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特許拒絶査定不服審判

2017-017763

車両用フライホイールモジュール及びその操作方法

審判番号
2017-017763
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-543443
請求日
2017年11月30日
審決日
2018年07月25日
公報発行日
2019年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ディーティーアイ グループ ビー.ブイ.
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】伊東 忠彦
  • 【請求人代理人】大貫 進介
審判長/審判官
  • 審判長 金澤 俊郎
  • 審判官 鈴木 充
  • 審判官 冨岡 和人
分類
P18 .121-Z (B60K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-543443「車両用フライホイールモジュール及びその操作方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年5月30日国際公開、WO2013/077736、平成27年2月12日国内公表、特表2015-504390〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年11月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年11月23日、オランダ、2012年8月31日、オランダ)を国際出願日とする出願であって、平成28年8月18日付け(発送日:同年8月23日)で拒絶理由が通知され、平成29年2月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年7月27日付け(発送日:同年8月1日)で拒絶査定がされ、これに対して同年11月30日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年2月22日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定された次のとおりのものである。 「【請求項1】 少なくとも3つの回転部材を含むバイパストランスミッション; フライホイール; モーター及び発電機の双方として動作可能な電気機械; 前記電気機械を作動させる作動手段; 前記作動手段を制御する制御部; 2つのクラッチ部位を含むクラッチ; 2つのブレーキ部位を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段; を含むフライホイールモジュールであって、 前記フライホイールは前記3つの回転部材のうちの第1の回転部材に接続される一方、前記回転部材のうちの第2の回転部材は前記フライホイールモジュールの入出力部に接続され、 前記電気機械は前記回転部材のうちの第3の回転部材に接続され、 前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記第1の回転部材に接続され、第2のクラッチ部位は前記フライホイールに接続され、 前記2つのブレーキ部位のうちの第1のブレーキ部位は前記第1の回転部材に接続され、第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され、 前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記第1の回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記フライホイールに連結される連結位置とを行き来できる、フライホイールモジュール。」 第3 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 (進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項1-6 ・引用文献等1,2 ・備考 引用文献等1には、「少なくとも3つの回転部材を含むバイパストランスミッション24、フライホイール30、電気機械32、2つのクラッチ部位を含むクラッチ28、及び、2つのブレーキ部位を含むブレーキ26を含むフライホイールモジュールであって、前記フライホイール30は前記3つの回転部材のうちの第1の回転部材Sに接続される一方、前記回転部材のうちの第2の回転部材Cは前記フライホイールモジュールの入出力部に接続され、前記電気機械32は前記回転部材のうちの第3の回転部材Rに接続され、前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記第1の回転部材Sに接続され、第2のクラッチ部位は前記フライホイール30に接続され、前記2つのブレーキ部位のうちの第1のブレーキ部位は前記第1の回転部材Sに接続される、フライホイールモジュール」の発明が記載されている(特に段落[0004]、[0056]-[0058]、[0064]-[0069]、[0072]-[0073]、[0078]、[0081]、[0083]、[0091]-[0093]、[0152]、図1、3、5を参照されたい。)。 引用文献等2には、係合ハブ41、ブレーキハブ42、クラッチハブ43のそれぞれの外周面に形成されたスプライン歯と噛み合い可能なスリーブ44を有し、このスリーブ44をブレーキハブ42の方向に移動させた場合にブレーキ手段として機能し、クラッチハブ43の方向に移動させた場合にクラッチ手段として機能し、係合ハブ41のみと噛み合っている場合に解放状態(すなわち、中間位置)となるドグクラッチ40の発明が記載されている(特に[0036]-[0038]、図5-6を参照されたい。)