特許拒絶査定不服審判
2019-006446
固体燃料の製造方法及び固体燃料
- 審判番号
- 2019-006446
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-049001
- 請求日
- 2019年05月17日
- 審決日
- 2020年03月02日
- 公報発行日
- 2020年04月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】日本製紙株式会社
- 【請求人代理人】山本 修
- 【請求人代理人】小野 新次郎
- 【請求人代理人】中村 充利
- 【請求人代理人】小笠原 有紀
- 【請求人代理人】新井 規之
- 審判長/審判官
- 審判長 日比野 隆治
- 審判官 川端 修
- 審判官 門前 浩一
- 分類
- P18 .121-WYF(C10L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2018- 49001「固体燃料の製造方法及び固体燃料」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月19日出願公開、特開2018-111831、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)9月26日(優先権主張 平成24年9月28日、日本)を国際出願日とする特願2014-538587号の一部を、平成30年3月16日に新たな特許出願としたものであって、平成30年12月3日付けで拒絶理由通知がされ、平成31年2月8日付けで意見書及び補正書が提出され、同年2月18日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、令和元年5月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、手続補正がされ、令和元年6月13日付けで前置報告がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成31年2月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
請求項1~5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明5」という。)は、以下の引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2~4に記載された事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
1.バイオマス炭化特性評価装置の開発、電力中央研究所報告、2012年4月、報告書番号:M11014
2.特開2009-191085号公報
3.ペレット燃料に関するQ&A、林産試だより、北海道立林産試験場、2006年1月4日、2006年1月号、第5-7頁
4.スギ樹皮を原料にした木質ペレット製造試験、新潟県森林研究所研究報告、2011年、No.52,第49-52頁
第3 本願発明
本願発明1~5は、令和元年5月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
ハードグローブ粉砕性指数が30~70である、石炭と混燃させるための固体燃料の製造方法であって、
樹皮を含む0.1~100mmの木質系バイオマス粉砕物の水分を10~50%に調整し、嵩密度が0.55g/cm3以上になるまで高密度化した後、酸素濃度10%以下かつ温度170~330℃の条件下で物質収率が60~90%、熱量収率が70~95%となるようにロータリーキルンを用いて焙焼することを含む、上記方法。
【請求項2】
焙焼処理を行うための装置を不活性ガスで置換して焙焼する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
200~330℃で焙焼する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
木質系バイオマス粉砕物の水分を10~30%に調整する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ハードグローブ粉砕性指数が30~70である、石炭と混燃させるための固体燃料であって、
樹皮を含む0.1~100mmの木質系バイオマス粉砕物の水分を10~50%に調整し、嵩密度が0.55g/cm3以上になるまで高密度化した後、酸素濃度10%以下かつ温度170~330℃の条件下で物質収率が60~90%、熱量収率が70~95%となるようにロータリーキルンを用いて焙焼することよって得られる、上記固体燃料。」
第4 引用文献1~4の記載
1 引用文献1
引用文献1には、「バイオマス炭化特性評価装置の開発/-木質ペレットの炭化特性と炭化物性状の解明-」(標題。「/」は、原文の改行。以下、同じ。)について、次の記載がある(下線は当審が付与した。以下、同じ。)。
「背景
再生可能な資源であるバイオマスの利活用促進のため、当所ではバイオマスから燃料ガスを得る炭化ガス化技術と、固体燃料を得る炭化燃料化技術を開発している。両技術に共通する炭化プロセスを最適化するためには、種々の燃料や炭化条件における炭化物と揮発成分の生成特性、ならびに得られた炭化物の性状を把握する必要がある。
目的
