特許拒絶査定不服審判
2018-000327
3D表示制御方法および3D表示制御装置
- 審判番号
- 2018-000327
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-557316外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年01月11日
- 審決日
- 2019年10月23日
- 公報発行日
- 2020年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 分類
- P18 .121-WZ (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-557316「3D表示制御方法および3D表示制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 8月28日国際公開、WO2014/127583、平成28年 5月19日国内公表、特表2016-514389〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)4月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年2月20日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年12月 9日付け:拒絶理由通知
平成29年 3月21日 :意見書の提出、手続補正
同年 8月31日付け:拒絶査定
平成30年 1月11日 :審判請求、手続補正
平成31年 1月31日付け:拒絶理由通知(当審)
令和 1年 5月 7日 :意見書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成30年1月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
なお、本願発明の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成A~構成Eと称する。
(本願発明)
(A)現在のフレームの画像中におけるディスプレーパネル上の各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データを順次に取得するステップと、
(B1a)前記各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データに基づいて、現在のフレームの画像中における各列のサブピクセルが表示する画像を順次に更新する
(B1b)同時に、直前のフレームの画像に対応する格子装置の遮光領域と透光領域とを更新して、裸眼3D画像の表示を実現するステップと、
を含み、
(B2a)前記各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データに基づいて、現在のフレームの画像中における各列のサブピクセルが表示する画像を順次に更新する
(B2b)同時に、現在のフレームの画像に対応する格子装置の遮光領域と透光領域とを更新するステップは、
具体的に、
(C1)現在のフレームにおいていずれか1列のサブピクセルを更新している時、前記いずれか1列のサブピクセルに対応する格子装置の全ての透光領域を遮蔽し、
(C2)現在のフレームにおいて前記いずれか1列のサブピクセルが完全に更新完了した後、前記格子装置おける前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域が、前記いずれか1列のサブピクセルに隣接する次の列のサブピクセルにも対応する場合、前記隣接する次の列のサブピクセルがまた更新完了しない時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する透光領域の遮蔽を保持し、
(C3)前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する領域が直ちに遮光と透光の変換を行い、
(C4)前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合、前記いずれか1列のサブピクセルが更新を完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域は直ちに遮光と透光の変換を行い、
さらに、
(B2c)現在のフレームの画像に対応する格子装置における遮光領域および透光領域を更新することは、
具体的に、
(D1)直前のフレームの画像の格子装置において第2n-1列と第2n列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第1プリセット幅を有する領域が透光領域であり、ほかの領域が遮光領域である時、
現在のフレームの画像に対応する格子装置において第2n列と第2n+1列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第2プリセット幅を有する領域を透光領域に、ほかの領域を遮光領域に更新し、その中でn=1、2、3、...であり
(D2)直前のフレームの画像の格子装置において第2n列と第2n+1列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第2プリセット幅を有する領域が透光領域であり、ほかの領域が遮光領域である時、
現在のフレームの画像に対応する格子装置において第2n-1列と第2n列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第1プリセット幅を有する領域を透光領域に、ほかの領域を遮光領域に更新し、その中でn=1、2、3、...である
(E)ことを特徴とする3D表示制御方法。
第3 当審の拒絶の理由
