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特許拒絶査定不服審判

2017-000910

モータ

審判番号
2017-000910
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-058144
請求日
2017年01月23日
審決日
2018年01月05日
公報発行日
2018年04月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アスモ株式会社
  • 【請求人代理人】恩田 誠
  • 【請求人代理人】恩田 博宣
審判長/審判官
  • 審判長 堀川 一郎
  • 審判官 久保 竜一
  • 審判官 遠藤 尊志
分類
P18 .121-Z (H02K) / P18 .575-Z (H02K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 58144「モータ」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月29日出願公開、特開2014-183694〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年3月21日の出願であって、平成28年6月9日付けの拒絶理由の通知に対し、平成28年7月21日付けで意見書が提出されたが、平成28年12月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成29年1月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。 第2 平成29年1月23日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年1月23日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正の内容 1-1.本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線を付した箇所は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、 それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、 有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータであって、 前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となっており、 前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとし、且つ該第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離に、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離と、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離とを含むとき、5.0≦B/A≦9.0の範囲となることを特徴とするモータ。」 1-2.本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、 それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、 有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータであって、 前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとしたとき、5.0≦B/Aの範囲となることを特徴とするモータ。 【請求項2】 請求項1に記載のモータにおいて、 前記ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離は、径方向内側に対して径方向外側が長いことを特徴とするモータ。」 1-3.補正の内容についての小括 前記1-2.及び1-1.に摘記した本件補正前後の特許請求の範囲の記載を比較すると、特許請求の範囲についての本件補正は、 本件補正前の請求項1を削除するとともに、 本件補正前の請求項2について、本件補正前の「前記ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離は、径方向内側に対して径方向外側が長い」との記載を「前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となっており」に、本件補正前の請求項1に記載されていた「前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとしたとき、5.0≦B/Aの範囲となる」の記載を「前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとし、且つ該第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離に、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離と、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離とを含むとき、5.0≦B/A≦9.0の範囲となる」に、それぞれ変更するものである。 2.補正の適否 特許請求の範囲についての本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号に規定する請求項の削除及び同条同項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2-1.本件補正発明 本件補正後の特許請求の範囲に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、前記「1-1.」に記載のとおりのものである。 2-2.引用例の記載事項 (1)引用例1 (1-1)原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-115085号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付加した。)。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、 第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、 前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる環状磁石と、 前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石と を備えたことを特徴とするロータ。 ・・・(中略)・・・ 【請求項13】 請求項1~12のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。」 (イ)「【0007】 本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、簡単な構成で小型化でき、爪状磁極間の漏れ磁束を減らし高出力化を可能にすることができるロータ及びモータを提供することにある。 ・・・(中略)・・・ 【0009】 請求項1に記載の発明によれば、環状磁石によって、ロータ内に界磁巻線が無くすことができ、それに伴って、モータ内に界磁巻線に電力を供給する電力供給装置が不要となり、モータ全体を小型できるととともに、安価に製造できる。また、極間磁石によって、第1爪状磁極と第2爪状磁極との間の漏れ磁束を減らすことができ、環状磁石の磁束をモータの出力に有効に利用することができる。」 (ウ)「【0027】 (第1実施形態) 以下、本発明の第1実施形態について図1~図6に従って説明する。 図1に示すように、ブラシレスモータ1のモータケース2は、有底筒状に形成されたケースハウジング3と、同ケースハウジング3のフロント側の開口部を閉塞するフロントカバー4とを有している。ケースハウジング3の内周面にはステータ5が固定されている。ステータ5のステータコア6は、鋼板よりなるステータコア片6aを複数積層して形成されている。」 (エ)「【0028】 ステータ5の内側には、図1に示すように、ロータ8が配設され、回転軸10に貫挿固着されている。回転軸10は、本実施形態では非磁性体の金属のシャフトであって、ケースハウジング3の底部及びフロントカバー4に設けられた軸受け12,13により回転可能に支持されている。回転軸10に固着されたロータ8は、ランデル型構造のロータである。 【0029】 ロータ8は、図2に示すように、周方向に複数の第1爪状磁極20を有する第1ロータコア21と、同第1ロータコア21と相対向して配置され、周方向に前記第1爪状磁極20間に配置される複数の第2爪状磁極30を有する第2ロータコア31と、第1ロータコア21と第2ロータコア31との間に配設される環状磁石41(図3及び図5参照)を備えている。」 (オ)「(第1ロータコア21) 第1ロータコア21は、図3に示すように、鋼板よりなるロータコア片PC1(図1、2、4においては図示略)が複数積層されて形成された第1コアベース22を有し、回転軸10に固着されている。 【0030】 その第1コアベース22の外周面22aには等間隔に7個の第1アーム部23が径方向に延出形成されている。各第1アーム部23の先端部には軸方向であって第2ロータコア31に向かって第1爪状磁極20が延出形成されている。各第1爪状磁極20は、第2ロータコア31側の鋼板よりなるロータコア片PC1のみを、その形状を変え外周に第1アーム部23から第1爪状磁極20を相当する部位を延出し、プレス機等で折り曲げて形成されている。 【0031】 この第1爪状磁極20の周方向の幅は、隣り合う第1爪状磁極20との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第1コアベース22には、周方向に、第1爪状磁極20が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。 【0032】 各第1爪状磁極20は、軸方向から見ると扇状に形成され、各第1爪状磁極20の外周面20a及び内周面20bは第1コアベース22と同心円となる。第1爪状磁極20の内周面20bの内径は、第1アーム部23の長さ分だけ第1コアベース22に外径に比べて長くなっている。そして、各第1爪状磁極20は、図3において、その周方向の時計回りの第1側面20c及び反時計回りの第2側面20dは平面であって回転軸10の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第1爪状磁極20は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。」 (カ)「(第2ロータコア31) 第2ロータコア31は、図3に示すように、第1ロータコア21と同一形状であって、鋼板よりなるロータコア片PC2(図1、2、4においては図示略)が複数積層されて形成された第2コアベース32を有し、回転軸10に固着されている。 【0033】 その第2コアベース32の外周面32aには等間隔に7個の第2アーム部33が径方向に延出形成されている。各第2アーム部33の先端部には軸方向であって第1ロータコア21に向かって第2爪状磁極30が延出形成されている。各第2爪状磁極30は、第1ロータコア21側の鋼板よりなるロータコア片PC2のみを、その形状を変え外周に第2アーム部33から第2爪状磁極30を相当する部位を延出し、プレス機等で折り曲げて形成されている。 【0034】 この第2爪状磁極30の周方向の幅は、隣り合う第2爪状磁極30との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第2コアベース32には、周方向に、第2爪状磁極30が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。 【0035】 また、各第2爪状磁極30は、軸方向からの平面視で扇状に形成され、各第2爪状磁極30の外周面30a及び内周面30bは第2コアベース32と同心円となる。そして、第2爪状磁極30の内周面30bの内径は、第2アーム部33の長さ分だけ第2コアベース32に外径に比べて長くなっている。そして、各第2爪状磁極30は、図3において、その周方向の時計回りの第1側面30c及び反時計回りの第2側面30dは平面であって回転軸10の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第2爪状磁極30は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。」 (キ)「【0037】 第2ロータコア31は、第1ロータコア21と、図5に示すように、環状磁石41を挟んで重ね合わされる。詳述すると、第2ロータコア31は、軸方向に延びた各第2爪状磁極30が、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20の間にそれぞれ嵌合するように、第1ロータコア21に対して、重ね合わされる。このとき、第1及び第2第1爪状磁極20,30の周方向の幅は、それぞれ隣り合う第1及び第2爪状磁極20,30の周方向の間隔よりも小さいため、隣り合う第1爪状磁極20と第2爪状磁極30の周方向の両側面が離間されるようになっている。 【0038】 また、第1ロータコア21と第2ロータコア31が環状磁石41を介して挟持固定されている状態で、第1爪状磁極20の先端面20eは第2コアベース32の反対向面32cと、第2爪状磁極30の先端面30eは第1コアベース22の反対向面22cとそれぞれ同一平面上にあるように形成されている。」 (ク)「(環状磁石41) 図3及び図5に示すように、第1ロータコア21と第2ロータコア31の間に挟持された環状磁石41は、軸方向の両側面41a,41bが第1及び第2コアベース22,32の対向面22b,32bに当接されている。