特許拒絶査定不服審判
2016-015616
変位計測装置、及び、変位履歴記録方法
- 審判番号
- 2016-015616
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-154876外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年10月19日
- 審決日
- 2017年05月22日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社大林組
- 【請求人代理人】一色国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WY (G01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-154876「変位計測装置、及び、変位履歴記録方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月30日出願公開、特開2014- 16286、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年7月10日の出願であって、平成28年4月8日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月1日付けで手続補正がされ、同年9月6日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年10月19日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願請求項1~9に係る発明は、以下の引用文献1~4に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2002-168962号公報
2.特開2011-203208号公報
3.特開2005-351742号公報
4.特開2009-144473号公報
第3 本願発明
本願請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明9」という。)は、平成28年6月1日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定された、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する変位計測装置であって、
前記上部構造物の移動に応じて前記下部構造物の水平方向の平面に沿って摺動し、前記平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出する検出部と、
検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量を算出する処理部と、
前記単位時間あたりの水平方向変位量を累積して記憶する記憶部と、
を備え、
前記処理部は、前記記憶部に累積して記憶された前記単位時間あたりの水平方向変位量から、地震が発生した際に前記免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出することを特徴とする変位計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の変位計測装置であって、
前記水平方向の平面と交差する方向に伸縮し、弾性力によって前記検出部の検出面を前記平面に付勢する緩衝部を備える、ことを特徴とする変位計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の変位計測装置であって、
前記検出部が前記水平方向の平面を摺動開始しても、摺動する量が所定の値以下の時は、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量の計測が開始されず、
前記検出部が前記水平方向の平面を摺動する量が前記所定の値よりも大きくなった時に、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量の計測が開始されることを特徴とする変位計測装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の変位計測装置であって、
前記検出部が光学式マウスである、ことを特徴とする変位計測装置。
【請求項5】
下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する変位計測装置であって、
前記上部構造物の移動に応じて前記上部構造物の垂直方向の平面に沿って摺動し、前記平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出する検出部と、
検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの垂直方向変位量を算出する処理部と、
前記単位時間あたりの垂直方向変位量を累積して記憶する記憶部と、
を備え、
前記処理部は、前記記憶部に累積して記憶された前記単位時間あたりの垂直方向変位量から、地震が発生した際に前記免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出することを特徴とする変位計測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の変位計測装置であって、
前記下部構造物の水平方向の平面上を前記検出部が水平方向に移動するのを支持するすべり部を備える、ことを特徴とする変位計測装置。
【請求項7】
下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物で、前記上部構造物の移動に応じて前記下部構造物の水平方向の平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出することと、
検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量を算出することと、
前記単位時間あたりの水平方向変位量を累積して記録することと、
累積して記憶された前記単位時間あたりの水平方向変位量から、地震が発生した際に前記免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出することと、
を有する変位履歴記録方法。
【請求項8】
下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物で、前記上部構造物の移動に応じて前記上部構造物の垂直方向の平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出することと、
検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの垂直方向変位量を算出することと、
前記単位時間あたりの垂直方向変位量を累積して記録することと、
累積して記憶された前記単位時間あたりの垂直方向変位量から、地震が発生した際に前記免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出することと、
を有する変位履歴記録方法。
【請求項9】
