特許拒絶査定不服審判
2017-008443
医療用チューブのマーキング部形成方法、医療用チューブ、及び医療用デバイス
- 審判番号
- 2017-008443
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-502086外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月09日
- 審決日
- 2018年09月20日
- 公報発行日
- 2018年11月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】テルモ株式会社
- 【請求人代理人】八田国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WY (A61B) / P18 .537-WY (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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特願2014-502086「医療用チューブのマーキング部形成方法、医療用チューブ、及び医療用デバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月 6日国際公開、WO2013/129027、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)2月1日(優先権主張 平成24年2月27日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年9月20日付けで拒絶理由が通知され、同年11月10日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成29年3月30日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)されたところ、同年6月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後当審において平成30年3月30日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)が通知され、同年6月1日付けで意見書及び手続補正書が提出され、当審において同年6月21日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)が通知され、同年8月10日付けで手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(平成29年3月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の以下の請求項に係る発明は、その優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明に基いて、その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1、2、5、6
・引用文献等 1-4
・請求項 3、4、7
・引用文献等 1-5
引用文献1:特開2007-106840号公報
引用文献2:国際公開第2004/068519号(周知技術)
引用文献3:特開2006-141355号公報(周知技術)
引用文献4:特開2011- 56014号公報(周知技術)
引用文献5:特開2012- 24491号公報(周知技術)
第3 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、平成30年8月10日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりである。
「 【請求項1】
円管状の医療用チューブに、前記医療用チューブの軸方向に直交する断面が多角形状である視認可能なマーキング部を形成するマーキング部形成方法であって、
レーザー照射部から照射されたレーザー光を光学レンズによって前記医療用チューブに向けて集光させ、前記医療用チューブに含まれる成分が前記レーザー光を吸収して変色することによって前記マーキング部を形成するマーキング部形成工程を有し、
前記マーキング部形成工程は、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動する相対移動工程を含み、
前記相対移動工程において、
前記レーザー光の光軸方向における前記レーザー光の焦点の位置を維持したまま、前記医療用チューブの軸方向および前記光軸方向のそれぞれに直交する方向に直線状に前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動させるマーキング部形成方法。」
なお、本願発明2ないし7は、いずれも、本願発明1をさらに減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について (下線は当審で付与した。)
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献1(特開2007-106840号公報)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。)
(1-ア)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光線照射により成形体表面や、二色成形体の界面部にマーキングされ、黒色の生地色とマーキング部のコントラストが高く、鮮明な文字、記号、図柄等が得られ、特にQRコード等を解像度よくマーキングするのに適し、しかも柔軟性に富み、医療用として好ましく利用できるレーザーマーキング用樹脂組成物と成形体及び成形体に対するレーザーマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、消化管等の検査や診断に内視鏡が使用されており、このような内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、その挿入部の操作を行う操作部を有し、また操作部には、挿入部の先端部の湾曲操作を行う操作ノブが設けられている。
