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特許拒絶査定不服審判

2015-020152

電子機器、文字列表示方法、および文字列表示プログラム

審判番号
2015-020152
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-049697外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年11月10日
審決日
2017年02月20日
公報発行日
2017年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G09G) / P18 .537-WY (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014- 49697「電子機器、文字列表示方法、および文字列表示プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月 4日出願公開、特開2014-160252、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成20年8月27日(優先権主張 平成19年8月30日(以下、「優先日」という。))を国際出願日とする特願2009-530151号の一部を平成26年3月13日に新たな特許出願としたものであって、平成26年12月9日付けで拒絶理由が通知され、平成27年3月5日付けで手続補正がなされ、平成27年4月21日付けで拒絶理由が通知され、平成27年7月27日付けで手続補正がなされたが、平成27年9月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年11月10日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされ、当審において、平成28年7月13日付けで拒絶理由が通知され、平成28年10月13日付けで手続補正がなされ、平成28年10月25日付けで最後の拒絶理由が通知され、平成28年12月15日付けで手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本願発明 1 本件補正について 本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲(平成28年10月13日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲)の請求項5に「前記言語識別処理」とあった記載を「前記言語識別処理部」と補正し、本件補正前の特許請求の範囲の請求項8に「限度」とあった記載を「言語」と補正するものである。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第3号(誤記の訂正)に掲げる事項を目的とするものである。 また、本件補正は、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。 2 本願発明について 上記のとおり、本件補正は適法なものであるので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成28年12月15日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「 【請求項1】 ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶しているメモリ部と、 与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する言語識別処理部と、 前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えられたディスプレイに表示させる表示処理部と、 変数j=1とし、j番目の文字列の言語の識別の処理を行い、言語判定処理部に出力する言語識別処理部と、有し、 前記言語判定処理部は、変数jがソート対象文字列の個数kに等しいか否かを判別し、等しくなければjの値を1つ増やし、用意されたk個のソート対象文字列の全てに対して使用言語を識別して画数を確定し、変数jがkに等しくなれば、全てのソート対象文字列の画数が確定され、確定された画数に基づいてソート対象文字列をソートして、ソートの結果を表示して終了する電子機器であって、 前記言語識別処理部によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる機能を有することを特徴とする電子機器。 【請求項2】 前記言語識別処理部は、前記抽出された1文字が前記言語独特文字でなければ、前記文字列から別の1文字を抽出して該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かを判別する動作を繰り返し、前記文字列に1文字でも前記言語独特文字が含まれていれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定すること、を特徴とする請求項1に記載の電子機器。 【請求項3】 前記言語識別処理部は、前記文字列に前記言語独特文字が含まれない場合に、前記メモリ部に予め記憶されているユーザの指定した言語における字形によって前記文字列を表示すること、を特徴とする請求項2に記載の電子機器。 【請求項4】 前記ユニコード変換テーブルが、ユニコードによって記述された文字の複数の言語における画数を含み、 前記言語識別処理部が、複数の文字列の各々に対して当該文字列の属する言語を判定すると共に、前記複数の文字列を、判定された当該文字列の属する言語における前記画数によってソートし、前記ソートの結果を前記表示処理部に表示させる機能を有すること、 を特徴とする請求項1に記載の電子機器。 