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特許拒絶査定不服審判

2018-004476

歯科吸引管

審判番号
2018-004476
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-163803外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月04日
審決日
2019年06月25日
公報発行日
2019年12月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-163803「歯科吸引管」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月17日出願公開、特開2014- 64893〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2013年(平成25年)8月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年(平成24年)9月26日 米国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 6月 2日  :手続補正書 平成29年 5月10日付け:拒絶理由通知 平成29年 7月26日  :意見書、手続補正書 平成29年11月30日付け:拒絶査定 平成30年 4月 4日  :審判請求 第2 本願発明 平成29年 7月26日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「長さを有する歯科吸引管であって、 吸引によるその中を通した物質の移動を可能とするための実質的に中空の内部を有する近位部であって、吸引源に取り付けるように構成された近位部と、 前記近位部に結合され、前記近位部から遠くへ延びる遠位部であって、長手方向軸、及び、吸引によるその中を通した物質の移動を可能とするための実質的に中空の内部を有し、遠位端開口部断面積を有する遠位端開口部を有する遠位端を規定する遠位部と、 当該歯科吸引管の長さに沿って延びる外壁であって、前記近位部と前記遠位部の接合部に屈曲部を有する外壁と、 前記遠位部に配置された複数の孔であって、前記孔が全体として合計孔断面積を規定し、前記遠位端開口部断面積に対する前記合計孔断面積の比率が40%から70%までの範囲内にある、複数の孔と からなる歯科吸引管。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び慣用技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:米国特許出願公開第2010/0203470号明細書 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1の記載事項 (1)上記引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(日本語訳は当審で付与した。)。 「[0031] FIG. 1 schematically illustrates one example of an embodiment of a dental evacuation device 100 . The device 100 has a suction end 110 and a connection end 120 disposed opposite to the suction end. The connection end 120 may be configured to releasably attach to a source of negative pressure, for example, a suction or vacuum system. The suction end 110 can receive matter from a patient's mouth and the received matter can be evacuated through the device 100 during a dental procedure when the connection end 120 is attached to a source of negative pressure. The device 100 can include a length dimension defined, for example, between the most distal point of the suction end 110 and the most proximal point of the connection end 120 . The length dimension can vary. For example, non-limiting ranges for the length dimension may be between about 3 and about 30 centimeters and between about 13 and 16 centimeters. In one embodiment, the length dimension of the device is about 14.5 centimeters. The recited lengths are not limiting and one of skill in the art will appreciate, in view of the disclosure, that the length can longer or shorter than the recited numbers in some embodiments. ([0031] 図1は、歯科用排出装置100の実施形態の一例を示す模式図である。装置100は吸引端部110を有し、接続端部120は吸引端部の他端側に位置する。接続端部120は、例えば吸引または真空システムといった、負の圧力源に取り外し可能に取り付けるように構成されうる。吸引端部110は、患者の口内から物質を受け取ることができ、当該物質は、接続端部120が負の圧力源に取り付けられた歯科処置中に装置100を通して排出される。装置100は、例えば、吸入端部110の最遠位点及び接続端部120の最も基端側の点との間の長さ寸法を含むことができる。長さ寸法は変えることができる。例えば、長さ寸法の制限されない範囲は、約3から約30センチメートルと約13センチメートルと16センチメートルの間とすることができる。一実施形態において、装置の長さ寸法は約14.5センチメートルである。列挙した長さ寸法は、限定されるものではなく、当業者は本開示を考慮して、いくつかの実施形態に記載された数値よりも長くもしくは短くしうることを理解するであろう。)」 