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特許拒絶査定不服審判

2016-013933

シールドコネクタ配置

審判番号
2016-013933
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-257535外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年09月16日
審決日
2017年05月22日
公報発行日
2017年07月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01R)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-257535「シールドコネクタ配置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年7月2日出願公開、特開2015-122315、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年12月19日(パリ条約による優先権主張 2013年12月20日 (EP)欧州特許庁)の出願であって、平成27年10月9日付けで拒絶理由が通知され、平成28年2月19日に手続補正がされ、同年5月10日付け(発送日:5月17日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年9月16日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、同年11月10日に前置報告され、平成29年1月26日に審判請求人から前置報告に対する上申書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 1 請求項1について 平成27年10月9日付け拒絶理由通知書における引用文献2に記載された発明(段落【0014】ないし段落【0017】、図1ないし図3)は、ハウジング2(ハウジング)が、モータケース50(対応デバイスのケース)に対してボルト52によって締結されている点で、請求項1に係る発明とは相違する。 上記相違点を検討するに、同拒絶理由通知書における引用文献3には、シールドコネクタの対応デバイスへの取付けに関して、シールドコネクタのハウジングに設けられたロック部材によって上記対応デバイスへの取付けを行うことが記載されている(引用文献3の段落【0015】ないし段落【0026】、段落【0029】ないし段落【0031】及びFIG.1ないしFIG.5における cantilever arms 360 と panel 120 との関係を参照のこと。)。 そして、上記引用文献3の記載を踏まえれば、上記ロック部材によって、シールドコネクタが対応デバイスに対して工具なしで容易かつ迅速に締結可能であることは、当業者であれば当然に想起し得る事項であるといえる。 したがって、上記引用文献2に記載された発明において、上記引用文献3に記載された事項を踏まえ、上記ハウジング2の上記モータケース50への固定に関して、上記ハウジング2にロック部材を設け、当該ロック部材によって上記ハウジング2と上記モータケース50との係合を行うことによって、上記ハウジング2と上記モーターケース50とを工具なしで容易かつ迅速に締結するように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 上記引用文献3には、上述のように、シールドコネクタの対応デバイスへの取付けに関して、ロック部材を用いることで、シールドコネクタが対応デバイスに対して工具なしで容易かつ迅速に締結可能であることが示唆されている。 ここで、コネクタの対応機器への取付けに関して、工具なしで取り付けた方が着脱の容易性などの観点から好ましいことは、従来周知の課題であるといえる。 そうしてみると、上記コネクタの着脱の容易性といった観点から、上記引用文献2に記載された発明における上記ハウジング2と上記モーターケース50との接続に関して、上記引用文献3に記載されたロック部材による接続に関する技術を適用することに、動機付けがないとまではいえない。 2 請求項2について 引用文献3に記載されたロック部材(cantilever arms 360)は、ハウジング320(housing 320 )の長手軸線について径方向反対に配置されているといえる。 3 請求項3ないし6、11について 請求項3ないし6、11に記載された事項は、引用文献3に記載されている(引用文献3の段落【0015】ないし段落【0026】、段落【0029】ないし段落【0031】及びFIG.1ないしFIG.5における cantilever arms 360 )。 