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特許拒絶査定不服審判

2017-010548

交流電圧の位相角を調整する同期調整回路

審判番号
2017-010548
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-086420
請求日
2017年07月14日
審決日
2019年07月29日
公報発行日
2020年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】楊 泰和
  • 【請求人代理人】服部 雅紀
審判長/審判官
  • 審判長 酒井 朋広
  • 審判官 井上 信一
  • 審判官 山澤 宏
分類
P18 .536-WZ (G05F) / P18 .537-WZ (G05F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条4項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012- 86420「交流電圧の位相角を調整する同期調整回路」拒絶査定不服審判事件〔平成24年11月12日出願公開、特開2012-221497〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 本願は、平成24年4月5日(パリ条約に基づく優先権主張 2011年4月6日 米国(US))の出願であって、平成27年3月24日付けで手続補正がなされ、平成28年3月29日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年10月5日付けで手続補正がなされたが、平成29年3月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月14日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされた。 その後、当審による平成30年11月16日付け拒絶理由通知に対する応答時、令和元年5月17日付けで手続補正がなされたものである。 2.当審の拒絶の理由 当審において平成30年11月16日付けで通知した拒絶理由は、 「1)本件出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 2)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号・第2号に規定する要件を満たしていない。」 というものであって、具体的には以下のような記載不備に関する指摘事項を含むものである。 (1)理由1(特許法第36条第4項第1号違反) 「請求項1~15において、所定の固体スイッチ素子に対して駆動電圧信号を出力する回路として、「調整回路」あるいは「設定回路」を備えることが記載されている。 これに対して、発明の詳細な説明には、 (a)まず、「調整回路」について、例えば段落【0030】、【0031】、【0052】、【0070】、【0077】、【0078】、【0087】に、「調整回路」は、交流電源電圧を入力し、かつ自体の回路調整機能と交流限流回路装置Z10を流れる電流値と負荷L101の端電圧値を参考し、所定の駆動電圧信号を出力することが記載されている。しかしながら、ここでいう「自体の回路調整機能」とはどのような機能であり、また、かかる機能と交流限流回路装置Z10を流れる電流値と負荷L101の端電圧値とをどのように参考して駆動電圧信号を出力するものであるのかが技術的にみて不明であり、技術常識を考慮してもかかる「調整回路」を具体的に理解することはできない。 (b)また、「設定回路」について、例えば段落【0022】、【0061】、【0031】、【0052】、【0070】、【0077】、【0078】、【0087】に、交流電源電圧を入力し、かつ自体の回路を通して、機能の設定を行うことにより所定の駆動電圧信号を出力することが記載されている。しかしながら、自体の回路を通してどのように機能の設定を行い、如何にして駆動電圧信号を出力するものであるのかが技術的にみて不明であり、技術常識を考慮してもかかる「設定回路」を具体的に理解することはできない。 これらの点において、本件出願の発明の詳細な説明は、請求項1~15に係る発明について、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものとは認められない。」 (2)理由2(特許法第36条第6項第1号・第2号違反) ア.「理由2について」の「3.」 「請求項1において、「双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)は、・・・・交流電源電圧を入力し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値、負荷(L101)の端電圧値に基づいて、ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)を経て、双極性固体スイッチ素子(1000)のオン位相角及びオフ位相角を制御するのに用いられる双極性の駆動電圧信号を出力し」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)さらに、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と、負荷(L101)の端電圧値とにどのように基づいて駆動電圧信号を出力するものであるのかも技術的にみて不明である。 (c)また、「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)を経て」とあるが、請求項1における「・・(a)双方向ツェナーダイオード、又は、(b)ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)のうちの一つが逆極性直列接続されており、設定回路の双極性駆動電圧信号出力端と双極性固体スイッチ素子(1000)の双極性駆動電圧信号入力端との間に接続されており・・」なる記載との関係〔具体的には、(a)の「双方向ツェナーダイオード」が設定回路と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に接続されてなる場合との関係〕が不明である。 これらの点において、請求項1に係る発明は明確なものでないとともに、発明の詳細な説明に記載されたものとも認められない。」 イ.「理由2について」の「4.」 「請求項1において、「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は、双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に逆極性に直列接続されており」とあるが、上記「3.