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特許拒絶査定不服審判

2018-001415

コンピュータ装置の動作記録の解析、翻訳を行い、監査に対する情報の出力及びシステムの傾向分析装置。

審判番号
2018-001415
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-187392外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年01月17日
審決日
2019年01月28日
公報発行日
2019年03月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-187392「コンピュータ装置の動作記録の解析、翻訳を行い、監査に対する情報の出力及びシステムの傾向分析装置。」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日出願公開、特開2017- 49962、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成27年9月4日の出願であって,平成29年4月19日付けで拒絶理由通知がされ,平成29年6月7日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされ,平成29年10月20日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成30年1月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,平成30年10月1日付けで当審より拒絶理由通知がされ,平成30年11月7日付けで手続補正がされたものである。 第2 本願発明 本願請求項1-3に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は,平成30年11月7日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-3は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 対象となるコンピュータ装置群が出力する収集ログ情報を読み取り,読み取った収集ログ情報を時系列に解析する為に,収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象,詳細を抽出してメモリ内のログ情報テーブルに配置するとともに,人間の作業に関連したログ情報の詳細と操作とを対応付けた操作マスタを用いて,前記ログ情報テーブルの詳細に前記操作マスタで対応付けられた操作を付加する機能を有するマッピング処理装置と, 前記ログ情報テーブルの,ユーザ,サーバ,対象が同じ行について,詳細の出現パターンをルールマスタに照らし合わせることによって,前記ログ情報テーブルの行の一部を処理対象外とするとともに,一定時間内の同一操作を一つに圧縮し,前記ログ情報テーブルの複数の操作の組み合わせを一つの操作に集約してアクセスログデータとして出力する第1の処理装置と, 前記アクセスログデータを自然言語に翻訳するパス4処理装置と, を備える圧縮,翻訳サーバ。 【請求項2】 前記第1の処理装置は,前記ログ情報テーブルの,ユーザ,サーバ,対象が同じ行について,詳細の出現パターンをルールマスタに照らし合わせることによって,前記ログ情報テーブルの行の一部を処理対象外とするために, 前記メモリ内のログ情報テーブルに配置されたログ情報からユーザ,サーバ,対象を前記ログ情報テーブルとは別のメモリ領域上にサマリとして展開し,展開したサマリを使用し,ログ情報の複数行に渡る同一ユーザ,同一サーバ,同一対象の行を一意の集合とする機能を有するプリパス1処理装置と, この集合と,基本シーケンスとそれに続くシーケンスの組み合わせが対応付けられたルールマスタとを照らし合わせ,前記集合内の詳細の出現パターンと前記ルールマスタのシーケンスの組み合わせとがマッチングした場合,基本シーケンス以外とマッチした前記ログ情報テーブルの行を処理対象外に設定する機能を有するパス1処理装置とを備える,請求項1に記載の圧縮,翻訳サーバ。 【請求項3】 前記第1の処理装置は,一定時間内の同一操作を一つに圧縮し,前記ログ情報テーブルの複数の操作の組み合わせを一つの操作に集約してアクセスログデータとして出力するために, 前記パス1処理装置から出力された前記ログ情報テーブルの日時を使用し,一定時間内に発生したログ情報を判断し,一定時間内にある同一操作をカウントして取りまとめ,複数行になる操作記録を1行の操作記録に変換し有用な操作記録だけを選別する機能を有するパス2処理装置と, 前記パス2処理装置により選別したログ情報テーブルを時系列に走査して,同一ユーザ,同一サーバ,同一対象の行における操作のパターンが,基本操作と複数の従属操作とを対応付けた動作マスタにおける複数の従属操作のパターンとマッチする場合に,マッチした複数の操作のうち,プライオリティが低い操作を選別し特定の操作に吸収圧縮させてアクセスログデータとして出力する機能を有するパス3処理装置とを備える,請求項2に記載の圧縮,翻訳サーバ。」 第3 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について (1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2013-84212号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下,同様。) A 「【0005】 この発明は上記事情に着目してなされたもので,その目的とするところは,ログを一元的かつ安全に収集し,利用者がログを効率よく閲覧することができるログ収集システム,方法及びプログラムを提供することにある。」 B 「【0009】 以下,図面を参照しながら本開示の一実施形態に係るログ収集システム,方法及びプログラムについて詳細に説明する。なお,以下の実施形態では,同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして,重ねての説明を省略する。 