4 請求項12について 引用文献2に記載された発明において、シールド電線20は、ハウジング2の挿入穴へ挿入されているといえる。 引用文献2:特開平10-112924号公報 引用文献3:米国特許出願公開第2004/0014367号明細書 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 すなわち、審判請求時の補正のうち、請求項1における「前記ロック要素(5)が、ロック位置とロック解除位置との間で撓曲可能であるロックアーム(10)と、設定前位置と設定位置との間で移動可能である二次ロックデバイスと、を備え、設定位置での前記二次ロックデバイスが前記ロックアーム(10)を前記ロック位置に固定する、」との記載は、補正前請求項4及び7に基づくものであり、これに伴い、補正前請求項4及び7が削除され、また、審判請求時の補正のうち、補正前請求項8に対応する請求項6は、所謂従属形式の請求項を独立形式の請求項に書き改めたものであるから、審判請求時の補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、請求項1における上記事項は当初明細書の段落【0035】の(iv)、(vii)に記載されているから、いわゆる新規事項を追加するものではない。 そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし10に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、平成28年9月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される発明であり、次のとおりのものである。 「【請求項1】 挿入穴(14)が形成されたハウジング(4)を有するシールドコネクタ(1)と、 前記挿入穴(14)に収容されるシールドケーブル(7)と、 前記シールドコネクタ(1)の前記ハウジング(4)の少なくとも一つのロック要素(5)に係合する少なくとも一つの対抗ロック要素(6)を有する対応デバイス(3)と、 を備え、 前記ハウジング(4)が、前記対応デバイス(3)に前記シールドコネクタ(1)を工具無しで締結するための前記少なくとも一つのロック要素(5)を具備し、 前記シールドケーブル(7)が、シールド端子(36)に電気的に接続可能なシールド導体(32)を有し、前記シールド端子(36)が、前記ハウジング(4)に取り付けられたシールドコネクタ配置において、 前記シールドケーブル(7)が、前記対応デバイス(3)の壁を通り、 前記シールド端子(36)が、前記シールド導体(32)と前記対応デバイス(3)との間の接地接続のために、前記対応デバイス(3)の前記壁に接触しており、 前記ロック要素(5)が、ロック位置とロック解除位置との間で撓曲可能であるロックアーム(10)と、設定前位置と設定位置との間で移動可能である二次ロックデバイスと、を備え、 設定位置での前記二次ロックデバイスが前記ロックアーム(10)を前記ロック位置に固定する、 シールドコネクタ配置。 【請求項2】 前記ハウジング(4)の長手軸線(L)について径方向反対に配置される二つのロック要素(5)が設けられる、 請求項1に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項3】 前記対応デバイス(3)の対抗ロック要素(6)との嵌合状態に置かれうるように前記ロック要素(5)が形成される、 請求項1又は2に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項4】 前記ロックアーム(10)が、前記対抗ロック要素(6)の嵌合部分(11)との嵌合状態に置かれる嵌合部分(22)を備える、 請求項1に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項5】 前記ロックアーム(10)が、該ロックアーム(10)を手で撓曲させるための作動部分(13)を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項6】 挿入穴(14)が形成されたハウジング(4)を有するシールドコネクタ(1)と、 前記挿入穴(14)に収容されるシールドケーブル(7)と、 前記シールドコネクタ(1)の前記ハウジング(4)の少なくとも一つのロック要素(5)に係合する少なくとも一つの対抗ロック要素(6)を有する対応デバイス(3)と、 を備え、 前記ハウジング(4)が、前記対応デバイス(3)に前記シールドコネクタ(1)を工具無しで締結するための前記少なくとも一つのロック要素(5)を具備し、 前記シールドケーブル(7)が、シールド端子(36)に電気的に接続可能なシールド導体(32)を有し、前記シールド端子(36)が、前記ハウジング(4)に取り付けられたシールドコネクタ配置において、 前記シールドケーブル(7)が、前記対応デバイス(3)の壁を通り、 前記シールド端子(36)が、前記シールド導体(32)と前記対応デバイス(3)との間の接地接続のために、前記対応デバイス(3)の前記壁に接触しており、 前記少なくとも一つのロック要素(5)が前記ハウジング(4)に着脱可能に取り付けられる、 シールドコネクタ配置。 