特許拒絶査定不服審判
2016-017492
電子部品装着装置
- 審判番号
- 2016-017492
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-142506外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年11月24日
- 審決日
- 2017年09月19日
- 公報発行日
- 2017年11月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤマハ発動機株式会社
- 【請求人代理人】振角 正一
- 【請求人代理人】大西 一正
- 分類
- P18 .121-WY (H05K) / P18 .537-WY (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-142506「電子部品装着装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年1月16日出願公開、特開2014-7303、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1.手続の経緯
本願は、平成24年6月25日の出願であって、平成28年1月28日付けで拒絶理由が通知され、同年3月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月17日付け(発送日:同年8月23日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、その審判の請求と同時に、特許請求の範囲を補正する手続補正がなされ、その後、平成29年2月23日に前置報告がされ、当審において同年5月2日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年6月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2.本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成29年6月28日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。
「【請求項1】
複数並設された部品供給ユニットより収納テープ内の電子部品を部品保持具により取出して、基板上に前記部品保持具に保持された電子部品を装着するものであって、電子部品を取出した後の収納テープを切断するカッター装置を備えた電子部品装着装置において、
前記カッター装置を本体機体に設けられた一対の案内壁と、この一対の案内壁の一端部において両案内壁間を連結する支持体に支持された固定刃と、前記各案内壁に案内されながら移動する各被案内体に固定された可動刃と、前記固定刃と共に前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃を前記固定刃に向けて移動させ、前記収納テープを切断した後に前記可動刃を元に戻すための駆動源と、前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサと、この検出センサが前記可動刃が元に戻らなかったことを検出した場合にその回数を計数するカウンタと、このカウンタが連続して所定回数に達した場合に異常終了させるように制御する制御装置とを設け、前記制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したことを前記カウンタが計数すると、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことの前記検出センサによる検出と、前記戻り動作による前記可動刃の前記固定刃からの離間の試みとを連続で所定回数実行すると、異常終了させる請求項1に記載の電子部品装着装置。」
第3.刊行物、引用発明等
(1)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1(特開2000-317722号公報)には、「カッタ装置」に関し、図面(特に【図4】参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0011】図4に示すように、このカッタ装置は、支持ベース110上に固設された固定側カッタ120(第2カッタ)と、支持ベース110上のガイドレール112A、112Bによって矢線A方向に移動可能に設けられ、駆動シリンダ116によって移動制御される移動側カッタ130(第1カッタ)とを有する。 また、図5に示すように、本例のカッタ装置によってカットされるリールテープ140は、電子部品の実装装置等において、電子部品を供給するためのパーツ供給テープを構成するものであり、長手方向に等間隔で多数の電子部品を順次保持している。そして、このリールテープ140は、パーツカセット142より順次送り出され、実装装置において電子部品をピックアップされた後、空テープとして本例のカッタ装置に供給され、カッタ装置によって細かく裁断されるものである。」
イ.上記記載事項ア.の「実装装置において電子部品をピックアップされた後」との記載から、実装装置は、電子部品をピックアップするための部品保持具を有することが分かる。
