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特許拒絶査定不服審判

2018-004971

画像ベースの位置決定

審判番号
2018-004971
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-174392外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月11日
審決日
2019年07月01日
公報発行日
2019年08月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G01C) / P18 .537-WY (G01C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-174392「画像ベースの位置決定」拒絶査定不服審判事件〔平成25年2月28日出願公開、特開2013-40932、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 この審判事件に関する出願(本願)は、2011年(平成23年)8月9日にアメリカ合衆国でされた特許出願に基づくパリ条約の優先権を主張して平成24年8月6日にされた外国語書面出願である。そして、同年9月27日に外国語書面の翻訳文が提出され、平成28年7月1日に特許請求の範囲についての補正(以下、「第1次補正」という。)がされた。さらに、平成29年6月1日に特許請求の範囲についての補正(以下、「第2次補正」という。)がされたが、第2次補正は同年11月30日付けの決定(以下、「補正却下決定」という。)をもって却下され、同日付けで拒絶査定(原査定)がされた。査定の謄本は、同年12月12日に送達された。 これに対して、請求人は、平成30年4月11日に拒絶査定不服審判を請求し、同時に特許請求の範囲についての補正(以下、「請求時補正」という。)をした。 当合議体は、平成31年1月17日付けで拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)を通知し(拒絶理由通知書の発送日:同22日)、請求人は、同年4月19日に特許請求の範囲についての補正(以下、「本件補正」という。)をするとともに、意見書を提出した。 第2 本願に係る発明 本願の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項15に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項15に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 航空機およびロボットマニピュレータから選択されるプラットフォームの位置を識別するための方法であって、 プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップと、 プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップと、 カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いているかを判定するステップと、 第1の画像における特徴の第1のロケーションと、第2の画像における特徴の第2のロケーションとの間の差を識別するステップと、 一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションと一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションとの差からカメラシステムのパースペクティブの移動を識別するステップと、 カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いていないという判定に応答して、パースペクティブの移動に基づいてプラットフォームの位置の変化を識別するステップと、 を含み、 一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップが、 カメラシステムから一連の画像のうちの現在の画像を受け取るステップと、 カメラシステムの画像フレーム内の複数の第1のロケーションを識別するステップであって、複数の第1のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応する、ステップと、を含み、 一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップが、 画像フレーム内の複数の第2のロケーションを識別するステップであって、複数の第2のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの前の画像内の特徴に対応するステップ、を含み、 差を識別するステップが、 プラットフォームの動作状態と、特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つとに基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択するステップと、 選択された第1のロケーションと、選択された第1のロケーションにおける特徴部分と同じ特徴部分に対応する第2のロケーションとを用いて、差を識別するステップと、を含む、 方法。 【請求項2】 プラットフォームの位置の変化に基づいてプラットフォームの現在位置を識別するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 プラットフォームの現在位置を識別するステップが、プラットフォームの位置の変化およびプラットフォームの開始位置に基づいてプラットフォームの現在位置を識別するステップを含む、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 プラットフォームの現在位置に基づいてプラットフォームの動きを制御するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。 【請求項5】 プラットフォームの位置が、3次元座標系内のプラットフォームのロケーションと、3次元座標系内のプラットフォームの方向とを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップが、カメラシステムの視野内の環境における特徴に対応する第1の画像の第1のピクセル群を識別するステップを含み、 第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップが、カメラシステムの視野内の環境における特徴に対応する第2の画像の第2のピクセル群を識別するステップを含む、 請求項1に記載の方法。 