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特許拒絶査定不服審判

2016-008514

調節可能な色温度を備えた白色光エレクトロルミネセンスデバイス

審判番号
2016-008514
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-023239外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年06月08日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01L) / P18 .537-WY (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015- 23239「調節可能な色温度を備えた白色光エレクトロルミネセンスデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月20日出願公開、特開2015-149480、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2010年6月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年6月30日、米国)を国際出願日とする特願2012-517777号の一部を平成27年2月9日に新たな特許出願としたものであって、同日付けで手続補正がされ、同年9月1日付けで拒絶理由通知がされ、同年12月28日付けで手続補正がされ、平成28年2月1日付け(同月9日発送)で拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成28年2月1日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性) 本願請求項1及び2に係る発明は、以下の文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2008-34188号公報 2.国際公開第2007/114614号 3.特開2005-101296号公報 4.特表2008-523615号公報 5.特開2005-5482号公報 理由2(明確性) 本願請求項1の「第2のスペクトル分布が、・・・第1の発光バンドと、・・・第2の発光バンドとから本質的になる」の記載の意味するところが明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 第3 本願発明 本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成27年12月28日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 ソリッドステート照明デバイスであって、 第1のポンプ光を放射する第1のエレクトロルミネセンス光源と、前記第1のポンプ光の少なくとも一部を第1の再発光光構成成分に変換する第1の光変換素子と、を含んだ、第1のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第1の発光素子と、 第2のポンプ光を放射する第2のエレクトロルミネセンス光源と、前記第2のポンプ光の少なくとも一部を第2の再発光光構成成分に変換する第2の光変換素子と、を含んだ、第2のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第2の発光素子と、を含み、 前記第1の光変換素子が、燐光体であり、 前記第2の光変換素子が、第1のポテンシャル井戸を含む第1の半導体積層体を含み、 前記第1の半導体積層体が、前記第2のスペクトル分布を有する光を放射し、 前記第1の及び前記第2の発光素子が、前記第1の及び前記第2の発光素子によって放射される光が組み合わせられてデバイス出力を供給するように配置され、 前記第1の及び前記第2のスペクトル分布は、標準CIE(x,y)色座標図上の線分上のそれぞれ第1の及び第2の終点によって表わすことができ、前記線分は、前記第1の発光素子によって放射された光と前記第2の発光素子によって放射された光との相対的な光量を調整することによる可能なデバイス出力の範囲を表わし、前記線分の少なくとも一部分が更に、少なくとも色温度範囲3000K(2727℃)~5000K(4727℃)にわたって、CIE(x,y)平面上において、完全放射体軌跡から離れている距離が0.04未満であり、 前記第2のスペクトル分布が、500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンドとから本質的になる、ソリッドステート照明デバイス。」 なお、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献1には、図とともに次の事項が記載されている。 「【0030】 1.第1の実施形態 図1に示すように、第1の実施形態にかかる照明装置1は、白色LED10,12を複数例えば2個有する。第1の白色LED10と第2の白色LED12は、350nm~500nmの範囲に発光ピーク波長(λp)を有する青色LEDチップ30、32と、青色LEDチップ30の光を吸収して発光する蛍光体Y(黄色)を含む蛍光部40と、青色LEDチップ32の光を吸収して発光する蛍光体G(緑色),R(赤色)を含む蛍光部42と、を有する。 … 【0034】 第1の青色LEDチップ30から出射された光は、キャップ状の第1の蛍光部40内の黄色蛍光体Yにより一部吸収され、黄色蛍光体Yが励起される。黄色蛍光体Yが励起されると、その性質に応じて所定の分光スペクトル分布を有する蛍光を発光し、第1の白色光が出力される。…蛍光体としては、蛍光を発する無機蛍光体、顔料、有機蛍光染料、擬似顔料などが挙げられ、例えば、発光色が黄色の(Ca,Sr,Ba)2SiO4:Eu、YAG、Sr(Ba)SiO4、SrAl2O4:Eu2+などの黄色蛍光体Y、…」 「【実施例1】 【0048】 図8に示すような照明装置1aを実施例1として試作し、平均演色評価数Ra、色度座標、輝度分光スペクトル分布を分光放射輝度計60で測定した。実施例1で試作した照明装置1aの構成は、以下の通りであった。 第1の白色LED10:第1の青色LEDチップ30は、…第1の蛍光部40は、シリコーンゴム100質量部に、黄色蛍光体Yとして…分散させ、…第1のキャップ状の成形体を用いた。 第2の白色LED12:第2の青色LEDチップ32は、…、緑色蛍光体Gとして…と、赤色蛍光体Rとして…と、を分散させ、…第2のキャップ状の成形体を用いた。… 【0050】 第1の白色LED10単体の測定結果は、…発光の分光スペクトル分布を図10に波形Aとして示した。第2の白色LED12単体の測定結果は、平均演色評価数Raが13.3で色度座標がx=0.330、y=0.336であった。この時の発光の分光スペクトル分布を図11に波形Bとして示した。…」 したがって、上記引用文献1には、第1の実施形態に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「青色LEDチップ30と、青色LEDチップ30の光を吸収して発光する蛍光体Y(黄色)を含む蛍光部40と、を有する第1の白色LED10と、 青色LEDチップ32と、青色LEDチップ32の光を吸収して発光する蛍光体G(緑色),R(赤色)を含む蛍光部42と、を有する第2の白色LED12と、 を有する照明装置1。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献2には、図とともに次の事項が記載されている。 「Abstract: The present invention provides a light emitting device comprising a first light emitting portion that emits white light at a color temperature of 6000K or more and a second light emitting portion that emits white light at a color temperature of 3000K or less, which include light emitting diode chips and phosphors and are independently driven.」 (以下は、合議体による翻訳: 要約: 本発明は、6000K以上の色温度の白色を発する第1の発光部と、3000K以下の色温度の白色を発する第2の発光部と、を備え、前記第1の発光部及び前記第2の発光部は発光ダイオードチップ及び燐光体(蛍光物質)を含み、前記第1の発光部及び第2の発光部は独立して駆動されることを特徴とする発光素子を提供する。) したがって、上記引用文献2には、2つの白色光源を独立して駆動するという技術事項が記載されていると認められる。 3.引用文献3について 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献3には、図とともに次の事項が記載されている。 「【発明の効果】 【0019】 この発明に係る可変色発光ダイオード素子は、単色に発光するLEDチップからなる単色発光部分と、別のLEDチップを含む白色発光部分とを、独立に発光を制御できるように配線し、配置してモールドすることによって、2種類の発光部分を制御する2種類の信号の比率を変化させるだけでよく、しかもこの比率の広い範囲で一般照明に適した発光色となる可変色LED素子を得ることができる。 【0020】 また、LEDチップを含む第1の白色発光部分と、LEDチップを含み、第1の白色部分とは発光色の相関色温度が2000K以上低い第2の白色発光部分とを具備し、この2種類の白色発光部分を独立に発光を制御できるように配線してモールドすることにより、同様に、2種類の発光部分を制御する2種類の信号の比率を変化させるだけでよく、しかもこの比率の広い範囲で一般照明に適した発光色となる可変色LED素子を得ることができる。」 「【0028】 図4は実施の形態1を示す図で、発光色のx,y色度座標を示す図である。図4に、x,y色度座標に黒体輻射(DUV=0)、DUVが-6と+6の曲線、及び、半値幅が0の理想的な単色発光の色度座標を示している。… 【0029】 図5は、このx,y色度座標の一部を拡大したものである。例えば、相関色温度6000K、DUV=0の白色発光部分に対して、4000Kまで、相関色温度を変化させようとすると、図5において、4000Kから6000Kまで、DUVが-6から6の範囲に限定される破線で挟まれた領域が、その許容された範囲ということになる。」 