。 引用文献等1に記載された発明と引用文献等2に記載された発明とは、クラッチ及びブレーキの係合動作によって車両の動力伝達状態を選択するものである点で技術分野が関連するから、引用文献等1に記載された発明に引用文献等2に記載された発明を適用し、引用文献等1に記載された発明のクラッチ28及びブレーキ26を、1つのスリーブ(すなわち、一義的に1つのアクチュエータ)の動作により、クラッチ位置、ブレーキ位置、中間位置を選択的に切り替え可能な係合装置とすることは、当業者にとって容易である。 ・請求項7-19 ・引用文献等1-3 ・備考 (省略) <引用文献等一覧> 1.特開2011-98635号公報(審決注:本審決の引用文献1) 2.特開2010-254179号公報(審決注:本審決の引用文献2) 3.国際公開第2010/059041号 第4 引用文献 1.引用文献1 原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2011-98635号公報(平成23年(2011年)5月19日公開。以下、「引用文献1」という。)には、「車載動力伝達システム」に関して、図面(特に、図1(a)、(b)、図2(a)ないし(f))とともに以下の記載がある(なお、下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。以下同様。)。 (1)「【0054】 (第1の実施形態) 以下、本発明にかかる車載動力伝達システムを車載主機として内燃機関のみを搭載する車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。 【0055】 図1(a)に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。 【0056】 図示されるように、エンジン10は、車載主機としての内燃機関である。エンジン10のクランク軸10aは、変速装置12やディファレンシャル14を介して駆動輪16に機械的に連結されている。なお、クランク軸10aには、これに初期回転を付与する初期回転付与手段(スタータ18)が設けられている。 【0057】 エンジン10のクランク軸10aのうち変速装置12に連結されない側は、クラッチ20およびロック機構22を介して動力分割機構24に機械的に連結されている。ここで、動力分割機構24は、互いに連動して回転する回転体であって且つ、エンジン10、フライホイール30およびオルタネータ32間の動力を分割する複数の動力分割用回転体を備える。詳しくは、動力分割機構24は、1つの遊星歯車機構によって構成されており、そのサンギアSにフライホイール30が機械的に連結され、キャリアCにエンジン10が機械的に連結され、リングギアRにオルタネータ32が機械的に連結されている。なお、図1(b)に、動力分割機構24の断面構成等を示す。 【0058】 上記フライホイール30は、入力される回転エネルギを運動エネルギのまま蓄えるエネルギ蓄積手段である。オルタネータ32は、スタータ18等の車載補機の電源としての機能や補機バッテリ36を充電する機能等を有する発電手段である。クラッチ20は、エンジン10と動力分割機構24(キャリアC)との機械的な連結を解除することで、エンジン10と動力分割機構24(キャリアC)との間の動力伝達を遮断する遮断手段である。ロック機構22は、エンジン10に機械的に連結される回転体(キャリアC)の回転を禁止するための機構である。ロック機構26は、フライホイール30に機械的に連結される回転体(サンギアS)の回転を禁止する機構である。クラッチ28は、フライホイール30と動力分割機構24(サンギアS)との機械的な連結を解除することで、フライホイール30と動力分割機構24(サンギアS)との間の動力伝達を遮断する遮断手段である。 【0059】 制御装置34は、車両を制御対象とする制御装置である。詳しくは、エンジン10、スタータ18、クラッチ20、ロック機構22、ロック機構26、クラッチ28およびオルタネータ32等を操作することで、車両の駆動力等を制御する。 【0060】 図2に、制御装置34によって実現される動力分割機構24の3つの回転体(サンギアS、キャリアCおよびリングギアR)の回転速度の共線図を、エンジン10の回転速度とともに示す。なお、矢印は、トルクの向きを示すものである。トルクの向きは、回転速度と同様、図中上側を正としており、これにより、動力分割機構24にエネルギが入力される場合の回転エネルギを正と定義している。以下、図2(a)~図2(f)の順に説明していく。 【0061】 図2(a):車両の停止時 車両停止時であってフライホイール30に回転エネルギが十分ある場合(i)には、この回転エネルギをオルタネータ32によって電気エネルギに変換して補機バッテリ36に入力させる。この際、エンジン10は、停止状態とされており、先の図1に示したクラッチ20は遮断状態である。このため、ロック機構22によってキャリアCの回転を禁止している。これは、キャリアCにトルクを付与するための処理である。すなわち、遊星歯車機構のサンギアSのトルクTs、キャリアCのトルクTcおよびリングギアRのトルクTrの関係は、リングギアRのギア数Zrに対するサンギアSのギア数Zsの比ρ(Zs/Zr)を用いて、以下の式(c1)、(c2)にて表現される。 【0062】 Tr=-Tc/(1+ρ)  …(c1) Ts=-ρTc/(1+ρ) …(c2) このため、ロック機構22をロックしない場合には、キャリアCのトルクTcがゼロとなることから、リングギアRおよびサンギアSにトルクが付与されない。そしてこの場合には、リングギアRおよびサンギアS間で動力を伝達することができなくなる。