【請求項7】 前記ロック要素(5)が、固定位置と固定解除位置との間で撓曲可能である固定アーム(49,50)を包含する、 請求項6に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項8】 前記ハウジング(4)の嵌合部分(47,48)との嵌合状態に置かれる嵌合部分(51,52)を前記固定アーム(49,50)が包含する、 請求項7に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項9】 前記少なくとも一つのロック要素(5)が単体として前記ハウジング(4)と一体的である、 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシールドコネクタ配置。 【請求項10】 シールドケーブル(7)が前記ハウジング(4)の前記挿入穴(14)へ挿入される、 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシールドコネクタ配置。」 第5 刊行物 1 刊行物1 刊行物1(特開平10-112924号公報、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2)には、「シールド電線の端末処理構造」に関し、図面(特に、図1なしい図5参照)とともに次の事項が記載されている。 (1)「【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、例えば電気自動車に搭載したモータ等の各種電気機器に接続されるシールド電線の端末処理構造に関し、さらに詳しくは、端末処理時に確保される電線の撓み量を可変にして引回しのために必要な長さ調整を可能にしたシールド電線の端末処理構造に関する。」 (2)「【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシールド電線の端末処理構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明によるシールド電線の端末処理構造の一実施形態を示す断面図、図2は図1のA部詳細図、図3は図1のB部詳細図、図4は端末処理構造の正面図、図5は端末処理構造の外観斜視図である。シールド電線の端末処理構造1は、シールド電線20が挿通される略円筒状のハウジング2と、ハウジング2に挿通されたシールド電線20の編組26をハウジング2の先端部においてハウジング外周面上に折り返した状態で、前記ハウジング2に冠着されるシールド接続リング30とを備えて構成される。 【0015】ハウジング2は外周面上に取付用のフランジ部4が設けられ、ハウジング2の先端部を取付け部である例えばモータケース50の電線挿入口51に嵌入させた状態で、フランジ部4をボルト52で固定して前記モータケース50に取り付けられる。ハウジング2の外周面上には、モータケース50に嵌入される先端部からフランジ部4に向かって係止溝6、環状溝8が順次凹設されている。環状溝8はハウジング2の全周にわたって形成され、環状溝8にはハウジング2とモータケース50との間を気密にするシール部材としてのOリング10が嵌着される。 【0016】シールド電線20は、ハウジング2に挿通される端末29において、外部被覆28が編組26、絶縁被覆24、芯線22を順次露出させており、芯線22には、図示しないモータ端子部と接続する接続端子55が圧着接続(図4参照)されている。編組26は、図2及び図3にも示すように、ハウジング2の先端部においてハウジング2から突出される端部26Aが、ハウジング外周面を被覆するよう折り返される。 【0017】シールド接続リング30は、ばね特性に優れた金属材料により加工成形されると共に、電線が貫通する穴31を中央に開口してキャップ状に形成されている。シールド接続リング30には所定角度で内方に向けて切り起こした係止片32が円周面上の複数箇所に設けられ、係止片32は、編組26の端部26Aと共にハウジング2に設けた係止溝6内に挿入される。