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特許拒絶査定不服審判

2017-018840

翼の連結部構造及びこれを用いたジェットエンジン

審判番号
2017-018840
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-005844外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年12月19日
審決日
2018年09月04日
公報発行日
2018年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (F02C) / P18 .575-Z (F02C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-  5844「翼の連結部構造及びこれを用いたジェットエンジン」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月27日出願公開、特開2015-135061〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年1月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年7月18日付け :拒絶理由通知書 平成29年9月22日   :意見書の提出 平成29年9月29日付け :拒絶査定 平成29年12月19日  :審判請求書、手続補正書の提出 第2 平成29年12月19日の手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 平成29年12月19日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本願補正発明 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、補正前の請求項1に、 「【請求項1】 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造であって、 前記翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片を有する金属から成る連結サポート体が配置され、 前記翼の端部における前記一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片側には、少なくとも1本の突条又は溝が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片には、前記翼の端部に形成された前記突条又は溝と係合する溝又は突条が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁は、前記翼の中央に向けて隆起して形成されていると共に該隆起する側縁の先端には面取り又は丸み付けが施され、 前記翼の端部は、前記連結サポート体の一対の分割片に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持されている翼の連結部構造。」 とあったものを、 「【請求項1】 熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造であって、 前記翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片を有する金属から成る連結サポート体が配置され、 前記翼の端部における前記一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片側には、少なくとも1本の突条又は溝が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片には、前記翼の端部に形成された前記突条又は溝と係合する溝又は突条が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁は、前記翼の中央に向けて隆起して形成されていると共に該隆起する側縁の先端には面取り又は丸み付けが施され、 前記翼の端部は、前記連結サポート体の一対の分割片に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持され、 前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている翼の連結部構造。」 と補正することを含むものである。(下線は補正箇所を示すために請求人が付した。) 上記補正は、発明を特定するために必要な事項である「翼の端部」が「連結サポート体の一対の分割片間に保持され」ることについて、「前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在され」との事項を限定するものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。 2 引用例、引用発明、引用技術等 (1) 引用例1について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開2013-160101号公報(以下「引用例1」という。)には、「翼の連結部構造及びこれを用いたジェットエンジン」に関して、図面(特に、図1ないし図4)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審が付した。以下同様。) ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 ジェットエンジンを構成する熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造であって、 前記翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片を有する金属から成る連結サポート体が配置され、 前記翼の端部における前記一対の分割片との接合面のうちの少なくともいずれか一方の接合面には、少なくとも1本の突条又は溝が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片における各端部接合面のうちの少なくともいずれか一方の端部接合面には、前記翼の端部に形成された前記突条又は溝と係合する溝又は突条が形成され、 前記翼の端部は、前記連結サポート体の一対の分割片に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持されている ことを特徴とする翼の連結部構造。 【請求項2】 前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている請求項1に記載の翼の連結部構造。」 イ 「【0030】 このジェットエンジン1は、バイパス流路6上に複数のガイドベーン(静翼)20を備えている。複数のガイドベーン20は、エンジン内筒3の周囲に配置されており、バイパス流路6を流れる旋回空気流を整流するようになっている。