特許拒絶査定不服審判
2016-015326
パッケージ構造及びその製造方法
- 審判番号
- 2016-015326
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-215412
- 請求日
- 2016年10月12日
- 審決日
- 2017年07月11日
- 公報発行日
- 2018年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】恆勁科技股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】あいわ特許業務法人
- 審判長/審判官
- 審判長 酒井 朋広
- 審判官 安藤 一道
- 審判官 井上 信一
- 分類
- P18 .572-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-215412「パッケージ構造及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月22日出願公開、特開2015-185845〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年10月22日(パリ条約による優先権主張2014年3月25日 台湾(TW))の出願であって、平成28年1月25日付けで拒絶理由通知がなされたのに対して、同年5月20日付けで手続補正がなされたが、同年6月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年10月12日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされたものである。
第2 平成28年10月12日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年10月12日付の手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
平成28年10月12日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであって、請求項1については、本件補正前(すなわち、平成28年5月20日付け手続補正による補正後)に、
「 【請求項1】
パッケージ構造において、
一つの絶縁保護層と、
導線層であって、該導線層は、少なくとも一つの金属配線及び誘電材料を包含し、該少なくとも一つの金属配線は、該絶縁保護層の上に設置され、該誘電材料は該導線層内の該少なくとも一つの金属配線以外の部分に充填され、且つ該誘電材料と該少なくとも一つの金属配線は同じ厚さを有する、上記導線層と、
一つの第1パッケージユニットであって、複数の金属柱状物、第1集積回路チップ、第1成形コンパウンド層を包含し、並びに該導線層の上に設置され、これら金属柱状物は電気メッキ或いは蒸着により導電柱領域内に形成されて該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1成形コンパウンド層は該第1パッケージユニット内のこれら金属柱状物及び該第1集積回路チップ以外の部分に充填される上記第1パッケージユニットと、
を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項2】
請求項1記載のパッケージ構造において、さらに、
一つの第2パッケージユニットであって、第2集積回路チップと第2成形コンパウンド層を包含し、並びに該第1パッケージユニットの上に設置され、該第2集積回路チップはこれら金属柱状物に電気的に接続され、且つ該第2成形コンパウンド層は該第2パッケージユニット内の該第2集積回路チップ以外の部分に充填される、上記第2パッケージユニット、
を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項3】
請求項1記載のパッケージ構造において、該誘電材料と該第1成形コンパウンド層は、同じ或いは異なる材料組成を有することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項4】
請求項1記載のパッケージ構造において、これら金属柱状物は銅柱とされることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項5】
請求項1記載のパッケージ構造において、該第1成形コンパウンド層の組成材料は、ノボラック樹脂(Novolac-Based Resin)、エポキシ樹脂(Epoxy-Based Resin)、或いはシリコン樹脂(Silicone-Based Resin)を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項6】
請求項2記載のパッケージ構造において、該第2成形コンパウンド層の組成材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項7】
請求項1記載のパッケージ構造において、該第1集積回路チップは複数の第1伝導性のピンを具え、それは少なくとも一つの金属配線に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項8】
請求項2記載のパッケージ構造において、該第2集積回路チップは複数の第2伝導性のピンを具え、それはこれら金属柱状物に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項9】
請求項1記載のパッケージ構造において、複数の電気接続素子が該絶縁保護層の下に設置され、並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項10】
パッケージ構造の製造方法において、以下のステップ、すなわち、
(A)一つのキャリアーを提供する、
(B)一つの導線層を該キャリアーの上に形成し、該導線層は少なくとも一つの金属配線を包含し、電気メッキ或いは蒸着により第1金属層を該キャリアーの上に形成し、一部の該第1金属層を除去して、該少なくとも一つの金属配線のパターンを形成し、及び、誘電材料を該第1金属層の除去された部分に形成し、該誘電材料と該第1金属層に共同で該導線層を構成させ、且つ該誘電材料と該第1金属層は同じ厚さを有する、
(C)電気メッキ或いは蒸着により複数の金属柱状物を該導線層の上に形成し、これら金属柱状物を該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続する、