平成31年1月31日付けで当審が通知した拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。
本件出願の請求項1-12に係る発明は、その出願前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特開2005-164916号公報
2.特開2008-83073号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2005-164916号公報には、「立体表示装置」(発明の名称)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。
「【0001】
本発明は右眼と左眼の両眼視差によって、使用者に立体像を観察させる立体ディスプレイとその制御方法に関する。 」
「【0022】
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、パララックスバリアの開口率を制限して、クロストークを改善し且つ、高品位立体像化と2D表示を可能とした表示光学系について述べる。本実施形態の画像表示装置は液晶表示装置を用いて説明してあるが、液晶に限らず、PDP(プラズマディスプレイ)等の自発光型表示装置でも適用できる。
(1)第1の実施形態の全体構成とスイッチング動作:
図1に第1の実施形態の表示装置構成を示す。101は所定の場所を透過及び遮光制御するシャッタアレイ(以下、スイッチングバリアと呼称)である。102は表示装置で液晶によって構成され、コンピュータ等の映像信号により所定の画像を表示する。103は液晶表示装置のバックライトである。110はスイッチングバリアの開口パターンを制御するバリアパターン発生系、120は表示装置102の画像表示を制御する画像表示系、130はバックライト103を制御するバックライト発光制御系である。また、50Rは観察者の右目、50Lは観察者の左目である。」
「【0023】
図2Aと図2Bはスイッチングバリア101を切り替えることによって、高品位立体像化を図っている説明図である。表示装置102は交互に右画像と左画像をストライプ状に表示する。この際の右画像と左画像は、1画素(RGB単位)或いは数画素単位、または画素のドット単位(例えばRGB色画素のひとつ)でもよい。図2Aにおいて、Dをパネル-バリア間隔、Eを眼間距離、Lを視差画像のピッチ、Bをバリア開口ピッチ、Rを観察距離とおき、三角形P0-P1-P2と三角形P0-P3-P4の相似から、L:D=E:Rの関係であり、次式になる。」
「図2
」
「【0062】
以上で求めた値で光学系を構成すれば、観察者にクロストークを感じさせずに、左右の視差画像を表示することが可能である。
(6)スイッチングバリアの構造:
図4に第1の実施形態で、そのスイッチングバリアの構成を示す。図中の101aは短冊状のシャッタであり、このシャッタが複数並ぶことでスイッチングバリアを構成している。尚、このシャッタ101aは個々に遮光と透過の制御が可能である。図4は上述の設計例のバリアパターンを示し、図中のBは0.591298mmとなる。開口率は0.1252(=1/7.98)以下の必要があり、1ピッチを8分割、半ピッチを4分割のバリアパターンとした。スイッチングバリアの開口パターンは図4に示すように「3D表示時(a)」と「3D表示時(b)」及び「2D表示時」の3パターンある。図2Aに対応したバリアパターンが「3D表示時(a)」であり、図2Bに対応したバリアパターンが「3D表示時(b)」である。このようにバリアパターンの切り替えと視差画像の切り替えを同期して行うことで高品位立体像が再生できる。
(7)画像書き換え時間の対応:
表示装置102の視差画像を切り替えるためには所定の時間が必要であり、バリアの書き換えと画像の書き換えが重なると、視認性の悪い立体像となる。「3D表示時(a)」と「3D表示時(b)」の間に、すべてのシャッタを遮光し、その間に表示装置の画像を切り替えれば視認性の悪い立体像にならない。また、表示装置に液晶表示を用いた場合には、表示装置の画像切り替え時間はバックライトを消灯すれば同様の効果がある。
(8)簡略化したスイッチングバリア:
図5に簡略化したバリアパターンの構成を示した。110はスイッチングバリアを示し、2種類の幅のシャッタ110aと110bから構成される。スイッチングバリアは図4に示してあるように等ピッチで並んでいなくてもよく、図5のような不等ピッチの構成にして、個々のシャッタを制御すれば同様の効果が得られる。また、図6に示すように、スイッチングバリアのドライバも3ブロックに分けて行えばよく、ドライバの簡素化が図れる。」
「図4
」
「【0063】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、スイッチングバリアと表示装置に、非常に早い書き換え速度が要求されるが、第2の実施形態では書き換えの走査タイミングを制御することで、一般に使用されている2次元ディスプレイの2倍程度の書き換え速度で高品位立体像を再生する形態について述べる。
(1)スイッチングバリアと画像の書き換えタイミング:
スイッチングバリアの書き換えと視差画像の書き換えタイミングについて図7を用いて説明する。図中の201はスイッチングバリアのパターン図で、図4で説明したものと同様のバリアである。バリアの書き換えは右から左に行うものとして説明する。図中の202は表示装置表示画像を示し、右目視差画像と左目視差画像の描画が行われる。尚、この描画は液晶表示装置などに用いられている線順次方式でも、CRTのような点順次方式でもよく、バリアの書き換えと同様に右から左へ視差画像を書き換えて、順次、視差画像が入れ替える。
【0064】
203は画像の切り替え位置である。この位置を境界にバリアに対して右画像と左画像が入れ替わり、バリアの位相が半ピッチ分ずれる。図7ではバリアの位相を半ピッチ遅らせて、半ピッチずらしてある。境界203は画像パネルの書き換えと同様に右から左へ移動する。画像パネルの1フィールドごとに左右の画像は入れ替わって表示され、バリアの位相も半ピッチずれ、2フィールドで高品位立体像を再生する。図8はバリアの位相を半ピッチ早めて、半ピッチずらした形態である。」