このガイドベーン20は、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂又はポリエーテルイミド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンスルファイド等の熱可塑性樹脂と、炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維等の強化繊維との複合材料を構成材料として、例えば、翼厚方向に積層されたり、三次元的に織込まれたりして形成される。」 ウ 「【0032】 この場合、ガイドベーン20の翼基端部21と取り付けフランジ31fとの連結部、すなわち、翼連結部には、図2及び図3に示すように、ガイドベーン20の翼基端部21に対して翼厚方向(図2左右方向)両側から接合する互いに分割された一対の分割片34,34から成る連結サポート体33が配置されている。この連結サポート体33の分割片34,34は、いずれもアルミ合金やチタン合金等の金属から成り、取り付けフランジ31fにボルト38及びナット39により取り付けられている。 【0033】 この連結サポート体33の一対の分割片34,34には、互いに向き合う対向壁35がそれぞれ形成されており、ガイドベーン20の翼基端部21には、これらの対向壁35,35が翼厚方向両側から接合するようになっている。 【0034】 この実施例において、ガイドベーン20の翼基端部21における接合面21a,21aのうちの図2左側の接合面21aには、断面が台形形状を成す1本の突条21bが形成され、一方、連結サポート体33を構成する2個の分割片34,34のうちの同じく図2左側の分割片34には、すなわち、図2左側の分割片34における対向壁35の端部接合面35aには、ガイドベーン20の翼基端部21に形成された突条21bと互いに係合する溝35bが形成されている。 【0035】 そして、この実施例において、ガイドベーン20の翼基端部21は、連結サポート体33の一対の分割片34,34に翼厚方向両側から付与されるボルト36及びナット37による締結力によって一対の分割片34,34の各対向壁35,35間に保持されている。 【0036】 また、この実施例において、連結サポート体33の一対の分割片34,34における各対向壁35,35と、これらの対向壁35,35間に保持されるガイドベーン20の翼基端部21との間には、接着剤が介在されている。 【0037】 一方、ガイドベーン20の翼先端部22と取り付けフランジ5fとの連結部、すなわち、翼連結部にも、ガイドベーン20の翼先端部22に対して翼厚方向(図2左右方向)両側から接合する互いに分割された一対の分割片54,54から成る連結サポート体53が配置されている。この連結サポート体53の分割片54,54も、いずれもアルミ合金やチタン合金等の金属から成り、取り付けフランジ5fにボルト38及びナット39により取り付けられている。 【0038】 この連結サポート体53の一対の分割片54,54にも、互いに向き合う対向壁55がそれぞれ形成されており、ガイドベーン20の翼先端部22には、これらの対向壁55,55が翼厚方向両側から接合するようになっている。 【0039】 この翼連結部においても、ガイドベーン20の翼先端部22における接合面22a,22aのうちの図2左側の接合面22aには、断面が台形形状を成す1本の突条22bが形成され、一方、連結サポート体53を構成する2個の分割片54,54のうちの同じく図2左側の分割片54には、すなわち、図2左側の分割片54における対向壁55の端部接合面55aには、ガイドベーン20の翼先端部22に形成された突条22bと互いに係合する溝55bが形成されている。 【0040】 そして、ガイドベーン20の翼先端部22は、連結サポート体53の一対の分割片54,54に翼厚方向両側から付与されるボルト56及びナット57による締結力によって一対の分割片54,54の各対向壁55,55間に保持されている。 【0041】 また、この翼連結部においても、連結サポート体53の一対の分割片54,54における各対向壁55,55と、これらの対向壁55,55間に保持されるガイドベーン20の翼先端部22との間には、接着剤が介在されている。 【0042】 上記したように、この実施例に係る翼の連結部構造では、まず、複合材料から成るガイドベーン20の翼基端部21(翼先端部22)を金属から成る連結サポート体33(53)における一対の分割片34,34(54,54)の各対向壁35,35(55,55)間に位置させている。また、翼基端部21(翼先端部22)の図2左側の接合面21a(22a)に形成した突条21b(22b)を連結サポート体33(53)の図2左側の接合面35a(55a)に形成した溝35b(55b)に係合するようにしている。そのうえで、連結サポート体33(53)の一対の分割片34,34(54,54)に、翼厚方向両側からボルト36(56)及びナット37(57)で得られる締結力を付与して、翼基端部21(翼先端部22)を一対の分割片34,34(54,54)の各対向壁35,35(55,55)間に保持するようにしている。」 エ 「【0048】 図4は本発明に係る翼の連結部構造の他の実施例を示しており、この実施例が先の実施例による翼の連結部構造と相違するところは、ガイドベーン20Aの翼基端部21A(翼先端部22A)における接合面21a,21a(22a,22a)の双方に、突条21b(22b)をそれぞれ形成し、一方、連結サポート体33A(53A)の一対の分割片34,34(54,54)における各接合面35a,35a(55a,55a)の双方に、ガイドベーン20Aの翼基端部21A(翼先端部22A)に形成した突条21b(22b)と互いに係合する溝35b(55b)をそれぞれ形成した点にあり、他の構成は先の実施例による翼の連結部構造と同じである。」 オ 図2ないし図4によれば、一対の分割片34(54)のガイドベーン20,20A中央側(図2、図4のガイドベーン20,20Aの上下方向中間部側)には、一対の対向壁35(55)の上(下)面のガイドベーン20,20A隣接部が、ガイドベーン20,20Aの翼弦方向(図3の左右方向)に沿って存在することが分かる。そうすると、上記ウ並びに図2ないし図4の図示内容からみて、連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部が存在することが分かる。 上記アないしオ及び図1ないし図4の図示内容を総合すると、引用例1には、「翼の連結部構造」に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 〔引用発明〕 「熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造であって、 前記翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片34(54)を有する金属から成る連結サポート体33(53),33A(53A)が配置され、 前記翼の端部における前記一対の分割片34(54)との接合面21a(22a)のうちの少なくともいずれか一方の接合面21a(22a)には、少なくとも1本の突条21b(22b)又は溝が形成され、 前記連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における各端部接合面35a(55a)のうちの少なくともいずれか一方の端部接合面35a(55a)には、前記翼の端部に形成された前記突条21b(22b)又は溝と係合する溝35b(55b)又は突条が形成され、 前記連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部が存在し、 前記翼の端部は、前記連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持され、 前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている翼の連結部構造。」 (2) 引用例2について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開昭50-129811号公報(以下「引用例2」という。)には、「タービン機関円板」に関して、図面(特に、FIG-4ないしFIG-7)とともに次の事項が記載されている。 ア 「第1及び第8(B)図に於て、タービンブレード1に台部2を設ける。このブレードの台部の下に中心に配置したブレードシヤンク3を設け、このシヤンク3をルートアタツチメント遷移帯域4に没入させる。即ちブレード舌片部6の第8(B)図の表面5のようなルートアタツチメントランド表面まで下方にシヤンク3を連らねる。このようにしてブレードシヤンク3と、遷移帯域4の下の舌片部6とによつてこのブレードルートアタツチメントを構成する。 円板8の円板リム部7の凹所即ち溝孔部9にブレードルートアタツチメントを収容する。この取付用の円板8の円板リム部7に複数個の円周方向に配置した溝孔部9を設け、ブレードの形状に応じてこの溝孔の形状を変化させる。この円板のリム部7を第5図に示すように上部リム部(デツドリム部)Rdと、下部リム部(ライブリム部)Rlとに分割する。このリムの下にある円板部分はウエブ部Wと孔部Bとである。各円板のリムに舌片部11を設ける。第1~5図及び第8(A)図から明らかなように従来技術の円板リム舌片部の上部Uはその外側リム周縁の高さ(直径)及び曲率がほぼ均一である。 これに対し本発明の円板はそのリムの外周縁に溝孔に隣接して隆起舌片部13を有し、この隆起舌片部13間に下部中間リム部12を設ける。」(第2ページ右上欄第7行ないし左下欄第12行) イ 「本発明を示す第6及び7図の円板リムは特徴的に円板リム舌片11と対応円板リム溝孔9とを示し、(円板リム周縁の隣接する下にある部分である)下部中間リム部12の上方の隆起突出部13を有する。 隆起リム舌片部13はブレードとシヤンクとの遷移帯域でのモーメントとして生ずる曲げの変形を減らすよう抑止力を増大することができる。ブレードシヤンクに密接して伸長した円板リム舌片部を位置させることによつてシヤンクの抑止作用を生ぜしめ、回転中遠心力によつてブレードアタツチメント舌片部を円板隆起舌片部13に押しつける時ブレードアタツチメント舌片の移動を限定する。このようにしてこのアタツチメント表面に対し一層均一に歪を分散させることができる。第1~3図、4(A)、4(B)及び5図の代表的な円板舌片11の上部の均一な表面部Uにシヤンクが接触した時生ずるようなブレードシヤンク表面の応力と歪との集中は本発明のこの平滑に半径を定めた隆起舌片表面13により防止することができる。この平滑に半径を定めた表面によつて、普通大きな歪を発生する局部的な原点から離れた距離に非直線性の接触面を生じ、曲げによつて生ずる接触圧力をこの接触面によつて徐々に吸収することができる。本発明によれば、隆起したリム舌片部13の均一な幾何学的形状によつて、曲げを受ける際のブレードの偏向の大きさと割合とを調和して順応させることができる。」(第2ページ右下欄第13行ないし第3ページ左上欄第19行) ウ 上記アから、円板リム部7の外周縁の溝孔部9に隣接する位置に隆起舌片部13を設けることが分かる。また、上記イの「平滑に半径を定めた隆起舌片表面13」との記載並びにFIG-6及びFIG-7の図示内容からみて、隆起舌片部13は、円板リム部7の径方向外方に向けて隆起しており、隆起舌片部13の先端は丸みを帯びた形状であることが分かる。 上記アないしウ並びにFIG-4ないしFIG-7の図示内容を総合すると、引用例2には、次の技術(以下「引用技術」という。)が記載されている。 〔引用技術〕 「タービンブレード1のブレードルートアタツチメントを収容する円板リム部7の溝孔部9に隣接した外周縁は、円板リム部7の径方向外方に向けて隆起した隆起舌片部13が設けられ、隆起舌片部13の先端は丸みを帯びた形状とする技術。」 3 対比 本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願補正発明における「熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造」に相当し、以下同様に、「翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片34(54)を有する金属から成る連結サポート体33(53),33A(53A)が配置され」は「翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片を有する金属から成る連結サポート体が配置され」に、「翼の端部における前記一対の分割片34(54)との接合面21a(22a)のうちの少なくともいずれか一方の接合面21a(22a)には、少なくとも1本の突条21b(22b)又は溝が形成され」は「翼の端部における前記一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片側には、少なくとも1本の突条又は溝が形成され」に、「連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における各端部接合面35a(55a)のうちの少なくともいずれか一方の端部接合面35a(55a)には、前記翼の端部に形成された前記突条21b(22b)又は溝と係合する溝35b(55b)又は突条が形成され」は「連結サポート体の一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片には、前記翼の端部に形成された前記突条又は溝と係合する溝又は突条が形成され」に、「連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部」は「連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁」に、「翼の端部は、前記連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持され」は「翼の端部は、前記連結サポート体の一対の分割片に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持され」に、「連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている」は「連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている」にそれぞれ相当する。 