【請求項5】 ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶している電子機器が与えられた文字列を表示し、 与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出し、 前記文字列に含まれる任意の1文字を言語識別処理部がユニコード変換テーブルと照合して当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定し、 前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を表示処理部が予め備えられたディスプレイに表示させる表示方法であって、 変数j=1とし、j番目の文字列の言語の識別の処理を行い、言語判定処理部に出力し、 変数jがソート対象文字列の個数kに等しいか否かを判別し、等しくなければjの値を1つ増やし、用意されたk個のソート対象文字列の全てに対して使用言語を識別して画数を確定し、変数jがkに等しくなれば、全てのソート対象文字列の画数が確定され、確定された画数に基づいてソート対象文字列をソートして、ソートの結果を表示して終了する表示方法であって、 前記言語識別処理部によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる機能を有する、表示方法。 【請求項6】 前記抽出された1文字が前記言語独特文字でない場合に、前記言語識別処理部が前記文字列から別の1文字を抽出して該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かを判別する動作を繰り返し、前記文字列に1文字でも前記言語独特文字が含まれていれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定すること、を特徴とする請求項5に記載の表示方法。 【請求項7】 前記文字列が複数与えられ、前記ユニコード変換テーブルがユニコードによって記述された文字の複数の言語における画数を含むものであると共に、 前記言語識別処理部が、複数の前記文字列の各々に対して当該文字列の属する言語を判定すると共に、前記複数の文字列を、判定された当該文字列の属する言語における前記画数によってソートし、前記ソートの結果を前記表示処理部に表示させること、を特徴とする請求項5に記載の表示方法。 【請求項8】 ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶している電子機器にあって、 前記電子機器が備えているプロセッサに、 与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する、言語の識別手順、 表示処理部が前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えらえたディスプレイに表示させる表示手順、 変数j=1とし、j番目の文字列の言語の識別の処理を行い、言語判定処理部に出力する手順、 変数jがソート対象文字列の個数kに等しいか否かを判別し、等しくなければjの値を1つ増やし、用意されたk個のソート対象文字列の全てに対して使用言語を識別して画数を確定し、変数jがkに等しくなれば、全てのソート対象文字列の画数が確定され、確定された画数に基づいてソート対象文字列をソートして、ソートの結果を表示して終了する手順、 前記言語の識別手順によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる手順、 を実行させること、を特徴とする表示プログラム。 【請求項9】 前記文字列が複数与えられ、前記ユニコード変換テーブルがユニコードによって記述された文字の複数の言語における画数を含むものであり、 前記プロセッサに、複数の前記文字の各々に対して当該文字列の属する言語を判定すると共に、前記複数の文字列を、判定された当該文字列の属する言語における前記画数によってソートし、前記ソートの結果を前記表示処理部に表示させる手順をさらに実行させること、を特徴とする請求項8に記載の表示プログラム。」 第3 原査定の理由について 1 原査定の理由の概要 「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1-3,5-10 ・引用文献等 1-5 ・備考 引用文献1又は2に記載された発明において、文字テーブルに画数を記憶しておく周知の技術(引用文献3、引用文献4)、及び画数でのソートの結果を表示する周知の技術(引用文献4、引用文献5)を採用し、上記請求項に係る発明のような構成を想到することに特段の困難性は認められない。また、言語を特定するに当たって対象文字列の中から1文字を抽出する際して、順次抽出するか、ランダムに抽出するかなどによって得られる作用、効果に大差はないと認められる。してみると、文字抽出をどのように行うかなどは、実施時において当業者が適宜決め得る単なる設計的事項にすぎない。さらに、文字列のソートに関する周知の技術(引用文献4、引用文献5)において、そのソート対象の文字列数(変数k)を設定することなどは、当業者が適宜実施し得る単なる設計的事項にすぎない。 ・請求項 4 ・引用文献 1-5 ・備考 特定された言語が正しくない場合に、ユーザが任意に切り替えた言語で文字列をディスプレイに表示させる機能などは、周知、慣用の技術にすぎない。 <引用文献等一覧> 1.特開2007-172387号公報 2.特開2006-092223号公報 3.特開2003-223439号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2004-348185号公報(周知技術を示す文献) 5.特開平01-233550号公報(周知技術を示す文献)」 2 原査定の理由の判断 (1)刊行物の記載事項等 (刊行物1) 本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2007-172387号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、共通文字コードにより記述された文字列の表示処理を行うための文字処理装置、文字処理プログラム、文字処理方法に関する。」 