2019-013654
- 審判番号
- 2019-013654
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2018-039805外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年10月11日
- 審決日
- 2020年07月21日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社白形傳四郎商店
- 【請求人代理人】石垣 達彦
- 【請求人代理人】石垣 春樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 識別力なし図形・ロゴ等(別掲)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
1 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第29類「茶の実から絞った食用油,食用油脂」を指定商品として,平成30年3月29日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,深緑地に長楕円の形をした複数枚の緑色の葉と,緑色の外皮に半分が包まれ茶色い種子がみえている扁円形の2個の果実,及び緑色の外皮に包まれた4個の果実が付いた枝からなる写実的図形を配した構成からなるものである。ところで,茶の実は,古来より我が国において広く親しまれている果実であり,その外見は『複数枚の緑色の葉と,外皮に半分が包まれ茶色い種子がみえている扁円形の果実,及び緑色の外皮に包まれた果実』の特徴を有しているものとして知られているところ,本願商標は茶の実及びその葉を表した写実的な図形からなるものと看取されるものとみるのが相当である。そして,『茶の実』は食用油の原材料としても使用されており,さらに,食用油を取り扱う業界においては,その原材料を表すために写実的な図形や写真を商品の説明や包装に用いることが少なくなく,このことは『茶の実を搾った油』についても同様である。そうすると,本願商標を,その指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,『茶の実を原材料とする商品』であること,すなわち,商品の原材料を表示したものとして認識するにとどまり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおりの,深緑地を背景に実や葉をつけた植物を表してなるものである。
ところで,辞書類において「茶」の項目に「葉は長楕円形で厚く表面に光沢があり,10月頃葉腋に白花を開く。果実は扁円形で,開花の翌秋に成熟し,通常3個の種子がある。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版),「よく分枝し,狭卵形で光沢のある濃緑色の葉を互生。葉腋に白色五弁花を少数つけ,平球形の朔果を結ぶ。」(株式会社小学館 大辞林第三版)の記載があることに加え,原審において示した別掲2の例と同様に,別掲3に示す例からすれば,茶は「楕円形の緑色の葉を有し,緑色の外皮に包まれた茶色い種子を有する扁円形の果実。」のような特徴を有しているものと認められる。
以上を踏まえて本願商標をみると,そこに表されている実や葉等の描き方が「楕円形の緑色の葉を有し,緑色の外皮に包まれた茶色い種子を有する扁円形の果実。」といった色彩や形状の特徴を有する茶の実や葉等の写真やそれらを表した図形と酷似していることから,本願商標は「実(茶の実)をつけた茶」を写実的に表した図形からなるものであって,「茶の実」の部分は,深緑地に映える茶色で,かつ,比較的大きく表示されていることからすれば,顕著に表されているというべきである。
そして,本願の指定商品との関係において,原審において示した別掲4の例に加えて,別掲5及び別掲6に示す例からすれば,「茶の実」は,食用油の原材料として使用されており,さらに,食用油を取り扱う業界においては,商品の説明や包装にその原材料を図形や写真を用いて表示することが少なくなく,「茶の実から搾った食用油」についても同様に,商品の包装容器や商品を説明するウェブサイトにおいて,原材料である「茶の実」を図形で表現したり写真を掲載したりして,原材料として表示している取引の実情が認められる。
そうすると,顕著に表された「茶の実」を構成中に有する本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「茶の実を原材料とする商品」,すなわち,商品の原材料を表示したものとして理解し,認識するにとどまると判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商品の原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標は,単に茶の木に生る茶の実や枝,葉をそのままを模して描いた写実的なものではなく,極めて独創性の高いデザイン的な特徴を複数有する図形であると認識される旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標は,辞書類やウェブサイトにおける「茶」に関する記載を踏まえれば,茶の実や葉等の写真や図形と酷似していることから,「実(茶の実)をつけた茶」を写実的に表した図形からなるものというべきあって,仮に,本願商標が,請求人が主張するようなデザイン的な特徴を有する図形であるとしても,茶の実や葉の特徴と酷似していることに何ら変わりはないうえに,「茶の実をつけた茶」以外の植物を想起させるような事情もないことからすれば,それが上記(1)の判断に影響を及ぼすものではない。