ウ.上記記載事項ア.の「このカッタ装置は、支持ベース110上に固設された固定側カッタ120(第2カッタ)と、支持ベース110上のガイドレール112A、112Bによって矢線A方向に移動可能に設けられ、駆動シリンダ116によって移動制御される移動側カッタ130(第1カッタ)とを有する。」との記載と、【図4】とを併せてみれば、カッタ装置は、本体機体に設けられた一対のガイドレール112A、112Bと、この一対のガイドレール112A、112B間を連結する支持ベース110に支持された固定側カッタ120と、前記各ガイドレール112A、112Bに案内されながら移動する移動側カッタ130と、駆動シリンダ116とから構成されることが分かる。
エ.上記記載事項ア.の「駆動シリンダ116によって移動制御される移動側カッタ130(第1カッタ)とを有する。 ・・・(中略)・・・そして、このリールテープ140は、パーツカセット142より順次送り出され、実装装置において電子部品をピックアップされた後、空テープとして本例のカッタ装置に供給され、カッタ装置によって細かく裁断されるものである。」との記載によれば、駆動シリンダ116は、固定側カッタ120と共に空テープを裁断するための前記移動側カッタ130を前記固定側カッタ120に向けて移動させ、空テープを裁断した後に前記移動側カッタ130を元に戻すためのものであることが分かる。
上記記載事項、認定事項及び図示事項を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「パーツカセット142よりリールテープ140内の電子部品を部品保持具により取出して、前記部品保持具に保持された電子部品を装着するものであって、空テープを裁断するカッタ装置を備えた電子部品装着装置において、
前記カッタ装置を本体機体に設けられた一対のガイドレール112A、112Bと、この一対のガイドレールの112A、112B間を連結する支持ベース110に支持された固定側カッタ120と、前記各ガイドレール112A、112Bに案内されながら移動する移動側カッタ130と、前記固定側カッタ120と共に前記空テープを裁断するための前記移動側カッタ130を前記固定側カッタ120に向けて移動させ、前記空テープを裁断した後に前記移動側カッタ130を元に戻すための駆動シリンダ116とから構成する電子部品装着装置。」
(2)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物2(特開2009-158661号公報)には、「表面実装機」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0022】
これらの図において、符号1で示すものは、この実施例による表面実装機1である。この表面実装機1は、プリント配線板(図示せず)を搬送するためのコンベアの側方に多数のテープフィーダ2,2…を備えている。図1においては、多数のテープフィーダ2のうち一部のテープフィーダ2のみが二点鎖線によって描いてある。
【0023】
これらのテープフィーダ2は、前記プリント配線板の搬送方向に並べられた状態で表面実装機1の基台3に着脱可能に装着されている。
これらのテープフィーダ2は、図示してはいないが、電子部品を収納したテープを吸着位置に送り、この電子部品が電子部品移動装置によって取出されることにより空になったテープ(空テープ)を先端部から下方に導出する構成が採られている。
【0024】
この表面実装機1における前記テープフィーダ2の下方には、前記空テープを所定の長さに切断するための空テープ切断装置4が装備されている。
前記空テープ切断装置4は、図2~図5に示すように、表面実装機1の前記基台3に固定する板状のベース板11と、このベース板11の一端部(図4においては上側の端部)に支持板12を介して固定された固定刃13と、この固定刃13の上に設けられたテープ導入用ダクト14と、前記ベース板11の上に後述するスライド機構15(図3参照)を介して平行移動自在に支持された可動部材16と、この可動部材16を駆動するためのエアシリンダ17などによって構成されている。」
イ.「【0042】
このように構成された空テープ切断装置4を装備した表面実装機1においては、電子部品をプリント配線板に実装することによってテープフィーダ2から空テープが排出される。一方、空テープ切断装置4は、空テープを切断しない場合は、可動部材16が装置前側に位置する状態で停止している。前記テープフィーダ2から排出された空テープは、空テープ切断装置4のテープ導入用ダクト14内と固定刃13の前方近傍とを通されて前記テープ通路S内に挿入される。この空テープは、たとえば表面実装機1が予め定めた枚数だけプリント配線板に電子部品を実装した後など、所定の時期に空テープ切断装置4によって切断する。」
上記記載事項及び図示事項を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物2には、次の事項(以下、「刊行物2に記載された事項」という。)が記載されている。
「複数並設されたテープフィーダ2より電子部品を収納したテープ内の電子部品を電子部品移動装置により取出して、プリント配線板上に前記電子部品移動装置に保持された電子部品を装着する表面実装機1であって、空テープを切断する空テープ切断装置4を備えた表面実装機1。」
(3)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物3(特開2007-119104号公報)には、「原稿搬送装置、及びそれを搭載する複写機」に関し、図面(特に【図1】、【図2】及び【図8】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物3に記載された事項」という。)。
