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特許拒絶査定不服審判

2017-005678

チャネル状態情報基準信号を使用するための方法および装置

審判番号
2017-005678
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-061015外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年04月20日
審決日
2018年03月19日
公報発行日
2018年05月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015- 61015「チャネル状態情報基準信号を使用するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 9月10日出願公開、特開2015-164306、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2011年5月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年5月4日、米国、2011年5月3日、米国)を国際出願日とする特願2013-509236号の一部を平成27年3月24日に出願したものであって、平成28年2月9日付けで拒絶理由が通知され、平成28年7月19日に手続補正がされ、平成28年12月14日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成29年4月20日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年12月14日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.NTT DOCOMO,DL RS Design for LTE-Advanced, 3GPP TSG-RAN WG1#56b R1-091483,2009年 3月18日,pp.1-6 2.国際公開第2010/006285号 第3 本願発明について 本願請求項1-4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、平成28年7月19日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、そのうち、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 基準信号を送信するための第1のアンテナポートインデックスのための第1のリソース要素パターンを少なくとも1つのユーザ機器に割り振ることと、ここにおいて、前記基準信号はチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を含む、 前記基準信号を送信するための第2のアンテナポートインデックスのための第2のリソース要素パターンを少なくとも1つのリレーノードに割り振ることであって、前記第1のアンテナポートインデックスが前記第2のアンテナポートインデックスとは異なることにより、前記第2のリソース要素パターンが前記第1のリソース要素パターンと重複しない、割り振ることと を備える、ワイヤレス通信方法。」 本願発明2-4はそれぞれ、本願発明1に対応するワイヤレス通信装置、プログラム、ワイヤレス通信のためのプロセッサの発明であり、実質的に、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(当審訳は合議体が作成した。) 「3.2.CSI-RS In Section 2, we mentioned that the insertion interval of subframes with a CSI-RS should be similar to that for the UL SRS. Here, we discuss a scheme to multiplex CSI-RS into the subframe. Figures 4(a) and 4(b) show examples of the CSI-RS multiplexing scheme for up to eight antenna ports (Note that the gain from introducing inter-cell orthogonality is FFS). We basically consider multiplexing of CSI-RS into OFDM symbols for the PDSCH which is not overlapped with those including other types of RSs such as CRS or DM-RS. Furthermore, we consider FDM and/or CDM as orthogonal multiplexing schemes for CSI-RSs belonging to different antenna ports. An additional issue to be investigated is backward compatibility to Rel-8 LTE UEs. If RBs with the CSI-RS are assigned to Rel-8 LTE UEs, performance degradation is expected. To address this problem, two options are considered. ・Delegate the issue to eNB scheduling - implementation matter [9] ・CSI-RS multiplexing only into RBs scheduled for LTE-Advanced UEs - some specifications may be needed to indicate the RBs with CSI-RS to LTE-Advanced UEs」 (第3頁第1行から第4頁第6行まで) (当審訳) 「3.2.CSI-RS 第2章において、私たちはCSI-RSを伴うサブフレームの挿入間隔は、UL SRSのそれと同様とすべきであると述べた。ここでは、私たちは、サブフレームにCSI-RSを多重するスキームについて議論する。図4(a)と4(b)は、8つのアンテナポートまでのCSI-RS多重スキームの例を示したものである(セル間の直交性を導入する利益は、FFSであることに注意されたい)。私たちは、基本的に、PDSCH用のOFDMシンボルであって、CRSやDM-RSのように異なるタイプのRSを含むそれらとはオーバラップしないものであるOFDMシンボルへのCSI-RSの多重化を検討する。