特許異議申立
2018-700235
移植機
- 審判番号
- 2018-700235
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2014-037067
- 登録番号
- 特許第6197693号(P6197693)
- 請求日
- 2018年03月19日
- 審決日
- 2018年11月02日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】井関農機株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人新大阪国際特許事務所
- 【異議申立人】岡本 茂男
- 審判長/審判官
- 審判長 小野 忠悦
- 審判官 西田 秀彦
- 審判官 須永 聡
- 分類
- P1652.111-XA (A01C) / P1652.112-XA (A01C) / P1652.113-XA (A01C) / P1652.121-XA (A01C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6197693号発明「移植機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6197693号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。
本件特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第6197693号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成26年2月27日に特許出願され、平成29年9月1日に特許の設定登録がされ、平成29年9月20日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1ないし3に係る特許に対し、平成30年3月19日に特許異議申立人岡本茂男(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成30年7月23日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年9月22日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正」という。)がなされたものである。
2 訂正の適否についての判断
(1)訂正内容
本件訂正は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし5について訂正することを求めるものである。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に
「前記走行車体(15)を昇降させる昇降機構(500)と、
前記昇降機構(500)を作動させる昇降操作具(81)と、
前記走行車体(15)が植付用の所定高さに到達したか否かを検出する高さ検出部(710、770)と、を備え、
前記決定部(800)は、前記昇降操作具(81)が前記走行車体を下降させる位置に設定され、且つ、前記高さ検出部(710、770)が、前記走行車体が前記所定高さに到達したことを検出することを条件として、前記駆動装置(470)を作動させて前記植付クラッチ(420)に前記切り替えを行わせる、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の移植機。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、
「走行車体(15)と、
前記走行車体に配置され、移植物(22)を圃場に植付ける植付具(11)と、
前記植付具(11)に駆動力を伝動させるか、伝動させないかの切り替えを行う植付クラッチ(420)と、
前記植付クラッチ(420)に、所定の作動周期で前記切り替えを行わせる駆動装置(470)と、
前記走行車体の複数種類の走行速度の中から一つの走行速度を指定する走行変速装置(190)と、
前記複数種類の走行速度に対応する複数種類の植付株間の範囲を予め格納した格納部(810)と、
前記走行変速装置(190)により指定される前記走行速度に対応した前記植付株間の範囲を表示することが出来る表示部(630)と、
前記表示部(630)に表示された前記植付株間の範囲内で選択される植付株間と、前記指定された走行速度とに基づいて、前記駆動装置(470)の前記作動周期を決定する決定部(800)と、
前記走行車体(15)を昇降させる昇降機構(500)と、
前記昇降機構(500)を作動させる昇降操作具(81)と、
前記走行車体(15)が植付用の所定高さに到達したか否かを検出する高さ検出部(710、770)と、を備え、
前記決定部(800)は、前記昇降操作具(81)が前記走行車体を下降させる位置に設定され、且つ、前記高さ検出部(710、770)が、前記走行車体が前記所定高さに到達したことを検出することを条件として、前記駆動装置(470)を作動させて前記植付クラッチ(420)に前記切り替えを行わせる、ことを特徴とする移植機。」に訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)。
請求項4の記載のみを直接的に引用する請求項5も同様に訂正する。
オ 訂正事項5
明細書の段落【0012】~【0014】、及び段落【0020】~【0023】の記載を、何れも削除する。
カ 訂正事項6
明細書の段落【0015】に、
「また、第4の本発明は、
前記走行車体(15)を昇降させる昇降機構(500)と、
前記昇降機構(500)を作動させる昇降操作具(81)と、
前記走行車体(15)が植付用の所定高さに到達したか否かを検出する高さ検出部(710、770)と、を備え、
前記決定部(800)は、前記昇降操作具(81)が前記走行車体を下降させる位置に設定され、且つ、前記高さ検出部(710、770)が、前記走行車体が前記所定高さに到達したことを検出することを条件として、前記駆動装置(470)を作動させて前記植付クラッチ(420)に前記切り替えを行わせる、ことを特徴とする上記第1乃至第3の何れか一つの本発明の移植機である。」
