特許拒絶査定不服審判
2016-016546
光学形状検出システムにおける開始ポイント特定のための参照マーカー
- 審判番号
- 2016-016546
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-550983外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年11月04日
- 審決日
- 2019年02月19日
- 公報発行日
- 2019年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】笛田 秀仙
- 【請求人代理人】五十嵐 貴裕
- 分類
- P18 .121-WZ (G01B) / P18 .113-WZ (G01B) / P18 .537-WZ (G01B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013-550983「光学形状検出システムにおける開始ポイント特定のための参照マーカー」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 8月 2日国際公開、WO2012/101575、平成26年 7月24日国内公表、特表2014-517907〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許出願: 平成24年1月24日
(パリ条約による優先権主張(外国庁受理2011年1月28日、米国)を伴う国際出願)
拒絶査定: 平成28年6月30日(送達日:同年7月5日)
拒絶査定不服審判の請求: 平成28年11月4日
手続補正: 平成28年11月4日
拒絶理由通知: 平成29年6月6日(発送日:同年同月8日)
手続補正: 平成29年12月8日
拒絶理由通知: 平成30年1月16日(発送日:同年同月18日)
手続補正: 平成30年1月22日
拒絶理由通知: 平成30年6月25日
(以下、「当審拒絶理由」という。発送日:同年同月26日)
手続補正: 平成30年12月26日(以下、「本件補正」という。)
第2 本願発明
本願の請求項1ないし5に係る発明は、本件補正によって補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりである。
「【請求項1】
光学形状検出システムであって、
細長いデバイスと、
前記細長いデバイス内に埋め込まれる光学ファイバと、
前記細長いデバイスの内部空間に埋め込まれて配置される少なくとも1つの参照マーカーとを有し、
各参照マーカーが、参照座標系における特定可能な参照追跡位置及び特定可能な参照追跡方向の少なくとも1つを持ち、
前記光学ファイバは、前記参照座標系における前記光学ファイバの形状再構成の実行に関する基礎として機能するように、前記参照座標系において移動可能な再構成開始ポイントを持ち、
前記光学ファイバの前記再構成開始ポイントが、前記参照座標系において、前記再構成開始ポイントの特定を容易にするため、各参照マーカーと既知の空間関係を持ち、
前記光学形状検出システムは、前記参照座標系を確立する撮像追跡システムを更に有し、各参照マーカーが、撮像追跡システムにより生成される画像において特定可能であり、
前記参照追跡システムは、前記参照座標系における前記参照マーカーの特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つを特定し、前記参照座標系における前記参照マーカーの前記特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つに基づいて前記参照座標系における前記再構成開始ポイントを特定するように構成され、
光学監視端末が、前記参照座標系における前記再構成開始ポイントの特定に基づいて光学ファイバの全体又はセグメントの形状再構成を実行する、
光学形状検出システム。」(以下「本願発明」という。)
第3 当審拒絶理由
これに対し、当審拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
本願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用刊行物
1.米国特許出願公開第2010/0030063号明細書(以下「引用例1」という)
2.国際公開第2010/050526号(以下「引用例2」という)」
第4 引用例記載の事項・引用発明
1 引用例1の記載事項・引用発明
引用例には、次の事項(a)ないし(f)が図面とともに記載されている。
(a)「[0034]With continuing reference to FIG. 1 , the navigation system 10 can further include the electromagnetic navigation or tracking system 44 that includes a localizer, such as a first coil array 46 and/or second coil array 47 , the coil array controller 48 , a navigation probe interface 50 , a device or instrument 52 , a patient tracker or first reference frame or dynamic reference frame (DRF) 54 and one or more tracking devices 58 . ・・・」
(当審による部分訳:「引き続き図1を参照すると、ナビゲーション・システム10は、さらに、・・・デバイスもしくは器具52、・・・を含むことができる。・・・」)
