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特許拒絶査定不服審判

2017-010418

計測システムおよび計測方法

審判番号
2017-010418
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-111802外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年07月13日
審決日
2018年05月28日
公報発行日
2018年07月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第39条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-111802「計測システムおよび計測方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月12日出願公開、特開2015-200661、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2010年(平成22年)9月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年9月3日(以下、「優先日」という。)、2010年8月31日、いずれも米国)を国際出願日とする出願である特願2012-528011号(以下、「原出願」という。)の一部を平成27年6月2日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 5月26日付け:拒絶理由通知書 平成28年11月30日  :意見書、手続補正書の提出 平成29年 3月 7日付け:拒絶査定(送達日:同年同月14日) 平成29年 7月13日  :審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定(平成29年3月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-14に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2007/143056号 2.特公平1-27361号公報 3.国際公開第2009/023154号 4.特表2001-525919号公報 5.特開2008-83032号公報 第3 本願発明 本願請求項1-14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明14」という。)は、平成28年11月30日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-14に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-3、11は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 計測システムであって、 回折限界光ビームを生成するように構成されている光源と、 照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザーと、 前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付け、かつ前記回折格子標的からの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、 前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている視野絞りと、 前記視野絞りを通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成することにより、スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記回折格子標的が測定されるように構成されている検出器と、 前記出力を使用して、前記回折格子標的の特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、 前記ウェハの像を生成するように構成される追加的検出器と、を備え、 前記コンピュータシステムは、前記像を使用して、前記回折格子標的の追加的特性を判定するように更に構成され、 前記特性は、スキャタロメトリに基づく重ね合わせを含み、前記追加的特性は、結像に基づく重ね合わせを含む、計測システム。 【請求項2】 計測システムであって、 回折限界光ビームを生成するように構成されている光源と、 照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザーと、 前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付け、かつ前記回折格子標的からの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、 前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている視野絞りと、 前記視野絞りを通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成することにより、スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記回折格子標的が測定されるように構成されている検出器と、 前記出力を使用して、前記回折格子標的の特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、 前記ウェハの像を生成するように構成される追加的検出器と、を備え、 前記コンピュータシステムは、前記像を使用して、前記回折格子標的の追加的特性を判定するように更に構成され、 前記光学素子は、前記回折格子標的からの前記散乱光を収集するように構成され、かつ前記像を生成するために使用される前記ウェハからの光を収集するように構成されている対物レンズを含む、計測システム。 【請求項3】 計測システムであって、 回折限界光ビームを生成するように構成されている光源と、 照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザーと、 前記光源からの前記光ビームを、前記入射瞳の特定の部分のみへと方向付けるように構成されているマイクロミラーアレイデバイスと、 前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上のスポットへと方向付け、かつ前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、 前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている視野絞りと、 スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記ウェハが測定されるように、前記視野絞りを通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている検出器と、 前記出力を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、 を備える、計測システム。」 「 【請求項11】 計測システムであって、 回折限界光ビームを生成するように構成されている光源であって、スーパーコンティニュームレーザーである光源と、 照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザーと、 前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上のスポットへと方向付け、かつ前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、 前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている視野絞りと、 スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記ウェハが測定されるように、前記視野絞りを通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている検出器と、 前記出力を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、 を備える、計測システム。」 なお、本願発明4-10、12-14の概要は以下のとおりである。 本願発明4-10は、本願発明3を減縮した発明である。 本願発明12-14は、本願発明11を減縮した発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について (1)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。原文の引用の後に日本語訳を記載する。日本語訳は引用文献1に対応する公表特許公報(特表2009-539109号公報)による。(下線は当審による。以下同様。) 「[0001] The invention pertains to systems and methods for performing overlay measurements on semiconductor structures and the like.」 「【0001】 本発明は、半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステムおよび方法に関する。」 「[0004] Accordingly, apparatus and methods for measuring a characteristic, such as overlay, of a semiconductor target are provided. In general, order-selected imaging and/or illumination is performed while collecting an image from a target using a metrology system. In one implementation, tunable spatial modulation is provided only in the imaging path of the system. In other implementations, tunable spatial modulation is provided in both the illumination and imaging paths of the system. In a specific implementation, tunable spatial modulation is used to image side-by-side gratings with diffraction orders ±n. The side-by-side gratings may be in different layers or the same layer of a semiconductor wafer. The overlay between the structures is typically found by measuring the distance between centers symmetry of the gratings. In this embodiment, only orders ±n for a given choice of n (where n