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特許拒絶査定不服審判

2016-009780

導電材料の製造方法

審判番号
2016-009780
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-519860外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年06月30日
審決日
2017年04月26日
公報発行日
2017年06月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01B) / P18 .561-WY (H01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-519860「導電材料の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月 4日国際公開、WO2014/192725、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年5月27日(優先権主張2013年5月28日)を国際出願日とする出願であって、平成28年4月6日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成28年6月30日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成28年6月30日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の内容 本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の請求項2とする補正事項(以下、「補正事項」という。)を含むものである。 ア 本件補正前の【請求項1】 「摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法であって、 カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して、前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記カーボン材料にドープするとともに、前記窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程、 前記ホウ素含有カーボン材料を樹脂と混合する工程、 を有することを特徴とする導電材料の製造方法。」 イ 本件補正後の【請求項2】 「摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法であって、 カーボン材料と窒化ホウ素とを、この混合材料中のホウ素の濃度を少なくとも3wt%となるように混合し加熱して、前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記カーボン材料にドープするとともに、前記窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程、 前記ホウ素含有カーボン材料を樹脂と混合する工程、 を有することを特徴とする導電材料の製造方法。」 2.本件補正の適否の判断 本件補正の補正事項は、補正前の請求項1の「カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して」という事項を、補正後の請求項2の「カーボン材料と窒化ホウ素とを、この混合材料中のホウ素の濃度を少なくとも3wt%となるように混合し加熱して」という事項とする補正を含むものである。 しかしながら、「カーボン材料と窒化ホウ素とを、この混合材料中のホウ素の濃度を少なくとも3wt%となるように混合し加熱して」という事項は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には記載がない。当初明細書等には、混合材料中のホウ素の濃度に関して、以下の事項が記載されている。 ア 段落【0016】-【0017】 「【0016】 試料保持容器4内には、カーボン材料とドーパント材料である窒化ホウ素との混合材料7が充填されている。カーボン材料には繊維状、粒子状あるいは鱗片状等のほとんどの種類のものが使用でき、例えばカーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック及びグラファイトを用いることができる。カーボン材料と窒化ホウ素との混合方法については既存の方法を選択することが出来る。 【0017】 ここで混合材料7中に占めるホウ素の濃度は1~10wt%程度であることが好適である。」 イ 段落【0029】 「【0029】 (実施例) カーボン材料(東海カーボン製 黒鉛化カーボン#3845)に六方晶窒化ホウ素をホウ素が3wt%(混合材料中)となるように混合して放電プラズマ焼結機(SPS)にて、真空中、2000℃、30分間の条件で処理したホウ素含有カーボン材料」 ウ 段落【0038】-【0039】 「【0038】 (XRD分析結果) 続いて実施例として、黒鉛化カーボンに窒化ホウ素(BN)の粉末(1~3μm)を混合した混合材料を放電プラズマ焼結機(SPS)にて加熱処理したホウ素含有カーボン材料(混合材料中のホウ素量:3wt%)を製造した。 