本実施形態に係るログ収集システムについて図1のブロック図を参照して説明する。 本実施形態に係るログ収集システム100は,ログ収集サーバ101,情報提供サーバ111および連携サーバ121を含む。また,ログ収集サーバ101,情報提供サーバ111,連携サーバ121および利用者端末141は,ネットワーク131を介して接続される。なお,ログ収集サーバ101と連携サーバ121とをそれぞれ分離した場合を想定しているが,これに限らず,ログ収集サーバ101と連携サーバ121とが一体となっていてもよい。また,図1の例では,情報提供サーバ111は1つであるが,複数存在してもよい。 【0010】 情報提供サーバ111は,自サーバにおけるログを収集し,ログ収集サーバ101の要求によりまたは所定期間ごとに,ログデータをログ収集サーバ101へ送信する。ログデータは,利用者による情報へのアクセスに関するログであり,本実施形態ではログデータとして,利用者の個人情報を扱う情報システムを利用した際に出力されるログ(以下,アクセスログともいう)を想定するが,これに限らず,秘匿情報や機密情報といったセキュリティ強度を高く設定する必要がある情報を扱うシステムを利用した際のログなどでもよい。 連携サーバ121は,ログ収集サーバ101および情報提供サーバ111のそれぞれの一時識別子を対応付けて格納する。一時識別子は,利用者を一意に識別する利用者識別子よりも暗号強度が高い識別子を示す。 ログ収集サーバ101は,1以上の情報提供サーバ111から,それぞれログデータを受信し,連携サーバ121に格納される一時識別子に基づいて,それぞれのログを対応付けて管理する。 (途中省略) 【0012】 以下,ログ収集サーバ101,情報提供サーバ111および連携サーバ121の詳細について説明する。 ログ収集サーバ101は,利用者情報格納部102,ログ要求部103,一時識別子要求部104,名称変換部105,ログ格納部106,ログ削除部107およびログ閲覧部108を含む。 利用者情報格納部102は,ログ収集サーバ101での利用者識別子(第1利用者識別子ともいう),一時識別子(第1一時識別子ともいう),および属性情報をそれぞれ対応付け,これらの情報を例えばテーブル形式で格納する。第1利用者識別子は,利用者を一意に識別するための番号またはその他の記号であればよい。一時識別子は,例えば,予め第1利用者識別子と対応付けてランダムに生成した番号またはその他の記号でもよいし,第1利用者識別子を暗号化して生成してもよいし,SAML(Security Assertion Markup Language)における仮名を用いてもよい。属性情報は,第1利用者識別子とは異なり容易に利用者を特定できる情報であり,例えば,氏名,ニックネーム,所属するカテゴリにおける統一的な呼び名が挙げられる。 なお,利用者情報格納部102には上述の第1利用者識別子,一時識別子および属性情報が少なくとも対応付けられていればよく,その他の情報を対応づけて格納してもよい。 【0013】 ログ要求部103は,情報提供サーバ111にログデータを要求するためのログ要求信号を生成する。ログ要求部103は,情報提供サーバ111から変換されたログデータ(第1変換ログデータともいう)を受信する。第1変換ログデータは,情報提供サーバ111で生成されるログデータであり,詳細な説明は後述する。また,ログ要求部103は,変換ログデータに含まれる情報提供サーバ111での一時識別子(第2一時識別子ともいう)に対応するログ収集サーバ101での一時識別子を取得するための取得要求信号を生成する。ログ要求部103はその後,後述の一時識別子要求部104から,情報提供サーバ111での一時識別子に対応するログ収集サーバ101での一時識別子を受け取る。 一時識別子要求部104は,ログ要求部103から,取得要求信号と変換ログデータに含まれる情報提供サーバ111での一時識別子とを受け取る。一時識別子要求部104は,ネットワーク131を介して連携サーバ121へ情報提供サーバ111での一時識別子を送信する。また,一時識別子要求部104は,連携サーバ121から,送信した情報提供サーバ111での一時識別子に対応する,ログ収集サーバ101での一時識別子を受け取る。 【0014】 名称変換部105は,ログ要求部103から変換ログデータと情報提供サーバ111での一時識別子に対応するログ収集サーバ101での一時識別子とをそれぞれ受け取る。名称変換部105は,利用者情報格納部102からログ収集サーバ101での一時識別子に対応する属性情報を抽出し,変換ログデータに含まれる一時識別子を抽出した属性情報に変換し,変換されたログデータ(第2変換ログデータともいう)を得る。 ログ格納部106は,名称変換部105から第2変換ログデータを受け取って格納する。 【0015】 ログ削除部107は,ログ格納部106に格納されたログデータを削除する。例えば,指定された期間のログデータを削除したり,指定された利用者のログデータを削除する。なお,ログデータの削除が実行されるタイミングは,利用者によって手動で行われてもよいし,予め指定された時間を経過した後または所定の時間間隔で実行されもよい。 ログ閲覧部108は,利用者の入力に応じて,ログ格納部106に格納されたログデータから部分ログデータを抽出して,部分ログデータを利用者が閲覧可能な形式に変換し,ログデータをネットワーク131を介して利用者端末141に送信する。なお,図1では,ログ格納部106から部分ログデータを抽出し,利用者端末141にログデータを送信する例を示すが,ログ閲覧部108が名称変換部105から直接第2変換ログデータを受け取って部分ログデータを抽出し,リアルタイムに利用者のログデータを表示してもよい。」 C 「【0022】 次に,本実施形態に係るログ収集システムの利用例について図3のブロック図を参照して説明する。本利用例では,患者が病院での検査結果をもとに,かかりつけの診療所で診断を受ける医療サービスを受診した場合を想定する。 図3に示すログ収集システム300は,ログ収集サーバ101,連携サーバ121,病院サーバ301-1および診療所サーバ301-2を含む。ログ収集サーバ101および連携サーバ121は,図1に示すログ収集サーバ101および連携サーバ121と同様の動作を行なうので,ここでの詳細な説明は省略する。 