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特許拒絶査定不服審判

2017-019563

放射能測定装置

審判番号
2017-019563
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-179911外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年12月28日
審決日
2018年10月15日
公報発行日
2019年01月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G01T)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-179911「放射能測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月26日出願公開、特開2014-115272〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年8月30日(優先権主張 平成24年11月15日(以下、「優先日」という。))の出願であって、平成29年2月9日付けの拒絶理由の通知に対し、同年4月5日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年9月25日付け(同年10月3日送達)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して同年12月28日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年12月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年12月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「収納容器に収納された放射性廃棄物の放射能量を測定する放射能測定装置であって、 前記収納容器を直線移動させるスライド移動部と、 前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる経路中に配置され、前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面に検出器ユニットが配置された放射線検出部と、 前記放射線検出部で検出した前記収納容器のそれぞれの面から放出される放射線量を取得し、取得した面の放射線量を平均して前記放射性廃棄物全体の放射能量を算出する放射能量算出部と、を備え、 前記検出器ユニットは、複数の検出器を有し、 前記検出器は、複数の検出素子が二次元配列され、かつ、 前記検出器ユニットは、前記収納容器と対面する面に前記検出器が二次元配列され、二次元配列された前記検出器の配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含み、 前記スライド移動部は、前記放射線検出部に対して前記収納容器の移動方向の両側に前記収納容器を配置可能な第1位置及び第2位置を有し、前記第1位置には、前記収納容器の相対する所定の二面に垂直な軸心で前記収納容器を90度回転移動させる回転移動部が配置され、 前記スライド移動部、前記放射線検出部、前記放射能量算出部、及び前記回転移動部は、制御部によって制御され、 前記制御部は、前記第1位置に配置される前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記検出器ユニットに対面する第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の四面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部により前記収納容器を前記第1位置の前記回転移動部に直線移動させ、前記回転移動部で前記収納容器を回転移動させ、回転移動後の前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の残りの二面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部によって前記収納容器を前記第1位置又は前記第2位置に移動させ、前記放射能量測定部により、前記収納容器の六面のそれぞれの面から放出される放射線量を取得させ、取得した六面の放射線量を平均させる ことを特徴とする放射能測定装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成29年4月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「収納容器に収納された放射性廃棄物の放射能量を測定する放射能測定装置であって、 前記収納容器を直線移動させるスライド移動部と、 前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる経路中に配置され、前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面に検出器ユニットが配置された放射線検出部と、 前記放射線検出部で検出した前記収納容器のそれぞれの面から放出される放射線量を取得し、取得した面の放射線量を平均して前記放射性廃棄物全体の放射能量を算出する放射能量算出部と、を備え、 前記検出器ユニットは、複数の検出器を有し、 前記検出器は、複数の検出素子が二次元配列され、かつ、 前記検出器ユニットは、前記収納容器と対面する面に前記検出器が二次元配列され、二次元配列された前記検出器の配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含むことを特徴とする放射能測定装置。