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特許拒絶査定不服審判

2016-004679

選択的保護切り替えのためのシステムおよび方法

審判番号
2016-004679
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-530135外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年03月31日
審決日
2017年03月28日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04L) / P18 .537-WY (H04L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-530135「選択的保護切り替えのためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 3月28日国際公開,WO2013/041307,平成26年11月17日国内公表,特表2014-530531,請求項の数(12)〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2012年8月14日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2011年9月19日 欧州特許庁)を国際出願日とする特許出願であって,平成27年3月11日付けで拒絶理由通知がされ,同年9月16日付けで手続補正がされ,同年11月24日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成28年3月31日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,その後,同年8月23日付けで当審より拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,平成29年2月27日付けで手続補正がされたものである。 第2 本願発明 本願請求項1ないし12に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明12」という。)は,平成29年2月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は,以下のとおりの発明である。 「 無線通信リンクを通じてパケットを送信する方法であって,パケットのフローを配信するために,少なくとも第1の無線リンクおよび第2の無線リンクが使用され,パケットの前記フローが,保護されているパケットおよび保護されていないパケットを包含し,方法が, 障害状態の存在を検出するために,第1の無線リンクおよび第2の無線リンクの上におけるパケットの伝播のステータスを検証すること,または,ビットエラーレートに基づいて,第1の無線リンクおよび第2の無線リンクの上におけるパケットの伝播のステータスを推定することと, 障害状態が検出されない場合に,または,ビットエラーレートが最小しきいレベルを下回ると推定された場合に,第1の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信することであって,前記送信が,第1の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第1の部分を占有する,保護されているパケットを送信することと,第1の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部および第2の無線リンクの利用可能な帯域幅の少なくとも一部の上において,保護されていないパケットを送信すること及び,第2の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信しないことと を含む,方法において, 障害状態が検出された場合であって,このような障害状態が,信号劣化もしくは信号故障である,障害状態が検出された場合に,または,ビットエラーレートが最小しきいレベルを上回ると推定された場合に,第1の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信することであって,前記送信が,第1の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第1の部分を占有する,保護されているパケットを送信することと,第2の無線リンクを通じて,保護されているパケットの複製を送信することであって,前記送信が,第2の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第2の部分を占有する,保護されているパケットの複製を送信することと,第1の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部および第2の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部の上において,保護されていないパケットを送信することと をさらに含むことを特徴とする,方法。」 なお,本願発明2ないし本願発明6は,本願発明1を減縮した発明であり,本願発明7は,本願発明1を「送信機」として特定した発明であり,本願発明8は,本願発明1を「受信機」として特定した発明であり,本願発明9ないし本願発明11は,本願発明8を減縮した発明であり,本願発明12は,本願発明7の「送信機」と本願発明8の「受信機」とを備える「無線通信ネットワーク」として特定した発明であり,いずれも,本願発明1の技術的特徴又はこれに相応する技術的特徴をすべて包含するものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は,次のとおりである。 原査定時における請求項1ないし12に係る発明は,引用文献1ないし8に記載された発明に基いて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2010/022792号 2.欧州特許出願公開第2197142号明細書 3.欧州特許出願公開第1355434号明細書(周知技術を示す文献) 4.特開2010-177738号公報(周知技術を示す文献) 5.特開2002-261854号公報(周知技術を示す文献) 6.欧州特許出願公開第01471673号明細書 7.特開2003-124980号公報 8.特開2006-033319号公報(周知技術を示す文献) なお,平成27年3月11日付けでされた拒絶理由通知及び原査定の備考欄によれば,引用文献1と引用文献2には,同様の技術事項(発明)が記載されており,引用文献3ないし5には,同様の周知技術が記載されており,引用文献6及び7には,同様の周知技術が記載されていると解される。 よって,以降では,主たる引用文献として引用文献1,周知技術を示す周知文献として,引用文献3,6及び8について検討することとする。 