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商標異議申立

2017-900188

審判番号
2017-900188
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-143132
請求日
2017年06月12日
審決日
2017年12月06日
公報発行日
2018年01月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】任天堂株式会社
  • 【異議申立人】知財防衛 株式会社
  • 【異議申立人代理人】林 栄二
  • 【異議申立人代理人】東谷 幸浩
審判長/審判官
  • 審判長 井出 英一郎
  • 審判官 榎本 政実
  • 審判官 真鍋 恵美
分類
T1651.18 -Y (W2539414345) / T1651.13 -Y (W2539414345) / T1651.261-Y (W2539414345) / T1651.262-Y (W2539414345) / T1651.263-Y (W2539414345)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5929870号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5929870号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5929870号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成28年12月21日に立体商標として登録出願,第25類「被服(「ナイトキャップ」及び「帽子」を除く。),運動用特殊衣服,仮装用衣服」,第39類「自動車・二輪自動車の貸与,駐車場の提供,乗物の貸与,自動車・二輪自動車の貸与に関する情報の提供,自転車の貸与」,第41類「カート(遊具)の貸与,自動車おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,仮装用衣服の貸与,カートコース施設の提供,自動車・二輪自動車の模擬運転装置を備えた娯楽施設の提供,娯楽施設の提供,遊園地及びテーマパークの提供,カート競争の企画・運営または開催,ツーリングイベント・乗物を利用したイベントの企画・運営又は開催,レクリエーション施設及び遊園地による娯楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏 」,第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,イベント会場の貸与」及び第45類「衣服及び被服の貸与」を指定商品及び指定役務として,同29年2月23日に登録査定,同年3月10日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,引用する登録商標は次のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 1 申立人が引用する登録商標 (1)登録第2209927号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:昭和62年3月2日 設定登録日:平成2年2月23日 最新更新登録日:平成22年3月2日 書換登録日:平成22年12月1日 指定商品:別掲4のとおり (2)登録第4520753号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成12年2月10日 設定登録日:平成13年11月9日 更新登録日:平成23年10月4日 指定役務: 第35類ないし第42類に属する商標登録原簿に記載の役務 (3)登録第5525043号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成24年1月20日 設定登録日:平成24年9月28日 指定商品及び指定役務:第1類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 (4)登録第5768178号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成26年12月24日 設定登録日:平成27年5月29日 指定商品及び指定役務:別掲5のとおり なお,以下,これらをまとめて「引用商標」という。 第3 登録異議申立ての理由 申立人は,本件商標は,商標法第3条第1項柱書,同第3号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 (1)商標法第3条第1項柱書について 本件商標は,帽子の形状からなる立体商標であり,その態様から広告宣伝用として使用される態様ではなく,需要者などが着帽して使用される形状を有している態様である。 特許庁における審査基準における商標法第3条第1項柱書の基準において,「商標が,指定商品中の一部の商品等の形状からなるが,その他の指定商品等においては商品等の形状として想定し得ず,かつ,商品等の広告としての使用も当然に想定し得ない場合」については立体商標とは認められないとして,商標登録を受けることができる商標に該当しないと判断すると示されている。 本件商標に係る指定商品については,例えば,コスチュームプレイで使用される帽子及びそれ以外の被服及び運動用特殊衣服・仮装用特殊衣服の商品を指定しているが,指定商品「被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)」については,本件商標の立体的形状を採ることは想定し得ず,かつ,広告として使用されることも当然に想定し得ないから,商品「帽子」及び「ナイトキャップ」等を除く指定商品「被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)」については,商標法第3条第1項柱書の規定に該当することは明白である。 (2)商標法第3条第1項第3号について ア 本件商標について 本件商標は,前記第1のとおり,帽子の形状からなる立体商標であり,正面中央部に大きく白色の円形の図形及びその円形図形の中央部に大きく「L」の欧文字を配してなる構成を有する。 