意匠拒絶査定不服審判
2019-007393
ランキング表示機能付き電子計算機
- 審判番号
- 2019-007393
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2017-010008外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年06月05日
- 審決日
- 2020年02月03日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】龍華国際特許業務法人
- 分類
- D18 .1 -WY (H7-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項、意匠法第2条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2017- 10008「ランキング表示機能付き電子計算機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成29年(2017年)5月11日の意匠登録出願であって、平成30年(2018年)4月24日付けの拒絶理由の通知に対し、同年6月18日に意見書が提出されたが、平成31年(2019年)2月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、令和1年(2019年)6月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願の意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「ランキング表示機能付き電子計算機」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって、願書の記載によれば、意匠に係る物品の説明を「本物品は、ランキングを表示する機能を備えた電子計算機である。正面図に表された画像は、各種カテゴリにおいて順位付けした情報を、ランキング形式で表示するものである。具体的には、ランキング対象に基づく1つの評価情報が1つの評価情報領域に表示されるものであって、参考図に示すように、評価情報領域内に配された円形状の図形の内部に、ランキングに応じた数字が表示される。評価情報の数に応じて複数の四角形の評価情報領域がランキング順に横方向に並べて表示され、その数によっては行を増やして表示される。これにより、使用者は各種ランキングを容易に把握することができる。」とし、意匠の説明を「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下、本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願画像部分」という。)。(別紙参照)
第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないというものであり、具体的には以下のとおりである。
「『意匠に係る物品』欄及び『意匠に係る物品の説明』欄において、この意匠登録出願の意匠の画像が各種カテゴリーにおいて順位付けした情報をランキング形式で表示するものであることが記載されていますが、ランキング表示に係る画像においては、通常、一種類の対象についてのランキングを表示するものと考えられます。この意匠登録出願の意匠の画像については、具体的に何を対象としたランキングが表示されるのか、また、最終的にどのような機能(例えば、ニュース閲覧、商品検索)を発揮することを目的としているのかが不明確であって、この意匠登録出願の意匠を特定することができません。なお、画像を含む意匠においては、変化する画像が特定の条件を満たす場合には、複数の画像を含んでいても一意匠であると認められますが、原則的に一つの意匠には一つの画像が表されるものです。(意匠審査基準74.7.1.3をご参照下さい。)」
第4 当審の判断
以下、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するか否かについて検討する。
1 本願意匠
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品(以下「本願物品」という。)は、「ランキング表示機能付き電子計算機」であって、特定の機能(ランキング表示機能)を有する電子計算機である。
(2)本願画像部分の用途及び機能
上記第2の願書の意匠に係る物品の説明の記載によれば、本願画像部分は、「各種カテゴリにおいて順位付けした情報を、ランキング形式で表示するもの」と説明されていることから、その用途及び機能は、スマートフォン等の電子計算機にインターネット等を介してダウンロードして用いられるソフトウエアであって、使用者が、インターネット上でプロバイダーが提供する各種インターネットサイトにアクセスし情報(コンテンツ)を表示させることにより、これと連動して発動し、当該コンテンツの第1位から第5位までをランキング表示する機能と解され、また、この種のランキング表示は、表示機能のほか、評価情報表示領域(以下「表示領域」ともいう。)の1つを選択することによって、表示されるコンテンツの所在する場所(ページ)にジャンプできるようハイパーリンク機能を有することは、当該物品の分野において一般的であるから、本願画像部分は、当該電子計算機の操作の用に供される画像(意匠法第2条第2項の操作画像)といえるものである。
(3)本願画像部分の位置、大きさ及び範囲
本願画像部分は、正面図において、破線によって表した縦横の長さの比率が約1:1.4の表示画面中、上下中央やや上寄りで、右端寄りの位置に配置し、その大きさ及び範囲は、横幅は表示画面の約半分弱で、縦幅は表示画面の約1/11を占めるものである。
(4)本願画像部分の形態
本願画像部分は、外形状を、縦横の長さの比率を約7:50とする横長長方形とし、その内部を縦線で横に5等分して5つの横長長方形の評価情報表示領域に分け、それぞれの表示領域の上端左隅に、直径の長さが表示領域の縦の長さの約1/3の円形模様を設け、その内部中央に左端の領域から順に1から5までの算用数字を1つずつ表し、さらに円形模様の上端中央に両端の長さが円形模様の直径の約1/3強で縦横長さの比率が約8:7とする略M字状の冠模様を一体状に表してメダルに王冠を組み合わせたような模様としている。
2 本願画像部分が工業上利用できる意匠であるか否かの判断
画像を含む意匠について意匠登録を受けようとする場合は、意匠に含まれる画像が意匠法第2条第2項において規定する「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像」であることが必要であり、この物品の操作の用に供される画像には、物品の操作に使用される図形等が選択可能に表示され、その図形等を用いて物品の操作を行うことができるものであると解される。
そこで、本願画像部分について検討すると、本願画像部分は、前記1(2)で認定したとおり、電子計算機にダウンロードして用いられ、使用者が、インターネットサイトにアクセスし特定のコンテンツを表示させることにより、これと連動して発動するようプログラムされたソフトウエアであって、当該コンテンツの第1位から第5位までをランキング表示する機能を有し、各ランキングのコンテンツの所在するページを表示させるものであることは明らかであるから、本願画像部分は、意匠法第2条第2項に規定する当該電子計算機の操作の用に供される画像(操作画像)と解される。また、その位置、大きさ及び範囲は、前記1(3)で認定したとおりであり、その形態についても前記1(4)で認定したとおりであるから、具体的な一の意匠を表しているということができ、本願画像部分は、物品の操作の用に供される画像が具体的に表されたものである。
したがって、本願画像部分は、意匠法上の意匠を構成するものといえるから、本願意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するものといえる。
第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては、意匠法第3条第1項柱書きに規定する工業上利用することができる意匠に該当しないものであるということはできない。
また、当審において、さらに審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2019-007393