第3 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(国際公開第2010/022792号)には,「EFFICIENT WORKING STANDBY RADIO PROTECTION SCHEME」([当審仮訳]作動スタンバイ無線保護の効率的な方法」)(発明の名称)に関して,図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「  In working standby configuration there are still two transmitters and two receivers, but they are tuned on different frequencies; the traffic is duplicated and both transmitters are active in parallel, sending the same data. Figure 2 shows the most commonly implemented 1+1 working standby scenario: the traffic 1, split in two identical flows 1a and 1b, is sent to the transmitters 3a and 3b via the radio link indoor units 2a and 2b. Both transmitters are active and tuned on a different frequency f1 and f2. The traffic is then sent both by transmitter 3a to receiver 5a via channel 4a, and by transmitter 3b to receiver 5b via channel 4b. The received data is collected by the two radio link indoor units 6a and 6b, so that the resulting two traffic flows 7a and 7b are the same.」(第1ページ第28行~第2ページ第8行) ([当審仮訳] 作動スタンバイ構成は,2つの送信機と2つの受信機を含み,これらは,異なる周波数に同調される。トラフィックは複製され,両送信機は,並列に動作状態にあり,同じデータを送信する。図2は,最も一般的な1+1作動スタンバイシナリオの実施例を示す。トラフィック1は,2つの同じフロー1a及び1bに分かれて,室内機2a及び2bを介して送信機3a及び3bに送信される。両送信機が,動作状態にあり,異なる周波数f1及びf2に同調される。次に,トラフィックは,送信機3aによってチャネル4aを介して受信機5aに送信され,送信機3bによってチャネル4bを介して受信機5bに送信される。受信されたデータは,2つの無線リンク室内機6a及び6bによって集約され,その結果である2つのトラフィックフロー7a及び7bは同じである。) イ 「Summary The aim of the present invention is to provide a new radio protection scheme that overcomes the above mentioned drawbacks, by guaranteeing high availability together with best efficiency in terms of available capacity in the radio channel. This aim and other objects which will become better apparent hereinafter are achieved by a radio link transmission method comprising transmitting data on a plurality of radio channels. The method allocates a portion of the capacity of each radio channel for transmission of identical data on the plurality of radio channels. The remaining capacity of each radio channel is allocated for transmission of unique data, which is different for each radio channel. The method further transmits the identical data on each radio channel of the plurality of radio channels, and transmits the unique data in the respective radio channels of the plurality of radio channels. The plurality of radio channels may be composed of two channels, which may optionally use different frequencies and/or use different polarization. The plurality of radio channels may be in the microwave band and may optionally have different capacities. Furthermore, the plurality of radio channels may adopt different modulation schemes, and each radio channel may adopt a modulation scheme which changes over time.」(第3ページ第6~末行) ([当審仮訳] 概要 本発明の目的は,上記の欠点を克服する,無線チャネルにおいて利用可能な容量の点で最良の効率と共に高可用性を保証することによって,新しい無線保護方式を提供することにある。 以下でより明らかとなるこの目的及び他の目的は,複数の無線チャネルでデータを送信することを含む無線リンク送信方法によって達成される。この方法は,複数の無線チャネルで同一のデータの伝送のために各無線チャネルの容量の一部を割り当てる。各無線チャンネルの残りの容量は,固有データの送信のために割り当てられ,各無線チャネルごとに異なる。本方法はさらに,複数の無線チャネルのそれぞれの無線チャネル上に同一データを送信し,複数の無線チャネルのそれぞれの無線チャネルに固有のデータを送信する。 複数の無線チャネルは2つのチャネルから構成され,2つのチャネルは,オプションとして,異なる周波数を使用すること及び/又は異なる極性を使用することができる。 複数の無線チャネルは,マイクロ波帯を使用することができ,オプションとして,異なる容量を有することができる。 