5は,本開示の別の実施例に従った回路基板アセンブリ500の簡略化された平面図である。回路基板アセンブリ500は,本明細書のいずれかの実施例に従って実施されてもよいプリント回路基板502(基板502とも呼ばれる)を含んでもよい。基板502は,絶縁層によって分離された交互の複数の導電層を含んでもよい。本実施例では,複数組の扇状に広がったまたは放射状に延びるトレース506,510(例えば,ヒートシンクトレース)が,プリント回路基板上の熱輸送および/または放熱の方向性を提供するために使用されてもよい。例示の目的のために,図5に描かれているプリント基板の簡略化された概略図は,本実施例を理解するために必要ではないかもしれないいくつかの構成要素が省略されている。プリント回路基板502は,第1のコンポーネント504と第2のコンポーネント508とを含んでもよい。第1のコンポーネント504は,処理チップであってもよく,これは,基板502に電力が供給され,チップが動作中であるときに,かなりの量の熱を発生させる可能性がある。この点で,第1のコンポーネントは,ホットチップと呼ばれてもよい。第2のコンポーネント508は,他の機能を有する集積回路チップであってもよく,例えば,無線周波数トランスデューサ(RFチップ)であってもよい。第2のコンポーネント508はまた,電源投入時に熱を発生してもよいが,特定の例では,第2のコンポーネント508は,第1のコンポーネント504よりも少ない熱を発生してもよい。この点で,第2のチップは,クーラーチップと呼ばれてもよい。いくつかの実施例では,自然な熱伝達の原理および基板が平衡に傾向であることを考慮し,クーラーチップを他の方法で可能であるかもしれないよりも低い温度に維持することが望ましいかもしれない。この点では,ホットチップ(例えば,第1のコンポーネント504)によって生成された熱を,クーラーチップ(例えば,第2のコンポーネント508)から遠ざけるようにすることが有利であり得る。
[0030] そのような方向性は,パターン522によって示されるように,熱がホットチップから選択的に,クーラーチップから離れた領域に向かって輸送されるように,ホットチップの周囲に配置された複数の導電性トレース506を使用することによって達成されてもよい。導電性トレース(およびすべてのトレース)は,基板502の外部表面上に示されているが,トレースは,積み重ねられたどの層に存在してもよい。それらは,例示目的のためだけに表面上にあるものとして示されている。さらなる例では,第2のコンポーネント508の周囲に第2の複数の導電性トレース510が提供され,基板全体に熱をさらに直接的に分配してもよい。第1および第2の複数の扇状に広がったヒートシンクトレースの第1および第2の複数の導電性トレースを介して,熱が領域524から大体遠ざかることにより,第1および第2のコンポーネント504,508の間に遮熱領域524が定義されてもよい。第1のコンポーネント504の位置と第2のコンポーネント508の位置との間の熱分離は,遮熱領域524を横切る熱伝達を阻害するために,基板502を介して1つ以上のスロット512を形成することによって強化されてもよい。代わりに,スロット512が誤ってアンテナとして機能するリスクを最小化するために,微細な穿孔のパターン514を使用してもよい。例えば,約5GHの信号周波数の場合,微細な穿孔514は,約1mmを超えない直径を有してもよい。
[0031] 図3A-3Bを参照して説明したように,ヒートシンクトレースの束518または導電性材料の幅の広いストリップは,熱を基板上の特定の場所または基板の周囲に向けるために使用されてもよく,他の放熱コンポーネントが取り付けられてもよい。例えば,熱は,バンドル518を介して,プリント回路基板の側面から延びるヒートシンクであってもよい金属部品510に配管されてもよい。他の例では,図6を参照してさらに説明したように,熱は,携帯装置100の実質的に他の接地された金属部品に配管されてもよい。)
「」
(2)上記(1)から,引用文献1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 回路基板アセンブリ500は,プリント回路基板502を含んでもよく,プリント回路基板502は,絶縁層によって分離された交互の複数の導電層を含んでもよく,複数組の扇状に広がったまたは放射状に延びるトレース506,510が,プリント回路基板上の熱輸送および/または放熱の方向性を提供するために使用されてもよく,プリント回路基板502は,第1のコンポーネント504と第2のコンポーネント508とを含んでもよく,第1のコンポーネント504は,チップが動作中であるときに,かなりの量の熱を発生させる可能性があり,ホットチップと呼ばれてもよく,第2のコンポーネント508は,クーラーチップと呼ばれてもよく,低い温度に維持することが望ましく,熱がホットチップから選択的に,クーラーチップから離れた領域に向かって輸送されるように,ホットチップの周囲に配置された複数の導電性トレース506を使用することによって達成されてもよく,すべてのトレースは,積み重ねられたどの層に存在してもよく,熱が領域524から大体遠ざかることにより,第1および第2のコンポーネント504,508の間に遮熱領域524が定義されてもよい,こと。」
2 引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0015】本実施の形態に係る基板1は,部品実装パッド4と,配線パターン5と,配線パターン5に実装された放熱板3とを備えている。部品実装パッド4には発熱部品2を含む部品を実装する。配線パターン5は,部品実装パッド4と部品実装パッド4の間,部品実装パッド4に実装する部品と部品の間,又は部品実装パッド4と部品の間を接続する。発熱部品2はパワートランジスタ,パワーMOSFET等である。基板1は例えばプリント基板であり,部品実装パッド4,配線パターン5は,例えば銅箔である。基板1の他の部分は絶縁体である。発熱部品2は,部品実装パッド4に例えば半田等により表面実装する。放熱板3は例えば銅等の金属であり,配線パターン5に例えば半田等により表面実装する。部品6は,トランジスタ,IC等の回路部品であり,発熱部品2であっても良い。」