is an integer and not equal to zero) are selected, and the gratings are imaged with only these diffraction orders. [0005] In one embodiment, an optical apparatus for measuring a characteristic of a semiconductor target is disclosed. The apparatus includes an illumination system for generating and directing illumination rays towards a semiconductor target via an illumination path and an imaging system for directing light scattered from the semiconductor target in response to the illumination rays. The imaging system has an image sensor for forming an image from scattered light, one or more optical components that are arranged to direct the scattered light to the sensor via an imaging path, and a tunable spatial modulation device for selectively directing specific diffraction orders of the scattered light towards the image sensor while blocking selected other diffraction orders of the scattered light from reaching the image sensor. [0006] In a specific implementation, the tunable spatial modulation device is positioned at a plane that is substantially conjugate to the pupil of the imaging path. In a further aspect, the imaging system further comprises relay optics for receiving the scattered light and forming the plane that is substantially conjugate to the pupil of the imaging path. In yet a further aspect, the semiconductor target is formed from one or more grating structures and the tunable spatial modulation device is configurable to selectively direct only one or more ±n pairs of orders towards the sensor, wherein n is an integer that is not zero. In a specific implementation, the tunable spatial modulation device is configurable to selectively direct only diffraction orders ±1 towards the sensor. [0007] In another implementation, the illumination system includes a second tunable spatial modulation device for selectively directing one or more of the illumination rays at specific illumination angles (or normal) and numerical apertures towards the semiconductor target, wherein the second tunable spatial modulation device is positioned at a plane that is substantially conjugate to the pupil of the illumination path. In another aspect, the tunable spatial modulation device includes one or more of the following: a replaceable mechanical aperture, a spatial light modulator (SLM), or a diffractive optical element (DOE). In yet another feature, the pupil of the imaging path is inaccessible and the tunable spatial modulation device is positioned at a plane that is the closest accessible plane to the pupil of the imaging path.」 「【0004】 したがって、半導体ターゲットのオーバレイなどの特性を測定する装置および方法を提供する。一般に、次数選択された画像化および/または照射が実行され、測定システムを用いてターゲットから画像を収集する。一実施において、調節可能な空間変調は本システムの画像化経路のみに提供される。他の実施において、調節可能な空間変調は本システムの照射経路および画像化経路の両方に提供される。特定の実施において、調節可能な空間変調は±nの回折次数を有する、隣接するグレーティングを画像化するために用いられる。隣接するグレーティングは半導体ウエハの異なる層または同一の層内であってよい。構造物間のオーバレイは通常、グレーティングの対称中心間の距離を測定することによって見出される。この実施形態の場合、n(nはゼロではない整数)の所定の選択に対して±nの次数のみが選択され、グレーティングはこれらの回折次数を用いてのみ画像化される。 【0005】 一実施形態において、半導体ターゲットの特性を測定するための光学装置を提供する。本装置は、照射線を生成し、照射経路を介して半導体ターゲットに対して照射線を向けるための照射システムと、照射線に応じて、半導体ターゲットから散乱した光を方向付けるための画像化システムとを備える。その画像化システムは、散乱した光から画像を形成するための画像センサと、画像化経路を介して、散乱した光をセンサに向けるように構成された1つ以上の光学部品と、散乱した光の特定の回折次数を画像センサに選択的に向け、他方で、散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して画像センサに到達しないようにするための調節可能な空間変調装置とを備える。 【0006】 特定の実施において、調節可能な空間変調装置は、画像化経路の瞳と実質的に共役する平面に配置される。更なる態様において、画像化システムは、散乱した光を受けて、画像化経路の瞳と実質的に共役する平面を形成するためのリレー光学系をさらに備える。更なる態様において、半導体ターゲットは1つ以上のグレーティング構造から形成され、調節可能な空間変調装置は、一つ以上の±n(nはゼロではない整数である)の対の次数のみをセンサに対して選択的に向けるように構成可能である。特定の実施において、調節可能な空間変調装置は、±1の回折次数のみをセンサに選択的に向けるように構成可能である。 【0007】 別の実施において、照射システムは、1つ以上の照射線を、特定の照射角度(または垂直)および開口数で半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、第2の調節可能な空間変調装置は、照射経路の瞳と実質的に共役する平面に配置される。別の態様において、調節可能な空間変調装置は、交換可能な機械的開口部、空間光変調器(SLM)、または回折光学素子(DOE)の1つ以上を備える。さらに別の特徴において、画像化経路の瞳は手の届かない位置にあり、調節可能な空間変調装置は、画像化経路の瞳に対して最も接近した、手の届く位置の平面に配置される。」 「[0033] Fig. 1 is a diagram of a microscope 50, in accordance with one embodiment of the present invention. The microscope 50 is primarily configured for semiconductor metrology and/or semiconductor inspection tools. For example, the microscope 50 may be used to perform any one or more of the following measurements: overlay measurements, line width measurements, defect measurements, etc. [0034] The microscope 50 includes an illumination system 52 configured to generate illumination rays and then direct such illumination rays towards a sample. The illumination system 52 generally includes a light source 54 and various optical components, which are disposed along an illumination path. In the illustrated example, the illumination system includes optical components 56 that also form part of an imaging system 62 for directing light scattered from the sample in response to the illumination rays. That is, optical components 56 are configured to both illuminate a sample 58 with the illumination rays provided by the light source 54 and collects light propagating from or scattering off the sample 58. Of course, the illumination system 52 may be configured to form an illumination path for the illumination rays that is separate from the scattered light path that is formed through the imaging