【0023】 病院サーバ301-1および診療所サーバ301-2は,病院サーバ301-1ではログデータが検査データ302-1から収集され,診療所サーバ301-2ではログデータが診療データ302-2から収集される点が異なるが,その他の構成は情報提供サーバ111と同様であるため,ここでの説明は省略する。病院サーバ301-1には,患者の検査データへのアクセスに関するログがログデータに記録され,診療所サーバ301-2には,診療データへのアクセスに関するログがログデータに記録される。 【0024】 次に,ログ収集サーバ101の利用者情報格納部102に格納される利用者情報テーブルの一例について図4を参照して説明する。 図4に示す利用者情報テーブルには,ユーザID(第1利用者識別子)401,(第1)一時識別子402および氏名403がそれぞれ対応付けられて格納される。例えば,ユーザID401「A001」は,一時識別子402として「aaa111bbb」が付与され,氏名403は「山田太郎」である。このように,利用者ごとにログ収集サーバ101での一時識別子が付与される。 【0025】 次に,情報提供サーバ111の利用者情報格納部112に格納される利用者情報テーブルの一例について図5を参照して説明する。図5(a)は,情報提供サーバ111の一例として病院サーバ301-1に格納されるテーブルを示し,図5(b)は,情報提供サーバ111の一例として診療所サーバ301-2に格納されるテーブルを示す。 図5(a)に示す病院サーバ301-1の利用者情報テーブルには,ユーザID(第2利用者識別子)501-1,(第2)一時識別子502-1,氏名503-1がそれぞれ対応付けられて格納される。具体的に,ユーザID501-1「Daaa」,一時識別子「hs1111」,氏名「Yamada」が対応付けられる。 一方,図5(b)に示す診療所サーバ301-2の利用者情報テーブルには,ユーザID(第2利用者識別子)501-2と(第2)一時識別子502-2とが対応付けられて格納される。具体的に,ユーザID502-2(当審注:「502-2」は「501-2」の誤記と認められる。)「1011」と一時識別子502-2「cl9999」とが対応付けられる。 【0026】 次に,連携サーバ121の一時識別子格納部122に格納される一時識別子変換テーブルの一例について図6を参照して説明する。 図6に示す一時識別子変換テーブルには,ユーザID601,ログ収集サーバ101での一時識別子402,情報提供サーバ(病院サーバ)301-1での一時識別子502-1および情報提供サーバ(診療所サーバ)301-2での一時識別子502-2がそれぞれ対応付けられて格納される。具体的に,ログ収集サーバ101での一時識別子402「aaa111bbb」と,情報提供サーバ(病院サーバ)301-1での一時識別子502-1「hs1111」と,情報提供サーバ(診療所サーバ)301-2での一時識別子502-2「cl9999」とが対応付いている。 【0027】 次に,情報提供サーバ111において出力されるログデータの一例について図7を参照して説明する。 図7(a)は,病院サーバ301-1におけるログデータ700-1の出力例を示し,図7(b)は,診療所サーバ301-2におけるログデータ700-2の出力例を示す。図7(a)および図7(b)のそれぞれのログデータ700は,日時,アクセス者,対象者,対象データ,操作および結果に関するログを1組として出力する。通常のログデータでは,アクセス者および対象者がそれぞれのサーバでのユーザIDを用いて記録されている。具体的には,図7(a)では,アクセス者として病院サーバ301-1のユーザID501-1「Daaa」が,対象者としてユーザID501-1「Dccc」が記録される。 【0028】 次に,情報提供サーバ111において出力される変換ログデータの一例について図8を参照して説明する。 図8(a)は,病院サーバ301-1における変換ログデータ800-1の出力例を示し,図8(b)は,診療所サーバ301-2におけるログデータ800-2(当審注:「ログデータ800-2」は,「変換ログデータ800-2」の誤記と認められる。)の出力例を示す。図8(a)および図8(b)に示すように,ユーザID501-1が対応する一時識別子502-1に変換される。具体的には,図5(a)に示す利用者情報テーブルを参照すると,ユーザID501-1「Daaa」が対応する一時識別子502-1「hs1111」に変換され,ユーザID501-1「Dccc」が対応する一時識別子502-1「k9999」に変換される。 【0029】 次に,ログ収集サーバ101のログ格納部106に格納されるログ保管テーブルの一例について図9を参照して説明する。 図9に示すログ保管テーブルには,アクセス日時901,アクセス者902,対象サーバ903,対象利用者904,対象データ905,操作906および結果907が,それぞれ対応付けられて格納される。具体的には,例えば,アクセス日時901「2011/3/1 10:00」,アクセス者902「山田太郎」,対象サーバ903「病院」,対象利用者904「田中三郎」,対象データ905「検査データ」,操作906「閲覧」,および結果907「成功」が対応付けられる。このように,アクセス者902として,ユーザIDや一時識別子ではなく,属性情報(ここでは氏名)が格納されることにより,同一人物かどうかを容易にかつ一意に判別できる。 例えば,図5に示すように,同じ病院内でも利用者によって入力する氏名表記が一致しないこともあり,病院と診療所とでは組織体系が異なり,患者や医療従事者のユーザIDは異なることが多いと考えられる。本実施形態に係るログ収集システム300によれば,ログ収集サーバ101に格納されている氏名に変換されるので,同一人物であるかどうかが容易かつ一意に判別できる。」 