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特許拒絶査定不服審判

2018-006626

ゴム用離型剤、ゴム用離型剤水分散液、ゴム、およびゴムの製造方法

審判番号
2018-006626
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-250678
請求日
2018年05月15日
審決日
2019年01月31日
公報発行日
2019年03月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
  • 【請求人代理人】辻丸 光一郎
  • 【請求人代理人】中山 ゆみ
  • 【請求人代理人】伊佐治 創
審判長/審判官
  • 審判長 須藤 康洋
  • 審判官 阪▲崎▼ 裕美
  • 審判官 渕野 留香
分類
P18 .121-WY (B29C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-250678「ゴム用離型剤、ゴム用離型剤水分散液、ゴム、およびゴムの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月29日出願公開、特開2017-114126、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年11月28日に特許出願された特願2013-246783号の一部を、平成28年12月26日に新たな特許出願とした出願であって、平成29年11月30日付けで拒絶理由が通知され、平成30年2月2日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年2月14日付けで拒絶査定がされ、同年5月15日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成30年2月14日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。 この出願の請求項1ないし12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.米国特許第3765911号明細書 2.米国特許第3002840号明細書 3.特開2008-101196号公報 4.特開昭51-022741号公報 (以下、順に、「引用文献1」のようにいう。) 第3 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1ないし12に係る発明(以下、順に「本願発明1」のようにいう。)は、平成30年5月15日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された次の事項により特定されるとおりのものであると認められる。 「【請求項1】 ゴム表面に付着させて用いるゴム用離型剤であって、 前記ゴム用離型剤が、無機粉末およびpH緩衝剤を含み、 前記pH緩衝剤は、炭酸塩および二塩基酸塩の少なくとも一方であり、 前記無機粉末が、前記pH緩衝剤以外の無機粉末であり、 水100gに前記ゴム用離型剤2.0gを分散させた場合の分散液のpHが8.0を超え10.0以下であることを特徴とするゴム用離型剤。 【請求項2】 前記水分散液の前記pHが9.0以上である請求項1記載のゴム用離型剤。 【請求項3】 前記pH緩衝剤が炭酸ナトリウムである請求項1または2記載のゴム用離型剤。 【請求項4】 さらに、鉱物油を含む請求項1から3のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。 【請求項5】 前記鉱物油が、パラフィン系オイルおよびナフテン系オイルの少なくとも一方を含む請求項4記載のゴム用離型剤。 【請求項6】 前記無機粉末が、水膨潤性無機粉末を含み、前記水膨潤性無機粉末の含有率が、前記ゴム用離型剤の総重量に対し、10~90重量%である請求項1から5のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。 【請求項7】 前記無機粉末が、ベントナイトを含む請求項1から6のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。 【請求項8】 前記無機粉末が、さらに、クレー、タルク、マイカ、およびアルカリ土類金属炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類の無機粉末を含む請求項7記載のゴム用離型剤。 【請求項9】 さらに、界面活性剤を含む請求項1から8のいずれか一項に記載のゴム用離型剤。 【請求項10】 請求項1から9のいずれか一項に記載のゴム用離型剤を水に分散させた、ゴム用離型剤水分散液。 【請求項11】 離型処理されたゴムであって、 離型処理されていないゴムの表面に、請求項1から9のいずれか一項に記載のゴム用離型剤が付着されて離型処理されていることを特徴とするゴム。 【請求項12】 請求項10記載のゴム用離型剤水分散液を、離型処理されていないゴムの表面に付着させ、さらに水を揮発させることにより離型処理する離型処理工程を含む、請求項11記載のゴムを製造する方法。」 第4 引用文献に記載された事項及び引用発明 1 引用文献1に記載された事項及び引用発明 (1)引用文献1に記載された事項 引用文献1には、「PROCESSING OF RUBBER AND THE LIKE, AND TO PROCESSING COMPOSITIONS THEREFOR(注:当審訳「ゴム等の加工方法及びその加工用組成物」)」に関して、概ね次の記載(以下、「引用文献1に記載された事項」という。他の文献についても同様。)がある。 ・「1. A liquid anti-tack composition consisting essentially of: a. a soap constituent comprising at least one water soluble salt of an unsaturated fatty acid having between 16 and 24 carbon atoms, b. a synthetic detergent selected from the group consisting of a water soluble salt of an alkyl ether sulphate and a water soluble salt of an alkyl alcohol sulphate, and c. a colloidal clay constituent including at least a strong gelling grade of bentonite in an amount effective to produce a stable aqueous colloidal dispersion, d. said constituents being established in a water base, stable homogeneous colloidal dispersion, e. the amount of the synthetic detergent constituent expressed in parts by weight of the total composition being less than the amount of the soap constituent expressed in parts by weight. (注:当審訳) 【請求項1】本質的に以下からなる液体粘着防止組成物。 a.16~24個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸の水溶性塩を少なくとも1種含む石鹸成分。 b.アルキルエーテル硫酸塩の水溶性塩およびアルキルアルコール硫酸塩の水溶性塩からなる群から選択される合成洗剤。 c.安定な水性コロイド分散液を生成するのに少なくとも強力なゲル化を呈するベントナイトを有効量含むコロイド粘土成分。 d.前記成分は、水ベース中で確立され、安定な均質コロイド分散液であり、 e.組成物の合計重量部に対する合成洗剤成分の量は、石鹸成分の量より少ない。」(請求項1) ・「More specifically, an anti-tack compositon is disclosed for use as a parting or separating agent to keep the surfaces of stock materials which exhibit glutinous or adhesive surface properties from sticking together. In both the rubber industry and plastics industry, it is common practice to treat the surfaces of stock articles rubber, especially unvulcanized rubber, or plastics with an anti-tack composition. (注:当審訳) より具体的には、粘着性又は粘着性表面特性を示す材料の表面を互いに付着させるのを防止するために、分離剤又は分離剤として使用するための粘着防止組成物が開示されている。ゴム産業およびプラスチック産業の両方において、ストック物品ゴム、特に未加硫ゴム、またはプラスチックの表面を粘着防止組成物で処理することは一般的な慣行である。」(1欄15行~23行) ・「In general, slightly alkaline conditions should be maintained and for practical purposes a pH should be established within the range 7 to 10. In the stable collodial aqueous dispersion from in which it is prepared, the anti-tack compositon may be regarded as a concentrate capable of being transported and stored for long periods without deterioration. (注:当審訳) 一般に、若干のアルカリ性の条件が維持されるべきであり、実際の目的のために、pHは7~10の範囲内で確立されるべきである。 製造された安定なコロイド水性分散液において、粘着防止組成物は、劣化することなく、長期間にわたって輸送および貯蔵することができる濃縮物とみなすことができる。」(3欄42行~48行) ・「EXAMPLE I In a first specific example of a preferred embodiment of the invention, a parting or separating anti-tack composition is prepared using the following ingredients: Potassium Hydroxide (Anhydrous) 1.4 Percent by weight Pale Oleine Oil 8.8 Sodium Lauryl Ether Sulphate (Anhydrous) 4.4 Bentonite (Strong Gelling Grade) 6.4 Anti-foaming Agent 0.33 Formalin (40% Aqueous Solution) 0.2 Water to 100% ・・・ When the blend is completely mixed the bentonite is slowly added with stirring such as to ensure that it is fully dispersed before its water absorption and stabilisation action commences.Stirring is continued for 1 hour at the elevated temperature to allow the stabilisation reaction to reach completion and, with the pH controlled to 8.5-8.7, the batch is then cooled down to 90F(当審注:「F」は「ファーレンハイト」である。