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特許拒絶査定不服審判

2017-013537

スプーン

審判番号
2017-013537
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-541246
請求日
2017年09月11日
審決日
2019年03月05日
公報発行日
2019年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】インファント・ベンチャーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
  • 【請求人代理人】浜田 治雄
審判長/審判官
  • 審判長 藤井 昇
  • 審判官 佐々木 芳枝
  • 審判官 柿崎 拓
分類
P18 .113-WZ (A47G) / P18 .121-WZ (A47G) / P18 .536-WZ (A47G) / P18 .537-WZ (A47G) / P18 .55 -WZ (A47G) / P18 .571-WZ (A47G) / P18 .572-WZ (A47G) / P18 .573-WZ (A47G) / P18 .574-WZ (A47G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-541246「スプーン」拒絶査定不服審判事件〔平成26年5月15日国際公開、WO2014/072791、平成27年11月26日国内公表、特表2015-533602〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2013年(平成25年)11月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年11月12日 (US)米国)を国際出願日とする出願であって、平成28年5月16日付けで拒絶理由が通知され、同年11月10日に意見書及び手続補正書が提出されが、平成29年4月28日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年9月11日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、手続補正書が提出された。 そして、当審において、平成30年8月8日付けで平成29年9月11日の手続補正についての補正の却下の決定がされるとともに、拒絶理由が通知され、平成31年1月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 拒絶の理由 平成30年8月8日付けで当審が通知した拒絶理由のうち、請求項1に対する進歩性の拒絶理由は次のとおりである。 理由5(進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・理由5(進歩性) ・請求項 1 ・引用文献 1.特開平11-309059号公報 又は 2.韓国公開特許第10-2012-0050148号公報 又は 3.実公昭33-19283号公報 第3 本願発明 本願請求項1に係る発明は、平成31年1月10日に提出された手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「一つのハンドル、一つのネック、および一つのヘッドを備えるスプーンであって、該スプーンは、スプーンの該ネックと該ハンドルの全体の長さを超えないで完全に貫いて延びる第1直線軸を備えると共に、該ヘッドは、一つの先端と一つの後端を有する食品を受け容れる陥凹を備えており、該後端は、該食品を受け容れる陥凹上で該先端と該後端とを結ぶ第2直線軸が該スプーンのハンドルの第1直線軸まで同じ方向に延びるように該先端に関して位置決めされ、しかも、該後端は、該食品を受け容れる陥凹と該ネックとが集中する隆起点であり、該第1直線軸と該第2直線軸とは交わらず、また、該ヘッドは湾曲した外部底面を含むと共に、該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸が該第1直線軸に関して鋭角に延びるスプーン。」 第4 引用文献の記載及び引用発明 1.引用文献の記載 当審の拒絶の理由に引用された引用文献3である、実公昭33-19283号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。 (1)「本実用新案は、食卓用のスプーン、フオーク、ナイフ等に於ける継合把柄の考案に係り、鍔座1の一側に軸杆2を突出形成すると共に他側に螺杆3を突出形成して該軸杆2及び螺杆3にそれぞれ切溝4,4を穿設した断面十字形の継合子Aの該螺杆3部を陶磁製又は合成樹脂製等よりなる柄体Bの一端芯部に穿設した螺孔5に適当な接着剤を附着して螺挿固着すると共に、継合子Aの軸杆2部にはスプーン又はフオーク等任意の形態の形態となした木製又は合成樹脂器頭体Cの基端部軸孔6を接着剤を附着して継合挿着一体となしたものである。」(1ページ左欄6ないし17行) 引用文献の第1図に、本願発明との対比のために、当審において各直線軸及び「頭部」、「首部」、「把手部」の範囲を示したものを参考図として以下に示す。 (2)第1図の記載から、引用文献のスプーンは、スプーンを使用するために把持する一つの把手部、食品を受け容れる陥凹を備えた一つの頭部、及び、把手部と頭部の間のくびれた部分である一つの首部、を備えていることが看取できる(参考図参照。)。 (3)第1図の記載から、引用文献のスプーンは、スプーンの首部と把手部の全体の長さを完全に貫いて延びる第1直線軸を備えることが看取できる(参考図参照。)。 (4)第1図の記載から、頭部は、一つの先端と一つの後端を有する食品を受け容れる陥凹を備えていることが看取できる。 (5)第1図の記載から、第1直線軸と第2直線軸とは交わらず、また、頭部は湾曲した外部底面を含むと共に、該頭部の該湾曲した外部底面に接する第3直線軸が該第1直線軸に関して鋭角αに延びることが看取できる(参考図参照。)。 2.引用発明 上記1.