D 「【図3】 」 E 「【図4】 」 F 「【図5】 」 G 「【図6】 」 H 「【図7】 」 I 「【図8】 」 J 「【図9】 」 (2)したがって,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「ログ収集サーバ101,情報提供サーバ111および連携サーバ121を含むログ収集システム100におけるログ収集サーバ101であって, ログ収集サーバ101,情報提供サーバ111,連携サーバ121および利用者端末141は,ネットワーク131を介して接続され, 情報提供サーバ111は,自サーバにおけるログを収集し,ログ収集サーバ101の要求によりまたは所定期間ごとに,ログデータをログ収集サーバ101へ送信するものであり, ログ収集サーバ101は,利用者情報格納部102,ログ要求部103,一時識別子要求部104,名称変換部105,ログ格納部106,ログ削除部107およびログ閲覧部108を含み, 利用者情報格納部102は,ログ収集サーバ101での利用者識別子(第1利用者識別子ともいう),一時識別子(第1一時識別子ともいう),および属性情報をそれぞれ対応付け,これらの情報を例えばテーブル形式で格納し, 第1利用者識別子は,利用者を一意に識別するための番号であればよく, 一時識別子は,予め第1利用者識別子と対応付けてランダムに生成した番号でもよく, 属性情報は,容易に利用者を特定できる情報であり,例えば,氏名が挙げられ, ログ要求部103は,情報提供サーバ111から変換されたログデータ(第1変換ログデータともいう)を受信し, ログ要求部103は,変換ログデータに含まれる情報提供サーバ111での一時識別子(第2一時識別子ともいう)に対応するログ収集サーバ101での一時識別子を取得するための取得要求信号を生成し,その後,後述の一時識別子要求部104から,情報提供サーバ111での一時識別子に対応するログ収集サーバ101での一時識別子を受け取り, 一時識別子要求部104は,ネットワーク131を介して連携サーバ121へ情報提供サーバ111での一時識別子を送信し,また,一時識別子要求部104は,連携サーバ121から,送信した情報提供サーバ111での一時識別子に対応する,ログ収集サーバ101での一時識別子を受け取り, 名称変換部105は,ログ要求部103から変換ログデータと情報提供サーバ111での一時識別子に対応するログ収集サーバ101での一時識別子とをそれぞれ受け取り,名称変換部105は,利用者情報格納部102からログ収集サーバ101での一時識別子に対応する属性情報を抽出し,変換ログデータに含まれる一時識別子を抽出した属性情報に変換し,変換されたログデータ(第2変換ログデータともいう)を得, ログ格納部106は,名称変換部105から第2変換ログデータを受け取って格納し, ログ閲覧部108は,利用者の入力に応じて,ログ格納部106に格納されたログデータから部分ログデータを抽出して,部分ログデータを利用者が閲覧可能な形式に変換し,ログデータをネットワーク131を介して利用者端末141に送信し, 情報提供サーバ111の一例である病院サーバ301-1ではログデータが検査データ302-1から収集され,また,情報提供サーバ111の一例である診療所サーバ301-2ではログデータが診療データ302-2から収集され, 病院サーバ301-1には,患者の検査データへのアクセスに関するログがログデータに記録され,診療所サーバ301-2には,診療データへのアクセスに関するログがログデータに記録され, ログ収集サーバ101の利用者情報格納部102に格納される利用者情報テーブルには,ユーザID(第1利用者識別子)401,(第1)一時識別子402および氏名403がそれぞれ対応付けられて格納され,例えば,ユーザID401「A001」は,一時識別子402として「aaa111bbb」が付与され,氏名403は「山田太郎」であり, 病院サーバ301-1の利用者情報テーブルには,ユーザID(第2利用者識別子)501-1,(第2)一時識別子502-1,氏名503-1がそれぞれ対応付けられて格納され,具体的に,ユーザID501-1「Daaa」,一時識別子「hs1111」,氏名「Yamada」が対応付けられ, 診療所サーバ301-2の利用者情報テーブルには,ユーザID(第2利用者識別子)501-2と(第2)一時識別子502-2とが対応付けられて格納され,具体的に,ユーザID501-2「1011」と一時識別子502-2「cl9999」とが対応付けられ, 連携サーバ121の一時識別子格納部122に格納される一時識別子変換テーブルには,ユーザID601,ログ収集サーバ101での一時識別子402,情報提供サーバ(病院サーバ)301-1での一時識別子502-1および情報提供サーバ(診療所サーバ)301-2での一時識別子502-2がそれぞれ対応付けられて格納され,具体的に,ログ収集サーバ101での一時識別子402「aaa111bbb」と,情報提供サーバ(病院サーバ)301-1での一時識別子502-1「hs1111」と,情報提供サーバ(診療所サーバ)301-2での一時識別子502-2「cl9999」とが対応付いており, 病院サーバ301-1におけるログデータ700-1,及び診療所サーバ301-2におけるログデータ700-2のそれぞれは,日時,アクセス者,対象者,対象データ,操作および結果に関するログを1組として出力し, 通常のログデータでは,アクセス者および対象者がそれぞれのサーバでのユーザIDを用いて記録されており,具体的には,病院サーバ301-1におけるログデータ700-1では,アクセス者として病院サーバ301-1のユーザID501-1「Daaa」が,対象者としてユーザID501-1「Dccc」が記録され, 病院サーバ301-1における変換ログデータ800-1及び診療所サーバ301-2における変換ログデータ800-2は,ユーザID501-1が対応する一時識別子502-1に変換され,具体的には,ユーザID501-1「Daaa」が対応する一時識別子502-1「hs1111」に変換され,ユーザID501-1「Dccc」が対応する一時識別子502-1「k9999」に変換され, ログ収集サーバ101のログ格納部106に格納されるログ保管テーブルには,アクセス日時901,アクセス者902,対象サーバ903,対象利用者904,対象データ905,操作906および結果907が,それぞれ対応付けられて格納され,具体的には,アクセス日時901「2011/3/1 10:00」,アクセス者902「山田太郎」,対象サーバ903「病院」,対象利用者904「田中三郎」,対象データ905「検査データ」,操作906「閲覧」,および結果907「成功」が対応付けられ, アクセス者902として,ユーザIDや一時識別子ではなく,属性情報(ここでは氏名)が格納されることにより,同一人物かどうかを容易にかつ一意に判別でき, ログを一元的かつ安全に収集し,利用者がログを効率よく閲覧することができるログ収集システム300におけるログ収集サーバ101。」 