【0003】
内視鏡には、術者が挿入部を体腔内に挿入したり、操作部での操作等を行う場合のマーカーとして、例えば、挿入部の外表面には、挿入部の挿入深さを示す目盛りが付されており、また、操作ノブには、操作した際の挿入部の先端部が湾曲する方向を示す記号や文字等が付されている。
【0004】
従来、このようなマーカーは、インクを用いた印刷やレーザーマーキング法により形成されているが、インクを用いるマーキング方法では、曲面へのマーカーの形成が困難であること、インクの乾燥に時間を要することという問題のほか、使用中にインク層が剥離して体腔内に流入してしまうおそれがあるといった欠点があった。一方、レーザーマーキング法(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3を参照)は、例えば、熱可塑性樹脂にカーボンブラックや低次酸化チタンなどの添加剤を混練りして成形したプラスチック成形品にレーザー光線を照射し、地色が黒色のプラスチック成形品表面に白文字、白色記号及び白色図柄等を発現するものであるが、このような従来のレーザーマーキング法は、いまだ視認性が高く、鮮明でコントラストが十分なものが得られていない。」
(1-イ)
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上記した従来の医療分野のレーザーマーキング法における問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、地色が黒色のときに白文字、白色記号、白色図柄等がコントラスト良好にマーキングされ、特にQRコード等を解像度よくマーキングするのに適し、しかも柔軟性に富んだ医療用のレーザーマーキング用樹脂組成物と成形体及びそれに対するレーザーマーキング方法を提供することにある。
【0006】
本発明によれば、(A)デュロDが60以下の柔軟性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び低次酸化チタン、(C)珪素含有化合物を合計で0.01~10質量部含有してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物が提供される。」
(1-ウ)
「【発明の効果】
【0012】
本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物とその成形体(及び二色成形体)とレーザーマーキング方法によれば、地色が黒色の成形体表面又は二色成形体の界面部に、白文字、白色記号、白色図柄等がコントラスト良好に鮮明にマーキングされ、特にQRコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能であり、しかもその成形体及び二色成形体は柔軟性に富むため、内視鏡やその関連部材などの医療用途として極めて好適であるという優れた効果を奏する。
また、本発明の二色成形体によれば、半永久的な耐摩耗性を有し、例えば、内視鏡の消毒、滅菌処理に際しても、マーカーの劣化が発生しないという優れた効果を奏する。」
(1-エ)
「【0016】
そこで、本発明者がいろいろな角度から検討した結果、上記のごとき熱可塑性樹脂に、カーボンブラック及び低次酸化チタンを含む特定の添加剤を含有させた樹脂組成物を構成し、この樹脂組成物を成形した成形体にレーザー光線を照射すると、黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等が鮮明に発色することを見出し、本発明に至ったものである。
・・・
【0022】
本発明の樹脂組成物には、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分のほかに、着色剤を添加することもできる。着色剤の添加により、白色に対して所望の色合を出すことができる。なお、この着色剤は、上記した(B)成分以外のものである。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。このうち、無機顔料としては、白色顔料として酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、黄色顔料として酸化鉄、チタンイエロー、赤色顔料として酸化鉄、青色顔料としてコバルトブルー、群青などが挙げられる。また、有機顔料としては、黄色はモノアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はキナクリドン、アンスラキノン、ペリレン、モノアゾ、青色はフタロシアニン、緑色はフタロシアニンなどが挙げられる。さらに、染料としては、黄色はモノアゾ、アンスラキノン、ジスアゾ、複素環、赤色はアンスラキノン、ペリノン、チオインヂゴ、ジスアゾ、青色はアンスラキノンなどが挙げられる。
・・・
【0034】
本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物を用いて成形してなる成形体(及び二色成形体)は、レーザーマーク性に優れ、その表面、又は支持体と被覆体の界面部にレーザー光線で黒下地に白文字、白色記号及び白色図柄などを、容易かつ鮮明に描くことができ、特にQRコード等の情報コードを解像度よくマーキングすることが可能である。しかも本発明の成形体及び二色成形体は柔軟性に富むため、内視鏡やその関連部材などの医療用途として極めて効果的に使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「部」および「%」は特に断りのない限り質量部および質量%を意味する。また、実施例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
【0036】
レーザー照射条件:
レーザー機器:ロフィン-バーゼル社 RSM10E(YVO4)
シングルモードビーム径:20~40μm
走査速度:400mm/s
波長:1064nm