ア.「【0014】
図1に示されている通り、本発明の実施形態によるADF1の機械的な構造は、原稿トレイ2、原稿搬送部3、トレイ駆動部4、及び排紙トレイ7に大別される。
原稿トレイ2と排紙トレイ7とは、好ましくは上下に配置され、原稿トレイ2は原稿搬送部3の入口に、排紙トレイ7は原稿搬送部3の出口に、それぞれ接続される。原稿トレイ2には複写対象の原稿(図示せず)が載せられる。原稿搬送部3は原稿トレイ2に載せられた原稿を上から順に一枚ずつ引き抜き、開口部6Aとイメージセンサ6Bとを通して排紙トレイ7に送る。排紙トレイ7には、原稿搬送部3から排出された原稿が載せられる。原稿トレイ2と排紙トレイ7とはいずれも水平方向から傾き、原稿搬送部3に近い部分が他の部分より低い。それにより、原稿トレイ2と排紙トレイ7とのそれぞれの上に載せられた複数の原稿の端が各トレイ2、7の低い方の端に揃う。
【0015】
原稿トレイ2は、原稿搬送部3の入口に近い部分に可動部2Aを含む(図1参照)。可動部2Aは、原稿搬送部3の入口から遠い第一の端部2Cを軸として上下に回動可能である。すなわち、原稿搬送部3の入口に近い可動部2Aの第二の端部2Dが上下に変位可能である(図1に示されている第二の矢印U2参照)。特に、第二の端部2Dの上昇により、原稿トレイ2に載せられた原稿の最も上に位置する一枚が原稿搬送部3の入口部分、特にピックアップローラ3Aの下部に接触する(図1には、上昇時の可動部2Aが一点鎖線で示されている)。更に、ピックアップローラ3Aにより原稿が一枚引き抜かれるごとに、可動部2Aは小刻みに上昇を繰り返す。それにより、原稿の次の一枚がピックアップローラ3Aの下部に接触する。
【0016】
原稿の搬送方向に対して垂直な方向では、可動部2Aの端部の上にガイド板2Bが固定されている。原稿トレイ2に載せられた原稿の、搬送方向に対して垂直な方向での端がガイド板2Bにより支えられるので、可動部2Aの上下動や原稿搬送部3の入口部分3Aの振動に関わらず、原稿の向きが安定に維持される。
【0017】
原稿トレイ2の可動部2Aの下にはトレイ駆動部4が設置される(図1参照)。トレイ駆動部4は、シャフト4A、支持板4B、及びモータ(図示せず)を含む。軸回転が可能であるように、シャフト4Aは設置される。シャフト4Aの軸は好ましくは、原稿の搬送方向に対して垂直で、かつ水平である。支持板4Bの上面は原稿トレイ2の可動部2Aの下面と対向している。支持板4Bは原稿搬送部3の入口から遠い端で、シャフト4Aに固定されている。シャフト4Aが回動するとき、支持板4Bがシャフト4Aを軸として回動し、原稿搬送部3の入口に近い端が上下に変位する(図1に示されている第一の矢印U1参照)。支持板4Bのその端で原稿トレイ2の可動部2Aの下面が支えられることにより、原稿トレイ2の可動部2Aがシャフト4Aの回動に伴って上下に変位する(図1には、上昇時の支持板4Bが一点鎖線で示されている)。
【0018】
原稿搬送部3の入口に接続された原稿トレイ2の部分には原稿センサ5Aが設置される(図1参照)。原稿センサ5Aは圧力センサ又はスイッチであり、原稿トレイ2に載せられた原稿の有無を検知する。
原稿搬送部3の入口部分、特にピックアップローラ3Aの上方には、原稿位置センサ5Bが設置される。原稿位置センサ5Bは圧力センサであり、ピックアップローラ3Aに対して上向きに作用する圧力(特に、原稿トレイ2に載せられた原稿との接触によりピックアップローラ3Aが受ける圧力)を検出する。
【0019】
原稿搬送部3は、ピックアップローラ3A、分離ローラ群3B、駆動ローラ対3C、主駆動ローラ3D、従動ローラ群3E~3G、駆動ローラ3H、排紙ローラ群3I、上側搬送路3J、下側搬送路3K、及びイメージセンサ6Bを含む(図1参照)。各ローラ3A、…、3Iは好ましくは円筒であり、軸回転が可能である。特に、各ローラの軸は原稿の搬送方向に対して垂直で、かつ水平である。ピックアップローラ3Aは原稿搬送部3の入口部分に設置され、その下部が原稿トレイ2に載せられた原稿の最も上に位置する一枚に接触する。ピックアップローラ3Aがモータ(図示せず)により回転するとき、原稿トレイ2に載せられた原稿が上から順に引き抜かれ、原稿搬送部3の入口から内部に入る。分離ローラ群3Bは、ピックアップローラ3Aにより引き抜かれた原稿のうち、その最も上に位置する一枚のみを上側搬送路3Jに排出する一方、それ以外の原稿の侵入を阻止する。上側搬送路3Jは上下方向で狭い隙間である。分離ローラ群3Bから排出された原稿は駆動ローラ対3Cに挟まれて上側搬送路3Jに沿って進み、従動ローラ3Eにより駆動ローラ3Cの外周面に接触する(図1に示されている破線P1参照)。原稿は更に従動ローラ3E、3Fにより支えられた状態で、主駆動ローラ3Dと共に回転する。主駆動ローラ3Dの下方には開口部6Aが設けられている。主駆動ローラ3Dと共に回転する原稿の外面が開口部6Aを通し、更に下方に位置する複写機の画像読み取り面(図示せず)で走査される。走査された原稿は従動ローラ3Gにより、下側搬送路3Kに排出される。下側搬送路3Kは上下方向で狭い隙間である。主駆動ローラ3Dから分離された原稿は下側搬送路3Kに沿って進み、駆動ローラ3Hによりイメージセンサ6Bに接触する(図1に示されている破線P2参照)。それにより、開口部6Aで走査された面とは反対の原稿面が走査される。走査された原稿は排紙ローラ群3Iにより、原稿搬送部3の出口から排紙トレイ7に排出される。