「図7
」
(2)引用文献1に記載された発明
引用文献1に記載された発明を以下に認定する。
ア 上記(1)【0001】によると、引用文献1には、「右眼と左眼の両眼視差によって、使用者に立体像を観察させる立体ディスプレイの制御方法」に関する発明が記載されている。
イ 上記(1)【0022】によると、第1の実施形態として、前記立体ディスプレイは、所定の場所を透過及び遮光制御するスイッチングバリア101、所定の画像を表示する表示装置102、スイッチングバリアの開口パターンを制御するバリアパターン発生系110、表示装置102の画像表示を制御する画像表示系120から構成されるものが記載されている。
ウ 上記(1)【0023】によると、前記表示装置102は交互に右画像と左画像をストライプ状に表示するものであり、この際の右画像と左画像は、1画素(RGB単位)或いは数画素単位、または画素のドット単位(例えばRGB色画素のひとつ)である。
エ 上記(1)【0062】によると、前記表示装置102の視差画像を切り替えるためには所定の時間が必要であり、「3D表示時(a)」と「3D表示時(b)」の間に、すべてのシャッタを遮光し、その間に表示装置の画像を切り替えるものである。
オ 上記(1)【0062】によると、前記スイッチングバリア101は、短冊状のシャッタ101aが複数並ぶことで構成されており、このシャッタ101aは個々に遮光と透過の制御が可能であり、前記スイッチングバリアの開口パターンは「3D表示時(a)」と「3D表示時(b)」がある。
カ 上記(1)【0062】及び図2Aによると、「3D表示時(a)」には、表示装置102の右から1、3、5、7番目のフィールドに右画像が表示され、2、4、6、8番目のフィールドに左画像が表示され、スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が透光制御され、スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が遮光制御されている。
また、上記(1)【0062】及び図2Bによると、「3D表示時(b)」には、表示装置102の右から1、3、5、7番目のフィールドに左画像が表示され、2、4、6、8番目のフィールドに右画像が表示され、スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が透光制御され、スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が遮光制御されている。
キ 上記(1)【0062】によると、バリアパターンの切り替えと視差画像の切り替えを同期して行うことで高品位立体像が再生できるものである。
ク 上記(1)図2Aによると、前記スイッチングバリアは、最右端部の右画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域と、最左端部の左画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域とを含むものである。
ケ 上記(1)【0063】によると、第1の実施形態と異なる制御を行う第2の実施形態として、前記スイッチングバリアの書き換えと視差画像の書き換えタイミングについて、表示装置表示画像202は、右目視差画像と左目視差画像の描画が行われ、バリアの書き換えと同様に右から左へ視差画像を書き換えて、順次、視差画像が入れ替えるものが記載されている。
コ 上記(1)【0064】によると、画像の切り替え位置203は、この位置を境界にバリアに対して右画像と左画像が入れ替わり、バリアの位相が半ピッチ分ずれるものである。
サ 上記(1)【0064】によると、境界203は画像パネルの書き換えと同様に右から左へ移動し、画像パネルの1フィールドごとに左右の画像は入れ替わって表示され、バリアの位相も半ピッチずれ、2フィールドで高品位立体像を再生するものである。
シ 上記(1)図7によると、前記表示装置表示画像202は、前記境界203の右隣に位置するフィールド(表示装置表示画像202の右から5番目のフィールド。「左」と表記されている。)を有し、前記境界203の右隣に位置するフィールドには、左画像が表示され、前記境界203の右隣に位置するフィールドと当該フィールドのさらに右隣に位置するフィールド(表示画像202の右から4番目のフィールド。「右」と表記されている。)の境界の真上にあるシャッタは遮光制御されており、前記表示装置表示画像202は、前記境界203の左隣に位置するフィールド(表示装置表示画像202の右から6番目のフィールド。「左」と表記されている。)を有し、前記境界203の左隣に位置するフィールドには、左画像が表示され、前記境界203の直上にあるシャッタは、遮光制御されている。
ス まとめ
以上より、第2の実施形態として記載された発明を認定すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
引用発明の各構成については、符号(a)~(f)を用いて、以下、構成a~構成fと称する。
(引用発明)
(a)右眼と左眼の両眼視差によって、使用者に立体像を観察させる立体ディスプレイの制御方法であって、
(b)前記立体ディスプレイは、所定の場所を透過及び遮光制御するスイッチングバリア101と、所定の画像を表示する表示装置102と、スイッチングバリアの開口パターンを制御するバリアパターン発生系110と、表示装置102の画像表示を制御する画像表示系120と、を有し、
(c)前記表示装置102は交互に右画像と左画像をストライプ状に表示するものであり、この際の右画像と左画像は、1画素(RGB単位)或いは数画素単位、または画素のドット単位(例えばRGB色画素のひとつ)であり、
