審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2017-017726

クロス媒体広告ネットワーク

審判番号
2017-017726
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-553479外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月30日
審決日
2019年06月18日
公報発行日
2019年08月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-553479「クロス媒体広告ネットワーク」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月25日国際公開、WO2013/109962、平成27年 2月 5日国内公表、特表2015-504225、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年1月18日(パリ条約による優先権主張2012年1月20日、米国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成27年11月26日  :手続補正書の提出 平成28年12月 7日付け:拒絶理由通知書 平成29年 3月13日  :意見書、手続補正書の提出 平成29年 7月26日付け:拒絶査定 平成29年11月30日  :審判請求書の提出 平成30年11月19日付け:拒絶理由通知書 平成31年 2月19日  :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(平成29年7月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-21に係る発明は、以下の引用文献1-7に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特表2007-515018号公報 2.特開2007-183863号公報 3.特表2010-524352号公報 4.特開2011-253530号公報 5.特開2009-217599号公報 6.特開2011-48765号公報 7.特表2009-521014号公報 第3 本願発明 本願請求項1-21に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明21」という。)は、平成31年2月19日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 コンピュータが、1以上の広告主から複数の広告と広告露出目標とを受信する工程であって、各広告は前記広告露出目標のうちの1つに各々関連する、工程と、 前記複数の広告の各々について、 前記コンピュータが、前記広告が複数の広告媒体のうちの1以上における複数のユーザの各々に対する提示用に選択されていると判定する工程と、 前記コンピュータが、前記複数のユーザの各々について、前記広告に対し前記ユーザが露出された時間の長さを、前記ユーザに関連する情報に基づき決定される重み付け因子によって重み付けし、重み付けされた時間の長さを生成する、重み付け工程と、 前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程と、 前記コンピュータが、クライアントから、広告の要求を受信する工程と、 前記コンピュータが、前記広告露出目標と前記複数の広告に関連する露出時間とに基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程と、 を備える方法。」 なお、本願発明2-21の概要は以下のとおりである。 本願発明2-18は、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明19-21は、それぞれ本願発明1,17-18に対応するシステムの発明であり、本願発明1,17-18とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審において付加したものである。 ア. 「【0009】 本発明の方法およびシステムによれば、適切な目標ユーザに対して個別的に広告が配信され得ると共に、配信後のフィードバック情報に基づき、見積り価格が適切に調整され得る。」 イ. 「【0015】 コンテンツ配給者220は、広告以外のコンテンツと共にまたはコンテンツなしで、目標ユーザに対して広告を配信し得る。目標ユーザに対して広告と共に配信されるべきコンテンツはデジタルまたは非デジタルのコンテンツのいずれかに対応し得る。デジタル・コンテンツとしては、テレビ番組、インターネット・コンテンツ、または、配給チャネルを介して配信される任意のデジタル情報(たとえば、電磁的担体を介して送信されるデータ、インターネットを介して送信されるデータ、または、無線通信ネットワークを介して携帯電話に送信されるデータなど)が挙げられる。非デジタルのコンテンツとしては、非デジタル形態で配給される任意の情報が挙げられる。非デジタル形態で配給されるが、斯かる非デジタル・コンテンツはデジタル・プロセスにより作成される。たとえば、印刷された形態であるが新聞もしくは雑誌は、印刷に先立ちデジタル・プロセスを介して設計もしくは作成され得る。