【0020】
ADF1では、上記の機械部分に対する制御系統が次のように構成される(図2参照)。その制御系統は、入力部9、制御部10、原稿搬送部3、トレイ駆動部4、トレイ監視部5、及びエラー制御部8を含む。
入力部9は好ましくは複写機の操作パネルであり、操作に関する情報(例えばコピーの開始指示)をユーザから受け付ける。制御部10は好ましくはCPUであり、所定のプログラムに従い、原稿搬送部3、トレイ駆動部4、トレイ監視部5、及びエラー制御部8を制御する。原稿搬送部3では、ピックアップローラ3A、分離ローラ群3B、駆動ローラ群3C、3D、3H、及び排紙ローラ群3Iの各回転が制御部10により制御される。トレイ駆動部4では、シャフト駆動用のモータ4Cが制御部10により制御される。
【0021】
トレイ監視部5は好ましくは、上記の原稿センサ5Aと原稿位置センサ5Bとに加え、トルクセンサ5Cを含む。トルクセンサ5Cはトレイ駆動部4のモータ4Cのトルクを検出する。そのトルク検出には好ましくは、モータ4Cの電流又は電圧の測定値が利用される。トレイ監視部5はその他に、原稿トレイ2の可動部2Aによる所定の変位に要した時間を計測する。好ましくは、原稿が原稿トレイ2に載せられて可動部2Aが初期位置から上昇し始めた時点から、原稿がピックアップローラ3Aに適切な圧力で接触する時点までの経過時間が計測される。更に、全ての原稿の搬送が終了し、可動部2Aが下降し始めた時点から初期位置に戻る時点までの経過時間が計測される。
【0022】
エラー制御部8は、トレイ監視部5からの情報に基づいて原稿トレイ2の可動部2Aの変位状態に関するエラーを検出し、好ましくは、そのエラー検出を制御部10に通知することにより、原稿搬送部3とトレイ駆動部4とを停止させる。ここで、可動部2Aの変位状態に関するエラーには、好ましくは、モータ4Cのトルクが異常に増大する場合、及び、所定の時間を経過しても可動部2Aによる所定の変位が得られない場合、が含まれる。エラー制御部8は更に、上記のエラーの検出回数をカウントする。そのカウントが所定の閾値に達するまでは、エラー制御部8は原稿搬送部3とトレイ駆動部4との動作の継続を許可する。すなわち、ユーザが操作パネルを通して動作の再開を指示するとき、制御部10はエラー制御部8により妨げられることなく、原稿搬送部3とトレイ駆動部4とを再起動できる。一方、エラー制御部8によるカウントが閾値に達したときは、エラー制御部8は原稿搬送部3とトレイ駆動部4との動作の継続を禁止する。すなわち、ユーザが操作パネルを通して動作の再開を指示しても、制御部10による原稿搬送部3とトレイ駆動部4との再起動がエラー制御部8により妨げられる。
【0023】
上記の構成を利用し、ADF1は原稿搬送処理を次のように実行する。図3は原稿搬送処理の全体を表すフローチャートである。原稿搬送処理は、位置決めステップS1、搬送ステップS2、及び終了ステップS3の三つに大別される。位置決めステップS1では、原稿の搬送に先立ち、原稿トレイ2の可動部2Aの位置が決定される。搬送ステップS2では、原稿が原稿トレイ2から搬送される。終了ステップS3では、原稿が全て搬送された時点で原稿トレイ2の可動部2Aが初期位置に戻される。」
イ.「【0035】
図8は、終了ステップS3の詳細を示すフローチャートである。終了ステップS3では、ステップS31:制御部10が原稿搬送部3を停止させる。
ステップS32:トレイ駆動部4がモータ4Cを作動させ、原稿トレイ2の可動部2Aを所定量、下降させる。ここで、その下降量は好ましくは一定に維持される。その他に、可動部2Aの第二の端部2Dの位置が低いほど、その下降量が小さくても良い(図1参照)。
ステップS33:トレイ監視部5がトルクセンサ5Cを用い、モータ4Cのトルクを監視する。検出されたトルクが所定の範囲内に収まっているときは処理がステップS34に進み、それ以外のときは処理がステップS36に分岐する。
ステップS34:トレイ監視部5が原稿トレイ2の可動部2Aの位置を監視し、初期位置に戻ったか否かを判断する。その判断には好ましくは、可動部2Aが初期位置に停留するときに可動部2Aに接触する圧力センサ又はスイッチ(図示せず)が利用される。可動部2Aが初期位置まで戻るときは終了ステップS3が終了する。それ以外のときは処理がステップS35に進む。
ステップS35:トレイ監視部5がステップS32の開始時点からの経過時間を計測する。その経過時間が所定の許容上限より短いときは処理がステップS32に戻り、それ以外のときは処理がステップS36に進む。
ステップS32~S35のループが繰り返されることにより、原稿トレイ2の可動部2Aが初期位置に戻る。
【0036】
ステップS36:エラー制御部8が可動部2Aの変位状態に関するエラーを検出する。更に、終了ステップS3の開始からその時点までにステップS37が行われた回数(以下、リカバリ回数という)を、エラー制御部8がチェックする。リカバリ回数が所定の上限(好ましくは、3)より少ないとき、処理はステップS37に進み、それ以外のときは処理がステップS38に分岐する。
ステップS37:トレイ駆動部4がモータ4Cを作動させ、原稿トレイ2の可動部2Aを上限まで上昇させる(この動作をリカバリ動作という)。更に、エラー制御部8がリカバリ回数に1を加える。リカバリ動作中、トレイ監視部5が可動部2Aの変位状態をステップS33~S35と同様に監視する。特に、リカバリ動作中にトレイ監視部5が可動部2Aの変位状態に関するエラーを検出した場合、処理がステップS36に分岐する(図示せず)。