さらに、私たちは、FDM及び/又はCDMを、異なるアンテナポートに属するCSI-RSのための直交多重スキームとして検討する。 検討されるべき追加的な問題は、リリース8のLTEのUEに対するバックワードにおける互換性である。もし、CSI-RSを伴うRBが、リリース8のLTEのUEに割り当てられたならば、パフォーマンスの低下が予期される。この問題にとりかかるには、二つのオプションが考えられる。 ・eNBのスケジューリングに問題を委ねる - これは実装上の事項である[9] ・LTE-アドバンスドのUEのためにスケジュールされたRBのみへのCSI-RSの多重化-LTE-アドバンストのUEに、CSI-RSを伴うRBを示すための何らかの仕様が必要になり得る。」 (1)引用文献1は、その文献名のとおり、LTE-アドバンストの、ダウンリンクのRS(基準信号)のデザインに関連するものであり、「3.2.CSI-RS」は、CSI-RSの、サブフレームへの割当てについて記載したものであるから、引用文献1には、「CSI-RS送信のためのワイヤレス通信方法。」が記載されている。 (2)引用文献1の「3.2.CSI-RS」中の「Figures 4(a) and 4(b) show examples of the CSI-RS multiplexing scheme for up to eight antenna ports」(図4(a)と4(b)は、8つのアンテナポートまでのCSI-RS多重スキームの例を示したものである)という記載からみて、引用文献1には、「CSI-RS送信のために8つのアンテナポートを用いること。」が記載されている。 (3)引用文献1の図4(a)の右側の図には、サブフレーム中の2つのシンボルのそれぞれにCSI-RSを割り当てることが図示されている。この2つのシンボルは、サブフレーム上の異なる位置にあるから、2つのシンボルのそれぞれに配置されるCSI-RSが互いに重複しないことは明らかといえる。 また、同図には、各シンボルを構成する12個のREのうちの8個のREにCSI-RSを割り当てることも記載されている。 したがって、引用文献1には、「1つのサブフレーム中の2つのシンボルにCSI-RSを割り当てることであって、前記CSI-RSを、各シンボルを構成する12個のREのうちの8個のREに割り当て、さらに、前記2つのシンボルに割り当てるCSI-RSは互いに重複しないこと。」が記載されている。 以上の(1)から(3)までによれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「CSI-RS送信のために8つのアンテナポートを用いるCSI-RS送信のためのワイヤレス通信方法であって、 1つのサブフレーム中の2つのシンボルにCSI-RSを割り当てることであって、前記CSI-RSを、各シンボルを構成する12個のREのうち8個のREに割り当て、さらに、前記2つのシンボルに割り当てるCSI-RSが互いに重複しないこと、 を特徴とする、CSI-RS送信のためのワイヤレス通信方法。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。また、当審訳は、引用文献2のファミリーである特表2011-527876号公報を引用した。) 「[0073] FIG. 6 shows a design of a process 600 for mitigating interference in a wireless communication network. Process 600 may be performed by a UE, a base station/eNB, a relay station, or some other entity. A first station causing high interference to or observing high interference from a second station in a heterogeneous network may be identified (block 612). The heterogeneous network may comprise base stations of at least two different transmit power levels and/or different association types. Interference due to a first reference signal from the first station may be mitigated by canceling the interference at the second station, or interference to the first reference signal may be mitigated by selecting different resources for sending a second reference signal by the second station to avoid collision with the first reference signal (block 614). [0074] In one design, the first station may be a base station or a relay station, and the second station may be a UE. For block 614, the interference due to the first reference signal may be canceled at the UE. In one design, the interference due to the first reference signal may be estimated and subtracted from a received signal at the UE to obtain an interference-canceled signal. The interference-canceled signal may then be processed to obtain a channel estimate for a base station or a relay station with which the UE is in communication. The interference-canceled signal may also be processed to obtain data and/or control information sent by the base station or the relay station to the UE.」(第18頁第17行から第19頁第2行まで) (当審訳) 「[0073] 図6は、無線通信ネットワークにおいて干渉を緩和するためのプロセス600の設計を示す。