【請求項7】 プラットフォームがロボットマニピュレータであり、カメラシステムがロボットマニピュレータに取り付けられる、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 一連の画像を生成するように構成され、航空機およびロボットマニピュレータから選択されるプラットフォーム上に設置されたカメラシステムと、 プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別し、プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別し、カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いているかを判定し、第1の画像における特徴の第1のロケーションと、第2の画像における特徴の第2のロケーションとの間の差を識別し、一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションと一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションとの差からカメラシステムのパースペクティブの移動を識別し、カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いていないという判定に応じて、パースペクティブの移動に基づいてプラットフォームの位置の変化を識別するように構成された位置計算器と を備え、 位置計算器が、 カメラシステムから一連の画像のうちの現在の画像を受け取り、 カメラシステムの画像フレーム内の複数の第1のロケーションを識別し、複数の第1のロケーションのそれぞれが一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応し、 画像フレーム内の複数の第2のロケーションを識別し、複数の第2のロケーションのそれぞれが一連の画像のうちの前の画像内の特徴に対応し、 プラットフォームの動作状態と、特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つとに基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択し、 選択された第1のロケーションと、選択された第1のロケーションにおける特徴部分と同じ特徴部分に対応する第2のロケーションとを用いて、差を識別する ように構成されている、 装置。 【請求項9】 位置計算器が、プラットフォームの位置の変化に基づいてプラットフォームの現在位置を識別するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。 【請求項10】 位置計算器が、プラットフォームの位置の変化およびプラットフォームの開始位置に基づいてカメラシステムの現在位置を識別するように構成される、請求項9に記載の装置。 【請求項11】 プラットフォームの位置が、3次元座標系内のプラットフォームのロケーションと、3次元座標系内のプラットフォームの方向とを備える、請求項8に記載の装置。 【請求項12】 位置計算器が、 カメラシステムの視野内の環境における特徴に対応する第1の画像内の第1のピクセル群を識別し、 カメラシステムの視野内の環境における特徴に対応する第2の画像内の第2のピクセル群を識別するように構成される、請求項8に記載の装置。 【請求項13】 筺体であって、カメラシステムおよび位置計算器が筺体内に含まれている、筺体と、 筺体をプラットフォームに取り付けるように構成されたマウント構造物と をさらに備える、請求項8に記載の装置。 【請求項14】 マウント構造物が、プラットフォームに筺体を取り付けるように構成されている、請求項13に記載の装置。 【請求項15】 カメラシステムが、少なくともおよそ100フレーム/秒のフレームレートを有するカメラを備える、請求項8に記載の装置。」 なお、本願発明2ないし本願発明7は、本願発明1の構成を全て含む。 また、本願発明8は、本願発明1に係る方法を実行する装置の発明であり、本願発明1とカテゴリー表現が異なるだけの発明である。そして、本願発明9ないし本願発明15は、本願発明8の構成を全て含む。 第3 補正却下決定の概要 第2次補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、第2次補正後の請求項1ないし請求項15に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 しかし、第2次補正後の請求項1ないし請求項15に係る発明は、引用文献1ないし引用文献6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 したがって、第2次補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第53条第1項の規定により却下するべきものである。 引用文献1:特表2008-527854号公報 引用文献2:特開2008-60874号公報 引用文献3:特開2008-249688号公報 引用文献4:特開2005-250989号公報 引用文献5:特開2010-286926号公報 引用文献6:特開2009-163357号公報 第4 原査定の概要 1 理由1(新規事項) 第1次補正後の請求項7に記載された「第1の画像の第1のピクセル数を識別」及び「第2の画像の第2のピクセル数を識別」という事項は、外国語書面の翻訳文に記載されていない。 したがって、第1次補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 2 理由2(明確性) 第1次補正後の請求項19には、「プラットフォームが、航空機およびロボットマニピュレータを含むプラットフォーム群から選択される」と記載されている。しかし、「航空機およびロボットマニピュレータを含むプラットフォーム群」は、「航空機」及び「ロボットマニピュレータ」以外に何を含むのかが不明であり、「プラットフォーム群」の範囲が不明である。そうすると、そこから選択される「プラットフォーム」の範囲も不明であり、その結果、第1次補正後の請求項19に係る発明は、明確でない。 したがって、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 3 理由3(進歩性) 第1次補正後の請求項1ないし請求項20に係る発明は、引用文献1ないし引用文献3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特表2008-527854号公報(前掲) 引用文献2:特開2008-60874号公報(前掲) 引用文献3:特開2008-249688号公報(前掲) 第5 当審拒絶理由(明確性)の概要 請求時補正後の請求項1には、「プラットフォームの動作状態に基づいて、カメラシステムの画像フレーム内の複数の第1のロケーションを識別するステップであって、複数の第1のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応する、ステップ」と記載されて、「カメラシステムの画像フレーム内の(一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応する)複数の第1のロケーションを識別する」ことが、「プラットフォームの動作状態に基づ」くものとされている。 しかし、「プラットフォームの動作状態に基づ」くとは、明細書の【0045】、【0046】、【0101】及び【0104】で説明されている、画像内の特徴に対応するロケーションを識別することをどのように特定する趣旨の記載であるのか、明確でない。 請求時補正後の請求項8の記載も、同様である。 