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特許拒絶査定不服審判

2016-003104

画像形成装置

審判番号
2016-003104
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-007382
請求日
2016年03月01日
審決日
2017年01月23日
公報発行日
2017年04月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】キヤノンファインテック株式会社
  • 【請求人代理人】特許業務法人中川国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 黒瀬 雅一
  • 審判官 吉村 尚
  • 審判官 畑井 順一
分類
P18 .121-WZ (G03G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-7382「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年7月28日出願公開、特開2014-137551〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 手続の経緯の概要は以下のとおりである。 平成25年 1月18日 出願(特願2013-7382号) 平成26年11月10日 手続補正書 平成27年 5月13日 拒絶理由通知 平成27年 7月16日 意見書,及び,手続補正書 平成27年11月26日 拒絶査定(発送日 同年12月1日) 平成28年 3月 1日 審判請求書,及び,手続補正書 平成28年 4月13日 前置報告書 平成28年 9月 8日 拒絶理由通知 平成28年11月 8日 意見書,及び,手続補正書 第2 当審の判断 1 補正内容 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成28年11月8日付けで補正された特許請求の範囲における,請求項1に記載された事項によって特定されるべきものであり,その記載は次のとおりである。 「像担持体にトナー像を形成する画像形成部と, 前記像担持体を清掃する清掃手段と, 前記像担持体の表面に形成した第一のパターン画像と前記第一のパターン画像とは異なる第二のパターン画像の濃度を検出する検出手段と, 前記検出手段が検出する前記第一及び第二のパターン画像の検出結果に基づいて前記像担持体の表面に画像流れが発生していること及び該発生している画像流れの度合いを判定し,前記画像流れが発生していると判定される場合は前記清掃手段に清掃動作を行わせると共に,前記清掃手段に行わせる清掃動作を前記発生している画像流れの度合いに応じた清掃動作とする制御手段と, を備えることを特徴とする画像形成装置。」 2 刊行物に記載された事項 (1)刊行物1 平成28年9月8日付け拒絶の理由に引用し,本願の出願日前である平成24年4月26日に頒布された特開2012-83588号公報(以下「刊行物1」という。)には,図面とともに,以下の事項が記載されている。(下線は,当審で付与した。他の下線についても同じ。) ア 「【0017】 図1は,本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置30は,トナー像を担持し,反時計回りに回転駆動する円筒状の感光体(像担持体)1の周囲に,感光体1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と,感光体1表面に光を照射して静電潜像を形成する露光装置3と,感光体1にトナーtを供給し感光体1上の静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置5と,現像装置5によって形成された感光体1上のトナー像を用紙(被転写部材)Pに転写する転写ローラ(転写装置)7と,用紙Pに転写されずに感光体1上に残留したトナーを除去するクリーニング装置9と,感光体1表面の電位を初期状態にする除電装置10とを備えている。」 イ 「【0024】 クリーニング装置9は,感光体1に圧接するクリーニングブレード91を備え,感光体1表面に残留する未転写トナーを感光体1から除去する。」 ウ 「【0026】 さらに,画像形成装置30は,画像形成装置30に関係する構成を総合的に制御する制御装置を備えており,この制御装置は,感光体1,現像ローラ52,転写ローラ7,給紙ローラ72及び定着ローラ81などの回転駆動,帯電装置2,露光装置3,現像装置5,転写ローラ7,定着装置8などの作動を制御する。 