環状磁石41の外周面41cは、第1及び第2コアベース22,32の外周面22a,32aと中心軸線Cを中心とした同心円で形成され、その環状磁石41の外径は第1及び第2コアベース22,32の外径と同一となるように形成されている。 【0039】 環状磁石41は、軸方向に磁化され、第1コアベース22側をN極、第2コアベース32側をS極となるように磁化されている。従って、この環状磁石41によって、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20はN極(第1の磁極)として機能し、第2ロータコア31の各第2爪状磁極30は、S極(第2の磁極)として機能する。」 (ケ)「【0043】 次に、上記のように構成した第1実施形態の作用効果を以下に記載する。 (1)上記実施形態によれば、複数の第1爪状磁極20を有した第1ロータコア21と複数の第2爪状磁極30を有した第2ロータコア31との間に環状磁石41を配置した状態で、第1ロータコア21に対して、第2ロータコア31を、各第2爪状磁極30をそれぞれ対応する各第1爪状磁極20間に配置した。そして、第1爪状磁極20と第2爪状磁極30との間に、第1及び第2爪状磁極20,30と同極極となるように磁化された第1及び第2極間磁石43,44を設けた。 【0044】 従って、環状磁石41によって、ロータ8内に界磁巻線が無くすことができ、それに伴って、モータ1内に界磁巻線に電力を供給する電力供給装置が不要となることから、ブラシレスモータ1全体が小型になるととともに、安価に製造できる。 【0045】 しかも、第1及び第2極間磁石43,44によって、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20と第2ロータコア31の各第2爪状磁極30との間の漏れ磁束を減らすことができ、環状磁石41の磁束をブラシレスモータ1の出力に有効に利用することができる。」 (コ)「【0091】 ・上記第1~第5実施形態では、内側補助磁石46の軸方向の長さを、環状磁石41より長くしたが、同じ長さで実施してもよい。この場合、第1及び第2ロータコア21,31に形成した環状凹部H1,H2が省略されることになる。 【0092】 ・上記第1実施形態では、外側補助磁石47を設けたが、この外側補助磁石47を省略してもよい。このとき、併せて、内側補助磁石46を省略して実施してもよいことは勿論である。」 そして、モータは、当然、ステータ及びロータの少なくとも一方に電磁石を構成する巻線を有しており、さらに巻線を有するステータとして、ステータコアに径方向に延びるティースを周方向に複数有し、該ティースに巻線を巻装してなるものは、慣用されているから、記載事項(ウ)及び(ケ)並びに図1の記載からみて、引用例1には次の事項が記載されていると理解できる。 (サ)ステータ5は、径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア6、及び前記ティースに巻装される巻線を有する。 記載事項(ウ)、(エ)及び(キ)並びに図1、2及び5の記載からみて、引用例1には次の事項が記載されていると理解できる。 (シ)ステータ5とロータ8とは、ケースハウジング3内に収容されており、 第1コアベース22の反対向面22cと第2コアベース32の反対向面32cのうちケースハウジング3に近い側の面とケースハウジング3との軸方向における軸間距離は、第1爪状磁極20の先端面20eと第2爪状磁極30の先端面30eのうちケースハウジング3に近い側の面と前記ケースハウジング3との軸方向における軸間距離より短い。 記載事項(オ)、(カ)及び(ク)並びに図3の記載からみて、引用例1には次の事項が記載されていると理解できる。 (ス)第1コアベース22及び第2コアベース32は、それぞれ、略円板状である。 (1-2)そうすると、これらの事項からみて、引用例1には、本件補正後の請求項1の記載に倣って整理すれば、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、 略円板状である第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、略円板状である第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、軸方向の両側面が前記第1及び第2コアベースの対向面に当接されて前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる環状磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石と、を備えたロータとを、 有底筒状に形成されたケースハウジングと、同ケースハウジングのフロント側の開口部を閉塞するフロントカバーとを有しているモータケース内に収容するブラシレスモータであって、 前記第1コアベースの反対向面と前記第2コアベースの反対向面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離は、前記第1爪状磁極の先端面と前記第2爪状磁極30の先端面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離より短い、ブラシレスモータ。」 (2)引用例2 (2-1)原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-5252号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (セ)「【請求項1】 ハウジングに収容され、径方向に延びるティースが周方向に複数設けられ、該ティースに巻線が巻装されたステータと、 前記ハウジングに回転可能に支持され、前記ステータと対向するロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータと を備えたモータであって、 前記ステータと前記突極との径方向の空隙の距離Aと、前記ロータコアと前記ハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離Bとの比率B/Aが、 1.0<B/A≦10.0 を満たすように設定されたことを特徴とするモータ。 【請求項2】 請求項1に記載のモータにおいて、 前記比率B/Aが、 4.0≦B/A≦8.5 を満たすように設定されたことを特徴とするモータ。」 (ソ)「【0001】 本発明は、コンシクエントポール型構造を採用したロータを備えるモータに関するものである。」 (タ)「【0004】 ところで、特許文献1のようなコンシクエントポール型構造のロータは、磁束の強制力(誘導)のあるマグネットと、磁束の強制力のないロータコアに一体形成された突極とが混在する磁極にて構成されている。このため、理想的には突極から対向するステータ(そのティース先端部)に向かう磁束が、他の方向に向かってしまいモータトルクに寄与しない漏れ磁束となり、ひいてはモータの出力を低下させる原因となっていた。 