これに対し、ロック機構22によってキャリアCをロックすることで、オルタネータ32がリングギアRに付与するトルクによってフライホイール30からオルタネータ32へと伝達される回転エネルギを制御することができる。ちなみに、サンギアS,キャリアCおよびリングギアRの回転速度は一直線上に並ぶため、キャリアCの回転速度をゼロに固定する場合、フライホイール30(サンギアS)の回転速度によってオルタネータ32(リングギアR)の回転速度が一義的に定まる。 【0063】 一方、車両の停止時であってフライホイール30の回転速度がゼロである場合(ii)には、動力分割機構24の3つの回転体は、すべて停止状態となる。 【0064】 図2(b):エンジン10の始動時 エンジン10の始動に際してフライホイール30の回転エネルギが十分である場合(i)には、スタータ18を用いることなく、フライホイール30の回転エネルギを利用してエンジン10のクランク軸10aに初期回転を付与する。この際オルタネータ32を発電制御する。これは、上記の式(c1)、(c2)の関係より、動力分割機構24を介した動力伝達を可能とするための処理である。 【0065】 これに対し、エンジン10の始動に際してフライホイール30の回転エネルギが不十分である場合(ii)には、スタータ18によってエンジン10を始動させる。この際、オルタネータ32による発電は行なわない。このため、動力分割機構24を介した動力伝達はなされない。なお、この際、クラッチ28を解除状態として且つロック機構26によってサンギアSをロックする。これは、クラッチ28を締結する際にその入力側と出力側との回転速度の相違が大きくなることを回避するためのものである。なお、クラッチ28を締結状態として且つロック機構26を解除状態としてもよい。 【0066】 図2(c):発進・軽負荷走行時(EV走行) フライホイール30に回転エネルギが十分にある場合(i)、エンジン10を使用せずフライホイール30の回転エネルギを利用して走行する。この際、オルタネータ32の発電制御を行なうことでリングギアRにトルクが付与されることから、動力分割機構24を介した動力伝達が可能となる。 【0067】 これに対し、フライホイール30の回転エネルギが不十分である場合(ii)には、上記ロック機構26によってサンギアSをロックして且つオルタネータ32の発電制御を行いつつ、エンジン10の駆動力で走行する。ここで、ロック機構26を用いるのは、エンジン10の回転エネルギがフライホイール30に供給されることを回避した状態で動力分割機構24を介した動力伝達を可能とし、ひいてはオルタネータ32の発電制御を可能とするための設定である。これに対し、ロック機構26を用いない場合には、エンジン10の回転エネルギの一部がフライホイール30に供給されることとなる。なお、オルタネータ32の発電制御を停止している場合には、ロック機構26によるサンギアSのロック処理を行わなくてもよい。これは、動力分割機構24を介した動力伝達が不可能となるためである。 【0068】 図2(d):定常走行時 フライホイール30に回転エネルギを蓄える場合(i)、エンジン10を駆動しつつオルタネータ32を発電させる。ここでオルタネータ32の発電は、エンジン10の回転エネルギを動力分割機構24を介してフライホイール30に伝達させるために不可欠である。」 (2)「【0151】 (第1~第6の実施形態特有の変形例) ・・・ 【0152】 ・・・ <動力分割機構24による動力分割の対象となる回転電機について> この種の回転電機としては、オルタネータ32やスタータ18に限らない。モータジェネレータであってもよい。この場合、エンジン始動時や、EV走行時、加速時、回生時等において、モータジェネレータを力行制御してもよい。このモータジェネレータとしては、補機バッテリ36から絶縁された車載高電圧バッテリの電圧が印加されるものであることが望ましい。」 (3)上記(2)から、オルタネータ32は、モータジェネレータに置き換えることができることが分かる。その場合、段落【0059】の記載及び図1(a)の図示内容から補機バッテリ36がモータジェネレータを作動させること、及び、制御装置34が、補機バッテリ36を制御することが分かる。 (4)段落【0058】の記載及び図1(a)、(b)の図示内容並びに技術常識から、クラッチ28は2つのクラッチ部位を含むこと、及び、該2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位はサンギアSに接続され、第2のクラッチ部位はフライホイール30に接続されること、並びに、ロック機構26は2つのブレーキ部位を含むこと、及び、該2つのブレーキ部位のうちの第1のブレーキ部位はサンギアSに接続され、第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続されることが分かる。 (5)段落【0059】の記載及び図1(a)において「制御装置34」から「ロック機構26」及び「クラッチ28」のそれぞれに向かって矢印が記載されていることから、ロック機構26及びクラッチ28を操作するアクチュエータを含んだ操作手段が、ロック機構26及びクラッチ28のそれぞれに接続されているといえる。 (6)段落【0057】ないし【0068】及び【0152】の記載並びに図1(a)、(b)の図示内容から、動力分割機構24、フライホイール30、モータジェネレータ、補機バッテリ36、制御装置34、クラッチ28、ロック機構26並びに前記ロック機構26及び前記クラッチ28を操作するそれぞれの操作手段は、一体としてみるとフライホイール動力伝達機構を構成しているといえる。 (7)段落【0057】、【0060】、【0064】、【0068】の記載及び図1(a)、(b)、図2(a)、(d)の図示内容から、エンジン10とフライホイール動力伝達機構のキャリアCとの間にはクラッチ20があるといえる。 (8)上記(5)及び段落【0065】の記載から、操作手段のアクチュエータがクラッチ28を解除状態とし且つロック機構26をロックするように又は前記クラッチ28を締結状態とし且つ前記ロック機構26を解除状態とするように、前記クラッチ28及び前記ロック機構26に接続されているといえる。 上記記載事項及び認定事項並びに図面(特に、図1(a)、(b)、図2(a)ないし(f))の図示内容からみて、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 「サンギアS、キャリアC及びリングギアRを含む遊星歯車機構によって構成される動力分割機構24; フライホイール30; モータジェネレータ; 前記モータジェネレータを作動させる補機バッテリ36; 前記補機バッテリ36を制御する制御装置34; 2つのクラッチ部位を含むクラッチ28; 2つのブレーキ部位を含むロック機構26;及び 前記ロック機構26及び前記クラッチ28を操作するそれぞれの操作手段; を含むフライホイール動力伝達機構であって、 前記フライホイール30は前記サンギアSに接続される一方、前記キャリアCはクラッチ20に接続され、 前記モータジェネレータは前記リングギアRに接続され、 前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記サンギアSに接続され、第2のクラッチ部位は前記フライホイール30に接続され、 前記2つのブレーキ部位のうちの第1のブレーキ部位は前記サンギアSに接続され、第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され、 前記それぞれの操作手段は、前記クラッチ28及び前記ロック機構26を操作するためのそれぞれのアクチュエータを含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチ28を解除状態とし且つ前記ロック機構26をロックするように又は前記クラッチ28を締結状態とし且つ前記ロック機構26を解除状態とするように、前記クラッチ28及び前記ロック機構26に接続されている、フライホイール動力伝達機構。」 2.引用文献2 原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2010-254179号公報(以下、「引用文献2」という。)には、「ドグクラッチ40」に関して、図面(特に、図5及び6)とともに以下の記載がある (1)「【0034】 (第2の形態) 次に図5~図8を参照して本発明の第2の形態に係る制御装置について説明する。図5は、この形態の制御装置が組み込まれた車両1の駆動装置10のスケルトン図を示している。なお、図5において図1と共通の部分については同一の符号を付して説明を省略する。この図に示したように第2の形態の駆動装置10では、一方の側(図5の右側)からエンジン11、第2MG13、第2遊星歯車機構16、第1遊星歯車機構15、第1MG12の順でこれらが並ぶように設けられている。また、この駆動装置10では、第1遊星歯車機構15として2つのピニオンギアP11、P12を有するダブルピニオン型の遊星歯車機構が設けられている。この駆動装置10では、エンジン11の出力軸11aは第1キャリアC1と連結されている。また、第1MG12のロータ12bは、第1サンギアS1と、第2MG13のロータ13bは、第2サンギアS2とそれぞれ連結されている。そして、出力ギア4は、第1リングギアR1及び第2キャリアC2と連結されている。 【0035】 このように各遊星歯車機構15、16の各回転要素が接続されることにより、第2の形態では、第1キャリアC1が本発明の第1差動機構の第1回転要素に、第1リングギアR1が本発明の第1差動機構の第2回転要素に、第1サンギアS1が本発明の第1差動機構の第3回転要素にそれぞれ相当する。 【0036】 この図に示したように第2の形態の駆動装置10は、ドグクラッチ40を備えている。図6は、ドグクラッチ40の部分を拡大して示している。ドグクラッチ40は、第2リングギアR2と一体に回転する係合ハブ41と、ケース2に回転不能に固定されるブレーキハブ42と、第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転するクラッチハブ43とを備えている。この図に示したようにブレーキハブ42は係合ハブ41の一方の側に、クラッチハブ43は係合ハブ41の他方の側にそれぞれ配置されている。 【0037】 これらのハブ41、42、43の外周面にはスプライン歯がそれぞれ形成されており、これらのスプライン歯にはスリーブ44が図6の左右方向に移動可能なように噛み合わされている。スリーブ44は、係合ハブ41のみと噛み合うことが可能な長さであるとともに、図6の右側に移動したときには係合ハブ41及びブレーキハブ42とそれぞれ噛み合い、図6の左側に移動したときには係合ハブ41及びクラッチハブ43とそれぞれ噛み合うように設けられている。そのため、このスリーブ44を図6の右側に移動させることにより、第2リングギアR2に回転不能に制動できる。この場合、ドグクラッチ40が本発明のブレーキ手段として機能する。一方、スリーブ44を図6の左側に移動させることにより、第2リングギアR2と第1サンギアS1とを一体に回転させることができる。この場合、ドグクラッチ40が本発明のクラッチ手段として機能する。以降、スリーブ44が係合ハブ41のみと噛み合っている状態を解放状態と称することがある。また、スリーブ44が係合ハブ41及びブレーキハブ42とそれぞれ噛み合っている状態をブレーキ状態と称し、スリーブ44が係合ハブ41及びクラッチハブ43とそれぞれ噛み合っている状態をクラッチ状態と称することがある。図5に示したようにドグクラッチ40の動作は、制御装置30にて制御される。」 (2)段落【0037】の「図5に示したようにドグクラッチ40の動作は、制御装置30にて制御される。」