ステップS38:エラー制御部8により検出されたエラーがサービスマンコールエラーとして識別される。更に、サービスマンコールの発生が複写機の操作パネルに表示され、ユーザによる操作が拒絶される。すなわち、ユーザによる所定の操作では原稿搬送部3とトレイ駆動部4とが動作を継続できない。
ステップS36、S37により、可動部2Aに対する初期位置への復帰処理中にエラーが検出されても、その検出回数が所定の上限に達するまではリカバリ動作と復帰処理とが繰り返される。」
(4)前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物4(特開2002-87691号公報)には、「カッターの制御方法」に関し、図面(特に【図1】及び【図3】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物4に記載された事項」という。)。
「【0020】以下に、上記カッター装置の動作手順を図3および図4に示したフローによって説明する。
【0021】手順1(図3):プリンタをスタートさせる(ステップS1)と、プリンタはイニシャル処理され(ステップS2)て待機状態になる。この状態において、カッター装置5は、図2(a)に示した状態、即ち可動刃7が最上方に位置するホームポジションにあるか否かが判断される(ステップS2)。モータ11が初期位置にあるか否かは、センサ13がリンク板9の突起9bの存在を確認することによって行なわれ、センサ13が突起9bの存在を確認した場合には、可動刃7がホームポジションに在ると判断する。
【0022】そして、可動刃7がホームポジションにある場合には、プリントが開始される(ステップS3)。また、可動刃7がホームポジションにない場合には、モータ11が逆転され(ステップS4)、可動刃7がホームポジションまで戻される。
【0023】このような制御手順を採用した場合には、特別にセンサ等を付設することなく、簡単な構成によってカッター装置の制御を行なうことができる。
【0024】手順2(図4): プリンタをスタートさせる(ステップS11)と、プリンタはイニシャル処理される(ステップS12)。そして、カッター装置5は、図2(a)に示した状態、即ち可動刃7が最上方に位置する状態で待機される。
【0025】次いで、プリント始動ボタンを操作する(ステップS13)ことによって印字が開始される(ステップS14)。
【0026】印字が終了すると、用紙Aはカッター装置5によって適宜長さに裁断されるが、適切に裁断されたか否かは、可動刃7が所定通りに作動されたか否か等によって確認される。その確認は、例えば可動刃7が所定時間内にホームポジションに復帰されたことをセンサ13によって確認したり、モータ11の負荷を検出し、該負荷が通常の用紙裁断時の負荷よりも大きな所定値を越えているか否を判断したりして行なう。即ち、所定時間内に可動刃7が復帰しない場合には、可動刃7が途中で停止していると判断し、またモータ11の負荷が通常よりも過大になった場合には、可動刃7が途中で停止していると判断する(ステップS15)。
【0027】カッター装置5が正常に作動している場合には、プリント動作は継続されるが、ステップS15において可動刃7が停止されたと判断された場合には、プリント動作が停止され(ステップS16)、警報が発せられる(ステップS17)。そして、直ちにモータ11が逆転される(ステップS18)。モータ11の逆転動作は可動刃7がホームポジションに到達するまで行なわれる(ステップS19)。そして、ステップS19において、可動刃7がホームポジションに到達したのが確認されたら、モータ11の逆転動作が終了される(ステップ20)。」
(5)前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物5(特開2002-346987号公報)には、「オートカッター装置」に関し、図面(【図1】ないし【図4】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物5に記載された事項」という。)。
「【0015】(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるオートカッター装置の動作フローチャートである。構成は図1と同等である。
【0016】以下に図1、図3を用いて同実施の形態2における動作を説明する。
【0017】印字コマンドが入力されると、CPU5は制御手段4を通してホームポジションセンサ1がONしているかどうかの検出を行う(ステップS11)。ホームポジションセンサ1がONとなっていれば印字動作を行い、印字動作中もホームポジションセンサ1の検出を行い、ONのままであれば正常に印字を終了する(ステップS12~S14)。一方、印字開始時あるいは印字中にホームポジションセンサ1がOFFになれば、CPU5は印字動作を停止し、オートカッターエラーの通知を行う(ステップS15)。そして、オートカッターモータ駆動回路7に逆方向の駆動信号を与え、オートカッターモータ8を逆方向に駆動させてホームポジション位置まで戻すことを行う(ステップS16~S18)。