(d)
(d1)前記スイッチングバリアは、短冊状のシャッタ101aが複数並ぶことで構成されており、このシャッタ101aは個々に遮光と透過の制御が可能であり、
(d2)前記スイッチングバリアの開口パターンは「3D表示時(a)」と「3D表示時(b)」があり、
(d3)「3D表示時(a)」には、表示装置102の右から1、3、5、7番目のフィールドに右画像が表示され、2、4、6、8番目のフィールドに左画像が表示され、スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が透光制御され、スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が遮光制御され、「3D表示時(b)」には、表示装置102の右から1、3、5、7番目のフィールドに左画像が表示され、2、4、6、8番目のフィールドに右画像が表示され、スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が透光制御され、スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域が遮光制御され、
(d4)バリアパターンの切り替えと視差画像の切り替えを同期して行うことで高品位立体像が再生できるものであり、
(d5)前記スイッチングバリアは、最右端部の右画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域と、最左端部の左画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域とを含み、
(e)前記スイッチングバリアの書き換えと視差画像の書き換えタイミングについて、
(e1)表示装置表示画像202は、右目視差画像と左目視差画像の描画が行われ、この描画は、バリアの書き換えと同様に右から左へ視差画像を書き換えて、順次、視差画像が入れ替えるものであり、
(e2)画像の切り替え位置203は、この位置を境界にバリアに対して右画像と左画像が入れ替わり、バリアの位相が半ピッチ分ずれるものであり、
(e3)前記境界203は画像パネルの書き換えと同様に右から左へ移動し、画像パネルの1フィールドごとに左右の画像は入れ替わって表示され、バリアの位相も半ピッチずれ、2フィールドで高品位立体像を再生し、
(f)前記表示装置表示画像202は、前記境界203の右隣に位置するフィールドを有し、前記境界203の右隣に位置するフィールドには、左画像が表示され、前記境界203の右隣に位置するフィールドと当該フィールドのさらに右隣に位置するフィールドの境界の真上にあるシャッタは遮光制御されており、前記表示装置表示画像202は、前記境界203の左隣に位置するフィールドを有し、前記境界203の左隣に位置するフィールドには、左画像が表示され、前記境界203の直上にあるシャッタは、遮光制御されており、
(a)立体ディスプレイの制御方法。
2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献2である特開2008-83073号公報には、「立体表示装置および駆動方法」(発明の名称)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。
「【0001】
本発明は立体表示装置に関し、特に時分割で立体表示する表示装置および駆動方法に関する。 」
「【0013】
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係る立体表示装置の部分斜視図を示す。」
「図1
」
「【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る立体表示装置は、表示部101と、表示部101の前面に設けられた光学制御手段111とで構成されている。 」
「【0020】
光学制御手段111は、レンチキュラレンズ(以下、単にレンズという)112と、シャッタ手段113とを備える。 」
「【0022】
シャッタ手段113は、レンズ112の出射面(凸面)112bの前面に設けられ、レンズ112に対応して表示部101の列方向に伸びており、更に、レンズ112に対応して行方向に複数配列されている。すなわち、シャッタ手段113は、レンズ112のレンズ要素に開口部を合わせて、レンズ112の長軸方向に一括で開閉できるように、行方向に複数配置されている。シャッタ手段113は、レンズ112を通過する光を遮断、透過する複数のシャッタ要素114と、シャッタ要素114の間に設けられ、シャッタ要素114間の光漏れを防止するブラックマトリックス(遮光部)115とで構成されている。 」
「【0035】
次に、本実施形態に係る駆動機構を説明する。図5から図8は、本実施形態に係る立体表示装置の駆動機構を説明するための断面図である。図5は、図3と同様な状態であるが、シャッタ113の開口箇所404に対応した表示部101の表示領域を401、シャッタ113の開口箇所405に対応した表示部101の表示領域を402、シャッタの開口箇所406に対応した表示部101の表示領域を403でそれぞれ示す。」
「図5
」
「【0036】
表示部101の走査方向を図5において紙面上、左から右とすると、最初に、新たに画像を切替えるための切替領域420が左から右に走査していき、表示領域401の表示を消去させると共に、切替領域420の後に新たに書き換えられた新たな表示領域411が左から右に向かって表示されていく(図6)。この切替領域420では過渡的な表示状態の画素もある。シャッタの開口箇所404は、表示の書き換えが始まる前、すなわち、切替領域420が表示領域401内に走査する前に、図6に示すように閉止状態となる。これにより書き換え前の画像と、書き換え後の画像が共存したり、書き換え過渡領域の画素の表示からの光で不適当な構成が見えなくなるため、立体表示の乱れ(クロストーク)を防止することができる。 」
「図6
」
「【0037】