「【0004】 これに対して近年、世界中の文字を表現可能な文字コードセット(共通文字コード)としてユニコードが策定されて、普及が進んでいる。このユニコードは、言語圏に依存することなく文字を特定することができるために、情報処理の対象となる文字が複数の言語圏に渡る場合であっても、誤認識することなく表現することが可能となる利点がある。」 「【0008】 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、共通文字コードにより表現された文字列を、適切なフォントを用いて表示することができる文字処理装置、文字処理プログラム、文字処理方法を提供することを目的としている。」 「【0015】 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 【0016】 [実施形態1] 図1から図11は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は情報処理装置1の構成を示すブロック図である。 【0017】 この情報処理装置1は、CPU101と、パワースイッチ102と、LCD表示装置103と、LCDドライバ104と、LCD照明装置105と、タッチ操作入力装置106と、AV出力回路107と、インジケータ108と、電源回路109と、バス110と、SDRAM111と、フラッシュメモリ112と、HDD113と、外部通信I/F114と、水晶振動子115と、を備え、文字処理装置として機能するものである。 【0018】 CPU101は、この情報処理装置1内の各部を制御する制御部であり、文字列表示言語判定手段、文字コード変換手段、探索手段を兼ねたものとなっている。 【0019】 パワースイッチ102は、ユーザの操作に応じて、この情報処理装置1の動作開始/停止を切り替えるための電源スイッチである。このパワースイッチ102は、CPU101に接続されている。 【0020】 LCD表示装置103は、文字列、画像、ビデオ等のコンテンツの情報を表示するための透過型のカラー液晶表示装置である。 【0021】 LCDドライバ104は、CPU101の制御に基づいて、LCD表示装置103を制御し表示を行わせるためのものである。 【0022】 LCD照明装置105は、CPU101の制御に基づいて、LCD表示装置103を背面側から照明するバックライトである。 【0023】 タッチ操作入力装置106は、LCD表示装置103の表示画面上に配設されていて、ユーザの指の接触位置、またはペンなどの接触用先端部を備えた部材の接触位置を検知するためのものである。このタッチ操作入力装置106の検出信号は、CPU101へ出力されるようになっている。 【0024】 そして、これらLCD表示装置103、LCDドライバ104、LCD照明装置105は、表示手段を構成している。さらに、これらLCD表示装置103、LCDドライバ104、LCD照明装置105、およびタッチ操作入力装置106は、タッチパネルを構成している。このタッチパネルを用いることにより、この情報処理装置1が必要とする操作キーを仮想的に実現することが可能である。従って、この情報処理装置1は、上述したパワースイッチ102以外の操作キーは特に備えていない。」 「【0030】 フラッシュメモリ112は、日付データやロケール情報等の各種データ、制御プログラムの一部、制御パラメータ等を記憶するための書き換え可能な不揮発性メモリである。このフラッシュメモリ112は、ロケール情報記憶手段であるとともに、文字列表示言語判定手段の一部を構成している。 【0031】 HDD113は、制御プログラムやコンテンツデータを保存しておくためのハードディスクドライブである。 【0032】 外部通信I/F114は、外部装置と通信するためのインタフェースであり、例えばUSBインタフェースがその一例として挙げられる。 【0033】 水晶振動子115は、上述したCPU101の動作クロックを、該CPU101へ供給するためのものである。 【0034】 次に、図2は、情報処理装置1のフラッシュメモリ112の記憶領域の構成を概念的に示す図、図3は、情報処理装置1のHDD113の記憶領域の構成を概念的に示す図である。 【0035】 図3に示すように、HDD113には、この情報処理装置1により扱う複数のコンテンツデータ(コンテンツH0001,コンテンツH0002,コンテンツH0003,…)113aが格納されている。 【0036】 また、図2に示すように、フラッシュメモリ112には、システム情報112aと、文字コード変換テーブル112bと、フォントテーブル112cと、が格納されている。システム情報112aは、日付データやロケール情報等を含んでいる。文字コード変換テーブル112bは、共通文字コードとしてのユニコードを用いた文字列の文字コードを、各言語固有の文字コードヘ変換する際に参照するデータベースであり、文字列表示言語判定手段を構成している。フォントテーブル112cは、各言語固有の文字コードに対応したフォントを格納するデータベースである。ここに、フォントテーブル112cは、言語別に存在しており、つまり、この情報処理装置1により扱う言語の数だけフォントテーブル112cが存在している(図2に示す例では、日本語フォント、簡体字フォント、繁体字フォント、韓国語フォント、…が記載されている)。 【0037】 上述したような文字コード変換テーブル112bは、具体的には、図4に示すようなデータ構造を備えている。図4は、文字コード変換テーブル112bのデータ構造を示す図である。 【0038】 すなわち、この文字コード変換テーブル112bは、ユニコードを表す列と、そのユニコードが表す字形に対応する各言語固有の文字コードを記録した列と、を有して構成されている。そして、各言語固有の文字コードを記録した列は、この情報処理装置1により扱う言語の数だけ登録されている。