(b)「[0049]Referring now to FIGS. 1 , 2 and 2 A, an instrument 52 is shown for use with the tracking system 44 . In this case, the instrument 52 comprises an elongated flexible body 200 . ・・・ Generally, the elongated flexible body 200 can include a proximal end 202 , a distal end 204 , an exterior surface 206 , an interior surface 208 , a tracking device 210 and a shape sensor or shape sensing means 212 .」
(当審による部分訳:「図1、図2および2Aを参照すると、・・・この場合には、器具52は、細長い可撓性の本体200を含む。・・・一般的に、細長い可撓性の本体200は、近位端202、遠位端204、外側表面206、内側表面208、追跡装置210および形状センサおよび形状検知手段212を含むことができる。」)
(c)「[0058]It should also be noted that the tracking device 210 could also comprise at least one or a plurality of objects that are responsive to the imaging device 14 to generate positional data, such as one or more radio-opaque markers. Further, if the tracking devices 210 are radio-opaque markers, then the imaging device 14 can be used to track the position of the portion of the elongated flexible body 200 coupled to the tracking device 210 . If the tracking device 210 comprises a radio-opaque marker, then the tracking device 210 can be coupled to the interior surface 208 , or could be secured between one or more layers that comprise the exterior surface 206 . In addition, the radio-opaque markers could be placed on an exterior surface 206 of the elongated flexible body 200 .」
(当審による部分訳:「追跡装置210はまた、少なくとも1つの、若しくは複数の、撮像装置14に応答して位置データを生成するオブジェクトとして、1つ以上の放射線不透過性マーカーなどを含むことができることに留意すべきである。また、追跡装置210は、放射線不透過性マーカーである場合、撮像装置14は、追跡装置210に結合された細長い可撓性本体200の一部分の位置を追跡するために使用することができる。追跡装置210は、放射線不透過性マーカーを含む場合には、次いで、追跡装置210は、内側表面208に結合することができる・・・」)
[0059]With continued reference to FIGS. 2-4 , the shape sensing means 212 can be used to determine a shape of the elongated flexible body 200 within the anatomical structure. In one example, as illustrated in FIG. 2A , the shape sensing means 212 can comprise at least one or a plurality of optical fibers 216 and an optical system 218 . ・・・」
(当審による部分訳:「図2-4を引き続き参照すると、形状検知手段212は、解剖学的構造内で細長い可撓性本体200の形状を決定するために使用することができる。一例では、図2(a)に示すように、形状検知手段212は、少なくとも1つの光ファイバ216及び光学系218を含むことができる。・・・」)
[0060]Briefly, however, in one example, as illustrated in FIG. 2A , the optical fiber(s) 216 can be coupled to the interior surface 208 , or could be secured between one or more layers that comprise the exterior surface 206 of the elongated flexible body 200 , such as by extrusion. ・・・」
(当審による部分訳:「しかしながら、簡単に述べると、一実施例では、図2Aに示すように、光ファイバ(単数または複数)216は、内側表面208に結合することができる・・・」)」