system. [0035] In the illustrated implementation, the optical components 56 include an objective lens 60 that is configured to focus the illumination rays onto the sample 58 (within a field of view and at an area of interest), and also collect the light that scatters off the surface of the sample 58. The light scattering off the sample 58 is directed to components of the imaging system 62 along an imaging path. [0036] The imaging system 62 generally includes an image sensor 64 and various optical components for directing the scattered light to the sensor 64. The imaging system 62 may, for example, include a beam splitter 63 that separates the illumination path from the imaging path so that the scattered light is directed towards an image sensor 64. The beam splitter, in this example, also forms part of the illumination system 52 and is configured to direct illumination rays towards the sample. [0037] In general, the sensor 64 can be formed so as to receive the scattered light and transform it into an image. The image sensor 64 can take any suitable form for sensing the scattered light, such as a CCD (charge coupled device), CCD arrays, a TDI (time delay integration) sensor, TDI sensor arrays, PMT's (photo multiplier tubes), or many other sensors known to those having ordinary skill in the art. The image can then be analyzed by controller 70, for example, to determine overlay error, line width, and defects associated with the sample (e.g., semiconductor wafer). [0038] The system 50 may also include controller 70 that is configured to control various components of the microscope and analyze data and/or images collected by such components. For instance, the controller 70 may be configured to synchronize the illumination and imaging systems 52 and 62, and more particularly the light source 54 and image sensor 64, so that images can be taken of the surface of the sample 58. The controller 70 may also, for example, provide commands for controlling the illumination characteristics of the illumination system 52 (e.g., light source). The controller 70 may also provide commands for controlling imaging characteristics (e.g., frame grabbing times) of the imaging system 62 (e.g., image sensor). The controller 70 may also receive information, such as the image data, from the image sensor 64. The controller 70 may also provide commands for positioning the objective lens 60 and sample 58 so that a desired location of the sample 58 can be properly imaged. [0039] In accordance with one embodiment, the microscope 50 provides a tunable spatial modulation device at a plane that is conjugate or approximately conjugate to the pupil in either or both the illumination and imaging paths. A tunable spatial modulation device may, for example, include one or more replaceable mechanical apertures, one or more spatial light modulators (SLM), one or more diffractive optical elements (DOE), or the like. A spatial modulation device in the illumination path enables the selection of the illumination angle and NA through the use of spatial modulation. This modulation may be further optimized for each wavelength or wavelength band independently. A spatial modulation device in the imaging path allows a choice of angles at which light reflected from a wafer is collected by the imaging system. For grating structures, for example as used in overlay measurements, this choice enables imaging with pre-selected diffraction orders ±n. [0040] In one example, the modulation device is configured in such a way as to separate the diffractive orders of the imaged light. Only the desired diffractive orders pass through to the image sensor, while all other diffractive orders are blocked from reaching the image senor. This order selection arrangement provides several advantages in certain metrology and inspection situations, especially with respect to overlay metrology as described further herein. [0041] In one implementation, tunable spatial modulation is only provided on the imaging side. In other implementations, tunable spatial modulation is provided on both the illumination and imaging sides. Of course other configurations can be utilized. In a specific implementation, the tunable spatial modulation is used to image side-by-side gratings with diffraction orders ±n. The side-by-side gratings may be in different layers or the same layer of a semiconductor wafer. The overlay between the structures is typically found by measuring the distance between centers symmetry of the gratings. In this embodiment, only orders ±n for a given choice of n (where n is an integer and not equal to zero) are selected, and the gratings are only imaged with these diffraction orders. This arrangement offers many advantages including reducing sensitivity to optical aberrations and sensitivity to focus position. This arrangement also provides a significant improvement in the image contrast because of the elimination of the specular reflection (i.e., order 0), thus, reducing the background signal.」 「【0017】 図1は、本発明の一実施形態に係る顕微鏡50の図である。顕微鏡50は主に、半導体測定および/または半導体検査ツールとして構成される。例えば、顕微鏡50は、オーバレイ測定、ライン幅測定、欠陥測定などの測定のうちの1つ以上を実行するために用いてよい。 【0018】 顕微鏡50は照射線を生成して、サンプルに対してその照射線を方向付けるように構成された照射システム52を含む。