なお、ユニコードが表す字形に対応する言語固有の文字コードが存在しない場合は、対応する文字コードが存在しないことを示す値が記録されている。これにより、ある1つのユニコードが表す字形に対応する言語の数と、対応する各言語固有の文字コードと、を判定することが可能となっている。 【0039】 図5は、文字コード変換テーブル112bにおける、CJK(中国、日本、韓国)統合漢字の幾つかのユニコードとこれに対応する各言語固有の文字コードとの具体例を示す図表、図6は、図5における各言語固有の文字コードに対応する字形を具体的に示す図表である。 【0040】 例えばユニコード「U+9AA8」は、日本語、簡体字、繁体字、韓国語の4言語それぞれ固有の文字コードに対応しており、それぞれの言語において字形が異なっていることがわかる。 【0041】 また、ユニコード「U+76D0」は簡体字のみに対応し、ユニコード「U+76D3」は繁体字のみに対応していて、その結果、各ユニコードが表す字形も1つのみであることがわかる。このように、1つのユニコードに対して、言語、字形が一意に定まる文字、すなわち上述した文字コード変換テーブル112bにおいてあるユニコードに対応する言語固有の文字コードが1つのみである文字を、これ以降、言語特有文字と呼ぶことにする。 【0042】 図7は、情報処理装置1における、ユニコードにより表現された文字列の表示処理を示すフローチャートである。 【0043】 CPU101は、ユニコードにより表現された文字列の表示処理を行う場合には、この処理を実行する。なお、この処理に対応する制御プログラムは、例えばHDD113に記録されていて、実行する前にSDRAM11にロードされるようになっている。 【0044】 この処理を開始すると、CPU101は、まず、処理対象となる文字列の言語を判定するサブルーチンを実行する(ステップS101)。この文字列言語判定サブルーチンについては、後で図8を参照して詳しく説明する。 【0045】 次に、CPU101は、ステップS101の処理により決定された言語のフォントテーブル112cを、フラッシュメモリ112から読み出す(ステップS102)。 【0046】 続いて、ユニコードにより表現された文字列の先頭の文字データを処理対象として(ステップS103)、その文字データを文字コード変換テーブル112bに従って、ステップS101において決定した文字列の言語固有の文字コードに変換する(ステップS104)。 【0047】 ここで、文字列の言語固有の文字コードへの変換に成功したか否かを判定する(ステップS105)。」 「【0052】 こうして、ステップS105において変換が成功したと判定された場合には、変換後の言語固有の文字コードに対応したフォントを、ステップS102において読み出した言語固有のフォントテーブル112cから読み出して、LCD表示装置103に表示する(ステップS106)。」 「【0054】 ステップS106またはステップS107の処理を行ってユニコード1文字分のフォントを出力した後に、文字列における次の文字を処理対象としてセットする(ステップS108)。 【0055】 そして、セットしたデータが文字データであるか否か、つまり、文字列内に次の文字データが存在するか否か、を判定する(ステップS109)。 【0056】 ここで、次の文字データが存在する場合には、上記ステップ104に戻って、上述したような処理を繰り返して行う。 【0057】 また、ステップS109において、次の文字データが存在しないと判定された場合には、表示対象文字列の全ての文字についての処理が終了したことになるために、この文字列表示処理を終了する。」 「【0077】 図8は、図7のステップS101においてコールされる、文字列の言語を判定するサブルーチンの処理を示すフローチャートである。 【0078】 この処理を開始すると、まず、文字列の先頭データを処理対象文字データにセットして(ステップS151)、この処理対象文字データが言語特有文字であるか否かを判定する(ステップS152)。 【0079】 ここで、処理対象文字データが言語特有文字であるか否かの判定は、文字コード変換テーブル112bを用いて行われる。すなわち、この文字コード変換テーブル112bにおいて、処理対象のユニコード文字データに対応する言語固有の文字コードが1つのみである場合には、CPU101は、その処理対象文字が言語特有文字であると判定する。」 「【0101】 なお、上述では、文字列の先頭文字から順に文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにしているが、これに限るものではない。例えば、文字列の最後の文字から逆順に遡って文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とすることも可能である。あるいは、文字列を構成する全ての文字について文字列言語判定処理を行い、複数種類の言語特有文字が発見された場合には、最も出現頻度が高い言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにしても良い。」 ア 刊行物1の段落【0024】に「LCD表示装置103、LCDドライバ104、LCD照明装置105は、表示手段を構成している。」と記載され、また、段落【0018】には「CPU101は、この情報処理装置1内の各部を制御する制御部であり、文字列表示言語判定手段、文字コード変換手段、探索手段を兼ねたものとなっている。」と記載されている。これらの記載及び刊行物1の段落【0017】より、「情報処理装置1は、文字列表示言語判定手段、文字コード変換手段、探索手段を兼ねた制御部であるCPU101と、表示手段と、フラッシュメモリ112とを備え、文字処理装置として機能する。」との技術的事項を読み取ることができる。 