「[0032] The dental evacuation device 100 includes an elongated body 200 . The elongated body 200 can be generally tube shaped and include an outer surface 210 and an inner surface 220 . The inner surface defines a central passageway or lumen 245 extending through the body 200 from the suction end 110 to the connection end 120 in a direction substantially parallel to the longitudinal axis of the device 100 . The cross-section of the central passageway 245 can be generally polygonal, for example, rectangular, generally curvilinear, for example, round, oval, or circular, or generally polygonal and curvilinear. Similarly, the cross-section of the elongated body 200 can be generally polygonal, for example, rectangular, generally curvilinear, for example, round, oval or circular, or generally polygonal and curvilinear. The central passageway 245 can have a uniform cross-section along the longitudinal axis of the elongated body 200 or the central passageway 245 can have a non-uniform cross-section along the longitudinal axis of the elongated body 200 . For example, the central passageway 245 can taper or narrow from one of the elongated body 200 towards the other end. In other embodiments, the cross-section of the central passageway 245 is substantially the same along the longitudinal axis of the elongated body 200 . ([0032] 歯科用排出装置100は、細長い本体200を含む。細長い本体200は、ほぼ管形状であることができ、外側表面210および内側表面220を含む。内側表面は、装置100の長手方向軸線に実質的に平行な方向へ、吸引端部110から接続端部120に本体200を通って延びる中央通路もしくは管腔245を規定する。中央通路245の断面は一般に多角形、例えば、矩形状、ほぼ曲線状、例えば、円形、楕円形、又は円形、略多角形、曲線であってもよい。同様に、細長い本体200の断面は一般に多角形、例えば、矩形状、ほぼ曲線状、例えば、円形、楕円形、又は円形、多角形、曲線状とすることができる。中央通路245は、細長い本体200の縦軸に沿って均一な断面とすることもできるし、中央通路245は、細長い本体200の長手軸に沿って不均一な断面とすることができる。例えば、中央通路245は、細長い本体200の一方の端部から他の端部に向かってテーパ状もしくは狭くすることができる。他の実施形態において、中央通路245の断面は、細長い本体200の縦軸に沿って実質的に同じである。)」 「[0035] The elongated body 200 can optionally include a transverse aperture or vent 230 . The vent 230 can be disposed in a side of the elongated body 200 in order to connect the central passageway 245 with the outside of the dental evacuation device 100 . The vent 230 can be configured to provide vacuum or suction relief to the central passageway 245 , for example, in order to alleviate a high negative pressure which makes it difficult to remove the suction end 110 if it attaches to any tissue inside the patient's mouth or to their lips. In some embodiments, the elongated body 200 includes a plurality of vents 230 disposed circumferentially around the elongated body 200 . The vent 230 or plurality of vents can be any shape, including, for example, generally square, rectangular, oval, round, and the like. ([0035] 細長い本体200は、径方向の開口部または通気孔230を含むことができる。通気孔230は、中央通路245を歯科用排出装置100の外部と接続するために細長い本体200の側面に配置することができる。通気孔230は、例えば、吸引端部110が患者の口内の任意の組織や唇に貼り付いた場合、吸引端部110を取り外すことを困難にする高い負圧を軽減すべく、中央通路245への真空や吸引の軽減を提供するよう構成することができる。いくつかの実施形態において、細長い本体200は、細長い本体200の周囲に円周方向に配置された複数の通気孔230を含む。通気孔230または複数の孔は、任意の形状、例えば、おおむね正方形、長方形、楕円形、円形などを含むことができる。)」 