【0039】 また比較例として、黒鉛化カーボンにB4Cの粉末を混合した混合材料を放電プラズマ焼結機(SPS)にて加熱処理したホウ素含有カーボン材料(混合材料中のホウ素量:3wt%)を製造した。」 前記アには、カーボン材料と窒化ホウ素との「混合材料7中に占めるホウ素の濃度は1~10wt%程度であることが好適である。」(【0017】)ことが記載されている。 前記イ、ウには、実施例として、「混合材料中のホウ素量:3wt%」(段落【0029】、【0038】)であるものが記載されている。 よって、前記ア~ウには、混合材料中のホウ素の濃度は「1~10wt%程度」が好適であること、及び、実施例として、混合材料中のホウ素の濃度が、「3wt%」であることが開示されているといえる。 しかし、混合材料中のホウ素の濃度が、「少なくとも3wt%」、すなわち、3wt%以上であれば良いこと、例えば、10wt%を大きく越えるような場合でも良いことは、読み取れない。 そして、当初明細書等の他の記載を参照しても、上記の点が自明な事項であるとも認められない。 したがって、上記補正事項は、当初明細書等には記載がなく、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 3.むすび したがって、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 原査定の概要 本願請求項1-4に係る発明は、引用文献1(特表2002-533551号公報)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 本願発明 本件補正は、上記「第2」のとおり、却下された。 したがって、本願請求項1-4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、平成28年3月18日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法であって、 カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して、前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記カーボン材料にドープするとともに、前記窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程、 前記ホウ素含有カーボン材料を樹脂と混合する工程、 を有することを特徴とする導電材料の製造方法。」 本願発明2-4は、概略、本願発明1を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審付与。)。 ア 段落【0023】-【0028】 「【0023】 C=Cと等電性であるこのような組合せ物は、本発明の実施態様において、BNが使用されてもよい。 【0024】 窒化ホウ素(BN)は、3個の変種で存在する: α-BN、グラファトと類似の六方晶 β-BN、ダイアモンドと類似の立方 γ-BN、グラファイトと類似であるが、不安定である。 【0025】 単位BNはC2と等電性である。窒化ホウ素の性質は炭素形態の性質と極めて類似している。ダイアモンドと類似するβ-BNは極めて硬質であり、かつ、研磨剤として使用される。α-BNの場合は、正規の表現は“ホワイトグラファイト(white graphite)”であるが、それというのもこれは、層状の組織を有する軟質の改質物であり、この場合、これは高温滑剤として使用することができる。さらに、BN類似性ベンゼン、ボラゾールおよびBNナノチューブが存在する。 【0026】 本発明のカーボンブラックは、式I 【0027】 ・・・(中略)・・・ 【0028】 による構造要素を含んでいてもよい。」 イ 段落【0031】-【0034】)、 「【0031】 また、本発明は、カーボンブラックの製造方法を提供し、その際、3価の元素の化合物および5価の元素の化合物は、同時にカーボンブラック製造工程に導入され、場合によっては他のもの、好ましくは珪素含有化合物を添加を含む。 【0032】 化合物は、カーボンブラック形成領域に別個にかまたは油との混合物の形で導入されてもよい。化合物は、反応器中に個々にかまたは予備混合物の形で導入されてもよい。例えば、ホウ酸トリメチルエステルおよびトリエチルアミンは、同時に反応器中に導入されてもよい。 【0033】 例えば、ホウ素および窒素の元素でドーピングする目的のために、酸化ホウ素、ホウ酸および/またはホウ砂は尿素、メラミン、塩化アンモニウムおよび/またはアンモニアと一緒にカーボンブラック原料に添加されてもよい。 【0034】 双方の元素は、一つの化合物中に含まれていてもよい。例えば、窒化ホウ素それ自体をカーボンブラック原料中に混合することができる。」 ウ 段落【0037】-【0048】 「【0037】 元素の等電子対または元素の組合せ物でのカーボンブラックのドーピングは、以下の効果を生じさせることができる: 1.色を変化させる。 ・・・(中略)・・・ 【0043】 3.添加されたBN量に依存する電気的特性を変化させる(伝導体、半導体)。 ・・・(中略)・・・ 【0048】 7.後処理なしでのpH値の変化 ファーネスカーボンブラックは、しばしば著しい塩基性の範囲でpH値を有する。外的要素の混入によってpH値を低くすることができる。」 エ 段落【0052】-【0054】 「【0052】 本発明のカーボンブラックはゴム、プラスチック、塗料、印刷インキ等中で、顔料または増量剤として使用される。