非デジタル・コンテンツはまた、アナログ形態(たとえばラジオ)で配給される情報も含み得る。同様に、斯かるアナログ情報の幾分かは、最初にデジタル・プロセスを介して生成され、後時にアナログ形態へと変換され得る。」 ウ. 「【0025】 個別化広告を達成するために、一定の所望判断基準を満足する選択ユーザ群(目標ユーザ)に対して広告(210-1)の配信を望む広告主205は、ひとつ以上の制約条件210-2をコンテンツ配給者220に対して送信し得る。制約条件210-2は、広告210-1が配信されるべき有効範囲および様式に関する種々の側面を特徴付け得る。図3は、本発明の実施例に従う代表的な形式の制約条件を示している。制約条件210-2は、番組制約条件310、時間制約条件320、人口統計的制約条件330、地理的/事業内容的制約条件340、派生的制約条件350および受信デバイス制約条件360を備え得る。番組制約条件310、人口統計的制約条件330および地理的/事業内容的制約条件340は、目標ユーザの有効範囲に関する制限を指定し得る。番組制約条件310、時間制約条件320、派生的制約条件350および受信デバイス制約条件360は、広告210-1が配信されるべき様式に関する制限を指定し得る。」 エ. 「【0029】 時間関連制約条件はまた、限定的なものとしてで無く、広告が配信される呈示の回数(320-2)、広告の単一露出の持続時間(320-3)、および、一定の了解時間単位(たとえば1時間)内においてまたは他の一定の条件による単位(たとえば1回の呈示)において目標ユーザに対し広告が露出される反復割合(320-4)などの、他の配信パラメータを表すためにも使用され得る。(・・・・以下、省略・・・・)」 オ. 「【0042】 上述の実施例は下り方向の広告方式に対応し、その場合に広告は広告主により発信されると共に下り方向配信(270)を介して目標ユーザへと送信される。枠組み200はまた、オンデマンド式の上り方向の個別化広告方式も促進する。(たとえば245-1などの)目標ユーザは、(たとえばメルセデス車または“化粧品”などの)特定の広告、または、(たとえば一定の日付以前における1ヶ月期間以内のローカル商店街の特売に対する任意の広告などの)一群の判断基準を満足する(たとえばローカル商店街における特売日に関する広告などの)特定形式の広告に対し、コンテンツ配給者220に対して送信される上り方向要求(280)を開始し得る。この場合、上り方向要求の受信時にコンテンツ配給者220は提供された判断基準を使用し、該コンテンツ配給者220において蓄積された広告リストにおいて、上記判断基準を満足する広告を検索し得る。 【0043】 与えられた判断基準を満足する広告が識別されたときにコンテンツ配給者220は要求を行いつつある目標ユーザに対してその広告を本明細書に記述された様式で配信し得る。たとえば上記広告は、要求を行いつつあるユーザに対して単独で配信され得る。該広告はまた、たとえば目標ユーザの加入契約内容または目標ユーザにより指定された特定の配信時刻などに従い該目標ユーザに対して送信が予定された一定のコンテンツと共に該目標ユーザに対して配信されても良い。上り方向要求に基づいて広告を配信するためにコンテンツ配給者220は、その配信を要求する目標ユーザ、もしくは、配信される広告を供給する広告主、または、両者に対し、別個に賦課を行い得る。」 カ. 「【0047】 図4は、本発明の実施例に従うコンテンツ配給者220の代表的な内部機能ブロック図を示している。コンテンツ配給者220は、情報プリプロセッサ405、目標ユーザ整合機構435、価格決定機構455、配信機構460、フィードバック受信器475および価格調整器480を備えている。情報プリプロセッサ405は、コンテンツ配給者220により受信された情報を事前処理すべきであり得る。斯かる受信情報としては、他の供給源からのコンテンツ225、広告主からの広告210-1、および、同様に広告主からの制約条件210-2であって広告が配信されるべき条件を指定する制約条件が挙げられる。」 キ. 「【0092】 図10(a)に示された代表的な価格決定方式は、種々の関連要因に従い、対応する個別目標ユーザに対して広告を配信する個別価格に基づいて価格を算出する方法を記述している。最初に、特定の所望特徴Fiを有する特定の目標ユーザUkに対する望ましさD(Fi,Uk)1050が需給原理に基づいて見積もられる。(・・・以下、省略・・・)」 ク. 「【0097】 個別目標ユーザの各々に対する価格を算出するために、その様に決定された1≦i≦mでの望ましさD(Fi,Uk)は、目標ユーザの全ての特徴に関する全体的望ましさを算出すべく使用され得る。目標ユーザUkの全体的望ましさWD(Uk)1060は例えば重み付けされた合計により異なる特徴の全体に亙り算出可能であり、その場合に異なる特徴に割当てられる加重値は、それらの合計が1となる様に正規化され得る。 (・・・・・中略・・・・・) (全ての特徴に亙る)目標ユーザUkの全体的望ましさWD(Uk)1060は、異なる特徴に関して重み付けされた合計として表され得ると共に、コンテンツ配給者および広告主の両者の観点に基づいて算出され得る。 【0098】 全体的望ましさ1060は次に、1≦k≦Nとして目標ユーザUkに対し広告を配信する個別価格P(Uk)1070を算出するために使用され得る。