よって、請求時補正後の請求項1及び請求項8に係る発明は、明確でない。請求時補正後の請求項1又は請求項8の記載を直接又は間接的に引用して記載された請求時補正後の請求項2ないし請求項7及び請求項9ないし請求項15に係る発明も、同様である。 したがって、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 第6 当審拒絶理由(明確性)について 本件補正により、請求項1には、「プラットフォームの動作状態と、特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つとに基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択するステップ」と記載されることになった。この結果、「プラットフォームの動作状態」「に基づ」くとは、「識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択する」ことを特定する趣旨であることが明確になったので、本件補正後の請求項1に係る発明(本願発明1)は、明確になった。 また、本件補正により、請求項8には、「プラットフォームの動作状態と、特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つとに基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択し、」と記載されることになり、その結果、本件補正後の請求項8に係る発明(本願発明8)も、同様に明確になった。 本件補正後の請求項1又は請求項8の記載を直接又は間接的に引用して記載された本件補正後の請求項2ないし請求項7及び請求項9ないし請求項15に係る発明(本願発明2ないし本願発明7及び本願発明9ないし本願発明15)も、同様である。 したがって、当審拒絶理由は解消された。 第7 原査定の理由1(新規事項)及び理由2(明確性)について 1 理由1(新規事項) 請求時補正により、請求項6(第1次補正後の請求項7に対応する。)には、「第1の画像の第1のピクセル群を識別」及び「第2の画像の第2のピクセル群を識別」という事項が記載されることになった。この点は、本件補正後も同様である。この結果、補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものとなった。 したがって、原査定の理由1は、維持することができない。 2 理由2(明確性) 請求時補正により、請求項14(第1次補正後の請求項19に対応する。)から「プラットフォームが、航空機およびロボットマニピュレータを含むプラットフォーム群から選択される」という記載が削除され、また、請求項8(第1次補正後の請求項11に対応する。)には、「航空機およびロボットマニピュレータから選択されるプラットフォーム」と記載されることになった。この点は、本件補正後も同様である。この結果、本件補正後の請求項8に係る発明(本願発明8)の「プラットフォーム」は、「航空機」又は「ロボットマニピュレータ」であることが特定された。本件補正後の請求項8の記載を間接的に引用して記載された本件補正後の請求項14に係る発明(本願発明14)の「プラットフォーム」も同様であるから、その範囲は明確であり、本願発明14は、明確である。 したがって、原査定の理由2は、維持することができない。 第8 原査定の理由3(進歩性)について 1 引用文献に記載された発明等 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載 引用文献1には、以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。 「【0019】 図1を参照すると、カメラ付き携帯電話100などの携帯娯楽用装置に備えられたカメラからの一連の画像のオプティカルフローを使用して、例えばゲームまたはアプリケーションを制御する手段としてのこの手持ち式装置の動きを検出するシステムが示されている。カメラ付き携帯電話100は、ユーザーがこの装置と対話できるように構成されているユーザーインタフェース110を有している。ユーザーインタフェース110は、例えば、表示インタフェース111と、キーパッド112と、マイクロフォン113と、スピーカー114とを有している。表示インタフェース111はユーザーに視覚的表示を提供する。その視覚的表示は、カメラ付き携帯電話の状態に関する情報又は、カメラ付き携帯電話上で動作するように構成されているゲームなどのアプリケーションに視覚的インタフェースを提供してよい。キーパッド112は、ユーザーがカメラ付き携帯電話へ入力するために作動させるボタンまたは押圧作動スイッチ群を有している。マイクロフォン113は、ユーザーからの音声による入力を受け付けるものであって、電話システムを用いてその音声入力を他の装置に送信するか又は、ユーザーの音声入力に基づいてユーザー入力を特定するように構成されていてもよい。スピーカー114は、ユーザーへの音声出力を生成するものであって、電話システムを介する通信の音声出力を生成するか又は、カメラ付き携帯電話の状態に関する情報を示す音声出力を生成する(例えば、ユーザー入力の受け付けを示す音を生成する)ように構成されていてもよい。プロセッサ(図示せず)は、ユーザーインタフェース110の各部分からの入力を受け付け、そのユーザー入力に基づいて機能または処理を実行し、ユーザー入力に適宜応答して表示ディスプレイ111に画像を映し、および/またはスピーカー114から音を生成するように構成されている。 【0020】 カメラ付き携帯電話100はまた、カメラ120を有している。カメラ120は、画像の焦点を合わせるためのレンズ121を有しており、レンズ121によって焦点が合わされた画像のデジタル表現を捕捉することができる。図1ではカメラ120はカメラ付き携帯電話100の上部にあってユーザーが表示インタフェース111を見ているときは、ユーザーに面するようになっているが、カメラ120は様々な場所および方向でカメラ付き携帯電話に配置されていてもよい。例えば、カメラ120は、カメラ付き携帯電話100の上部に位置し、ユーザーが表示インタフェース111を見ているときユーザーと向き合わないようになっていてもよい。カメラ120は、カメラ付き携帯電話100が動いている間、時間の経過と共に一連の画像を捕捉するように構成されていてもよい。プロセッサ(図示せず)が一連の画像を受け付けて、カメラ付き携帯電話100の動きの様子を検出するために一連の画像に対して処理を実行してもよい。プロセッサは、検出した動きに基づいて、検出したカメラ付き携帯電話100の動きに対応するアプリケーションへのユーザー入力を決定してよい。例えば、プロセッサが、ユーザーがカメラ付き携帯電話100を左に回転させたことを検出した場合、プロセッサは、ユーザーがある特定の行動を取ることを望んでいると決定してもよい。また、プロセッサが、ユーザーはカメラ付き携帯電話100を右に回転させたことを検出した場合、プロセッサは、ユーザーがある特定の行動を取ることを望んでいないと決定してもよい。他の実施形態では、プロセッサは、カメラ付き携帯電話100上で動作するゲームへのユーザー入力として、検出した動きを使用してもよい。例えば、カメラ付き携帯電話100を左に回転させると、ゲームで表示された物体を左に移動させ、カメラ付き携帯電話100を右に回転させると、ゲームで表示された物体を右に移動させる。 