イ 刊行物1の段落【0036】、【0038】及び【0041】より、「フラッシュメモリ112には、文字コード変換テーブル112bと、フォントテーブル112cと、が格納されており、文字コード変換テーブル112bは、共通文字コードとしてのユニコードを用いた文字列の文字コードを、各言語固有の文字コードヘ変換する際に参照するデータベースであって、文字列表示言語判定手段を構成し、ユニコードを表す列と、そのユニコードが表す字形に対応する各言語固有の文字コードを記録した列と、を有して構成され、ある1つのユニコードが表す字形に対応する言語の数(対応する言語固有の文字コードが1つのみである文字を、言語特有文字と呼ぶ)と、対応する各言語固有の文字コードと、を判定することが可能となっており、フォントテーブル112cは、各言語固有の文字コードに対応したフォントを格納するデータベースである。」との技術的事項を読み取ることができる。 ウ 刊行物1の段落【0101】、【0079】より、「文字列の先頭文字から順に文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにし、処理対象文字データが言語特有文字であるか否かの判定は、文字コード変換テーブル112bを用いて行われ、この文字コード変換テーブル112bにおいて、処理対象のユニコード文字データに対応する言語固有の文字コードが1つのみである場合には、CPU101は、その処理対象文字が言語特有文字であると判定する。」との技術的事項を読み取ることができる。 エ 刊行物1の段落【0054】ないし【0057】の記載より、刊行物1における文字コードの変換は、表示対象文字列の全ての文字について行われていることが読み取れるから、刊行物1の段落【0042】ないし【0047】、【0052】より、次の技術的事項を読み取ることができる。 「CPU101は、ユニコードにより表現された文字列の表示処理を行う場合(【0043】)、文字列言語判定処理により決定された言語のフォントテーブル112cを、フラッシュメモリ112から読み出し(【0045】)、ユニコードにより表現された表示対象文字列の全ての文字について、文字列の文字データを文字コード変換テーブル112bに従って、決定した文字列の言語固有の文字コードに変換し(【0046】)、変換後の言語固有の文字コードに対応したフォントを、言語固有のフォントテーブル112cから読み出して、LCD表示装置103に表示する。」 以上より、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「情報処理装置1は、文字列表示言語判定手段、文字コード変換手段、探索手段を兼ねた制御部であるCPU101と、表示手段と、フラッシュメモリ112とを備え、文字処理装置として機能し(「ア」より)、 フラッシュメモリ112には、文字コード変換テーブル112bと、フォントテーブル112cと、が格納されており、文字コード変換テーブル112bは、共通文字コードとしてのユニコードを用いた文字列の文字コードを、各言語固有の文字コードヘ変換する際に参照するデータベースであって、文字列表示言語判定手段を構成し、ユニコードを表す列と、そのユニコードが表す字形に対応する各言語固有の文字コードを記録した列と、を有して構成され、ある1つのユニコードが表す字形に対応する言語の数(対応する言語固有の文字コードが1つのみである文字を、言語特有文字と呼ぶ)と、対応する各言語固有の文字コードと、を判定することが可能となっており、フォントテーブル112cは、各言語固有の文字コードに対応したフォントを格納するデータベースであり(「イ」より)、 文字列の先頭文字から順に文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにし、処理対象文字データが言語特有文字であるか否かの判定は、文字コード変換テーブル112bを用いて行われ、この文字コード変換テーブル112bにおいて、処理対象のユニコード文字データに対応する言語固有の文字コードが1つのみである場合には、CPU101は、その処理対象文字が言語特有文字であると判定し(「ウ」より)、 CPU101は、ユニコードにより表現された文字列の表示処理を行う場合、文字列言語判定処理により決定された言語のフォントテーブル112cを、フラッシュメモリ112から読み出し、ユニコードにより表現された表示対象文字列の全ての文字について、文字列の文字データを文字コード変換テーブル112bに従って、決定した文字列の言語固有の文字コードに変換し、変換後の言語固有の文字コードに対応したフォントを、言語固有のフォントテーブル112cから読み出して、LCD表示装置103に表示する(「エ」より)、 情報処理装置1。」 (刊行物2) 本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2006-092223号公報(以下、「刊行物2」という。)には、次の技術事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、携帯通信端末及び多言語表示制御方法に係り、さらに詳しくは、異なる複数の言語ごとに割り当てられる文字コード、及び、各言語に共通に割り当てられる文字コードからなる統合コードにより記述された文字列を表示可能な携帯電話機などの携帯通信端末の改良に関する。」 「【0010】 本発明による携帯通信端末は、異なる2以上の言語ごとに割り当てられる文字コード、及び、各言語に共通に割り当てられる文字コードからなる統合コードにより記述された文字列を表示可能な携帯通信端末であって、各言語に共通に割り当てられる文字コードであって、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コードを特殊文字コードとし、この特殊文字コードに対応付けて言語ごとに異なる字形を記憶する字形記憶手段と、上記文字列を構成する各統合コードに基づいて、当該文字列に用いられている言語を判別する言語判定手段と、上記文字列を構成する各統合コードのうち、各言語に共通に割り当てられた文字コードについては判別された言語に対応する字形に変換して文字列を画面上に表示する文字列表示制御手段とを備えて構成される。」 「【0018】 実施の形態1. 図1は、本発明の実施の形態1による携帯通信端末の一構成例を示したブロック図である。