図10(a)に示された如く個別価格1070は、目標ユーザの全体的望ましさWD(Uk)1060と、(以下で論じられる)種々の配信スケジュール・パラメータの関数として決定される単価と、目標ユーザに対する広告の露出の総量との積として決定され得る: P(Uk)=WD(Uk)×単価(Uk)×露出量(Uk) 最後に、識別された目標ユーザの全てに対して広告を配信するための総価格1080は、個別目標ユーザに対する個別価格の全ての合計として算出され、(・・・以下、省略・・・)」 したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「適切な目標ユーザに対して個別的に広告が配信され得る方法であって(【0009】)、 目標ユーザに対して広告と共に配信されるべきコンテンツはデジタルまたは非デジタルのコンテンツのいずれかに対応するものであり、デジタル・コンテンツとしては、テレビ番組、インターネット・コンテンツ、または、配給チャネルを介して配信される任意のデジタル情報であり(【0015】)、 一定の所望判断基準を満足する選択ユーザ群(目標ユーザ)に対して広告(210-1)の配信を望む広告主205は、ひとつ以上の制約条件210-2をコンテンツ配給者220に対して送信し、制約条件210-2は時間制約条件320を備え(【0025】)、 時間関連制約条件は、広告の単一露出の持続時間(320-3)などの配信パラメータを表すためにも使用され(【0029】)、 目標ユーザが、特定の広告、または、一群の判断基準を満足する特定形式の広告に対し、コンテンツ配給者220に対して送信される上り方向要求(280)を開始した場合、コンテンツ配給者220は上り方向要求の受信時に提供された判断基準を使用し、該コンテンツ配給者220において蓄積された広告リストにおいて、上記判断基準を満足する広告を検索し(【0042】)、 与えられた判断基準を満足する広告が識別されたときにコンテンツ配給者220は要求を行いつつある目標ユーザに対してその広告を配信し(【0043】)、 コンテンツ配給者220は、情報プリプロセッサ405、目標ユーザ整合機構435、価格決定機構455、配信機構460等を備え、情報プリプロセッサ405は、コンテンツ配給者220により受信された情報である、広告主からの広告210-1、および、同様に広告主からの制約条件210-2であって広告が配信されるべき条件を指定する制約条件等を事前処理するものであり(【0047】)、 前記価格決定機構455における価格決定方式は、最初に、特定の所望特徴Fiを有する特定の目標ユーザUkに対する望ましさD(Fi,Uk)1050が需給原理に基づいて見積もられ(【0092】)、 次に、個別目標ユーザの各々に対する価格を算出するために、望ましさD(Fi,Uk)は、目標ユーザの全ての特徴に関する全体的望ましさを算出すべく使用され、目標ユーザUkの全体的望ましさWD(Uk)1060は例えば重み付けされた合計により異なる特徴の全体に亙り算出可能であって、目標ユーザUkの全体的望ましさWD(Uk)1060は、異なる特徴に関して重み付けされた合計として表され(【0097】)、 次に、全体的望ましさ1060は、目標ユーザUkに対し広告を配信する個別価格P(Uk)1070を算出するために使用され、個別価格1070は、目標ユーザの全体的望ましさWD(Uk)1060と、種々の配信スケジュール・パラメータの関数として決定される単価と、目標ユーザに対する広告の露出の総量との積として決定され、最後に、識別された目標ユーザの全てに対して広告を配信するための総価格1080は、個別目標ユーザに対する個別価格の全ての合計として算出される(【0098】)、 方法。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の【0019】【0044】-【0048】の記載からみて、当該引用文献2には、「広告選択サーバが、広告の出力条件パラメータ(表示時間、表示回数、表示出力面積など)を確認して、広告視聴端末に送信する広告を選択するとともに広告主端末に対して広告配信要求を送信し、広告主端末側から広告視聴端末に広告コンテンツを配信するシステムにおいて、広告料金を算出する際には、料金計算式に出力条件パラメータを代入して料金を計算する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の【0049】の記載からみて、当該引用文献3には、「報告エンジンが、たとえばプロバイダからテレビ広告報告データを受け取り、選択されたテレビ広告がテレビ広告報告データに基づいて放映されたかどうか判断する。また、広告インプレッションを決定するために、視聴装置からの報告ログ、たとえばセットトップボックスログを処理する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 4.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4の【0029】の記載からみて、当該引用文献4には、「ユーザランクを使用して、対応するユーザに提示される広告を選択する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 5.引用文献5について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5の【0062】-【0064】の記載からみて、当該引用文献5には、「ATMユーザのキャッシュカード番号に基づいて当該ユーザの商品購入情報を読み出し、当該商品購入情報と広告データとに基づいて広告の表示を制御する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 6.