また,複数の無線チャネルは,異なる変調方式を採用することができ,各無線チャネルは,時間にわたって変化する変調方式を採用することができる。) ウ 「  A possible embodiment of the system needed to perform the aggregation and separation of the two traffic payloads is now discussed with reference to figure 4. At the transmitter 100 of the radio link, a first multiplexer 110 is provided for aggregating the circuit-switched data and/or the protected packet data 101, which may be of the same or different rates, synchronous, plesiochronous or asynchronous, obtaining the protected composite data stream 102. In order to simplify recovery of the individual data streams at the receiver side 200, a generator of synchronization information 120 may be further added to the composite data stream via the aggregator 130. The output of the first multiplexer or, as shown in figure 4, of the aggregator 130 is fed to two second multiplexers 141 and 142, so as to duplicate the protected composite data stream and to obtain two streams of identical data. The second multiplexers 141 and 142 also comprise at their inputs different unprotected traffic streams 103 and 104, respectively, which also may be of the same or different rates, synchronous, plesiochronous or asynchronous and which will be herein referred to also as unique data streams. Each of the duplicated protected composite data streams 105 and 106 is then aggregated with different unique data streams 103 and 104, respectively. Furthermore, respective generators of path specific control signaling 151 and 152 are provided in input to third multiplexers 161 and 162, which also receive the multiplexed traffic from the second multiplexers 141 and 142, respectively. The outputs of the third multiplexers 161 and 162 which carry the resulting assembled composite data streams are fed to modulation devices 171 and 172, respectively, and finally to radio transmitters, not shown.」(第7ページ第9行~第8ページ第5行) ([当審仮訳] 2つのトラフィックペイロードの集約および分離を実行するために必要なシステムの可能な実施例を,図4を参照して説明する。 無線リンクの送信機100は,回線交換データ及び/又は保護パケットデータ101を集約し,保護複合データ・ストリーム102を得るための第1マルチプレクサ110を備える。回線交換データ及び/又は保護パケットデータ101は,同一又は異なるレートであってもよく,同期,従属同期又は非同期のいずれであってもよい。 受信機側200で個々のデータ・ストリームの復元を簡単にするために,同期情報120を,集約器130を介して複合データ・ストリームに加えることができる。 保護複合データ・ストリームを複製し,2つのストリームの同一のデータを得るために,図4に示すように,第1マルチプレクサすなわち集約器130の出力が,2つの第2マルチプレクサ141及び142に供給される。第2マルチプレクサ141及び142はそれぞれ,異なる非保護トラフィック・ストリーム103及び104のそれぞれを入力する。これら非保護トラフィック・ストリーム103及び104は,同じ又は異なるレートであってもよく,同期,従属同期又は非同期のいずれであってもよく,ここでは,「固有のデータ・ストリーム」とも呼ぶこととする。 複製された各保護複合データ・ストリーム105及び106は,異なる固有のデータ・ストリーム103及び104と統合される。 さらに,経路に特有の制御シグナリング151及び152は,第3マルチプレクサ161及び162に入力され,第3マルチプレクサは,第2マルチプレクサ141及び142からの多重化されたトラフィックも受信する。 結果的に組み立てられた複合データ・ストリームを搬送する,第3マルチプレクサ161及び162の出力は,変調装置171及び172にそれぞれ供給され,最後に無線送信機(図示なし)に供給される。) エ 「 」(第1/7ページ) オ 「 」(第3/7ページ) 前記アないしオ及び本願の優先日における技術常識を参酌して,引用文献1に記載された技術的事項について検討する。(下線は,当審が強調のために付与した。) a.前記イの「本発明の目的は,上記の欠点を克服する,無線チャネルにおいて利用可能な容量の点で最良の効率と共に高可用性を保証することによって,新しい無線保護方式を提供することにある。 以下でより明らかとなるこの目的及び他の目的は,複数の無線チャネルでデータを送信することを含む無線リンク送信方法によって達成される。」より,引用文献1には,「無線チャネルでデータを送信する無線リンク送信方法」が記載されているといえる。 b.前記ア,ウ,エ(図2)及びオ(図4)より,前記「無線リンク送信方法」においては「2つの無線チャネル」(f1,f2)が使用されている。そして,無線チャネルf1とf2とをそれぞれ「第1の無線チャネル」及び「第2の無線チャネル」と称することは任意である。 そして,前記アによれば,「第1の無線チャネル」及び「第2の無線チャネル」には,「トラフィックフロー」が搬送(送信)されており,当該「トラフィックフロー」は,技術常識を参酌すれば,前記ウの「トラフィック・ストリーム」,「データ・ストリーム」と同一視できるものである。 さらに,本願の優先日における技術常識と,前記ウの回線交換データ及び/又は保護パケットデータ101を集約し,保護複合データ・ストリーム102を得る」を参酌すれば,引用文献1において,「トラフィックフロー」は,「パケット」を包含することは自明なことである。 そうすると,前記a.を参酌すれば,引用文献1には,「無線チャネルでパケットを含むトラフィックフローを送信する無線リンク送信方法」が記載されているといえる。 c.前記ウ及びオ(図4)より,「送信機」(100)においては,「第1マルチプレクサ」(110)により,「回線交換データ」及び/又は「保護パケットデータ」を集約して「保護複合データ・ストリーム」を生成し,これを複製して,2つの「第2マルチプレクサ」(141,142)に出力し,各「第2マルチプレクサ」(141,142)は,前記「保護複合データ・ストリーム」に加えて,異なる「非保護トラフィック・ストリーム」(103,104)を入力して多重化して,2つの「第3マルチプレクサ」(161,162)のそれぞれに出力し,各「第3マルチプレクサ」は,多重化されたトラフィック・ストリームに加えて,「制御シグナリング」(151,152)を入力して多重化して,「変調装置」(171,172)に出力して,最後に無線送信機より各「無線チャネル」を介して送信されるものと解される。