また、引用発明における「連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部が存在し」と本願補正発明における「連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁は、前記翼の中央に向けて隆起して形成されていると共に該隆起する側縁の先端には面取り又は丸み付けが施され」とは、「連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁が存在し」という限りにおいて共通する。 したがって、両者は、 「熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と強化繊維との複合材料から成る翼の連結部構造であって、 前記翼連結部には、前記翼の端部に対して翼厚方向両側から接合する互いに分割された一対の分割片を有する金属から成る連結サポート体が配置され、 前記翼の端部における前記一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片側には、少なくとも1本の突条又は溝が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片のうちの少なくともいずれか一方の分割片には、前記翼の端部に形成された前記突条又は溝と係合する溝又は突条が形成され、 前記連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁が存在し、 前記翼の端部は、前記連結サポート体の一対の分割片に翼厚方向両側から付与される締結力により該連結サポート体の一対の分割片間に保持され、 前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在されている翼の連結部構造。」 である点で一致し、以下の点で相違している。 〔相違点〕 本願補正発明においては、「連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁は、前記翼の中央に向けて隆起して形成されていると共に該隆起する側縁の先端には面取り又は丸み付けが施され」るのに対し、 引用発明においては、「連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部が存在」するものの、対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部が、かかる構成を備えていない点。 4 当審の判断 そこで、上記相違点を検討する。 (1)相違点について 引用技術は、「タービンブレード1のブレードルートアタツチメントを収容する円板リム部7の溝孔部9に隣接した外周縁は、円板リム部7の径方向外方に向けて隆起した隆起舌片部13が設けられ、隆起舌片部13の先端は丸みを帯びた形状とする技術」である。 そして、本願補正発明と引用技術とを対比すると、引用技術における「円板リム部7の径方向外方に向けて隆起した隆起舌片部13が設けられ」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願補正発明における「翼の中央に向けて隆起して形成され」に相当し、以下同様に、「隆起舌片部13の先端」は「隆起する側縁の先端」に、「丸みを帯び」は「面取り又は丸み付けが施され」にそれぞれ相当する。 また、引用技術における「タービンブレード1のブレードルートアタツチメントを収容する円板リム部7の溝孔部9に隣接した外周縁」と本願補正発明における「連結サポート体の一対の分割片における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各側縁」とは、「翼を収容する部材における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う側縁」という限りにおいて共通する。 そうすると、引用技術は、「翼を収容する部材における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う側縁は、翼の中央に向けて隆起して形成され、隆起する側縁の先端は面取り又は丸み付けが施された形状とする技術」を備えるものである。 そして、引用発明と引用技術とは、翼の連結に関する技術である点で共通する。 また、引用例2の「円板舌片11の上部の均一な表面部Uにシヤンクが接触した時生ずるようなブレードシヤンク表面の応力と歪との集中は本発明のこの平滑に半径を定めた隆起舌片表面13により防止することができる。この平滑に半径を定めた表面によつて、普通大きな歪を発生する局部的な原点から離れた距離に非直線性の接触面を生じ、曲げによつて生ずる接触圧力をこの接触面によつて徐々に吸収することができる。」(第3ページ左上欄第7行ないし第15行)との記載からみて、引用技術は、隆起する側縁の先端を面取り又は丸み付けが施された形状とすることで、タービンブレード(翼)に作用する応力と歪との集中を防止する技術である。 そうすると、引用発明の「連結サポート体33(53),33A(53A)の一対の分割片34(54)における前記翼の中央側に位置する翼弦方向に沿う各対向壁35(55)の上(下)面の翼隣接部」において、翼に作用する応力と歪との集中を防止するために、引用技術に基づき、上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 (2)効果について 本願補正発明が奏する効果は、全体としてみても、引用発明及び引用技術から、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別なものではない。 (3)まとめ したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5 むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、出願時の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2〔理由〕1」に補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の理由の概要 原査定(平成29年9月29日付け拒絶査定)の理由の概要は次のとおりである。 本願の請求項1ないし3に係る発明は、引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2013-160101号公報(本審決の引用例1) 引用文献2:特開昭50-129811号公報(同引用例2)) 3 引用例、引用発明、引用技術等 原査定の拒絶の理由に引用した引用文献1及び2並びにその記載事項は、前記「第2〔理由〕2」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記「第2の〔理由〕」で検討した本願補正発明から、「前記連結サポート体の一対の分割片と、該一対の分割片間に保持される前記翼の端部との間に接着剤が介在され」との限定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2〔理由〕」の「3」及び「4」に記載したとおり、引用発明及び引用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-018840

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