ゴム混合物中での本発明のカーボンブラックの使用は、60℃のtanδ減少および/または0℃のtanδ増加を引き起こしてもよい。 【0053】 本発明のカーボンブラックは、天然ゴム混合物(caoutchouc mixture)中で使用されてもよい。 【0054】 本発明のカーボンブラックは、成形体、特に空気タイヤ、タイヤトレッド、ケーブルシース、ホース、伝導ベルト、コンベアベルト、ローラー塗り、靴底、シール、異形材の分野および絶縁要素の製造に使用されてもよい。」 オ 段落【0076】-【0079】 「【0076】 例2:BNでのドーピングによるカーボンブラックストラクチャーへの影響 燃焼空気 160Nm3/h、燃料(天然ガス) 10.8Nm3/hならびにカーボンブラックオイル 30kg/h、BN粉末 450g/h、グリセロール 3608g/hおよび水 750g/hの混合物を、ファーネス反応器中に装入し、この場合、この混合物は、グリセロールおよび水中のBN粉末の懸濁液を最初に製造し、かつY-継手およびスタティックミキサーを介してカーボンブラックオイルと混合したものである。同時に、炭酸カリウム溶液 1l/hを装入することによって、ストラクチャーが無限に高くなるのを防ぎ、その濃度は伝導率 140μSによって示される。生じるドープされたカーボンブラックB2を、未圧縮の状態で分離する。生じるカーボンブラックB2は、ホウ素0.93質量%および窒素 1.4質量%を含む。 【0077】 同様の条件下で、ドープされていないカーボンブラックを、BN粉末を削除することによって簡単に製造し、かつ比較例カーボンブラックC2として、未圧縮の形で分離する。 【0078】 カーボンブラックB2および比較例カーボンブラックC2のストラクチャーを測定する。DBP吸着法によるストラクチャーの測定を、ASTM D-2414にしたがって実施する。 【0079】 BN-ドープされたカーボンブラックB2は、CTAB 103.6m2/gを有するDBP吸着 124.4ml/100gを有し、ドープされていないカーボンブラックC2は、CTAB 103.3m2/gを有するDBP 97.1ml/100gのみを有する。ホウ素および窒素でのドーピングは、ストラクチャーを28%増加させる。」 そうすると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「カーボンブラックの製造方法において、3価の元素の化合物および5価の元素の化合物は、同時にカーボンブラック製造工程に導入され、 ホウ素および窒素の元素でドーピングする目的のために、窒化ホウ素それ自体をカーボンブラック原料中に混合することができ、 元素の等電子対または元素の組合せ物でのカーボンブラックのドーピングは、添加されたBN量に依存する電気的特性を変化させる(伝導体、半導体)、効果を生じさせることができ、 上記の製造方法により製造される、カーボンブラックはゴム、プラスチック、塗料、印刷インキ等中で、顔料または増量剤として使用され、天然ゴム混合物中で使用されてもよく、成形体、特に空気タイヤ、タイヤトレッド、ケーブルシース、ホース、伝導ベルト、コンベアベルト、ローラー塗り、靴底、シール、異形材の分野および絶縁要素の製造に使用されてもよく、 燃焼空気、燃料(天然ガス)ならびにカーボンブラックオイル、BN粉末、グリセロールおよび水の混合物を、ファーネス反応器中に装入し、同時に、炭酸カリウム溶液を装入し、生じるドープされたカーボンブラックB2を、未圧縮の状態で分離し、生じるカーボンブラックB2は、ホウ素0.93質量%および窒素1.4質量%を含む、 ホウ素および窒素の元素でドーピングする、カーボンブラックの製造方法。」 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「ホウ素および窒素の元素でドーピングする、カーボンブラックの製造方法」は、本願発明1の「摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法」と、「材料の製造方法」である点で共通するといえる。 イ 引用発明において「窒化ホウ素それ自体をカーボンブラック原料中に混合すること」、具体的には、「燃焼空気、燃料(天然ガス)ならびにカーボンブラックオイル、BN粉末、グリセロールおよび水の混合物を、ファーネス反応器中に装入し、同時に、炭酸カリウム溶液を装入し」ていることは、(引用発明の「カーボンブラック原料」としての「カーボンブラックオイル」と、本願発明1の「カーボン材料」とは、「物質」である点で共通するといえることから)、本願発明1の「カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して」いることと、「物質と窒化ホウ素とを混合し加熱して」いる点で共通するといえる。 ウ 引用発明において「ホウ素および窒素の元素でドーピングする目的のために、窒化ホウ素それ自体をカーボンブラック原料中に混合」し、「混合物を、ファーネス反応器中に装入し」て「ドープされたカーボンブラックB2」を生じる工程は、本願発明1の「前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記カーボン材料にドープして、ホウ素含有カーボン材料を形成する工程」と、「前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記物質にドープして、ホウ素含有カーボン材料を形成する工程」である点で共通するといえる。 