以下、同様。), stirring being continued until the whole batch is at 90F to ensure complete stability over a wide range of storage tempratures. Instead of potassium hydroxide, sodium hydroxide may also be used with advantage for carrying out the saponification reaction. (注:当審訳) 実施例I 本発明の好ましい実施形態の第1の具体例では、以下の成分を使用して、粘着防止組成物を調製する。 水酸化カリウム(無水) 1.4重量% 淡色のオレイン油   8.8重量% ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(無水)4.4重量% ベントナイト(強ゲル化グレード)6.4重量% 消泡剤       0.33重量% ホルマリン(40%水溶液)0.2重量% 水で100重量%とする。 ・・・ ブレンドが完全に混合されると、ベントナイトは、その吸水および安定化作用が開始する前に完全に分散されることを確実にするように、攪拌しながらゆっくりと添加される。安定化反応が完了に到達し、pHが8.5~8.7に制御された状態で、高温で1時間攪拌を続ける。次に、バッチを90Fに冷却し、全バッチが90Fになるまで撹拌を続け、広範囲の貯蔵温度にわたって完全な安定性を確保する。 水酸化カリウムの代わりに、鹸化反応を実施するために有利に水酸化ナトリウムを使用することもできる。」(実施例1) (2)引用発明 引用文献1に記載された事項を整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「粘着性又は粘着性表面特性を示す材料の表面を互いに付着させるのを防止するために、分離剤として使用するための粘着防止組成物であって、 前記粘着防止組成物が、水酸化カリウム(無水)1.4重量%、オレイン油8.8重量%、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(無水)4.4重量%、ベントナイト(強ゲル化グレード)6.4重量%、消泡剤0.33重量%、ホルマリン(40%水溶液)0.2重量%及び100重量%とするための残量の水を含む水分散液からなり、 該分散液のpHが8.5~8.7である粘着防止組成物。」 2 引用文献2に記載された事項 引用文献2には、「ANTI-TACK COMPOSITION(注:当審訳「粘着防止組成物」)」に関して、概ね次の記載がある。 ・「Anti-tack agents are commonly employed in the rubber and plastics industry in order to prevent adhension of rubber or plastic objects to themselves, to each other and/or to other objects.・・・This behavior of adhesion is common to many elastomers and to many types of plastics, but it is particularly severe in objects made from unvlucanized rubber and from certain plastics containing a very high percentage of plasticizers, such as highly plasticized polyvinyl chloride. (注:当審訳) 粘着防止剤はゴムやプラスチック等の産業において、ゴムやプラスチックの物品自体及び/又は他の物品への接着を防止するために一般的に使用されている。.・・・この接着性の挙動は多くのエラストマー及び多くのタイプのプラスチックに共通であるが、未加硫ゴム及び高度に可塑化されたポリ塩化ビニルのような可塑剤の非常に高い割合を含有するある種のプラスチックから作られた物体において特に深刻である。」(1欄12行~27行) ・「The pH value of a 10% solution of such a paste in water is approximately 9.8 to 10.9 as measured with platinum-glass electrodes by the electrometric method. ・・・ For conditions of extreme tackiness, such as encounterd with highly plasticized plastic sheets stored under conditions of high temperature and humidity, it is preferred further to add to the concentrate powdery anti-tack agents substantially insoluble in water, such as talcum, zinc stearate, aluminum stearate, bentonite, or china clay. (注:当審訳) 水中のこのようなペーストの10%溶液のpH値は、白金ガラス電極で測定した電気測定法により、約9.8~10.9である。 ・・・ 高温及び高湿の条件下で貯蔵された高度に可塑化されたプラスチックシートのような極端な粘着性の条件については、タルク、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ベントナイト又はチャイナクレーのような水に実質的に不溶性である粉末状の粘着防止剤を濃縮液に加えることが好ましい。」(5欄12行~31行) 3 引用文献3に記載された事項 引用文献3には、「洗剤粒子群」に関して、概ね次の記載がある。 ・「【請求項1】 エーテル化度1.0以上のカルボキシアルキルセルロース、ハロゲン化アルカリ化合物及び洗浄ビルダーを含有するスラリーを噴霧乾燥して得られる、嵩密度400g/L以上のベース顆粒群であって、該ベース顆粒群中におけるカルボキシアルキルセルロースの含有量が0.5~10質量%であり、ハロゲン化アルカリ化合物の含有量が1~20質量%である界面活性剤組成物担持用ベース顆粒群。」 ・「【0015】 (洗浄ビルダー) 洗浄ビルダーは、界面活性剤以外の洗浄力強化剤を意味し、大別すると無機ビルダーと有機ビルダーが挙げられる。 