【0005】 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高出力化を図ることができるモータを提供することにある。」 (チ)「【課題を解決するための手段】 【0006】 上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、ハウジングに収容され、径方向に延びるティースが周方向に複数設けられ、該ティースに巻線が巻装されたステータと、前記ハウジングに回転可能に支持され、前記ステータと対向するロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータとを備えたモータであって、前記ステータと前記突極との径方向の空隙の距離Aと、前記ロータコアと前記ハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離Bとの比率B/Aが、1.0<B/A≦10.0を満たすように設定されたことを要旨とする。 【0007】 同構成によれば、ステータと突極との径方向の空隙の距離Aと、ロータコアとハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離Bとの比率B/Aが、1.0<B/A≦10.0を満たすように設定されるため、漏れ磁束が(例えば、B/A=1.0の場合より)小さくなる(図3参照)。又、不必要にロータコアとハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離Bを大きくしてしまうことがない。よって、モータの軸方向の不必要な大型化を避けながら、漏れ磁束を小さくして高出力化を図ることができる。 【0008】 請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータにおいて、前記比率B/Aが、 4.0≦B/A≦8.5を満たすように設定されたことを要旨とする。 同構成によれば、前記比率B/Aが、変極点である4.0≦B/A≦漏れ磁束低減効果が小さくなる8.5を満たすように設定されるため、B/Aが1.0の場合の漏れ磁束比を効果的に2/3から1/2の間に大きく減少させることができる(図3参照)。」 (ツ)「【0017】 (第1の実施の形態) 以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1~図3に従って説明する。 図1(a)及び図2は、インナロータ型のブラシレスモータ(以下、単にモータという)Mを示す。図1(a)及び図2に示すように、モータMのステータ10は、ハウジング11に収容保持され、径方向内側に延びるティース12aが周方向に複数(本実施の形態では12個)設けられたステータコア12と、前記ティース12aに巻装された巻線13とを備える。」 (テ)【0018】 又、モータMのロータ20は、図2に示すように、その回転軸21が前記ハウジング11に回転可能に支持されている。詳しくは、本実施の形態のハウジング11は、磁性金属材料よりなる略有底筒状のハウジング本体11aと、例えば、樹脂やSUSや真鍮等の非磁性材料よりなりハウジング本体11aの開口端を略閉塞するためのカバー部材11bとからなる。そして、ハウジング本体11aの底部中央に形成された軸受保持部11cと、カバー部材11bの中央に形成された軸受保持部11dとにそれぞれ保持された軸受(ボールベアリング)14,15にてロータ20の回転軸21が回転可能に支持されている。 【0019】 ロータ20において、回転軸21の外周面には磁性金属材料よりなる略円環状のロータコア22が固着されており、該コア22の外周部の周方向にN極のマグネット23が7個配置されるとともに、該コア22の外周部に一体形成された突極22aが各マグネット23間に空隙Kを以て配置されている。つまり、各マグネット23及び突極22aは等角度間隔に交互に配置(マグネット23と突極22aとが180°反対位置に配置)され、ロータ20は、N極のマグネット23に対して突極22aをS極として機能させる14磁極の所謂コンシクエントポール型にて構成されている。」 (ト)「【0020】 ここで、ステータ(ティース12aの先端部)10と突極22aとの(最短の)径方向の空隙の距離A(図1(b)参照)と、ロータコア22とハウジング11における磁性材料部(本実施の形態では、軸受保持部11c)との(最短の)軸方向の空隙の距離B(図2参照)との比率B/Aが、1.0<B/A≦10.0を満たすように設定されている。更に、本実施の形態では、前記比率B/Aが、4.0≦B/A≦8.5を満たすように、8.5(B/A=8.5)に設定されている。」 (ナ)「【0021】 次に、上記第1の実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。 (1)ステータ(ティース12aの先端部)10と突極22aとの径方向の空隙の距離Aと、ロータコア22とハウジング11における磁性材料部(軸受保持部11c)との軸方向の空隙の距離Bとの比率B/Aが、1.0<B/A≦10.0を満たすように設定されるため、漏れ磁束が(例えば、B/A=1.0の場合より)小さくなる(図3参照)。又、不必要にロータコア22とハウジング11における磁性材料部(軸受保持部11c)との軸方向の空隙の距離Bを大きくしてしまうことがない。詳しくは、図3は、実験によって前記比率B/Aを変化させたときの漏れ磁束比を示している。図3に示すように、前記比率B/Aが、1.0<B/Aを満たす場合、単純に前記距離Aと前記距離Bとを同じ(即ち、比率B/Aを1.0)とした場合に比べて、漏れ磁束比が小さくなることが分かる。又、図3に示すように、前記比率B/Aが、1.0<B/A≦10.0を満たす場合では徐々に漏れ磁束比が小さくなるものの、10.0より大きくなっても、漏れ磁束比は略変化しないことが分かる。そこで、本実施の形態では、前記比率B/Aを、1.0<B/A≦10.0を満たすように設定している。よって、モータMの軸方向の不必要な大型化を避けながら、漏れ磁束を小さくして高出力化を図ることができる。 【0022】 (2)図3に示すように、前記比率B/Aが、変極点である4.0≦B/A≦漏れ磁束低減効果が小さくなる8.5を満たすように設定されるため、B/Aが1.0の場合の漏れ磁束比(100%)を効果的に2/3(67%)から1/2(50%)の間に大きく減少させることができる。」 (ニ)「【0037】 ・上記第1の実施の形態では、前記比率B/Aが、4.0≦B/A≦8.5を満たすように設定されるとしたが、1.0<B/A≦10.0を満たしながら、4.0≦B/A≦8.5を満たさないように変更してもよい。このようにしても、上記第1の実施の形態の効果(1)と同様の効果を得ることができる。」 そして、記載事項(テ)並びに図1(a)及び2の記載からみて、引用例2には次の事項が記載されていると理解できる。 (ヌ)ロータ20は、ハウジング11に収容されている。 (2-2)以上のとおりであるから、引用例2には、本件補正後の請求項1の記載に倣って整理すれば、次の技術(以下、「引用例2に記載された技術」という。)が記載されている。 