(c)」と同様、請求項1の「・・(a)双方向ツェナーダイオード、又は、(b)ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)のうちの一つが逆極性直列接続されており、設定回路の双極性駆動電圧信号出力端と双極性固体スイッチ素子(1000)の双極性駆動電圧信号入力端との間に接続されており・・」なる記載との関係〔具体的には、(a)の「双方向ツェナーダイオード」が設定回路と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に接続されてなる場合との関係〕が不明である。」 ウ.「理由2について」の「5.」 「請求項4において、「交流限流回路装置(Z10)は、交流電源の出力電流値を測定し、双極性固体スイッチ素子(1000)に電流を出力する調整回路に接続されている・・」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)また、「調整回路」(設定回路?)が、双極性固体スイッチ素子(1000)に「電流」を出力するというのも意味不明である。(双極性固体スイッチ素子(1000)に出力するのは、「双極性の駆動電圧信号」のはず。) これらの点において、請求項4に係る発明は明確なものでない。」 エ.「理由2について」の「8.」 「請求項6において、「単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD101)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において電源に対して並列に接続され、・・・・第一調整回路により、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し、第一の双極性の駆動電圧信号を出力し、・・・・単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD102)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において電源に対して並列に接続され、電子回路素子によって構成され、・・・・第二調整回路により、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し、第二の双極性の駆動電圧信号を出力し、・・」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)また、「調整回路(PD101)」、「調整回路(PD102)」は、いずれも「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し」、所定の駆動電圧信号を出力するとされているが、上記「理由1について」の「1.」でも指摘したように、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と、負荷(L101)の端電圧値とをどのように参考して駆動電圧信号を出力するものであるのかが技術的にみて不明である。 ・・・・・(中 略)・・・・・ これらの点において、請求項6に係る発明は明確なものでない。」 オ.「理由2について」の「13.」 「請求項11において、「単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD101)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において電源に対して並列に接続され、・・・・調整回路により交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し、単極性の駆動電圧信号を出力することにより・・」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)さらに、上記「理由1について」の「1.」でも指摘したように、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と、負荷(L101)の端電圧値とをどのように参考して駆動電圧信号を出力するものであるのかが技術的にみて不明である。 これらの点において、請求項11に係る発明は明確なものでない。」 カ.「理由2について」の「14.」 「請求項11において、「ブリッジ整流装置(BR101)は、・・・・直流電源の正極及び負極の出力端を備え、単極性固体スイッチ素子(1001)及び直列に接続する負荷(L101)へ伝送し、ブリッジ整流装置(BR102)は、少なくとも4個の整流ダイオードによって構成され、交流電源の入力端が交流限流回路装置(Z10)に直列接続した後交流電源に接続し、直流電源の正極、及び、負極の出力端を備え、単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD101)へ伝送し、更に駆動電圧信号を単極性固体スイッチ素子(1001)へ出力し」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)また、ブリッジ整流装置(BR101)が、単極性固体スイッチ素子(1001)及び直列に接続する負荷(L101)に対して何を伝送し、ブリッジ整流装置(BR102)が、単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD101)へ何を伝送するのかが不明確である。 (c)さらに、上記記載によれば、ブリッジ整流装置(BR102)が、駆動電圧信号を単極性固体スイッチ素子(1001)へ出力するものであるかのように解され、記載不明確である。(駆動電圧信号を単極性固体スイッチ素子(1001)へ出力するには、「調整回路(PD101)」である。) これらの点において、請求項11に係る発明は明確なものでないとともに、発明の詳細な説明に記載されたものとも認められない。」 キ.「理由2について」の「15.」 「請求項13において、「交流限流回路装置(Z10)は、交流電源の出力電流値を測定し、単極性固体スイッチ素子(1001)に電流を出力する調整回路に接続されている・・」とあるが、 (a)上記「5.(b)」と同様のことがいえる。 ・・・・・(以下、略)」 ク.「理由2について」の「17.」 「請求項14において、「単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD101)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において電源に対して並列に接続され、・・・・調整回路により、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値に基づいて、単極性の駆動電圧信号を出力し・・」とあるが、 ・・・・・(中 略)・・・・・ (b)さらに、上記「理由1について」の「1.」