(D)一つの第1集積回路チップを該導線層の上に設置し、該第1集積回路チップを該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続し、且つ該第1集積回路チップとこれら金属柱状物が相互に重畳しないようにする、
(E)一つの第1成形コンパウンド層を該キャリアーの上に形成し、該第1成形コンパウンド層に該キャリアー上の全ての該導線層、これら金属柱状物、及び該第1集積回路チップを被覆させる、
(F)一部の該第1成形コンパウンド層を除去し、これら金属柱状物を露出させる、
(G)一つの第2集積回路チップを該第1成形コンパウンド層の上に設置し、該第2集積回路チップをこれら金属柱状物に電気的に接続する、
(H)一つの第2成形コンパウンド層を該第1成形コンパウンド層の上に形成し、該第2成形コンパウンド層で該第2集積回路チップを被覆する、及び、
(I)該キャリアーを除去し、並びに該導線層の下に絶縁保護層を形成する、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項11】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち(B)のステップは、第1ホトレジスト層を該載置基板の上に形成し、並びに該第1ホトレジスト層をパターニングし、第1金属層を該パターニングした第1ホトレジスト層が形成する開口領域内に形成し、及び、該第1ホトレジスト層を除去し、並びに該第1金属層のパターニングを同時に完成し、こうして該少なくとも一つの金属配線を形成し、以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(C)のステップは、
一つの第2ホトレジスト層を該キャリアーの上に形成し、並びに該第2ホトレジスト層をパターニングし、
一つの第2金属層を該第2ホトレジスト層上に形成し、
該第2ホトレジスト層を除去し、並びに該第2金属層のパターニングを同時に完成し、これによりこれら金属柱状物を形成し、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項13】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、該第1集積回路チップは複数の第1伝導性のピンを具え、該第1集積回路チップが該導線層の上に設置されるとき、これら第1伝導性のピンは該少なくとも一つの金属配線に接続されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項14】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、(E)のステップは、トップモールディング、圧縮モールディング、トランスファーモールディング或いは射出成形を採用して達成されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項15】
請求項14記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、該第1成形コンパウンド層の材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項16】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(F)のステップは、研磨、サンドブラスト、プラズマ、或いはケミカルエッチング方式を包含し、上から下に、第1成形コンパウンド層を、これら金属柱状物の上端面が露出するまで除去することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項17】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、該第2集積回路チップは、複数の第2伝導性のピンを有し、該第2集積回路チップが該第1成形コンパウンド層の上に設置されるとき、これら第2伝導性のピンはこれら金属柱状物の露出部分に接続されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項18】
請求項10記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(H)のステップは、トップモールディング、圧縮モールディング、トランスファーモールディング或いは射出成形を採用して達成されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項19】
請求項18記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、該第2成形コンパウンド層の材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。」
とあったところを、
「 【請求項1】
パッケージ構造において、
絶縁保護層と、
導線層であって、該導線層は、少なくとも一つの金属配線を包含し、該少なくとも一つの金属配線は、該絶縁保護層の上に設置され、上記導線層と、
第1パッケージユニットであって、複数の金属柱状物、第1集積回路チップ、第1成形コンパウンド層、該第1集積回路チップ及びこれら金属柱状物の以外の部分を包含し、並びに該導線層の上に設置され、これら金属柱状物は導電柱領域内に位置し該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該以外の部分は該第1パッケージユニットが該第1集積回路チップ及びこれら金属柱状物に占用されていない空間であり、該第1成形コンパウンド層は以外の部分に充填される上記第1パッケージユニットと、
を包含し、
これら金属柱状物の上部の表面、該第1集積回路チップの上部の表面及び該第1成形コンパウンド層の上部の表面には平坦な表面が形成され、該第1集積回路チップの上部の表面は該第1成形コンパウンド層の上部の表面に被覆されなく、しかも該平坦な表面は該第1パッケージユニットの上部の表面であることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項2】
請求項1記載のパッケージ構造において、さらに、
第2パッケージユニットであって、第2集積回路チップと第2成形コンパウンド層を包含し、並びに該第1パッケージユニットの上部の表面に設置され、該第2集積回路チップはこれら金属柱状物に電気的に接続され、且つ該第2成形コンパウンド層は該第2パッケージユニット内の該第2集積回路チップ以外の部分に充填される、上記第2パッケージユニット、