特許庁の審査基準における商標法第3条第1項第3号の立体商標における基準において,「商標が,指定商品の形状(指定商品の包装の形状を含む。)又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎない場合は,その商品の「形状」又はその役務の『提供の用に供する物』を表示するものと判断する」として同法第3条第1項第3号の規定に該当すると示されており,本件商標のような帽子からなる商標について,指定役務との関係において,役務の提供に供する物として使用される場合は,本号に該当するものである。また,仮装用特殊衣服における「帽子」については,指定商品の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎないものといえる。 イ 取引の実情について 本件商標に係る指定役務において,例えば「衣服や被服の貸与」においては,本件商標に係るような帽子の貸与も行っている実情があり(甲2~甲4),本件商標における立体商標は,上記役務においては役務の利用に供する物である。 ウ してみれば,本件商標は,帽子としての形状そのものの範囲を出ないものであり,上述の取引実情を考慮するのであれば,指定商品としての「仮装用特殊衣服における「帽子」及び指定役務「衣服及び被服の貸与」等の商品又は役務との関係において,商品「帽子」の形状及び貸与の対象となる「役務の利用に供する物」として普通に使用されていることは上記証拠より明白であり,このような商標が登録されることにより,流通秩序の維持は阻害され,商標法の制定の趣旨から鑑みても認められるべきではない。 (3)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標の構成について 本件商標は,前記第1のとおり,帽子の形状からなる立体商標であり,正面中央部に大きく白色の円形の図形及びその円形図形の中央部に大きく「L」の欧文字を配してなる構成を有し,立体商標の類否判断においては,特許庁における商標審査基準において,観る方向によって視覚に映る姿が異なるという立体商標の特殊性を考慮し,立体商標は,原則として,それを特定の方向から観た場合に視覚に映る姿を表示する平面商標(近似する場合を含む。)と外観において類似する,と示されている。 また,立体商標が,立体的形状と文字の結合からなる場合には,当該文字部分のみに相応した称呼又は観念も生じ得る,と示されている。 上記の基準より,本件商標を検討するに,帽子の正面部分である「L」の文字図形が,本件商標の要部であるといえる。これらの要部を有する商標において,提出した甲第5号証ないし甲第8号証において提出した登録商標のいずれについても,本件商標の要部と同様の構成を有しており,離隔的に観察した場合において出所の混同を生じ得るものといい得るため,商標として類似するものである。 イ 引用商標について 甲第5号証の商標は,円形図形の中央部に太字による大文字「L」の欧文字を配置してなる商標である。また,甲第6号証ないし甲第8号証の商標は,白地の円形図形中の中央部に太字による大文字「L」の欧文字を表示してなる商標である。 ウ 本件商標と引用商標との対比について 本件商標は,白地の円形図形の中央部に太字による大文字「L」の表示を帽子の正面中央部に配置しており,帽子については,つば部を有する正面部に注視する形状となっており,取引においても注視される箇所であるため,この図形部分が本件商標における要部である。 また,本件商標に係る指定商品又は指定役務の主たる需要者層は,一部の専門家ではなく商標やブランドについて詳細な知識を持たない者を含む一般の消費者であり,商品の購入や役務の提供を受けるに際し,メーカー名などを常に注意深く確認するとは限らないこと等を総合すると,一般需要者の認識として,本件商標からは円形の図形と円形図形の中央に配置される「L」の文字部分に着目して商品や役務の提供を受けるとするのが相当であり,特に商標については,その場で対比観察して商標を比較することはなく,ある一定の期間と場所を異にして,過去に認識したイメージを基に商標や役務の提供を受けるのが常であり,その要部が共通するのであれば,一般的に異なる出所により生じていると判断するのは一般需要者には困難であって,外観において類似すると判断されるべきものである。 さらに,本件商標も引用商標もそれぞれ円形の図形と「L」の文字を大きく配置していることから,これらより生じる称呼も「エル」又は「円形のエル」といった共通した称呼や観念が生じるものであることを鑑みれば,本件商標と引用商標は,それぞれより生じる外観・称呼・観念のいずれにおいても,相紛れる構成となっていることは上述のとおりであり,してみれば,本件商標と引用商標とは,お互いに類似する商標であることは明白である。 エ 以上のとおり,本件商標と引用商標とは指定する商品又は役務についてもそれぞれ抵触する関係にあることから,本件商標は,提出者が示した引用商標と同一又は類似であって,その指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであり,商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項柱書該当性について 本件商標は,別掲1の第1図及び第2図に示したとおり,帽子状の立体的形状を表してなるものである。 そして,各種商品,役務を取り扱う業界においては,商品又は役務に関する広告として,店頭看板,人形等の立体的形状が採用されている事実を認め得るところであり,この場合の広告としての種々の立体的形状は,立体商標の使用に当たるというべきである。 なお,申立人は,「例えば,コスチュームプレイで使用される帽子及びそれ以外の被服及び運動用特殊衣服・仮装用特殊衣服の商品を指定しているが,指定商品『被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)』については,本件商標の立体的形状を採ることは想定し得ず,かつ,広告として使用されることも当然に想定し得ないから,商品『帽子』及び『ナイトキャップ』等を除く指定商品『被服,運動用特殊衣服,仮装用特殊衣服(帽子を除く。)』