周波数:5,500Hz
電流値:22A」
(1-オ)
段落【0036】のレーザー照射条件:走査速度:400mm/sの記載から、レーザーマーキングがレーザー光線を内視鏡に対して走査することが読み取れる。
上記(1-ア)~(1-エ)の記載事項と、(1-オ)の認定事項を総合すると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
「(A)デュロDが60以下の柔軟性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び低次酸化チタン、(C)珪素含有化合物を合計で0.01~10質量部含有してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射し、黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等が鮮明に発色させ、内視鏡の挿入部の外表面に目盛りをマーキングするレーザーマーキング方法であって、レーザー光線を内視鏡に対して走査する方法。」(以下、「引用発明」という。)
2 引用文献2について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献2(国際公開第2004/068519号)には、携帯電話機、携帯情報端末装置(PDA)等のモバイル機器用や一般機器の表示兼制御部用に有用な照光式キートップに描かれた文字・記号等が十分な耐摩耗性を備えるような態様で波長が1064nm以下の近赤外光域、可視広域、又は近紫外光域に属するレーザ光を、プラスチック・キー内部の所望の位置に合焦させつつ間歇照射して、透明プラスチック媒質中に多数の微細な炭化黒点の集合、又は微細なクラックなどによる白化点の集合、を成形することにより文字・記号等を表すことによりマーキングされたキートップ及びそのようなマーキング方法に関する技術事項が記載されている。(1頁6行~3頁14行)
3 引用文献3について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献3(特開2006-141355号公報)には、表示部8を、固定される構成部品(スプール7)に対して、レーザ装置10によって照射されるレーザ光の焦点位置を、樹脂の内部に位置合わせしておき、表示する文字に従ってトレースすることで形成する方法に関する技術事項が記載されている。(段落【0016】~【0018】)
4 引用文献4について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献4(特開2011- 56014号公報)には、「レーザ光照射手段または軟性筒体を回転させながら所望のパターンに沿って着色カバー層を剥離する内視鏡の挿入部を構成する軟性筒体の全周にわたってマーキングする方法に関する技術事項が記載されている。(段落【0015】、【0016】)
5 引用文献5について
原査定の拒絶理由に引用され、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献5(特開2012- 24491号公報)には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる外管を備えるカテーテルに関する技術事項が記載されている。(段落【0009】)
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡」は、本願発明1の「円管状の医療用チューブ」に相当する。
また、引用発明の「鮮明に発色させる」「黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等」は、本願発明1の「視認可能なマーキング部」に相当する。
そうすると、引用発明の「黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等を鮮明に発色させる」ことは、本願発明1の「視認可能なマーキング部を形成する」ことに相当する。
そして、引用発明は、鮮明に発色させるマーキングの、内視鏡挿入部の軸方向、に直交する断面形状が特定されていない。
また、引用発明の「黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等を鮮明に発色させる」ことは、「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射」することによる変色であり、「成形した」「レーザーマーキング用樹脂組成物」の成分に「(B)カーボンブラック及び低次酸化チタン」が含まれており、引用文献1の「【0017】・・・レーザー光線を照射した際には、カーボンブラックの脱色と低次酸化チタンの酸化反応により、白の色材であるTiO2の形成が起こり、より白く発色するものであると考えられる。」との記載からレーザー光を吸収して変色するものといえる。
そうすると、引用発明の「(A)デュロDが60以下の柔軟性を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、(B)カーボンブラック及び低次酸化チタン、(C)珪素含有化合物を合計で0.01~10質量部含有してなる、レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射し、黒下地に白文字、白色記号、白色図柄等を鮮明に発色させ、内視鏡の挿入部の外表面に目盛りをマーキングするレーザーマーキング方法」と、
本願発明1の「円管状の医療用チューブに、前記医療用チューブの軸方向に直交する断面が多角形状である視認可能なマーキング部を形成するマーキング部形成方法であって、」「前記医療用チューブに含まれる成分が前記レーザー光を吸収して変色することによって前記マーキング部を形成するマーキング部形成工程」とは、
「円管状の医療用チューブに、視認可能なマーキング部を形成するマーキング部形成方法であって、」「前記医療用チューブに含まれる成分が前記レーザー光を吸収して変色することによって前記マーキング部を形成するマーキング部形成工程」で共通する。