(d)「[0075]The tracking control module 320 can receive as input the start-up data 302 from the navigation control module 300 and sensor data 310 from the tracking device(s) 210 . Upon receipt of the start-up data 302 , the tracking control module 320 can output the activation signal data 304 for the tracking device(s) 210 . Upon receipt of the sensor data 310 , the tracking control module 320 can set the tracking data 308 for the navigation control module 300 . As discussed, the tracking data 308 can include data regarding the coordinate positions (locations and orientations) of the instrument 52 .」
(当審による部分訳:「トラッキング制御モジュール320は、・・・センサデータ310を追跡装置(単数または複数)210から入力として受信することができる。・・・センサデータ310を受信すると、トラッキング制御モジュール320は、・・・追跡データ308を設定することができる。上述したように、追跡データ308は、器具52の座標位置(位置及び方向)に関するデータを含むことができる。」)
(e)「[0076]The optical control module 322 can receive as input the start-up data 302 from the navigation control module 300 and strain data 316 from the optical fiber(s) 216 . Upon receipt of the start-up data 302 , the optical control module 322 can output the read data 312 to the optical fiber(s) 216 . Upon receipt of the strain data 316 , the optical control module 322 can set the shape data 314 for the navigation control module 300 . As discussed, the shape data 314 can include data regarding the shape of the instrument 52 in the patient space.」
(当審による部分訳:「・・・上述したように、形状データ314は、患者空間内の器具52の形状に関するデータを含むことができる。」)
(f)「[0077]The navigation control module 300 can receive as input the tracking data 308 , the shape data 314 and patient image data 100 . Based on the tracking data 308 and the shape data 314 , the navigation control module 300 can determine the appropriate patient image data 100 for display on the display 36 , and can output both the tracking data 308 , shape data 314 and the patient image data 100 as image data 102 . Further, depending upon the number of tracking device(s) 210 employed, the navigation control module 300 can determine if the shape sensing means 212 is working properly, and can output a notification message to the display 36 if the tracking data 308 does not correspond with the shape data 314 . In addition, the navigation control module 300 could override or correct the shape data 314 if the shape data 314 does not correspond with the tracking data 308 , or could override or correct the tracking data 308 if the tracking data 308 does not correspond with the shape data 314 , if desired.」
(当審による部分訳:「ナビゲーション制御モジュール300は、追跡データ308、形状データ314、画像データ100を入力として受信することができる。追跡データ308及び形状データ314に基づいて、ナビゲーション制御部300は、ディスプレイ36上での表示のために適切な患者画像データ100を決定することができ、・・・。さらに、・・・追跡データ308が形状データ314に対応していない場合、ナビゲーション制御モジュール300は、形状検知手段212が適正に動作しているかどうかを決定することができ、ディスプレイ36に通知メッセージを出力することができる。・・・」)」
上記記載(a)ないし(f)、及び図面のFIG.1、2、2Aの記載から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「器具52を含むナビゲーション・システム10であって、([0034])