【0018】このように印字する前および印字中にホームポジションセンサ1がオートカッターの刃がホームポジション位置にないと検出した場合、逆方向にオートカッターモータ8を駆動させ、ホームポジション位置に戻すので、印字の際の紙ジャムを早急に検知することができ、かつスムーズに刃をホームポジション位置に戻すことができる。」
(6)前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物6(特開2011-49279号公報)には、「電子部品装着装置」に関し、図面(特に【図1】、【図2】及び【図8】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物6に記載された事項」という。)。
ア.「【0023】
更にはこの部品ID毎に電子部品の特徴等に関する部品ライブラリデータが格納されている。即ち、この部品ライブラリデータは、図6に示すように、部品ID毎にX方向及びY方向のサイズ、収納テープCの種類(エンボステープ、紙テープ)、連続して電子部品の取出し異常が発生して所定数に達した場合に電子部品装着装置1の装着運転を停止させるための連続異常設定回数などから構成される。
【0024】
このとき、エンボステープのキャリアテープCcは、合成樹脂製であり、紙テープのキャリアテープCcは紙製であり、部品吸着取出位置に供給された電子部品の位置を確認するために基板認識カメラ19が撮像して認識処理装置23が認識処理する場合に、エンボステープでは電子部品とキャリアテープCcとの区別が画像では不鮮明となって電子部品の位置を把握するのが難しい。
【0025】
このため、エンボステープに収納される電子部品を供給する部品供給ユニット5については、その電子部品の部品ライブラリデータにおける連続異常設定回数は「1」であり、また紙テープに収納される電子部品を供給する部品供給ユニット5については、その電子部品が高価であって大きなものの部品ライブラリデータにおける連続異常設定回数も同様に「1」であるが、安価で小さなものの部品ライブラリデータにおける連続異常設定回数は、例えば「2」、「3」、[4]、「5」、「6」のいずれかである。」
イ.「【0029】
なお、吸着ノズル29による電子部品の取出しのための吸着動作をして、吸着異常が発生して検出された場合に発生回数を計数するカウンタ35が部品供給ユニット5毎に設けられる。」
ウ.「【0038】
なお、この電子部品の送り及び吸着取出し動作に際して、吸着異常の検出がなされると、即ち電子部品Dの無し検出や、前述の立ち状態や斜め吸着状態などの吸着異常の検出がなされると、CPU20は異常が発生した部品供給ユニット5に対応するカウンタ35の計数回数を「1」インクリメントさせると共に、図8に示すように、この取出しサイクルでこの部品供給ユニット5に異常が発生したので該当部品供給ユニット5についてポケット認識フラグをセットして前記RAM21に格納させる(現実のポケット認識は、次の取出しサイクルにて行う)。
【0039】
この場合、同一の部品供給ユニット5において、電子部品の取出しに伴って吸着異常が連続して発生する場合が起こるが、この取出しサイクルに限らず、次の取出しサイクルも含めてこの連続した場合のみ前記カウンタ35はその計数を継続し、連続しない場合は計数回数はキャンセルされる。このように計数することにより、連続異常設定回数に達したか否かをCPU20が判定した際に、連続異常設定回数に達してないと判定した場合には、取出し異常が発生しなかった場合と同様に、今回の取出しサイクルの取出し異常停止判定は終了し、次回の取出しサイクルの取出し異常停止判定がなされる。
【0040】
また、連続異常設定回数に達したと、CPU20が判定した場合には電子部品装着装置1の装着運転を停止(異常停止)するように制御する。そして、この停止した後に、作業者はこの部品供給ユニット5を確認し、取出し異常の原因を突き止めて修正する。」
(7)前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物7(特開2007-273811号公報)には、「電子部品装着装置」に関し、図面(特に【図1】及び【図14】参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0072】
以下、本願発明の第2の実施形態について、図14のフローチャートに基づいて、吸着状態、即ち部品の有無の判定を行ったときの動作について、説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の動作については、その詳細な説明は省略する。
【0073】
CPU110が、部品無しと判定し、部品取出し位置の収納テープ(吸着したレーン)がスプライシング継ぎ目部ゾーンであると判断すると、CPU110は連続吸着異常監視機能、即ち、認識処理装置117が画像を取り込み認識処理したときに、認識結果に基づいてCPU110が連続して部品無しと判定し、連続吸着異常監視機能キャンセルフラグをオンし、キャンセルフラグONをRAM111に格納し、更に、CPU110が連続吸着異常監視機能キャンセルフラグがONであると判断したとき、即ち、部品無しであり且つ部品取出し位置の収納テープ(吸着したレーン)がスプライシング継ぎ目部ゾーンであることを連続して判定する毎に、その判定回数を想定外連続部品無し回数として図示しないカウンタをインクリメントして計数させる。
【0074】