ここで,前記b.で述べたように,「トラフィック・ストリーム」は,「トラフィックフロー」といい得るものであるから,異なる「非保護トラフィック・ストリーム」である103と104とのそれぞれを「第1の非保護トラフィックフロー」及び「第2の非保護トラフィックフロー」と称することは任意である。また,「第2の無線チャネル」において搬送される「トラフィック・ストリーム」に多重化されている「保護複合データ・ストリーム」は,「第1の無線チャネル」において搬送される「トラフィック・ストリーム」に多重化されている「保護複合データ・ストリーム」を「複製」したものといえる。そして,前記b.で述べたように,「データ・ストリーム」は,「トラフィックフロー」といい得るものである。 そうすると,前記「無線リンク送信方法」においては,「第1の無線チャネル」を介して,「保護複合トラフィックフロー」と「第1の非保護トラフィックフロー」を送信し,「第2の無線チャネル」を介して,前記「保護複合トラフィックフロー」の「複製」と,「第2の非保護トラフィックフロー」を送信するものといえる。 前記a.ないしc.の検討から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「 無線チャネルでパケットを含むトラフィックフローを送信する無線リンク送信方法であって, 第1の無線チャネルを介して保護複合トラフィックフローと,第1の非保護トラフィックフローを送信することと, 第2の無線チャネルを介して前記保護複合トラフィックフローの複製と,第2の非保護トラフィックフローを送信すること を含む方法。」 2.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(欧州特許出願公開第1355434号明細書)には,「A method for transmitting a signal between a terminal and a network component」([当審仮訳]端末とネットワーク構成要素との間で信号を送信する方法)(発明の名称)に関して,図面とともに次の事項が記載されている。 カ 「[0010]The present invention is based on the discovery that diversity is not always beneficial. For example, if there is a line of sight between the terminal and the antennas diversity can deteriorate the quality of the communications link because of interferences. However diversity is found to be beneficial if there is no such line of sight and therefore no direct transmission path between the terminal and the antennas. The presence of a line of sight is correlated with the quality of the communication link between the terminal and the network component. [0011]If the quality is relatively high this means that it is likely that there is a line of sight between the terminal and the antennas. As a consequence transmit diversity is switched off in this instance in accordance with the present invention. In the opposite case, i.e. if the quality of the communication link between the terminal and the antennas is relatively low this means that a line of sight is not likely to exist. As a consequence transmit diversity on is selected for the communication link in order to improve the quality.」(第2ページ第2欄) ([当審仮訳] [0010]本発明は,ダイバーシティが常に有益ではないという発見に基づくものである。例えば,端末とアンテナとの間に見通し線があるならば,ダイバーシティは,干渉のために,通信リンクの品質を劣化させる可能性がある。しかしながら,端末とアンテナとの間に見通し線がなく,直接の伝送路がない場合には,ダイバーシティは有益である。見通し線の存在は,端末とネットワーク構成要素との間の通信リンクの品質と相関する。 [0011]品質が比較的高いときには,端末とアンテナの間に見通し線がある可能性があることを意味する。本発明において,この場合には結果として送信ダイバーシチはオフにスイッチされる。逆の場合,すなわち,端末とアンテナとの間の通信リンクの品質が比較的低い場合には,この手段の見通し線は存在する可能性がない。結果として,通信リンクの品質を向上させるために,送信ダイバーシティをオンすることが選択される。) キ 「[0027]In order to realize a duplex connection between the mobile terminal 4 and the BTS 1 an uplink 5 and a downlink 6 are established. In the preferred embodiment considered here the quality of the communication link is determined within the mobile terminal 4 by measuring the bit error rate (BER) and the fluctuation in BER as quality measures. The BER and / or the fluctuation in BER are communicated from the mobile terminal 4 to the BTS 1 via control channel 7.」(第4ページ左欄) ([当審仮訳] [0027]移動端末4とBTS1との間の二重接続を実現するために,アップリンク5とダウンリンク6が確立されている。ここで考慮される好ましい実施形態では,通信リンクの品質が,その品質尺度として,移動端末4内でのビット誤り率(BER:Bit Error Rate)とBERの変化量を測定することにより,決定される。