従って、シールド接続リング30は、ハウジング外周面に折り返された編組26の端部26Aを圧接するように挟持してハウジング2に固定されると同時に、編組26が位置ずれしないように位置規制する。 【0018】また、シールド接続リング30には、図3に示すように、外側に突出するバネ片34が円周上に複数設けられている。このバネ片34はモータケース50の電線挿入口51に弾接される。これにより、シールド電線20の編組26は、モータケース50を介してアース接地される。 【0019】シールド電線20の、ハウジング2の先端部側より突出された絶縁被覆24の端部24Aには、絶縁材料で形成した導通防止用の絶縁リング12が嵌め込まれている。この絶縁リング12は、シールド電線20が例えば後ろ方向へ引っ張られて、図4に示すように、接続端子55がシールド接続リング30と近接するようにされても、接続端子55とシールド接続リング30との接触を防止して両者間を非導通状態に常時維持するものである。 【0020】また、ハウジング2内の、シールド電線20の外部被覆28には、ハウジング2の外部後端側より雨滴等がハウジング2内へ浸入するのを防止する防水栓13が外嵌され、さらに、ハウジング2の後端側より引き出されるシールド電線20の箇所には、電線保護用のコルゲートチューブ14が装着されている。即ち、シールド電線20は、コルゲートチューブ14を貫通した状態でハウジング2に挿通されている。」 (3)「【0024】また、シールド接続リング30は編組26の上に被せるだけなので、端末処理構造1は組み立てが容易にでき、しかも、端末処理を確実なものにできる。また、ハウジング2の外周面に係止溝6を設け、この係止溝6に係止可能な係止片32をシールド接続リング30に設けたので、従来のようにモータケース50に段付の孔等を設けないでシールド接続リング30をハウジング2に固定することができ、モータケース50の形状加工を不要にしてコストアップを抑制できる。さらに、ハウジング2とシールド電線20との間に防水栓13及び、Oリング10が配置されているので、外部よりモータケース50内への雨滴等の浸入を確実に防止することができる。」 上記記載事項及び図面の図示内容を総合して、本願発明1に則って整理すると、刊行物1には、シールド電線の端末処理構造に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「略円筒状のハウジング2を有するシールド電線の端末処理構造1と、 前記ハウジング2に挿通されたシールド電線20と、 前記端末処理構造1の前記ハウジング2をボルト52で固定するモータケース50と、 を備え、 前記シールド電線20が、シールド接続リング30に電気的に接続可能な編組26を有し、前記シールド接続リング30が、前記ハウジング2に取り付けられた前記端末処理構造1及び前記シールド電線20の接続構造において、 前記シールド電線20が、前記モータケース50の電線挿入口51が設けられた取付け部を通り、 前記シールド接続リング30が、前記編組26と前記モータケース50との間のアース接地のために、前記モータケース50の前記電線挿入口51に接触している、 前記端末処理構造1及びシールド電線20の接続構造。」 2 刊行物2 刊行物2(米国特許出願公開第2004/0014367号明細書、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3)には、「Telecommunications connector adapted for bi-directional insertion」(双方向挿入のために適合された通信コネクタ)に関し、図面(特に、FIG.1なしいFIG.5参照)とともに次の事項が記載されている。仮訳は当審による。 (1)段落[0001] (仮訳) [0001] 本発明は、電気コネクタに関するものである。より具体的には、本発明は電気通信コネクタに関する。 (2)段落[0015] ないし段落[0019] (仮訳) [0015]図1 - 図3は、様々な様子を本明細書で開示する本発明の概念を実施できるの一例である特徴を有するコネクタ150を示している。コネクタ150は、隔壁300内に支持された隔壁300と中心導体316(図3に示す)を含む。導体316を保持するように機能するので、隔壁300はまた、「導体支持体」と呼ぶことができ、または「コネクタ本体」ハウジング320は、隔壁300に関して取り付ける。以下に説明するように、ハウジング320は、コネクタ150を固定通信機器または他の構造のための構造を備えている。 [0016] 図3を参照して、コネクタ150の隔壁300は、コネクタスリーブ302と圧着支持スリーブ304を備えている。スリーブ302、304は、隔壁300の両端に配置されている。