「【0023】図5における,斜線で示すそれぞれの方熱板3は,方熱板3を上方から見た図を示し,それぞれが図2の平面図にあたり,例えば,部品実装パッド4の長手方向に沿って部品実装パッド4に半田等により接続される。【0024】本実施の形態に係る基板1は,複数の部品実装パッド4と,配線パターン5と,部品実装パッド4に実装された放熱板3とを備えている。部品実装パッド4には発熱部品2を含む部品を実装する。放熱板3は,発熱部品2を実装した部品実装パッド4とは異なる部品実装パッド4に実装される。【0025】本実施の形態に係る基板1を使用するためにこの基板1に通電すると,発熱部品2が発熱する。発熱した発熱部品2の熱は,発熱部品2の実装された部品実装パッド4及びこの部品実装パッド4に接続された複数の配線パターン5に伝わる。そして,発熱部品2の熱はこの複数の配線パターン5に接続された,複数の部品実装パッド4に実装された複数の放熱板3へ伝わる。これらの放熱板3は伝わってきた発熱部品2の熱を放熱する。【0026】このように,本発明の第2の実施の形態によれば,発熱部品2を実装した部品実装パッド4とは異なる複数の部品実装パッド4に実装された複数の放熱板3が,配線パターン5及び部品実装パッド4を伝わってきた発熱部品2の熱を放熱する。このため,発熱部品2の熱を放熱するために放熱板3を発熱部品2の周辺に配置する必要がなく,また,放熱板3を基板1上の任意の位置の部品実装パッド4に実装できる。このため,放熱板3を基板1上の任意の位置に,かつ,必要な数の放熱板3を実装できる。すなわち,制限を受けずに,必要な位置に必要な数の放熱板3を実装できる。このため,放熱効果を増強できる。」
「」
(2)上記(1)から,引用文献2には,次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「基板1は,複数の部品実装パッド4と,配線パターン5と,部品実装パッド4に実装された放熱板3とを備えており,ある配線パターン5の両端の部品実装パッド4には発熱部品2と部品6を実装し,別の配線パターン5の両端の部品実装パッド4には,発熱部品2と放熱板3を実装し,発熱した発熱部品2の熱は,発熱部品2の実装された部品実装パッド4,及びこの部品実装パッド4に接続され発熱部品2から離れた方向に伸びる配線パターン5を通り配線パターン5に実装された放熱板3へ伝わり,放熱板3は伝わってきた発熱部品2の熱を放熱すること。」
3 その他の文献について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3の段落0010-0017及び図1-7には,
「多層基板100は,第1層101,第2層102,第3層103,第4層であるベタGND層104と,各層の間に挟まれている誘電体層111,112,113により構成されており,表層である第1層101には,熱の伝搬が抑制されるべき被保護部品であるTCXO120と,発熱性の部品であるRF(Radio Frequency)用パワーアンプ130とが配されており,TCXO120とRF用パワーアンプ130との間には,第1溝部151と第2溝部152の二つの溝が設けられており,当該二つの溝の間には多数のビアが配されており,RF用パワーアンプ130とTCXO120との間に二つの溝を構成し,間に熱伝導性の低い空気を挟むことによって,熱が伝搬するのを抑制し,更には,ビアに熱が吸収され,ベタGND層104に逃がされるので,TCXO120において,急激に温度が変化すること抑制できること。」
が記載されている。
第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。
ア 引用発明の「絶縁層」は本願発明1の「絶縁基板」に相当することは明らかである。
また,引用発明の「トレース506,510」は,「プリント回路基板上の熱輸送および/または放熱の方向性を提供するために使用され」るものであるから,本願発明1の「熱伝導トレース」に対応する。
すると,引用発明の「プリント回路基板502」が,本願発明1の「複合層」に対応し,引用発明の「回路基板アセンブリ500」が,本願発明1の「熱伝達管理装置」に対応する。
イ 引用発明の「第1のコンポーネント504」は,「チップが動作中であるときに,かなりの量の熱を発生させる可能性があ」るから,本願発明1の「発熱部品」であるといえ,引用発明の「第2のコンポーネント508」は,「低い温度に維持することが望まし」いから,本願発明1の「低耐熱性部品」であるといえる。
ここで,引用発明においては,「第1および第2のコンポーネント504,508の間に遮熱領域524が定義されてもよい」ことから,「第2のコンポーネント508」は,「第2のコンポーネント504」から「遠位に配置されている」と認められる。
(2)一致点・相違点
したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点と,相違点がある
といえる。
<一致点>
「熱伝達管理装置であって,絶縁基板と該絶縁基板に結合された複数の熱伝導トレースとを有する複合層と,前記複合層に結合された発熱部品と,前記複合層に結合され且つ前記発熱部品から遠位に配置された低耐熱性部品と,を具備する,熱伝達管理装置。」
<相違点>
(相違点1)
本願発明1は,「発熱部品マウント」,「低耐熱性部品マウント」を備えるのに対し,引用発明はこの点について特定されていない点。