「[0037] Still referring to FIG. 1 , the dental evacuation device 100 includes a protective tip 300 disposed over the elongated body 200 at the suction end 110 of the device 100 . The protective tip 300 can be disposed over at least a portion of the outer surface 210 . The protective tip 300 can be disposed over at least a portion of the inner surface 220 . The portion of the protective tip 300 that is disposed over the outer surface 210 of the elongated body 200 can be referred to as the external portion 320 of the tip. Similarly, the portion of the protective tip 300 that is disposed over the inner surface 220 of the elongated body 200 can be referred to as the internal portion 310 of the tip. ・・・(略)・・・ ([0037] さらに図1を参照すると、歯科用排出装置100は、装置100における細長い本体200の吸引端部110に配置された、保護先端部300を備えている。保護先端部300は、外側表面210の少なくとも一部の上に配置することができる。保護先端部300は、内側表面220の少なくとも一部の上に配置することができる。細長い本体200の外面210上に配置された保護先端部300の一部分は、先端部の外側部分320と呼ぶことができる。同様に、細長い本体200の内側表面220上に配置された保護先端部300の一部分は、先端部の内側部分310と呼ぶことができる。・・・(略)・・・)」 「[0038] The protective tip 300 can include at least one distal contour or face 330 disposed between the internal portion 310 and external portion 320 . ・・・(略)・・・The interface between the distal contour 330 and internal portion 310 can define a suction aperture 340 configured to receive matter therethrough. The suction aperture 340 can provide access to the central passageway 245 such that matter can pass through the protective tip 300 into the central passageway 245 . ([0038] 保護先端部300は、内側部分310と外側部分320との間に配置された少なくとも1つの先端輪郭または面330を含むことができる。・・・(略)・・・先端輪郭330と内側部分310との間の界面は、そこを通る物質を受容するように構成された吸引開口部340を画定することができる。吸引開口部340は、中央通路245への接続をもたらすことから、物質は保護先端部300を通って中央通路245へ通過することができる。)」 「図1 」 (2)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 (ア)「歯科用排出装置100は、細長い本体200を含む。」([0032])という記載、及び図1から、引用文献1に記載された歯科用排出装置100は、「長さを有する」ものであるということができる。 (イ)「装置100は吸引端部110を有し、接続端部120は吸引端部の他端側に位置する。接続端部120は、例えば吸引または真空システムといった、負の圧力源に取り外し可能に取り付けるように構成されうる。吸引端部110は、患者の口内から物質を受け取ることができ、当該物質は、接続端部120が負の圧力源に取り付けられた歯科処置中に装置100を通して排出される。」([0031])という記載、「細長い本体200は、ほぼ管形状であることができ、外側表面210および内側表面220を含む。内側表面は、装置100の長手方向軸線に実質的に平行な方向へ、吸引端部110から接続端部120に本体200を通って延びる中央通路もしくは管腔245を規定する。」([0032])という記載、及び図1から、歯科用排出装置100は、接続端部120に至る近位側を有し、歯科処置中の患者の口内から受け取った物質が排出される近位側は、負の圧力源に取り付けられるといえる。 (ウ)「装置100は吸引端部110を有し、接続端部120は吸引端部の他端側に位置する。接続端部120は、例えば吸引または真空システムといった、負の圧力源に取り外し可能に取り付けるように構成されうる。吸引端部110は、患者の口内から物質を受け取ることができ、当該物質は、接続端部120が負の圧力源に取り付けられた歯科処置中に装置100を通して排出される。」([0031])という記載、「細長い本体200は、ほぼ管形状であることができ、外側表面210および内側表面220を含む。内側表面は、装置100の長手方向軸線に実質的に平行な方向へ、吸引端部110から接続端部120に本体200を通って延びる中央通路もしくは管腔245を規定する。」([0032])という記載、「歯科用排出装置100は、装置100における細長い本体200の吸引端部110に配置された、保護先端部300を備えている。」([0037])という記載、「保護先端部300は、内側部分310と外側部分320との間に配置された少なくとも1つの先端輪郭または面330を含むことができる。」([0038])という記載、「先端輪郭330と内側部分310との間の界面は、そこを通る物質を受容するように構成された吸引開口部340を画定することができる。吸引開口部340は、中央通路245への接続をもたらすことから、物質は保護先端部300を通って中央通路245へ通過することができる。」([0038])という記載、及び図1から、歯科用排出装置100は、吸引端部110及び保護先端部300に至る遠位側を有し、近位側の他端側に遠位側は位置し、患者の口内から受け取った物質は保護先端部300を通過するとともに、保護先端部300における先端輪郭330と内側部分310との間の界面に、そこを通る物質を受容する吸引開口部340が画定されているといえる。 (エ)「細長い本体200は、ほぼ管形状であることができ、外側表面210および内側表面220を含む。」([0032])という記載、「歯科用排出装置100は、装置100における細長い本体200の吸引端部110に配置された、保護先端部300を備えている。保護先端部300は、外側表面210の少なくとも一部の上に配置することができる。保護先端部300は、内側表面220の少なくとも一部の上に配置することができる。細長い本体200の外面210上に配置された保護先端部300の一部分は、先端部の外側部分320と呼ぶことができる。」([0037])という記載、及び図1から、歯科用排出装置100における細長い本体200は外側表面210を備えるとともに、その吸引端部110に配置された保護先端部300は外側部分320を有するといえる。 (オ)「細長い本体200は、横方向の開口部または通気孔230を含むことができる。」([0035])という記載、「いくつかの実施形態において、細長い本体200は、細長い本体200の周囲に円周方向に配置された複数の通気孔230を含む。」