2.引用文献2について (1)また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2013-152657号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。 K 「【0005】 前記目的を達成するために本発明は,画像データに基づく画像形成処理及び原稿から画像データを読み取る画像読取処理のいずれか一方又は両方を実行する画像処理装置における動作履歴の内容を予め定められた置換文字で表現したログデータを自然言語に変換して出力するログ変換工程をコンピューターに実行させるログ変換プログラムであって,前記ログ変換工程は,前記画像処理装置で発生した異常項目に応じて,前記ログデータのうち前記異常項目に対応して予め設定された一又は複数のログ項目の情報のみを抽出して出力するものであることを特徴とするログ変換プログラムとして構成される。 具体的に,前記ログ変換工程は,前記置換文字と前記自然言語との対応関係が予め定められたログ対応情報に基づいて前記ログデータを前記自然言語に変換するものであることが考えられる。 ここに,前記ログデータは,例えば前記画像処理装置の異常発生直前における前記画像処理装置の使用環境に関する情報を含むものである。なお,前記ログデータの出力とは,表示出力又は印字出力などである。 本発明によれば,前記ログデータのうち前記異常項目各々の発生時に参照するべきログ項目の情報のみを迅速且つ容易に確認させることが可能となる。なお,前記画像処理装置における前記ログデータが自然言語で出力されるため,そのログデータに含まれる特定文字と自然言語との対応関係を熟知した開発者などの特定の者でなくても前記ログデータの内容を容易に把握することができる。 【0006】 ところで,本発明は,前記ログ変換プログラムを実行する情報処理装置の発明として捉えてもよい。 即ち,本発明は,画像データに基づく画像形成処理及び原稿から画像データを読み取る画像読取処理のいずれか一方又は両方を実行する画像処理装置における動作履歴の内容を予め定められた置換文字で表現したログデータを自然言語に変換して出力するログ変換手段を備えてなる情報処理装置であって,前記ログ変換手段は,前記画像処理装置で発生した異常項目に応じて,前記ログデータのうち前記異常項目に対応して予め設定された一又は複数のログ項目の情報のみを抽出して出力するものであることを特徴とする情報処理装置として捉えることができる。」 L 「【0019】 ここで,図3は,前記ログデータの一例を示している。図3に示すように,例えばハードディスクドライブの状態(HDD status)は,記録時に付される時系列番号(24,25,・・・31)ごとに「1」又は「2」と表現されている。この「1」及び「2」が前記置換文字であり,「1」はハードディスクドライブが「通常状態」であることを,「2」はハードディスクドライブが「アクセス中」であることを示している。このように前記置換文字で表現されたログデータは自然言語で表現されたものではないため,ユーザーやサービスマンなどが参照してもその内容を容易に確認することはできない。そのため,当該ログ変換処理では,以下の処理工程により前記ログデータを自然言語に変換して表示させる。」 M 「【0026】 [ステップS8] 続くステップS8において,前記CPU111は,前記ステップS7における自然言語への変換後の前記ログ項目の内容を一括してテキストデータとして前記表示部12に表示出力させる。これにより,前記情報処理装置10を操作するユーザーやサービスマンは,自然言語で表現されたログデータを参照して容易にそのログデータの内容を確認することができる。なお,前記ステップS8の実行によって一連の前記ログ変換処理は終了し,処理は前記ステップS1に移行する。 ここに,図4は,前記ステップS8で表示出力されるログデータの内容の一例を示している。図4に示すように,例えば「HDD status」の項目の内容は,前記置換文字の「2」ではなく,自然言語により「HDDアクセス中」と表示されている。 なお,ここでは前記ログデータの変換結果を表示出力する場合を例に挙げたが,前記ログデータの変換結果をプリンター又は複合機などの画像形成装置により印字出力することも考えられる。また,前記ログデータの変換結果をテキストデータなどの所定形式のファイルデータとして出力することも考えられる。」 N 「【図3】 」 O 「【図4】 」 (2)したがって,上記引用文献2には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「画像処理装置における動作履歴の内容を予め定められた置換文字で表現したログデータを自然言語に変換して出力するログ変換工程をコンピューターに実行させるログ変換プログラムにおいて, 前記ログ変換工程は,前記置換文字と前記自然言語との対応関係が予め定められたログ対応情報に基づいて前記ログデータを前記自然言語に変換するものであり, 前記画像処理装置における前記ログデータが自然言語で出力されるため,そのログデータに含まれる特定文字と自然言語との対応関係を熟知した開発者などの特定の者でなくても前記ログデータの内容を容易に把握することができること。」 3.引用文献3について (1)また,拒絶査定において周知技術を示す文献として引用された引用文献3(特開2012-208565号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。 P 「ログ管理方法は,ファイル操作のログを管理するログ管理方法であって,(A)所定期間内に操作されたファイルに関するプロセス情報及びパス情報を含むログイベントが複数記録されたログデータを取得するステップと,(B)ログデータに記録されている複数のログイベントを,ログイベント間の関連性に基づいて一又は複数のグループとして集約するステップと,を備える。」(【要約】) Q 「【0075】 このように本実施の形態に係るログ管理方法によれば,ログデータ21Aに記録されている複数のログイベントが,ログイベント間の関連性に基づいて一又は複数のグループに集約される。