の記載及び図5において制御装置30からドグクラッチ40に向けて矢印が1本記載されている点並びに技術常識から、ドグクラッチ40のスリーブ44には操作手段としての一つのアクチュエータが接続され、スリーブ44は当該アクチュエータによって操作されることが分かる。 上記記載事項及び認定事項並びに図面(特に、図5及び6)の図示内容からみて、引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。 「クラッチハブ43と、前記クラッチハブ43と噛み合うスリーブ44を含むクラッチ; ブレーキハブ42と、前記ブレーキハブ42と噛み合う前記スリーブ44を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段; を含み、 前記スリーブ44は、第2リングギアR2と一体に回転する係合ハブ41と噛み合い、前記クラッチハブ43は、第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転し、 前記ブレーキハブ42はケース2に回転不能に固定され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され、 前記スリーブ44は、該スリーブ44が前記ケース2に回転不能に固定されるブレーキ位置と、該スリーブ44が前記第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転する前記クラッチハブ43と噛み合う位置とを行き来できる、ドグクラッチ40。」 第5 対比・判断 本願発明と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「サンギアS、キャリアC及びリングギアRを含む遊星歯車機構によって構成される動力分割機構24」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「少なくとも3つの回転部材を含むバイパストランスミッション」に相当し、以下同様に、「フライホイール30」は「フライホイール」に、「モータジェネレータ」は「モーター及び発電機の双方として動作可能な電気機械」に、「補機バッテリ36」は「作動手段」に、「制御装置34」は「制御部」に、「クラッチ28」は「クラッチ」に、「ロック機構26」は「ブレーキ」に、「フライホイール動力伝達機構」は「フライホイールモジュール」に、「サンギアS」は「3つの回転部材のうちの第1の回転部材」に、「キャリアC」は「回転部材のうちの第2の回転部材」に、「リングギアR」は「回転部材のうちの第3の回転部材」に、「クラッチ28を解除状態とし」は「クラッチを開放し」に、「ロック機構26をロック」は「ブレーキを閉鎖」に、「クラッチ28を締結状態とし」は「クラッチを閉鎖し」に、「ロック機構26を解除状態」は「ブレーキを開放」に、「前記ロック機構26及び前記クラッチ28を操作するそれぞれの操作手段」は「前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明1の「クラッチ20」は、引用文献1の段落【0064】及び【0068】並びに図2(b)及び図2(d)の態様からみて「フライホイール動力伝達機構」に対して動力の入出力を行っていることから、本願発明の「フライホイールモジュールの入出力部」に相当する。 また、引用発明1の「それぞれの操作手段は、前記クラッチ28及び前記ロック機構26を操作するためのそれぞれのアクチュエータを含み」と本願発明の「操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み」とは、「操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキを操作するためのアクチュエータを含み」という限りにおいて一致している。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「少なくとも3つの回転部材を含むバイパストランスミッション; フライホイール; モーター及び発電機の双方として動作可能な電気機械; 前記電気機械を作動させる作動手段; 前記作動手段を制御する制御部; 2つのクラッチ部位を含むクラッチ; 2つのブレーキ部位を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段; を含むフライホイールモジュールであって、 前記フライホイールは前記3つの回転部材のうちの第1の回転部材に接続される一方、前記回転部材のうちの第2の回転部材は前記フライホイールモジュールの入出力部に接続され、 前記電気機械は前記回転部材のうちの第3の回転部材に接続され、 前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記第1の回転部材に接続され、第2のクラッチ部位は前記フライホイールに接続され、 前記2つのブレーキ部位のうちの第1のブレーキ部位は前記第1の回転部材に接続され、第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキを操作するためのアクチュエータを含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続されているフライホイールモジュール。」 [相違点] 本願発明においては、クラッチ及びブレーキの「双方を」操作するためのアクチュエータを「1つだけ」含み、前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され、「前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記第1の回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記フライホイールに連結される連結位置とを行き来できる」ものであるのに対して、 引用発明1においては、クラッチ及びブレーキを操作するための「それぞれの」アクチュエータを含むものであって、クラッチ及びブレーキの「双方を」操作するためのアクチュエータを「1つだけ」含むものではなく、また、「前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記第1の回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記フライホイールに連結される連結位置とを行き来できる」ものではない点。 上記相違点について検討する。 引用発明2は 「クラッチハブ43と、前記クラッチハブ43と噛み合うスリーブ44を含むクラッチ; ブレーキハブ42と、前記ブレーキハブ42と噛み合う前記スリーブ44を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段; を含み、 前記スリーブ44は、第2リングギアR2と一体に回転する係合ハブ41と噛み合い、前記クラッチハブ43は、第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転し、 前記ブレーキハブ42はケース2に回転不能に固定され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され、 前記スリーブ44は、該スリーブ44が前記ケース2に回転不能に固定されるブレーキ位置と、該スリーブ44が前記第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転する前記クラッチハブ43と噛み合う位置とを行き来できる、ドグクラッチ40」というものである。 先ず、引用発明2と本願発明の関係についてみると、引用発明2の「クラッチハブ43と、前記クラッチハブ43と噛み合うスリーブ44を含むクラッチ」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明の「2つのクラッチ部位を含むクラッチ」に相当し、以下同様に、「ブレーキハブ42と、前記ブレーキハブ42と噛み合う前記スリーブ44を含むブレーキ」は「2つのブレーキ部位を含むブレーキ」に、「スリーブ44」は「第1のクラッチ部位」、「第1のブレーキ部位」、「スイッチ要素」及び「可動のスイッチ要素」に、「クラッチハブ43」は「第2のクラッチ部位」に、「ブレーキハブ42」は「第2のブレーキ部位」に、「ブレーキハブ42はケース2に回転不能に固定され」は、「第2のブレーキ部位は硬固な物体に固定され」に、「ドグクラッチ40」は「クラッチ」及び「ブレーキ」に、それぞれ相当する。 そして、引用発明2の「スリーブ44は、第2リングギアR2と一体に回転する係合ハブ41と噛み合い」は「2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は遊星歯車機構の一つの回転部材に接続され」という限りにおいて、本願発明の「2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記第1の回転部材に接続され」に一致し、引用発明2の「クラッチハブ43は、第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転し」は「第2のクラッチ部位は前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に接続され」という限りにおいて、本願発明の「第2のクラッチ部位は前記フライホイールに接続され」に一致する。 また、「スリーブ44」は「第1のクラッチ部位」、「第1のブレーキ部位」、「スイッチ要素」及び「可動のスイッチ要素」に相当することから、引用発明2の「前記スリーブ44は、該スリーブ44が前記ケース2に回転不能に固定されるブレーキ位置と、該スリーブ44が前記第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転する前記クラッチハブ43と噛み合う位置とを行き来できる」は「前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記遊星歯車機構の一つの回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に連結される連結位置とを行き来できる」という限りにおいて、本願発明の「前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記第1の回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記フライホイールに連結される連結位置とを行き来できる」に一致するといえる。 そうすると、引用発明2は、本願発明の用語を用いて表すと、 「2つのクラッチ部位を含むクラッチ; 2つのブレーキ部位を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及びクラッチを操作する操作手段; を含み 前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は遊星歯車機構の一つの回転部材に接続され、第2のクラッチ部位は前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に接続され、 前記第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され、 前記第1のブレーキ部位と前記第1のクラッチ部位とが、前記遊星歯車機構の一つの回転部材に接続された可動のスイッチ要素の一部を形成し、該スイッチ要素は、該スイッチ要素が前記硬固な物体に連結されるブレーキ位置と、該スイッチ要素が前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に連結される連結位置とを行き来できる、 クラッチ及びブレーキ」ということができる。 