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「スライド移動部」について、「前記放射線検出部に対して前記収納容器の移動方向の両側に前記収納容器を配置可能な第1位置及び第2位置を有し」との事項を特定した上で、該「第1位置」には「前記収納容器の相対する所定の二面に垂直な軸心で前記収納容器を90度回転移動させる回転移動部が配置され」ることを特定し、さらに、「スライド移動部、前記放射線検出部、前記放射能量算出部、及び前記回転移動部」が「制御部によって制御され」ることを特定した上で、該制御部による制御の内容について、「前記制御部は、前記第1位置に配置される前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記検出器ユニットに対面する第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の四面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部により前記収納容器を前記第1位置の前記回転移動部に直線移動させ、前記回転移動部で前記収納容器を回転移動させ、回転移動後の前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の残りの二面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部によって前記収納容器を前記第1位置又は前記第2位置に移動させ、前記放射能量測定部により、前記収納容器の六面のそれぞれの面から放出される放射線量を取得させ、取得した六面の放射線量を平均させる」と特定しようとする限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2012-47544号公報(平成24年3月8日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線部は当審が付与した。以下同じ。)。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、収納容器を破壊することなく、当該収納容器に収納された放射性廃棄物から放出される放射能量を測定する放射能測定装置に関する。」 (イ)「【0007】 本発明は、上述した課題を解決するものであり、角型の収納容器に収納された放射性廃棄物全体の放射能量を容易かつ精度良く測定することのできる放射能測定装置を提供することを目的とする」 (ウ)「【0008】 上述の目的を達成するために、本発明の放射能測定装置は、直六面体をなす収納容器に収納された放射性廃棄物の放射能量を測定する放射能測定装置であって、前記収納容器の相反する二面を除く四面にそれぞれ同じ距離で対向して放射能検出部を配置した状態で、前記収納容器の前記二面に直交する方向に前記収納容器と各前記放射能検出部とを相対的にスライド移動させるスライド移動部と、前記収納容器の前記四面のうちの相対する所定の二面に垂直な軸心で前記収納容器を90度回転移動させる回転移動部と、前記スライド移動部のスライド移動、および前記回転移動部の回転移動後での前記スライド移動部のスライド移動によって、前記収納容器の各六面から放出される放射能量を各前記放射能検出部から入力し、当該放射能量を平均して前記放射性廃棄物全体の放射能量を算出する放射能量算出部と、を備えることを特徴とする。」 (エ)「【0021】 放射能測定装置1は、図1~図3に示すように、放射能検出部2と、スライド移動部3と、回転移動部4と、放射能量算出部5とを備えている。 【0022】 放射能検出部2は、収納容器100を破壊することなくγ線を測定するものである。放射能検出部2は、収納容器100の相反する二面(y方向で相反する二面)を除くx方向およびz方向の四面に対し、それぞれ同じ距離(例えば、10[cm])で対向して配置されている。放射能検出部2は、図2に示すように、1つの面に対して2つの検出器2aを有している。具体的に、収納容器100のx方向の面に対向する放射能検出部2は、2つの検出器2aがz方向に並べて設けられている。また、収納容器100のz方向の面に対向する放射能検出部2は、2つの検出器2aがx方向に並べて設けられている。