引用文献6について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6の【0008】【0009】の記載からみて、当該引用文献6には、「Webページ上の特定部位がブラウザの表示範囲に表示された回数のうち、閲覧者が意図的に見たと推測できる広告の表示回数を正確に測定できるシステムであって、特定部位の表示時間が表示判定基準時間以上であれば、当該特定部位の表示回数を加算する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 7.引用文献7について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献7の【0023】の記載からみて、当該引用文献7には、「テレビ、ラジオ、インターネット、印刷物等の様々なメディアを介して広告を提供する。」という技術的事項が記載されていると認められる。 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア.「広告」と「広告露出目標」とを「受信する工程」に関して 引用発明における『広告主』、『広告』及び『目標ユーザ』は、本願発明1の「広告主」、「広告」及び「ユーザ」に相当する。 また、引用発明においては、『広告主』が『コンテンツ配給者』に『時間制約条件』を送信しており、当該『時間制約条件』として、配信パラメータである『広告の単一露出の持続時間』が含まれることから、引用発明の前記『広告の単一露出の持続時間』は、本願発明1の「広告露出目標」に相当する。 さらに、引用発明においては、『コンテンツ配給者』が『広告主』から『広告』及び『制約条件』を受信していることから、引用発明の方法は、本願発明1における「1以上の広告主から複数の広告と広告露出目標とを受信する工程であって、各広告は前記広告露出目標のうちの1つに各々関連する、工程」を備えているといえる。なお、引用発明の『コンテンツ配給者』における受信等の各工程は、『コンテンツ配給者』のコンピュータが実行することは明らかである。 よって、引用発明の方法は、本願発明1の「コンピュータが、1以上の広告主から複数の広告と広告露出目標とを受信する工程であって、各広告は前記広告露出目標のうちの1つに各々関連する、工程」を備えているといえる。 イ.「広告の要求を受信する工程」に関して 引用発明においては、『目標ユーザ』が『コンテンツ配給者』に対して、特定の広告についての『上り方向要求』を『送信』していることから、引用発明の『目標ユーザ』は、本願発明1の「クライアント」に相当する装置を有しているといえる。 よって、引用発明の方法は、本願発明1の「前記コンピュータが、クライアントから、広告の要求を受信する工程」を備えているといえる。 ウ.「広告」が「提示用に選択されていると判定する工程」及び「複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」に関して 引用発明においては、『目標ユーザ』から『上り方向要求』を受信した『コンテンツ配給者』は、提供された『判断基準』を満足する広告を検索し、当該『判断基準』を満足する広告を『目標ユーザ』に配信しており、広告と共に配信されるコンテンツとしては、テレビ番組、インターネット・コンテンツ等の複数の媒体におけるコンテンツであり、また、前記『判断基準』には、『時間制約条件』としての『広告の単一露出の持続時間』(本願発明1の「広告露出目標」に相当)が含まれている。 よって、引用発明の方法は、本願発明1の「前記複数の広告の各々について、前記コンピュータが、前記広告が複数の広告媒体のうちの1以上における複数のユーザの各々に対する提示用に選択されていると判定する工程」及び「前記コンピュータが、前記広告露出目標」「に基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」を備えているといえる。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「コンピュータが、1以上の広告主から複数の広告と広告露出目標とを受信する工程であって、各広告は前記広告露出目標のうちの1つに各々関連する、工程と、 前記複数の広告の各々について、 前記コンピュータが、前記広告が複数の広告媒体のうちの1以上における複数のユーザの各々に対する提示用に選択されていると判定する工程と、 前記コンピュータが、クライアントから、広告の要求を受信する工程と、 前記コンピュータが、前記広告露出目標に基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程と、 を備える方法。」 <相違点> <相違点1> 本願発明1の方法は、「前記コンピュータが、前記複数のユーザの各々について、前記広告に対し前記ユーザが露出された時間の長さを、前記ユーザに関連する情報に基づき決定される重み付け因子によって重み付けし、重み付けされた時間の長さを生成する、重み付け工程」を備えているのに対し、引用発明はそのような工程を備えていない点。 <相違点2> 本願発明1の方法は、「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」を備えているのに対し、引用発明はそのような工程を備えていない点。 <相違点3> 本願発明1の方法は、「前記コンピュータが、前記広告露出目標と前記複数の広告に関連する露出時間とに基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」を備えているのに対し、引用発明の方法は、クライアントへの提示用の広告を「広告露出目標」に基づいて選択するものの、当該「広告露出目標」に加え「前記複数の広告に関連する露出時間」に基づいて選択するものではない点。 (2)相違点についての判断 ア.上記相違点1について検討すると、相違点1に係る本願発明1の、「前記コンピュータが、前記複数のユーザの各々について、前記広告に対し前記ユーザが露出された時間の長さを、前記ユーザに関連する情報に基づき決定される重み付け因子によって重み付けし、重み付けされた時間の長さを生成する、重み付け工程」を備えるという構成が、上記「第4」の引用文献2-7にも記載されていない。また、当該構成は周知技術であるともいえない。 イ.上記相違点2について検討すると、相違点2に係る本願発明1の、「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」を備えるという構成が、上記「第4」の引用文献2-7にも記載されていない。また、当該構成は周知技術であるともいえない。 ウ.上記相違点3について検討すると、相違点3に係る本願発明1の、「前記コンピュータが、前記広告露出目標と前記複数の広告に関連する露出時間とに基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」を備えるという構成が、上記「第4」の引用文献2-7にも記載されていない。また、当該構成は周知技術であるともいえない。 エ.上記ア.乃至ウ.のとおり、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-18について 本願発明2-18も、本願発明1の「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」、「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」、及び、「前記コンピュータが、前記広告露出目標と前記複数の広告に関連する露出時間とに基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明19-21について 本願発明19-21は、それぞれ、本願発明1,17-18に対応するシステムの発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に示された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 当審拒絶理由に対する平成31年2月19日の補正により、本願発明1-18は、「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」、「前記コンピュータが、コンピュータ・プロセッサを用いて、前記重み付けされた時間の長さを集めることによって、前記広告に関連する露出時間を計算する工程」、及び、「前記コンピュータが、前記広告露出目標と前記複数の広告に関連する露出時間とに基づいて、前記複数の広告からクライアントへの提示用の広告を選択する工程」という事項を有するものとなっており、上記「第5」で示したとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-7に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 また、審判請求時の補正により、本願発明1,17-18に対応するシステムの発明である本願発明19-21は、上記事項に対応する構成を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-7に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 当審拒絶理由について 1.特許法第29条第1項柱書について 当審では、請求項1-18に記載された方法における各工程の主体が特定されておらず、請求項1-18に記載されたものは発明に該当しないとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、各工程の主体が「コンピュータ」であることが特定された結果、この拒絶の理由は解消した。 2.特許法第36条第6項第1号について 当審では、請求項11の「前記外部広告媒体のうちの1以上のコンテンツを記載する外部源から情報を受信する工程」という点は、発明の詳細な説明の記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、「外部源から前記外部広告媒体のうちの1または複数の外部広告媒体についての情報を受信する工程」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 3.