【0021】 カメラが動いている間に捕捉された画像に基づいてカメラの動きの様子を検出するためにカメラ付き携帯電話100のプロセッサが使用する一つの技法が、オプティカルフローとして知られている。オプティカルフローとは、一連の画像の中の特徴の見かけの相対速度を指す。一連の画像を単一のカメラで捕捉して、特別なカメラハードウェアまたはキャリブレーション無しでオプティカルフローを使用することができる。従来、オプティカルフローは、画像シーケンスの時間補間(動画でフレームを挿入すること)、三次元物体再現調査などの用途に使用される。」 「【0037】 図6は、装置の動きの様子を検出してアプリケーションへのユーザー入力を特定するための処理600を示すフローチャートである。一つの実施形態では、カメラが付いた携帯娯楽用装置(例えば、カメラ付き携帯電話100、PDA、その他のカメラが備えられたモバイル装置)のプロセッサが処理600を実行してもよく、また、携帯娯楽用装置上で動作するゲームまたはアプリケーションを制御するために、カメラ視野の回転の測定結果を使用してもよい。傾きセンサーと類似の入力を提供するために、回転の測定結果を使用してもよい。また、傾きの方向と大きさの両方を測定できるので、「アナログ」制御を行ってもよい。アナログ制御は、より細かな制御を可能にし、ゲームプレイの多くの方式にとって「デジタル」制御よりも好ましい。 【0038】 図6に示す処理600の実行において、動いているモバイルカメラが画像を捕捉する(610)。画像の捕捉(610)は、例えば、カメラが動いている間、ある時間に亘って一連の画像のデジタル表現を捕捉することを含んでもよい。 【0039】 プロセッサは、捕捉された画像に基づいてカメラの動きの様子を検出する(620)。プロセッサは、例えば、最も新しく捕捉した画像を時間的にそれより前に捕捉した画像と比較して、一連の画像中の静的特徴の位置の変化を検出しカメラの動きを推定してもよい。プロセッサは前述のオプティカルフロー処理を使用してもよい。動きの様子の検出620は、図7に関連してより詳細に説明する。」 「【0042】 一つの例では、アプリケーションが、傾きセンサー機能を模倣するためにカメラの向きを使用してもよい。傾きセンサー機能を、ボールが転がる面の傾きをシミュレートすることを含む、ゲームにおけるボールの制御に使用してもよい。別の例では、アプリケーションが、操縦機能を模倣するためにカメラの向きを使用してもよい。操縦機能を、乗り物(例えば、自動車、オートバイ、飛行機、船、サーフボード、スノーボード、スケートボード、ホバーボード、宇宙船)を制御するのに使用してもよい。操縦機能は、操縦方向、ピッチ、ヨー、ロールのうち一つ以上の制御を含んでよい。さらに別の実施形態では、アプリケーションが、照準合わせ機能(狙いを定める)機能を模倣するためにカメラの向きを使用してもよい。照準を合わせるまたは狙いを定める機能を、仮想の武器を制御するのに使用してもよい(ライフルを向けるなど)。照準合わせ(狙いを定める)機能は通常、2自由度を含む。さらに、アプリケーションは、後述するように動く物体として分類された特徴群のサブセットを使用してもよい。このサブセットを、照準合わせ(狙いを定める)アプリケーションを補強するために使用してもよい(例えば、動く物体または特徴をターゲットとして指定し、そのゲームの目的が、動く物体または特徴が画面の中央に表示された十字線に位置するようにその装置を向けることであってもよい)。アプリケーションはまた、例えば、絶対位置決め機能を模倣するためにカメラの向きを使用してもよい。ナビゲーションの用途(例えば、店またはショッピングモールなどの環境においてユーザーをナビゲートするために現実世界環境におけるユーザーの位置を追跡する)、または迷路ゲーム(例えば、ユーザーが、現実世界で歩き回ることによって仮想迷路を歩く)において、絶対位置決め機能を使用してもよい。要求される動きは、手によって実行される動きであってもよいし、または環境においてユーザーが歩き回る動きであってもよい。」 「【0045】 図7は、オプティカルフローを使用して動いているカメラの動きの様子を検出するための処理700を示すフローチャートである。密なフロー場アルゴリズムを使用してもよいが、カメラの動きは6自由度で表現することができ、意図するアプリケーションにおいてはより少ない自由度で近似できる。それゆえ、様々な自由度でカメラの動きを検知または推定するのに広く分布した疎らな特徴群のセットで十分であり、処理負荷を減らすために広く分布した疎らな特徴群のセットを使用してもよい。特定の実施形態では、処理負荷を減少させてリアルタイムで画像を捕捉し処理してもよい。 【0046】 一つの実施形態では、広く分布した疎らな特徴群のセットが、6自由度でカメラの動きを推定するのに十分である。疎らなオプティカルフローでは、画像中の視覚的に際立つ特徴についてのみフローベクトルが作成されてもよい。これらの特徴は、画像全体に亘って分散していてよい。広く分布した特徴群のセットでは、特徴が画像全体に亘って分布しており、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在するようになっている(例えば、全ての特徴が画像の一角に塊として存在しているのとは違って)。ゆえに、画像の全領域における動きを記述するのに密フロー場は必要ではなく、特徴が広く分布していれば疎らなセットでも同じ役割を果たすことができる。」 「【0049】 処置700は特徴を抽出すること(710)を含む。動くモバイルカメラから捕捉された一連の画像を分析する際には、そのカメラで捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用する。特徴抽出処理は、任意の一つの画像から疎らな特徴群のセットを抽出するだけでよい。求められる特徴は通常、角および縁を含む。角や縁は、装置が操作される環境の多くで通常、見つけることができる。角および縁は動的な光レベルによって影響されにくい、これは装置が戸外で操作される場合に重要であることがある。さらに、角および縁などの特徴は、画像内で検出するのに比較的計算コストが安い。角および縁を抽出する方法は公知である。 【0050】 特徴を抽出した後、処理700では、画像同士を比較して一つ以上の画像に共通な特徴を対応付ける(720)。例えば、フロー場算出処理では、現在のカメラ画像の特徴群と、前回のカメラ画像の対応する特徴群とを対応付ける。特徴を対応付けるために、現在のカメラ画像の各特徴を、前回のカメラ画像の特徴群のサブセットと比較する。このサブセットは、近接性と特徴の性質(例えば、角の向きおよびコントラスト)によって選択される。特定の実施形態では比較すべき特徴の数が少ないので、装置の計算負荷を最小にする。」 「【0053】 特徴を対応付けた後、処理700では各特徴のフローベクトルを決定する(730)。一つの実施形態では、現在のカメラ画像での特徴の位置の、前回のカメラ画像でのその位置に対する変位を算出することによってフローベクトルを決定する。フローベクトルのセットによってフロー場が形成される。各フローベクトルは大きさと方向を有していてよい。対応付けられたペア群は、2つの関連するカメラ画像間で特徴の位置の全体的なパスを生成する。必要があればこのパスを格納して、より長い期間に亘ってオプティカルフロー(従ってカメラの動き)を算出できる。 