でも指摘したように、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と、負荷(L101)の端電圧値とにどのように基づいて駆動電圧信号を出力するものであるのかが技術的にみて不明である。 これらの点において、請求項14に係る発明は明確なものでない。」 ケ.「理由2について」の「18.」 「請求項14において、「ブリッジ整流装置(BR101)は、少なくとも4個の整流ダイオードによって構成され、直流電源の正極、及び、負極の出力端を備え、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)へ伝送し」とあるが、ブリッジ整流装置(BR101)が、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)に対して何を伝送するのかが不明確である。」 3.本願特許請求の範囲について 当審による平成30年11月16日付け拒絶理由通知に対する応答時に提出された令和元年5月17日付け手続補正書に記載された特許請求の範囲は、次のとおりである。 「【請求項1】 単相または多相交流電源と直列負荷(L101)との間に双極性固体スイッチ素子(1000)が設置され、また交流限流回路装置(Z10)、及び、双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)を備えている同期調整回路であって、 双極性固体スイッチ素子(1000)のオン位相角及びオフ位相角の二者に対して位相の同期を行うことによって、正弦波の単相または多相交流電源の電圧が、対称波の出力を維持し、単相または多相交流電源の出力電圧を調整し、直列負荷(L101)に対して安定した電圧を供給し、または直列負荷(L101)の出力電流を調整し、(a)双方向ツェナーダイオードまたは(b)ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)が逆極性直列接続されており、双方向ツェナーダイオードまたはツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は設定回路(PD200)の双極性駆動電圧信号出力端と双極性固体スイッチ素子(1000)の双極性駆動電圧信号入力端との間に接続されており、 交流限流回路装置(Z10)は、抵抗性インピーダンス素子、誘導性インピーダンス素子、容量性インピーダンス素子の中の一種または一種以上を直列接続、並列接続、または直列・並列接続することによって構成され、直列負荷(L101)及び双極性固体スイッチ素子(1000)と直列に接続しており、また、直列接続されている交流限流回路装置(Z10)と、直列負荷(L101)と、及び双極性固体スイッチ素子(1000)とは、単相または多相交流電源に並列に接続しており、 直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において、直列負荷(L101)のいずれか一方の側に設けられる双極性固体スイッチ素子(1000)は、下記の一種または一種以上の固体スイッチ素子により構成され、 (1)電気伝導度による位相角を制御可能な双方向サイリスタ素子によって構成され、双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)を有することにより、駆動電圧信号を出力し、双極性固体スイッチ素子(1000)に対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 (2)少なくとも2個の電界効果パワーデバイスによって構成され、双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)を有することにより、駆動電圧信号を出力し、双極性固体スイッチ素子(1000)に対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)は、直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において、単相または多相交流電源に対して並列に接続され、電子回路素子によって構成され、単相または多相交流電源の電圧を入力し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)を経て、双極性固体スイッチ素子(1000)のオン位相角及びオフ位相角を制御するのに用いられる駆動電圧信号を出力し、 ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は、交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御することを特徴とする同期調整回路。 【請求項2】 双極性固体スイッチ素子(1000)は、双方向サイリスタにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同期調整回路。 【請求項3】 双極性固体スイッチ素子(1000)は、少なくとも二つの電界効果パワーデバイスによって構成されており、電界効果パワーデバイスがMOSFETやIGBTにより構成されている双極性モジュールにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同期調整回路。 【請求項4】 交流限流回路装置(Z10)は、単相または多相交流電源の出力電流値を測定し、双極性固体スイッチ素子(1000)に電流が流れる経路である双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の同期調整回路。 【請求項5】 双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)は、双極性固体スイッチ素子(1000)の駆動方式を調整するのに用いられ、 (1)電気エネルギー信号を直接に出力することで双極性固体スイッチ素子(1000)を駆動する方式、 (2)ホトカプラにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、双極性固体スイッチ素子(1000)を駆動する方式、 及び、 (3)パルストランスにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、双極性固体スイッチ素子(1000)を駆動する方式、 のうち一種以上の方式によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の同期調整回路。 