イ 請求人は,通常の茶畑をみたことがある取引者,需要者はいても,その茶畑で茶の実をみたり,そもそも実をつけることを知っている取引者,需要者は少ないのが一般的であることから,本願商標に接する取引者,需要者は,何かの植物の実であることは理解しても,直ちに茶の実やその葉を表した写実的な図形であると認識されるものではなく,商品の原材料を表示したものと認識することは到底あり得ない旨主張する。
しかしながら,上記(1)並びに別掲2及び別掲3のとおり,「茶の実」については,一般の人の目にも触れる機会が多い辞書類や県等のウェブサイト等においても,その特徴が掲載されていることに加え,本願の指定商品を取り扱う業界においても,茶の実について多数紹介されている実情からすれば,本願商標に接する取引者,需要者にあっては,茶の実の特徴を理解しているものと解すべきであり,ひいては,本願の指定商品の原材料を表示したものと認識するとみるのが相当である。
ウ 請求人は,過去の商標の登録例を挙げて,本願商標もそれらと同様に,登録されるべきである旨主張する。
しかしながら,請求人の挙げる登録例は,本願商標とは,構成態様が異なるものであって,かつ,具体的事案の判断においては,過去の登録例に拘束されることなく,当該商標登録出願の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから,これらの事例の存在によって,上記(1)の判断が左右されるものではない。
エ よって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(24行)
1 (本願商標 色彩は原本参照)
2 原審において示した,茶は「楕円形の緑色の葉を有し,緑色の外皮に包まれた茶色い種子を有する扁円形の果実。」のような特徴を有しているものとして示している用例
(1)「里山再生プロジェクト:楽農倶楽部」のウェブサイトにおいて,「茶の実,いっぱい落ちてます。」の見出しの下,茶の実の画像が掲載されている。
http://satoraku.blogspot.com/2012/11/blog-post.html(令和2年6月3日最終閲覧)
(2)「三河の植物観察」のウェブサイトにおいて,「チャノキ 茶の木」の見出しの下,茶の実の画像が掲載されている。
http://mikawanoyasou.org/data/tyanoki.htm(令和2年6月3日最終閲覧)
(3)「埼玉県」のウェブサイトにおいて,「茶の実について」の見出しの下,「昔は茶の種子から油を採り,食用や洗髪に利用していた地域がありました。また,家紋としてデザインされ,40種類以上の茶の実紋が生み出されるなど,茶の実は,日本人の生活と密接に関わってきました。」の記載,茶の実の割れた果実の画像,及び茶の実の家紋の図が掲載されている。
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0914/chanomi.html(令和2年6月3日最終閲覧)
3 別掲2と同様に,茶は「楕円形の緑色の葉を有し,緑色の外皮に包まれた茶色い種子を有する扁円形の果実。」のような特徴を有しているものとして示している用例
「ナゴヤNAT‘S」のウェブサイトにおいて,「放棄地に眠る宝で再興,岐阜発『茶の実オイル』」の見出しの下,楕円形の緑色の葉を表した画像(上段に示す画像)及び茶の実が緑色の外皮に包まれた茶色い種子を有する扁円形の果実であることを表した画像(下段に示す画像)が掲載されている。
https://nats.nagoya/?p=1294(令和2年6月3日最終閲覧)
4 原審において示した,「茶の実」が食用油の原材料として使用されており,さらに,商品の包装容器や商品を説明するウェブサイトにおいて,原材料である「茶の実」を,図形で表現したり写真を掲載したりして原材料を表示している用例
(1)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「茶実油 280g」の見出しの下,「中国の山岳地帯に原生している茶の実を搾った油です。」の記載及び茶の実の図が付された商品の写真が掲載されている。
https://www.amazon.co.jp/%E8%8C%B6%E5%AE%9F%E6%B2%B9-280g/dp/B000FQSSMG(令和2年6月3日最終閲覧)
(2)「47CLUB」のウェブサイトにおいて,「純正 茶油 270g / 茶の実を低圧搾。オレイン酸オメガ-9のプレミアム」の見出しの下,「中国広西省産の茶の実を搾った食用油の純正茶油です。」の記載及び当該商品の横に茶の実の写真が付されている。
https://www.47club.jp/41M-000106ibx/goods/detail/10078028(令和2年6月3日最終閲覧)
5 「茶の実」が食用油の原材料として使用されていることの用例
「有限会社フルーツティー」のウェブサイトにおいて,「茶の実油TeaOil 『 茶 話』」の見出しの下,「一番しぼり・茶の実油 お茶の実をぎゅっと圧搾法でしぼりました。」との記載がある。
https://fruits-tea.co.jp/tea-oil-2(令和2年6月3日最終閲覧)
6 「茶の実」が商品の包装容器や商品を説明するウェブサイトにおいて,原材料である「茶の実」を,写真を掲載したりして原材料を表示している用例
「sunmooncafe」のウェブサイトにおいて,「《最高級茶油》グイリン・ティーオイル 期間限定品」の見出しの下,茶の実や葉を表した写真が掲載されている。
https://camelliaole.thebase.in/items/16549642(令和2年6月3日最終閲覧)
(上記別掲2,別掲3,別掲4及び別掲6に係る画像における色彩等の詳細については,それぞれ記載したURLを参照のこと。)
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