【0054】 環境が静的であるという保証は無く、それ自体が動いている特徴によってカメラの動きを誤って推定してしまう可能性があるので、必要があれば特徴群を分けてもよい(740)。図7において工程740が破線で囲われていることが、工程740が選択可能であることを示している。一つの実施形態では、特徴を「セット」または「クラスタ」に分割して、環境の静的要素(つまり背景)に関連するフローベクトルのセットを生成する。例えば、カメラが動くのと同じ方向に鳥が画像を横切って飛んでいる場合、鳥を表す特徴は、静的特徴と同程度の大きさの変位を示さないか、または鳥がカメラよりも速く動いている場合、反対方向への変位を示すことがある。よって、鳥を表す特徴を分離して静的特徴に注目するようにすれば、カメラの動きのより正確な検出が可能になる場合がある。」 「【0058】 処理700は、カメラの動きを検出する(750)。カメラの動きは、一連の画像で対応付けられているが分けられていない各特徴のオプティカルフローベクトルを備えるオプティカルフロー場を使用して検出してもよい。カメラの動きを、オプティカルフローベクトルによって表されるカメラ視野内の特徴の見掛けの速度から算出してもよい。静的特徴のフローベクトルの大きさと方向はカメラの動きに関連しており、カメラの動きを推定するのに使用してもよい。」 「【0062】 処理700は、必要があればカメラの累積した動きを算出する(760)。図7において工程760が破線で囲われていることが、この工程が選択可能であることを示している。累積した動きを、カメラの検出された動きを追跡することによって算出してもよい。一連のカメラ画像の累積した動きを、最初の位置に対するこの装置の位置を検出するために算出してもよい。しかし、比較的速く画像から画像へと誤差が増大する場合がある。」 【図1】 【図6】 【図7】 イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1の前記アの記載によれば、以下のことが認められる。 (ア)引用文献1には、カメラ付き携帯電話100に備えられたカメラからの一連の画像のオプティカルフローを使用して、カメラ付き携帯電話100の動きを検出するシステムが記載されている(【0019】、図1)。 (イ)カメラ付き携帯電話100は、カメラ120及びプロセッサを有し、カメラ120は、カメラ付き携帯電話100が動いている間、時間の経過と共に一連の画像を捕捉し、プロセッサは、オプティカルフローとして知られている技法を使用して、カメラ付き携帯電話100の動きの様子を検出するために一連の画像に対して処理を実行する(【0020】、【0021】)。 (ウ)カメラ付き携帯電話100のプロセッサは、動きの様子を検出する処理600を実行する(【0037】、図6)。 (エ)処理600は、画像の捕捉610と動きの様子の検出620とを含み、画像の捕捉610では、ある時間に亘って一連の画像を捕捉する(【0038】、【0039】、図6)。 (オ)動きの様子の検出620は、オプティカルフローを使用して動きの様子を検出する処理700である(【0039】、【0045】、図7)。 (カ)処理700は、特徴の抽出710と、特徴の対応付け720と、各特徴のフローベクトルの決定730と、特徴群を分けること740と、カメラの動きの検出750と、カメラの累積した動きの算出760とを含む(【0049】、【0050】、【0053】、【0054】、【0058】、【0062】、図7)。 (キ)特徴の抽出710では、捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出する(【0046】、【0049】)。 (ク)特徴の対応付け720では、現在の画像と前回の画像とを比較して、両者に共通な特徴を対応付ける(【0050】)。 (ケ)各特徴のフローベクトルの決定730では、現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出することによって、それぞれが大きさと方向とを有するフローベクトルのセットを決定する(【0053】)。 (コ)特徴群を分けること740では、それ自体が動いている特徴によって動きを誤って推定する可能性があるので、特徴を分割して、環境の静的要素に関連するフローベクトルのセットを生成する(【0054】)。 (サ)カメラの動きの検出750では、静的特徴のフローベクトルによって表される視野内の特徴の見掛けの速度から動きを算出する(【0058】)。 (シ)カメラの累積した動きの算出760では、最初の位置に対する位置を検出するために、一連の画像の累積した動きを算出する(【0062】)。 (ス)以上のことをまとめると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「カメラ付き携帯電話100が動いている間、時間の経過と共に一連の画像を捕捉するカメラ120と、オプティカルフローとして知られている技法を使用して、カメラ付き携帯電話100の動きの様子を検出するために一連の画像に対して処理を実行するプロセッサとを有するカメラ付き携帯電話100において、プロセッサが実行する、動きの様子を検出する処理600であって、 画像の捕捉610と動きの様子の検出620とを含み、 画像の捕捉610では、ある時間に亘って一連の画像を捕捉し、 動きの様子の検出620は、オプティカルフローを使用して動きの様子を検出する処理700であり、 処理700は、特徴の抽出710と、特徴の対応付け720と、各特徴のフローベクトルの決定730と、特徴群を分けること740と、カメラの動きの検出750と、カメラの累積した動きの算出760とを含み、 特徴の抽出710では、捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出し、 特徴の対応付け720では、現在の画像と前回の画像とを比較して、両者に共通な特徴を対応付け、 各特徴のフローベクトルの決定730では、現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出することによって、それぞれが大きさと方向とを有するフローベクトルのセットを決定し、 特徴群を分けること740では、それ自体が動いている特徴によって動きを誤って推定する可能性があるので、特徴を分割して、環境の静的要素に関連するフローベクトルのセットを生成し、 カメラの動きの検出750では、静的特徴のフローベクトルによって表される視野内の特徴の見掛けの速度から動きを算出し、 カメラの累積した動きの算出760では、最初の位置に対する位置を検出するために、一連の画像の累積した動きを算出する 動きの様子を検出する処理600。」 (2)引用文献2 引用文献2には、オプティカルフローとは、画像中の点や図形が次の瞬間にどの方向へどの程度の距離を移動するかを示すベクトルのことであり、異なるタイミングで撮像された複数の画像の差分によって求めることができる旨の記載がある(【0023】)。 (3)引用文献3 引用文献3には、以下の記載がある。下線は、当合議体が付した。 「【0009】 図1は、本発明の一実施形態によるナビゲーション・システム100を示す高レベル・ブロック図である。ナビゲーション・システム100は、複数のナビゲーション・センサに結合された処理装置102を含む。限定はしないが、自動車、航空機、無人航空機、宇宙機、月着陸船、宇宙探査機などを含む様々なビークルで、ナビゲーション・システム100を使用することができる。