とあるのを、
「第4の本発明は、
走行車体(15)と、
前記走行車体に配置され、移植物(22)を圃場に植付ける植付具(11)と、
前記植付具(11)に駆動力を伝動させるか、伝動させないかの切り替えを行う植付クラッチ(420)と、
前記植付クラッチ(420)に、所定の作動周期で前記切り替えを行わせる駆動装置(470)と、
前記走行車体の複数種類の走行速度の中から一つの走行速度を指定する走行変速装置(190)と、
前記複数種類の走行速度に対応する複数種類の植付株間の範囲を予め格納した格納部(810)と、
前記走行変速装置(190)により指定される前記走行速度に対応した前記植付株間の範囲を表示することが出来る表示部(630)と、
前記表示部(630)に表示された前記植付株間の範囲内で選択される植付株間と、前記指定された走行速度とに基づいて、前記駆動装置(470)の前記作動周期を決定する決定部(800)と、
前記走行車体(15)を昇降させる昇降機構(500)と、
前記昇降機構(500)を作動させる昇降操作具(81)と、
前記走行車体(15)が植付用の所定高さに到達したか否かを検出する高さ検出部(710、770)と、を備え、
前記決定部(800)は、前記昇降操作具(81)が前記走行車体を下降させる位置に設定され、且つ、前記高さ検出部(710、770)が、前記走行車体が前記所定高さに到達したことを検出することを条件として、前記駆動装置(470)を作動させて前記植付クラッチ(420)に前記切り替えを行わせる、ことを特徴とする移植機である。」
に訂正する。
キ 訂正事項7
明細書の段落【0024】に、
「また、第4の本発明によって、例えば、空中で無意味な植付動作を行う所謂空中植え等、植付具の不要な動作を防止出来る。」
とあるのを、
「第4の本発明によって、走行変速装置により指定された走行速度に対応した、植付株間の範囲が表示可能な表示部を利用することで、指定された走行速度に対応した植付株間の範囲内で、適正な植付株間を設定することが出来る。
また、圃場や走行速度等の作業条件に対応して、適正な植付株間に設定出来る。
また、第4の本発明によって、例えば、空中で無意味な植付動作を行う所謂空中植え等、植付具の不要な動作を防止出来る。」
に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び一群の請求項について
ア 訂正事項1
訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、請求項3を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
エ 訂正事項4
訂正事項4は、訂正前の請求項4が請求項1乃至3の何れか一つの記載を引用する記載であるところ、請求項2と3を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるためのものであるから「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであり、請求項5については、請求項4のみを直接的に引用しているものであって、訂正事項4によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるものであるから、請求項5に係る訂正事項4についても、上記と同様に、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
また、訂正事項4は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
なお、上記のとおりであるから、請求項4及び5に係る訂正について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
オ 訂正事項5
訂正事項5は、上記訂正事項1~3に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
カ 訂正事項6
訂正事項6は、上記訂正事項4に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
キ 訂正事項7
訂正事項7は、上記訂正事項4に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
ク 一群の請求項について
訂正前の請求項1ないし5について、請求項2ないし5はそれぞれ請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、請求項1ないし5は一群の請求項である。
(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付されたとおり、訂正明細書及び特許請求の範囲の訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。
3 特許異議の申立てについて
申立人は、請求項1ないし3に係る本件特許は、特許法第29条第1項第1号、同法第29条第1項第2号、同法第29条第1項第3号及び同法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものであると主張する。
しかしながら、上記2のとおり、請求項1ないし3を削除する本件訂正が認められたので、請求項1ないし3についての本件特許異議申立ては、その対象が存在しないものとなった。
したがって、請求項1ないし3についての本件特許異議申立ては、不適法な特許異議申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。
4 むすび
以上のとおり、本件特許異議申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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