そして、想定外連続部品無し回数が予め設定されている吸着異常停止監視回数である、例えば30回を超えたときには、CPU110が動作し、連続吸着異常監視機能キャンセルフラグをオフすると共に、ブザーによる発音或いは、図示しない表示灯の点灯などにより異常が報知され、電子部品装着装置は運転停止される。
【0075】
したがって、スプライシング継ぎ目部ゾーンからの電子部品の吸着動作において、予め想定していた連続の空の収納部Cc個数を大幅に超えて空の収納部Ccが継続したときは、電子部品装着装置は運転停止されるので、上述したように電子部品装着装置の運転停止を極力回避しつつ、電子部品装着装置の不都合が原因で空の収納部Ccが多数継続した場合には、確実に電子部品装着装置を停止させることができる。
【0076】
また、収納部Ccに電子部品が有ると判断されたときには、CPU110はカウンタ109Bの計数及び想定外連続部品無し回数をクリアし、更に、連続吸着異常監視機能キャンセルフラグをOFFし、通常の吸着状態の監視動作に戻る。」
第4.対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、引用発明における「パーツカセット142」は本願発明1における「部品供給ユニット」に相当し、以下同様に、「リールテープ140」は「収納テープ」に、「空テープ」は「電子部品を取出した後の収納テープ」に、「裁断」は「切断」に、「カッタ装置」は「カッター装置」に、「支持ベース110」は「支持台」に、「固定側カッタ120」は「固定刃」に、「移動側カッタ130」は「可動刃」に、「駆動シリンダ116」は「駆動源」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「ガイドレール112A、112B」は、「ガイド部材」という限りにおいて、本願発明1における「案内壁」と共通し、さらに、引用発明における「この一対のガイドレールの112A、112B間を連結する支持ベース110」は、「この一対のガイド部材間を連結する支持体」という限りにおいて、本願発明1における「この一対の案内壁の一端部において両案内壁間を連結する支持体」と共通する。
したがって、両者は、次の点で一致する。
[一致点]
「部品供給ユニットより収納テープ内の電子部品を部品保持具により取出して、前記部品保持具に保持された電子部品を装着するものであって、電子部品を取出した後の収納テープを切断するカッター装置を備えた電子部品装着装置において、
前記カッター装置を本体機体に設けられた一対のガイド部材と、この一対のガイド部材間を連結する支持体に支持された固定刃と、前記各ガイド部材に案内されながら移動する可動刃と、前記固定刃と共に前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃を前記固定刃に向けて移動させ、前記収納テープを切断した後に前記可動刃を元に戻すための駆動源とを設ける電子部品装着装置。」
そして、両者は次の各点で相違する。
[相違点1]
本願発明1では、「部品供給ユニット」が「複数並設され」、「電子部品」を「基板上」に装着するものであるのに対して、引用発明では、パーツカセット142(本願発明1における「部品供給ユニット」)が複数並設されるかどうか明らかでなく、また、電子部品をどこに装着するものであるかどうか明らかでない点。
[相違点2]
本願発明1では、「ガイド部材」及び「支持体」が、「案内壁」及び「一対の案内壁の一端部において両案内壁間を連結する支持体」であり、また、可動刃が「各案内壁に案内されながら移動する各被案内体に固定される」のに対して、引用発明においては、「ガイド部材」及び「支持体」が、「ガイドレール112A、112B」及び「一対のガイドレールの112A、112B間を連結する支持ベース110」であり、また、移動側カッタ130(本願発明1における「可動刃」)がかかる構成を有しない点。
[相違点3]
本願発明1では、「前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサと、この検出センサが前記可動刃が元に戻らなかったことを検出した場合にその回数を計数するカウンタと、このカウンタが連続して所定回数に達した場合に異常終了させるように制御する制御装置とを設け、前記制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したことを前記カウンタが計数すると、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みる」のに対して、引用発明においては、かかる構成を有しない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。
刊行物2に記載された事項は、上述のように、「複数並設されたテープフィーダ2より電子部品を収納したテープ内の電子部品を電子部品移動装置により取出して、プリント配線板上に前記電子部品移動装置に保持された電子部品を装着する表面実装機1であって、空テープを切断する空テープ切断装置4を備えた表面実装機1」であって、「前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサと、この検出センサが前記可動刃が元に戻らなかったことを検出した場合にその回数を計数するカウンタと、このカウンタが連続して所定回数に達した場合に異常終了させるように制御する制御装置とを設け、前記制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したことを前記カウンタが計数すると、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みる」点については、刊行物2には記載も示唆もない。