図1では、ナビゲーション・センサは、ビジョン・センサ104、RADARセンサ106、LADARセンサ112、および慣性測定ユニット114を含む。しかしながら、本発明の実施形態がそのように限定されるべきではないことを理解されたい。 【0010】 ビジョン・センサ104をオプティカル・フロー(optical flow)・ベースのビジョン・センサおよび/またはイメージ登録(シーン・マッチング(scene matching))ベースのビジョン・センサ(vision sensor)として実装することができる。オプティカル・フロー・ベースのビジョン・センサは、イメージ内のオブジェクトの運動を、イメージ内の輝度パターンの運きを追跡することによって推定する。言い換えれば、輝度パターン(例えば、建物などの物体を表すパターン)の移動が、その輝度パターンによって表される物体に相対してのビークルの運動を示す。例えば、特定の速度で左向きに移動する輝度パターンは、その輝度パターンによって表されるオブジェクトに対するビークルの右向きの移動速度を示す。イメージ登録ベースのビジョン・センサは、相異なる(様々な)イメージを1つの座標系に変換して、様々なイメージ中の特徴の位置を比較するようにする。様々なイメージにおけるの特徴の位置の差が、ビークルの運動を示す。」 以上の記載から、引用文献3には、航空機で使用されるナビゲーション・センサのビジョン・センサとして、オプティカル・フロー・ベースのビジョン・センサが実装されることが記載されている。 (4)引用文献4 引用文献4には、画像上に現れる移動物体に対応して設定した追跡領域に複数の特徴点を設定し、複数の特徴点のそれぞれを前のフレームから次のフレームへ追跡することで移動物体の追跡を行う場合、複数の特徴点は、2つの特徴点間の距離があらかじめ定めた距離以上となるように選択することによって、追跡領域の全体に均一に分布させることが好ましい旨の記載がある(【0010】、【0036】)。 (5)引用文献5 引用文献5には、画面をあらかじめ複数の領域に分割しておき、複数の領域のそれぞれの代表点に対してオプティカルフローを計算することで、高速な処理が可能になる旨の記載がある(【0036】ないし【0038】、【0059】、【0060】)。 (6)引用文献6 引用文献6には、連続して撮影された複数の画像に対して特徴点の抽出及び追跡を行い、その移動量から求めた射影変換行列を用いて複数の画像の位置を合わせて重ね合わせることで1枚の合成画像を作り出す際に、画像を撮影した環境の明暗に応じて、抽出する特徴点の数を増減することが記載されている(【0002】、【0047】ないし【0049】)。 2 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のとおりである。 ア 引用発明の「カメラ付き携帯電話100」は、本願発明1の「プラットフォーム」に相当する。 イ 引用発明は、「カメラの累積した動きの算出760」において、「最初の位置に対する位置を検出するために、一連の画像の累積した動きを算出」しているから、引用発明の「動きの様子を検出する処理600」は、「カメラ付き携帯電話100」の位置を検出する方法であるということができる。したがって、引用発明の「動きの様子を検出する処理600」は、本願発明1の「プラットフォームの位置を識別するための方法」に相当する。 ウ 引用発明の「カメラ120」は、本願発明1の「カメラシステム」に相当する。そして、引用発明の「画像の捕捉610」において「ある時間に亘って」「捕捉」される「一連の画像」は、「カメラ付き携帯電話100」の「カメラ120」が「カメラ付き携帯電話100が動いている間」に「時間の経過と共に」「捕捉する」「一連の画像」であるから、本願発明の「プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像」に相当する。 エ 引用発明は、「特徴の抽出710」において「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出し」、「特徴の対応付け720」において「現在の画像と前回の画像とを比較して、両者に共通な特徴を対応付け」ているから、「現在の画像」及び「前回の画像」は、いずれも「捕捉された各画像」の一つであることが明らかである。また、両者は、互いに異なる時間に捕捉された画像であることも明らかである。 一方、本願発明1の「一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップ」が「カメラシステムから一連の画像のうちの現在の画像を受け取るステップ」を含むことから、本願発明1の「第1の画像」は「一連の画像のうちの現在の画像」である。また、本願発明1の「一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップ」が「画像フレーム内の複数の第2のロケーションを識別するステップであって、複数の第2のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの前の画像内の特徴に対応するステップ」を含むことから、本願発明1の「第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像」は「一連の画像のうちの前の画像」である。 以上のことを踏まえると、引用発明の「現在の画像」及び「前回の画像」は、それぞれ本願発明1の「第1の画像」及び「第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像」に相当する。 オ 引用発明は、「各特徴のフローベクトルの決定730」において「現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出」しているから、「特徴の抽出710」において「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出」する際、「各特徴の位置」を識別していることが明らかである。そして、引用発明の「各特徴の位置」は、本願発明の「特徴の」「ロケーション」に相当する。 以上のことと、前記ウ及びエとを踏まえると、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「現在の画像」であるものは、本願発明1の「プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップ」に相当する。 同様に、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「前回の画像」であるものは、本願発明1の「プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップ」に相当する。 カ 引用発明は、「特徴群を分けること740」において「それ自体が動いている特徴によって動きを誤って推定する可能性があるので、特徴を分割して、環境の静的要素に関連するフローベクトルのセットを生成し」ており、これは、「それ自体が動いている特徴」を排除することを意味しているから、その前提として、「特徴」が動いているかを判定していることが明らかである。