本実施の形態による携帯通信端末1は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの小型の電子機器であり、ユニコード(Unicode)などの統合コードにより記述された文字情報の表示を行っている。 【0019】 この携帯通信端末1は、無線通信部2、主制御部3、操作入力制御部4、LCD5、表示制御部6、文字列解析部7、言語判定部8、コード変換テーブル9、言語識別部10、文字情報記憶部11及びユーザー指定記憶部12からなる。 【0020】 無線通信部2は、電子メールやウェブ(Web)ページなどの文字情報の送受信処理を行っている。アンテナを介して受信した電子メールや、インターネットなどの通信ネット ワーク上のサーバーからダウンロードしたウェブページは、文字情報記憶部11に格納される。 【0021】 操作入力制御部4は、オンフックキーやオフフックキー、テンキーなどの各種操作キーによる操作入力に関する制御を行っている。表示制御部6は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)5における文字情報の表示に関する制御を行っている。受信した電子メールやダウンロードしたウェブページは、ユーザーの操作入力により、必要に応じてLCD5上に表示させることができる。その際、電子メールやウェブページに用いられている言語に応じて字形を異ならせて文字表示が行われる。 【0022】 ここでは、日本語、繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語及び英語の5つの言語による文字情報が表示可能であるものとする。また、電子メールやウェブページなどの文字情報が統合コードによりエンコーディングされ、統合コードによって記述された文字列が文字情報として文字情報記憶部11に記憶されるものとする。統合コードは、異なる2以上の言語ごとに割り当てられる文字コード(以下、個別コードという)と、各言語に共通に割り当てられる文字コード(以下、共通コードという)からなるコード体系であり、ユニコードはその一例である。 【0023】 ユニコードは、各言語において用いられる全ての文字を32ビット(4バイト)のデジタルデータによりコード化させる文字コード規格である。このユニコードでは、異なる言語間で重複する文字や、意味または構造、語源が同一であるか、或いは、似通った文字同士に同一の文字コードが割り当てられている。 【0024】 例えば、日本語における漢字の「骨」は、繁体字中国語(Traditional Chinese)や簡体字中国語(Simplified Chinese)における漢字とは字形(glyph:グリフ)が異なっているにもかかわらず、これらの漢字に対して共通コード(0x9AA8(16進数による表記))が割り当てられている。また、日本語の「海」も、簡体字中国語とは字形が異なっているにもかかわらず、これらの漢字に対して共通コード(0x6D77)が割り当てられている。 【0025】 ここで、共通コードのうち、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コードを特殊文字コードと呼んで、異なる言語間であっても字形が異ならない文字を表す文字コードと区別すると、上記共通コード(0x9AA8及び0x6D77)はいずれも特殊文字コードである。文字情報記憶部11には、この様な特殊文字コードに対応付けて言語ごとに異なる字形が記憶されている。 【0026】 具体的には、「骨」の場合、日本語、繁体字中国語及び簡体字中国語間で互いに字形が異なり、日本語及び韓国語間で字形が同一となっている。また、「海」の場合には、日本語及び簡体字中国語間で字形が異なり、繁体字中国語、簡体字中国語及び韓国語間で字形が同一となっている。ここで、字形は、文字を画面上に表示する際の文字の形状、すなわち、フォントである。また、繁体字中国語は、主に台湾や香港で使用されている言語であり、簡体字中国語は、主に中国本土で使用されている言語である。 【0027】 コード変換テーブル9は、統合コードを各言語に対応付けるためのコード割り当てが格納されたデータベースである。すなわち、各文字コードは、このコード変換テーブル9によってそれぞれ所定の言語における所定の文字に対応付けられる。 【0028】 言語識別部10は、文字情報記憶部11から文字列を読み出して画面表示する際、当該文字列を構成する統合コードに対応する言語を識別し、文字列における各言語の出現頻度を出力する動作を行っている。 【0029】 各統合コードに対応する言語の識別は、コード変換テーブル9に基づいて文字ごとに行われ、識別結果に基づいて出現頻度が生成される。」 「【0032】 言語判定部8は、出現頻度に基づいて文字列に用いられている言語を判別する動作を行っている。具体的には、文字列解析部7による出現頻度の比較の結果、出現頻度が閾値レベルを超える言語が存在する場合、当該言語が判別結果として出力される。例えば、繁体字中国語の出現頻度が80%を超えていれば、読み出した文字列に使用されている言語は繁体字中国語であるとみなされ、当該文字列を構成する各統合コードのうち、特殊文字コードについては判別された言語に対応する字形、すなわち、繁体字中国語の字形に変換して文字列が画面表示される。 【0033】 ユーザー指定記憶部12は、ユーザーに択一的に選択させた言語の種類をユーザー指定言語として記憶するメモリである。すなわち、ユーザーの操作入力によりデフォルトの設定言語を必要に応じて変更することができる。 【0034】 文字列解析部7による出現頻度の比較の結果、いずれの言語についてもその出現頻度が閾値レベルを超えない場合には、ユーザー指定記憶部12に予め記憶されているユーザー指定言語が判別結果として出力される。つまり、この場合には、特殊文字コードにより表された文字はデフォルトの設定言語による字形で画面表示される。 【0035】 これにより、文字列における各言語の出現頻度から当該文字列に用いられている言語が判別され、文字列が画面上に表示される。