「径方向内側に延びるティースが周方向に複数設けられたステータコアと、前記ティースに巻装された巻線とを備えるステータと、 前記ステータと対向する略円環状のロータコアの外周部の周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの外周部に一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータとを 磁性金属材料よりなる略有底筒状のハウジング本体と、非磁性材料よりなり前記ハウジング本体の開口端を略閉塞するためのカバー部材とからなるハウジングに収容するモータにおいて、 前記ステータと前記突極との径方向の空隙の距離Aと、前記ロータコアと前記ハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離Bとの比率B/Aが、 4.0≦B/A≦8.5 を満たすように設定することにより、モータの軸方向の不必要な大型化を避けながら、漏れ磁束を小さくして高出力化を図ることができる。」 2-3.本件補正発明と引用発明との対比・判断 (1)対比 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア)引用発明の「ティース」、「ステータコア」、「巻線」、「ステータ」、「第1コアベース」及び「第2コアベース」、「第1爪状磁極」及び「第2爪状磁極」、「第1ロータコア」、「第2ロータコア」、「環状磁石」、「ロータ」、「ケースハウジング」、「フロントカバー」、「モータケース」並びに「ブラシレスモータ」は、それぞれ、本件補正発明の「ティース」、「ステータコア」、「巻線」、「ステータ」、「コアベース」、「爪状磁極」、「第1ロータコア」、「第2ロータコア」、「界磁磁石」、「ロータ」、「ヨークハウジング」、「蓋部」、「ケース」及び「モータ」に相当する。 (イ)引用発明の「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータ」は、本件補正発明の「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータ」に相当する。 (ウ)引用発明の環状磁石は、その軸方向の両側面が第1及び第2コアベースの対向面に当接されて当該第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置されているから、引用発明において、前記第1コアベースと前記第2コアベースは軸方向に対向しており、前記環状磁石は、前記第1コアベースと前記第2コアベースの軸方向の間に配置されている。 そうすると、引用発明の「略円板状である第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、略円板状である第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、軸方向の両側面が前記第1及び第2コアベースの対向面に当接されて前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる環状磁石と、を備えたロータ」は、本件補正発明の「それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータ」に相当する。 (エ)引用発明の「有底筒状に形成されたケースハウジング3と、同ケースハウジング3のフロント側の開口部を閉塞するフロントカバー4とを有しているモータケース」は、本件補正発明の「有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース」と、「有底筒状のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース」である点において一致する。 (オ)引用発明の「ステータと、」「ロータとを、」「モータケース内に収容する」態様は、本件補正発明の「ステータと、」「ロータとを、」「ケース内に収容する」態様に相当する。 (カ)引用発明の「前記第1コアベースの反対向面と前記第2コアベースの反対向面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離」及び「前記第1爪状磁極の先端面と前記第2爪状磁極30の先端面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離」は、それぞれ、「前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離」及び「前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離」に相当する。 そうすると、引用発明の「前記第1コアベースの反対向面と前記第2コアベースの反対向面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離は、前記第1爪状磁極の先端面と前記第2爪状磁極30の先端面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離より短い」態様は、本件補正発明の「前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となって」いる態様に相当する。 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 【一致点】 「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、 それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、 有底筒状でヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータであって、 前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となっている、モータ。」 【相違点1】 本件補正発明は、前記ロータが、前記第1ロータコア、前記第2ロータコア及び前記界磁磁石を有していれば足りるのに対し、引用発明は、ロータが更に「前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石」をも備えている点。 【相違点2】 本件補正発明は、前記ヨークハウジングが磁性体であるのに対し、引用発明は、前記ヨークハウジング(ケースハウジング)が磁性体であるか否か不明である点 【相違点3】 本件補正発明は、前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとし、且つ該第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離に、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離と、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離とを含むとき、5.0≦B/A≦9.0の範囲となるのに対し、引用発明は、そのような特定がされていない点 (2)判断 以下、相違点について検討する。 (ア)相違点1について、本件補正後の請求項1の記載からみて、本件補正発明は、ロータが第1ロータコア、第2ロータコア及び界磁磁石のみを有するものに限られるものではない。さらに、本件出願の明細書及び図面(特に段落0016、0022及び0035並びに図2及び3参照)には、本件出願に係る発明の実施形態として、前記ロータが、第1爪状磁極と第2爪状磁極との間に配置された極間磁石を有するものが記載されている。そうすると、本件補正発明は、ロータが前記極間磁石をも有するものを包含するから、前記相違点1は、実質的な相違点ではない。 (イ)相違点2及び3について検討する。 i.相違点2について、モータのヨークハウジングは、通常、磁性体で構成されている。引用発明においても、前記ヨークハウジング(ケースハウジング)は、当然、磁性体で構成されているといえ、相違点2は、実質的な相違点ではない。 ii.相違点3について引用例2に記載された技術をみると、引用例2に記載された技術の「ティース」、「ステータコア」、「巻線」、「ステータ」、「ロータコア」、「ロータ」、「ハウジング本体」、「カバー部材」、「ハウジング」及び「モータ」は、それぞれ、本件補正発明の「ティース」、「ステータコア」、「巻線」、「ステータ」、「コアベース」、「ロータ」、「ヨークハウジング」、「蓋部」、「ケース」及び「モータ」に相当する。 そうすると、引用例2に記載された技術の「径方向内側に延びるティースが周方向に複数設けられたステータコアと、前記ティースに巻装された巻線とを備えるステータ」は、本件補正発明の「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータ」に相当する。 引用例2に記載された技術の「前記ロータコアの外周部に一体形成され」、「他方の磁極として機能する」「突極」は、本件補正発明の「コアベースの外周部に、」「径方向外側に突出され」て形成された「爪状磁極」と、「コアベース外周部に径方向外側に突出されて形成された磁極」である点で一致する。してみると、引用例2に記載された技術の「前記ステータと対向するロータコアの外周部の周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置されるとともに、前記ロータコアの外周部に一体形成された突極が各マグネット間に空隙を以て配置され、前記突極を他方の磁極として機能するように構成されたロータ」は、本件補正発明の「それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータ」と、「略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の磁極が径方向外側に突出されて形成されたロータ」である点で一致し、引用例2に記載された技術の「前記ステータと前記突極との径方向の空隙の距離」は、本件補正発明の「前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離」と、「ステータと、コアベース外周部に径方向外側に突出されて形成された磁極との径方向における離間距離」である点で一致する。 引用例2に記載された技術の「ステータと、」「ロータとを、」「ハウジングに収容する」態様は、本件補正発明の「ステータと、」「ロータとを、」「ケース内に収容する」態様に相当する。 そして、引用例2に記載された技術において、ハウジングは、ハウジング本体とカバー部材とからなり、前記ハウジング本体は磁性金属材料よりなり、前記カバー部材は非磁性材料よりなるから、ハウジングにおける磁性材料部がハウジング本体であることは明らかである。してみると、引用例2に記載された技術の「前記ロータコアと前記ハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離」は、本件補正発明の「前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離」と、「コアベースとヨークハウジングとの軸方向における離間距離」である点において一致する。 してみると、引用例2には、相違点3に係る本件補正発明を特定する事項に関連して、 径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、 略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の磁極が径方向外側に突出されて形成されたロータとを、 有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータにおいて、 ステータと、コアベース外周部に径方向外側に突出されて形成された磁極との径方向における離間距離をA、コアベースとヨークハウジングとの軸方向における離間距離をBとしたとき、4.0≦B/A≦8.5の範囲とすることにより、モータの軸方向の不必要な大型化を避けながら、漏れ磁束を小さくして高出力化を図ることができる、 という技術が記載されているといえる。 そして、引用発明との関係で引用例2に記載された技術をみると、先に検討したことからみて、引用発明と引用例2に記載された技術は、「径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の磁極が径方向外側に突出されて形成されたロータとを、有底筒状でヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータ」に関するものである点で、共通の技術分野に属するものである。さらに、引用例1の記載、特に記載事項(イ)を参照するに、引用発明と引用例2に記載された技術は、モータの大型化の抑制という点で、課題を一にしており、さらにその漏れの方向は異なるものの、ロータの磁極からの磁束が対向するステータに向かわず他の方向に向かってしまう漏れ磁束の減少という点でも、課題が共通するものである。加えて、空間を隔てて対向する一対の部材間の磁気抵抗が、両者の離間距離が短くなる程小さくなることは技術常識であるから、ロータコアとヨークハウジングとの軸方向における離間距離Bが短くなる程、ヨークハウジングに磁束が漏れやすくなることは明らかであり、一方当該離間距離Bを長くすることが、モータの大型化につながることも明らかである。そして、ステータと爪状磁極との径方向における離間距離Aは、通常、モータによって一定の値に定まるから、B/Aが小さくなる程、ヨークハウジングに磁束が漏れやすくなり、B/Aが大きくなる程、モータの大型化につながることもまた明らかである。してみると、引用発明に引用例2に記載された技術を適用することは、当業者にとって容易である。 そして、先に検討したことからみて、引用例2に記載された技術の「前記ステータと前記突極との径方向の空隙の距離」は、引用発明における、前記ステータと前記爪状磁極の径方向における離間距離(前記ステータと前記第1及び第2爪状磁極との径方向における離間距離)と、「ステータと、コアベース外周部に径方向外側に突出されて形成された磁極との径方向における離間距離」である点で一致し、引用例2に記載された技術の「前記ロータコアと前記ハウジングにおける磁性材料部との軸方向の空隙の距離」は、引用発明の、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離(前記第1コアベースの反対向面と前記第2コアベースの反対向面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離)に相当する。