コネクタスリーブ302は、BNC型コネクタ(バヨネット正規化されたコネクタ)との接続を提供するように構成される。スリーブはTNCコネクタ(Threaded Normalized Connectors, or 1.6/5.6 styleコネクタ)のようなコネクタの異なるスタイルに対応するために、異なる構成を有することができることは理解されよう。クリンプ支持スリーブ304は、クリンプ(例えば、ローレット、隆起部、表面粗さ、バンプ等)を向上させるための構造を備えている。 [0017] コネクタ150の中心導体316は、コネクタスリーブ302内に実装されるのが好ましい。誘電体スペーサ318は、中心導体316を中心にコネクタスリーブ302内に設けられている。コネクタ150に結合されているBNCコネクタ(図示せず)と、BNCコネクタのセンタピンは、中心導体316に嵌合し、外側導体スリーブは、スリーブ302内に押圧し、ツイストカラーは、隔壁300のタブ317を受けるコネクタが互いにロックされる。スリーブ304は、中心導体316に接続されたケーブルを受容するために中空である。 [0018] 隔壁300は、スリーブ302、304の間に配置されたハウジングマウント306を有している。ハウジングマウント306は、 隔壁300と共に単一の部品として一体的に形成されまたは一体化される。一実施形態では、隔壁300は亜鉛ダイキャスト合金等の金属材料で構成されている。が、他の材料を用いることもできることは理解されよう。 [0019] コネクタ150のハウジング320は、ハウジング部分322a,322bを含む。製造効率を促進するために、ハウジング部分322a,322bは、同一の構成を有することが好ましい。他の実施例において、ハウジング部品は同一である必要はない。さらに、さらに他の実施形態では、2個以上であっても良いし、またはハウジングは、隔壁300の周りに単一の一体品として形成することができる。一実施形態において、ハウジング320は、ポリカーボネート等の誘電体プラスチック材料で形成されている。 (3)段落[0021] (仮訳) [0021] ハウジング320を隔壁300上に、図1中の矢印339によって示されるように、ハウジング部分322aはハウジングマウント306を越えて下方に挿入され、図1に矢印340で示すようにハウジング部分322bとはハウジングマウント306の上方へ挿入されている。ハウジング片322a,322bは一緒に押されると、弾性片持ちアーム332が外側に曲がり、傾斜表面338、の助けを借りて、保持タブ336が外側スロット337に入射する。保持タブ336は、保持肩部334を越えて移動すると、片持ちアーム332の固有弾力性カンチレバーアーム332が固定位置へと勢いよく戻りする。係止位置では、保持タブ336は、ハウジング部分332a,332bが外れないように係止肩部334には逆らうこともこれに係合する。収容片332a、332bを切断したい場合には、片持ちアーム332は、手動で外方に撓むことによりハウジング片322a、322bを引き離すことができる。 (4)段落[0024] (仮訳) [0024] コネクタのハウジング320は、コネクタ150との間にスナップ嵌め連結をもたらす構造および電気通信機器(例えば、図5に示したパネル120等のジャックモジュールあるいはパネル)を含む。図1、図2及び図5に示すように、ハウジング320は頂部及び底部に弾性片持ちアーム360を備えている。図2で最もよく示されるように、各片持ちアーム360は、ギャップ366によって分離されている第1及び第2係止タブ362及び364を含む。第2のタブ364は、アーム360の自由端に位置しており、第1のタブ362は、アーム360の第2タブ364と基端部の間に位置する。第1タブ362は、傾斜面362aを有し、第2のタブ364は、傾斜面364を含む、図5に最もよく示されるように、傾斜面362a,364aは、傾斜面は、ギャップ366に向かって収束する。例えば、図5に示すように、面362a、364aはそれぞれ、対応するギャップ366に向かって上部アーム360の面362a,364aは、いずれも上方に傾斜されており、表面362a、364aは、それらの対応する間隙366に向かってロアアーム360の面362a、364aは共に下方に傾く。 (5)段落[0026] (仮訳) [0026] 図4及び図5を参照すると、コネクタ150は、パネル120のような通信機器によって画定された開口部119に取り付けられるようになっている。図5を参照すると、コネクタ150は、パネル120の前面121または背面123から開口部119内に挿入することができる。コネクタ150を前面121に、コネクタ150の後端部343は、開口部119を通って後方方向に挿入される。