また、刊行物3はそもそも「原稿搬送装置、及びそれを搭載する複写機」に関するものであって、電子部品装着装置とは技術分野が異なり、切断刃を有するものでもない。
したがって、引用発明に刊行物3に記載された事項を適用する動機付けはない。
さらに、前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物4及び刊行物5に記載された事項から、可動刃の切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサと、制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したら、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みることが周知の技術(以下、「周知技術1」という。)であり、また、前置報告で周知の技術を示す文献として示された刊行物6及び刊行物7に記載された事項から、異常を検出した場合にその回数を計数するカウンタと、制御装置はこのカウンタが連続して所定回数に達した場合に異常終了させるように制御することが周知の技術(以下、「周知技術2」という。)であるとしても、これらの周知技術を組み合わせて引用発明に適用する動機付けがあるとはいえない。
よって、上記相違点3に係る発明特定事項を具備する本願発明1は、相違点1及び2を検討するまでもなく、上記引用発明及び刊行物2ないし7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
2.本願発明2について
本願発明2も、本願発明1の「前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したことを前記カウンタが計数すると、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みる」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、上記引用発明及び刊行物2ないし7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたできたとはいえない。
第5.原査定の概要及び原査定についての判断
原査定では、平成28年3月30日付けの手続補正書により補正された請求項1及び2について上記刊行物1ないし3に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、平成29年6月28日付けの手続補正により補正された請求項1は「前記可動刃が元に戻らなかったことを前記検出センサが検出したことを前記カウンタが計数すると、前記戻り動作を行って前記可動刃の前記固定刃からの離間を試みる」という発明特定事項を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1及び2は、上記引用発明及び刊行物2ないし7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。
第6.当審拒絶理由(特許法第36条第6項第2号)について
1.当審では、請求項1の「前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作及びこの切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサ」との記載に関し、明細書の段落【0030】を参酌しても「検出センサ」は「前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作」を検出するものであるとは解されず、「検出センサ」の構成が「制御装置」の制御フローとの関係においても明確であるとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年6月28日の手続補正において、「前記電子部品を取出した後の収納テープを切断するための前記可動刃の切断動作後の戻り動作をした際に前記可動刃が元に戻ったか戻らなかったかを検出する検出センサ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
2.当審では、請求項2の「前記制御装置は、前記戻り動作による前記可動刃の前記固定刃からの離間の試みと、前記可動刃が元に戻らなかったことの前記検出センサによる検出とを連続で所定回数実行すると、異常終了させる」との記載に関し、明細書の段落【0036】及び【0037】の記載並びに図面の【図10】の図示事項と異なるため明確であるとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年6月28日の手続補正において、「前記制御装置は、前記可動刃が元に戻らなかったことの前記検出センサによる検出と、前記戻り動作による前記可動刃の前記固定刃からの離間の試みとを連続で所定回数実行すると、異常終了させる」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。
第7.むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2016-017492