したがって、引用発明は、本願発明1の「カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いているかを判定するステップ」に相当する構成を備えている。 キ 引用発明の「現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位」とは、「現在の画像における各特徴の位置」と「前回の画像におけるその特徴の位置」との差にほかならない。したがって、引用発明の「各特徴のフローベクトルの決定730」において「現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出すること」は、前記オを踏まえると、本願発明1の「第1の画像における特徴の第1のロケーションと、第2の画像における特徴の第2のロケーションとの間の差を識別するステップ」に相当する。 ク 引用発明の「各特徴のフローベクトルの決定730」において「それぞれが大きさと方向とを有するフローベクトルのセットを決定」することは、前記キを踏まえると、本願発明1の「一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションと一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションとの差からカメラシステムのパースペクティブの移動を識別するステップ」に相当する。 ケ 引用発明の「静的特徴のフローベクトルによって表される視野内の特徴の見掛けの速度から動きを算出」する「カメラの動きの検出750」は、前記カを踏まえると、本願発明1の「カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いていないという判定に応答して、パースペクティブの移動に基づいてプラットフォームの位置の変化を識別するステップ」に相当する。 コ 前記オのとおり、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「現在の画像」であるものは、本願発明1の「プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップ」に相当する。 ここで、引用発明の「特徴の抽出710」は、「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用」する以上、「カメラ120」から「捕捉された各画像」、すなわち、「現在の画像」を受け取っていることが明らかである。 したがって、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「現在の画像」であるものは、本願発明1の「カメラシステムから一連の画像のうちの現在の画像を受け取るステップ」に相当する構成を備えている。 サ 同じく前記オのとおり、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」においては、「各特徴の位置」を識別していることが明らかであり、この「各特徴の位置」は、本願発明の「特徴の」「ロケーション」に相当する。 したがって、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「現在の画像」であるものは、本願発明1の「カメラシステムの画像フレーム内の複数の第1のロケーションを識別するステップであって、複数の第1のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応する、ステップ」に相当する。 同様に、引用発明の「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つの特徴が存在する特徴群を抽出」する「特徴の抽出710」のうち、「捕捉された各画像」が「前回の画像」であるものは、「画像フレーム内の複数の第2のロケーションを識別するステップであって、複数の第2のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの前の画像内の特徴に対応するステップ」に相当する。 シ 前記キのとおり、引用発明の「各特徴のフローベクトルの決定730」において「現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出すること」は、本願発明1の「第1の画像における特徴の第1のロケーションと、第2の画像における特徴の第2のロケーションとの間の差を識別するステップ」に相当する。 ここで、引用発明は、「各特徴のフローベクトルの決定730」に先だつ「特徴の抽出710」において、「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出し」ているから、「特徴」の位置を考慮して(つまり、「特徴」の位置に基づいて)「特徴群を抽出し」ているということができる。 したがって、引用発明は、本願発明1の「特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つ」「に基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択するステップ」に相当する構成を備えている。 また、引用発明は、「各特徴のフローベクトルの決定730」に先だつ「特徴の対応付け720」において、「現在の画像と前回の画像とを比較して、両者に共通な特徴を対応付け」ているから、「現在の画像における各特徴の位置」及び「前回の画像におけるその特徴の位置」は、同じ「特徴」についての「現在の画像における」「位置」及び「前回の画像における」「位置」である。 したがって、引用発明の「各特徴のフローベクトルの決定730」において「現在の画像における各特徴の位置の、前回の画像におけるその特徴の位置に対する変位を算出すること」は、本願発明1の「選択された第1のロケーションと、選択された第1のロケーションにおける特徴部分と同じ特徴部分に対応する第2のロケーションとを用いて、差を識別するステップ」に相当する。 (2)一致点及び相違点 前記(1)の対比の結果をまとめると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 ア 一致点 「プラットフォームの位置を識別するための方法であって、 プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップと、 プラットフォームが動いている間、プラットフォーム上のカメラシステムによって生成された一連の画像内の第1の画像とは異なる時間に撮られた第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップと、 カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いているかを判定するステップと、 第1の画像における特徴の第1のロケーションと、第2の画像における特徴の第2のロケーションとの間の差を識別するステップと、 一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションと一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションとの差からカメラシステムのパースペクティブの移動を識別するステップと、 