【0027】 このような構成の画像形成装置30では,画像形成時には,感光体1が図中反時計回りに回転され,帯電装置2によって感光体1が一様に帯電された後に,露光装置3によって感光体1に所望の静電潜像が形成され,この静電潜像が現像装置5によって現像されてトナー像が形成される。そして,感光体1上に形成されたトナー像は,転写ローラ7によって用紙Pに転写され,この用紙Pに転写されたトナー像が定着装置8によって定着される一方,感光体1上に残留する未転写トナーが,クリーニングブレード91によって掻き取られて回収される。」 エ 「【0028】 前述のように,画像形成装置30では,画像形成時に帯電装置2から発生する放電生成物はファン25によって吸引されるものの,感光体1の回転により発生する気流や気中放電によるイオン風等によって,シールド電極22やグリッド電極23に放電生成物が付着し,放電生成物を完全に吸引することは困難であった。かかる場合には,感光体1上での画像形成が行われていないとき,すなわち感光体1上のトナー像が用紙Pに転写されない非画像形成時に,感光体1表面に放電生成物が付着して像流れを発生させるおそれがある。そこで従来は,非画像形成時に感光体1を回転させて,クリーニングブレード91によって感光体1を摺擦し感光体1表面に付着した放電生成物を除去していた。しかしながら,感光体1表面から放電生成物が除去できたかどうかを判断する指標がなく,通常は,感光体1を予め定めた回数回転させて放電生成物の除去完了としていた。 【0029】 本発明では,感光体1表面から放電生成物が除去できたかどうかを検知し,放電生成物の除去を検知した後,感光体1の回転を停止するようにした。すなわち,第1の発明に係る画像形成装置では,感光体1の全周にわたって帯状の中間調ドットパターンとベタ画像パターンのトナー像を形成すると共にこれらのパターンのトナー像濃度を濃度センサーS1,S2(図1に図示)で測定して,感光体1の1回転当たりの両パターンの最低濃度の差を放電生成物が除去できたかどうかの指標とし,両パターンの最低濃度の差が所定値以下になるまで感光体1を回転させる。」 オ 「【0032】 図5に,ベタ画像パターン及び中間調ドットパターンの,感光体1回転あたりの最低トナー像濃度の変化を示す。中間調ドットパターンにおける最低トナー像濃度は,像流れが発生している部分,すなわち帯電装置と対向していた部分の濃度である。この部分のトナー像濃度は,前述のように,クリーニングブレードによる放電生成物の感光体表面からの除去に伴って回復する。そこで,第1の発明に係る画像形成装置では,ベタ画像パターンと中間調ドットパターンとの,感光体1回転あたりの最低トナー像濃度の差が縮まって所定値以下になれば,感光体表面に付着していた放電生成物はクリーニングブレードによって除去され,像流れは実使用上問題がないレベルに抑えられると判断し,感光体の回転を停止することとした。」 カ 「【0034】 図6に,以上説明した処理のフローチャートを示す。画像形成装置の主電源が入れられると(ステップS101),感光体の空運転が開始される(ステップS102)。この感光体の空回転は,帯電装置,露光装置,現像装置及びクリーニング装置が駆動し,転写装置が停止した状態である。そして,中間調ドットパターン及びベタ画像パターンの静電潜像が形成され,現像装置で現像されてそれぞれのパターンのトナー像が形成される(ステップS103)。次いで,濃度センサーによって2つのパターンのトナー像濃度が測定され(ステップS104),感光体1回転あたりの最低トナー像濃度が検出され,2つのパターンの最低トナー像濃度の差が算出される(ステップS105)。そして,算出された最低トナー像濃度の差が所定値以下になるまで,前記静電潜像の形成,トナーによる現像,トナー像濃度測定が繰り返し行われる(ステップS106)。一方,最低トナー像濃度の差が所定値以下になると,感光体表面に付着していた放電生成物はクリーニングブレードによって除去されたと判断し,感光体の空回転を停止する(ステップS107)。」 刊行物1の上記記載事項を含め,刊行物1の全記載を総合すると,刊行物1には以下の事項(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。 