【請求項6】 単相または多相交流電源と直列負荷(L101)との間に双極性固体スイッチ素子(1001、1002)が設置され、また交流限流回路装置(Z10)、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)、及び別の単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD102)を備えている同期調整回路であって、 双極性固体スイッチ素子(1001、1002)のオン位相角及びオフ位相角の二者に対して位相の同期を行うことによって対称波の出力を維持し、単相または多相交流電源の出力電圧を調整し、直列負荷(L101)に対して安定した電圧を供給し、または直列負荷(L101)の出力電流を調整し、 交流限流回路装置(Z10)は、抵抗性インピーダンス素子、誘導性インピーダンス素子、容量性インピーダンス素子の中の一種または一種以上を直列接続、並列接続、または直列・並列接続することによって構成され、直列負荷(L101)及び双極性固体スイッチ素子(1000)と直列に接続しており、 直列負荷(L101)と電源との回路上において、直列負荷(L101)のいずれか一方の側に設けられる双極性固体スイッチ素子(1001、1002)は、単極性固体スイッチ素子(1001)と別の単極性固体スイッチ素子(1002)を逆極性に並列に接続することによって構成され、また単極性固体スイッチ素子(1001、1002)は下記の一種または一種以上の固体スイッチ素子によって構成され、 (1)少なくとも2個のシリコン制御整流器SCRを逆極性に並列に接続することによって構成されており、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)及び別の単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD102)の制御機能により、これらが別々に異極性の第一駆動電圧信号及び第二駆動信号を出力することによって、シリコン制御整流器SCRにより構成されている単極性固体スイッチ素子(1001)及び別の単極性固体スイッチ素子(1002)に対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 (2)少なくとも2個の電界効果パワーデバイスを逆極性に並列接続することによって構成されており、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)及び別の単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD102)の制御により、これらが別々に異極性の駆動電圧信号及び別の駆動信号を出力し、少なくとも2個の電界効果パワーデバイスにより構成されている単極性固体スイッチ素子(1001)及び別の単極性固体スイッチ素子(1002)に対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において、電源に対して並列に接続され、また電子回路素子によって構成され、ダイオード(CR101)と順極性に直列に接続することによって、ある極性の交流電圧を入力し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、駆動電圧信号を出力し、単極性固体スイッチ素子(1001)のオン位相角及びオフ位相角を制御し、 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD102)は、直列負荷(L101)と電源との回路上において電源に対して並列に接続され、電子回路素子によって構成され、ダイオード(CR102)と順極性に直列に接続することによって、別の極性の交流電圧を入力し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、駆動電圧信号を出力し、単極性固体スイッチ素子(1002)のオン位相角及びオフ位相角を制御し、 交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御することを特徴とする同期調整回路。 【請求項7】 単極性固体スイッチ素子(1001)と逆極性に直列接続されているツェナーダイオード(ZD103)、及び、単極性固体スイッチ素子(1002)と逆極性に直列接続されている別のツェナーダイオード(ZD104)を更に備え、 ツェナーダイオード(ZD103)は、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)の駆動電圧信号の出力端と単極性固体スイッチ素子(1001)の駆動電圧信号の入力端との間に直列に接続されており、 別のツェナーダイオード(ZD104)は、別の単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD104)の駆動電圧信号の出力端と単極性固体スイッチ素子(1002)の駆動電圧信号の入力端との間に直列に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の同期調整回路。 【請求項8】 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)、及び、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD104)により出力される第一駆動電圧信号、及び、第二駆動電圧信号は、 (1)直接電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 (2)ホトカプラにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 及び、 (3)パルストランスにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 のうち一種以上の方式によって構成されることを特徴とする請求項7に記載の同期調整回路。 【請求項9】 交流限流回路装置(Z10)は、単相または多相交流電源の出力電流値を測定し、単極性固体スイッチ素子(1001、1002)に電流を出力する単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103、PD104)にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項6に記載の同期調整回路。 