そうすると、引用例2に記載された技術を引用発明に適用すれば、前記ステータと前記爪状磁極との径方向における離間距離をA、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1としたとき、所定の下限値≦B1/A≦所定の上限値とすることとなる。 引用発明は、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離(前記第1爪状磁極の先端面と前記第2爪状磁極30の先端面のうち前記ケースハウジングに近い側の面と前記ケースハウジングとの軸方向における軸間距離)をB2としたとき、B1<B2となっているから、所定の下限値≦B1/A≦所定の上限値とすれば、当然、当該所定の下限値<B2/Aとなる。 さらに、引用例2の記載、特に記載事項(チ)及び(ナ)からみて、引用例2に記載された技術において、前記B/Aに上限を設定するのは、モータの不必要な大型化を避けるためである。そして、先に検討したとおり、引用発明は、モータの大型化の抑制という点で、引用例2に記載された技術と課題を一にしているから、引用例2に記載された技術を引用発明に適用するにあたり、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離B1より長い前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離B2をもB2/A≦前記所定の上限値とすることは、当業者が当然に考慮する事項である。 そして、引用例2(特に記載事項(ニ)参照)には、前記所定の下限値及び上限値を必要に応じて適宜設定し得ることが示唆されている。さらに、引用例2に記載された技術と少なくともロータの型式が異なる引用発明に引用例2に記載された技術を適用した場合、効果の具体的な大きさが自ずと異なり得ることは、当業者が当然に考慮する事項である。そうすると、引用例2に記載された技術を引用発明に適用するにあたり、前記B/Aの下限値及び上限値を具体的にどの程度とするかは、当業者が必要に応じて適宜定め得る事項である。 したがって、引用発明において、相違点3に係る本件補正発明を特定する事項を備えるようにすることは、引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易になし得る事項である。 iii.あるいは、引用発明の前記ヨークハウジングが磁性体で構成されているといえないとしても、モータのヨークハウジングを磁性体で構成することは周知である(例えば引用例2参照)。さらに、先に検討したとおり、引用例2に記載された技術において、前記ヨークハウジング(ハウジング本体)は磁性体よりなるから、引用発明において、相違点2及び3に係る本件補正発明を特定する事項を備えるようにすることは、引用例2に記載された技術及び当該周知の事項に基いて、当業者が容易になし得る事項である。 (ウ)漏れ磁束は、ロータの型式にかかわらず生じ得る問題であり、また、先に検討したとおり、ロータコアとヨークハウジングとの軸方向における離間距離Bが短くなる程、ヨークハウジングに磁束が漏れやすくなることは明らかである。引用発明も、前記ヨークハウジングが、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースに近接しているから、引用例2に接した当業者が、引用発明においても、前記ヨークハウジングに磁束が漏れること、さらに前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離を長くすることにより当該漏れ磁束を小さくできることを予測することに、格別の困難性は見いだせない。 さらに、本件明細書及び図面の記載、特に段落0009、0026~0029及び図5~8を参照するに、本件補正発明において、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2としていることにより奏される効果も、格別異質なものではなく、前記B/Aの下限値である5.0、上限値である9.0にも臨界的意義を見いだせない。 したがって、前記相違点1~4を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する効果は、引用例1及び2の記載並びに前記周知の技術的事項から当業者が予測される範囲内のものであって、格別顕著なものともいえない。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、請求人は、審判請求書の【請求の理由】の「3.本願発明が特許されるべき理由」において、本願発明の基本構成を α.径方向に延びるティースを周方向に複数有するステータコア、及び前記ティースに巻装される巻線を有するステータと、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する蓋部を有するケース内に収容するモータ、 β.前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となっており、 γ.該第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離に、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離と、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離とを含む とし、さらに 構成X.5.0≦B/A≦9.0の範囲となる(A:ステータと爪状磁極との径方向における離間距離、B:第1及び第2ロータコアとヨークハウジングとの軸方向における離間距離(B1,B2を含む))、 とした上で、以下の主張をしている。 i.まず、請求人は、本件補正発明は、前記「3.本願発明が特許されるべき理由」において、引用例1,2に開示も示唆もされていない特有の構成(前記基本構成α,β,γに対して採用した前記構成X)を備える旨主張している。 請求人の前記主張を検討すると、確かに、引用例1及び2は、いずれも、前記基本構成基本構成α,β,γ及び前記構成Xの全てを開示するものではない。しかしながら、原査定の理由及び本審決の理由は、特許法第29条第2項の規定によるものであって、本件補正発明は、引用発明及び引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであることは、先に検討したとおりである。 ii.請求人は、前記「3.