コネクタ150は、開口部119を介して押されると、タブ362の傾斜面362aが開口部119の上下の前縁357、359と係合し、アーム360を互いに向かって内方に撓ませる。タブ362が開口119に完全に移動すると、パネル120は、タブ362、364の保持面362b,364bとの間のギャップ366内に捕捉されるように片持ちアーム360が自身の弾性により外側にスナップ止めする。この位置づけによって、係止面364bは、パネル120の前面121と係合又は対向し、保持面362bがパネル120の裏面側123に係合又は対向している。コネクタ150を前方または後方のいずれかの方向にある間に片持アームを内側に屈曲加工されて、コネクタ150は、開口部119から除去することができる。 (6)段落[0029] (仮訳) [0029] 好ましくはコネクタ150に接続されるケーブル(例えば、同軸ケーブル)ことが理解されよう。コネクタ150内にケーブル342(図1に示す)を終了するために、ケーブル342は、剥離されることが好ましい。剥離された構成では、ケーブル342は、露光された中央ワイヤと露出した補強網部348を備えている。露出されたワイヤは、中心導体316内にクリンプされる。図3に示すように、中心導体316は、コネクタ150の隔壁300内に配置される。ケーブル342を固定コネクタ150に機械的に、図1に示すように、補強網部348が隔壁300の圧着支持スリーブ304上に挿入される。補強網部348を圧着支持スリーブ304に付着するために、フェルール350が補強網部348上にクリンプされる。 3 その他の刊行物 (1)前置報告において、コネクタのハウジングのロック機構において、二次ロックデバイスを設け、当該二次ロックデバイスの設定位置において、ロック部材のロック位置への固定を行うことが周知技術であることを示す文献として、刊行物3(特開2009-26590号公報)、刊行物4(特開2008-277035号公報)、刊行物5(特開2010-272419号公報)が引用された。 (2)同じく、前置報告において、ロック要素がハウジングに着脱可能であることが周知技術であることを示す文献として、刊行物6(特開2012-182011号公報)、刊行物7(特開2001-52817号公報)が引用された。 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、後者の「略円筒状のハウジング2」は前者の「挿入穴(14)が形成されたハウジング(4)」に相当し、以下同様に、「シールド電線の端末処理構造1」は「シールドコネクタ(1)」に、「ハウジング2に挿通されたシールド電線20」は「挿入穴(14)に収容されるシールドケーブル(7)」に、「モータケース50」は「対応デバイス(3)」に、「モータケース50の電線挿入口51が設けられた取付け部」は「対応デバイス(3)の壁」に、「編組26」は「シールド導体(32)」に、「シールド接続リング30」は「シールド端子(36)」に、「アース接地」は「接地接続」に、「シールド電線の端末処理構造1及びシールド電線20の接続構造」は「シールドコネクタ配置」にそれぞれ相当する。 したがって、両者は、 「挿入穴が形成されたハウジングを有するシールドコネクタと、 前記挿入穴に収容されるシールドケーブルと、 前記シールドケーブルが、シールド端子に電気的に接続可能なシールド導体を有し、前記シールド端子が、前記ハウジングに取り付けられたシールドコネクタ配置において、 前記シールドケーブルが、対応デバイスの壁を通り、 前記シールド端子が、前記シールド導体と前記対応デバイスとの間の接地接続のために、前記対応デバイスの前記壁に接触している、 シールドコネクタ配置。」 である点で一致し、以下の点で相違している。 〔相違点1〕 本願発明1は、「前記シールドコネクタ(1)の前記ハウジング(4)の少なくとも一つのロック要素(5)に係合する少なくとも一つの対抗ロック要素(6)を有する対応デバイス(3)と、を備え、前記ハウジング(4)が、前記対応デバイス(3)に前記シールドコネクタ(1)を工具無しで締結するための前記少なくとも一つのロック要素(5)を具備」するのに対し、 引用発明は、「前記端末処理構造1の前記ハウジング2をボルト52で固定するモータケース50」を備える点。 〔相違点2〕 本願発明1は、「前記ロック要素(5)が、ロック位置とロック解除位置との間で撓曲可能であるロックアーム(10)と、設定前位置と設定位置との間で移動可能である二次ロックデバイスと、を備え、設定位置での前記二次ロックデバイスが前記ロックアーム(10)を前記ロック位置に固定する」のに対し、 引用発明は、かかる構成を備えていない点。 (2)相違点についての判断 そこで、相違点1について検討する。 