「像担持体である感光体1と,この感光体1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と,帯電された前記感光体1に光を照射して静電潜像を形成する露光装置3と,前記静電潜像をトナーで可視像化する現像装置5と,可視像化されたトナー像を被転写部材に転写させる転写装置と,転写せず前記感光体1に残留したトナーを前記感光体1から除去するクリーニング装置9と,画像形成装置30に関係する構成を総合的に制御する制御装置とを備えた画像形成装置30であって, 前記感光体1上に形成されたトナー像のトナー像濃度を測定する濃度センサーS1,S2を,さらに備え, 画像形成装置30の主電源が入れられると,感光体1の空運転が開始され,帯電装置2,露光装置3,現像装置5及びクリーニング装置9が駆動して,中間調ドットパターン及びベタ画像パターンの静電潜像が形成され,現像装置5で現像されて,それぞれのパターンのトナー像が形成され,濃度センサーS1,S2によって2つのパターンのトナー像濃度が測定され,感光体1の1回転あたりの最低トナー像濃度が検出され,2つのパターンの最低トナー像濃度の差が算出されて,算出された最低トナー像濃度の差が所定値以下になるまで,前記静電潜像の形成,トナーによる現像,トナー像濃度測定が繰り返し行われ,最低トナー像濃度の差が所定値以下になると,感光体表面に付着していた放電生成物はクリーニングブレードによって除去され,像流れは実使用上問題がないレベルに抑えられると判断し,感光体1の空回転を停止する画像形成装置30。」 (2)刊行物2 平成28年9月8日付け拒絶の理由に引用し,本願の出願日前である平成22年2月12日に頒布された特開2010-32758号公報(以下「刊行物2」という。)には,図面とともに,以下の事項が記載されている。 キ 「【0018】 図1に示すように,本実施形態の複合機1は,正面前方に操作パネル2を有し,最上部に原稿カバー1aを有し,その下部に画像読取部23を有する。又,内部にシート供給部3,シート搬送路31,定着部4,画像形成部5,中間転写部6を主構成として有する。」 ク 「【0022】 次に,図1及び図2に基づき,画像形成部5を説明する。図1に示すように,画像形成部5は,シート供給部3の上方かつ,中間転写部6の下方に設けられる。そして,画像形成部5は,図1の左側から,ブラック用の画像形成ユニット50K,イエロー用の画像形成ユニット50Y,マゼンタ用の画像形成ユニット50M,シアン用の画像形成ユニット50Cの順で並列された複数の画像形成ユニット50と,その下方に設けられ,複数の感光体ドラム52に対しレーザ光による走査・露光を行う露光部51で構成される。又,各画像形成ユニット50K~50Cは,ベルト清掃装置65と2次転写ローラ66との間で,中間転写ベルト64に近接して並列配置される。尚,各画像形成ユニット50K~50Cの配置の順番は変更可能である。」 ケ 「【0024】 図2に示すように,各画像形成ユニット50は,周面にトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム52と,帯電部53,現像部54,清掃部55等で構成される。そして,各画像形成ユニット50では,ユーザ端末100等から受信した文字や図形,模様等の画像データに基づき,露光部51により各感光体ドラム52上に静電潜像が形成され,この静電潜像を各現像部54により可視像(トナー像)に現像する。 【0025】 像担持体としての感光体ドラム52は,アルミニウム等で構成される導電性基体の外周面に,感光層を設けた円筒状の部材であり,その表面にトナー像を担持する。尚,本実施形態の感光体ドラム52は,周面にアモルファスシリコンの感光層を有する。」 コ 「【0026】 帯電部53は,感光体ドラム52の表面を所定電位に帯電させる。本実施形態の帯電部53は,感光体ドラム52を帯電させ,放電ワイヤWを電極として高電圧印加部53a(図5参照)により高電圧(絶対値が大きい)を印加して放電するコロナ放電器である。尚,ローラ,ブラシ等による帯電を行っても良い。露光部51は,画像データにあわせて半導体レーザ装置(不図示)のON/OFFを行い,形成すべき画像の画像データにあわせレーザ光を照射し,帯電後の感光体ドラム52の走査・露光を行って,静電潜像を形成する。尚,露光部51には,例えば,アレイ上のLEDユニットが採用されてもよい。現像部54は,トナーを収容し,トナーを所定の電位に帯電させる。又,現像部54には,トナーを担持する現像ローラ54aが設けられ,現像時には現像ローラ54aに所定電圧を印加して,トナーを飛翔させて静電潜像が形成された感光体ドラム52にトナーを供給する。これにより,静電潜像がトナー像として現像される。 【0027】 清掃部55は,感光体ドラム52の軸線方向に沿って当接するクリーニング部材としてのブレード55a及び摺擦ローラ55bを有する。ブレード55aを当接させ,又,摺擦ローラ55bを感光体ドラム52と同方向に回転させ摺擦,研磨することにより,感光体ドラム52から中間転写ベルト64に転写されずに残留したトナーや感光体ドラム52に付着した水分,帯電生成物等を回収,除去する。」 