このように,複数のログイベントを一又は複数のグループに集約することにより,ログデータのデータ量を削減することが可能となる。」 (2)したがって,上記引用文献3には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「ログデータを取得するステップと, ログデータに記録されている複数のログイベントを,ログイベント間の関連性に基づいて一又は複数のグループとして集約するステップと,を備え, 複数のログイベントを一又は複数のグループに集約することにより,ログデータのデータ量を削減することが可能となる ログ管理方法。」 4.引用文献4について (1)また,拒絶査定において周知技術を示す文献として引用された引用文献4(特開2010-262491号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。 R 「【0002】 情報漏洩事故が社会問題となっている。情報漏洩対策として,情報処理装置において,ファイル操作やメール送受信といった操作に関する操作ログ(単にログともいう)を取得し,漏洩事故発生時の原因究明や不正の抑止に活用する方法が多く知られている。 【0003】 情報処理装置が備えるOSは,記憶装置に記録するまたは記録されているデータを管理するための仕組みとしてファイルシステムを備える。ユーザがファイル操作を行うときは,ファイルシステムを介してファイルが操作されるため,ファイルシステムを監視することで,ファイル操作ログを取得することができる。 【0004】 しかしながら,ユーザが行った一つの操作に対して,記憶装置へのファイル操作を行うファイルシステムでは複数の操作が行われることがある。このような場合,ファイルシステムの操作ログは複数取得されることになってしまい,分かりづらい。例えば,電子ファイルを作成した場合,ファイルシステムからは「作成」「削除」「作成」「変更」のような複数の操作が行われる。 【0005】 これに対し,これらを実操作に対応したログにして,分析を容易にするために,あらかじめ定義したパターンと一致する処理が,所定の時間以内に行われた場合に,複数の操作から一つの実操作を表すログを作成する手法が提案されている(特許文献1)。」 (2)したがって,上記引用文献4には次の技術的事項が記載されていると認められる。 「ファイルシステムの操作ログを実操作に対応したログにして,分析を容易にするために,あらかじめ定義したパターンと一致する処理が,所定の時間以内に行われた場合に,複数の操作から一つの実操作を表すログを作成する手法。」 第4 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 (ア)引用発明の「情報提供サーバ111」,「ログデータ」は本願発明1の「コンピュータ装置」,「収集ログ情報」にそれぞれ相当する。 引用発明の「情報提供サーバ111」は,「自サーバにおけるログを収集し,ログ収集サーバ101の要求によりまたは所定期間ごとに,ログデータをログ収集サーバ101へ送信するものであり」,また,「情報提供サーバ111の一例である病院サーバ301-1ではログデータが検査データ302-1から収集され,また,情報提供サーバ111の一例である診療所サーバ301-2ではログデータが診療データ302-2から収集され」るものであるから,引用発明の「情報提供サーバ111」の「一例」である「病院サーバ301-1」及び「診療所サーバ301-2」は,「ログ収集サーバ101」へ「送信」するための「ログデータ」を“出力”する“コンピュータ装置”である点で,本願発明1の“対象となるコンピュータ装置群”に対応するものといえる。 そうすると,引用発明の「病院サーバ301-1」及び「診療所サーバ301-2」で収集されて「ログ収集サーバ101」へ「送信」される「ログデータ」が,本願発明1の「対象となるコンピュータ装置群が出力する収集ログ情報」に相当する。 (イ)引用発明の「ログ収集サーバ101」は,「利用者情報格納部102,ログ要求部103,一時識別子要求部104,名称変換部105,ログ格納部106,ログ削除部107およびログ閲覧部108を含」んでいるところ,これらの「利用者情報格納部102」,「ログ要求部103」,「一時識別子要求部104」,「名称変換部105」,「ログ格納部106」,「ログ削除部107」および「ログ閲覧部108」は,「病院サーバ301-1」及び「診療所サーバ301-2」から受信した「ログデータ」に対する“処理”を行う“装置”であるといえるから,“処理装置”とみることができ,当該“処理”の結果,「ログ収集サーバ101のログ格納部106に格納されるログ保管テーブル」には,「アクセス日時901,アクセス者902,対象サーバ903,対象利用者904,対象データ905,操作906および結果907が,それぞれ対応付けられて格納され,具体的には,アクセス日時901「2011/3/1 10:00」,アクセス者902「山田太郎」,対象サーバ903「病院」,対象利用者904「田中三郎」,対象データ905「検査データ」,操作906「閲覧」,および結果907「成功」が対応付けられ」るものである。 そして,引用発明の「アクセス日時901」は,「アクセス者902」が,「対象サーバ903」の「対象データ905」にアクセスした日時を示す情報である一方,本願明細書の【0013】の 「101ユーザAが104サーバαのファイル107甲,105サーバβのファイル108乙と109丙, 102ユーザBが105サーバβのファイル108乙と109丙, 103ユーザCが106サーバγのファイル110丁を操作すると, コンピュータ104サーバα,105サーバβ,106サーバγはそれぞれ操作された時にコンピュータの動作状況を111ログ情報としてそれぞれ出力する。」 との記載,及び同【0015】の 「・日時    :ユーザがファイルにアクセスした日時分秒。 ・ユーザ   :ファイルにアクセスした人又はアカウントを持つ機能。 ・対象    :操作に関連した事象。 ファイルアクセスの場合は,アクセスされたファイルやディレクトリ。」 