カメラシステムの視野内の環境において特徴が動いていないという判定に応答して、パースペクティブの移動に基づいてプラットフォームの位置の変化を識別するステップと、 を含み、 一連の画像内の第1の画像における特徴の第1のロケーションを識別するステップが、 カメラシステムから一連の画像のうちの現在の画像を受け取るステップと、 カメラシステムの画像フレーム内の複数の第1のロケーションを識別するステップであって、複数の第1のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの現在の画像内の特徴に対応する、ステップと、を含み、 一連の画像内の第2の画像における特徴の第2のロケーションを識別するステップが、 画像フレーム内の複数の第2のロケーションを識別するステップであって、複数の第2のロケーションのそれぞれが、一連の画像のうちの前の画像内の特徴に対応するステップ、を含み、 差を識別するステップが、 特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つに基づいて、識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択するステップと、 選択された第1のロケーションと、選択された第1のロケーションにおける特徴部分と同じ特徴部分に対応する第2のロケーションとを用いて、差を識別するステップと、を含む、 方法。」 イ 相違点 (ア)相違点1 本願発明1では、「プラットフォーム」が「航空機およびロボットマニピュレータから選択される」、すなわち、「プラットフォーム」が「航空機」又は「ロボットマニピュレータ」であるのに対し、 引用発明では、「プラットフォーム」が「カメラ付き携帯電話100」である点。 (イ)相違点2 本願発明1では、「識別された複数の第1のロケーションから第1のロケーションを選択するステップ」における選択が、「特徴の位置及び特徴の過去の動きの少なくとも1つ」だけでなく、「プラットフォームの動作状態」にも基づくのに対し、 引用発明では、「特徴の抽出710」において、「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出」する際に、「特徴」の位置を考慮するものの、「カメラ付き携帯電話100」(本願発明1の「プラットフォーム」に相当する。)の動作状態は考慮していない点。 (3)相違点についての判断 ア 相違点1について 引用文献1には、店やショッピングモールなどでユーザーをナビゲートするために現実世界環境におけるユーザーの位置を追跡するといったナビゲーションの用途において、絶対位置決め機能を使用してもよい旨の記載がある(【0042】)。これは、引用発明をナビゲーションに用いることを示唆するものである。 一方、引用文献3には、前記1(3)のとおり、航空機で使用されるナビゲーション・センサのビジョン・センサとして、オプティカル・フロー・ベースのビジョン・センサが実装されることが記載されている。そして、引用発明は、オプティカル・フロー・ベースのビジョン・センサを利用するものと認められる。 そうすると、引用発明を航空機のナビゲーションに用いることは、引用文献1及び引用文献3に記載された事項に基づき、当業者が容易に思い付くことである。その結果、引用発明が相違点1に係る本願発明1の構成を備えるようになることは、明らかである。 イ 相違点2について 引用発明の「特徴の抽出710」において、「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出」する際に、「カメラ付き携帯電話100」の動作状態を考慮することは、引用文献1ないし引用文献6のいずれにも記載されていないし、示唆されてもない。 また、引用発明の「特徴の抽出710」において、「捕捉された各画像に特徴抽出処理を適用し、画像の各領域に少なくとも一つに特徴が存在する特徴群を抽出」する際に、「カメラ付き携帯電話100」の動作状態を考慮しなければならない事情は見当たらないから、このことが当業者にとって自明であると認めることもできない。 したがって、相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献1ないし引用文献6に記載された事項とに基づいて、当業者が容易に思い付くことであるということはできない。 (4)本願発明1についてのまとめ 以上のとおりであるから、本願発明1は、引用文献1ないし引用文献3に記載された発明に基づいて、又はさらに引用文献4ないし引用文献6に記載された発明に基づいても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 3 本願発明2ないし本願発明7について 本願発明2ないし本願発明7は、いずれも本願発明1の構成を全て含むから、少なくとも本願発明1と引用発明との相違点1及び相違点2(前記2(2)イ(ア)及び(イ))で引用発明と相違する。そして、前記2(3)イのとおり、相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献1ないし引用文献6に記載された事項とに基づいて当業者が容易に思い付くことであるということはできないから、相違点2に係る本願発明2ないし本願発明7の構成も同様である。 したがって、本願発明2ないし本願発明7は、引用文献1ないし引用文献3に記載された発明に基づいて、又はさらに引用文献4ないし引用文献6に記載された発明に基づいても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 4 本願発明8ないし本願発明15について 本願発明8は、本願発明1に係る方法を実行する装置の発明であり、本願発明1とカテゴリー表現が異なるだけの発明であるから、相違点2に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものである。また、本願発明9ないし本願発明15は、本願発明8の構成を全て含むから、本願発明8と同様に、相違点2に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものである。 そして、前記2(3)イのとおり、相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献1ないし引用文献6に記載された事項とに基づいて当業者が容易に思い付くことであるということはできないから、これに対応する本願発明8ないし本願発明15の構成も同様である。 したがって、本願発明8ないし本願発明15は、引用文献1ないし引用文献3に記載された発明に基づいて、又はさらに引用文献4ないし引用文献6に記載された発明に基づいても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 5 原査定の理由3(進歩性)についてのまとめ 以上のとおりであるから、原査定の理由3は、維持することができない。 第9 むすび 以上に述べたとおり、原査定の理由によっては、本願は拒絶をするべきものであるということはできない。 また、他に、本願は拒絶をするべきものであるとする理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-004971

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