サ 「【0033】 濃度センサ7は,感光体ドラム52に形成されたトナー像を読み取り,トナー像の濃度を検出するために設けられる。そして,この濃度センサ7は,像流れ検出用のトナー像としてのパターン画像Pを読み取る。本発明は,この像流れ検出用のパターン画像Pの読み取り結果により,感光体ドラム52にトナーをのせ,清掃部55により研磨して感光体ドラム52の表面の清掃を行うエージング動作の時間が決定される点に特徴を有する。尚,像流れ検出用パターン画像Pの画像データは,後述の記憶部82(図5参照)に記憶されエージング実行前に読み出され,利用される。」 シ 「【0042】 一方,図4(b)は,感光体ドラム52の周面を展開した図であり,感光体ドラム52に対向して濃度センサ7を配する場合も同様に,部分的な像流れの発生を検出するため,像流れ検出用パターン画像Pは,少なくとも感光体ドラム52の一周分の長さを有する。この場合,例えば,感光体ドラム52の軸線方向(主走査方向)の略中心にパターン画像Pと濃度センサ7を配することができるが,その配置位置は適宜設定できる点も,図4(a)の場合と同様である。 【0043】 そして,例えば,各パターン画像Pは,ベタ塗りでもよいが,ハーフトーン(例えば,50%程度の濃度)で形成され得る。尚,パターン画像Pの濃度設定は適宜設定することができるが,薄すぎる,又は,濃すぎると,像流れの発生を検出し難くなることがある。」 ス 「【0045】 まず,図5に示すように,本実施形態の複合機1の各部,各部材の動作制御のため制御部8が設けられる。制御部8は,複合機1を構成する画像形成部5や中間転写部6等の各部と接続され,例えば,感光体ドラム52等の回転,帯電,現像等の多様な制御を行う。 【0046】 そして,例えば制御部8に,CPU81,記憶部82,計時部83等が設けられる。前記CPU81は,中央演算処理装置であり,制御用プログラム,データに基づき,複合機1の各部に制御信号を発し,各部からの信号を受け,各種演算等を行う。又,記憶部82は,ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),HDD(Hard Disk Drive),フラッシュROM等の揮発性と不揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部82は,制御プログラム,制御データ,画像データ,設定データ等のデータを記憶する。計時部83は,シートの搬送タイミングなど,複合機1の制御に要する各種時間を計時する。又,計時部83は,本発明の実施に関し,印刷が終了して感光体ドラム52が停止してから,現在までの時間,即ち,計時部83は,感光体ドラム52の停止時間Tを計時する(詳細は後述)。」 セ 「【0048】 又,図3で説明したように,制御部8には,濃度センサ7が接続され,制御部8は,濃度センサ7の発光部71の発光を制御し,又,受光部72A,72Bの出力を受け,記憶部82のデータを参照して,例えば,CPU81が,濃度センサ7が読み取ったトナー像の濃度を演算する。 【0049】 そして,本実施形態の複合機1では,電源投入時や画像形成枚数が一定に達した場合,複合機1が印刷を終了してから一定時間を経過した場合等,任意の時点で,感光体ドラム52をトナーで研磨して清掃するためのエージングが行われる。そして,エージングのためのプログラムやデータは,記憶部82に記憶され,制御部8は,エージング時,このプログラムに基づき,露光部51,感光体ドラム52,帯電部53,現像部54,清掃部55等を駆使してエージングを行う。」 ソ 「【0052】 そこで,図6に基づき,本発明の実施形態に係る複合機1のエージング時間の決定について説明する。図6(a)は,濃度センサ7の出力に応じてエージング時間を決定する際に用いるテーブルtb1の一例を示し,(b)は,感光体ドラム52の停止時間Tに応じてエージング時間を決定する際に用いるテーブルtb2の一例を示す。 【0053】 まず,図6(a)について説明する。図6(a)は,上述したように,濃度センサ7の出力に基づきエージング時間を決定する際に利用するテーブルである。このテーブルtb1は,記憶部82に記憶させておくことができる。 【0054】 このテーブルtb1の内,濃度センサ出力演算値Dとは,濃度センサ7の出力に対し,CPU81が演算して得られた結果であり,濃度センサ7の受光部74Aと受光部74Bの出力比率そのものの値や,パターン画像Pの濃度値そのものではない。