無機ビルダーの具体例としては、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性ケイ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基剤、その他硫酸ナトリウム等のイオン強度を高める基剤等が挙げられる。」 4 引用文献4に記載された事項 引用文献4には、「ゴム密着防止用組成物」に関して、概ね次の記載がある。 ・「動物、植物油脂、鉱油類の単独またはそれらの混合物をアニオン性、非イオン性、界面活性剤の単独またはそれらの混合物によって水に可溶化、乳化または分散させた組成物あるいは配合したアニオン性、非イオン性、界面活性剤の単独またはそれらの混合物によって水に自己可溶化、乳化または分散性を付与された動物、植物油脂、鉱油類の単独またはそれらの混合物を主成分とすることを特徴とするゴム密着防止用組成物。」(特許請求の範囲) ・「さらに、タルク、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の粉末状無機物質を、本発明の組成物と併用した場合は、より効果的となる。」(2頁右上欄13行~15行) 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比する。 引用発明における「粘着性又は粘着性表面特性を示す材料の表面を互いに付着させるのを防止するために、分離剤又は分離剤として使用するための粘着防止組成物」は、当該材料として、「ストック物品ゴム、特に未加硫ゴム」を想定していることから、本願発明1における「ゴム表面に付着させて用いるゴム用離型剤」に相当する。また、引用発明における「ベントナイト」は、本願明細書の段落【0019】の記載からみて、本願発明1の「無機粉末」に相当する。 したがって、両者は、 「ゴム表面に付着させて用いるゴム用離型剤であって、 前記ゴム用離型剤が、無機粉末を含む、 ゴム用離型剤。」 である点で一致し、次の点で相違する。 <相違点1> ゴム用離型剤(粘着防止組成物)について、本願発明1は、「pH緩衝剤」を含んでおり、かつ、前記pH緩衝剤は、「炭酸塩および二塩基酸塩の少なくとも一方」であるのに対し、引用発明は、かかる発明特定事項を有していない点。 <相違点2> ゴム用離型剤(粘着防止組成物)の物性について、本願発明1は、「水100gに(前記)ゴム用離型剤2.0gを分散させた場合の分散液のpHが8.0を超え10.0以下」であるのに対し、引用発明は、引用発明の粘着防止組成物そのもののpHが「8.5~8.7」である点。 (2)判断 事案に鑑みて、まず、相違点1について検討する。 引用文献2には、上記第4 2のとおり、ゴム等の物品の表面に、ベントナイト等の粉末状の粘着防止剤を加えた濃縮液を付着させて、未加硫ゴムなどの接着を防止する技術が記載され、当該粘着防止剤の10%水溶液のpHは9.8~10.9であることが記載されているが、「pH緩衝剤」を添加することは記載も示唆もされていない。 また、引用文献3には、上記第4 3のとおり、カルボキシアルキルセルロース、ハロゲン化アルカリ化合物及び洗浄ビルダーを含有するスラリーを噴霧乾燥して得られる界面活性剤組成物担持用ベース顆粒群が記載されており、洗浄ビルダーとして、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤が示唆されており、洗浄ビルダーは、界面活性剤以外の洗浄力強化剤を意味する旨記載されている。そして、引用文献3には、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤が洗浄力強化剤として界面活性剤組成物に使用されることが開示されているものの、これらの基剤の「pH緩衝剤」としての使用、ましてや、ゴムから染み出す薬剤によるpH変化を抑制すること(すなわち、pH緩衝をすること)は記載も示唆もされていない。 引用文献1と引用文献2とは、同じくゴムの接着を防止するための組成物であり、組成物のpHをアルカリ性に維持する構成で共通するものの、両者にはpH緩衝剤を用いることが全く記載されていないことから、両文献を参酌しても、相違点1に係る構成が想到容易であるということはできない。 さらに、引用文献3に開示された内容を参酌すると、確かに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤を洗浄ビルダーとして添加する界面活性剤組成物の開示はあるものの、当該洗浄ビルダーは、界面活性剤以外の洗浄力強化剤として使用するものであって、pH緩衝剤として使用しているものでなく、全く異なるゴム用離型剤の技術である引用発明において、pHをアルカリ性にするために、引用文献3の洗浄ビルダーを適用する動機付けがあるとはいえない。 なお、引用文献4は、引用発明と同様のゴム密着防止用組成物であるものの、鉱油を成分として使用する記載に止まる。 したがって、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて、相違点1に係る構成を想到することは、当業者が容易になし得たとはいえない。 イ 効果について そして、本願発明1は、相違点1に係る発明特定事項を有することにより、「ゴム用離型剤がpH緩衝剤を含むことで、pH低下要因(例えば、ゴム中に配合されている薬剤等)が存在する場合でも、前記pH緩衝剤がpHを緩衝(コントロール)し、適切なpH領域を維持することができる。」(本願明細書の【0040】参照。)という、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項からは予測し得ない格別顕著な効果を奏するものである。 ウ まとめ したがって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 本願発明2ないし12について 請求項2ないし12は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、本願発明2ないし12は、本願発明1をさらに限定したものといえる。そして、本願発明2ないし12は、本願発明1と同様に、引用発明及び引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶の理由を検討しても、その理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-006626

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