照射システム52は通常、光源54および様々な光学部品を備え、それらは照射経路に沿って配置される。図に示す例において、照射システムは、照射線に応じてサンプルから散乱した光を方向付けるための、画像化システム62の一部を形成する光学部品56を備える。すなわち、光学部品56は、光源54によって提供される照射線を用いてサンプル58を照射し、且つ当該サンプル58から伝播するか、散乱した光を収集するように構成されている。もちろん、照射システム52は、画像化システムを介して形成される散乱した光の経路から分離された照射線のための照射経路を形成するように構成してもよい。 【0019】 図に示す実施において、光学部品56は、照射線の焦点をサンプル58(視野内および当該領域内における)に合わせ、サンプル58の表面から散乱する光を収集するように構成される対物レンズ60を備える。サンプル58から散乱する光は、画像化経路に沿って画像化システム62の部品へ方向付けられる。 【0020】 画像化システム62は一般に、画像センサ64および散乱した光をセンサ64に方向付ける光学部品を備える。画像化システム62は、例えば、画像化経路から照射経路を分離して散乱した光を画像センサ64に方向付けるビームスプリッタ63を備える。ビームスプリッタは、この例においては、照射システム52の一部を形成し、照射線をサンプルに方向付けるように構成される。 【0021】 一般に、センサ64は、散乱した光を受けてその光を画像に変換するように形成される。この画像センサ64は、例えば、CCD(電荷結合素子)、CCDアレイ、TDI(Time Delay Integration)センサ、TDIセンサアレイ、PMT(光電子増倍管)、または当業者に公知の多くの他のセンサなど、散乱した光を感知する任意の適切な形態をとることができる。その画像は制御部70によって分析され、例えば、サンプル(例えば半導体ウエハ)に関連する、オーバレイエラー、ライン幅、および欠陥を判定することができる。 【0022】 システム50は、顕微鏡の様々な部品を制御して、その部品によって収集されたデータおよび/または画像を分析するように構成された制御部70を備えてもよい。例えば、制御部70は、照射システム52と画像化システム62とを、より詳細には、光源54と画像センサ64とを同期させ、サンプル58の表面の画像を取得することができるように構成してもよい。制御部70はまた、例えば、照射システム52(例えば光源)の照射特性を制御するための命令を提供してもよい。制御部70はまた、画像化システム62(例えば画像センサ)の画像化特性(例えばフレーム捕捉時間)を制御するための命令を提供してもよい。制御部70はまた、画像センサ64から画像データなどの情報を受信してもよい。制御部70はまた、対物レンズ60およびサンプル58を位置付けるための命令を提供してサンプル58の所望の位置を適切に画像化することができる命令を提供してもよい。 【0023】 一実施形態によると、顕微鏡50は、照射経路および画像化経路のいずれか一方または両方において瞳と共役する、またはおよそ共役する面において、調節可能な空間変調素子を提供する。調節可能な空間変調素子は、例えば、1つ以上の交換可能な機械的(mechanical)開口部、1つ以上の空間光変調器(SLM)、1つ以上の回折光学素子(DOE)などを備えてもよい。照射経路における空間変調素子により、空間変調を用いることで、照射角度およびNAを選択することができる。この変調はさらに、個々の波長または波長域を独立して最適化してもよい。この画像化経路における空間変調素子により、ウエハから反射された光が画像化システムによって収集される角度を選択することができる。例えば、オーバレイ測定に用いられるグレーティング構造のために、この選択によって、あらかじめ選択された回折次数±nを用いて画像化することができる。 【0024】 一例において、変調素子は、画像化された光の回折次数を分離するように構成される。所望の回折次数のみが画像センサを経て、他方で、他の全ての回折次数は画像センサに届かずに遮断される。この次数選択の構成は、所定の測定および検査の状態、特に、本明細書に記載するオーバレイ測定に関していくつかの利点を提供する。 【0025】 一実施において、調節可能な空間変調は画像化側のみに提供される。他の実施において、調節可能な空間変調は照射側および画像化側の両方に提供される。もちろん他の構成もまた利用可能である。特定の実施において、調節可能な空間変調は、回折次数±nを用いて隣接する(side-by-side)グレーティングを画像化するために用いられる。この隣接するグレーティングは半導体ウエハの異なる層または同一の層であってもよい。構造物間のオーバレイは、通常、グレーティングの対称中心間の距離を測定することによって見出される。この実施形態において、n(nは整数であり、ゼロと等しくない)の所定の選択としての次数±nのみが選択され、グレーティングはこれらの回折次数を用いて画像化されるのみである。この構成は、光学上の収差に対する感受性および焦点位置に対する感受性を低減させることを含む多くの利点を提供する。この構成はまた、正反射(例えば次数0)を除去してバックグラウンド信号を低減させるので、画像のコントラストを著しく改善する。」 「[0083] Thus, it is desirable to place the modulation device at a position that is close enough to the exit pupil to allow blocking of substantially all of one or more selected diffracted order(s) while allowing substantially all of other selected diffraction orders to reach a sensor. The degree of separation of the diffraction orders depends on the wavelength of the light used, the optics configuration, the size of the modulation device, and the pitch of the particular targets. Thus, the wavelength and optics configuration of the metrology tool are preferably chosen so as to provide sufficient order separation for allowing spatial modulation of such orders, while the spatial modulation device is placed as close as physically possible to the exit pupil. [0084] In specific implementations, the modulation device takes the form of a glass plate having several chrome-on-glass patterns (or other suitable material, besides chrome). Each of the patterns can be arranged to select a subset of diffraction orders at a particular accessible plane location (e.g., after the beam splitter cube). The glass may be moved and/or rotated in directions perpendicular to the accessible plane so as to position the patterns to block undesired diffraction orders and to position the unpattemed portions to allow the desired diffraction orders. [0085] The glass may also be coated with an anti-reflective material in order to reduce reflections from the glass, and can be tilted so that the residual reflections are directed out of the optical system. Additionally, the modulation device areas in which it is intended for the diffracted orders to pass through may be drilled though so as to provide apertures at such locations so that the glass will not affect the desired diffracted orders. The chrome patterns may also be modified to perform an apodization function rather than order selection. In another embodiment, other approaches instead of chrome-on-glass may be used for the modulation device. By way of examples, a liquid crystal transmissive or reflective pixellated element or a DMD (digital micro-mirror device) may be used. For a reflective approach, the geometry of the optics may need to be modified so as to increase the quality of the reflective surface of the modulation device.」 「【0067】 このように、実質的に、1つ以上の選択された回折次数の全てを遮断し、その一方で、実質的に、他の選択された回折次数を伝達してセンサに到達するために、射出瞳に対して十分に接近した位置に変調装置を配置することが所望される。回折次数の分離の程度は、使用される光の波長、光学系の構成、変調装置のサイズ、および特定のターゲットのピッチに依存する。このように、測定ツールの波長および光学系の構成は、十分な次数の空間変調を可能にするために十分な次数の分離を提供するように選択され、その一方で、空間変調装置は射出瞳に対して可能な限り物理的に接近して配置されることが好ましい。 【0068】 特定の実施において、変調装置は、複数のクロム・オン・グラス(COG:chrome-on-glass)パターン(または、クロムに加えて他の適切な材料)を有するガラスプレートの形態をとる。各々のパターンは、特定の手に届く平面位置(例えば、ビーム分割キューブの後)に、回折次数のサブセットを選択するように構成可能である。ガラスは、不必要な回折次数を遮断するようにそのパターンを配置し、且つ所望の回折次数を可能にするようにパターン化されていない部分を配置するように、手の届く位置の面と直交する方向において移動および/または回転してもよい。 【0069】 ガラスはまた、そのガラスから反射を低減させるために、反射防止用の材料を用いてコーティングしてもよく、残留反射を光学システムから導くことができるように傾斜させてもよい。