【請求項10】 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)、及び、単極性オン位相角とオフ位相角の調整回路(PD102)により出力される第一駆動電圧信号、及び、第二駆動電圧信号は、 (1)直接電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 (2)ホトカプラにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 及び、 (3)パルストランスにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性固体スイッチ素子(1002)を駆動する方式、 のうち一種以上の方式によって構成されることを特徴とする請求項6に記載の同期調整回路。 【請求項11】 単相または多相交流電源と負荷との間に単極性固体スイッチ素子(1001)が設置され、また交流限流回路装置(Z10)、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)、ブリッジ整流装置(BR101)及び別のブリッジ整流装置(BR102)を備えている同期調整回路であって、 単極性固体スイッチ素子のオン位相角及びオフ位相角の二者に対して同期調整を行うことによって、対称波の出力を維持し、単相または多相交流電源の出力電圧を調整し、負荷に対して安定した電圧を供給し、または負荷の出力電流を調整し、 交流限流回路装置(Z10)は、抵抗性インピーダンス素子、誘導性インピーダンス素子、容量性インピーダンス素子の中の一種または一種以上を直列接続、並列接続、または直列・並列接続することによって構成され、単相または多相交流電源とブリッジ整流装置(BR101)の交流入力端との間に直列に接続され、 直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において直列負荷(L101)のいずれか一方の側に設けられる単極性固体スイッチ素子(1001)は、下記の一種または一種以上の固体スイッチ素子によって構成され、 (1)電気伝導度による位相角を制御可能なシリコン制御整流器SCRによって構成され、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)の制御により、駆動電圧信号を出力し、シリコン制御整流器SCRに対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 (2)電界効果パワーデバイスによって構成され、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)の制御により、駆動電圧信号を出力し、電界効果パワーデバイスに対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)は、直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において単相または多相交流電源に対して並列に接続され、電子回路素子によって構成され、ブリッジ整流装置(BR102)の直流出力端に並列に接続し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、駆動電圧信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)のオン位相角及びオフ位相角を制御し、 ブリッジ整流装置(BR101)は、少なくとも4個の整流ダイオードによって構成され、単相または多相交流電源へ接続し、また直流電源の正極及び負極の出力端を備え、単極性固体スイッチ素子(1001)及び直列に接続する直列負荷(L101)へ駆動電圧信号を伝送し、 ブリッジ整流装置(BR102)は、少なくとも4個の整流ダイオードによって構成され、単相または多相交流電源へ接続し、また直流電源の正極及び負極の出力端を備え、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)へ駆動電圧信号を伝送し、駆動電圧信号は更に単極性固体スイッチ素子(1001)へ出力され、 交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御することを特徴とする同期調整回路。 【請求項12】 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)により出力される駆動電圧信号は、 (1)直接電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 (2)ホトカプラにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 及び、 (3)パルストランスにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 のうち一種以上の方式によって構成されることを特徴とする請求項11に記載の同期調整回路。 【請求項13】 交流限流回路装置(Z10)は、単相または多相交流電源の出力電流値を測定し、単極性固体スイッチ素子(1001)に電流が流れる経路である単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の同期調整回路。 【請求項14】 単相または多相交流電源と直列負荷(L101)との間に単極性固体スイッチ素子(1001)が設置され、また交流限流回路装置(Z10)、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)、ブリッジ整流装置(BR101)、及び、ツェナーダイオード(ZD103)を備えている同期調整回路であって、 単極性固体スイッチ素子のオン位相角及びオフ位相角の二者に対して同期調整を行うことによって、対称波の出力を維持し、単相または多相交流電源の出力電圧を調整し、直列負荷(L101)に対して安定した電圧を供給し、または直列負荷(L101)の出力電流を調整し、 交流限流回路装置(Z10)は、抵抗性インピーダンス素子、誘導性インピーダンス素子、容量性インピーダンス素子の中の一種または一種以上を直列接続、並列接続、または直列・並列接続することによって構成され、交流限流回路装置(Z10)の第一端が単相または多相交流電源の一端へ通じ、直列負荷(L101)が交流限流回路装置(Z10)の第二端とブリッジ整流装置(BR101)の交流入力端との間に直列に接続し、ブリッジ整流装置(BR101)の第二交流入力端は単相または多相交流電源の第二端へ通じ、 直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において直列負荷(L101)のいずれか一方の側に設けられる単極性固体スイッチ素子(1001)は、下記の一種または一種以上の固体スイッチ素子によって構成され、 (1)電気伝導度による位相角が制御可能なシリコン制御整流器SCRによって構成され、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)の制御により、駆動電圧信号を出力し、ツェナーダイオード(ZD103)を経て、シリコン制御整流器SCRに対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 (2)電界効果パワーデバイスによって構成され、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)の制御により、駆動電圧信号を出力し、ツェナーダイオード(ZD103)を経て、電界効果パワーデバイスに対して、オン位相角及びオフ位相角を制御し、 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)は、直列負荷(L101)と単相または多相交流電源との回路上において単相または多相交流電源に対して並列に接続され、電子回路素子によって構成され、ブリッジ整流装置(BR101)の直流出力端に並列に接続し、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、駆動電圧信号を出力し、単極性固体スイッチ素子(1001)のオン位相角及びオフ位相角を制御し、 ブリッジ整流装置(BR101)は、少なくとも4個の整流ダイオードによって構成され、直流電源の正極、及び、負極の出力端を備え、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)へ駆動電圧信号を伝送し、 ツェナーダイオード(ZD103)は、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)の駆動電圧信号の出力端と単極性固体スイッチ素子(1001)の駆動電圧信号の入力端との間に直列に接続し、 交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御することを特徴とする同期調整回路。 【請求項15】 単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)により出力される駆動電圧信号は、 (1)直接電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 (2)ホトカプラにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 及び、 (3)パルストランスにより絶縁隔離を行い、電気エネルギー信号を出力することにより、単極性固体スイッチ素子(1001)を駆動する方式、 のうち一種以上の方式によって構成されることを特徴とする請求項14に記載の同期調整回路。」 4.当審の判断 (1)理由1(特許法第36条第4項第1号違反) 上記「2.(1)」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項1~15において、所定の固体スイッチ素子に対してオン位相角及びオフ位相角を制御するのに用いられる駆動電圧信号を出力する回路については、「設定回路」なる用語に統一されるとともに、当該「設定回路」は、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」駆動電圧信号を出力する旨の補正がなされた。 これに対して、発明の詳細な説明についても補正がなされたが、所定の固体スイッチ素子に対してオン位相角及びオフ位相角を制御するのに用いられる駆動電圧信号を出力する回路について、依然として「設定回路」なる用語だけでなく「調整回路」なる用語が混在して用いられている。そして、「設定回路」については、段落【0020】~【0022】、【0038】~【0041】、【0061】に、自体の回路を通して機能の設定を行うことにより(自体の回路設定機能により)所定の駆動電圧信号を出力することが記載され、また、「調整回路」については、段落【0015】、【0028】~【0031】、【0050】~【0052】、【0059】~【0060】、【0068】~【0070】、【0075】~【0078】、【0085】~【0087】に、自体の回路設定機能と交流限流回路装置(Z10)を流れる電流値に基づいて所定の駆動電圧信号を出力することが記載されている。 しかしながら、これら補正に関して、請求人は令和元年5月17日付けの意見書において、単に「原請求項1を除く各項に記載の『・・・通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し』などの誤記を、「通過する電流値に基づいて」に修正しました。」と述べているのみであり、当審による上記拒絶理由通知において「意見書において、『調整回路』と『設定回路』について、それぞれの具体的な回路図を示すなどして、それぞれの回路がどのようにして駆動電圧信号を出力しているのかを詳しく説明するとともに、『調整回路』と『設定回路』との違いについても分かり易く説明をされたい」と付記したにもかかわらず、「設定回路(あるいは調整回路)」について、自体の回路を通してどのように機能の設定を行い、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか何ら具体的な説明はされておらず、また、特許法第36条第4項第1号違反ではない(いわゆる実施可能要件違反ではない)ことの具体的な反論もされていない。なお、「通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し」なる記載が、「通過する電流値に基づいて」の誤記であったとする根拠も不明である。 したがって依然として、「設定回路(あるいは調整回路)」が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか技術的にみて不明である。特に請求項11に係る発明に対応する図8に示されるものや、請求項14に係る発明に対応する図9に示されるものでは、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オン」となってはじめて交流限流回路装置(Z10)を電流が流れるのであって、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オフ」の場合、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値は基本的にはゼロであり、単極性固体スイッチ素子(1001)を「オン」とするための駆動電圧信号は「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」出力することはできないはずである。よって、技術常識を考慮してもかかる「設定回路(あるいは調整回路)」を当業者といえども具体的に理解することはできないから、本件出願の発明の詳細な説明は、請求項1~15に係る発明について、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものとは認められない。 