引き続き、切替領域420が紙面上、左から右に走査していき、表示領域402内に走査する前に、シャッタの開口箇所405は、閉止状態となる。その後、表示領域402は、新たな表示領域413に左から右に書き換えられていき、新たに書き換えられた表示領域413の画像が安定して得られた時期に次の開口箇所となる開口箇所415が開口して表示領域413を表示する(図7)。」
「図7
」
「【0038】
引き続き、切替領域420が紙面上、左から右に走査していき、表示領域403内に走査する前に、シャッタの開口箇所406は、閉止状態となる。その後、表示領域403は、新たな表示領域417に左から右に書き換えられていき、新たに書き換えられた表示領域417の画像が安定して得られた時期に次の開口箇所となる開口箇所419が開口して表示領域417を表示する(図8)。」
「図8
」
(2)引用文献2に記載された技術
引用文献2に記載された技術を以下に認定する。
ア 上記(1)【0001】、【0013】によると、引用文献2には、時分割で立体表示する立体表示装置および駆動方法が記載されている。
イ 上記(1)【0014】、【0020】によると、引用文献2には、前記立体表示装置は、表示部101と、表示部101の前面に設けられた光学制御手段111とで構成され、光学制御手段111はシャッタ手段113を備える。
ウ 上記(1)【0022】によると、前記シャッタ手段113は、表示部101の列方向に複数配列され、長軸方向に一括で開閉できるように、行方向に複数配置されており、通過する光を遮断、透過する複数のシャッタ要素114と、シャッタ要素114間の光漏れを防止するブラックマトリックス(遮光部)115とで構成されている。
エ 上記(1)【0036】~【0038】、図6~8によると、引用文献2に記載の立体表示装置の表示部101とシャッタ手段113を制御する技術(以下、「引用文献2の記載の技術」という。)は、以下のとおりである。
以下、符号(2a)~(2f)を用いて、以下、構成2a~構成2fと称する。
(引用文献2の記載の技術)
(2a)いずれかの表示領域(表示領域401:図6、表示領域402:図7、表示領域403:図8)の表示の書き換えが始まる前、
(2b)当該いずれかの表示領域に対応するシャッタの開口箇所(開口箇所404:図6、開口箇所405:図7、開口箇所406:図8)は閉止状態となり、
(2c)新たに書き換えられた新たな表示領域(表示領域411:図6,表示領域413:図7,表示領域417:図8)の画像が安定して得られた時期に、
(2d)次の開口箇所(開口箇所415:図7、開口箇所419:図8)が開口して次の表示領域を表示することで、
(2e)書き換え前の画像と、書き換え後の画像が共存したり、書き換え過渡領域の画素の表示からの光で不適当な構成が見えなくなるため、立体表示の乱れ(クロストーク)を防止することができる
(2f)立体表示装置の表示部101とシャッタ手段113を制御する技術。
第5 対比
次に、本願発明と、引用発明を対比する。
1 構成A、B1a、B2aについて
構成b及び構成cの「表示装置102」は、構成e3の「画像パネル」を有するものであり、構成Aの「ディスプレーパネル」に相当する。当該「表示装置102」は、構成c1の「交互に右画像と左画像をストライプ状に表示する」ものであり、構成e1の「右目視差画像と左目視差画像の描画が行われ、右から左へ視差画像を書き換えて、順次、視差画像が入れ替える」ものであるから、構成bの「表示装置102」は、「現在のフレームの画像中における左眼の画像データ又は右眼の画像データを順次表示する」ものといえる。
構成c1の「ストライプ状」は、図4及び図7より縦ストライプ状であり、構成c1の「右画像と左画像」は、「1画素或いは数画素単位、または画素のドット単位」であって、交互に縦ストライプ状に表示されるものである。また、構成c1の「右画像と左画像」を構成する画素を、表示装置102の画像パネル(構成e3)上のピクセルに表示することは技術常識である。
以上のことから、構成c1の「表示装置102」は、現在のフレーム画像中における画像パネル上の各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データを順次に表示するものといえる。
よって、構成c1、c2、e1は、「表示装置102上の各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データに基づいて、現在のフレームの画像中における各列のサブピクセルに表示する画像を順次に更新する」ものである。
したがって、構成c1、c2、e1は、構成B1a、B2aと一致する。
また、構成bの「画像表示系120」は、画像表示を制御するものであるから、表示装置の画像を順次に更新するために、左眼の画像データ又は右眼の画像データを順次に取得するといえる。
よって、構成bの「画像表示系120」が、構成c1、c2、e1の画像表示を制御するために、現在のフレームの画像中における表示装置102上の各列のピクセルに対応する右画像のデータと左画像のデータを順次に取得する制御は、構成Aと一致する。
2 構成B1b、B2b、B2cについて
構成d1の「スイッチングバリア」は、「短冊状のシャッタ101aが複数並ぶことで構成されており、このシャッタ101aは個々に遮光と透過の制御が可能」であることから、遮光制御されたシャッタ101aからなる領域(以下、「遮光領域」という。)と、透過制御されたシャッタ101aからなる領域(以下、「透過領域」という。)とを有するといえる。
よって、構成d1の「スイッチングバリア」は、構成B1b、B2b、B2cの「格子装置」に相当する。
構成d4によると、「バリアパターンの切り替えと視差画像の切り替えを同期して行う」ことから、「バリアパターンの切り替え」は、視差画像の切り替えと同時に行われるものであって、直前の視差画像に対応するバリアパターンから、現在の視差画像に対応するバリアパターンに、更新することであるといえる。