さらに、回折次数が通過するように意図された変調装置の領域は、ガラスが所望の回折次数に影響を与えないような位置に開口を提供するように、ドリルで穴を開けてもよい。クロムのパターンはまた、次数の選択ではなく、むしろアポディゼーションの関数を実行するために修正してもよい。別の実施形態において、クロム・オン・グラスの代わりに他のアプローチが、変調装置に対して用いられてもよい。例えば、液晶の透過型または反射型のピクセル化された(pixellated)素子またはDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)が用いられてもよい。反射型のアプローチに対して、光学系の形状は、変調装置の反射表面の品質を増加させるために修正する必要があってもよい。」 「CLAIMS ・・・(中略)・・・ 22.   At least one computer readable storage medium having computer program instructions stored thereon that are arranged to perform the following operations: determining a set of diffraction orders to use for imaging the semiconductor target; configuring a metrology tool so as to image the target using the determined set of diffraction orders; collecting an image of the target that is formed from the determined set of diffraction orders; and determining and storing an overlay error based on the collected image.」 「【請求項22】 コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を有する、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、 半導体ターゲットを画像化するために用いる回折次数のセットを判定する工程と、 測定ツールを、前記判定された回折次数のセットを用いて前記ターゲットを画像化するように構成する工程と、 前記判定された回折次数のセットから形成される前記ターゲットの画像を収集する工程と、 前記収集された画像に基づいてオーバレイエラーを判定および記憶する工程と を実行するように構成されている、コンピュータ可読記憶媒体。」 (2)引用文献1に記載された発明 引用文献1の前記(1)の記載(特に下線を付した部分)によれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステム([0001]より。公表特許公報では【0001】が対応。以下同様。)であって、 顕微鏡50は照射線を生成して、サンプルに対してその照射線を方向付けるように構成された照射システム52を含み、照射システム52は光源54を備え([0034]、【0018】)、 照射システムは、1つ以上の照射線を、特定の照射角度(または垂直)および開口数で半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、第2の調節可能な空間変調装置は、照射経路の瞳と実質的に共役する平面に配置され([0007]、【0007】)、変調装置は、複数のクロム・オン・グラス(COG:chrome-on-glass)パターン(または、クロムに加えて他の適切な材料)を有するガラスプレートの形態をとり([0084]、【0068】)、クロムのパターンはまた、次数の選択ではなく、むしろアポディゼーションの関数を実行するために修正してもよく([0085]、【0069】)、 照射システム52は通常、光源54および様々な光学部品を備え、それらは照射経路に沿って配置され、照射システムは、照射線に応じてサンプルから散乱した光を方向付けるための、画像化システム62の一部を形成する光学部品56を備え、光学部品56は、光源54によって提供される照射線を用いてサンプル58を照射し、且つ当該サンプル58から伝播するか、散乱した光を収集するように構成されており([0034]、【0018】)、光学部品56は、照射線の焦点をサンプル58(視野内および当該領域内における)に合わせ、サンプル58の表面から散乱する光を収集するように構成される対物レンズ60を備え([0035]、【0019】)、 画像化経路の瞳と実質的に共役する平面に配置され([0006]、【0006】)、散乱した光の特定の回折次数を画像センサに選択的に向け、他方で、散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して画像センサに到達しないようにするための調節可能な空間変調装置([0005]、【0005】)を備え、 センサ64は、散乱した光を受けてその光を画像に変換するように形成され([0037]、【0021】)、 その画像は制御部70によって分析され、例えば、サンプル(例えば半導体ウエハ)に関連する、オーバレイエラー、ライン幅、および欠陥を判定することができ([0037]、【0021】)、顕微鏡の様々な部品を制御して、その部品によって収集されたデータおよび/または画像を分析するように構成された制御部70を備えてもよく、例えば、制御部70は、照射システム52と画像化システム62とを、より詳細には、光源54と画像センサ64とを同期させ、サンプル58の表面の画像を取得することができるように構成してもよく、画像化システム62(例えば画像センサ)の画像化特性(例えばフレーム捕捉時間)を制御するための命令を提供してもよく([0038]、【0022】)、コンピュータプログラム命令は、半導体ターゲットを画像化するために用いる回折次数のセットを判定する工程と、測定ツールを、前記判定された回折次数のセットを用いて前記ターゲットを画像化するように構成する工程と、前記判定された回折次数のセットから形成される前記ターゲットの画像を収集する工程と、前記収集された画像に基づいてオーバレイエラーを判定および記憶する工程とを実行するように構成されている(CLAIM 22、【請求項22】)、 半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステム([0001]、【0001】)。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 「本発明は、例えば半導体製造工程におけるマスクとウェハーとを整合するための物体観察装置に関するものである。 2個の物体を所望の位置に自動的に重ね合わせる例として、半導体集積回路の製造時に用いられる自動位置合わせ装置がある。このような装置の一つとして、本願人は第1図に示すような光学系を有する装置を先に提案した。第1図に示す装置では、物体面であるマスク1とウェハー2の面上をレーザー光を集光したスポットで走査し、その時間的な走査信号に基づいて位置合わせを行うようになっている。この装置には光電検出系と共に目視用観察光学系も設けられており、この観察光学系はパターンの観察だけではなく、初期のマスク設定などの整合時に欠くことのできない走査を行うに当って重要な役割を果している。」(第1頁左欄第20行-右欄第9行) 「このように第2図の実施例では、人間が直接に接眼レンズを用いて覗いて観察する光学系を示したが、TVカメラその他の撮像素子を用いることも勿論可能である。レーザーの安全規格等を考慮すると、撮影素子で間接的に観察する効果は大きい。感度の良い撮像素子を用いれば、第2図に示したビームスプリッタ61を透過する光量を少なくして反射光を増加することができ、光電変換器34で得られる信号のレベルを第1図で示した実施例とほぼ等しくすることができる。また、観察時に挿入する光拡散用レンズ62の代りにレンズ作用を有しない拡散板を使用してもよい。この場合に、拡散板をを配置する個所はマスク1と結像関係にある位置の近傍或いはコンデンサレンズ12の前とすることが望ましい。」(第4頁左欄第27-41行) 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。原文の引用の後に日本語訳を記載する。日本語訳は引用文献3に対応する公表特許公報(特表2010-536034号公報)による。 「 This invention generally relates to systems configured to inspect a wafer. Certain embodiments relate to a system configured to illuminate an area on the wafer and to detect light scattered from different spots within the illuminated area.」(明細書第1頁第7-9行) 「【0001】 本発明は概してウエハーを検査するように構成される装置に関する。ある実施例はウエハー上の一つの区域を照明するようにそしてその照明される区域の中の種々の地点からの散乱光を検出するように構成される装置に関する。」 「  Fig. 4 illustrates another embodiment of a system configured to inspect a wafer. The system shown in Fig. 4 is configured to inspect a patterned wafer although the system may also be used to inspect an unpatterned wafer. The embodiment shown in Fig. 4 uses the general approach described above, which is modified as described further herein such that this approach can be advantageously used for patterned wafer inspection with an r-θ platform (in which the wafer is scanned by rotating and translating the wafer simultaneously). For example, as described further herein, the general approach described above is modified such that for patterned wafer applications, the illumination is normal, rather than oblique, and multi-spot rather than single spot. In particular, the system includes an illumination subsystem configured to simultaneously illuminate multiple spots on the patterned wafer at a substantially normal angle of incidence. The illumination subsystem of the system shown in Fig. 4 includes light source 46, which may include any of the light