の記載及び図面の記載を総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「一つの把手部、一つの首部、および一つの頭部を備えるスプーンであって、該スプーンは、スプーンの該首部と該把手部の全体の長さを完全に貫いて延びる第1直線軸を備えると共に、該頭部は、一つの先端と一つの後端を有する食品を受け容れる陥凹を備えており、該後端は、該食品を受け容れる陥凹上で該先端と該後端とを結ぶ第2直線軸が該スプーンの把手部の第1直線軸まで同じ方向に延びるように該先端に関して位置決めされ、該第1直線軸と該第2直線軸とは交わらず、また、該頭部は湾曲した外部底面を含むと共に、該頭部の該湾曲した外部底面に接する第3直線軸が該第1直線軸に関して鋭角αに延びるスプーン。」 第5 対比・判断 1.本願発明と引用発明との対比 引用発明における「把手部」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「ハンドル」に相当し、以下同様に、「首部」は「ネック」に、「頭部」は「ヘッド」に、「鋭角α」は「鋭角」にそれぞれ相当する。 また、本願発明の「スプーンの該ネックと該ハンドルの全体の長さを超えないで完全に貫いて延びる第1直線軸を備える」こととは、どのようなことか判然としないが、本願の図4に示されるように、直線16が、ネック3とハンドル2をあわせた全体の長さにわたって上下方向にはみ出さずに貫いて延びていることを意味すると解せば、引用発明の「スプーンの該首部と該把手部の全体の長さを完全に貫いて延びる第1直線軸を備える」ことも、第1直線軸が、首部と把手部をあわせた全体の長さにわたって上下方向にはみ出さずに貫いて延びていることを意味しているから、引用発明における「スプーンの該首部と該把手部の全体の長さを完全に貫いて延びる第1直線軸を備える」ことは、本願発明における「スプーンの該ネックと該ハンドルの全体の長さを超えないで完全に貫いて延びる第1直線軸を備える」ことに相当するといえる。 そうすると、本願発明と引用発明とは、 一つのハンドル、一つのネック、および一つのヘッドを備えるスプーンであって、該スプーンは、スプーンの該ネックと該ハンドルの全体の長さを超えないで完全に貫いて延びる第1直線軸を備えると共に、該ヘッドは、一つの先端と一つの後端を有する食品を受け容れる陥凹を備えており、該後端は、該食品を受け容れる陥凹上で該先端と該後端とを結ぶ第2直線軸が該スプーンのハンドルの第1直線軸まで同じ方向に延びるように該先端に関して位置決めされ、該第1直線軸と該第2直線軸とは交わらず、また、該ヘッドは湾曲した外部底面を含むと共に、該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸が該第1直線軸に関して鋭角に延びるスプーン。 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 本願発明においては、陥凹の「後端は、該食品を受け容れる陥凹と該ネックとが集中する隆起点」であるのに対し、 引用発明においては、陥凹と首部とが集中する隆起点がない点。 2.相違点についての判断 そもそも、本願発明において「陥凹と該ネックとが集中する隆起点」についての技術的意義は不明であるところ、乳幼児用のスプーンにおいて、スプーンの口腔内の位置決めや持ち手の位置決めのために、陥凹の後端に陥凹とネックとが集中する隆起点を設けることは、例えば、特開2004-163909号公報(特に、段落【0029】、図6及び図7中の口唇案内部13参照。)、韓国公開特許第10-2012-0050148号公報(特に、段落[0033]、図1、図2及び図4中の係止片12参照。)、米国特許第2576388号明細書(2欄29ないし36行、第1図ないし第5図中のenlargement 9参照。)に記載されるように周知の技術である。(以下、「周知技術」という。) 引用文献には乳幼児用との記載はないが、乳幼児に用いることを妨げる特段の事情は見あたらず、引用発明のスプーンを乳幼児に用いる際に、上記周知技術のように陥凹の後端に陥凹とネックとが集中する隆起点を設けることは、当業者が容易になし得たことである。 そして、本願発明の効果も、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎない。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 3.審判請求人の主張について 審判請求人は、平成31年1月10日提出の意見書において、平成30年8月8日付けの拒絶理由通知書の拒絶の理由に引用した引用文献3(本審決における引用文献)について、以下のような図を示し、「第1直線軸に関して鋭角をなす第3直線を有しない。」と主張している。 しかしながら、本願発明の第3直線軸は「該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸」というものであるが、請求項1の記載では第3直線軸がヘッドの湾曲した外部底面のどの部分に接するものであるのかの限定がなく、第3直線軸は第1直線軸に対して異なる角度のものが複数存在するところ、上記「第3 1.」の参考図に示すような第3直線軸も、本願発明の「該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸」に含まれるものと解される。 したがって、複数存在する「該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸」のうち、たまたま第1直線軸と平行になるものを取り出して、「第1直線軸に関して鋭角をなす第3直線を有しない。」とする審判請求人の上記主張は採用できない。 なお、平成31年1月10日に提出された手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された「該ヘッドの該湾曲した外部底面に接する第3直線軸が該第1直線軸に関して鋭角に延びる」点は、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文、又は国際出願日における国際特許出願の図面(以下、これらをまとめて「翻訳文等」という。)には一切記載がなく、また翻訳文等に記載した事項から自明の事項ともいえないから、当該手続補正書による補正は、新規事項を追加するおそれがある。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

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2017-013537

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