また、上述したように、「スイッチングバリア」は、遮光領域と透過領域とを有するといえるから、「スイッチングバリア」の「バリアパターン」には、遮光領域と透過領域とが含まれる。
よって、構成d4の「バリアパターンの切り替えと視差画像の切り替えを同期して行う」ことは、『視差画像の切り替えと同時に、直前の視差画像に対応するスイッチングバリアの遮光領域と透過領域とから、現在の視差画像に対応するスイッチングバリアの遮光領域と透過領域とに、更新する』ことである。
構成a及び構成bによると、引用発明は、スイッチングバリア101を用いて使用者に立体像を観察させるものであって、パララックスバリアを用いて裸眼で立体視可能に画像を表示することは技術常識であるから、構成d4の「高品位立体像が再生できる」ことは、裸眼3D画像の表示を実現することであるといえる。
したがって、構成a、b、d1、d4は、構成B1b、B2b、B2cと一致する。
3 構成C1について
構成eの画像の切り替え位置203(境界203)の画像パネルの書き換えについて、検討する。
まず、構成fの「前記境界203の右隣に位置するフィールド」は、「この位置を境界にバリアに対して右画像と左画像が入れ替わり、バリアの位相が半ピッチ分ずれる」(構成e2)とあるから、画像の入れ替わりが完了したフィールド、即ち、右画像から左画像に書き換えが完了したフィールドといえる。
次に、構成fの「前記境界203の右隣に位置するフィールドと当該フィールドのさらに右隣に位置するフィールドの境界の真上にあるシャッタ」は、遮光制御されている。
よって、構成eは、当該「前記境界203の右隣に位置するフィールド」を書き換えが完了した時に、当該「前記境界203の右隣に位置するフィールド」に対応するシャッタの全ての透光領域を遮光制御しているといえる。
また、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」には、左画像が表示されており、上記1で述べたように、構成c1の「右画像と左画像」は、「1画素或いは数画素単位、または画素のドット単位」であって、交互に縦ストライプ状に表示されるものであり、さらに、構成c1の「右画像と左画像」を構成する画素を、表示装置102の画像パネル(構成e3)上のピクセルに表示することは技術常識であるから、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」は、1列のピクセルからなる。
したがって、構成e、fは、現在のフレームにおいていずれか1列のサブピクセルを更新完了した時、前記いずれか1列のサブピクセルに対応する格子装置の全ての透光領域を遮蔽している点で、構成C1と共通する。
ここで、「格子装置の全ての透光領域を遮蔽」するタイミングについて、構成C1の「いずれか1列のサブピクセルを更新している時」とは、更新の開始から更新完了までの期間を意味するといえる。一方、構成eは、遮光を開始するタイミングは特定されていない。
したがって、「格子装置の全ての透光領域を遮蔽」するタイミングについて、構成C1は「いずれか1列のサブピクセルを更新している時」であるのに対して、構成e、fは、そのような特定がない点で相違する。
4 構成C2について
構成eの画像の切り替え位置203(境界203)の画像パネルの書き換えについて、検討する。
構成fの「前記境界203の左隣に位置するフィールド」は、「右から左へ視差画像を書き換え」ること(構成e1)から、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」に隣接する次のフィールドといえる。
当該「前記境界203の左隣に位置するフィールド」の表示画像は、「この位置を境界にバリアに対して右画像と左画像が入れ替わり、バリアの位相が半ピッチ分ずれる」(構成e2)とあるから、視差画像の書き換えをまだ行っていない表示画像である。
構成fの「前記境界203の直上にあるシャッタ」は、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」と「前記境界203の左隣に位置するフィールド」の両方に対応する開口パターンの遮光と透過の制御を行うものであり、当該「前記境界203の直上にあるシャッタ」は、遮光制御されている。
よって、構成eは、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」を書き換えが「完全に更新完了した後」に、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」に隣接する次のフィールドがまだ更新完了しない時、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」と「前記境界203の右隣に位置するフィールド」に隣接する次のフィールドの両方に対応する開口パターンを遮光制御しているといえる。
また、「前記境界203の左隣に位置するフィールド」には、左画像が表示されており、上記1で述べたように、構成c1の「右画像と左画像」は、「1画素或いは数画素単位、または画素のドット単位」であって、交互に縦ストライプ状に表示されるものであり、さらに、構成c1の「右画像と左画像」を構成する画素を、表示装置102の画像パネル(構成e3)上のピクセルに表示することは技術常識であるから、「前記境界203の右隣に位置するフィールド」に隣接する次のフィールドは、1列のピクセルからなる。
したがって、構成e、fは、構成C2と一致する。
5 構成C3について
構成e2は、「バリアの位相が半ピッチ分ずれる」ことから、当該「前記境界203の右隣に位置するフィールド」の画像の切り替えのタイミングから「バリアの半ピッチ分に相当する時間」後に境界203の直上にあるシャッタの透過及び遮光制御の交換が行われる。
そして、当該「バリアの半ピッチ分に相当する時間」後のタイミングは、当該「前記境界203の右隣に位置するフィールド」の隣接する次のフィールドの表示画像の書き換えが完全に更新完了した時といえる。