器具52に含まれる細長い可撓性の本体200を有し、
細長い可撓性の本体200は、内側表面208、追跡装置210および形状検知手段212を含み、([0049])
形状検知手段212は、細長い可撓性本体200の形状を決定するために使用することができ、少なくとも1つの光ファイバ216を含み([0059])、光ファイバ216は、内側表面208に結合することができ([0060])、形状データ314は、患者空間内の器具52の形状に関するデータを含み([0076])、
追跡装置210は、撮像装置14に応答して位置データを生成する、1つ以上の放射線不透過性マーカーを含み、内側表面208に結合することができ、
撮像装置14は、追跡装置210に結合された細長い可撓性本体200の一部分の位置を追跡するために使用することができ、([0058])
トラッキング制御モジュール320は、センサデータ310を追跡装置(単数または複数)210から入力として受信すると、追跡データ308を設定することができ、追跡データ308は、器具52の座標位置(位置及び方向)に関するデータを含むことができ、([0075])
追跡データ308及び形状データ314に基づいて、ナビゲーション制御モジュール300は、ディスプレイ36上での表示のために適切な患者画像データ100を決定することができ、追跡データ308が形状データ314に対応していない場合、形状検知手段212が適正に動作しているかどうかを決定することができる、([0077])
器具52を含むナビゲーション・システム10。」
2 引用例2の記載事項
引用例2には、次の事項が図面とともに記載されている。
「[0104] そして、磁界センサ33の位置31とFBGセンサ部3の位置S1との位置関係は固定されており、かつ既知であるため、FBGセンサ部3の位置S1と磁界発生部32の位置30との相対関係を得ることができる。
[0105] このため、医療機器1Dでは、FBGセンサ部3の位置S1を原点とする第1の3次元座標系XYZ1の座標を、基準点を磁界発生部32の位置30とする基準3次元座標系XYZkに座標変換することができる。磁界発生部32の位置30は固定されているため、医療機器1Bでは、安定した挿入部12の形状を表示することができる。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを、主たる構成要件毎に、順次対比する。
まず、引用発明における「器具52を含むナビゲーション・システム10」は、「細長い可撓性本体200の形状を決定するために使用することができ、少なくとも1つの光ファイバ216を含」む「形状検知手段212」を有しているから、本願発明における「光学形状検出システム」に相当するといえる。
また、引用発明における「器具52に含まれる細長い可撓性の本体200」は、本願発明における「細長いデバイス」に相当する。
次に、引用発明において、「光ファイバ216」及び「撮像装置14に応答して位置データを生成する、1つ以上の放射線不透過性マーカーを含」む「追跡装置210」は、いずれも「細長い可撓性の本体200」の「内側表面208に結合することができ」るものであるから、それぞれ本願発明における「前記細長いデバイス内に埋め込まれる光学ファイバ」及び「前記細長いデバイスの内部空間に埋め込まれて配置される少なくとも1つの参照マーカー」に相当するといえる。
さらに、引用発明の「追跡装置210」については、「トラッキング制御モジュール320」が「センサデータ310を追跡装置(単数または複数)210から入力として受信すると、追跡データ308を設定することができ、追跡データ308は、器具52の座標位置(位置及び方向)に関するデータを含む」とされており、このことは本願発明において「各参照マーカーが、参照座標系における特定可能な参照追跡位置及び特定可能な参照追跡方向の少なくとも1つを持」つことに相当するといえる。
また、引用発明は「追跡データ308」「に基づいて、」「ディスプレイ36上での表示のために適切な患者画像データ100を決定することができ」るものであるから、引用発明が「追跡装置210に結合された細長い可撓性本体200の一部分の位置を追跡するために使用する」「撮像装置14」を有することは、本願発明において「前記光学形状検出システムは、前記参照座標系を確立する撮像追跡システムを更に有し、各参照マーカーが、撮像追跡システムにより生成される画像において特定可能である」ことに相当する。また、引用発明が上記「撮像装置14」を有する点と、本願発明において「前記参照追跡システム(当審注:「撮像追跡システム」の誤記と認められる。)は、前記参照座標系における前記参照マーカーの特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つを特定し、前記参照座標系における前記参照マーカーの前記特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つに基づいて前記参照座標系における前記再構成開始ポイントを特定するように構成され」る点とは、「前記撮像追跡システムは、前記参照座標系における前記参照マーカーの特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つを特定するように構成され」る点で共通するといえる。
また、引用発明において「細長い可撓性本体200の形状を決定するために使用することができ、少なくとも1つの光ファイバ216を含み、光ファイバ216は、内側表面208に結合することができ、形状データ314は、患者空間内の器具52の形状に関するデータを含」む「形状検知手段212」が「細長い可撓性本体200の形状」(すなわち、「光ファイバ216」の形状)を検知する点と、本願発明において「光学監視端末が、前記参照座標系における前記再構成開始ポイントの特定に基づいて光学ファイバの全体又はセグメントの形状再構成を実行する」点とは、「光学監視端末が、光学ファイバの全体又はセグメントの形状再構成を実行する」点で共通するといえる。