を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項3】
請求項1記載のパッケージ構造において、該導線層はさらに、一つの誘電材料層を包含し、それは該導線層内の、該少なくとも一つの金属配線以外の部分に充填されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項4】
請求項3記載のパッケージ構造において、該誘電材料層と該第1成形コンパウンド層は、同じ或いは異なる材料組成を有することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項5】
請求項1記載のパッケージ構造において、これら金属柱状物は銅柱とされることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項6】
請求項1記載のパッケージ構造において、該第1成形コンパウンド層の組成材料は、ノボラック樹脂(Novolac-Based Resin)、エポキシ樹脂(Epoxy-Based Resin)、或いはシリコン樹脂(Silicone-Based Resin)を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項7】
請求項2記載のパッケージ構造において、該第2成形コンパウンド層の組成材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項8】
請求項1記載のパッケージ構造において、該第1集積回路チップは複数の第1伝導性のピンを具え、それは少なくとも一つの金属配線に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項9】
請求項2記載のパッケージ構造において、該第2集積回路チップは複数の第2伝導性のピンを具え、それはこれら金属柱状物に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項10】
請求項1記載のパッケージ構造において、複数の電気接続素子が該絶縁保護層の下に設置され、並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項11】
パッケージ構造の製造方法において、
パッケージ構造は絶縁保護層と、
少なくとも一つの金属配線を包含して該絶縁保護層の上に設置される一つの導線層と、
第1パッケージユニットであって、複数の金属柱状物、第1集積回路チップ、第1成形コンパウンド層を包含し、並びに該導線層の上に設置され、これら金属柱状物は導電柱領域内に設置されて該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1成形コンパウンド層は該第1パッケージユニット内のこれら金属柱状物及び該第1集積回路チップ以外の部分に充填される上記第1パッケージユニットと、
を包含し、
以下のステップ、すなわち、
(A)キャリアーを提供する、
(B)導線層を該キャリアーの上に形成し、該導線層は少なくとも一つの金属配線を包含する、
(C)これら金属柱状物を該導線層の上に形成し、これら金属柱状物を該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続する、
(D)該第1集積回路チップを該導線層の上に設置し、該第1集積回路チップを該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続し、且つ該第1集積回路チップとこれら金属柱状物が相互に重畳しないようにする、
(E)コンパウンド材料を該キャリアーの上に形成し、該コンパウンド材料が該キャリアー上の全ての該導線層、これら金属柱状物、及び該第1集積回路チップを被覆させる、
(F)一部のコンパウンド材料を除去して該第1成形コンパウンド層を形成し、これら金属柱状物を露出させる、
(G)該キャリアーを除去し、並びに該導線層の下に絶縁保護層を形成する、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち(B)のステップは、
第1ホトレジスト層を該キャリアーの上に形成し、並びに該第1ホトレジスト層をパターニングし、第1金属層を該パターニングした第1ホトレジスト層が形成する開口領域内に形成し、及び、該第1ホトレジスト層を除去し、並びに該第1金属層のパターニングを同時に完成し、こうして該少なくとも一つの金属配線を形成し、以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項13】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(B)のステップは、
誘電層を該キャリアーの上に形成し、
一部の該誘電層を除去して、該少なくとも一つの金属配線のパターンを形成し、
第1金属層を該誘電層の除去された部分に形成し、これにより該少なくとも一つの金属配線を形成し、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項14】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(B)のステップは、
第1金属層を該キャリアーの上に形成し、
一部の該第1金属層を除去し、これにより該少なくとも一つの金属配線のパターンを形成し、
誘電材料層を、該第1金属層の除去された部分に形成し、該誘電材料層と該第1金属層に共同で該導線層を構成させ、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項15】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(C)のステップは、
一つの第2ホトレジスト層を該キャリアーの上に形成し、並びに該第2ホトレジスト層をパターニングし、
第2金属層を該第2ホトレジスト層上に形成し、