このため、4つの放射能検出部2は、図2に破線で示すように、それぞれ2つの検出器2aにより、x方向およびz方向で収納容器100の面をそれぞれ2分割し、y方向視で収納容器100の断面を4個の範囲に分割して放射能を検出する。さらに、放射能検出部2は、図3に破線で示すように、スライド移動部3による後述するスライド移動方向(y方向)で、収納容器100を4個の範囲に分割して放射能を検出する。この結果、4つの放射能検出部2は、それぞれ2つの検出器2aによって収納容器100の断面を計16分割して放射能を検出する。このように収納容器100の断面を複数に分割して放射能を検出するために、放射能検出部2は、収納容器100に対向する検出器2aの視野を絞るコリメータ2bを有している。なお、本実施の形態の放射能測定装置1は、放射能検出部2を収納容器100の底側(z方向の底側の面)に配置する領域を確保するためのフレーム1aを有している。 【0023】 ・・・(略)・・・ 【0024】 スライド移動部3は、上述した収納容器100の相反する二面(y方向で相反する二面)に直交する方向であるy方向に、収納容器100と各放射能検出部2とを相対的にスライド移動させるものである。本実施の形態でのスライド移動部3は、各放射能検出部2を不動として収納容器100をy方向にスライド移動させる。例えば、スライド移動部3は、図1に示すように収納容器100の底面を支持する態様でy方向に延在して設けられた一対のレール3aと、図には明示しないがレール3aの延在方向に沿って収納容器100を移動させる移動手段とを有している。 【0025】 回転移動部4は、収納容器100において放射能検出部2が対向する四面のうちの相反する二面(本実施の形態ではz方向で相反する二面)に垂直で鉛直な軸心で収納容器100を90度回転移動させるものである。本実施の形態での回転移動部4は、スライド移動部3による収納容器100のスライド移動の端部(レール3aの端部)に設けられ、z方向に沿う軸心で回転駆動される回転テーブル4aを有している。 【0026】 放射能量算出部5は、スライド移動部3のスライド移動、および回転移動部4の回転移動後でのスライド移動部3のスライド移動によって、収納容器100の各六面から放出されるγ線を各放射能検出部2から入力する。そして、放射能量算出部5は、入力したγ線量を平均し、当該γ線のCo-60およびCs-137の量を評価することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出する。 【0027】~【0028】 ・・・(略)・・・ 【0029】 収納容器遮蔽部7は、放射能検出部2で放射能を検出する際の収納容器100を覆うものである。・・・(略)・・・また、収納容器遮蔽部7は、回転移動部4側ではないスライド移動部3のスライド移動方向(y方向)の端部から本装置に収納容器100を搬入する場合、y方向の両側が開放する筒体として構成されている。なお、収納容器遮蔽部7が、回転移動部4側から本装置に収納容器100を搬入する場合は、回転移動部4側ではないスライド移動部3のスライド移動方向(y方向)の端部が閉塞されていてもよい。」 (オ)「【0030】 本実施の形態の放射能測定装置1による放射能量の算出について説明する。図4-1~図4-5は、本実施の形態に係る放射能測定装置の動作図である。先ず、放射能測定装置1は、図4-1~図4-4に示すように、スライド移動部3によって収納容器100をy方向に沿ってスライド移動させる。上述したように、放射能検出部2は、スライド移動部3のスライド移動方向(y方向)で、収納容器100を4個の範囲に分割すると共に、y方向視の収納容器100の断面を4個の範囲に分割して放射能を検出する。このため、スライド移動部3は、図4-1~図4-4に示すように、収納容器100をy方向に4段階で移動させる。 【0031】 次に、放射能測定装置1は、図4-5に示すように、スライド移動部3により収納容器100を回転移動部4の回転テーブル4aの位置に移動させる。そして、放射能測定装置1は、回転移動部4によってz方向に沿う軸心で収納容器100を90度回転させる。このため、収納容器100は、y方向に向いていた面がx方向に向き、x方向に向いていた面がy方向に向く。 【0032】 次に、放射能測定装置1は、図4-4~図4-1の順で、先とは逆にスライド移動部3によって収納容器100をy方向に沿ってスライド移動させる。このため、先のスライド移動では放射能検出部2に対向していなかったy方向の面が、x方向に向いて放射能検出部2が対向し、当該面から新たに放射能が検出される。この結果、収納容器100の各六面から放出されるγ線が検出されることになる。放射能量算出部5は、この収納容器100の各六面から放出されるγ線を平均し、平均したγ線のCo-60およびCs-137の量を評価することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出する。」 (カ)「【0034】 この放射能測定装置1によれば、直六面体をなす収納容器100に収納された放射性廃棄物の放射能量を、収納容器100の各面から測定するため、角型の収納容器に収納された放射性廃棄物全体の放射能量を精度良く測定することが可能である。