特許法第36条第6項第2号について (1)当審では、請求項2及び3の「受信された前記広告露出目標」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、当該請求項2及び3が引用する請求項1が「1以上の広告主から複数の広告と広告露出目標とを受信する工程であって」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では、請求項11の「前記外部広告媒体のうちの1以上のコンテンツを記載する外部源から情報を受信する工程」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、「外部源から前記外部広告媒体のうちの1または複数の外部広告媒体についての情報を受信する工程」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (3)当審では、請求項12の「第1の広告に関連する広告露出目標が、クライアントに関連する確認されたユーザの前記第1の広告に関連する広告主によって望まれる前記第1の広告の広告露出を含む」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、「第1の広告に関連する広告露出目標が、クライアントに関連する識別されたユーザの、前記第1の広告に関連する広告主によって望まれる、前記第1の広告の広告露出を含む」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (4)当審では、請求項18及び21の「1以上の目標規準に基づき、前記広告が受信された広告主が前記ユーザを目標にしたと判定する工程を含み」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成31年2月19日の補正において、「前記広告が受信された広告主が前記ユーザを目標にしたと1以上の目標規準に基づき判定する工程を含み」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 第8 むすび 以上のとおり、本願発明1-21は、当業者が引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-017726

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決19件(フェイスブック,インク.)
  • 2020-002470拒絶査定不服審判 / 2021-10-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)ポストに関連付けられたプライバシー設定のトリガーに基づく変更のためのシステムおよ…
    同じ当事者: フェイスブック,インク.
  • 2020-013854拒絶査定不服審判 / 2021-10-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)複数周波数の指向性アクセス・ポイント通信
    同じ当事者: フェイスブック,インク.
  • 2020-002092拒絶査定不服審判 / 2021-08-10 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンテンツ提示のためのシステムおよび方法
    同じ当事者: フェイスブック,インク.
  • 2019-016212拒絶査定不服審判 / 2021-05-12 / 請求不成立コール・トゥ・アクションを作成し、選択し、提示し、実行するためのシステムおよび方…
    同じ当事者: フェイスブック,インク.
  • 2020-003762拒絶査定不服審判 / 2021-04-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)メディアコンテンツ上に重ね合わされるテキストのソーシャルリマークスを提供するため…
    同じ当事者: フェイスブック,インク.
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,419件(121・G06Q、537・G06Q)
  • 2025-007249拒絶査定不服審判 / 2026-08-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)顧客管理装置、顧客管理方法、及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、537・G06Q
  • 2026-004837拒絶査定不服審判 / 2026-08-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、537・G06Q
  • 2025-012431拒絶査定不服審判 / 2026-08-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)ビル管理システム、及び、中央監視システム
    共通の審決分類: 121・G06Q、537・G06Q
  • 2025-006009拒絶査定不服審判 / 2026-08-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)タイヤ保守管理装置およびタイヤ保守システム
    共通の審決分類: 121・G06Q、537・G06Q
  • 2025-009018拒絶査定不服審判 / 2026-08-10 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、537・G06Q

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存