よって、構成eと構成C3は、「前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する領域が遮光と透光の変換を行」うものである点で共通する。
しかしながら、構成C3は、当該遮光と透光の変換が、前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、「直ちに」行うのに対して、構成eはそのような構成でない点で相違する。
6 構成C4について
構成d5によれば、スイッチングバリアは、最右端部の右画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域と、最左端部の左画像に対応する領域であって他の画像に対応しない領域とを含むものであり、構成eの「スイッチングバリアの書き換え」は、これらの領域に対しても行われるものである。
よって、構成d5、eと構成C4は、「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合」、「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域は」「遮光と透光の変換を行」う点で共通する。
しかしながら、当該「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合」の「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域」に対する「遮光と透光の変換」について、構成C4は、「前記いずれか1列のサブピクセルが更新を完了した時」「直ちに」行うのに対して、構成d5、eはそのような特定がない点で相違する。
7 構成D1及び構成D2について
構成d2、d4は、バリアパターン「3D表示時(a)」とバリアパターン「3D表示時(b)」の切り替えと視差画像の切り替えを同期して行うものであるから、直前のフレームの画像に対応するバリアパターンが「3D表示時(a)」である場合は、現在のフレームの画像に対応するバリアパターンは「3D表示時(b)」であり、そして、直前のフレームの画像に対応するバリアパターンが「3D表示時(b)」である場合は、現在のフレームの画像に対応するバリアパターンは「3D表示時(a)」である。
構成d3によると、「3D表示時(a)」には、「スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域」が「透光制御され」ている。また、「3D表示時(a)」には、「スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域」が「遮光制御され」ている。
構成d3によると、「3D表示時(b)」には、「スイッチングバリアにおける領域であって、1番目のフィールドと2番目のフィールドの両方に対応している領域、3番目のフィールドと4番目のフィールドの両方に対応している領域、5番目のフィールドと6番目のフィールドの両方に対応している領域、及び7番目のフィールドと8番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域」が「透光制御され」ている。また、「3D表示時(b)」には、「スイッチングバリアにおける領域であって、2番目のフィールドと3番目のフィールドの両方に対応している領域、4番目のフィールドと5番目のフィールドの両方に対応している領域、及び6番目のフィールドと7番目のフィールドの両方に対応している領域であって、所定の幅を有する領域」が「遮光制御され」ている。
よって、構成dは、構成D1及び構成D2と一致する。
8 構成Eについて
構成aの「使用者に立体像を観察させる立体ディスプレイの制御方法」は、構成d及び構成eにおいて、立体ディスプレイに立体像を再生するものであって、「3D表示制御方法」といえるから、構成Eの「3D表示制御方法」に相当する。
したがって、引用発明と本願発明とは、「3D表示制御方法」の発明である点で一致する。
9 一致点、相違点
以上のとおりであるから、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
[一致点]
(A)現在のフレームの画像中におけるディスプレーパネル上の各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データを順次に取得するステップと、
(B1a)前記各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データに基づいて、現在のフレームの画像中における各列のサブピクセルが表示する画像を順次に更新する
(B1b)同時に、直前のフレームの画像に対応する格子装置の遮光領域と透光領域とを更新して、裸眼3D画像の表示を実現するステップと、
を含み、
(B2a)前記各列のサブピクセルに対応する左眼の画像データ又は右眼の画像データに基づいて、現在のフレームの画像中における各列のサブピクセルが表示する画像を順次に更新する
(B2b)同時に、現在のフレームの画像に対応する格子装置の遮光領域と透光領域とを更新するステップは、
具体的に、
(C1’)前記いずれか1列のサブピクセルに対応する格子装置の全ての透光領域を遮蔽し、
(C2)現在のフレームにおいて前記いずれか1列のサブピクセルが完全に更新完了した後、前記格子装置おける前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域が、前記いずれか1列のサブピクセルに隣接する次の列のサブピクセルにも対応する場合、前記隣接する次の列のサブピクセルがまた更新完了しない時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する透光領域の遮蔽を保持し、