BERおよび/またはBERの変動は,制御チャネル7を介して移動端末4からBTS1へ送信される。) ク 「[0031]Further a quality threshold level 12 is defined, which determines whether for a given coding and modulation scheme transmit diversity on or off is selected. For those modulation and coding schemes below the quality threshold level 12, i.e. MCS1 to MCS4, the quality of the communication link with the mobile terminal 4 is considered relatively bad, such that transmit diversity on is selected. In theopposite case, i.e. for modulation and coding schemes MCS5 to MCS9 above the quality threshold level 12, transmit diversity off is selected.」(第4ページ左欄) ([当審仮訳][0031]さらに,品質しきい値レベル12が定義され,これは,所与の符号化・変調方式に応じて,送信ダイバーシティをオン又はオフのいずれを選択するかを決定するものである。品質しきい値レベル12を下回る変調・符号化方式の場合,例えば,MCS1からMCS4の場合,移動端末4の通信リンクが比較的悪いと考えて,送信ダイバーシティをオンすることが選択される。反対に,品質しきい値12を上回る変調・符号化方式の場合,例えば,MCS5からMSC9の場合,送信ダイバーシティをオフすることが選択される。) 前記カないしク及び本願の優先日における技術常識を参酌すると,引用文献3には,次の事項(以下,「周知事項1」という。)が記載されていると認める。 「 通信リンクの品質が, 品質しきい値レベルを上回る場合,送信ダイバーシティをオフし, 品質しきい値レベルを下回る場合,送信ダイバーシティをオンすること。」 3.引用文献6について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6(欧州特許出願公開第01471673号明細書)には,「 Method for using the complete resource capacity of a synchronous digital hierarchy network, subject to a protection mechanism, in the presence of a data (packet) network, and related apparatus for the implementation of the method」([当審仮訳]この方法の実施のためのデータ(パケット)ネットワーク,及び関連する装置の存在下で,保護機構を受け,同期デジタル階層ネットワークの完全なリソース能力を使用するための方法)(発明の名称)に関して,図面とともに次の事項が記載されている。 ケ 「[0018] With reference to Fig.1, NE shows a schematic view of a known SDH/SONET node of a ring-like network, in which the known MS/SPRING protection mechanism is deployed. The ring may be a phisical ring or a virtual ring, that's a sub-network built on a physical meshed topology. [0019] Between the nodes the connection resources are provided through working connection capacity WRK and protection(spare) connection capacity PROT, the protection connection capacity being normally equal to the working one. [0020] When a data packet network PKT is deployed over the SDH/SONET ring infrastructure, both TDM(Time Division Multiplex) and data traffic DATA have to be carried on the SDH/SONET ring. The data traffic may have different levels of Classes of Service CoS, depending on the level of priority/importance. [0021] In the following, reference is made to the following three known Classes of Service: High Priority, Medium Priority, Low(best-effort) Priority class of service, even if it is clear that any different subdivision may apply. [0022] The High priority is a data traffic with guaranteed bandwidth and full protection to be applied, like the TDM traffic; the Medium priority CoS is a data traffic with two traffic components, the one with guaranteed bandwidth like the high one, the other with non-guaranteed bandwidth; the Low priority CoS is a best-effort data traffic with non-guaranteed bandwidth. [0023] In the following the data traffic will be indicated by DT-H, that is the High priority CoS and the first part of Medium priority CoS with guaranteed bandwidth and full protection, and DT-L, that is the second part of Medium priority CoS and the Low priority CoS with non-guaranteed bandwidth. [0024] In the normal non-failure conditions, the working capacity WRK carries all the TDM and data traffic DT-H, and possibly a part of the data traffic DT-L, depending on the total capacity, while the protection(spare) capacity PROT may or may not be used for carring extra data traffic DT-L (in the following, extra-traffic