例えば,CPU81が,濃度センサ7の出力比率からトナー像の濃度値を算出し,パターン画像Pを形成しようとした濃度(理想的な濃度)を勘案して,算出された濃度値に係数等を乗じ,一定の範囲の数値内(例えば,0~1や0~255等)での濃度値として表されるように演算された値である。」 タ 「【0058】 そして,エージング時間は,濃度センサ出力演算値Dと各閾値X1~X6との比較を,例えばCPU81が比較を行うことで,定められる。例えば,濃度センサ出力演算値Dが0≦D<X1ならば,図6(a)に示すように,エージング時間は60秒,X3≦D<X4なら22秒,X5≦D<X6以上なら10秒とさだめられ,X5≦D<1.0ならば,像流れ発生なし,又は極めて軽微として,0秒,即ち,不要と定められる。 【0059】 従って,濃度センサ出力演算値Dが小さいほど,像流れの発生レベルが重く,長時間のエージング時間とし,濃度センサ出力演算値Dが大きいほど,像流れの発生がなく,所望のトナー濃度が得られており,像流れの発生レベルが軽微であるので,像流れの発生レベルが重い場合よりもエージング時間を短くする。尚,像流れの発生レベルを図6(a)のテーブルtb1の左端欄に記している(レベル数が小さくなるほど重度の像流れ)。尚,図6(a)では,像流れの発生レベルを7段階に分けているが,更に多数の閾値Xを用いることで,より多段階のレベル分けを行うことができ,エージング時間も更に多段階に場合分けすることができる。又,本説明のエージング時間は例示であり,適宜設定される。」 チ 「【0070】 次に,図7に基づき,本発明の実施形態に係る複合機1のエージング制御の一例について説明する。図7は,本発明の実施形態に係る複合機1のエージング制御の一例を示すフローチャートである。まず,図7のスタートは,電源投入時やスリープモードからの復帰時,前回のエージングから一定枚数以上印刷した場合,メンテナンスを行うサービスマンによるエージング実行指示入力等,予め定められるエージングの実行タイミングに到った場合である。 【0071】 まず,制御部8は,前回の印刷終了後,感光体ドラム52が停止してから現在までの時間を取得する(ステップ♯1)。次に,制御部8は,各感光体ドラム52に像流れ検出用パターン画像Pを形成する(ステップ♯2)。即ち,制御部8は,エージング実行前に感光体ドラム52上に一定濃度(例えば,ハーフトーン)の濃度検出用のパターン画像Pを形成する。尚,中間転写ベルト64に対向して濃度センサ7が設けられていれば,中間転写ベルト64に各色の像流れ検出用パターン画像Pが転写される。尚,各感光体ドラム52に濃度センサ7が設けられていれば,中間転写ベルト64に転写される前に,像流れ検出用パターン画像Pは濃度センサ7に読み取られる。 【0072】 そして,制御部8は,濃度センサ7の発光を指示し(ステップ♯3),濃度センサ7により像流れ検出用パターン画像Pの読み取りを行わせる(ステップ♯4)。制御部8は,濃度センサ7からの読取出力を受け,濃度センサ出力演算値Dを算出する(ステップ♯5)。次に,制御部8は,エージングの必要性を確認する(ステップ♯6)。濃度センサ7の出力や濃度センサ出力演算値Dから,像流れが発生していないと認められる場合,エージングをあえて行う必要が無いためである(例えば,上述のように,濃度センサ出力演算値Dが,0~1.0の範囲の値で算出される場合,X6以上の値,例えば,ほぼ1.0が算出された場合等)。エージングを行う必要がないと判断されれば(ステップ♯6のNo),処理は終了する(エンドへ) 【0073】 一方,エージングが必要と判断された場合(ステップ♯6のYes),制御部8は,記憶部82に記憶されるテーブルtbから,エージング時間を決定する(ステップ♯7)。即ち,濃度センサ7は,パターン画像Pの濃度を読み取り,制御部8は,濃度センサ7の読み取り結果から像流れの発生レベルを判断し,発生レベルに応じてエージング時間を変化させる。上述したように,エージング時間は,濃度センサ出力演算値Dや感光体ドラム52の停止時間を元に決定される。そして,決定されたエージング時間に基づき,制御部8は,各部材にエージングを実行させる(ステップ♯8)。」 刊行物2の上記記載事項を含め,刊行物2の全記載を総合すると,刊行物2には以下の事項(以下,「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる。 