特許拒絶査定不服審判
2015-022666
ラプチャーディスク
- 審判番号
- 2015-022666
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-532284外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年12月24日
- 審決日
- 2016年10月11日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ビーエス アンド ビー イノベーションズ リミテッド
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】大貫 敏史
- 【請求人代理人】江口 昭彦
- 【請求人代理人】内藤 和彦
- 分類
- P18 .121-Z (F16K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-532284「ラプチャーディスク」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 4月 7日国際公開、WO2011/041456、平成25年 2月28日国内公表、特表2013-506802〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、2010年(平成22年)9月29日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理2009年9月30日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成26年7月31日付けで拒絶の理由が通知され、これに対し平成27年2月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年8月31日日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年12月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に同日付けで特許請求の範囲を対象とする手続補正がなされたものである。
2.本願発明
平成27年12月24日付けで補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、本願の請求項1ないし62に係る発明は、その請求項1ないし62に記載された事項によって特定されるとおりのものであるところ、その請求項52に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「 順送金型の組を有するプレスを提供することであって、前記順送金型の組は第1の金型及び第2の金型を含む、プレスを提供することと、
ラプチャーディスク材料をラプチャーディスク形状に形成するように、前記ラプチャーディスク材料に前記第1の金型をプレスすることと、
前記第1の金型を前記ラプチャーディスク材料にプレスした後に、前記ラプチャーディスク材料を前記第2の金型まで動かすことと、
前記ラプチャーディスク材料に前記第2の金型をプレスしてラプチャーディスクを製造することと、を含む、反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法。」
3.引用例に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である特開平8-159315号公報(以下、「引用例」という。)には、次の記載がある。
ア.「【請求項1】 板状素材を用いて欠球面部と、この外端に湾曲連結部を介して円筒面部と、この円筒面部の下端にさらに湾曲連結部を介して環状平面部とを一体的に備えたことを特徴とする反転型破裂板。」
イ.「【請求項6】 反転型破裂板は、プレス成形によって成形されることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の反転型破裂板。」
ウ.「【0029】図10,図11は、本発明を成形するプレス成形に使用する金型構成60,61の断面図であり、図10は、通常のプレス成形の場合を示し、図11は、対向液圧成形の場合を示している。」
エ.「【0030】何れの場合でも、板状素材16をダイス62,62としわ押え63,63との間にはさみ、ポンチ64を押下げて反転型破裂板10,20,…を成形する。通常のプレス成形(図10)では、球面の精度を確保するため、また、エンボス部22,32を成形するために底突き金型65を必要とするが、対向液圧成形(図11)では、対向液66の圧力が、その代わりをするので、上記底突き金型65は不要である。」
そして、前記記載イないしエ及び図10の記載からみて、引用例に記載されたものは、前記ダイス,前記しわ押え、前記ポンチ及び前記底付き金型とからなる金型構成又は前記ダイス,前記しわ押え及び前記ポンチとからなる金型構成を有する金型を前記板状素材にプレスして反転型破裂板を成形しているから、前記板状素材を前記反転型破裂板の形状に形成するように、前記板状素材に前記金型をプレスしているといえる。
以上のことから、引用例に記載されている技術的事項を、本願発明に倣って整理すれば、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「 金型を含むプレスを提供することと、
板状素材を反転型破裂板の形状に形成するように、前記板状素材に前記金型をプレスすることと、を含む、
反転型破裂板を形成する方法。」
4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「反転型破裂板」は、その構成及び機能からみて、本願発明の「ラプチャーディスク」及び「反転座屈ラプチャーディスク」に相当する。そうすると、引用発明の「板状素材」及び「反転型破裂板の形状」は、それぞれ、本願発明の「ラプチャーディスク材料」及び「ラプチャーディスク形状」に相当する。
してみれば、引用発明の「金型」は、ラプチャーディスク材料をラプチャーディスク形状に形成するように該ラプチャーディスク材料にプレスされるものであるから、本願発明の「第1の金型」に相当する。
すると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は次のとおりである。
【一致点】
第1の金型を含む、プレスを提供することと、
ラプチャーディスク材料をラプチャーディスク形状に形成するように、前記ラプチャーディスク材料に前記第1の金型をプレスすることと、を含む、
反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法。
【相違点】
本願発明は、金型が第1の金型及び第2の金型を含む順送金型の組であり、ラプチャーディスク材料に第1の金型をプレスした後に、ラプチャーディスク材料を第2の金型まで動かし、ラプチャーディスク材料に第2の金型をプレスしてラプチャーディスクを製造することを含むものであるのに対し、引用発明は、金型が第2の金型を含む順送金型の組ではなく、このため、第1の金型をプレスした後に、ラプチャーディスク材料を第2の金型まで動かし、第2の金型をプレスしてラプチャーディスクを製造する工程を有さない点。
5.判断
前記相違点について検討する。
プレス加工によって製品を製造する際に、複数の工程を経て最終な製品を製造することが周知であり、また、材料としてコイル材(長い帯状の板状材料)を用い、当該コイル材料に製品の形状を形成した後、最終工程でコイル材との接続部分(製品外周等)を分断して最終的な製品を製造することもまた周知である(例えば、吉田弘美 著、『絵とき「プレス加工」基礎のきそ』、日刊工業新聞社、2006年3月25日発行、83~84頁、131~133頁(以下、「周知文献」という。)参照。)。
そうすると、引用例に接した当業者は、板状素材としてコイル材を選択し、「金型をプレスして反転型破裂板を成形する」工程の後に、成形された該反転型破裂板を別の第2の金型によって前記コイル材から分断する工程を備えるようにすることを、直ちに想起するものである。
そして、複数の行程から成るプレス加工を順送り金型の組を用いて行うことは、原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-248524号公報及び前記周知文献にも記載されているように、周知である。
してみれば、引用発明において、この周知の技術的事項を採用し、前記相違点に係る本願発明の特定事項を備えるようにすることは、当業者が容易になし得る事項である。
そして、本願発明が奏する作用効果も、引用発明及び周知の技術的事項から予測可能な範囲内のものであり、格別顕著なものとは認められない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
6.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2015-022666