木質バイオマスの炭化特性を把握するために基礎実験装置を設計、製作するとともに、国内産松ペレットの炭化試験を行い、炭化特性と炭化物の性状を明らかにする。
主な成果
1.実験装置の設計・製作と装置特性の把握
炭化温度や滞留時間、原料供給量を幅広く変化させることができる炭化基礎特性実験装置(図1)を設計・製作し、炭化温度300℃~600℃の範囲で松ペレットについて炭化試験を行った。その結果、炭化基礎特性実験装置と1.25t/日バッチ式大型炭化機*1の炭化物収率は概ね一致し、本装置を用いることで実規模炭化機の炭化物収率をある程度予測できることが明らかになった(図2)。
2.松ペレットの炭化特性
松ペレット炭化時の生成物収率から、炭化温度が高いほど炭化物収率が減少すると同時にガス収率が増加し、特に300℃~350℃の間で炭化物と揮発成分(凝縮性成分+ガス)の割合が大きく変化することが明らかになった(図3)。
3.松ペレット炭化物の性状
・炭化物の発熱量は、炭化温度300℃~350℃の間で大きく増加することが分かった(表1)。燃料比は炭化温度が高いほど大きくなり、500℃~600℃の炭化物は、燃料比が国内微粉炭ボイラで使用されている石炭の燃料比より大きくなることが分かった。
・各炭化物について石炭の粉砕性評価指標として用いられるHGI*2を測定したところ、350℃以上の炭化物は石炭と同程度の粉砕性を持つことが分かった(表1)。
・自然発熱性*3を測定したところ、300℃、350℃、600℃の炭化物は400℃、500℃の炭化物と比較して自然発熱性が抑制されていることが分かった(図4)。
今後の展開
炭化基礎特性実験装置を用いて、各種低品位バイオマスの炭化特性と炭化物性状を明らかにする。」(1頁)
「
」
「
」
「*1 当所の5t/日バイオマス/廃棄物炭化ガス化試験設備に付属している炭化機。電中研報告M10022
*2 Hardgrove Grindability Index : 粉砕性評価指標の一つ。JIS M8801に規定されている。HGIが大きいほど粉砕しやすい。
*3 自然発火性評価試験装置(島津製作所製、SIT-II)を用いた。試料を断熱状態にし、自然発熱による温度変化を測定する装置。」(1頁脚注)
2 引用文献2
引用文献2には、「固体燃料製造方法及びシステム、並びに固体燃料」(発明の名称)について、次の記載がある。
「【請求項1】
石炭と混合して若しくは単独で粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料を、バイオマスを酸素欠乏雰囲気下で加熱することにより製造する固体燃料製造方法において、
植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを、酸素濃度1~5%で且つ処理温度350~400℃で30~90分加熱して炭化処理することにより前記固体燃料を製造することを特徴とする固体燃料製造方法。
【請求項2】
石炭と混合して若しくは単独で粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料を、バイオマスを酸素欠乏雰囲気下で加熱することにより製造する固体燃料製造方法において、
植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを、酸素濃度1~5%で且つ製造される固体燃料のHGI(ハードグローブ粉砕性指数)が30~60となる処理温度で30~90分加熱して炭化処理することにより前記固体燃料を製造することを特徴とする固体燃料製造方法。」
「【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを酸素欠乏雰囲気下で加熱して固体燃料を製造する固体燃料製造方法及びシステム、並びに固体燃料に関し、特に、該固体燃料が、粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料であり、硬質バイオマスを適切な条件にて炭化処理することにより粉砕性を向上させることを可能とした固体燃料製造方法及びシステム、並びに固体燃料に関する。」
「【0009】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、石炭と混合して若しくは単独で粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料を、バイオマスを酸素欠乏雰囲気下で加熱することにより製造する固体燃料製造方法において、
植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを、酸素濃度1~5%で且つ処理温度350~400℃で30~90分加熱して炭化処理することにより前記固体燃料を製造することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、炭化処理における処理温度が350~400℃のとき、製造される固体燃料のHGI(ハードグローブ粉砕性指数)は30~60程度となる。一般に石炭は、HGIが40~50程度であるため、固体燃料は石炭と同等レベルの粉砕性を有することとなる。これにより、固体燃料は粉砕性が大幅に向上し、粉砕機の粉砕性能向上、動力低減が可能となる。尚、HGIとは、Hardgrove Grinding Index(ハードブローブ粉砕性指数)の略であり、これは石炭の粉砕性を評価する指数で、一定量の仕事量を被粉砕物に加えて得られる砕成物量で定まり、値が大きいほど粉砕性が高いことを示す。