については,商標法第3条第1項柱書の規定に該当することは明白である。」旨を主張している。 しかしながら,本件商標が帽子状の立体的形状を表してなるものであるとしても,その指定商品中の「被服(「ナイトキャップ」及び「帽子」を除く。),運動用特殊衣服,仮装用衣服」について,広告として使用されることも当然に想定し得ないと,直ちにいうことができないものであって,また,申立人からは,その主張を裏付ける証拠も提出されていない。 そうすると,本件商標をその指定商品又は指定役務について使用する際には,その帽子状の立体的形状を商品又は役務に関する広告として採用し得ることが,想定できるものといわなければならない。 してみれば,本件商標は,自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標に該当するものであるから,商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものということはできない。 2 商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は,別掲1の第1図及び第2図のとおりの構成からなる帽子状の立体商標であるところ,その構成全体は,薄緑色でつばのある丸みを帯びた特徴的な帽子の形状で,正面部分には,下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された緑色の太字の欧文字「L」を表したものと認められる。 また,職権をもって調査するに,この立体商標は,任天堂株式会社のゲーム「スーパーマリオブラザーズ」に登場する有名なキャラクターである「ルイージ」が着用している帽子に酷似していると認められるものである。 そうすると,本件商標は,商品の品質や形状,又は役務の提供の用に供する物等を表示する標章のみからなるものとはいえないから,自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。 なお,申立人は,「本件商標は,帽子としての形状そのものの範囲を出ないものであり,取引実情を考慮するのであれば,指定商品『仮装用特殊衣服』の『帽子』並びに指定役務『衣服及び被服の貸与』等の商品又は役務との関係における『帽子』の形状及び貸与の対象となる『役務の利用に供する物』として,普通に使用されていることは明白である。」旨を主張している。 しかしながら,本件商標の指定商品中の「仮装用衣服」については,この商品に「仮装用特殊衣服」が含まれているとしても,その商品名中の「衣服」の文字は「人間が身にまとうもののうち,被り物(かぶりもの)や履き物,手袋などを除いたものの総称。(日本大百科全書「ニッポニカ」)」との記載があり,「衣服」には,「帽子」が含まれていないものであるから,本件商標をその指定商品中の「仮装用衣服」に使用しても,指定商品の形状そのものを表したものということはできない。 また,本件商標は,その指定役務中の「衣服及び被服の貸与」に使用した場合,仮に,これに接する取引者,需要者が,貸与される対象の「帽子」であると認識したとしても,上記のとおりの構成態様からなるものであって,本件商標の正面部分には下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された緑色の太字の欧文字「L」の部分は,その楕円図形と文字部分が帽子状の立体的形状と合わさって,その構成全体において,特徴的なものとして看取されるものであるから,上記指定役務における貸与される帽子において,自他役務の識別標識として機能し得るとみるのが相当である。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は,上記2のとおりの帽子状の立体商標であるところ,全体は,薄緑色でつばのある丸みを帯びた特徴的な形状で,正面部分には,下方部が水平に少し切り取られた白抜きの楕円形内に,通常普通に用いられる文字とは際立って相違するデザイン化された緑色の太字の欧文字「L」を表したものである。 そして,仮に正面部分にある「L」の欧文字が,「エル」と読まれるとしても,単なる欧文字1字よりなる「L」の文字部分のみからは,自他商品・役務の識別標識としての称呼及び観念は生じない。 そうすると,本件商標は,特定の称呼及び観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は,別掲2のとおり,黒色の円図形を左向きの矢印を水平に半分に切ったような図形で分断し,下部と左側の大小2つの半円と上部に一辺の円弧を有する図形で構成されるものである。 そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。 イ 引用商標2ないし引用商標4について 引用商標2ないし引用商標4は,別掲3のとおり,一筆書きで,楕円の中にL字状の線が特徴的に表されたような構成からなる図形である。 そして,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標とは,外観においては,上記(1)及び(2)のとおりの構成態様よりなるから,外観上,十分区別できるものである。 そして,本件商標と引用商標とは,上記のとおり自他商品・役務の識別標識としての称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念については比較することができない。 してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼及び観念においては比較できないとしても,外観においては顕著な差異を有するものであるから,両者は,相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項柱書,同第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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2017-900188

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