次に、引用発明2のドグクラッチ40と引用発明1のクラッチ28及びロック機構26とを比較すると、引用発明2の「クラッチハブ43と、前記クラッチハブ43と噛み合うスリーブ44を含むクラッチ」と、引用発明1の「2つのクラッチ部位を含むクラッチ28」はともに「2つのクラッチ部位を含むクラッチ」ということができ、以下同様に、「ブレーキハブ42と、前記ブレーキハブ42と噛み合う前記スリーブ44を含むブレーキ」と「2つのブレーキ部位を含むロック機構26」はともに「2つのブレーキ部位を含むブレーキ」ということができ、「前記ブレーキハブ42はケース2に回転不能に固定され」と「第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され」はともに「第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され」ということができ、「前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され」と「前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチ28を解除状態とし且つ前記ロック機構26をロックするように又は前記クラッチ28を締結状態とし且つ前記ロック機構26を解除状態とするように、前記クラッチ28及び前記ロック機構26に接続され」はともに「前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続され」ということができる。 また、引用発明2の「前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段」と、引用発明1の「前記ロック機構26及び前記クラッチ28を操作するそれぞれの操作手段」は、「前記ブレーキ及び前記クラッチを操作する操作手段」という点で共通し、以下同様に、「前記スリーブ44は、第2リングギアR2と一体に回転する係合ハブ41と噛み合い、前記クラッチハブ43は、第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bと一体に回転し」と「前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は前記サンギアSに接続され、第2のクラッチ部位は前記フライホイール30に接続され」は「前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は遊星歯車機構の一つの回転部材に接続され、第2のクラッチ部位は前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に接続され」という点で共通し、「前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを1つだけ含み」と「前記それぞれの操作手段は、前記クラッチ28及び前記ロック機構26を操作するためのそれぞれのアクチュエータを含み」は「前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキを操作するためのアクチュエータを含み」という点で共通している。 そうすると、引用発明2のドグクラッチ40と引用発明1のクラッチ28及びロック機構26とは 「2つのクラッチ部位を含むクラッチ; 2つのブレーキ部位を含むブレーキ;及び 前記ブレーキ及びクラッチを操作する操作手段; を含み 前記2つのクラッチ部位のうちの第1のクラッチ部位は遊星歯車機構の一つの回転部材に接続され、第2のクラッチ部位は前記遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に接続され、 前記第2のブレーキ部位は硬固な物体に接続され、 前記操作手段は、前記クラッチ及び前記ブレーキの双方を操作するためのアクチュエータを含み、 前記アクチュエータは、前記アクチュエータが前記クラッチを開放し且つ前記ブレーキを閉鎖するように又は前記クラッチを閉鎖し且つ前記ブレーキを開放するように、前記クラッチ及び前記ブレーキに接続されて」いるという構成が共通している。 また、両者は、遊星歯車機構の一つの回転部材を、当該遊星歯車機構の一つの回転部材とは別の回転体に接続する状態と、当該遊星歯車機構の一つの回転部材を回転不能に固定する状態とを切り換えるという点で機能が共通している。 そうすると、引用発明1に引用発明2を適用する動機付けは存在する。 そして、引用発明1のフライホイール30と、引用発明2の第1サンギアS1及び第1MG12のロータ12bとは、第2のクラッチ部位が接続されるという点で共通するから、両者が対応関係にあることは、当業者であれば理解できることである。 また、引用発明1のサンギアSと、引用発明2の第2リングギアR2とは、遊星歯車機構の一つの回転部材であり、第1のクラッチ部位が接続される点で共通するから、両者が対応関係にあることは、当業者であれば理解できることである。 そうしてみると、引用発明1のロック機構26及びクラッチ28として、引用発明2のドグクラッチ40を適用し、上記相違点に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものである。 また、本願発明は、引用発明1及び引用発明2から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-017763

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