その際、共通コードについては判別された言語に対応する字形によって文字表示が行われるので、言語ごとに字形が異なる文字に同一の文字コードが割り当てられる文字が文字列に含まれる場合であっても、文字列に用いられている言語に対応する適切な字形で文字表示させることができる。 【0036】 図2のステップS101~S107は、図1の携帯通信端末における文字列表示の動作例を示したフローチャートである。まず、ユーザーにより文字情報の閲覧操作が行われると、言語識別部10は、この操作入力に基づいて文字情報記憶部11から文字列を読み出し、当該文字列を構成する各統合コードに対応する言語を識別する処理を開始する(ステップS101,S102)。 【0037】 次に、コード変換テーブル9に基づいて、言語の識別結果から文字列における各言語の出現頻度が算出される(ステップS103)。文字列解析部7は、算出された各言語の出現頻度を所定の閾値レベルと比較し、文字列の解析処理を行う。 【0038】 言語判定部8は、この文字列の解析処理の結果に基づいて文字列に使用されている言語を判別する(ステップS104)。このとき、出現頻度が閾値レベルを超える言語が存在すれば、当該言語が判別結果として出力され、その言語に対応する字形により文字列が画面表示される(ステップS105,S106)。 【0039】 一方、出現頻度が閾値レベルを超える言語が存在しなかった場合には、ユーザー指定言語が判別結果として出力され、ユーザー指定言語に対応する字形で文字列が画面表示される(ステップS107)。 【0040】 本実施の形態によれば、共通コードについては判別された言語に対応する字形によって文字表示が行われるので、言語ごとに字形が異なる文字に同一の文字コードが割り当てられる文字が文字列に含まれる場合であっても、文字列に用いられている言語に対応する適切な字形で文字表示させることができる。従って、ユニコードなどの統合コードにより記述された文字列を表示させる場合に、常に字形の表示を正しく行わせることができる。 【0041】 なお、本実施の形態では、文字列における各言語の出現頻度に基づいて当該文字列に使用されている言語が判別される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、文字列に含まれる特定の個別コードに着目し、この個別コードに基づいて当該文字列に用いられている言語を判別しても良い。」 刊行物2の段落【0041】の記載に従い、「実施の形態1.」における「文字列における各言語の出現頻度」に基づく言語判別を、「文字列に含まれる特定の個別コード」に基づく言語判別に読み替えると、刊行物2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 「携帯通信端末1は、主制御部3、LCD5、表示制御部6、言語判定部8、コード変換テーブル9、言語識別部10、文字情報記憶部11からなり(【0019】より)、 表示制御部6は、LCD5における文字情報の表示に関する制御を行っており、用いられている言語に応じて字形を異ならせて文字表示が行われ(【0021】より)、 統合コードによって記述された文字列が文字情報として文字情報記憶部11に記憶され、統合コードは、異なる2以上の言語ごとに割り当てられる文字コード(以下、個別コードという)と、各言語に共通に割り当てられる文字コード(以下、共通コードという)からなるコード体系であり、ユニコードはその一例であり(【0022】より)、 共通コードのうち、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コードを特殊文字コードと呼んで、異なる言語間であっても字形が異ならない文字を表す文字コードと区別すると、文字情報記憶部11には、この様な特殊文字コードに対応付けて言語ごとに異なる字形が記憶されており(【0025】より)、 コード変換テーブル9は、統合コードを各言語に対応付けるためのコード割り当てが格納されたデータベースであり、すなわち、各文字コードは、このコード変換テーブル9によってそれぞれ所定の言語における所定の文字に対応付けられ(【0027】より)、言語識別部10は、文字情報記憶部11から文字列を読み出して画面表示する際、当該文字列を構成する統合コードに対応する言語を識別し(【0028】より)、各統合コードに対応する言語の識別は、コード変換テーブル9に基づいて文字ごとに行われ(【0029】より)、 言語判定部8は、文字列に用いられている言語を判別する動作を行っており(【0032】より)、文字列に含まれる特定の個別コードに着目し、この個別コードに基づいて当該文字列に用いられている言語を判別し(【0041】より)、 当該文字列に用いられている言語が判別され、文字列が画面上に表示される(【0035】より)、携帯通信端末1。」 (刊行物3) 原査定の拒絶の理由において周知技術を示す文献として引用された特開2003-223439号公報(以下、「刊行物3」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0080】また、漢字検索装置100は、入力手段121から入力された要素の読み及び算術記号に基づいて漢字を検索するための式(以下、検索式という)を組み立てる検索式組立手段101と、検索式組立手段101で立てられた検索式に基づいて漢字を検索する漢字検索手段105と、を有して構成される。」 「【0097】また、このように検索式が決定されると、検索式組立手段101は、決定した検索式「隹+口+虫」を漢字検索手段105に入力する。漢字検索手段105では、入力された検索式「隹+口+虫」に基づいて漢字情報ファイル114より対応する漢字を検索し、これにより得られた検索結果を一覧として表示手段122に呈示する。従って、ユーザは、このように呈示された一覧の中から所望する漢字を入力手段121を用いて選択する。」 「【0106】・・漢字情報ファイル114 また、図2における漢字情報ファイル114のデータ構成を図5に示す。