sources described herein or any other suitable light source known in the art. The light from the light source is directed to diffractive optical element (DOE) 48 of the illumination subsystem. The DOE may include any suitable DOE. DOE 48 is configured to separate the light from the light source into individual beams. The DOE may also be configured as a high efficiency DOE. In other words, the efficiency of the DOE may be from about 65% to about 75%. The DOE may be further configured to generate individual beams having approximately equal intensity. If the light directed to the DOE is substantially collimated, each of the individual beams generated by the DOE is also substantially collimated. The DOE may be configured to separate the light into any suitable number of individual beams. In general, a relatively large number of individual beams may be desirable since the number of individual beams determines the number of spots that can be illuminated on the wafer. However, when selecting the number of individual beams, it is important to take into consideration the fact that as the number of individual beams into which the light is separated increases, the complexity of the system also increases. In addition, the DOE may be a diffraction grating that is configured to generate a two-dimensional array of individual beams (instead of a one-dimensional array of individual beams as is usually the case). Diffraction gratings configured to generate a two-dimensional array of individual beams are commercially available from, for example, Heptagon, Espoo, Finland. If a DOE is used to generate the individual beams that are focused to the wafer, each of the spots illuminated on the wafer may be diffraction limited. In this manner, the illumination subsystem may advantageously have diffraction limited performance. In addition, each of the spots may have a Gaussian profile. In particular, the spots may have Gaussian profiles if the light provided by the light source has a Gaussian profile. In other words, the intensity profiles of the spots illuminated on the wafer may vary depending on the intensity profile of the light directed to the DOE. The illumination subsystem of the system shown in Fig. 4 also includes refractive optical element 50. Refractive optical element 50 may be configured to focus light exiting DOE 48 to optical element 52. Refractive optical element 50 may be further configured as described herein. Optical element 52 is configured to direct the light from refractive optical element 50 through optical element 54 to wafer 56 at a substantially normal angle of incidence. Optical element 52 may include a reflective or partially reflective optical element. For example, if the system shown in Fig. 4 is configured to inspect the wafer using reflected light, optical element 52 may be configured as a partially transmissive mirror. In another example, if the system shown in Fig. 4 is configured to inspect the wafer without using reflected light, optical element 52 may be configured as a flat or folding mirror. 」(明細書第21頁第29行-第23頁第20行) 「【0066】 図4はウエハーを検査するように構成される装置のもう一つの実施例を示す。図4に示される装置はその装置がまたパターン化されないウエハーを検査するために用いることができるがパターン化されるウエハーを検査するように構成される。図4に示される実施例はこのやり方がr-θプラットフォームを持つ(ウエハーを同時に回転し平行移動することによりウエハーが走査される)パターン化されるウエハーの検査に有利に用いることができるようにさらにここに記述されるように変更される、上記の一般的なやり方を用いる。例えば、ここにさらに記述されるように、上記の一般的なやり方はパターン化されるウエハーの応用のために、照明は、斜めでなく、垂直であり、単一地点でなく複数地点であるように修正される。特に、その装置は大体垂直な入射角においてパターン化されるウエハー上の複数の地点を同時に照明するように構成される照明サブシステムを含む。図4に示される装置の照明サブシステムはここに記述されるどんな光源または当技術分野に既知のその他の適切な光源も含むことができる、光源46を含む。 【0067】 光源からの光は照明サブシステムの屈折光学要素(DOE)48に向けられる。DOEはどんな適切なDOEも含むことができる。DOE48は光源からの光を個々の光線に分割するように構成される。DOEはまた高効率のDOEとして構成することができる。言い換えると、DEの効率は約65%から約75%であることができる。DOEはまたおよそ等しい強度を持つ個々の光線を生成するようにさらに構成することができる。もしもDOEに向けられる光が大体平行ならば、DOEにより生成されるここの光線の各々はまた大体平行である。 【0068】 DOEは光をどんな適切な数の個々の光線にも分割するように構成することができる。一般に、比較的多数の個々の光線は個々の光線の数がウエハー上で照明することができる地点の数を決めるので望ましいことがある。しかし、個々の光線の数を選ぶ時、光が分割される個々の光線の数が増えるに従って、装置の複雑さもまた増大する事実を考慮に入れることが重要である。さらに、DOEは個々の光線の二次元の配列を生成するように構成される回折格子であることができる(通常の場合の個々の光線の一次元の配列の代わりに)。個々の光線の二次元の配列を生成するように構成される回折格子は、例えば、フィンランド、エスプーのへプタゴンから商業的に入手可能である。 【0069】 もしもDOEがウエハーに焦点を結ぶ個々の光線を生成するために用いられるならば、ウエハー上の地点の各々は回折限界的であることができる。このやり方では、照明サブシステムは回折限界的な性能を有利に持つことができる。さらに、地点の各々はガウス分布を持つことができる。特に、その地点は光源により提供される光がガウス分布を持つならばガウス分布を持つことができる。言い換えると、ウエハー上で照明される地点の強度分布はDOEに向けられる光の強度分布に依存して変わることができる。 【0070】 図4に示される装置の照明サブシステムはまた屈折光学要素50を含む。屈折光学要素50はDOE48から出る光を光学要素52に焦点を結ぶように構成することができる。屈折光学要素50はさらにここに記述されるように構成することができる。光学要素52は屈折光学要素50からの光を大体直角な入射角で光学要素54を通してウエハー56に向けるように構成される。光学要素52は反射のまたは部分的に反射する光学要素を含むことができる。例えば、図4に示される装置が反射光を用いてウエハーを検査するように構成されるならば、光学要素52は部分透過の鏡として構成することができる。もう一つの例では、もしも図4に示される装置が反射光を用いないでウエハーを検査するように構成されるならば、光学要素52は平面のまたは折りたたみの鏡として構成することができる。」 4.引用文献4について 原査定に引用された上記引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 「本発明は半導体ウェーハの検査の分野に関する。さらに詳しく言えば、本発明は半導体ウェーハ検査装置用のレーザー走査装置に関する。」(第7頁第5-6行) 「レーザ照明下で規則的な特徴から散乱された光は規則的な回折パターンを示す。この回折パターンは適当な空間フィルタをフーリエ変換平面に配置することにより除去することができ、その結果高い信号/背景光のコントラストが得られる。フーリエ光学の理論に基づくと、回折スポットの大きさは照明スポットの大きさに反比例する。したがって、照明スポットが大きければ大きいほど、回折スポットの中の電力はより集中させられ、その結果、背景光信号を減少させるためにより効果的な空間フィルタを提供する。周期的な領域に関しては、照明スポットが大きければ大きいほど、検出の感度は高くなることは明白である。 準ランダム論理において、前記パターンは非周期的であるので、フーリエ変換平面に非周期的な強度分布を生じる。