下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する変位計測装置を用いたエネルギー算定方法であって、
前記変位計測装置は、
前記上部構造物の移動に応じて前記下部構造物の水平方向又は垂直方向の平面に沿って摺動し、前記平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出する検出部と、
検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向又は垂直方向の変位量を算出する処理部と、
前記単位時間あたりの水平方向又は垂直方向の変位量を累積して記憶する記憶部と、
を備え、
前記変位計測装置で計測された前記単位時間あたりの水平方向又は垂直方向の変位量に基づくエネルギーを算定するエネルギー算定方法。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同じ。)。
「【請求項1】 下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して上部構造体の揺れを低減させることができるようにした免震建物における揺れ観測装置であって、
下部構造体もしくは上部構造体のどちらか一方に設けられた観測記録台と、
該観測記録台に取り付けられた防湿処理が施された感圧式の記録紙部材と、
下部構造体もしくは上部構造体のどちらか他方に取り付けられたペン状部材とを備え、
該ペン状部材の先端が前記記録紙材に対し記録に必要な圧力にて押し付けられるようにしたことを特徴とする免震建物における揺れ観測装置。」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して上部構造体の揺れを低減させることができるようにした免震建物における揺れ観測装置であって、
下部構造体もしくは上部構造体のどちらか一方に設けられた観測記録台と、
該観測記録台に取り付けられた感圧式の記録紙部材と、
下部構造体もしくは上部構造体のどちらか他方に取り付けられたペン状部材とを備え、
該ペン状部材の先端が前記記録紙材に対し記録に必要な圧力にて押し付けられるようにしたことを特徴とする免震建物における揺れ観測装置。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0022】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における変位測定装置について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、変位測定装置1は、建物(構造物)Kに取り付けられて、地震や風などによって生じる建物Kの絶対変位を測定するものである。
変位測定装置1は、図2及び図3に示すように、角筒状に延びる支持部2と、この支持部2内に配された矩形板状の支持体3とを備えている。」
「【0033】
以上より、本実施形態における変位測定装置1によれば、建物Kに振動が生じても、支持体3自体を、水平方向h1における固定点Pに留めることができることから、固定点Pを中心として建物Kの絶対変位を高精度に測定することができる。」
したがって、上記引用文献2には、「角筒状に延びる支持部2と支持部2内に配された矩形板状の支持体3とを備えた変位測定装置1は、建物(構造物)Kに取り付けられ、建物Kに振動が生じても、支持体3自体を、水平方向h1における固定点Pに留めることができることから、固定点Pを中心として建物Kの絶対変位を高精度に測定することができる」という技術的事項が記載されていると認められる。
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0041】
また、図2(f)は振幅δを13.1mm→26.2mm→37.4mm→Amm→Cmm→Dmmの順に1周期毎に振幅δを大きくした後、δ=Dmmの定振幅でエネルギー吸収部6が破断するまでの変位と荷重の変化の過程を示す。
【0042】
共立出版により発行された「鋼構造の性能と設計(桑村仁・著)」によると、疲労寿命の推定にはマイナー則に基づき、式:D=Σ(n/N)で定義される累積損傷値で評価し、D=1で破断とすることが記載されている。累積損傷値を求めるためには累積損傷値を求めるエネルギー吸収部6の試料を数本用意し、予め、異なる振幅での定振幅載荷を行って調べておく。」
「【0048】
そして、各振幅δ毎の1サイクル当たりの損傷値(1/N)と、ランダム波に含まれる各振幅δ毎の波の数nとの積を求めてランダム波の各振幅δ毎の損傷値を求める。そしてランダム波の各振幅δ毎の損傷値を合計して累積損傷値を求めることが出来る(0.5+0.4+0.2+0.1+0.0=1.2)。」
「【0069】
このように、地震等の外力による各エネルギー吸収部6の累積損傷値と、該エネルギー吸収部6の表面に塗装された塗料の剥離量との間に所定の相関関係を有する塗料を、該エネルギー吸収部6の表面に塗装しておくことにより、弾塑性体のエネルギー吸収部6を有する耐力要素である耐震要素Aの劣化診断を容易に行うことが出来る。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0050】
本実施形態に係る橋梁制振装置10は、高架橋110における径間中央の地盤2に設置された支柱12と、この支柱12と橋桁112との間に設けられた制振ダンパ20とを備えているが、その制振ダンパ20は、平行に配置された1対の鉛直プレート32、34の間に高減衰ゴム36が設けられてなり、一方の鉛直プレート32において下部取付架台22を介して支柱12に連結されるとともに、他方の鉛直プレート34において上部取付架台24を介して橋桁112に連結されているので、橋桁112の上下振動を高減衰ゴム36の剪断変形によるエネルギ吸収作用で効果的に減衰させることができる。そしてこれにより、広範囲の振動数帯に対して制振効果を得ることができる。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明における「下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して上部構造体の揺れを低減させることができるようにした免震建物における揺れ」は、「下部構造体」に対する「上部構造体」の相対的な位置の変化であるから、「下部構造体」に対する「上部構造体」の変位であるといえる。
また、引用発明において、「免震建物における揺れ」を「感圧」「記録」により「観測」することは、変位である揺れを検知することであるといえるし、また、本願発明1において、「前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する」ことは、変位を検知することであるといえる。
そうすると、引用発明における「下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して上部構造体の揺れを低減させることができるようにした免震建物における揺れ観測装置」と、本願発明1における「下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する変位計測装置」とは、共に、「下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位を検知する変位検知装置」である点で共通する。