「内部にシート供給部3,シート搬送路31,定着部4,画像形成部5,中間転写部6を主構成として有する複合機1であって, 画像形成部5の画像形成ユニット50は,周面にトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム52と,帯電部53,現像部54,清掃部55等で構成され,画像形成ユニット50では,ユーザ端末100等から受信した文字や図形,模様等の画像データに基づき,露光部51により各感光体ドラム52上に静電潜像が形成され,この静電潜像を現像部54により可視像(トナー像)に現像され,清掃部55は,感光体ドラム52の軸線方向に沿って当接するクリーニング部材としてのブレード55a及び摺擦ローラ55bを有し,ブレード55aを当接させ,又,摺擦ローラ55bを感光体ドラム52と同方向に回転させ摺擦,研磨することにより,感光体ドラム52から中間転写ベルト64に転写されずに残留したトナーや感光体ドラム52に付着した水分,帯電生成物等を回収,除去するものであって, 複合機1の各部,各部材の動作制御のための制御部8には,CPU81,記憶部82,計時部83等が設けられるとともに,感光体ドラム52に形成されたトナー像を読み取り,トナー像の濃度を検出するために設けられる濃度センサ7が接続され, 電源投入時やスリープモードからの復帰時,前回のエージングから一定枚数以上印刷した場合,メンテナンスを行うサービスマンによるエージング実行指示入力等,予め定められるエージングの実行タイミングに到った場合,制御部8は,感光体ドラム52上に一定濃度(例えば,ハーフトーン)の濃度検出用のパターン画像Pである像流れ検出用パターン画像Pを形成し,該像流れ検出用パターン画像Pは,制御部8によって発光を指示された濃度センサ7に読み取られ,濃度センサ7からの読取出力を受けて,制御部8のCPU81が,濃度センサ7の出力比率からトナー像の濃度値を算出し,パターン画像Pを形成しようとした濃度(理想的な濃度)を勘案して,算出された濃度値に係数等を乗じ,一定の範囲の数値内(例えば,0~1や0~255等)での濃度値として表されるように演算された値である濃度センサ出力演算値Dが小さいほど,像流れの発生レベルが重く,長時間のエージング時間とし,濃度センサ出力演算値Dが大きいほど,像流れの発生がなく,所望のトナー濃度が得られており,像流れの発生レベルが軽微であるので,像流れの発生レベルが重い場合よりもエージング時間を短くするようにしたエージング時間を決定する際に利用するテーブルであるテーブルtb1を用いてエージング時間を決定する複合機1。」 3 対比 本願発明と刊行物1発明とを対比する。 後者の「像担持体である感光体1」は,前者の「像担持体」に相当する。 以下同様に,「クリーニング装置9」は,「清掃手段」に, 「濃度センサーS1,S2」は,「検出手段」に, 「像流れ」は,「画像流れ」に,それぞれ相当する。 後者の「感光体1,帯電装置2,露光装置3,及び現像装置5」からなる装置群は,前者の明細書の段落【0020】の「感光体ドラム1にトナー像を形成する画像形成部は,以下のように感光体ドラムと,この感光体ドラムに作用する帯電手段,露光手段,現像手段などのプロセス手段により構成されている。」との記載を参酌すると,前者の「画像形成部」に相当していることは自明である。 後者の「中間調ドットパターン及びベタ画像パターン」は,画像パターンとして互いに異なるものであるから,前者の「第一のパターン画像と前記第一のパターン画像とは異なる第二のパターン画像」に相当する。 後者の「最低トナー像濃度の差」は,中間調ドットパターン及びベタ画像パターンを濃度センサーS1,S2によってトナー像濃度を測定し,感光体1回転あたりの最低トナー像濃度を検出して,2つのパターンの最低トナー像濃度の差を算出したものであるから,前者の「第一及び第二のパターン画像の検出結果」に相当することは自明である。 後者は,2つのパターンの最低トナー像濃度の差を算出して,該最低トナー像濃度の差が所定値以下になると像流れは実使用上問題がないレベルに抑えられると判断しており,これは,最低トナー像濃度の差が所定値以上であれば像流れが発生しており,所定値以下であれば発生していないと判断しているに等しく,中間調ドットパターン及びベタ画像パターンから像流れの発生を判定していることに他ならないから,前者の「検出手段が検出する前記第一及び第二のパターン画像の検出結果に基づいて前記像担持体の表面に画像流れが発生していることを判定」に相当することは自明である。 後者において,空運転にはクリーニング装置9の駆動が含まれているから,最低トナー像濃度の差が所定値以下になるまで行われる空運転中はクリーニング装置9が駆動されていることは自明である。そして,最低トナー像濃度の差が所定値以下になって,像流れが実使用上問題がないレベルに抑えられると判断ができると,該空回転を停止するのであるから,像流れが発生している判断される間,つまり空運転中は,クリーニング装置9の駆動が行われるといえる。