との記載からすると,本願発明1の「日時」は,「ユーザ(ファイルにアクセスした人)」が,「サーバ(α,β,γ)」の「対象(ファイル)」にアクセスした日時分秒を意味しているものと認められることから,引用発明の「アクセス日時901」,「アクセス者902」,「対象サーバ903」,「対象データ905」は本願発明1の「日時」,「ユーザ」,「サーバ」,「対象」に相当するといえる。 また,引用発明では,「ログ保管テーブル」に「アクセス日時901,アクセス者902,対象サーバ903,対象利用者904,対象データ905,操作906および結果907が,それぞれ対応付けられて格納され」るものであるから,上記“処理装置”は,ログデータから,「アクセス日時901」,「アクセス者902」,「対象サーバ903」及び「対象データ905」を“抽出”する処理を実行しているといえる。 してみれば,引用発明の「利用者情報格納部102,ログ要求部103,一時識別子要求部104,名称変換部105,ログ格納部106,ログ削除部107およびログ閲覧部108」と本願発明1の「収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象,詳細を抽出してメモリ内のログ情報テーブルに配置するとともに,人間の作業に関連したログ情報の詳細と操作とを対応付けた操作マスタを用いて,前記ログ情報テーブルの詳細に前記操作マスタで対応付けられた操作を付加する機能を有するマッピング処理装置」とは,後記する点で相違するものの,“収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象を抽出する処理を実行する処理装置”である点で共通する。 (ウ)引用発明の「ログ収集サーバ101」と本願発明1の「圧縮,翻訳サーバ」とは,ともに,「サーバ」である点で共通する。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「対象となるコンピュータ装置群が出力する収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象を抽出する処理を実行する処理装置 を備えるサーバ。」 (相違点) (相違点1)本願発明1の「圧縮,翻訳サーバ」は,「収集ログ情報を読み取り,読み取った収集ログ情報を時系列に解析する為に,収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象,詳細を抽出してメモリ内のログ情報テーブルに配置するとともに,人間の作業に関連したログ情報の詳細と操作とを対応付けた操作マスタを用いて,前記ログ情報テーブルの詳細に前記操作マスタで対応付けられた操作を付加する機能を有するマッピング処理装置」を備えているのに対して, 引用発明の「ログ収集サーバ101」は,収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象を抽出する処理を実行する処理装置を備えるものの,上記したような「マッピング処理装置」を備えるものではない点。 (相違点2)本願発明1の「圧縮,翻訳サーバ」は,「前記ログ情報テーブルの,ユーザ,サーバ,対象が同じ行について,詳細の出現パターンをルールマスタに照らし合わせることによって,前記ログ情報テーブルの行の一部を処理対象外とするとともに,一定時間内の同一操作を一つに圧縮し,前記ログ情報テーブルの複数の操作の組み合わせを一つの操作に集約してアクセスログデータとして出力する第1の処理装置」を備えているのに対して, 引用発明の「ログ収集サーバ101」は,そのような処理装置を備えていない点。 (相違点3)本願発明1の「圧縮,翻訳サーバ」は,「前記アクセスログデータを自然言語に翻訳するパス4処理装置」を備えているのに対して, 引用発明の「ログ収集サーバ101」は,そのような処理装置を備えていない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点1について検討すると,本願発明1の「圧縮,翻訳サーバ」は,「収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象,詳細を抽出してメモリ内のログ情報テーブルに配置するとともに,人間の作業に関連したログ情報の詳細と操作とを対応付けた操作マスタを用いて,前記ログ情報テーブルの詳細に前記操作マスタで対応付けられた操作を付加する機能を有するマッピング処理装置」を備えており,ここで「ログ情報テーブルに配置」される「人間の作業に関連したログ情報の詳細」とは,本願明細書の段落【0015】の 「・詳細    :操作に関連した事象で日時,ユーザ,対象以外の付加情報。 ファイルアクセスの場合は,AccessValue,対象のIPアドレス,ファイルアクセスの場合は,AccessValue,対象のIPアドレス,セッション情報。」 との記載を参酌すると,「操作に関連した事象で日時,ユーザ,対象以外の付加情報であり,ファイルアクセスの場合は,AccessValue,対象のIPアドレス,セッション情報」のことを指すものであり,また,「操作」とは,同【0015】の 「・操作    :OS,アプリケーションが判断するファイルに対する情報。(logon,logoff,write,read等々)」との記載によれば,「OS,アプリケーションが判断するファイルに対するlogon,logoff,write,read等の情報」を指すものと認められるところ,引用発明には,このような「詳細」と「操作」とを対応付けた「操作マスタ」は特定されておらず,また,そのような「操作マスタ」を用いて,「ログ情報テーブル」に配置された「詳細」に「操作マスタ」で対応付けられた「操作」を「付加する」ことも全く特定されていない。 また,上記した「操作マスタ」を用いて「ログ情報テーブル」に配置された「詳細」に「操作マスタ」で対応付けられた「操作」を「付加する」ことが当該技術分野における周知技術であるということもできない。 また,上記引用文献2~4にも,上記したような,「詳細」と「操作」とを対応付けた「操作マスタ」を用いて,「ログ情報テーブル」に配置された「詳細」に「操作マスタ」で対応付けられた「操作」を「付加する」ことは記載も示唆もされていない。 