意匠補正却下不服審判
2016-500001
収納カセット
- 審判番号
- 2016-500001
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 補正却下不服審判(補正却下不服の審決)
- 出願番号
- 意願2015-001547外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年01月27日
- 審決日
- 2016年06月07日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】フューマケア リミテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
- 分類
- D17 .1 -W (C0-1) / D17 .2 -W (C0-1)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法17条の2第1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第17条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2015-001547「収納カセット」において,平成27年10月9日付けでした手続補正に対してされた補正却下の決定に対する不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【 結 論】
原決定を取り消す。
理由
【 理 由】
1.経緯
本願は,2014年7月9日のニュージーランドへの出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成27年(2015年)1月9日付けの意匠登録出願であり,出願当初の願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「収納カセット」とし,願書に添付の図面には,「正面図」「背面図」「平面図」「底面図」「右側面図」及び「左側面図」並びに「斜視図1」及び「斜視図2」が記載されていた。
そして,出願人は,平成27年10月9日に手続補正書を提出して,「参考図1ないし4」の追加と,「意匠に係る物品」の欄の記載内容の変更及び,「意匠に係る物品の説明」の欄の記載の追加をする補正をした。
しかし,原審では,この補正に対して,「『収納カセット』という概括的な名称や用途不明の形状のみでは,その具体的用途や使用態様等が不明であると言わざるを得ず,上記補正によって初めて,主として女性トイレ用の汚物入れ容器に装着される着脱式カセットに係わる意匠として特定されたものと認められ,この補正は,この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて,出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断しても特定できなかった意匠について,その要旨を特定するものですから,出願当初の願書の記載及び添付図面の要旨を変更するものと認められます。」旨の理由により,意匠法第17条の2第1項の規定に基づき,補正の却下の決定をした。
これに対して,請求人は,これを不服として,審判を請求した。
2.請求人の主張
請求人は,おおむね,当該補正に対して,原審が意匠の要旨を変更するものと認めた原因は,ニュージーランド国と我が国の意匠に係る法令の相違により生じたことにあること,及び「汚物入れカセット」について,衛生用品の分野における通常の知識に基づいて出願当初の提出書類に記載された内容をもって出願意匠の認定を行うと,図面に記載された本カセットの筒状部分と,外周部の折れ曲がった部分は,汚物入れカセット特有の態様であり,本願の意匠の属する分野における通常の知識に基づけば,本願の願書に添付した図面から,本願の意匠に係る物品が「汚物入れカセット」であることは,容易に導き出すことができることより,本補正は,意匠の要旨の変更には該当しない,と主張している。
3.当審の判断
意匠の要旨は,その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて,願書の記載及び願書に添付した図面等から直接的に導き出される具体的な意匠の内容をいうものとされるところ,意匠は物品の形態をいうから,「具体的な意匠の内容」とは,「具体的な物品の,具体的な形態の内容」ということができる。
そこで,物品に係る「具体的な形態の内容」について,上記手続補正の前後において変更があったか否かを検討すると,上記手続補正により,図面は,参考図の追加のみであって,出願当初の図面に変更はないから,「具体的な形態の内容」について変更があったということはできない。
そして「具体的な物品の内容」の変更の有無を検討すると,「収納カセット」が「汚物入れ用カセット」と補正されたところ,そもそも補正前の「収納カセット」が,「汚物入れ用カセット」と同程度に具体的でなく,また,「汚物入れ用カセット」と同程度に具体的な物品の,例えば「CD入れ用カセット」のような具体的な物品とはいえず,「収納カセット」が「汚物入れ用カセット」をも包含するものといわざるをえないから,「収納カセット」を「汚物入れ用カセット」と補正しても,より具体的になったとはいえるが,例えば「CD入れ用カセット」が「汚物入れ用カセット」と「具体的な物品の内容」が変更されたとまではいうことができない。
そして,出願当初から図面によって表された本願意匠の形態は,筒状の本体部分と,折れ曲がった外周部分が表れており,この点は,多数のビニール袋が格納されるための形態と認識する方が自然であって,「CD入れ用カセット」等,その他のカセットの形態というよりもむしろ,「汚物入れ用カセット」に見られる類いの態様であると認められる。
以上のことから,意匠に係る物品を「収納カセット」から「汚物入れ用カセット」に変更し,意匠に係る物品の説明を追加した,本補正によって,本願意匠の要旨を変更したものとは認められない。
4.結び
以上のとおりであって,本補正によっては,意匠の要旨を変更したと認めることができないものであるから,この補正を意匠法第17条の2第1項の規定により却下すべきものとした決定は,取消しを免れない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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