よって、本件出願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 (2)理由2(特許法第36条第6項第1号・第2号違反) ア.「理由2について」の「3.」について 上記「2.(2)ア.」に記載したとおりの指摘に対して、 まず(b)の点については、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項1において、「設定回路」は、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値、負荷(L101)の端電圧値に基づいて」駆動電圧信号を出力するとあった記載が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」駆動電圧信号を出力すると補正された。 しかしながら、上記「(1)」でも述べたとおり、かかる補正に関して、請求人は令和元年5月17日付けの意見書において、単に「原請求項1を除く各項に記載の『・・・通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し』などの誤記を、「通過する電流値に基づいて」に修正しました。」などと述べているのみであって、依然として、「設定回路」が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか技術的にみて不明である。 また、(c)の点については、請求項1には、「・・(a)双方向ツェナーダイオードまたは(b)ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)が逆極性直列接続されており、双方向ツェナーダイオードまたはツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は設定回路(PD200)の双極性駆動電圧信号出力端と双極性固体スイッチ素子(1000)の双極性駆動電圧信号入力端との間に接続されており」と記載(7~11行目)され、設定回路(PD200)と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に接続される素子としては、「双方向ツェナーダイオード」または「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)」のどちらかであると選択的に記載している。一方、「双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)は、・・・・・交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて、ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)を経て、双極性固体スイッチ素子(1000)のオン位相角及びオフ位相角を制御するのに用いられる駆動電圧信号を出力し」とも記載(28~33行目)され、ここでは、駆動電圧信号は「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)」を経て双極性固体スイッチ素子(1000)に出力されることが記載されているのみである。よって、依然として両記載の関係が不明である(特に、前者の記載において「双方向ツェナーダイオード」が設定回路(PD200)と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に接続されてなる場合と後者の記載との関係が不明である)。 したがって、請求項1に係る発明は明確なものでない。 イ.「理由2について」の「4.」について 上記「2.(2)イ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項1における「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は、双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)と双極性固体スイッチ素子(1000)との間に逆極性に直列接続されており、交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御する・・」なる記載が、「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)は、交流電気エネルギーが印加される抵抗、抵抗を含む誘導性負荷、抵抗を含む容量性負荷、または直列に接続されている抵抗を含む誘導性負荷及び容量性負荷を制御する・・」と補正された。 しかしながらその結果、「ツェナーダイオード(ZD101、ZD102)」が、交流電気エネルギーが印加される所定の負荷を制御するものであるかのような記載となっており、技術的にみて意味不明である。 したがって依然として、請求項1に係る発明は明確なものでない。 ウ.「理由2について」の「5.」について 上記「2.(2)ウ.」に記載したとおりの指摘に対して、 令和元年5月17日付け手続補正により、請求項4における「・・双極性固体スイッチ素子(1000)に電流を出力する調整回路に接続されている・・」なる記載が、「・・双極性固体スイッチ素子(1000)に電流が流れる経路である双極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD200)に接続されている・・」と補正された。 しかしながら、双極性オン位相角とオフ位相角の「設定回路(PD200)」が、「双極性固体スイッチ素子(1000)に電流が流れる経路」であるとする記載は意味不明である。 したがって依然として、請求項4に係る発明は明確なものでない。 エ.「理由2について」の「8.」について 上記「2.(2)エ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項6において、「設定回路(PD101)」及び「設定回路(PD102)」(補正前の「第一調整回路」及び「第二調整回路」)は、いずれも「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し」駆動電圧信号を出力するとあった記載が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」駆動電圧信号を出力すると補正された。 しかしながら、上記「ア.」の「(b)の点について」で述べたとおりであって、依然として、「設定回路(PD101)」及び「設定回路(PD102)」が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか技術的にみて不明である。 