しかも、この放射能測定装置1によれば、収納容器100の各面から測定した放射能量を平均して放射性廃棄物全体の放射能量を算出するため、放射性廃棄物全体の放射能量を容易に算出することが可能である。」 (キ)「【0043】 なお、上述した実施の形態では、正六面体の収納容器100を対象として説明したが、この限りではない。図には明示しないが、例えば、収納容器100が正六面体でなく、x方向、y方向およびz方向に垂直な面を有する直六面体であってもよい。ただし、長方形の面を有する直六面体であると、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、放射能検出部2と収納容器100との距離が均等でなかったり、収納容器100の面を適宜分割して放射能を検出する位置に放射能検出部2が配置されなかったりする場合がある。このため、放射能検出部2をx方向およびz方向(スライド移動する方向に直交する方向)に移動可能にする検出部移動部を備えるとよい。検出部移動部を備えることで、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、収納容器100の面に対して適した距離であって、かつ適した位置に放射能検出部2を配置することが可能になる。」 (ク)図1からは、水平面内でスライド移動方向(y方向)に対して直交する方向がx方向であることが理解でき、鉛直方向がz方向であることが理解できる。(以下、水平面内でスライド移動方向(y方向)に対して直交する方向を「x方向」、スライド移動方向を「y方向」、鉛直方向を「z方向」ということがある。) (ケ)上記(エ)、(オ)及び図2からは、「放射能検出部は、収納容器遮蔽部のx方向および鉛直方向(z方向)の4面にそれぞれ設けられている」こと、及び、「各放射能検出部はそれぞれ2つの検出器を有し、スライド移動部により収納容器をスライド移動方向(y方向)に4段階で移動させることによって、収納容器のx方向及びz方向の各面をそれぞれ8個の範囲に分割して、収納容器の各面から放出されるγ線を検出する」ものであることが理解できる。 (コ)上記(オ)の記載から、放射能量算出部は、「放射能検出部が検出した、収納容器の6面から放出されるγ線量を平均して放射性廃棄物の総放射能量を算出する」ものであると理解できる。 (サ)上記(エ)の「収納容器遮蔽部7は、回転移動部4側ではないスライド移動部3のスライド移動方向(y方向)の端部から本装置に収納容器100を搬入する場合、y方向の両側が開放する筒体として構成されている。」との記載によれば、スライド移動部は、スライド移動部のスライド移動方向(y方向)において、回転移動部が設けられる端部と、収納容器を搬入される端部を有し、収納容器遮蔽部はスライド移動部の両端部の間に設けられているものと理解できる。 (シ)上記(オ)の記載及び上記(キ)ないし(コ)を踏まえると、放射能測定装置は、「先ず、スライド移動部によって収納容器を収納容器遮蔽部の中にスライド移動させ、収納容器遮蔽部の中で前記収納容器をスライド移動方向(y方向)に4段階で移動させることにより、収納容器のx方向及びz方向の4面をそれぞれ8個の範囲に分割してγ線を検出し、 次に、前記スライド移動部により収納容器を回転移動部の位置に移動させて、前記回転移動部によって鉛直方向(z方向)に沿う軸心で収納容器を90度回転させ、 次に、収納容器を収納容器遮蔽部の中に先とは逆にスライド移動させて戻し、先のスライド移動では放射能検出部に対向していなかったy方向の2面についてγ線を検出し、 次に、収納容器の6面から放出されるγ線を平均することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出する」ものであると理解できる。 (ス)上記(ア)ないし(シ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「収納容器に収納された放射性廃棄物の放射能量を測定する放射能測定装置であって、 収納容器をy方向にスライド移動させるスライド移動部と、 収納容器をz方向に沿う軸心で90度回転移動させる回転移動部と、 収納容器遮蔽部のx方向およびz方向の4面にそれぞれ設けられた放射能検出部と、 収納容器の6面から放出されるγ線量を平均することにより放射性廃棄物の総放射能量を算出する放射能量算出部と、 を備える放射能測定装置であって、 4つの放射能検出部は、それぞれ2つの検出器を有し、スライド移動部により収納容器をy方向に4段階で移動させることによって、収納容器のx方向及びz方向の各面をそれぞれ8個の範囲に分割して、収納容器の各面から放出されるγ線を検出するものであり、 スライド移動部は、スライド移動部のy方向において、回転移動部が設けられる端部と、収納容器を搬入される端部を有し、 収納容器遮蔽部は、スライド移動部の両端部の間に設けられており、 放射能測定装置は、 先ず、スライド移動部によって収納容器を収納容器遮蔽部の中にスライド移動させ、収納容器遮蔽部の中で前記収納容器をy方向に4段階で移動させることにより、収納容器のx方向及びz方向の4面をそれぞれ8個の範囲に分割してγ線量を検出し、 