該第2ホトレジスト層を除去し、並びに該第2金属層のパターニングを同時に完成し、これによりこれら金属柱状物を形成し、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項16】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、該第1集積回路チップは複数の第1伝導性のピンを具え、該第1集積回路チップが該導線層の上に設置されるとき、これら第1伝導性のピンは該少なくとも一つの金属配線に接続されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項17】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、(E)のステップは、トップモールディング、圧縮モールディング、トランスファーモールディング或いは射出成形を採用して達成されることを特徴とする、パッケージ構造。
【請求項18】
請求項17記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、該第1成形コンパウンド層の材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項19】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(F)のステップは、研磨、サンドブラスト、プラズマ、或いはケミカルエッチング方式を包含し、上から下に、第1成形コンパウンド層を、これら金属柱状物の上端面が露出するまで除去することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項20】
請求項11記載のパッケージ構造の製造方法において、さらに、
(F1)第2集積回路チップを該第1成形コンパウンド層の上に設置し、該第2集積回路チップをこれら金属柱状物に電気的に接続する、
(F2)第2成形コンパウンド層を該第1成形コンパウンド層の上に形成し、該第2成形コンパウンド層で該第2集積回路チップを被覆する、
以上を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項21】
請求項20記載のパッケージ構造の製造方法において、該第2集積回路チップは、複数の第2伝導性のピンを有し、該第2集積回路チップが該第1成形コンパウンド層の上に設置されるとき、これら第2伝導性のピンはこれら金属柱状物の露出部分に接続されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項22】
請求項20記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、(F2)のステップは、トップモールディング、圧縮モールディング、トランスファーモールディング或いは射出成形を採用して達成されることを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。
【請求項23】
請求項20記載のパッケージ構造の製造方法において、そのうち、該第2成形コンパウンド層の材料は、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂を包含することを特徴とする、パッケージ構造の製造方法。」
とするものである。なお、下線は請求人が補正箇所を明示するために付したものである。
2.補正の目的要件について
本件補正により、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「導線層」が「誘電材料」を包含すること、及び、「該誘電材料は該導線層内の該少なくとも一つの金属配線以外の部分に充填され、且つ該誘電材料と該少なくとも一つの金属配線は同じ厚さを有する」こと、さらに、「金属柱状物」が「電気メッキ或いは蒸着により」形成されることを削除したものである。
同様に、本件補正により、補正後の請求項11に記載された発明は、補正前の請求項10に記載した発明を特定するために必要な事項である「電気メッキ或いは蒸着により第1金属層を該キャリアーの上に形成し、一部の該第1金属層を除去して、該少なくとも一つの金属配線のパターンを形成し、及び、誘電材料を該第1金属層の除去された部分に形成し、該誘電材料と該第1金属層に共同で該導線層を構成させ、且つ該誘電材料と該第1金属層は同じ厚さを有する」こと、「一つの第2集積回路チップを該第1成形コンパウンド層の上に設置し、該第2集積回路チップをこれら金属柱状物に電気的に接続する」こと、「一つの第2成形コンパウンド層を該第1成形コンパウンド層の上に形成し、該第2成形コンパウンド層で該第2集積回路チップを被覆する」ことを削除したものである。
いずれも発明特定事項を削除する補正であり、直列的に記載された発明特定事項の一部の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。また、上記補正は、請求項の削除、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しない。
さらに、本件補正は、補正前の請求項1ないし9を補正後の請求項1ないし10にする補正と、補正前の請求項10ないし19を補正後の請求項11ないし23にする補正を含んでおり、補正前の請求項1、補正前の請求項11の発明特定事項の削除に伴って、補正後の請求項3、13、14、20を追加する本件補正は、新たな請求項の追加に該当することは明らかである。
したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項各号に規定する請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正又は明りようでない記載の釈明のいずれをも目的としたものでない。
3.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3.本願発明について
1.本願発明
平成28年10月12日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし19に係る発明は、平成28年5月20日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定されたものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2 1.補正後の本願発明」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2.引用例とその記載事項
(1)引用例1
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された文献である特開2006-134914号公報(平成18年5月25日公開。以下、「引用例1」という。)には、「電子部品内蔵モジュール」に関して図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