イ 引用発明における「下部構造体もしくは上部構造体のどちらか一方に設けられた観測記録台と、該観測記録台に取り付けられた感圧式の記録紙部材と、下部構造体もしくは上部構造体のどちらか他方に取り付けられたペン状部材とを備え」ることと、本願発明1における「前記上部構造物の移動に応じて前記下部構造物の水平方向の平面に沿って摺動し、前記平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出する検出部と、検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量を算出する処理部と、前記単位時間あたりの水平方向変位量を累積して記憶する記憶部と、を備え」ることとは、共に、下部構造物に対して上部構造物が相対的に移動する際の変位を検知する変位検知部を備える点で共通する。
ウ そうすると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「下部構造物と上部構造物との間に免震機構を有する建造物に備えられ、前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位を検知する変位検知装置であって、
下部構造物に対して上部構造物が相対的に移動する際の変位を検知する変位検知部を備える変位計測装置。」
(相違点)
(相違点1)
本願発明1においては、「前記下部構造物に対して前記上部構造物が相対的に移動する際の変位量を計測する」のに対し、引用発明においては、「下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して上部構造体の揺れを低減させることができるようにした免震建物における揺れ」を「観測」する点。
(相違点2)
本願発明1においては、「前記上部構造物の移動に応じて前記下部構造物の水平方向の平面に沿って摺動し、前記平面上の位置座標のデータを時間経過と共に検出する検出部と、検出された前記位置座標のデータから、前記下部構造物に対する前記上部構造物の単位時間あたりの水平方向変位量を算出する処理部と、前記単位時間あたりの水平方向変位量を累積して記憶する記憶部」が備えられるのに対し、引用発明においては、「下部構造体もしくは上部構造体のどちらか一方に設けられた観測記録台と、該観測記録台に取り付けられた感圧式の記録紙部材と、下部構造体もしくは上部構造体のどちらか他方に取り付けられたペン状部材」が備えられる点。
(相違点3)
本願発明1においては、「前記処理部は、前記記憶部に累積して記憶された前記単位時間あたりの水平方向変位量から、地震が発生した際に前記免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出する」のに対し、引用発明においてはそのような特定がなされていない点。
(2)相違点についての判断
ア 上記相違点1及び2は、下部構造物に対して上部構造物が相対的に移動する際の変位を検知する点で技術的に関連するから、まとめて検討する。
たしかに、上記引用文献2には「角筒状に延びる支持部2と支持部2内に配された矩形板状の支持体3とを備えた変位測定装置1は、建物(構造物)Kに取り付けられ、建物Kに振動が生じても、支持体3自体を、水平方向h1における固定点Pに留めることができることから、固定点Pを中心として建物Kの絶対変位を高精度に測定することができる」という技術的事項が記載されている(「第4」「2」参照。)が、当該技術的事項は、固定点に対する建物の絶対変位測定に関するものであって、下部構造物と上部構造物との間に免震装置を設置した免震建物における、下部構造物に対する上部構造物の相対的な変位量計測に関するものではない。また、上記引用文献3及び4にも、下部構造物と上部構造物との間に免震装置を設置した免震建物における、下部構造物に対する上部構造物の相対的な変位量計測について記載されていない。
そうすると、引用発明に対して、上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項を適用して、本願発明1の上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。
イ 次に、上記相違点3について検討する。
上記引用文献2ないし4には、記憶部に累積して記憶された単位時間あたりの水平方向変位量から、地震が発生した際に免震機構によって吸収されるエネルギーの合計量を算出することについて記載されていない。
そうすると、引用発明に対して、上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項を適用して、本願発明1の上記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。
(3)したがって、本願発明1は、引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし4について
請求項2ないし4は、いずれも、請求項1を直接又は間接的に引用するものであるから、本願発明2ないし4は、上記「1」で本願発明1について述べたのと同様の理由により、引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明5及び6について
本願発明5は、本願発明1における「水平方向」が「垂直方向」となったものであり、「水平方向」であるか「垂直方向」であるかは上記「1」での相違点についての判断に影響を及ぼさないから、本願発明5は、上記「1」で本願発明1について述べたのと同様の理由により、引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、請求項6は、請求項5を引用するものであるから、本願発明6も引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明7及び8について
本願発明7は、本願発明1である「変位計測装置」に対応する「変位履歴記録方法」であるところ、本願発明7と引用発明は上記相違点2及び3に対応する相違点を有するから、本願発明7は、上記「1」で本願発明1について述べたのと同様の理由により、引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本願発明8は、本願発明7における「水平方向」が「垂直方向」となったものであり、「水平方向」であるか「垂直方向」であるかは上記「1」での相違点についての判断に影響を及ぼさないから、本願発明8も引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本願発明9について
本願発明9は、本願発明1又は本願発明5に対応する変位計測装置を用いたエネルギー算出方法であるところ、本願発明9と引用発明は上記相違点1ないし3に対応する相違点を有するから、本願発明9は、上記「1」及び「3」で本願発明1について述べたのと同様の理由により、引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1~9は、当業者が引用発明及び上記引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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