本願発明が特許されるべき理由」において、前記基本構成αにおける「コアベース同士の間で軸方向に磁化された界磁磁石からの磁束の一部がヨークハウジング側に漏れてしまう虞」(特有の技術課題)は、本願発明の発明者が初めて着目した技術課題であって、前記基本構成αに対して採用した前記構成Xは本願発明独自の着想に基づく構成であり、本願発明の出願時において着目されていなかった前記技術課題を解決する手段として、前記基本構成αとは異なるコンシクエントポール型構造を採用したロータを備えるモータを開示する引用例2に記載の数値(範囲)を、コンシクエントポール型構造を採用したロータとは型の異なる引用例1のランデル型構造のロータに対し採用することは、たとえ当業者といえども容易なものではなく、前記基本構成αに対して採用した前記構成Xによる作用効果は、本願発明の出願時において着目されていなかった前記技術課題を解決することのできるランデル型のロータ特有の効果である旨主張している。 請求人が主張するとおり、引用例2に記載された技術は、コンシクエントポール型構造を採用したロータを備えるモータに関するものであって、前記基本構成αを備えるものではない。 しかしながら、引用例2に接した当業者が、ロータコアのコアベースとヨークハウジングとが近接する箇所を有する引用発明においても漏れ磁束が生じ得ると予測することができることは、先に検討したとおりであって、引用発明において所定の下限値≦前記B/A≦所定の上限値とすることが、引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に想到し得る事項であり、本件補正発明の奏する効果も、引用例1及び2の記載並びに前記周知の技術的事項から当業者が予測される範囲内のものであることも、先に検討したとおりである。 さらに、引用例1の記載、特に第3実施形態に関する記載を参照すると、前記基本構成αのロータには、軸方向の両端部がコンシクエントポール構造のロータを形成するものをも包含される。そうすると、本件補正発明が奏する効果はランデル型のロータ特有のものであるとの請求人の主張は、その前提を欠くものである。 iii.請求人は、前記「3.本願発明が特許されるべき理由」において、本件補正発明では、「爪状磁極におけるヨークハウジング側の端とヨークハウジングとの軸方向における離間距離B2」についても前記構成Xで規定の数値範囲となるのに対し、引用例2には、「ステータ10と突極22aとの径方向の空隙の距離A」と「磁極におけるハウジング11側の端とハウジング11との軸方向の空隙の距離」との関係(数値範囲)について開示も示唆もされていない旨主張している。 引用例2には、「ステータ10と突極22aとの径方向の空隙の距離A」と「磁極におけるハウジング11側の端とハウジング11との軸方向の空隙の距離」との関係(数値範囲)について開示も示唆もされていないことは、請求人が主張するとおりである。しかしながら、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたときB1<B2となっている引用発明に引用例2に記載された技術を適用すれば、前記B2も自ずと所定の下限値≦B2/Aとなり、さらにモータの大型化の抑制という、引用発明と引用例2に記載された発明に共通する課題を考慮すれば、B2/A≦所定の上限値とすることが、当業者が当然に考慮する事項であることは、先に検討したとおりである。 iv.更に、請求人は、前記「3.本願発明が特許されるべき理由」において、本願発明の出願時において未解決であった前記技術課題を解決すべくなされた本件補正発明は、前記基本構成α,β,γを採用するものにおいて、「爪状磁極におけるヨークハウジング側の端とヨークハウジングとの軸方向における離間距離B2」(及び離間距離B1)を含む「第1及び第2ロータコアとヨークハウジングとの軸方向における離間距離B」と、「ステータと爪状磁極との径方向における離間距離A」との間で、前記構成Xを採用することで、「ステータと爪状磁極との径方向における離間距離Aに対して、第1及び第2ロータコアとヨークハウジングとの軸方向における離間距離B(B1,B2を含む)を確保して、軸方向への漏れ磁束が減ったため、出力特性(モータ特性)が向上された」という特有の作用効果が得られるものである旨主張している。 請求人の前記主張を検討すると、引用発明において、所定の下限値≦B2/A≦所定の上限値とすることは、引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に想到し得る事項であること、及び当該所定の下限値及び上限値の具体的な値は、当業者が必要に応じて適宜定め得ることは、先に検討したとおりである。 さらに、引用例2、特に記載事項(ナ)及び図3をみれば、前記B/Aと漏れ磁束の減少との関係について、本件補正発明と引用例2に記載された技術は、同様の傾向を示している。してみれば、先に検討したとおり、本件補正発明の奏する効果は、引用例1及び2の記載並びに前記周知の技術的事項から当業者が予測し得る範囲を超えるものとはいえない。 v.以上のとおりであるから、請求人の前記主張のいずれによっても、本件補正発明が特許すべきものとすることはできない。 3.本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成29年1月23日付けの手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された事項により特定される、前記「第2[理由]1-2.」に記載のとおりのものである。 2.引用例 原査定の拒絶の理由で引用された引用例1及び2並びにその記載事項は、前記「第2[理由]2-2.」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記「第2[理由]2-3.」で検討した本件補正発明から、「前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB1、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離をB2としたとき、B1<B2となっており」、「該第1及び第2ロータコアと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離に、前記第1及び第2ロータコアのうち前記ヨークハウジングに近い側のロータコアの前記コアベースと前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離と、前記爪状磁極における前記ヨークハウジング側の端と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離とを含む」及び「B/A≦9.0」との限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明を特定する事項を全て含み、更に他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、「前記第2[理由]2-3.」に記載したとおり、引用発明及び引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び引用例2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-000910

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