([0035])という記載、及び図1における通気孔230の配置された位置を踏まえると、複数の通気孔230は遠位側の周囲に円周方向に配置されたものといえる。 2 引用発明 上記1からみて、引用文献1には、以下の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。 「長さを有する歯科用排出装置100であって、 歯科用排出装置100は、接続端部120に至る近位側を有し、歯科処置中の患者の口内から受け取った物質が排出される近位側は、負の圧力源に取り付けられ、 歯科用排出装置100は、吸引端部110及び保護先端部300に至る遠位側を有し、近位側の他端側に遠位側は位置し、患者の口内から受け取った物質は保護先端部300を通過するとともに、保護先端部300における先端輪郭330と内側部分310との間の界面に、そこを通る物質を受容する吸引開口部340が画定され、 歯科用排出装置100における細長い本体200は外側表面210を備えるとともに、その吸引端部110に配置された保護先端部300は外側部分320を有し、 複数の通気孔230は遠位側の周囲に円周方向に配置された 歯科用排出装置100。」 第5 対比 本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。 (1)引用発明の「歯科用排出装置100」は、その文言の意味、機能または構成等からみて、本願発明の「歯科吸引管」に相当する。以下同様に、「患者の口内から受け取った物質」は「物質」に、「近位側」は「近位部」に、「負の圧力源」は「吸引源」に、「遠位側」は「遠位部」に、「吸引開口部340」は「遠位端開口部」に、「通気孔230」は「孔」にそれぞれ相当する。 (2)引用発明の「歯科処置中の患者の口内から受け取った物質が排出される」態様は、歯科処置において負の圧力源に取り付けられた際に患者の口内から受け取った物質が排出されるものであることから、本願発明の「吸引によるその中を通した物質の移動を可能とする」態様に相当する。 (3)引用発明の「近位側」は、歯科処置中の患者の口内から受け取った物質を排出することから、本願発明の「実質的に中空の内部を有」することは明らかである。 (4)引用発明の「近位側」は、「負の圧力源に取り付けられ」ることから、本願発明の「吸引源に取り付けるように構成された近位部」にも相当する。 (5)引用発明の遠位側が、「近位側の他端側に」「位置」する態様は、本願発明の「近位部に結合され、近位部から遠くへ延び」る態様に相当する。 (6)引用発明の「患者の口内から受け取った物質は保護先端部300を通過する」態様は、本願発明の「吸引によるその中を通した物質の移動を可能とする」態様に相当する。 (7)引用発明の「遠位側」は、吸引端部110及び保護先端部300に至るものであるとともに、患者の口内から受け取った物質が通過することから、本願発明の「長手方向軸、及び、」「実質的に中空の内部を有」することは明らかである。 (8)引用発明の「吸引開口部340」は、患者の口内から受け取った物質が通り、排出されるものであるから、物質が通過可能な面積を有していることは明らかであって、本願発明の「遠位端開口部断面積を有する遠位端開口部」にも相当する。 (9)引用発明の「遠位側」は、近位側の他端側に位置することから、引用発明の「遠位側」が、本願発明の「遠位端を規定」していることは明らかである。 (10)引用発明の「外側表面210」および「外側部分320」は、細長い本体200及び保護先端部300の外側表面であるから、本願発明の「歯科吸引管の長さに沿って延びる外壁」に相当する。 (11)引用発明の「遠位側の周囲に円周方向に配置された」「複数の通気孔230」は、本願発明の「前記遠位部に配置された複数の孔であって、前記孔が全体として合計孔断面積を規定し、前記遠位端開口部断面積に対する前記合計孔断面積の比率が40%から70%までの範囲内にある、複数の孔」と、「遠位部に配置された複数の孔」である限りにおいて一致する。 (12)したがって、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。 【一致点】 「長さを有する歯科吸引管であって、 吸引によるその中を通した物質の移動を可能とするための実質的に中空の内部を有する近位部であって、吸引源に取り付けるように構成された近位部と、 前記近位部に結合され、前記近位部から遠くへ延びる遠位部であって、長手方向軸、及び、吸引によるその中を通した物質の移動を可能とするための実質的に中空の内部を有し、遠位端開口部断面積を有する遠位端開口部を有する遠位端を規定する遠位部と、 当該歯科吸引管の長さに沿って延びる外壁と、 前記遠位部に配置された複数の孔と からなる歯科吸引管。」 【相違点1】 本件発明の「外壁」は、近位部と遠位部の接合部に屈曲部を有するのに対して、引用発明の「外側表面210および外側部分320」には屈曲部が設けられていない点。 【相違点2】 本件発明は、複数の孔が全体として合計孔断面積を規定し、遠位端開口部断面積に対する前記合計孔断面積の比率が40%から70%までの範囲内にあるのに対して、引用発明ではその比率が特定されていない点。 第6 判断 上記相違点について、判断する。 (1)相違点1について 歯科吸引管において、口腔内への入れやすさ等を勘案して歯科吸引管の近位部と遠位部との接合部に屈曲部を設けることは、この種の技術分野における慣用技術である(必要あらば、たとえば特開2000-229090号公報(特に段落【0011】及び図1)。)。 したがって、引用発明に記載された歯科用排出装置において、近位側及び遠位側の接合部に屈曲部を設けるという慣用技術を勘案し、屈曲部を近位側と遠位側の接合部に設けることは、当業者が容易に想到できたものである。 (2)相違点2について 引用発明の複数の通気孔230は、吸引端部110が患者の口内の任意の組織や唇に貼り付いた場合、吸引端部110を取り外すことを困難にする高い負圧を軽減するために設けられたもの([0035])である。 一方で歯科用排出装置は、口内の物質を効率よく排出するという課題を有することは自明である。 そこで引用発明に接した当業者が、引用発明に記載された課題及び歯科用排出装置が有する自明な課題の解決にあたり、負の圧力源の出力等種々のパラーメータを考慮に入れ、検討を行うことは当然であって、高い負圧を軽減する効果を奏する複数の通気孔の数や総面積を考慮することや、効率よく物質を排出可能とすべく吸引開口部の面積を考慮に入れること、またその際に適切な数値範囲を導出することは、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。 したがって、引用発明に記載された複数の通気孔230の合計孔断面積を規定し、吸引開口部340の断面積と複数の通気孔230の合計孔断面積の比率を、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものである。 (3)そして、これら相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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