したがって、上記引用文献3の段落【0028】、【0029】では、DUV=0を基準に許容された範囲について説明していることから、上記引用文献3には、2種類の白色発光部分を制御して一般照明に適した発光色を得る場合に、その発光色は黒体輻射(完全放射体軌跡)に近い色が望ましいという技術事項が開示されていると認められる。 4.引用文献4について 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献4には、図とともに次の事項が記載されている。 「【0020】 図1は、本発明の一実施形態による適合型LEDの概略図である。適合型LED50は、短波長LED20および再発光半導体構造10を含む。…短波長LED20は一般的に、紫外波長LEDまたは可視波長LEDである。短波長LED20が可視波長LEDである場合には、短波長LED20は一般的に、緑色波長LED、青色波長LEDまたは紫色波長LEDであり、最も一般的には、青色波長LEDまたは紫色波長LEDである。…再発光半導体構造10は、赤色量子井戸層12、緑色量子井戸層14および中間層11、13および15を備える。」 したがって、上記引用文献4には、赤色量子井戸層12、緑色量子井戸層14を備える再発光半導体構造10(ポテンシャル井戸を含む半導体積層構造)による光変換という技術事項が記載されていると認められる。 5.引用文献5について 原査定の拒絶理由に引用された上記引用文献5には、図とともに次の事項が記載されている。 「【0028】 図1~図3において10は色補正されたLED発光装置であり、接続電極11,12,13等を有する1枚の基板14上に第1のLEDである青色LED1と、第2のLEDである赤色LED2と、第3のLED3とが略三角配置に並べて実装されている。尚、本実施の形態においては前記第3のLED3として短波長の緑色LED3aを用いている。」 「【0047】 …図12に示すLED発光装置26は前記基板14上に実装する各LEDの配置をかえて、赤色LED2と第3のLED3を横に並べ、青色LED1を独立させることにより、青色LED1のみを蛍光粒子4を混入した透明樹脂5で被覆し、赤色LED2、第3のLED3とを透明樹脂5で被覆している。 【0048】 …まず基本的に蛍光粒子4の性質としては、波長の短い光が衝突した場合は励起されて黄色光Pyを発光するが…。」 したがって、上記引用文献5には、青色、緑色、黄色、赤色の発光ピークを組み合わせて白色を発光する手段として、青色と黄色からなる第1のスペクトル分布と、緑色(500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンド)と赤色(600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンド)からなる第2のスペクトル分布とを組み合わせるという技術事項が記載されていると認められる。 第5 拒絶理由1(進歩性)についての当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明における「照明装置1」、「青色LEDチップ30」、「青色LEDチップ30の光を吸収して発光する蛍光体Y(黄色)を含む蛍光部40」、「第1の白色LED10」、「青色LEDチップ32」、「青色LEDチップ32の光を吸収して発光する蛍光体G(緑色),R(赤色)を含む蛍光部42」及び「第2の白色LED12」は、それぞれ、本願発明1の「ソリッドステート照明デバイス」、「第1のポンプ光を放射する第1のエレクトロルミネセンス光源」、「前記第1のポンプ光の少なくとも一部を第1の再発光光構成成分に変換する第1の光変換素子」、「第1のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第1の発光素子」、「第2のポンプ光を放射する第2のエレクトロルミネセンス光源」、「前記第2のポンプ光の少なくとも一部を第2の再発光光構成成分に変換する第2の光変換素子」及び「第2のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第2の発光素子」に相当する。 イ 本願明細書の段落【0032】には、「黄色燐光体(例えば、セリウムをドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce)…」と記載されており、引用文献1の段落【0034】には、「黄色蛍光体Y」として、「YAG」が例示されているから、引用発明における「蛍光体」は、本願発明1でいう「燐光体」に相当する。したがって、引用発明の「蛍光部40」は、本願発明1の「第1の光変換素子」と同様に「燐光体」といえる。 ウ 引用発明の「照明装置1」は、「白色LED10」と「白色LED12」で構成されるから、本願発明1と同様に「前記第1の及び前記第2の発光素子が、前記第1の及び前記第2の発光素子によって放射される光が組み合わせられてデバイス出力を供給するように配置され」ているものといえる。 したがって、本願発明1と引用発明の間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「ソリッドステート照明デバイスであって、 第1のポンプ光を放射する第1のエレクトロルミネセンス光源と、前記第1のポンプ光の少なくとも一部を第1の再発光光構成成分に変換する第1の光変換素子と、を含んだ、第1のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第1の発光素子と、 第2のポンプ光を放射する第2のエレクトロルミネセンス光源と、前記第2のポンプ光の少なくとも一部を第2の再発光光構成成分に変換する第2の光変換素子と、を含んだ、第2のスペクトル分布を有する光を放射するよう構成された第2の発光素子と、を含み、 前記第1の光変換素子が、燐光体であり、 前記第1の及び前記第2の発光素子が、前記第1の及び前記第2の発光素子によって放射される光が組み合わせられてデバイス出力を供給するように配置されている、ソリッドステート照明デバイス。」 (相違点) (相違点1) 本願発明1は、「前記第2の光変換素子が、第1のポテンシャル井戸を含む第1の半導体積層体を含み、前記第1の半導体積層体が、前記第2のスペクトル分布を有する光を放射し」という構成を備えるのに対し、引用発明は、そのような構成を備えていない点。 (相違点2) 本願発明1は、「前記第1の及び前記第2のスペクトル分布は、標準CIE(x,y)色座標図上の線分上のそれぞれ第1の及び第2の終点によって表わすことができ、前記線分は、前記第1の発光素子によって放射された光と前記第2の発光素子によって放射された光との相対的な光量を調整することによる可能なデバイス出力の範囲を表わし、前記線分の少なくとも一部分が更に、少なくとも色温度範囲3000K(2727℃)~5000K(4727℃)にわたって、CIE(x,y)平面上において、完全放射体軌跡から離れている距離が0.04未満であり」という構成を備えるのに対し、引用発明がそのような構成を備えるか不明な点。 (相違点3) 本願発明1は、「前記第2のスペクトル分布が、500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンドとから本質的になる」という構成を備えるの対し、引用発明がこのような構成を備えるか不明な点。 (2)相違点についての判断 上記相違点3について検討する。 本願明細書の【0019】には、「第2のスペクトル分布は、500nm~600nmの間にピーク放射を有する第3の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第4の発光バンドとを含むか又はこれらから本質的になり得る。」の記載がある。 当該記載は、「第2のスペクトル分布」に関し、「又は」より前の記載部分において、「第3の発光バンド」と「第4の発光バンド」を含む「スペクトル分布」、すなわち、「第3の発光バンド」と「第4の発光バンド」を含み、さらに「他の発光バンド」も含む「スペクトル分布」について記載し、「又は」より後の記載部分において、「第3の発光バンド」と「第4の発光バンド」からなる(実質的に「他の発光バンド」を含まない)「スペクトル分布」について記載しているものと認められる。 そして、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項は、本願明細書の【0019】の上記「又は」より後の記載部分を意味するものと認められる。 また、本願発明1の実施形態に関し説明する本願の図3bには、500nm~600nmの間にピーク(λ2、約555nm)放射を有するスペクトルS2aと、600nm~700nmの間にピーク(λ3、約620nm)放射を有するスペクトルS2bを備え、そのポンプ波長λp(約465nm)に関して、本願明細書の【0033】に「ポンプ波長λpで、顕著な強度がない」と記載されている「スペクトルS2」、すなわち、本願発明1の「500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンドとから本質的になる」「第2のスペクトル分布」が図示されているところである。 一方、引用文献1の段落【0048】~【0050】には、実施例1について記載されており、引用文献1の図11に示される「実施例1の第2の白色LEDによる発光の分光スペクトル分布」においては、500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンドの他に、400nm~500nmの間にピーク放射を有する第3の発光バンドを有するものとなっている。 引用文献1において、段落【0048】の「図8に示すような照明装置1aを実施例1として試作し、平均演色評価数Ra、色度座標、輝度分光スペクトル分布を分光放射輝度計60で測定した。実施例1で試作した照明装置1aの構成は、以下の通りであった。 第1の白色LED10:第1の青色LEDチップ30は、…第1の蛍光部40は、シリコーンゴム100質量部に、黄色蛍光体Yとして…分散させ、…第1のキャップ状の成形体を用いた。 第2の白色LED12:第2の青色LEDチップ32は、…、緑色蛍光体Gとして…と、赤色蛍光体Rとして…と、を分散させ、…第2のキャップ状の成形体を用いた。」との記載より、実施例1において、照明装置1aの構成は、第1の白色LED10は、第1の青色LEDチップ30と、第1の蛍光部40としての黄色蛍光体Yを用い、第1のキャップ状の成形体を用い、第2の白色LED12は、第2の青色LEDチップ32と、緑色蛍光体Gと赤色蛍光体Rを用い、第2のキャップ状の成形体を用いているので、実施例1が第1の実施形態の実施例であることは明らかである(第2の実施形態においても、第1の白色LED10は、第1の青色LEDチップ30と黄色蛍光体Yを用い、第2の白色LED12は、第2の青色LEDチップ32と緑色蛍光体Gと赤色蛍光体Rを用いたものであるが、段落【0037】に記載のように、白色LEDはキャップ状(砲弾型)ではなく、SMD型LEDを用いている。)。したがって、引用発明の「第2の白色LED12」についても、第1の発光バンドと、第2の発光バンドの他に、第3の発光バンドを有するものとなっているものと認められる。 