この状況において、空間フィルタは信号/背景光のコントラストの増大には寄与しない。準ランダム論理領域においては、できる限り小さなスポットを使用し、パターンの特徴を最大数分析するために好ましい処理能力を維持する。信号/背景光のコントラストを改良するために、隣接する特徴が比較される場合に周期的な特徴の比較が使用される。興味の対象である多くの装置において、論理アレイと準ランダムな論理の両方が存在し、2つのスポットサイズの相容れない要求が生じる。 したがって、本発明の1つの目的は、装置の他の要素を変化することなくビームのスポットの大きさを複数の大きさに変更することができる走査装置を提供することである。」(第9頁第3-22行) 「動作において、前記焦点面は表面に周期的または非周期的な特徴を有するタイプのウェーハの表面に一致する。スポットが表面の非周期的な特徴を照明するときには、前記発散選択器は前記チャープ信号の発散を公称上の一定の率に固定するだろう。本発明の目的において、公称発散率は検査を受ける表面が存在している焦点平面に回折の限られたスポットを生成する発散率と定義される。前記スポットが周期的な特徴を照明するときには、前記発散選択器は発散率を公称率から変化させ、これによって焦点面に回折が制限されたスポットの寸法よりも大きいスポットを作り出す。この装置は2つの異なったモードで動作させられる。第1のモードにおいて、スポットのサイズは検査の間固定されている。第2のモードにおいて、前記スポットの大きさは走査されるにしたがって変わる。」(第10頁第10-21行) 「図2Aと図2Bを参照すると、動作において、ウェーハ表面24の形状は既知であり、それは、製造業者から提供される表面のマップかまたは、検査を開始する前に表面を走査することにより知られている。このようにして、表面24の領域中のパターン26は既知のものである。パターン化された領域26上に形成された各々のダイ27a上の周期的な部分27bと非周期的な部分27cの位置は、処理装置のメモリに記憶されている。一般的に言って、公称上の焦点面はウェーハ表面24に一致している。この装置は少なくとも2つの動作モードを持つ。1つのモードにおいては、発散選択器はチャープ信号の発散を得られた望ましいスポットサイズにしたがって固定する。このようにして、チャープ信号の発散率はウェーハの全体の検査の過程を通して固定される。例えば、周期的な特徴だけを検査したい場合、発散選択器は公称率と異なるある発散率に固定され、これによって前述したように回折限界のスポットサイズよりも大きいスポットサイズが得られる。これは空間フィルタをうまく利用することによって検査を可能にする。ウェーハの全体の表面はスポットサイズが検査の間中変わらないように走査される。準ランダム論理領域の異常を検出することが望ましい場合、発散選択器はチャープ信号の発散率を公称率に固定する。このようにして、周期的な特徴の比較が用いられる。スポットサイズの選択は単に2つだけではないということを理解されたい。むしろスポットサイズの範囲は回折の限界にある最も小さいスポットサイズとシステムによって決まる最も大きいスポットサイズで発散率を変えることによって得られる。 第2のモードの動作においては、装置はスポットサイズをウェーハの走査中に変える。このようにして、チャープ発散選択器17は、周期的な27bおよび非周期的な27cの特徴の存在に応じて、チャープ信号の発散率を変える。前記スポットが前記表面上の非周期的な特徴を照明するとき、発散選択器はチャープ信号の発散を公称率に固定する。これにより、公称焦点面に回折の制限されたスポットを製造し、これによって、周期的な特徴の比較によって、異常検出が達成される。スポットが周期的な特徴を照明する場合には、発散選択器は発散率を公称率から変える。これによって、焦点面には回折限界スポットのサイズよりも大きなサイズのスポットが得られる。スポットが規則的な特徴を照明しているときに、発散率の変更と同時にチャープ発散選択器17に電子的に接続されているスイッチがプログラム可能な空間フィルタ22を付勢し、そして、スポットが非周期的な特徴を照明しているときには空間フィルタを付勢しない。このようにして、前記システムは周期的特徴の比較を利用することによって異常を検出する。これにより、音響光学装置によって走査されているときに、機械的要素を変更したり新しいレンズを導入することなく、スポットサイズの変更が可能になる。スポットサイズはウェーハ表面24の形状、例えば、周期的もしくは非周期的な特徴が走査に沿って種々の点で存在するかどうかを示す処理装置の指示にしたがってスポットサイズを変える。」(第15頁第9行-第16頁第19行) 5.引用文献5について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0026】 [00030] 図1aを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。 【0027】 [00031] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側および/または内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。」 「【0035】 [00039] リソグラフィ装置によって露光される基板が、正確かつ一貫して露光されるために、露光した基板を検査して、その後の層間のオーバレイエラー、ラインの太さ、クリティカルディメンション(CD)などの1つまたは複数の特性を測定することが望ましい。エラーが検出された場合は、1つまたは複数のその後の基板を露光するために調節することができる。これは、同じバッチの1つまたは複数の他の基板がまだ露光されないほど十分に早急かつ高速で検査を実行できる場合、特にそうである。また、1つまたは複数の既に露光した基板を、(歩留まりを改善するために)剥ぎ取って再加工するか、廃棄し、それによって不良であることが分かっている基板での露光の実行を回避することができる。基板の一部のターゲット部分のみが不良である場合は、良好であるターゲット部分のみで、さらなる露光を実行することができる。」 「【0037】 [00041] 図2は、本発明の実施形態によるスキャトロメータを示す。放射源2によって放射された放射が、照明システム11~14によって集められ、顕微鏡の対物レンズ15および部分反射ミラー16を介して基板W上でターゲットを覆うスポットへと集束する。顕微鏡の対物レンズ15は高い開口数(NA)を有し、ある実施形態ではこれは少なくとも0.9または少なくとも0.95である。液浸スキャトロメータは、開口数が1を超えるレンズを有してもよい。次に、基板で反射した放射は、散乱スペクトルを検出させるために、部分反射表面16を通ってディテクタ18へと伝達される。ディテクタ18はレンズ15の逆投影瞳面に配置されるか、または瞳面を補助光学系17でディテクタ18へと再結像してよい。瞳面は、放射の半径方向位置が入射角度を画定する面であり、角度位置が放射の方位角を画定する。放射源2は、スキャトロメータの一部であるか、単純に外部放射発生器からの放射の導管でよい。」 「【0040】 [00044] 広帯域放射源(つまり放射周波数または波長が、したがって色が広範囲にわたる放射源)の使用が可能であり、これは大きいエタンデュー(etendue)を与え、複数波長の混合を可能にする。広帯域それぞれの複数の波長は。*8の帯域幅および少なくとも2*8の間隔(つまり波長の2倍)を有する。幾つかの放射「源」は、ファイバ束を使用して分割されている拡張放射源の異なる部分でよい。この方法で、角度分解した散乱スペクトルを複数の波長にて並列で測定することができる。3次元スペクトル(波長および2つの異なる角度)を測定することができ、これは2次元スペクトルより多くの情報を含む。これによって、より多くの情報を測定することができ、これは測定プロセスの堅牢性を向上させる。これについては欧州特許出願公報第EP1,628,164A号にさらに詳細に記載されている。」 「【0042】 [00046] スキャトロメータSMの照明システムは、2つの部分から形成されると見なすことができる。レンズ11、13によって表される第一部分は、放射源2の中間像2’を形成し、レンズ14によって表される第二部分は、高NAレンズ15とともに働いて、中間像2’を基板W上に結像する。照明開口ブレード12を照明システムの第一部分に設けて、高NAレンズ15の後部焦点面に結像する。照明開口ブレードは、意図された測定、例えばオーバレイにとって適切な照明モード、例えば環状照明を画定する。 【0043】 [00047] 照明開口ブレード2は、源2の空間周波数の一部を遮断するので、基板上の源の像は広がり、放射が所望のターゲット区域の外側に漏れる。ターゲット区域の外側にある構造によって反射した放射は、スキャトロメトリデータにノイズを引き起こすことがある。したがって、放射源2の中間像2’に視野絞り19を設ける。視野絞り19は、理想的な幾何学的スポット幅(例えば直径)よりわずかに大きいだけであることが望ましく、したがって幾何学的スポットの外側で回折した放射を遮断し、基板に投影されたスポットが可能な限り鮮明であることを保証する。 【0044】 [00048] 視野絞り19は、高NAレンズ15の後部焦点面にある開口ブレード12の像に対して低域フィルタとしても作用し、したがって照明モードを不鮮明にする。これは、ディテクタ18上の回折次数の角度分解能を低下させることがある。しかし、アポダイズした視野絞り、つまり透明から不透明への遷移が段階的ではなく漸進的である視野絞りを使用することにより、像平面の迷放射と回折次数の角度分解能との最適なバランスを獲得することができる。例えば、有用なアポダイズした視野絞りは、図3に示すように、不等辺四辺形の形態をとる視野絞りの直径に沿った半径rの関数として透過率Tを有する。ガウス形状などの他の形状を使用してもよい。」 第5 対比・判断 1.本願発明11について (1)対比 本願発明11と引用発明とを対比する。 ア 引用発明における「半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステム」、「光源54」を備える「照射システム」は、それぞれ、本願発明11における「計測システム」、「光源」及び「照射光学装置」に相当する。 イ 引用発明では、「第2の調節可能な空間変調装置」に関し、「変調装置は、複数のクロム・オン・グラス(COG:chrome-on-glass)パターン(または、クロムに加えて他の適切な材料)を有するガラスプレートの形態をとり」、その「クロムのパターンは」「アポディゼーションの関数を実行するために修正してもよ」い、とされているから、引用発明における「第2の調節可能な空間変調装置」は、本願発明11における「アポダイザー」に相当する。 また、引用発明における「第2の調節可能な空間変調装置」は、「照射システム」に「含」まれ、「照射経路の瞳と実質的に共役する平面に配置され」るところ、照射系の「瞳」とは一般に「入射瞳」のことを指すから、上記アでの検討をふまえれば、本願発明11における「照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザー」と、引用発明における、「照射システム」に「含」まれ、「照射経路の瞳と実質的に共役する平面に配置され」る「第2の調節可能な空間変調装置」とは、「照射光学装置の入射瞳に関連する位置に配置されているアポダイザー」である点で共通する。 ウ 引用発明における「光学部品56」は、「光源54によって提供される照射線を用いてサンプル58を照射し」、「照射線の焦点をサンプル58(視野内および当該領域内における)に合わせ」る「ように構成される対物レンズ60を備え」るものであるところ、「照射線の焦点を」「合わせ」ることは、照射線を「スポットへと方向付け」ることであり、引用発明では「サンプル(例えば半導体ウエハ)」([0037]、【0021】)とされているから、引用発明における「光学部品56」は、照射線「を、ウェハ上のスポットへと方向付け」ているといえる。