イ 引用発明の「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射」することは、レーザー照射機器からレーザー光線が照射されることは自明であるが、集光されるかは特定されていない。
そうすると、引用発明の「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射」することと、
本願発明1の「レーザー照射部から照射されたレーザー光を光学レンズによって前記医療用チューブに向けて集光させ」ることとは、
「レーザー照射部から照射されたレーザー光を」「前記医療用チューブに向け」ることで共通する。
ウ 引用発明の「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射」することであって、「レーザー光線を内視鏡に対して走査する」ことは、レーザー光を内視鏡に対して相対的に移動することとはいえるが、レーザー光の焦点及び移動方向は特定されていない。
そうすると、引用発明の「レーザーマーキング用樹脂組成物を成形した内視鏡にレーザー光線を照射」することであって、「レーザー光線を内視鏡に対して走査する」ことと、
本願発明1の「前記マーキング部形成工程は、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動する相対移動工程を含み、
前記相対移動工程において、
前記レーザー光の光軸方向における前記レーザー光の焦点の位置を維持したまま、前記医療用チューブの軸方向および前記光軸方向のそれぞれに直交する方向に直線状に前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動させるマーキング部形成方法」とは、
「前記マーキング部形成工程は、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動する相対移動工程を含み、
前記相対移動工程において、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動させるマーキング部形成方法」で共通する。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、
円管状の医療用チューブに、視認可能なマーキング部を形成するマーキング部形成方法であって、
レーザー照射部から照射されたレーザー光を前記医療用チューブに向け、前記医療用チューブに含まれる成分が前記レーザー光を吸収して変色することによって前記マーキング部を形成するマーキング部形成工程を有し、
前記マーキング部形成工程は、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動する相対移動工程を含み、
前記相対移動工程において、
前記レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動させるマーキング部形成方法」で一致し、次の点で相違している。
(相違点1)
「レーザー光」について、本願発明1は、「光学レンズによって前記医療用チューブに向けて集光させ」るのに対して、引用発明は、そのような特定がされていない点。
(相違点2)
「マーキング部」の「医療用チューブの軸方向に直交する断面」と、そのように形成するためのレーザー光の医療用チューブに対する相対的な移動について、本願発明1は、それぞれ、「多角形状」と、「前記レーザー光の光軸方向における前記レーザー光の焦点の位置を維持したまま、前記医療用チューブの軸方向および前記光軸方向のそれぞれに直交する方向に直線状」であるのに対して、引用発明は、そのような特定がされていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2について先に検討すると、「マーキング部」の「医療用チューブの軸方向に直交する断面」が「多角形状」であり、そのように形成するための「レーザー光」の「医療用チューブに対」する「相対的」な「移動」が、「前記レーザー光の光軸方向における前記レーザー光の焦点の位置を維持したまま、前記医療用チューブの軸方向および前記光軸方向のそれぞれに直交する方向に直線状」であるものは、上記引用文献2ないし5のいずれにも記載されておらず、本願の優先権主張日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
(3)結論
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものではない。
2 本願発明2ないし7について
また、本願発明2ないし7は、本願発明1を限定した発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものではない。
第6 原査定についての判断
平成30年8月10日付けの手続補正により補正された請求項1ないし7は、「円管状の医療用チューブ」に「形成する」「視認可能なマーキング部」を「前記医療用チューブの軸方向に直交する断面が多角形状である」とし、「レーザー光を前記医療用チューブに対して相対的に移動させる」方向を「前記医療用チューブの軸方向および前記光軸方向のそれぞれに直交する方向に直線状に」という技術事項を有するものとなった。
当該技術事項は、上記のとおり、原査定における引用文献1ないし5に記載されておらず、本願優先権主張日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし7は、当業者であっても、原査定における引用文献1ないし5に基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 当審拒絶理由1および2について
当審拒絶理由1及び当審拒絶理由2は、平成30年8月10日付けの手続補正により解消した。
第8 むすび
以上のとおりであり、原査定及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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