固体燃料を石炭と混合して粉砕する際にも、固体燃料を石炭とともに均一に粉砕することができるため、燃焼効率が高く、高品質な燃料を得ることが可能となる。
また、処理温度400℃以下の範囲内で加熱することにより、固体燃料の熱量残存割合は硬質バイオマスの熱量に対して50%以上となる。従って、燃料としての利用価値を低下させない程度に熱量を残存させた上で、石炭と同等レベルの粉砕性を確保することを可能としている。
【0011】
また、石炭と混合して若しくは単独で粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料を、バイオマスを酸素欠乏雰囲気下で加熱することにより製造する固体燃料製造方法において、
植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを、酸素濃度1~5%で且つ製造される固体燃料のHGIが30~60となる処理温度で30~90分加熱して炭化処理することにより前記固体燃料を製造することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、上記と同様に固体燃料の粉砕性が大幅に向上し、粉砕機の粉砕性能向上、動力低減が可能となるとともに、石炭と混合して粉砕した際に固体燃料を石炭とともに均一に粉砕することができ、燃焼効率が高く、高品質な燃料とすることができる。
また、HGIが30~60となる処理温度に設定するため、硬質バイオマスの種類、性状、処理量に応じて適宜処理温度が設定され、粉砕性を確実に向上させることが可能となる。さらにまた、硬質バイオマスを他の種類のバイオマスと混合して炭化処理する場合においても、HGIが30~60となる適切な温度に設定することにより、硬質バイオマスの粉砕性を確実に向上させることができる。」
3 引用文献3
引用文献3には、「ペレット燃料に関するQ&A」(標題)について記載されている。
4 引用文献4
引用文献4には、「スギ樹皮を原料にした木質ペレット製造試験」(標題)について記載されている。
第5 引用文献1に記載された発明(引用発明)
1 引用文献1の下線部から、引用文献1には、国産松ペレットの炭化特性を把握するために、炭化温度や滞留時間、原料供給量を幅広く変化させることができる、図1に示された炭化基礎特性実験装置を用いて、国内産松ペレットの炭化試験を行い、得られた炭化物の発熱量、石炭の粉砕性評価指標として用いられるHGIを測定したことが記載されている。
そして、該図1には、炭化器本体は外部加熱型スクリュー式管状炉であり、炭化試験は、炭化温度300℃~600℃、滞留時間15分、供給量1kg/hで実施したことが記載されている。
また、表1には、炭化温度が300、350、400、500、600℃で得られた炭化物の、工業分析(揮発分、固定炭素、灰分、燃料比)、高位発熱量及びHGIの測定結果が記載されている。
2 そこで、図1に記載された炭化温度が300℃として得られた国産松ペレットの炭化物に着目すると、引用文献1には、該炭化物の炭化基礎特性実験装置による国産松ペレットの炭化物の製造方法が記載されているということができるから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
3 引用発明
「国内産松ペレットを、炭化温度300℃、滞留時間15分、原料供給量1kg/hで、外部加熱型スクリュー式管状炉を用いた炭化基礎特性実験装置によって炭化して、揮発分81.5wt%db、固定炭素18.1wt%db、灰分0.4wt%db、燃料比0.22、高位発熱量22.0MJ/kg、HGI36.6の炭化物を製造する方法。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 本願発明1の「固体燃料」と、引用発明の「炭化物」とは、いずれも加熱といった処理を経たものであるから、「処理物」である点で共通する。
イ 引用発明の「炭化物」の「HGI」は、「Hardgrove Grindability Index : 粉砕性評価指標の一つ。JIS M8801に規定されている。」のことであるから、「HGI36.6」は、本願発明1の「ハードグローブ粉砕性指数が30~70である」範囲に含まれる。
ウ 引用発明の「国産松ペレット」は、本願発明1の「木質系バイオマス」に相当する。
エ 引用発明の「炭化温度300℃」は、本願発明1の「焙焼」の「温度170~330℃の条件下」に含まれる。また、本願発明1の「焙焼」と引用発明の「炭化」は、いずれも加熱していることから、「加熱処理」である点で共通する。
オ 本願発明1の「ロータリーキリン」と引用発明の「外部加熱型スクリュー式管状炉」とは、「加熱炉」である点で共通する。
そうすると、上記ア~オより、本願発明1と引用発明とは、
「ハードグローブ粉砕性指数が30~70である、処理物の製造方法であって、
木質系バイオマスを、温度170~330℃の条件下で、加熱炉を用いて加熱処理することを含む、上記方法。」である点で一致し、次の点で相違が認められる。
(相違点1)
処理物について、本願発明1は、「石炭と混燃させるための固体燃料」であるのに対し、引用発明は「炭化物」である点。
(相違点2)
加熱処理される木質系バイオマスについて、本願発明1は、「樹皮を含む0.1~100mmの木質系バイオマス粉砕物の水分を10~50%に調整し、嵩密度が0.55g/cm3以上になるまで高密度化した」ものであるのに対し、引用発明は、「国産松ペレット」である点。
(相違点3)