次に、前記スライド移動部により収納容器を回転移動部の位置に移動させて、前記回転移動部によってz方向に沿う軸心で収納容器を90度回転させ、 次に、収納容器を収納容器遮蔽部の中に先とは逆にスライド移動させて戻し、先のスライド移動では放射能検出部に対向していなかったy方向の2面についてγ線量を検出し、 次に、収納容器の6面から放出されるγ線を平均することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出するものである、 放射能測定装置」 イ 引用文献2 同じく原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-139346号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、放射線を検出する放射線検出センサ、および、この放射線検出センサを複数組み合わせた放射線検出センサユニットに関する。」 (イ)「【0014】 そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、素子を形成するウエハサイズなどの制約に影響されない構造、および、検出面を大面積化しても静電容量を増大させない構造、をそれぞれ採用して大型の検出対象に適用可能な低消費電力・簡易構造の半導体型の放射線検出センサを提供することにある。」 (ウ)「【0030】 ・・・(略)・・・ 放射線検出センサ100は、図1,図2に示すように、4個の放射線検出素子1、1枚の回路基板2、4個のワイヤ配線部3、4個の信号処理部4、1個のMPU5を備えている。4個の放射線検出素子1が1枚の回路基板2の一方の面に配置され、また、4個の信号処理部4と1個のMPU5が1枚の回路基板2の他方の面に配置される。それぞれ一個づつの放射線検出素子1、ワイヤ配線部3、信号処理部4の一組が電気的に接続されており、放射線検出素子1からの検出信号を用いて信号処理部4が信号処理を行う。そして、MPU5が演算処理を行う。 【0031】~【0037】 ・・・(略)・・・ 【0038】 回路基板2はこのような放射線検出素子1を複数個搭載する。回路基板2は、ガラスエポキシなどの一般的なプリント配線板である。回路基板2は、図5で示すように、検出素子設置面と信号処理部設置面という表裏2層にまたがる配線部21が形成されており、いわゆる2層板(両面プリント配線板)である。検出素子設置面の配線部21と信号処理部設置面の配線部21とは、例えばスルーホールなど表裏を貫通する貫通部(配線部21の一部)により電気的に接続される。 このような回路基板2の検出素子設置面の配線部21に電気的に接続されるように縦2個×横2個のマトリクス状に並べて計4個の放射線検出素子1が配置される。 【0039】~【0041】 ・・・(略)・・・ 【0042】 なお、放射線検出素子1は、縦2個×横2個のマトリクス状に並べて計4個に配置する形態に限定するものではない。このような放射線検出センサを一般化すれば以下のようになる。回路基板2の検出素子設置面の配線部21に電気的に接続されるようにm×n(m,nはそれぞれ2以上の自然数)のマトリクス状に並べて配置されるm×n個の放射線検出素子1が配置される。 m×n個のワイヤ配線部3は、回路基板2の検出素子設置面の配線部21とm×n個の放射線検出素子1とを電気的に接続する。 m×n個の信号処理部4は、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21とを電気的に接続する。 そして、回路基板2の検出素子設置面の配線部21とワイヤ配線部3とのm×n個の接続位置と、回路基板2の信号処理部設置面の配線部21と信号処理部4とのm×n個の接続位置と、を図5で示すように回路基板2の表裏において、上から見て略一致させており、全ての放射線検出素子1から信号処理部4までのm×n個の経路を極力短くするというものである。」 (エ)「【0055】 続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図7は本形態の放射線検出センサユニットの斜視平面図である。本形態の放射線検出センサユニットは、先に説明した放射線検出センサを複数個用いて検出面積をさらに増大させる構成である。放射線検出センサユニット200は、ベース回路基板、複数の放射線検出センサ100を備える。放射線検出センサ100については先に説明した形態と同じであり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。 【0056】 図7では4個の放射線検出素子1を搭載する放射線検出センサ100を、さらに2×2個のマトリクス状に配置する。ベース回路基板は、放射線センサ100を機械的な位置決めを行いつつ、複数個配置できるようにしている。例えば、下側に図示しないベース回路基板を配置し、短絡等が生じないように絶縁を確保しつつ放射線センサ100の位置決めを行ってベース回路基板に固着する。 【0057】 これにより、4×4個で計16個の放射線検出素子1がマトリクス状に配置されるユニットとなる。