したがって,後者は前者の「画像流れが発生していると判定される場合は前記清掃手段に清掃動作を行わせる」に相当する構成を有するものである。 後者の「画像形成装置30に関係する構成を総合的に制御」する「制御装置」は,前者の明細書の段落【0042】の「本実施形態の画像形成装置としての複合機101の各部,各部材の動作制御のため制御部(制御手段)50が設けられる。制御部50は,複合機101を構成する画像形成部51や定着装置11等の各部と接続され,例えば,感光体ドラム1等の回転,帯電,現像等の多様な制御を行う。」との記載を参酌すると,前者の「制御手段」に相当することは自明である。そして,後者の「制御装置」も,前者の「制御手段」も,画像形成装置における制御全般を司っていることから,画像形成のみならず,画像流れの発生判定の制御及び清掃の制御を行っていることも自明である。 以上のことより,両者は, 〈一致点〉 「像担持体にトナー像を形成する画像形成部と, 前記像担持体を清掃する清掃手段と, 前記像担持体の表面に形成した第一のパターン画像と前記第一のパターン画像とは異なる第二のパターン画像の濃度を検出する検出手段と, 前記検出手段が検出する前記第一及び第二のパターン画像の検出結果に基づいて前記像担持体の表面に画像流れが発生していることを判定し,前記画像流れが発生していると判定される場合は前記清掃手段に清掃動作を行わせる制御手段と, を備えた画像形成装置。」 である点で一致し,以下の点で相違している。 <相違点> 制御手段に関して,本願発明は「検出手段が検出する第一及び第二のパターン画像の検出結果に基づいて像担持体の表面に画像流れが発生していること及び該発生している画像流れの度合いを判定し,前記画像流れが発生していると判定される場合は清掃手段に清掃動作を行わせると共に,前記清掃手段に行わせる清掃動作を前記発生している画像流れの度合いに応じた清掃動作とする制御手段」を有しているのに対して,刊行物1発明では,画像形成装置30に関係する構成を総合的に制御する制御装置を備えるものの,具体的な制御内容,特に「画像流れの度合いの判定」及び「画像流れの度合いに応じた清掃動作」については明らかではない点。 4.判断 上記相違点について検討する。 刊行物2発明には,画像形成部5を有する複合機1であって,この複合機1の制御部8が,感光体ドラム52上に形成された像流れ検出用パターン画像Pを濃度センサ7が読み取り,該読み取った読取出力を基に演算された値である濃度センサ出力演算値Dから像流れの発生レベルの軽重を判定する点が記載され,該発生レベルの軽重に応じたエージング時間をテーブルを用いて決定して,エージングを行う点が記載されている。 ここで,刊行物2発明の「(像流れの)発生レベル」は,本願発明の「画像流れの度合い」に相当し,同様に「発生レベルの軽重に応じたエージング時間」は,「画像流れの度合いに応じた清掃動作」に相当する。 さらに,刊行物2発明の制御部8の一連の制御内容は,相違点に係る本願発明の発明特定事項に相当していることは自明である。 そして,本願発明も刊行物1及び2発明も,像担持体にトナー像を形成する画像形成部を有する画像形成装置において,像担持体に形成した画像流れ検出用のパターン画像の濃度を検出することによって,画像流れの発生を検出して,像担持体を清掃する点で,軌を一にしており,刊行物1発明の2種類のパターンのトナー像における最低トナー像濃度の差によって画像流れを判定した際の清掃手段の処理として,刊行物2発明の制御部が画像流れの度合いを判定して,画像流れの度合いに応じた清掃動作を行わせるよう制御する点を用いて,相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることに,なんら技術的困難性は認められない。 また,相違点に係る本願発明の発明特定事項としたことによって,本願発明において格別な作用効果が生じるものではないから,相違点に係る本願発明の発明特定事項は,刊行物1及び2発明から,当業者が容易に想到し得たものである。 そして,本願発明の発明特定事項全体によって奏される作用効果も,刊行物1及び2発明から,当業者が予測しうる程度のものである。 第3 むすび 以上のとおり,本願発明は,刊行物1及び2発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって,本願は,他の請求項について検討するまでもなく,拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2016-003104

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