プロセス600は、UE、基地局/eNB、中継局、または何か他のエンティティによって行われることができる。異種ネットワークにおいて、第2の局へ高い干渉を引き起こしている、または第2の局から高い干渉を観測している、第1の局が識別されることができる(ブロック612)。異種ネットワークは、少なくとも2つの異なる送信パワーレベルおよび/または、異なるアソシエーションタイプの複数の基地局を具備することができる。第1の局からの第1の基準信号による干渉は、第2の局において該干渉をキャンセルすることによって緩和されることができ、あるいは第1の基準信号への干渉は、第1の基準信号との衝突を回避するために、第2の局によって第2の基準信号を伝送するための異なる複数のリソースを選択することによって緩和されることができる(ブロック614)。 [0074] 1つの設計では、第1の局は、基地局または中継局であることができ、また第2の局は、UEであることができる。ブロック614に関しては、第1の基準信号による干渉は、UEにおいてキャンセルされることができる。1つの設計では、第1の基準信号による干渉が推定され、そして干渉-キャンセルされた信号を得るために、UEにおいて受信された信号から減じられることができる。干渉-キャンセルされた信号は、次に、UEがそれと通信状態にある中継局または基地局に関するチャネル推定を得るために処理されることができる。干渉-キャンセルされた信号はまた、基地局または中継局によってUEに伝送されるデータおよび/または制御情報を得るために処理されることができる。」 以上の記載(特に下線部)からみて、引用文献2には、「基地局からの第1の基準信号への干渉を緩和するために、UEによって第2の基準信号を伝送するための異なる複数のリソースを選択すること。」という技術的事項が記載されていると認める。 第5 対比・判断 1.請求項1について (1)引用発明における「RE」は、本願発明1における「リソース要素」に相当する。 (2)引用発明では、サブフレーム中の各シンボルを構成する12個のREのうちの8つのREにCSI-RSを割り当てているから、この「8つのRE」は、CSI-RSを送信するための「RE(リソース要素)のパターン」を構成しているといえる。 そして、引用発明では、2つのシンボルのそれぞれの8つのREにCSI-RSを割り当てているから、引用発明は、CSI-RSを送信するための「REのパターン」を二つ有している、つまり、第1のREのパターンと第2のREのパターンを有しているといえる。 したがって、引用発明は、「基準信号を送信するための」「第1のリソース要素パターン」を含み、「ここにおいて、前記基準信号はチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を含」み、さらに、「前記基準信号を送信するための」「第2のリソース要素パターン」を含む、という点で、本願発明1と一致する。 したがって、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。 (一致点) 「基準信号を送信するための第1のリソース要素パターンを有し、ここにおいて、前記基準信号はチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を含む、 前記基準信号を送信するための第2のリソース要素パターンを有し、 前記第2のリソース要素パターンが前記第1のリソース要素パターンと重複しないことを を備える、ワイヤレス通信方法。」 (相違点) (相違点1)本願発明1では、「第1のリソース要素パターン」が少なくとも1つのユーザ機器に割り振られ、「第2のリソース要素パターン」が少なくとも1つのリレーノードに割り振られるものであるのに対し、引用発明では、各シンボルにおけるREのパターンがどのような装置に割り振られるかについての特定がされていない点。 (相違点2)第1のリソース要素パターンが、本願発明1は、基準信号を送信するための「第1のアンテナポートインデックスのための」ものであるのに対し、引用発明では、「第1のアンテナポートインデックスのための」ものとまでは特定されていない点。 また、第2のリソース要素パターンについても、同様である点。 (相違点3)前記第2のリソース要素パターンが前記第1のリソース要素パターンと重複しないことが、本願発明1では、「前記第1のアンテナポートインデックスが前記第2のアンテナポートインデックスとが異なること」によるものであるのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。 相違点1について検討すると、RSI-CSを含む基準信号を送信するためのRE(リソース要素)パターンについて、第1のREパターンをユーザ機器に割り振り、第2のREパターンをリレーノードに割り振るということは、引用文献2には記載されておらず、また、このことが本願優先日における周知技術であったということもできない。 「第4 引用文献・引用発明等」の「2.引用文献2について」に記載したとおり、引用文献2には、「基地局からの第1の基準信号への干渉を緩和するために、UEによって第2の基準信号を伝送するための異なる複数のリソースを選択すること。」という技術的事項が記載されている。ここで、「第2の基準信号」は、UEが、伝送、つまり、「送信」するものであるから、上り方向の基準信号である。 他方、本願発明1や引用発明におけるCSI-RSは、基地局が、UEやリレーノードに向けて送信する下り方向の基準信号である。 したがって、引用発明に、引用文献2に記載された技術的事項を適用した場合、当業者であれば、引用発明において、UEが送信する上り方向の基準信号のリソースとして、基地局が送信する下り方向の基準信号と異なる複数のリソースを選択する構成を採用することは容易に想到し得たとしても、下り方向の基準信号であるCSI-RSを含む基準信号を送信するためのRE(リソース要素)のパターンのうち、第1のREのパターンをユーザ機器に割り振り、第2のREパターンをリレーノードに割り振る構成を採用することを容易に想到し得たということはできない。 よって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 2.請求項2-4について 本願発明2-4は、それぞれ、本願発明1に対応するワイヤレス通信装置、プログラム、ワイヤレス通信のためのプロセッサの発明であり、本願発明1の「第1のリソース要素パターンを少なくとも1つのユーザ機器に割り振ること」と、「第2のリソース要素パターンを少なくとも1つのリレーノードに割り振ること」と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1-4は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-005678

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