エ 引用発明の「カーボンブラックはゴム、プラスチック、塗料、印刷インキ等中で、顔料または増量剤として使用され、天然ゴム混合物中で使用されてもよく、成形体、特に空気タイヤ、タイヤトレッド、ケーブルシース、ホース、伝導ベルト、コンベアベルト、ローラー塗り、靴底、シール、異形材の分野および絶縁要素の製造に使用されてもよ」いことは、特に、カーボンブラックが、「プラスチック」中で、「顔料または増量剤として使用され」るケースに着目すると、本願発明1の「前記ホウ素含有カーボン材料を樹脂と混合する工程」に相当する工程を備えるといえる。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりであるといえる。 [一致点] 「材料の製造方法であって、 物質と窒化ホウ素とを混合し加熱して、前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記物質にドープして、ホウ素含有カーボン材料を形成する工程、 前記ホウ素含有カーボン材料を樹脂と混合する工程、 を有することを特徴とする材料の製造方法。」 [相違点1] 本願発明1は、「摺動基板の導電層に用いられる導電材料」の製造方法であるのに対して、引用発明は「ホウ素および窒素の元素でドーピングする、カーボンブラック」の製造方法であって、「摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法」ではない点。 [相違点2] 本願発明1では、「カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して」いるのに対して、引用発明では、「カーボンブラック製造工程」において、「窒化ホウ素それ自体をカーボンブラック原料中に混合する」もの、具体的には、「カーボンブラックオイル、BN粉末」を混合するもの、すなわち、「カーボン材料」の原料と窒化ホウ素とを混合するものであって、カーボン材料それ自体と窒化ホウ素とを混合していない点。 [相違点3] 本願発明1は、「カーボン材料と窒化ホウ素とを混合し加熱して、前記窒化ホウ素の一部のホウ素を前記カーボン材料にドープするとともに、前記窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程」であるのに対して、引用発明は、「窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程」を備えることは、特定がなされていない点。 (2) 相違点についての判断 ア [相違点1]について検討する。 引用発明において、ドーピングされたカーボンブラック(カーボン材料)を、「プラスチック」(樹脂)と混合することが規定されるのは、「顔料または増量剤として」用いる場合についてのみである。 一方、ドーピングされたカーボンブラック(カーボン材料)が「伝導体」となり得る点は、ドーピングされたカーボンブラック(カーボン材料)の電気的特性についての、一般的な効果の記載にすぎない。 引用文献1には、ホウ素がドーピングされたカーボンブラック(カーボン材料)を、「摺動基板の導電層に用いられる導電材料」として用いることについては、記載も示唆もない。 また、ホウ素がドーピングされたカーボンブラックの、「摺動基板の導電層に用いられる導電材料」という用途が、周知技術であるともいえない。 よって、引用発明において、上記[相違点1]に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。 イ [相違点2]について検討する。 引用発明は、「カーボンブラック製造工程」において、窒化ホウ素を「カーボンブラック原料中に混合する」ものである。 引用文献1には、カーボンブラックの製造の過程で、窒化ホウ素を、カーボンブラックの原料(カーボンブラックオイル)に混合することに替えて、「カーボン材料」それ自体と窒化ホウ素を混合するように製造方法を変更することは、記載も示唆もない。 また、ホウ素がドーピングされたカーボンブラックの製造において、窒化ホウ素を、カーボンブラックの原料に混合することに替えて、「カーボン材料」それ自体と混合するように製造方法を変更することが、周知技術であるともいえない。 よって、引用発明において、上記[相違点2]に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。 ウ [相違点3]について検討する。 引用文献1には、「窒化ホウ素の一部を残渣として残した」工程を採用するべきことは、記載も示唆もない。 また、摺動基板の導電層に用いられる導電材料の製造方法において、「窒化ホウ素の一部を残渣として残したホウ素含有カーボン材料を形成する工程」を設けることが、周知技術であるともいえない。 よって、引用発明において、上記[相違点3]に係る構成を採用することは、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。 エ まとめ したがって、本願発明1は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 2.本願発明2-4について 本願発明2-4は、本願発明1をさらに限定したものであり、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1-4は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-009780

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