特許判定
2017-600001
まつげエクステンション用人工毛の装着方法
- 審判番号
- 2017-600001
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 判定
- 出願番号
- 特願2014-155837
- 登録番号
- 特許第5955355号(P5955355)
- 請求日
- 2017年01月06日
- 審決日
- 2017年03月31日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 判定(属しない)
- 当事者
- 【請求人】一宮 誠
- 【請求人】辻 哲哉
- 【請求人】小西 智志
- 【被請求人】株式会社 國井
- 審判長/審判官
- 審判長 高木 彰
- 審判官 橘 均憲
- 審判官 熊倉 強
- 分類
- P12 .1 -ZA (A41G)
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
上記当事者間の特許第5955355号の判定請求事件について、次のとおり判定する。
結論
【結 論】
イ号図面及びイ号説明書に示す「まつげエクステンション用人工毛の装着方法」は、特許第5955355号の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の技術的範囲に属しない。
理由
【理 由】
第1 請求の趣旨
本件判定の請求の趣旨は、イ号図面及びイ号説明書に示すまつ毛エクステンション用人工毛の装着方法(以下、「イ号方法」という。)は、特許第5955355号(以下、「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。
第2 本件特許発明
1 手続の経緯
平成26年 7月31日 本件出願(特願2014-155837号)
平成28年 2月19日 (起案日)拒絶理由通知
平成28年 4月25日 意見書・手続補正書
平成28年 6月24日 設定登録
平成29年 1月 6日 判定請求
なお、平成29年2月3日付け請求書副本の送達通知において、本件特許発明の特許権者である被請求人株式会社 國井に本件判定請求に対する答弁を求めたが、応答がなかった。
2 本件特許発明の認定
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(判定請求書の4~5頁に倣い、構成要件ごとに分説し、記号A~Fを付した。以下、「構成要件A」などという。)。
「A まつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、
B 上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が上記まつげよりも細径に形成されており、
C 上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように、
D 上記まつげエクステンション用人工毛をまつげの長さ方向において互いに異なる位置に固定する作業を1本のまつげに対して繰り返し行うことにより、
E 複数本の上記まつげエクステンション用人工毛が装着されることを特徴とする
F まつげエクステンション用人工毛の装着方法。」
3 本件特許発明の作用効果等
ア 本件特許明細書の記載事項
本件特許明細書には、(1-ア)技術分野について「本発明は、まつげに装着するエクステンション用人工毛の装着方法に関するものである。」(段落【0001】)と記載され、(1-イ)背景技術について「まつげエクステンション用人工毛は、まつげよりも径の太いものが用いられ、まつげ1本に対して、まつげエクステンション用人工毛1本を接着により装着し、まつげの長さ延長によるボリューム感を得ることが出来る。」(段落【0004】)と記載され、(1-ウ)本件発明が解決しようとする課題について「まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を実現し、元々まつげの少ない人にもボリューム感を与えることが出来るまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供する。」(段落【0010】)と記載されている。
一方、上記「2 特許請求の範囲の記載」の構成要件A~Fを備えるまつげエクステンション用人工毛の装着方法により、(1-エ)本件発明の作用効果として「同じ長さ及び材質で構成された従来のまつげエクステンション用人工毛に比べて軽量であることにより、まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を有するまつげエクステンション用人工毛を提供することが出来る。」(段落【0020】)、「まつげに掛かる負担を軽減することが出来ると共に、単にまつげを長さ方向に延長するのみでなく、まつげ径方向への立体化により、まつげのボリューム感を増大することが出来る。」(段落【0021】)、「まつげから分岐するように複数のまつげエクステンション用人工毛が配設されることにより、各まつげのボリューム感を増大させることが出来る。また、まつげ1本1本を立体化してボリューム感を増大させることにより、元々まつげの少ない人のまつげにおいても充分にボリューム感を増大させることが出来る。」(段落【0022】)と記載されている。
イ 本件特許発明の作用効果
以上を総合すると、本件特許発明は、「まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を実現し、元々まつげの少ない人にもボリューム感を与えることが出来るまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供する」ことを目的とし、上記構成要件A~Fを有するまつげエクステンション用人工毛の装着方法により、「同じ長さ及び材質で構成された従来のまつげエクステンション用人工毛に比べて軽量であることにより、まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を有するまつげエクステンション用人工毛を提供することが出来」、「まつげに掛かる負担を軽減することが出来ると共に、単にまつげを長さ方向に延長するのみでなく、まつげ径方向への立体化により、まつげのボリューム感を増大することが出来」、「まつげから分岐するように複数のまつげエクステンション用人工毛が配設されることにより、各まつげのボリューム感を増大させることが出来」、「また、まつげ1本1本を立体化してボリューム感を増大させることにより、元々まつげの少ない人のまつげにおいても充分にボリューム感を増大させることが出来る」という効果を奏するものと認められる。
第3 イ号方法
請求人の提出したイ号図面及びイ号説明書によれば、イ号方法は次のとおりと認められる。
「構成A’ まつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、
構成B’ 上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が上記まつげよりも太径に形成されており、
構成C’ 上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように、
構成D’ 上記まつげエクステンション用人工毛をまつげの長さ方向において互いに異なる位置に固定する作業を1本のまつげに対して繰り返し行うことにより、
構成E’ 複数本の上記まつげエクステンション用人工毛が装着されることを特徴とする
構成F’ まつげエクステンション用人工毛の装着方法。」
なお、上記したとおり、被請求人に答弁を求めたが応答がなかった。
第4 判断
イ号方法が、本件特許発明の構成要件を充足するか否かについて、検討する。
1 本件特許発明の構成要件A、C~Fについて
イ号方法の構成A’の「まつげ」、「まつげエクステンション用人工毛」は、その構造または機能からみて、本件特許発明の構成要件Aの「まつげ」、「まつげエクステンション用人工毛」にそれぞれ該当し、同様に「装着方法」は文言上、「装着方法」に該当することは明らかである。
以下、イ号方法の構成C’~F’と本件特許発明の構成要件C~Fについても同様に、「最大径部の直径」は「最大径部の直径」に、「所定の角度」は「所定の角度」に、「長さ方向」は「長さ方向」に、「固定する作業」は「固定する作業」に、「複数本」は「複数本」に、「装着」は「装着」にそれぞれ該当する。
したがって、イ号方法の構成A’、C’~F’は、本件特許発明の構成要件A、C~Fをそれぞれ充足する。
2 本件特許発明の構成要件Bについて
イ号方法の構成B’の「まつげエクステンション用人工毛」は、「最大径部の直径がまつげよりも太径に形成され」たものであるから、「最大径部の直径がまつげよりも細径に形成され」たものといえないし、イ号方法の構成B’は、本件特許発明の「まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を有するまつげエクステンション用人工毛を提供する」という効果を奏するものともいえない。
よって、イ号方法は、本件特許発明の構成要件Bを充足しない。
3 まとめ
上記1及び2のとおりであるから、イ号方法は、本件特許発明の構成要件Bを充足しない。
第5 むすび
以上のとおり、イ号方法は、本件特許発明の構成要件Bを充足しないから、イ号方法は、本件特許発明の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
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