加熱炉について、本願発明1は、「ロータリーキルン」であるのに対し、引用発明は、「外部加熱型スクリュー式管状炉」である点。
(相違点4)
加熱処理について、本願発明1は、「物質収率が60~90%、熱量収率が70~95%となるように焙焼する」ものであるのに対し、引用発明は、「揮発分81.5wt%db、固定炭素18.1wt%db、灰分0.4wt%db、燃料比0.22、高位発熱量22.0MJ/kg、HGI36.6の炭化物」を得るように炭化するものである点。
(2)相違点についての判断
ア 上記相違点1について検討する。
(ア)引用文献1には、「石炭と混燃させるための固体燃料」についての直接的な記載は見当たらないが、一般にバイオマス固体燃料は、微粉炭ボイラなどにおいて石炭と混焼して使用されるところ、当該微粉炭ボイラに関し、引用文献1の表1の下には次のように記載されている。
「試料と300℃炭化物の性状変化はわずかであり、350℃以上では性状が大きく変化することが分かった。HGIは350℃以上で微粉炭ボイラにおける運用下限値(HGI=40)以上になり、石炭と同程度の粉砕性を持つ炭化物が得られた。」
また、引用文献1の「3.」には、「各炭化物について石炭の粉砕性評価指標として用いられるHGI*2を測定したところ、350℃以上の炭化物は石炭と同程度の粉砕性を持つことが分かった(表1)。」と記載されている。
(イ)そうすると、引用発明の「炭化物」は、「300℃で炭化された炭化物」であり、「350℃以上の炭化物」ではないから、「石炭と同程度の粉砕性を持つ」ものではなく、HGIが微粉炭ボイラにおける運用下限値より小さいため、微粉炭ボイラに用いることを予定したものではないことが分かる。
(ウ)加えて、引用文献1には、「再生可能な資源であるバイオマスの利活用促進のため、当所ではバイオマスから燃料ガスを得る炭化ガス化技術と、固体燃料を得る炭化燃料化技術を開発している。」(「背景」の欄)と記載されていることからみて、引用文献1記載の「炭化基礎特性実験装置」は、燃料ガスあるいは固体燃料を得ることができるかどうかを検証するためのものであって、固体燃料に特化したものとは解されないから、引用文献1には、引用発明の「300℃で炭化された炭化物」が「石炭と混燃させるさせるための固体燃料」として用いられることは示されていないというほかない。
(エ)したがって、引用発明の「炭化物」は「石炭と混燃させるための固体燃料」を想定したものということはできない。
(オ)また、引用文献2には、「石炭と混合して若しくは単独で粉砕され微粉燃料として用いられる固体燃料」(請求項1、2)についての記載があるものの、「植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマスを、酸素濃度1~5%で且つ処理温度350~400℃で30~90分加熱して炭化処理することにより固体燃料を製造する」(請求項1)ものであり、「国産松ペレット」は「植物の殻類、実、種子を含む硬質バイオマス」とはいえず、しかも、引用発明の炭化温度は「300℃」であって、「350~400℃」ではないことから、引用文献2に接した当業者が、引用発明の「炭化物」を「石炭と混燃させるための固体燃料」として用いることを、容易に想到し得るとはいえない。
(カ)そして、引用文献3、4には、「石炭と混燃させるための固体燃料」については、何も記載されていない。
(キ)これに対し、本願発明1は、比較的水分が多く含まれる「樹皮を含む0.1~100mmの木質系バイオマス粉砕物」に対して、「水分を10~50%に調整し、嵩密度が0.55g/cm3以上になるまで高密度化した後、酸素濃度10%以下かつ温度170~330℃の条件下で」「ロータリーキルンを用いて焙焼する」ことで、「物質収率が60~90%、熱量収率が70~95%」の「石炭と混燃させるための固体燃料」を製造するものであって、「本発明の製造方法にて得られる固形燃料は、物質収率、熱量収率が高く、さらに石炭と同等の粉砕性を有するため、石炭と混合して粉砕処理して微粉炭ボイラーの燃料として高い比率で混炭して使用することできる。」(本願明細書【0011】)という格別顕著な作用効果を奏するものであり、引用文献1~4の記載からは、このような効果は予測し得るものではない。
(ク)以上のとおり、本願発明1は、引用発明及び引用文献1~4の記載に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできない。
2 本願発明2~4について
本願発明2~4は、本願発明1を引用し、さらに限定するものであるから、本願発明1と同様に、引用発明及び引用文献1~4の記載に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできない。
3 本願発明5について
本願発明5は、本願発明1によって製造された「石炭と混燃させるための固体燃料」に係る発明であり、上記1で述べたように、引用発明の「炭化物」を「石炭と混燃させるための固体燃料」として用いることを容易に想到し得るとはいえないのであるから、本願発明1と同様に、引用発明及び引用文献1~4の記載に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1~5は、引用発明及び引用文献1~4の記載に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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