DT-L), depending on the above described pre-emption problem. [0025] With reference to Fig. 2, a first embodiment of the invention is described, relating to the case of spare capacity PROT used to carry best-effort Class of data traffic. In case of failure the working capacity WRK is cut, and: - the TDM traffic is subject to the known MS/SPRING protection mechanism whereby it is shifted as such over the protection capacity PROT; - the data traffic DT-H is shifted over the protection capacity PROT, like TDM; - a part of the extra-traffic DT-L which was transported over the spare capacity PROT will share the remaining protection capacity PROT with the data traffic DT-L transported over the working capacity WRK(now protected), according to a sharing mechanism described below. In this way the best-effort traffic is not pre-empted, so there is not a service interruption, but only a service degradation due to the sharing of the available transport resources of the remaining part DT-L1 of the protection capacity PROT.」(第2ページ右欄から第3ページ左欄) ([当審仮訳] [0018] 図1を参照すると,NEは,リング状ネットワークの既知のSDH/SONETノードの概略図を示し,ここでは,既知のMS/SPRING保護機構が展開されている。リングは,物理的リング又は仮想リングのいずれかであってよく,物理的なメッシュトポロジー上に構築されたサブネットワークである。 [0019] ノード間には,作動接続容量WRKと保護(スペア)接続容量PROTを介して接続リソースがが提供され,両者の容量は通常等しい。 [0020] データパケットネットワークPKTがSDH/SONETリングインフラストラクチャ上に展開される場合,TDM(時分割多重化)とデータトラフィックDATAの両方は,SDH/SONETリング上で実施されなければならない。データトラフィックは,優先度/重要性のレベルに依存するサービスクラスCoSの異なるレベルを有することができる。 [0021] 以下では,既知のサービスクラスとして,高優先度,中優先度,低(ベストエフォート)優先度のサービスクラスにより説明するが,任意の異なる細分割が適用されてもよいことは明らかである。 [0022] 高優先度は,保証された帯域幅を有し完全な保護が提供されるデータトラフィックであり,例えば,TDMトラフィックである。中優先度CoSは,2種類のデータ・トラフィックであり,1つは,高優先度のものと同じように保証された帯域幅を有するものであり,他方は,保証されない帯域幅を有する。低優先度Cosは,保証されない帯域幅を有する,ベスト・エフォート型のデータトラフィックである。 [0023] 以下では,高優先度CoSのデータトラフィックと中優先度CoSの第1のデータトラフィック,すなわち保証された帯域幅と完全な保護を有するデータトラフィックは,DT-Hと表記し,中優先度CoSの第1のデータトラフィックと低優先度CoSのデータトラフィックは,すなわち保証されていない帯域幅を有するデータトラフィックは,DT-Lと表記する。 [0024] 通常の非故障状態では,作業容量WRKは,TDM及びデータトラフィックDT-Hのすべてと,総容量次第ではあるが,可能であればデータトラフィックDT-Lの一部を搬送し,一方,保護(スペア)容量PROTは,データトラフィックDT-Lの残り(以下,エクストラトラフィックDT-Lという。)を搬送するために,上述した先取りの問題に依存して,使用してもしなくてもよい。 [0025] 図2は,本発明の第1実施形態を説明するものであり,データトラフィックのベストエフォートクラスを搬送するために使用される予備容量PROTに関連するものである。障害時には,作業容量WRKは切断される。そして, - TDMトラフィックは,既知のMS/SPRING保護機構に従って,保護容量PROTの方へシフトされ, - データトラフィックDT-Hは,TDMと同様に,保護容量PROTの方へシフトされ, - 予備容量PROTにより搬送されていた残りのトラフィックDT-Lの一部は,後述する共有機構に従って,作業容量WRK(今や保護されている)により搬送されていたデータトラヒックDT-Lと共に,保護容量PROTの残りを共有する。このようにベストエフォートトラフィックが先取りされないため,サービスの中断が生じず,保護容量PROTの残部DT-L1の利用可能なトランスポートリソースの共有のためにのみサービス低下が生じる。) コ 「 」(第7ページ) サ 「 」(第7ページ) 前記ケないしサ及び本願の優先日における技術常識を参酌して,引用文献6に記載された技術的事項について検討する。(下線は,当審が強調のために付与した。) d.前記ケの[0018]より,引用文献6には,リング状ネットワークにおける既知の(MS/SPRING)保護機構について記載されているといえる。 e.前記ケの[0019],[0024]及び[0025]より,「ノード」間において,「作動接続容量WRK」と「保護接続容量PROT」の2つの「接続リソース」を介して「データトラフィック」が搬送されている。 ここで,「作動接続容量WRK」を「第1の接続リソース」,「保護接続容量PROT」を「第2の接続リソース」と称することは任意である。 f.前記ケの[0020]及び[0021]より,「データトラフィック」は,サービスクラスのレベル(優先度)に応じて,「保証された帯域幅と完全な保護を有するデータトラフィック」である「DT-H」と,「保証されていない帯域幅を有するデータトラフィック」である「DT-L」とに分けられている。ここで,「DT-H」は,「保護されたデータトラフィック」,「DT-H」は「保護されていないデータトラフィック」といい得るものである。(なお,「TDM」は,「DT-H」と同等に取り扱われているので,ここでは考慮しない。) そして,前記ケの[0024]及び[0025]並びに前記コ(図1)及びサ(図2)より,非故障状態において,「保護されたデータトラフィック」(DT-H)は,「第1の接続リソース」(作業接続容量WRK)のみにおいて搬送され,「保護されていないデータトラフィック」(DT-L)の一部は可能であれば「第1の接続リソース」(作業接続容量WRK)において搬送され,「保護されていないデータトラフィック」(DT-L)の残り(エクストラトラフィックDT-L)は,「第2の接続リソース」(保護接続容量PROT)において搬送され,一方,障害時には,「第1の接続リソース」(作業接続容量WRK)は切断され,「保護されたデータトラフィック」(DT-H)も「保護されていないデータトラフィック」(DT-L)も「第2の接続リソース」(保護接続容量PROT)のみにおいて搬送されることが見てとれる。 