なお、一般化すれば、検出面側電極13は、図7で示すように、放射線検出素子1がm×nのマトリクス状に並べて配置される放射線検出センサ100をさらにマトリクス状に配置することにより、放射線検出素子1がi×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)のマトリクス状に並べて配置される。 そしてマトリクス状に並べて配置される検出面側電極13は、隣接する二個の検出面側電極13の辺の間に間隔が略一致するようにすれば、放射線検出センサユニット200の全面で場所による偏りが生じることなく検出できるように、放射線検出センサ100が位置決めされる。このように構成することで、大面積の放射線検出領域を有する放射線検出センサユニット200とすることができる。」 (オ)上記(ア)ないし(エ)から、引用文献2には、次の技術が記載されていると認められる。 「放射線検出素子1がm×n(m,nはそれぞれ2以上の自然数)のマトリクス状に並べて配置される放射線検出センサをさらにマトリクス状に配置することにより、放射線検出素子1がi×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)のマトリクス状に並べて配置することにより、大面積の放射線検出領域を有する放射線検出センサユニットとし、放射線検出センサユニット200の全面で場所による偏りが生じることなく検出できるようにした技術。」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する(下線は、当審で付した。)。 (ア)引用発明の「収納容器をy方向にスライド移動させるスライド移動部」、「γ線量」及び「放射性廃棄物の総放射能量」は、本件補正発明の「収納容器を直線移動させるスライド移動部」、「放射線量」及び「放射性廃棄物の総放射能量」にそれぞれ相当する。 (イ)引用発明の「放射線検出部」は、「収納容器遮蔽部のx方向およびz方向の4面にそれぞれ設けられた」ものであるので、本件補正発明の「検出ユニット」に相当するから、両者は「前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面に検出器ユニットが配置された放射線検出部」を有する点で一致する。 他方で、引用発明の「放射線検出部」は「2つの検出器」を有するものであるものの、本件補正発明の「検出ユニット」のように、「前記検出器は、複数の検出素子が二次元配列され」たものではない点で相違する。 (ウ)引用発明の「収納容器遮蔽部」は、スライド移動部の両端部の間に設けられて」いるものであって、引用発明の「放射線検出部」は、該「収納容器遮蔽部」の面に設けられているものであるから、本件補正発明と引用発明とは、「スライド移動部が前記収納容器を移動させる経路中に配置され」た放射線検出部を備える点で一致する。 (エ)引用発明の「放射能量算出部」は、「収納容器の6面から放出されるγ線を平均することにより放射性廃棄物の総放射能量を算出する」ものであるから、本件補正発明の「放射能量算出部」と「前記放射線検出部で検出した前記収納容器のそれぞれの面から放出される放射線量を取得し、取得した面の放射線量を平均して前記放射性廃棄物全体の放射能量を算出する」点で一致する。 (オ)引用発明の「スライド移動部」は、「スライド移動部のy方向において、回転移動部が設けられる端部と、収納容器を搬入される端部を有」するものであって、引用発明の「回転移動部」は「収納容器をz方向に沿う軸心で90度回転移動させる」ものであるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記放射線検出部に対して前記収納容器の移動方向の両側に前記収納容器を配置可能な第1位置及び第2位置を有し、前記第1位置には、前記収納容器の相対する所定の二面に垂直な軸心で前記収納容器を90度回転移動させる回転移動部が配置され」る点で一致する。 (カ)引用発明の「放射線検出部」は、収納容器をy方向に4段階で移動させることで、放射線検出部に対向する収納容器の面全体について、γ線量を測定しているものでる。 他方、本件補正発明において、収納容器の対面する領域の全領域に対向しているのは、「検出器ユニット」であるから、本件補正発明の「二次元配列された前記検出器の配置領域」とは、「検出器ユニットの配置領域」を意味するものと認められる。 そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「検出器ユニットの配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含み」との事項を備える点で一致する。 (キ)引用発明の「放射能測定装置」は、「先ず、スライド移動部によって収納容器を収納容器遮蔽部の中にスライド移動させ、収納容器遮蔽部の中で前記収納容器をy方向に4段階で移動させることにより、収納容器のx方向及びz方向の4面をそれぞれ8個の範囲に分割してγ線量を検出し、 次に、前記スライド移動部により収納容器を回転移動部の位置に移動させて、前記回転移動部によってz方向に沿う軸心で収納容器を90度回転させ、 次に、収納容器を収納容器遮蔽部の中に先とは逆にスライド移動させて戻し、先のスライド移動では放射能検出部に対向していなかったy方向の2面についてγ線量を検出し、 次に、収納容器の6面から放出されるγ線を平均することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出するものである」ので、引用発明の「放射能測定装置」が、「スライド移動部」、「放射線検出部」、「放射能量算出部」及び「前記回転移動部」を制御していることは明らかであるから、引用発明の「放射能測定装置」が「制御部」を有していることは明らかである。 そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「前記スライド移動部、前記放射線検出部、前記放射能量算出部、及び前記回転移動部は、制御部によって制御され」る点で一致する。 (ク)引用発明は、「収納容器遮蔽部の中で前記収納容器をy方向に4段階で移動させることにより、収納容器のx方向及びz方向の4面をそれぞれ8個の範囲に分割してγ線量を検出し」ているから、当該測定を行っている位置が、本件補正発明の「第3位置」に相当する。 (ケ)そして、(キ)及び(ク)を踏まえると、本件補正発明と引用発明とは、「前記制御部は、前記第1位置に配置される前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記検出器ユニットに対面する第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の四面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部により前記収納容器を前記第1位置の前記回転移動部に直線移動させ、前記回転移動部で前記収納容器を回転移動させ、回転移動後の前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の残りの二面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、前記放射能量測定部により、前記収納容器の六面のそれぞれの面から放出される放射線量を取得させ、取得した六面の放射線量を平均させる」点で一致するものの、引用発明が放射線量を取得した後に、本件補正発明のように「前記スライド移動部によって前記収納容器を前記第1位置又は前記第2位置に移動させ」るものであるのか否か不明である点で相違する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 ・一致点 「収納容器に収納された放射性廃棄物の放射能量を測定する放射能測定装置であって、 前記収納容器を直線移動させるスライド移動部と、 前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる経路中に配置され、前記スライド移動部が前記収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面に検出器ユニットが配置された放射線検出部と、 前記放射線検出部で検出した前記収納容器のそれぞれの面から放出される放射線量を取得し、取得した面の放射線量を平均して前記放射性廃棄物全体の放射能量を算出する放射能量算出部と、を備え、 前記検出器ユニットは、複数の検出器を有し、 前記検出器ユニットの配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含み、 前記スライド移動部は、前記放射線検出部に対して前記収納容器の移動方向の両側に前記収納容器を配置可能な第1位置及び第2位置を有し、前記第1位置には、前記収納容器の相対する所定の二面に垂直な軸心で前記収納容器を90度回転移動させる回転移動部が配置され、 前記スライド移動部、前記放射線検出部、前記放射能量算出部、及び前記回転移動部は、制御部によって制御され、 前記制御部は、前記第1位置に配置される前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記検出器ユニットに対面する第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の四面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記スライド移動部により前記収納容器を前記第1位置の前記回転移動部に直線移動させ、前記回転移動部で前記収納容器を回転移動させ、回転移動後の前記収納容器を前記スライド移動部によって直線移動させることで前記第3位置に配置し、前記第3位置に配置された状態の前記収納容器の残りの二面の放射線量を前記放射線検出部により計測させ、その後、前記放射能量測定部により、前記収納容器の六面のそれぞれの面から放出される放射線量を取得させ、取得した六面の放射線量を平均させる、 放射能測定装置。」 ・相違点1 本件補正発明では、「前記検出器は、複数の検出素子が二次元配列され」、かつ、「収納容器と対面する面に前記検出器が二次元配列され」た検出器ユニットを用いることにより、該検出器ユニットの配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含むものとしているのに対し、引用発明では、「2つの検出器を有」する検出器ユニットを用いて、「スライド移動部により収納容器をy方向に4段階で移動させることによって、収納容器のx方向及びz方向の各面をそれぞれ8個の範囲に分割して」、γ線を検出することにより、検出器ユニットの配置領域が前記収納容器の対面する領域の全領域を含むものとしている点。 ・相違点2 放射線検出部により計測させた後、本件補正発明では、「前記スライド移動部によって前記収納容器を前記第1位置又は前記第2位置に移動させ」るのに対し、引用発明では、そのようなことが不明である点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 引用文献1には、上記(2)ア(キ)の「長方形の面を有する直六面体であると、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、放射能検出部2と収納容器100との距離が均等でなかったり、収納容器100の面を適宜分割して放射能を検出する位置に放射能検出部2が配置されなかったりする場合がある。このため、放射能検出部2をx方向およびz方向(スライド移動する方向に直交する方向)に移動可能にする検出部移動部を備えるとよい。検出部移動部を備えることで、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、収納容器100の面に対して適した距離であって、かつ適した位置に放射能検出部2を配置することが可能になる。」との記載があり、当該記載から、引用発明が、放射能検出部の検出器と収容容器の面との位置関係が適切でない場合に、正確な測定ができないとの課題を有していること、及び、引用文献1には、当該課題を解決するために、放射能検出部の検出器を適切な位置に移動させて、放射能検出部の検出器と収容容器の面との位置関係を適切なものとすることで、正確な測定を行い得ることが示唆されていると理解できる。 そして、引用文献2に記載された技術は、上記(2)イ(オ)のとおり、「放射線検出素子1がm×n(m,nはそれぞれ2以上の自然数)のマトリクス状に並べて配置される放射線検出センサをさらにマトリクス状に配置することにより、放射線検出素子1がi×j(iはmの倍数,jはnの倍数を満たす自然数)のマトリクス状に並べて配置することにより、大面積の放射線検出領域を有する放射線検出センサユニットとし、放射線検出センサユニット200の全面で場所による偏りが生じることなく検出できるようにした」たものである。 そして、面からの放射線を測定する方式として、複数の検出素子を一次元に配列したラインセンサを用いて、複数の検出素子の配列方向とは直交する方向にスキャンすることにより測定を行う方式と、複数の検出素子を二次元に配列して測定を行う方式とは、共に、本願の優先日前に広く知られた技術常識(例えば、実願昭63-11479号(実開平1-118393号)のマイクロフィルムの11ページ16行~12ページ8行、第3図、第4図を参照。)であることを踏まえると、引用発明に上記引用文献2に記載された技術を適用しようとすることが、当業者にとって特に困難なことともいえない。 したがって、引用発明の上記課題を解決するために、上記引用文献2に記載された技術を採用することは、当業者であれば容易になし得ることである。 そして、引用発明に上記引用文献2に記載された技術を採用することにより、検出素子と収容容器の面との位置関係が適切なものとなり、正確な放射線の測定が可能となることは、当業者であれば容易に理解できることである。 イ 相違点2について 引用発明においても、測定後に、スライド移動部の両端のいずれか一方から収納容器を取り出すことは明らかであるから、放射線量を前記放射線検出部により計測させた後に、収納容器をスライド移動部の両端に移動させることは、当業者であれば適宜行い得ることである。 したがって、引用発明において、本願補正発明のように「前記スライド移動部によって前記収納容器を前記第1位置又は前記第2位置に移動させ」ることは、当業者が容易になし得ることである。 ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成29年12月28日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、同年4月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2012-47544号公報 引用文献2:特開2009-139346号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、上記第2の2で指摘した限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-019563

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