ア.「【0001】
本発明は、キャパシタ、レジスタ(抵抗)、インダクタ等の受動部品、もしくは能動部品のような電子部品を内蔵した電子部品内蔵モジュールと、このような電子部品内蔵モジュールを製造するための製造方法に関する。」
イ.「【0016】
図1及び図2において、本発明の電子部品内蔵モジュール11は、所望の部位に複数の外部端子13、配線層14を有する絶縁層12と、この絶縁層12の一方の面に配設された電子部品チップ21と、この電子部品チップ21を被覆するように絶縁層12上に配設された絶縁樹脂層16と、備えている。尚、図1は、電子部品内蔵モジュール11を絶縁層12側から見た平面図である。
外部端子13は、絶縁層12を貫通するように配設されており、所望の外部端子13間を接続するように配線層14が絶縁層12に配設されている。
また、絶縁樹脂層16には、この絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続(図示例では外部端子13と接続)する上下導通ビア18が配設されている。
【0017】
上記の電子部品チップ21は、シリコン基板22と、このシリコン基板22の一方の面に形成された薄膜素子形成層23を有し、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続(図示例では外部端子13と接続)している。このような電子部品チップ21は、シリコン基板22の厚みが20~500μm、薄膜素子形成層23の厚みが5~50μm、全体の厚みが25~550μmの範囲となるように設定することが好ましい。また、1個の電子部品チップ21の外形寸法は、一辺の長さが0.5~20mmの範囲となるように設定することが好ましい。
尚、薄膜素子形成層23が備える電子部品としては、キャパシタ、レジスタ(抵抗)、インダクタ、トランス、LCR回路等の受動部品、オペアンプ等のアクティブフィルタ素子、ロジック、メモリ素子等の能動部品である。
【0018】
本発明の電子部品内蔵モジュール11を構成する絶縁層12は、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料、あるいは、これらの有機材料とガラス繊維等を組み合せたもの等からなるものとすることができ、厚みは30~550μmの範囲で設定することができる。
本発明の電子部品内蔵モジュール11を構成する外部端子13、配線層14は、銅、銀、金、クロム、アルミニウム、ニッケル等の導電材料からなるものとすることができ、また、金/ニッケル/金の3層構造、ニッケル/金の2層構造等としてもよい。このような外部端子13は、絶縁層12と同じ厚みを有し、絶縁層12を貫通するものである。また、配線層14は、所望の外部端子13を接続するように絶縁層12内に配設されており、絶縁層12内に完全に埋設されたものであってもよく、また、絶縁層12のいずれか一方の面、あるいは両面に露出するものであってもよい。
【0019】
本発明の電子部品内蔵モジュール11を構成する絶縁樹脂層16は、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料等とすることができる。絶縁樹脂層16の厚みは、電子部品チップ21を完全に被覆するように設定することができ、例えば、電子部品チップ21の厚みよりも1~20μm程度厚くなるように設定することができる。
また、本発明の電子部品内蔵モジュール11を構成する上下導通ビア18は、銅、銀、金、クロム、アルミニウム等の導電材料からなるものとすることができ、太さは、例えば、25~570μmの範囲で設定することができる。尚、本発明の電子部品内蔵モジュール11は、この上下導通ビア18の露出面に、はんだボール、金めっきバンプ、金スタッドバンプのいずれかを備えるものであってもよい。」
ウ.「【0026】
[電子部品内蔵モジュールの製造方法]
図5は、本発明の電子部品内蔵モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明の電子部品内蔵モジュールの製造方法では、まず、基材1の一方の面に絶縁層12を形成し、この絶縁層12の所望の部位に外部端子13と配線層14を形成する(図5(A))。基材1としては、銅、銅合金等の金属材料、シリコン等を使用することができ、厚みは、例えば、0.05~1mm程度とすることができる。
【0027】
絶縁層12の形成は、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の電気絶縁性樹脂材料を含有する塗布液、あるいは、これらの電気絶縁性樹脂材料とガラス繊維とを組み合わせたものを含有する塗布液を公知の塗布方法で塗布し、その後、加熱、紫外線照射、電子線照射等の所定の硬化処理を施すことにより行うことができる。
【0028】
上記の外部端子13と配線層14の形成は、例えば、以下のように行うことができる。まず、感光性の絶縁樹脂材料を用いて絶縁層12となる感光性絶縁樹脂層を形成し、この感光性絶縁樹脂層を所定のマスクを介して露光し、現像することにより、外部端子13用の孔部と、配線層14用の溝部を絶縁層12に形成する。そして、洗浄後、上記の孔部、溝部と、絶縁層12上に真空成膜法により導電層を形成し、絶縁層12上の導電層にレジスト層を形成し、所望のパターン露光、現像を行うことによりレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして、上記の孔部と溝部の内部に電解めっきにより導電材料を析出させて外部端子13、配線層14を形成し、その後、レジストパターンと導電層を除去する。また、基材1の材質が導電体(金属)の場合は、絶縁層12の周縁部を露出し、あるいは基材1の側面や裏面に電極を立て、上記の孔部、溝部に電解めっきにて導電材料を直接析出させて外部端子13、配線層14を形成してもよい。
【0029】
また、外部端子13と配線層14の形成は、以下のように行うこともできる。すなわち、炭酸ガスレーザー、UV-YAGレーザー等を用いて絶縁層12に外部端子13用の孔部、配線層14用の溝部を形成する。そして、洗浄後、上記の孔部、溝部の内部、および絶縁層12に無電解めっきにより導電層を形成し、この導電層上にドライフィルムレジストをラミネートして所望のパターン露光、現像を行うことによりレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして、上記の孔部と溝部の内部に電解めっきにより導電材料を析出させて外部端子13、配線層14を形成し、その後、レジストパターンと導電層を除去する。