前記d.ないしf.の検討から,引用文献6には,次の事項(以下,「周知事項2」という。)が記載されていると認める。 「 リング状ネットワークにおいて, ノード間において,第1の接続リソース及び第2の接続リソースを介してデータトラフィックが搬送され, 非故障状態において,保護されたデータトラフィックは,前記第1の接続リソースのみにおいて搬送され,保護されていないデータトラフィックは第1の接続リソースと前記第2の接続リソースとにおいて搬送され, 障害時には,前記第1の接続リソースは切断され,前記保護されたデータトラフィックと前記保護されていないデータトラフィックは,前記第2の接続リソースのみにおいて搬送されること。」 4.引用文献8について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献8(特開2006-33319号公報)には,「光伝送システム」(発明の名称)に関して,図面とともに次の事項が記載されている。 シ 「【0001】 本発明は,光伝送システムに関し,特に光波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)による光信号の伝送を行う光伝送システムに関する。」(第2-3ページ) ス 「【0015】 以下,本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は光伝送システムの原理図である。光伝送システム1は,光伝送装置10-1~10-4から構成され,伝送媒体(光ファイバケーブル)のラインL1,L2でリング状に互いに接続して,WDMによる光信号の伝送を行うWDMリングシステムである。 【0016】 光伝送装置10は,トランスポンダ11,装置管理部12,光スイッチ部13,WDM-MUX14a,14bから構成される。トランスポンダ11は,ネットワークにAddされた,障害復旧優先度の高い高優先のクライアント信号(障害発生時,復旧対象となる信号)と,障害復旧優先度の低い低優先のクライアント信号(障害発生時,復旧対象とはならない信号)と,をそれぞれWDM用の波長に変換して,高優先波長信号と低優先波長信号を生成する。装置管理部12は,ネットワークの障害情報及び光パスの運用情報の通知・設定管理を行う。 【0017】 光スイッチ部13は,ネットワークの通常運用時には,高優先波長信号を障害復旧優先度の高い高優先パスから出力し,かつ低優先波長信号は高優先波長信号の出力方向とは逆方向に,障害復旧優先度の低い低優先パスから出力する。 【0018】 例えば,ラインL1を高優先パス,ラインL2を低優先パスとすれば,高優先波長信号はWDM-MUX14aを介してWEST側へ出力し,低優先波長信号はWDM-MUX14bを介して逆方向のEAST側へ出力する。なお,WDM-MUX14a,14bは,前段の光伝送装置から送信されてきたWDM信号に,光スイッチ部13から出力された波長を多重して出力する波長多重ブロックである。 【0019】 また,光スイッチ部13は,ネットワークの障害発生時には,障害情報及び各装置のDrop波長に応じて,高優先波長信号を高優先パス及び低優先パスの両方から互いに逆向き出力となるような冗長(duplicate)切り替え,または高優先パスから低優先パスへ出力を切り替えるパス切り替えのいずれかのスイッチング処理を行う。 【0020】 例えば,冗長切り替えを行う場合,同じ高優先波長信号をWDM-MUX14a,14bに出力して,EAST,WEST両方から高優先波長信号を流す。すなわち,冗長切り替えとは,光スイッチ部13の高優先/低優先2系統の出力から同じ信号(同じサービス情報を含む信号)を出力して,EASTとWESTから出力するスイッチングということである。 【0021】 また,パス切り替えを行う場合,高優先パスのラインL1のWESTから流していた高優先波長信号を,WDM-MUX14bへ出力することで,低優先パスのラインL2側へ切り替えて,EASTから流すようにする。」(第4-5ページ) 前記シ及びス並びに本願の優先日における技術常識を参酌すれば,引用文献8には,次の事項(以下,「周知事項3」という。)が記載されていると認める。 「 リング状の2つのパスにより接続された光伝送システムにおいて, 障害発生時の対策として,冗長切り替えと,パス切り替えとが存在すること。」 第4 当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 引用発明において,「パケットを含むトラフィックフローを送信する」ことは,本願発明1における「パケットを送信する」ことに含まれる。また,引用発明における「トラフィックフロー」は,「パケット」を含むものであるから,本願発明1における「パケットのフロー」といい得るものである。また,引用発明における「無線チャネル」は,本願発明1における「無線通信リンク」または「無線リンク」に含まれる概念である。さらに,引用発明における「送信」は,本願発明1における「配信」と同義である。また,引用発明における「保護複合トラフィックフロー」及び「非保護トラフィックフロー」はそれぞれ,本願発明1における「保護されているパケット」及び「保護されていないパケット」を含むものといえる。 また,引用発明の「第1の無線チャネルを介して保護複合トラフィックフローと,第1の非保護トラフィックフローを送信すること」において,「保護複合トラフィックフロー」は,「第1の無線チャネル」の「利用可能な帯域幅」のうち,特定の部分を専有していることは自明であり,当該部分を「第1の部分」と称することは任意であり,さらに,「保護複合トラフィックフロー」は,保護されるものであるのに対し,「第1の非保護トラフィックフロー」は,保護されないものであることから,「第1の非保護トラフィックフロー」は,「第1の無線チャネル」の「利用可能な帯域幅」のうち,「第1の部分」を除いた「残りの部分の少なくとも一部」を用いて送信されることは自明である。 また,引用発明における「第2の無線チャネルを介して前記保護複合トラフィックフローの複製と,第2の非保護トラフィックフローを送信すること」において,「保護複合トラフィックフローの複製」は,「第2の無線チャネル」の「利用可能な帯域幅」のうち,特定の部分を専有していることは自明であり,当該部分を「第2の部分」と称することは任意であり,さらに,「第2の非保護トラフィックフロー」は,「第2の無線チャネル」の「利用可能な帯域幅」のうち,「第2の部分」を除いた「残りの部分の少なくとも一部」を用いて送信されることも自明である。 そうすると,引用発明における方法は,本願発明1における「障害状態が検出された場合」における処理と一部共通しているといえる。 (2)一致点・相違点 以上の検討から,本願発明1と引用発明とは,以下の点において一致ないし相違する。 [一致点] 「 無線通信リンクを通じてパケットを送信する方法であって,パケットのフローを配信するために,第1の無線リンクおよび第2の無線リンクが使用され,パケットの前記フローが,保護されているパケットおよび保護されていないパケットを包含し,方法が, 第1の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信することであって,前記送信が,第1の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第1の部分を占有する,保護されているパケットを送信することと,第2の無線リンクを通じて,保護されているパケットの複製を送信することであって,前記送信が,第2の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第2の部分を占有する,保護されているパケットの複製を送信することと,第1の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部および第2の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部の上において,保護されていないパケットを送信することを特徴とする,方法。」 [相違点] 本願発明1は, (a)パケットの伝播のステータスを検証または推定することに基づいて「障害状態」の存在を検出する処理を有し, (b)「障害状態」が検出されない場合(ビットエラーレートが最小しきいレベルを下回ると推定された場合を含む。)には, 「第1の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信することであって,前記送信が,第1の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第1の部分を占有する,保護されているパケットを送信することと,第1の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部および第2の無線リンクの利用可能な帯域幅の少なくとも一部の上において,保護されていないパケットを送信すること及び,第2の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信しない」のに対し, (c)「障害状態」が検出された場合(ビットエラーレートが最小しきいレベルを上回ると推定された場合を含む。)に, 「第1の無線リンクを通じて,保護されているパケットを送信することであって,前記送信が,第1の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第1の部分を占有する,保護されているパケットを送信することと,第2の無線リンクを通じて,保護されているパケットの複製を送信することであって,前記送信が,第2の無線リンク上の利用可能な帯域幅の第2の部分を占有する,保護されているパケットの複製を送信することと,第1の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部および第2の無線リンクの利用可能な帯域幅の残りの部分の少なくとも一部の上において,保護されていないパケットを送信する」のに対し, 引用発明は,前記(a)及び(b)に係る処理について言及がなく,「障害状態」の有無に関係なく,前記(c)に係る処理を行う点。 (3)相違点についての判断 前記[相違点]について検討するに,[相違点]に係る本願発明1の構成は,[周知事項1]ないし[周知事項3](引用文献3ないし8)から本願の優先日における周知事項であるはいえない。 個々に見ていくと,周知事項1は, 「 通信リンクの品質が, 品質しきい値レベルを上回る場合,送信ダイバーシティをオフし, 品質しきい値レベルを下回る場合,送信ダイバーシティをオンすること。」 であり,「送信ダイバーシティ」が,信号を複製して複数の無線通信リンクを介して送信することを含み,「品質しきい値レベルを下回る場合」が「障害状態が検出された場合」に相当すると仮定しても,当該周知事項1に係る技術思想を引用発明に適用すれば,「障害状態が検出された場合」には,「保護複合トラフィックフロー」(保護されているパケット)のみならず,「非保護トラフィックフロー」(保護されていないパケット)をも複製して複数の無線通信リンクを介して送信することとなるから,前記[相違点]に係る本願発明1の(c)の処理とは異なることは明らかである。 また,周知事項2は, 「 リング状ネットワークにおいて, ノード間において,第1の接続リソース及び第2の接続リソースを介してデータトラフィックが搬送され, 非故障状態において,保護されたデータトラフィックは,前記第1の接続リソースのみにおいて搬送され,保護されていないデータトラフィックは第1の接続リソースと前記第2の接続リソースとにおいて搬送され, 障害時には,前記第1の接続リソースは切断され,前記保護されたデータトラフィックと前記保護されていないデータトラフィックは,前記第2の接続リソースのみにおいて搬送されること。」 は,「リング状ネットワーク」において,障害時すなわち「故障状態が検出された場合」には,保護されたデータトラフィックを搬送していた第1の接続リソースが「切断」されることを前提としている。 そうすると,周知事項2は,引用発明とは前提となる機構及び条件が異なっているから,引用発明に周知事項2を適用することには技術的な阻害要因がある。 また,周知事項3は, 「 リング状の2つのパスにより接続された光伝送システムにおいて, 障害発生時の対策として,冗長切り替えと,パス切り替えとが存在すること。」 というものであり,障害発生時すなわち「障害状態が検出された場合」の対策として,パス切り替えに替えて,冗長切り替えを採用してもよいという技術思想が見てとれるものの,周知事項3は,「リング状」のパスによる「光伝送システム」であることを前提としているから,引用発明に周知事項3を適用することには技術的な阻害要因がある。 したがって,本願発明1は,当業者であっても,引用文献1に記載された引用発明に基づいて,引用文献3に記載された技術事項,引用文献6に記載された周知事項2,引用文献8に記載された周知事項3を参酌することにより,容易に発明することができたものであるとはいえない。 2.本願発明2ないし12について 本願発明2ないし12も,[相違点]に係る本願発明1の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1に記載された引用発明に基づいて,引用文献3に記載された技術事項,引用文献6に記載された周知事項2,引用文献8に記載された周知事項3を参酌することにより,容易に発明することができたものであるとはいえない。 第5 原査定についての判断 平成29年2月27日付けの手続補正により補正された請求項1ないし12は,上記[相違点]に係る本願発明1の構成を備えるものとなっており,上記のとおり,本願発明1ないし12は,引用文献1に記載された引用発明に基づいて,引用文献3に記載された技術事項,引用文献6に記載された周知事項2,引用文献8に記載された周知事項3を参酌することにより,容易に発明することができたものであるとはいえない。 そうすると,本願発明1ないし12は,引用文献1ないし8に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 したがって,原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由通知の拒絶の理由について 当審では,当審拒絶理由通知時における請求項1ないし12に係る発明は,発明の詳細な説明の記載との対応が明確でないため,又は,日本語としての記載が明確でないため,特許法第36条第6項第1号又は第2号に規定する要件を満たしていない旨の拒絶の理由を通知しているが,平成29年2月27付けの手続補正により補正された結果,この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2016-004679

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