してみると、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
(一致点)
「光学形状検出システムであって、
細長いデバイスと、
前記細長いデバイス内に埋め込まれる光学ファイバと、
前記細長いデバイスの内部空間に埋め込まれて配置される少なくとも1つの参照マーカーとを有し、
各参照マーカーが、参照座標系における特定可能な参照追跡位置及び特定可能な参照追跡方向の少なくとも1つを持ち、
前記光学形状検出システムは、前記参照座標系を確立する撮像追跡システムを更に有し、各参照マーカーが、撮像追跡システムにより生成される画像において特定可能であり、
前記撮像追跡システムは、前記参照座標系における前記参照マーカーの特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つを特定するように構成され、
光学監視端末が、光学ファイバの全体又はセグメントの形状再構成を実行する、
光学形状検出システム。」
(相違点)
相違点1
本願発明においては、「前記光学ファイバは、前記参照座標系における前記光学ファイバの形状再構成の実行に関する基礎として機能するように、前記参照座標系において移動可能な再構成開始ポイントを持」つのに対し、引用発明においては、そのような「再構成開始ポイント」を持つとは明示されていない点。
相違点2
本願発明においては、「前記光学ファイバの前記再構成開始ポイントが、前記参照座標系における前記再構成開始ポイントの特定を容易にするため、各参照マーカーと既知の空間関係を持」つとされているのに対し、引用発明ではそのような特定はなされていない点。
相違点3
本願発明においては、撮像追跡システムが「前記参照座標系における前記参照マーカーの前記特定可能な参照追跡位置及び参照追跡方向の少なくとも一つに基づいて前記参照座標系における前記再構成開始ポイントを特定するように構成され」るのに対し、引用発明においては、そのような「再構成開始ポイント」を特定することは明示されていない点。
相違点4
本願発明においては、「光学監視端末が、前記参照座標系における前記再構成開始ポイントの特定に基づいて光学ファイバの全体又はセグメントの形状再構成を実行する」とされているのに対し、引用発明では「前記参照座標系における前記再構成開始ポイントの特定に基づいて」実行するとはされていない点。
第6 判断
1 上記相違点1について
引用発明においては、「追跡データ308及び形状データ314に基づいて、」「ディスプレイ36上での表示のために適切な患者画像データ100を決定することができ、」しかも、「追跡データ308が形状データ314に対応していない場合、」には「形状検知手段212が適正に動作しているかどうかを決定することができる」とされているのであるから、両データの座標関係が特定されていることは明らかといえる。
そして、異なる測定手段によって得られた2つの位置情報を統合して画像表示などを行う際の、両データの関係を特定する手法として、引用例2には、
「[0104] そして、磁界センサ33の位置31とFBGセンサ部3の位置S1との位置関係は固定されており、かつ既知であるため、FBGセンサ部3の位置S1と磁界発生部32の位置30との相対関係を得ることができる。
[0105] このため、医療機器1Dでは、FBGセンサ部3の位置S1を原点とする第1の3次元座標系XYZ1の座標を、基準点を磁界発生部32の位置30とする基準3次元座標系XYZkに座標変換することができる。磁界発生部32の位置30は固定されているため、医療機器1Bでは、安定した挿入部12の形状を表示することができる。」
として記載されているように、基準3次元座標系XYZkに座標変換することができる、FBGセンサ部3の第1の3次元座標系XYZ1の原点座標位置S1(本願発明の「前記参照座標系における前記光学ファイバの形状再構成の実行に関する基礎として機能するように、前記参照座標系において移動可能な再構成開始ポイント」に相当。)を用いるものが記載されており、これを引用発明に採用して、追跡データの座標系に座標変換できる形状検知手段212の原点座標位置(再構成開始ポイント)を設定し、相違点1に係る本願発明の構成とすることに特段の困難性は認められない。
2 上記相違点2について
上記1で検討したように、引用発明において形状検知手段212の原点座標位置を再構成開始ポイントとして設定することに特段の困難性は認められない。そしてまた、上記1で述べたように、追跡データ及び形状データの座標関係が特定されていることは明らかであるから、上記設定した再構成開始ポイント(形状データに対応)と、参照マーカー(追跡データに対応)とが既知の空間関係を持つことも明らかといえる。
3 上記相違点3について
上記2で検討したように、形状検知手段212の原点座標位置(再構成開始ポイント)は、追跡データを供給するマーカーと既知の空間関係を持つように構成されており、追跡データの座標系において形状検知手段212の原点座標位置(再構成開始ポイント)を特定する場合、マーカーの追跡データに基づくことは明らかである。
4 上記相違点4について
形状検知手段212が原点座標位置(再構成開始ポイント)の特定に基づいて形状検知を行うことは明らかである。
以上のとおりであって、本願発明は、引用発明及び引用例2の技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められる。
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用例2の技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものに過ぎず、格別顕著なものということはできない。
第7 むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-016546