(C3’)前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する領域が遮光と透光の変換を行い、
(C4’)前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域は直ちに遮光と透光の変換を行い、
さらに、
(B2c)現在のフレームの画像に対応する格子装置における遮光領域および透光領域を更新することは、
具体的に、
(D1)直前のフレームの画像の格子装置において第2n-1列と第2n列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第1プリセット幅を有する領域が透光領域であり、ほかの領域が遮光領域である時、
現在のフレームの画像に対応する格子装置において第2n列と第2n+1列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第2プリセット幅を有する領域を透光領域に、ほかの領域を遮光領域に更新し、その中でn=1、2、3、...であり
(D2)直前のフレームの画像の格子装置において第2n列と第2n+1列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第2プリセット幅を有する領域が透光領域であり、ほかの領域が遮光領域である時、
現在のフレームの画像に対応する格子装置において第2n-1列と第2n列のサブピクセル両方に対応し、且つ、第1プリセット幅を有する領域を透光領域に、ほかの領域を遮光領域に更新し、その中でn=1、2、3、...である
(E)ことを特徴とする3D表示制御方法。
[相違点]
(相違点1)
「格子装置の全ての透光領域を遮蔽」するタイミングについて、本願発明は、「いずれか1列のサブピクセルを更新している時」であるのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(相違点2)
「前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する領域が」行う「遮光と透光の変換」について、本願発明は、前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、「直ちに」行うのに対して、引用発明はそのような構成でない点。
(相違点3)
「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合」の「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域」に対する「遮光と透光の変換」について、本願発明は、「前記いずれか1列のサブピクセルが更新を完了した時」、「直ちに」行うのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
第6 判断
以下、相違点について検討する。
1 相違点1について
引用発明と引用文献2に記載の技術は、立体表示におけるクロストークを改善することを共通の課題としているから、引用発明のスイッチングバリアのバリアパターンの切り替えと表示画像の書き換えに引用文献2に記載の技術を適用することは当業者が容易に想到し得ることである。
引用文献2に記載の技術は、「(2a)いずれかの表示領域といえる直前のフレーム画像の第2n-1列の表示領域402の表示の書き換えが始まる前、(2b)当該第2n-1列の表示領域402に対応する開口箇所405を閉止状態として、(2c)当該第2n-1列の新たな表示領域413の画像が完全に更新した後に、(2d)現在の第2n-1列といえる開口箇所415を開口することで、切替領域420が走査する前に、シャッタの開口と閉止状態とを更新する」ものといえる。
よって、引用発明に引用文献2に記載の技術を適用して、「格子装置の全ての透光領域を遮蔽」するタイミングについて、表示画像の書き換えが始まる前から行うように構成して、「いずれか1列のサブピクセルを更新している時」と構成することは、当業者が容易になし得ることである。
2 相違点2について
同じく、引用文献2に記載の技術は、表示画像の切り替えが「(2c)安定して得られた時期に、(2d)次の開口箇所が開口して次の表示領域を表示することで、(2e)書き換え前の画像と、書き換え後の画像が共存したり、書き換え過渡領域の画素の表示からの光で不適当な構成が見えなく」するものといえる。
よって、引用発明に引用文献2に記載の技術を適用して、「前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルと前記隣接する次の列のサブピクセル両方に対応する領域が」行う「遮光と透光の変換」を、前記隣接する次の列のサブピクセルが完全に更新完了した時、「直ちに」行うように構成することは、当業者が容易になし得ることである。
3 相違点3について
引用文献2に記載の技術は、上記2で述べたものといえる。
また、引用発明の最右端部の右画像又は最左端部の左画像は、他の画像とスイッチングバリア上の領域を共有していないことから、書き換えが完了した時に、他の画像に関係なく、安定して得られるものである。
よって、引用発明に引用文献2に記載の技術を適用して、「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域がほかの列のサブピクセルに対応しない場合」の「前記格子装置における前記いずれか1列のサブピクセルに対応する領域」に対する「遮光と透光の変換」を、「前記いずれか1列のサブピクセルが更新を完了した時」、「直ちに」行うように構成することは、当業者が容易になし得ることである。
4 効果等について
本願発明の構成は、上記のように当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものではない。
5 まとめ
以上のように、本願発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-000327