【0030】
上記の導電材料としては、例えば、銅、銀、金、クロム、アルミニウム、ニッケル等を挙げることができ、外部端子13、配線層14を多層構造、例えば、ニッケル/銅/ニッケルの3層構造、ニッケル/金/ニッケルの3層構造、ニッケル/銀/ニッケルの3層構造、これらの3層構造のニッケルの代わりに、クロム、チタン等を用いた3層構造、あるいは、ニッケル/金、チタン/銅等の2層構造とすることができる。
次に、シリコン基板22の一方の面に薄膜素子形成層23を有する電子部品チップ21を、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続するように、絶縁層12上にフリップチップ実装する(図5(B))。電子部品チップ21を構成する薄膜素子形成層23は、キャパシタ、レジスタ(抵抗)、インダクタ、トランス、LCR回路等の所望の薄膜受動素子、オペアンプ等のアクティブフィルタ素子、ロジック、メモリ素子等の所望の薄膜能動素子が形成されたものである。この薄膜素子形成層23の厚みは3~30μm程度、電子部品チップ21の厚みは10~50μm程度とすることができる。
【0031】
次いで、実装した電子部品チップ21を被覆するように、絶縁層12上に絶縁樹脂層16を形成し、電子部品チップ21の非配設部位において絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14(図示例では外部端子13)が露出するように複数の微細孔17を形成する(図5(C))。
絶縁樹脂層16は、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁樹脂材料を用いて形成することができる。
【0032】
微細孔17の形成は、例えば、絶縁樹脂層16上にマスクパターンを形成し、露出している絶縁樹脂層16に対して、プラズマを利用したドライエッチング法であるICP-RIE(Inductively Coupled Plasma - Reactive Ion Etching:誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチング)法で穿孔することにより形成することができる。この微細孔17の開口寸法は、次工程で形成する上下導通ビアの寸法に応じて適宜設定することができる。また、微細孔17は、炭酸ガスレーザー、UV-YAGレーザー等を用いて形成することができる。さらに、感光性の絶縁樹脂材料を用いて絶縁樹脂層16となる感光性絶縁樹脂層を形成し、この感光性絶縁樹脂層を所定のマスクを介して露光、現像することにより微細孔17を形成することもできる。
【0033】
次に、微細孔17内に導電材料を充填して上下導通ビア18を形成する(図5(D))。微細孔17内への導電材料の充填は、例えば、微細孔17内と絶縁樹脂層16上に真空成膜法により導電層を形成し、この導電層上にレジスト層を形成し、所望のパターン露光、現像を行うことによりレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして、微細孔17内に電解めっきにより導電材料を析出させ、その後、レジストパターンと導電層を除去する。
尚、本発明では、電子部品チップ21の実装前に、予め、めっきビアポストを外部端子13上に設けておき、電子部品チップ21の実装後に、絶縁樹脂層16で電子部品21を被覆し、次いで、CMP(化学的機械研磨)等により表面平坦化を行うと同時に、めっきビアポストを露出させて上下導通ビア18としてもよい。
【0034】
上下導通ビア18を構成する導電材料としては、例えば、銅、銀、金、クロム、アルミニウム等を挙げることができる。
次いで、基材1を除去することにより、本発明の電子部品内蔵モジュール11を得ることができる(図5(E))。基材1の除去は、例えば、選択エッチング、基材1の裏面側からの研磨等により行うことができる。」
エ.「【0051】
小型で高信頼性が要求される半導体装置や各種電子機器への用途にも適用できる。」
上記アないしエ、図2及び図5の記載から、引用例1には以下の事項が記載されている。
・上記アによれば、引用例1に記載された発明は、キャパシタ、レジスタ(抵抗)、インダクタ等の受動部品、もしくは能動部品のような電子部品を内蔵した電子部品内蔵モジュールと、このような電子部品内蔵モジュールを製造するための製造方法に関するものである。
・上記イ及び図2によれば、電子部品内蔵モジュール11は、所望の部位に複数の外部端子13、配線層14を有する絶縁層12と、この絶縁層12の一方の面に配設された電子部品チップ21と、この電子部品チップ21を被覆するように絶縁層12上に配設された絶縁樹脂層16と、備えているものである。また、電子部品チップ21は、シリコン基板22と、このシリコン基板22の一方の面に形成された薄膜素子形成層23を有し、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続しているものである。さらに、電子部品内蔵モジュール11は、絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続する上下導通ビア18が配設されているものである。
・上記ウ及び図5によれば、電子部品内蔵モジュール11は、まず、基材1の一方の面に絶縁層12を形成し、この絶縁層12の所望の部位に外部端子13と配線層14を形成するものである。外部端子13と配線層14の形成は、絶縁層12となる感光性絶縁樹脂層を形成し、外部端子13用の孔部と、配線層14用の溝部を絶縁層12に形成し、上記の孔部と溝部の内部に電解めっきにより導電材料を析出させて外部端子13、配線層14を形成するものである。次に、シリコン基板22の一方の面に薄膜素子形成層23を有する電子部品チップ21を、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続するように、絶縁層12上にフリップチップ実装するものである。さらに、実装した電子部品チップ21を被覆するように、絶縁層12上に絶縁樹脂層16を形成し、電子部品チップ21の非配設部位において絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14が露出するように複数の微細孔17を形成するものである。そして、微細孔17内に電解めっきにより導電材料を析出させ上下導通ビア18を形成するものである。次いで、基材1を除去することにより、電子部品内蔵モジュール11を得ることができるものである。