また、引用文献1の【0031】には、「第1の白色LED10は、第1の発光ピーク波長(λp)の第1の青色LEDチップ30を有する。第2の白色LED12は、第1の発光ピーク波長(λp)とは異なる第2の発光ピーク波長(λp)の第2の青色LEDチップ32を有する。第1の発光ピーク波長(λp)及び第2の発光ピーク波長(λp)は、350nm~500nmの範囲から適宜選択された異なる発光ピーク波長(λp)である。特に、第1の発光ピーク波長(λp)及び第2の発光ピーク波長(λp)は、400nm~500nmの範囲が好ましく、420nm~480nmがさらに好ましい。このような青色LEDチップとすることで、高出力で明るい発光を得ることができる。第1の発光ピーク波長(λp)は、第2の発光ピーク波長(λp)に対し10nm以上80nm以下の差を有する。第1の発光ピーク波長(λp)は、第2の発光ピーク波長(λp)よりも長波長であることが好ましい。このように発光ピーク波長(λp)が大きくずれた2種類の青色LEDチップを用いることで、高い演色性を得ることができる。」と記載されており、引用発明の「第2の白色LED12」は、そのスペクトル分布に(400nm~500nmの範囲が好ましいとされる)第2の青色LEDチップ32の第2の発光ピーク波長(λp)を含むものであり、前記の「このように発光ピーク波長(λp)が大きくずれた2種類の青色LEDチップを用いることで、高い演色性を得ることができる。」との記載からみて、第2の青色LEDチップ32の第2の発光ピーク波長(λp)を含む波長バンドは、引用発明において欠くことができないものと認められるから、引用発明において、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項とすることを当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 なお、上記相違点1に関連して、引用発明の「第2の白色LED12」を引用文献4の「適合型LED」で置き換えたとしても、引用文献4の「適合型LED」のスペクトル分布は、引用文献4の図4に示されるように、「赤色量子井戸層12」及び「緑色量子井戸層14」に基づく、それぞれ、「600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンド」及び「500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンド」の他に、「短波長LED20」に基づく450~500nmの間にピーク放射を有する第3の発光バンドを有するものであるから、上記相違点3を解消するものとはならない。 更に、引用発明において、引用文献2、3、5を参照したとしても、相違点3に係る本願発明1の発明特定事項とすることを、当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 してみると、相違点1、2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。 2.本願発明2について 本願発明2は、本願発明1の全ての構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、相違点1、2について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。 第6 理由2(明確性)についての当審の判断 上記第5 1.(2)で指摘したとおりであって、「前記第2のスペクトル分布が、500nm~600nmの間にピーク放射を有する第1の発光バンドと、600nm~700nmの間にピーク放射を有する第2の発光バンドとから本質的になる」との点に格別の不備は認められず、特許を受けようとする発明が明確でないとはいえない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1及び2は、引用発明及び引用文献2~5に記載された技術的事項に基づい当業者がて容易に発明できたものではない。 また、特許を受けようとする発明が明確でないとはいえない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-008514

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  • 2025-000132拒絶査定不服審判 / 2025-12-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)SiCウェハおよびその製造方法
    共通の審決分類: 121・H01L、537・H01L
  • 2025-000133拒絶査定不服審判 / 2025-12-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)SiC単結晶ウェハおよびその製造方法
    共通の審決分類: 121・H01L、537・H01L
  • 2025-002269拒絶査定不服審判 / 2025-12-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)冷却床部材
    共通の審決分類: 121・H01L、537・H01L

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