そうすると,当業者であっても,引用発明に引用文献2~4に記載の技術的事項を適用して,上記相違点1に係る「収集ログ情報を読み取り,読み取った収集ログ情報を時系列に解析する為に,収集ログ情報から日時,ユーザ,サーバ,対象,詳細を抽出してメモリ内のログ情報テーブルに配置するとともに,人間の作業に関連したログ情報の詳細と操作とを対応付けた操作マスタを用いて,前記ログ情報テーブルの詳細に前記操作マスタで対応付けられた操作を付加する機能を有するマッピング処理装置」を備えることを容易に想到することができたとはいえない。 したがって,上記相違点2及び相違点3について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-3について 本願発明2-3は,本願発明1を減縮した発明であり,上記相違点1に係る構成と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は,請求項1について上記引用文献1-4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら,平成30年11月7日付け手続補正により補正された請求項1は,上記相違点1に係る構成を有するものとなっており,上記のとおり,本願発明1-3は,引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 1.特許法第36条第6項第2号について (1)当審では,請求項1の「監査等を行う際に人間が行った行動分析をしやすくする為に,コンピュータなど機械が出力するログ情報など人間が作業したログ以外を排除し」との記載における,「コンピュータなど機械が出力するログ情報など人間が作業したログ以外を排除し」とは,如何なるログ情報を如何なる情報処理を実行することによって「排除」することを特定しているのかが不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項1が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では,請求項1の「人間の行動に基づきログを取りまとめる事によって,収集ログを000分の1から2000分の1に圧縮し」との記載では,どのような情報をどのように処理することによって,「ログを取りまとめ」,「収集ログを・・・圧縮」しているのかが不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項1が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 (3)当審では,請求項1の「翻訳に必要な制御情報を付加し」との記載における「翻訳に必要な制御情報」とは,具体的にどのような情報のことを指しているのかが不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項1が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 (4)当審では,請求項2の「この集合とルールマスタとを突合せ,ルールマスタにマッチングした場合,ルールマスタに定義した変換ルールに従って,コンピュータ動作を集約し」との記載では,「ルールマスタ」がどのようなものであるのか,また,「ルールマスタに定義した変換ルールに従って,コンピュータ動作を集約し」とは,どのような情報をどのように処理することによって,「集約」が行われるのかが特定されておらず,発明の構成が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項2が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 (5)当審では,請求項3の「同一ユーザ,同一サーバ,同一対象の行について,特定の操作の前後一定時間内に発生した操作に対してプライオリティを付け,プライオリティが低い操作を選別し特定の操作に吸収圧縮させる」との記載では,どのような情報処理を実行することで,「特定の操作に吸収圧縮させ」ているのかが不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項3が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 2.特許法第36条第6項第1号について (1)当審では,請求項1の「人間の行動に基づきログを取りまとめる事によって,収集ログを1000分の1から2000分の1に圧縮」「する機能を有するマッピング処理装置」との記載は,発明の詳細な説明の記載と対応したものとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項1が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では,請求項2の「処理装置」は,請求項2の「前記メモリ内のログ情報テーブルに配置されたログ情報からユーザ,サーバ,対象を前記ログ情報テーブルとは別のメモリ領域上にサマリとして展開し,展開したサマリを使用し,ログ情報の複数行に渡る同一ユーザ,同一サーバ,同一対象の行を一意の集合とし,この集合とルールマスタとを突合せ,ルールマスタにマッチングした場合,ルールマスタに定義した変換ルールに従って,コンピュータ動作を集約」するとの記載内容からすると,本願明細書の発明の詳細な説明における「プリパス1処理装置及びパス1処理装置」に対応する構成であると認められるが,本願明細書の発明の詳細な説明の記載をみても,「プリパス1処理装置及びパス1処理装置」が,「自然言語に変換」する機能を有することは記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが,平成30年11月7日付けの手続補正において,請求項2が,前記「第2 本願発明」に記載したとおりに補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり,本願発明1-3は,当業者が引用発明及び引用文献2~4に記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-001415

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