・上記エによれば、電子部品内蔵モジュール11は、小型で高信頼性が要求される半導体装置や各種電子機器への用途にも適用できるものである。
以上の点を踏まえて、上記記載事項及び図面を総合的に勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「電子部品内蔵モジュール11において、基材1の一方の面に絶縁層12を形成し、この絶縁層12の所望の部位に外部端子13と配線層14を形成し、シリコン基板22の一方の面に薄膜素子形成層23を有する電子部品チップ21を、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続するように、絶縁層12上にフリップチップ実装し、電子部品チップ21を被覆するように絶縁層12上に絶縁樹脂層16を形成し、絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続する上下導通ビア18が電解めっきにより形成されて配設され、基材1を除去することで得られる電子部品内蔵モジュール11。」
(2)引用例2
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された文献である特開2013-69808号公報(平成25年4月18日公開。以下、「引用例2」という。)には、「半導体パッケージ及びその製造方法」に関して図面とともに以下の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
カ.「【0001】
本発明は、半導体チップを内蔵する半導体パッケージ及びその製造方法に関する。」
キ.「【0015】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る半導体パッケージの構造]
図1は、第1の実施の形態に係る半導体パッケージを例示する断面図である。図1を参照するに、半導体パッケージ10は、大略すると、配線基板30と、半導体チップ40と、接合部45と、封止樹脂49とを有する。
【0016】
配線基板30は、半導体チップを内蔵したチップ内蔵型配線基板であり、大略すると、半導体チップ20と、配線層31と、絶縁層32と、配線層33と、絶縁層34と、配線層35と、絶縁層36と、配線層37と、ソルダーレジスト層38とを有する。なお、30aは配線基板30の第1主面(以降、第1主面30aとする)を、30bは配線基板30の第2主面(以降、第2主面30bとする)を示している。」
ク.「【0074】
次に、図10に示す工程では、絶縁層36上に、配線層37の一部を露出する開口部38xを有するソルダーレジスト層38を形成し、配線基板30を作製する。ソルダーレジスト層38は、例えば液状又はペースト状の感光性のエポキシ系やアクリル系の絶縁性樹脂を、配線層37を被覆するように絶縁層36上にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。或いは、例えばフィルム状の感光性のエポキシ系やアクリル系の絶縁性樹脂を、配線層37を被覆するように絶縁層36上にラミネートすることにより形成してもよい。
【0075】
開口部38xは、塗布又はラミネートした絶縁性樹脂を露光及び現像することすることにより形成できる(フォトリソグラフィ法)。予め開口部38xを形成したフィルム状の絶縁性樹脂を、配線層37を被覆するように絶縁層36上にラミネートしても構わない。なお、ソルダーレジスト層38の材料として、非感光性の絶縁性樹脂を用いてもよい。この場合には、絶縁層36上にソルダーレジスト層38を形成して硬化させた後、例えばCO2レーザ等を用いたレーザ加工法や、アルミナ砥粒等の研磨剤を用いたブラスト処理により開口部38xを形成すればよい。」
上記カないしク、図1及び図10の記載から、引用例2には以下の事項が記載されている。
・上記カによれば、引用例2に記載された技術事項は、半導体チップを内蔵する半導体パッケージ及びその製造方法に関するものである。
・上記キ及び図1によれば、半導体パッケージ10は、配線基板30と、半導体チップ40と、接合部45と、封止樹脂49とを有する半導体チップを内蔵したチップ内蔵型配線基板であり、半導体チップ20と、配線層31と、絶縁層32と、配線層33と、絶縁層34と、配線層35と、絶縁層36と、配線層37と、ソルダーレジスト層38とを有するものである。
・上記ク及び図10によれば、ソルダーレジスト層38は、絶縁性樹脂を、配線層37を被覆するように絶縁層36上に塗布することにより形成されるものである。
以上の点を踏まえて、上記記載事項及び図面を総合的に勘案すると、引用例2には、次の技術事項が記載されている。
「半導体チップを内蔵する半導体パッケージにおいて、半導体パッケージの配線層を被覆するように絶縁性樹脂を塗布することによりソルダーレジスト層を形成する」こと。
3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
a.引用発明の「外部端子13」及び「配線層14」は、導電材料からなるものであることを鑑みれば、本願発明の「金属配線」に相当する。そして、引用発明の「絶縁層12」は、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、カルド樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料、あるいは、これらの有機材料とガラス繊維等を組み合せたもの等からなるものであることを鑑みれば、本願発明の「誘電材料」に相当する。
さらに、引用例1の段落【0028】の記載を鑑みれば、「絶縁層12」は「外部端子13」及び「配線層14」以外の部分に充填されているといえ、また、引用例1の段落【0018】及び【図2】、【図5】の記載を鑑みれば、少なくとも引用発明の「外部端子13」は、「絶縁層12」と同じ厚みであることから、本願発明と同様に、「該誘電材料と該少なくとも一つの金属配線は同じ厚さを有する」ものであるといえる。してみれば、引用発明の「外部端子13」及び「配線層14」、「絶縁層12」は、本願発明の「導電層」を構成しているといえる。
したがって、引用発明の「基材1の一方の面に絶縁層12を形成し、この絶縁層12の所望の部位に外部端子13と配線層14を形成」していることは、本願発明の「導線層であって、該導線層は、少なくとも一つの金属配線及び誘電材料を包含し、該誘電材料は該導線層内の該少なくとも一つの金属配線以外の部分に充填され、且つ該誘電材料と該少なくとも一つの金属配線は同じ厚さを有する、上記導線層」を有することに相当する。