(相違点2)
本願発明1の「熱伝導トレース」は「少なくとも一つが前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通」し,「少なくとも1つが,前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁され,前記発熱部品マウントの外周の部分と前記低耐熱性部品マウントの外周の部分との間の領域を横断する」のに対して,引用発明はこの点について特定されていない点。
(3)相違点についての判断
ア 相違点2について
事案に鑑みて上記相違点2について先に検討する。
引用文献2記載事項には,両端の「部品実装パッド4」に,「発熱部品2」と「部品6」を実装した「ある配線パターン5」(本願発明1の「前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通」した「熱伝導トレース」に対応すると認められる。)と,「発熱部品2」と「放熱板」を実装した「別の配線パターン5」(本願発明1の「少なくとも1つが,前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁され」た「熱伝導トレース」に対応すると認められる。)とを備える基板が記載されているが,「別の配線パターン5」の配置について何ら特定されていない。
また,引用文献2の段落0015に「部品6は,トランジスタ,IC等の回路部品であり,発熱部品2であっても良い。」と記載されているように,引用文献2記載事項における「部品6」は,「低耐熱性部品」と特定されていない。
そうすると,引用文献2には相違点2に係る,「熱伝導トレース」が「少なくとも一つが前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントと電気的に導通」し,「少なくとも1つが,前記発熱部品マウント及び前記低耐熱性部品マウントの少なくとも一方から電気的に絶縁され,前記発熱部品マウントの外周の部分と前記低耐熱性部品マウントの外周の部分との間の領域を横断する」ことは記載されているとはいえない。
また,引用文献3にも,相違点2に係る本願発明1の構成は記載されていない。
加えて,相違点2についての構成は,周知技術であるということもできない。
すると,引用発明において,引用文献2,3に記載された事項を適用し,相違点2に係る本願発明1の構成を想到することは,当業者であれば容易になし得たものであるとはいえない。
イ したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用文献1及び引用文献2-3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2-10について
本願発明2-10は,本願発明1の全ての構成要素を備える従属請求項であり,上記相違点2に係る本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1及び引用文献2-3に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
1 原査定の概要
原査定(令和 1年 6月14日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-13に係る発明は,以下の引用文献1-3に記載された発明に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1 米国特許出願公開第2014/0160684号明細書
引用文献2 特開2013-161812号公報
引用文献3 特開2010-165728号公報
2 原査定についての判断
本願発明1-10は,上記「第6 対比・判断」における相違点2に係る構成を有するものとなった。
そして,上記「第6 対比・判断」で検討したように,本願発明1-10は,当業者であっても,原査定における引用文献1-3に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。
したがって,原査定を維持することはできない。
第6 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第6項第2号について
以下,当審拒絶理由の理由1が解消したか否かについて検討する。
補正前の請求項1に記載された「第1の熱伝達促進領域」及び「第2の熱伝達促進領域」が「複合層」のどの領域を指し示しているのか不明であるとした拒絶理由は,補正後の請求項1において「第1の熱伝達促進領域」及び「第2の熱伝達促進領域」が削除されたことにより解消した。
補正前の請求項1に記載された「複数の収束経路突出部」がどのような物なのか,明細書の記載を参照しても特定できないとした拒絶理由は,補正後の請求項1において「複数の収束経路突出部」が削除されたことにより解消した。
補正前の請求項2に記載された「複数のシールド経路突出部」がどのような物なのか,明細書の記載を参照しても特定できないとした拒絶理由は,補正前の請求項2が削除されたことにより解消した。
2 特許法第36条第4項について
以下,当審拒絶理由の理由2が解消したか否かについて検討する。
令和 2年10月20日付けの手続補正により,絶縁基板における熱伝導体,すなわち,熱伝導トレースの選択的な配置によって,熱流束は,低耐熱性部品の周辺の温度上昇を最小化するものであることは明らかであるから,当業者が明細書及び図面の記載並びに出願人の技術常識に基づいて,請求項に係る発明の属する技術分野の課題を理解することができるものとなった。
よって,当審拒絶理由の理由2は,解消した。
第7 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-014741