刊行物2には、ケーブル342に接続されるコネクタ150を通信機器のパネル120に固定する構造に関して、コネクタ150のハウジング320が弾性片持ちアーム360を具備し、通信機器のパネル120の開口部119に係合することで、前記コネクタ150が前記通信機器に工具無しで締結できることが記載されている(以下「刊行物2記載事項」という。)。 上記刊行物2記載事項に関して、刊行物2には、同事項の他に、ケーブル342の補強網部348が、金属材料で構成された隔壁300の圧着支持スリーブ304に付着され、ハウジングマウント306を介して、コネクタスリーブ302と接続する一方、隔壁300にマウントされるハウジング320はポリカーボネート等の誘電体プラスチック材料で形成されることが記載されている。この記載によれば、刊行物2記載事項におけるケーブル342は、通信機器のパネル120に導通するものとは認められない。 他方、引用発明のシールド電線20は、ハウジング2にシールド接続リング30を取り付け、モータケース50に導通しアース接地するものである。 また、刊行物2には、刊行物2記載事項における弾性片持ちアーム360がパネル120の開口部119に係合することに関して、「パネル120は、タブ362、364の保持面362b,364bとの間のギャップ366内に捕捉されるように片持ちアーム360が自身の弾性により外側にスナップ止めする。この位置づけによって、係止面364bは、パネル120の前面121と係合又は対向し、保持面362bがパネル120の裏面側123に係合又は対向している。」(段落[0026])との記載がある。この記載によれば、ハウジング320は、弾性片持ちアーム360の弾性により外側にスナップ止めしてパネル120の開口部119に係合することは理解できるものの、刊行物3には、ハウジング320の弾性片持ちアーム360とパネル120の開口部119との間の気密性や防水性についての記載はない。 他方、引用発明は、刊行物1の「環状溝8にはハウジング2とモータケース50との間を気密にするシール部材としてのOリング10が嵌着される」(段落【0015】)との記載、「ハウジング2内の、シールド電線20の外部被覆28には、ハウジング2の外部後端側より雨滴等がハウジング2内へ浸入するのを防止する防水栓13が外嵌され」(段落【0020】)との記載、「ハウジング2とシールド電線20との間に防水栓13及び、Oリング10が配置されているので、外部よりモータケース50内への雨滴等の浸入を確実に防止することができる」(段落【0024】)との記載、及び図1においてボルト52が取り付けられルモータケース50のボルト孔が有底であることからみて、モータケース50への気密性や防水性を考慮したものである。 そうすると、引用発明と刊行物2記載事項とは、対応デバイスへの接地接続の有無や、気密性や防水性に対する考慮の有無で技術的に異なるものであるから、引用発明に刊行物2記載事項を適用する動機付けがあるとはいえない。 また、前置報告において周知技術を示す文献として引用された上記刊行物3ないし7には、相違点1に係る本願発明1の構成に関する記載はない。 したがって、本願発明1は、相違点2を検討するまでもなく、引用発明及び刊行物2記載事項並びに刊行物3ないし7に基いて、当業者が容易に発明し得るものとはいえない。 2 本願発明6について 本願発明6は、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同様に、当業者が引用発明及び刊行物2記載事項並びに刊行物3ないし7に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 3 本願発明2ないし5、7ないし10について 本願発明2ないし5、7ないし10は、本願発明1又は6の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明1又は6と同様に、当業者が引用発明及び刊行物2記載事項並びに刊行物3ないし7に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 第7 原査定について 平成28年2月19日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に係る発明は、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を備えるから、前記「第6」「1」と同様の理由により、当業者が引用発明及び刊行物2記載事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-013933

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