そして、その照射線は、引用発明では「照射システムは、1つ以上の照射線を、特定の照射角度(または垂直)および開口数で半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含」んでいるから、「第2の調節可能な空間変調装置」からの照射線ということになる。また、引用発明における「照射線」は、本願発明11における「回折限界光ビーム」と、「照射線」である点で共通している。 さらに、引用発明における「光学部品56」は、「照射線の焦点をサンプル58(視野内および当該領域内における)に合わせ、サンプル58の表面から散乱する光を収集するように構成される対物レンズ60を備え」、「当該サンプル58から伝播するか、散乱した光を収集するように構成されて」いるから、「前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている」といえる。 したがって、上記イでの検討をふまえれば、本願発明11における「前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上のスポットへと方向付け、かつ前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている光学素子」と、引用発明における、「第2の調節可能な空間変調装置」からの「照射線」「を、ウェハ上のスポットへと方向付け」、「前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている」「光学部品56」とは、「前記アポダイザーからの照射線を、ウェハ上のスポットへと方向付け、かつ前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている光学素子」である点で共通する。 エ 引用発明における「画像化経路」「に配置され」た「空間変調装置」は、「散乱した光の特定の回折次数を画像センサに選択的に向け、他方で、散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して画像センサに到達しないようにする」ものであるから、本願発明11における「視野絞り」と、「前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている」手段である点で共通する。 オ 引用発明では、「空間変調装置」が「散乱した光の特定の回折次数を画像センサに選択的に向け、他方で、散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して画像センサに到達しないように」し、「センサ64は、散乱した光を受けてその光を画像に変換するように形成され」ており、「センサ64」により「変換」される「画像」は、「センサ64」から出力される「出力」であるから、引用発明における「センサ64」は、空間変調装置「を通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている」といえる。 また、引用発明では、「その画像は制御部70によって分析され、例えば、サンプル(例えば半導体ウエハ)に関連する、オーバレイエラー、ライン幅、および欠陥を判定することができ」るから、引用発明における「センサ64」は、「半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステム」において「前記ウェハが測定されるように」するためのものであるといえる。 したがって、上記ア及びエでの検討もふまえれば、本願発明11における「スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記ウェハが測定されるように、前記視野絞りを通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている検出器」と、引用発明における、「半導体の構造物のオーバレイ測定を実行するシステム」において「前記ウェハが測定されるように」、「空間変調装置」「を通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている」「センサ64」とは、「前記計測システムによって前記ウェハが測定されるように、前記手段を通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている検出器」である点で共通する。 カ 引用発明では「その画像は制御部70によって分析され、例えば、サンプル(例えば半導体ウエハ)に関連する、オーバレイエラー、ライン幅、および欠陥を判定することができ」るから、引用発明における「制御部70」は、「画像を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されている」といえる。 また、引用発明では、「顕微鏡の様々な部品を制御して、その部品によって収集されたデータおよび/または画像を分析するように構成された」「制御部70は、照射システム52と画像化システム62とを、より詳細には、光源54と画像センサ64とを同期させ、サンプル58の表面の画像を取得することができるように構成してもよく、画像化システム62(例えば画像センサ)の画像化特性(例えばフレーム捕捉時間)を制御するための命令を提供してもよく」、さらに、「コンピュータプログラム命令は、半導体ターゲットを画像化するために用いる回折次数のセットを判定する工程と、測定ツールを、前記判定された回折次数のセットを用いて前記ターゲットを画像化するように構成する工程と、前記判定された回折次数のセットから形成される前記ターゲットの画像を収集する工程と、前記収集された画像に基づいてオーバレイエラーを判定および記憶する工程とを実行するように構成されている」から、「制御部70」は「コンピュータシステム」で構成されているといえる。 したがって、上記オでの検討もふまえれば、引用発明における、「画像を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されて」おり、「コンピュータシステム」で構成されている「制御部70」は、本願発明11における「前記出力を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されているコンピュータシステム」に相当する。 してみると、本願発明11と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「計測システムであって、 光源と、 照射光学装置の入射瞳に関連する位置に配置されているアポダイザーと、 前記アポダイザーからの照射線を、ウェハ上のスポットへと方向付け、かつ前記スポットからの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、 前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている手段と、 前記計測システムによって前記ウェハが測定されるように、前記手段を通過する散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成されている検出器と、 前記出力を使用して、前記ウェハの特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、 を備える、計測システム。」 (相違点) (相違点1)本願発明11では「光源」が「回折限界光ビームを生成するように構成されている」のに対して、引用発明では光源についての詳細が特定されていない点。 (相違点2)本願発明11では「光源」が「スーパーコンティニュームレーザーである」のに対して、引用発明では光源についての詳細が特定されていない点。 (相違点3)「アポダイザー」が、本願発明11では「照射光学装置の入射瞳内に配置され」ているのに対して、引用発明では「照射光学装置の入射瞳」と実質的に共役する平面「に配置され」ている点。 (相違点4)本願発明11の「アポダイザー」は、「光ビーム」についてその前の「回折限界光ビーム(を生成するように構成されている光源)」という記載を受けた上で、「前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されている」のに対して、引用発明では、「アポダイザー」に相当する「第2の調節可能な空間変調装置」が、そのようには特定されていない点。 (相違点5)「前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている」手段が、本願発明11では「視野絞り」であるのに対して、引用発明では「空間変調装置」である点。 (相違点6)本願発明11では「計測システム」が「スキャタロメトリを使用する」のに対して、引用発明では「スキャタロメトリを使用する」のか不明な点。 (2)相違点についての判断 本願発明11の内容に鑑み、上記相違点4を検討する。 引用文献3、4に記載されるように、ウェハ上のスポットにおいて回折限界光ビームを形成することは周知の事項であるものの、アポダイザーが、照射光学装置の入射瞳内の回折限界光ビームを成形する、という構成は、引用文献3、4には記載されていない。 また、引用文献2、5も、上記相違点4に関連する技術事項を記載するものではない。 そして、アポダイザーが、照射光学装置の入射瞳内の回折限界光ビームを成形する、という構成は、当業者といえども容易に想到することはできないものである。 したがって、上記相違点1、2、3、5及び6について判断するまでもなく、本願発明11は、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明1、2、3について 本願発明1、2、3も、本願発明11の「回折限界光ビームを生成するように構成されている光源」及び「照射光学装置の入射瞳内に配置され、前記照射光学装置の前記入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザー」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明11と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 なお、拒絶査定には「請求項1、2は各々、特願2012-528011号の請求項18、19(特許査定時)と実質同一であり特許法第39条によっても拒絶され得る。」との付言もなされているが、原出願の請求項18に係る発明(特許第5801307号公報を参照)は、本願発明1の「前記コンピュータシステムは、前記像を使用して、前記回折格子標的の追加的特性を判定するように更に構成され、」という事項が特定されておらず、本願発明1と実質同一であるとはいえない。原出願の請求項19に係る発明(特許第5801307号公報を参照)と本願発明2との関係においても同様である。 3.本願発明4-10、12-14について 本願発明4-10は本願発明3を減縮した発明、本願発明12-14は本願発明11を減縮した発明であり、本願発明4-10、12-14は、上記2.で示した本願発明11の上記構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明11と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1-5に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-010418

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