したがって、請求項6に係る発明は明確なものでない。 オ.「理由2について」の「13.について」 上記「2.(2)オ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項11において、「設定回路(PD101)」(補正前の調整回路(PD101))は、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値を参考し」駆動電圧信号を出力するとあった記載が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」駆動電圧信号を出力すると補正された。 しかしながら、上記「ア.」の「(b)の点について」で述べたとおりであって、依然として、「設定回路(PD101)」が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか技術的にみて不明である。そもそも、請求項11に係る発明に対応する図8からも明らかなように、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オン」となってはじめて交流限流回路装置(Z10)を電流が流れるのであって、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オフ」の場合、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値は基本的にはゼロであり、特に単極性固体スイッチ素子(1001)を「オン」とするための駆動電圧信号については「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」出力することはできないはずである。 したがって、請求項11に係る発明は明確なものでない。 カ.「理由2について」の「14.」について 上記「2.(2)カ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項11において、「ブリッジ整流装置(BR101)」は、単極性固体スイッチ素子(1001)及び直列に接続する直列負荷(L101)へ「駆動電圧信号」を伝送し、「ブリッジ整流装置(BR102)」は、単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)へ「駆動電圧信号」を伝送する旨の補正がなされた。 しかしながら、「ブリッジ整流装置(BR101)」から単極性固体スイッチ素子(1001)等へ伝送され、「ブリッジ整流装置(BR102)」から設定回路(PD101)へ伝送されるのは、いずれも直流電源(交流電源を直流に整流したもの)のはずであり、補正後の記載も依然として不明確である。 したがって、請求項11に係る発明は明確なものでない。 キ.「理由2について」の「15.」について 上記「2.(2)キ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項13における「・・単極性固体スイッチ素子(1001)に電流を出力する調整回路に接続されている・・」なる記載が、「・・単極性固体スイッチ素子(1001)に電流が流れる経路である単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD101)に接続されている・・」と補正された。 しかしながら、上記「ウ.」で述べたのと同様であって、単極性オン位相角とオフ位相角の「設定回路(PD101)」が、「単極性固体スイッチ素子(1001)に電流が流れる経路」であるとする記載は意味不明である。 したがって依然として、請求項13に係る発明は明確なものでない。 ク.「理由2について」の「17.」について 上記「2.(2)ク.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項14において、「設定回路(PD101)」(補正前の調整回路(PD101))は、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値と負荷(L101)の端電圧値に基づいて」駆動電圧信号を出力するとあった記載が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」駆動電圧信号を出力すると補正された。 しかしながら、上記「ア.」の「(b)の点について」で述べたとおりであって、依然として、「設定回路(PD101)」が、「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」如何にして駆動電圧信号を出力するのか技術的にみて不明である。そもそも、請求項14に係る発明に対応する図9からも明らかなように、負荷(L101)が交流限流回路装置(Z10)とブリッジ整流装置(BR101)との間に接続されていることも踏まえると、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オン」となってはじめて交流限流回路装置(Z10)を電流が流れるのであって、単極性固体スイッチ素子(1001)が「オフ」の場合、交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値は基本的にはゼロであり、特に単極性固体スイッチ素子(1001)を「オン」とするための駆動電圧信号については「交流限流回路装置(Z10)を通過する電流値に基づいて」出力することはできないはずである。 したがって、請求項14に係る発明は明確なものでない。 ケ.「理由2について」の「18.」について 上記「2.(2)ケ.」に記載したとおりの指摘に対して、令和元年5月17日付け手続補正により、請求項14において、「ブリッジ整流装置(BR101)」は、単極性固体スイッチ素子(1001)及び単極性オン位相角とオフ位相角の設定回路(PD103)へ「駆動電圧信号」を伝送する旨の補正がなされた。 しかしながら、上記「カ.」で述べたのと同様であって、「ブリッジ整流装置(BR101)」から単極性固体スイッチ素子(1001)及び設定回路(PD103)へ伝送されるのは、直流電源(交流電源を直流に整流したもの)のはずであり、補正後の記載も依然として不明確である。 したがって、請求項14に係る発明は明確なものでない。 よって、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 5.むすび 以上のとおり、本件出願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-010548

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