ただし、導電層について、本願発明は、「絶縁保護層の上に設置され」ていると特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がされていない。
b.引用発明の「上下導通ビア18」、「電子部品チップ21」、「絶縁樹脂層16」、「電解めっき」は、それぞれ本願発明の「金属柱状物」、「第1集積回路チップ」、「第1成形コンパウンド層」、「電気メッキ」に相当する。
また、引用発明の「上下導通ビア」が形成される領域は、本願発明の「導電柱領域」に相当し、引用発明の「上下導通ビア」は、「絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続」されていることから、本願発明と同様に、「導電柱領域内に形成されて少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され」ているといえる。
したがって、引用発明の「絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続する上下導通ビア18が電解めっきにより形成されて配設」されることは、本願発明の「これら金属柱状物は電気メッキ或いは蒸着により導電柱領域内に形成されて該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され」ていることに相当する。
c.引用発明の「電子部品チップ21」が実装される領域は、本願発明の「素子領域」に相当し、引用発明の「電子部品チップ21」は、「シリコン基板22の一方の面に薄膜素子形成層23を有する電子部品チップ21を、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続するように、絶縁層12上にフリップチップ実装」されていることから、本願発明と同様に、「該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され」ているといえる。
したがって、引用発明の「シリコン基板22の一方の面に薄膜素子形成層23を有する電子部品チップ21を、薄膜素子形成層23の端子24が外部端子13または配線層14に接続するように、絶縁層12上にフリップチップ実装」することは、本願発明の「該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され」ていることに相当する。
d.上記b.及びc.を鑑みれば、引用発明の「上下導通ビア18」、「電子部品チップ21」、「絶縁樹脂層16」は、本願発明の「1つの第1パッケージユニット」を構成しているといえる。そして、引用発明の「電子部品チップ21を被覆するように絶縁層12上に絶縁樹脂層16を形成し、絶縁樹脂層16を貫通し所望の外部端子13または配線層14と接続する上下導通ビア18が配設」されること、及び引用例1の【図2】及び【図5】を勘案すれば、引用発明の「絶縁樹脂層16」は、本願発明と同様に、「第1パッケージユニット」内の「上下導通ビア18」、「電子部品チップ21」以外の部分に充填されているといえる。
したがって、引用発明は、本願発明と同様に、「一つの第1パッケージユニットであって、複数の金属柱状物、第1集積回路チップ、第1成形コンパウンド層を包含し、並びに該導線層の上に設置」され、「該第1成形コンパウンド層は該第1パッケージユニット内のこれら金属柱状物及び該第1集積回路チップ以外の部分に充填される上記第1パッケージユニット」を有することに相当する。
e.上記a.ないしd.を鑑みれば、引用発明の「電子部品内蔵モジュール11」は、本願発明の「パッケージ構造」に相当する。
そうすると、本願発明と引用発明とは以下の点で一致ないし相違する。
<一致点>
「 パッケージ構造において、
導線層であって、該導線層は、少なくとも一つの金属配線及び誘電材料を包含し、該誘電材料は該導線層内の該少なくとも一つの金属配線以外の部分に充填され、且つ該誘電材料と該少なくとも一つの金属配線は同じ厚さを有する、上記導線層と、
一つの第1パッケージユニットであって、複数の金属柱状物、第1集積回路チップ、第1成形コンパウンド層を包含し、並びに該導線層の上に設置され、これら金属柱状物は電気メッキ或いは蒸着により導電柱領域内に形成されて該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1集積回路チップは素子領域内に設置され並びに該少なくとも一つの金属配線に電気的に接続され、該第1成形コンパウンド層は該第1パッケージユニット内のこれら金属柱状物及び該第1集積回路チップ以外の部分に充填される上記第1パッケージユニットと、
を包含することを特徴とする、パッケージ構造。」
<相違点1>
パッケージ構造において、本願発明は、「一つの絶縁保護層」を有すると特定しているのに対して、引用発明にはそのような構成を有するとは特定されていない点。
<相違点2>
導線層について、本願発明は、「少なくとも一つの金属配線は、該絶縁保護層の上に設置され」ると特定しているのに対して、<相違点1>のとおり、絶縁保護層が特定されていないので、引用発明にはそのような特定がされていない点。
4.判断
相違点1及び2について、検討する。
半導体チップを内蔵する半導体パッケージにおいて、絶縁性樹脂を実装面の配線層を被覆するように塗布してソルダーレジスト層を形成することは、例えば、引用例2(上記「2.(2)」を参照)に記載のように周知の技術事項であり(必要があれば、特開2007-287803号公報(特に、【0018】、【0034】、【0078】ないし【0081】、【図16】、【図17】等参照)も参照されたい。)、引用発明において、上記周知の技術事項を採用して、基材1(本願の「キャリアー」に相当)を除去した部分に金属配線を被覆するようにソルダーレジスト層を形成することで相違点1及び2の構成とすることは当業者であれば容易に想到し得たことにすぎない。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び引用例2に記載された周知の技術事項から当業者が予測できる範囲のものである。
5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された周知の技術事項により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2016-015326