図5を参照すると、漢字情報ファイル114では、各漢字に関して、本実施例で適用する文字コード(本実施例ではISO 10646=ユニコード:Unicode)のコード番号と、字形と、画数と、漢字を構成する要素(部首,部品,常用漢字等)と、が対応付けられている。ここで、字形とは、同一の漢字に関して、日本,中国,台湾,韓国,ベトナム等及び時代変遷によって変化した異体字形等のそれぞれにおける字の形である。但し、一般的に現代中国では簡体字が用いられており、また台湾では繁体字が用いられている。また、格納される要素の数は、上述したように最大で4つとするとよい。上述にも有るように、各部品を更に細分化する場合は、上記構成に限定されず、4つ以上としてもよい。 【0107】また、画数としては、漢字全体の総画数の他に、部首を除いた部分に関する画数も格納するよう構成するとよい。」 よって、刊行物3には、次の技術(以下、「刊行物3に記載された技術」という。)が記載されている。 「漢字情報ファイル114より対応する漢字を検索し、これにより得られた検索結果を一覧として表示手段122に呈示する、漢字検索装置100であって、 漢字情報ファイル114では、各漢字に関して、ユニコードのコード番号と、字形と、画数が対応付けられ、画数としては、漢字全体の総画数が格納されている、漢字検索装置100。」 (刊行物4) 原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された特開2004-348185号公報(以下、「刊行物4」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0008】 情報処理装置10は、文書情報を用いて情報の処理を行うアプリケーションプログラム20-1~Nと、複数のアプリケーションプログラムに共通な文字コードの情報を提供するオペレーティングシステム30とを備える。アプリケーションプログラム20-1は、情報処理装置10を、文書情報入力部210と、アプリケーション種別検出部220と、属性情報入力部230と、文字列並替部240と、文字列検索部250と、文字列出力部260として機能させる。アプリケーションプログラム20-2~Nのそれぞれは、アプリケーションプログラム20-1と略同一であるので説明を省略する。 【0009】 文書情報入力部210は、複数の文字列を含む文書情報を入力し、アプリケーション種別検出部220、文字列並替部240、及び文字列検索部250に送る。入力方法として、好ましくは、文書情報入力部210は、文字列の読みを示す入力文字列を利用者から受け付け、当該入力文字列を、文字コードを複数配列した出力文字列に仮名漢字変換し、当該出力文字列を文書情報として入力する。 【0010】 ここで、文書情報入力部210により入力される文字コードは、文字特定情報である属性情報に、更に、各文字コードの文字特定情報に付加された、当該文字コードにより識別される文字の属性を示す拡張情報を含む。例えば、文字が漢字である場合の属性情報とは、文字が属する言語の種類、文字の音読み、部首、及び画数の組合せである。また、拡張情報とは、文字の訓読みを識別する情報及び文字が人名用漢字であるか否かを示す情報である。」 「【0014】 文字列並替部240は、属性情報入力部230から受け取った情報が属性種類情報である場合に、文書情報入力部210から受け取った文書情報に含まれる複数の文字列を、当該複数の文字列のそれぞれに含まれる各文字の文字コードに含まれる属性情報に基づき並び替え、並び替えた結果の文字列を文字列出力部260に送る。例えば、文字列並替部240は、各文字の文字コードに含まれる属性情報のうち、属性情報入力部230から受け取った属性種類情報が示す種類の情報に基づいて並び替えを行う。一例としては、各文字の属性情報が文字の読み、部首、又は画数を識別する情報である場合に、属性情報入力部230から受け取った属性種類情報が文字の画数を示しているのであれば、文字列並替部240は、各文字列の先頭の文字の画数が少ない順に、文字列を並び替える。」 よって、刊行物4には、次の技術(以下、「刊行物4に記載された技術」という。)が記載されている。 「アプリケーションプログラム20-1は、情報処理装置10を、文書情報入力部210と、文字列並替部240と、文字列出力部260として機能させ、 文書情報入力部210により入力される文字コードは、文字特定情報である属性情報を含み、例えば、文字が漢字である場合の属性情報とは、文字が属する言語の種類、文字の音読み、部首、及び画数の組合せであり、 文字列並替部240は、文書情報入力部210から受け取った文書情報に含まれる複数の文字列を、当該複数の文字列のそれぞれに含まれる各文字の文字コードに含まれる属性情報に基づき並び替え、並び替えた結果の文字列を文字列出力部260に送り、一例としては、各文字の属性情報が文字の読み、部首、又は画数を識別する情報である場合に、属性情報入力部230から受け取った属性種類情報が文字の画数を示しているのであれば、文字列並替部240は、各文字列の先頭の文字の画数が少ない順に、文字列を並び替える」技術。 (刊行物5) 原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された特開平1-233550号公報(以下、「刊行物5」という。)には、次の事項が記載されている。 「中国語ワードプロセッサはピンインの音節部分をキー入力する方式が採用されている。」(第2頁左上欄第19~20行) 「〔課題を解決するための手段及び作用〕 中国語漢字には、前述の如く発音を表記するためのピンインと称される音標文字の他に、漢字一つ一つに中国国家標準文字コード(以下国標コード)と称される4桁の16進コードが存在する。コードはBOA1~D5F9まで発音順に並べられた国標第1漢字と、D6A1~F7FEまで部首、画数順に並べられた国標第2漢字からなる。さらに漢字には日本語と同様画数がある。 本発明は、1つの音節単位に同一の音節を持つ漢字群を、ピンインの声調と、画数と、国標コードの3要素により漢字ごとに昇順に並べ換え(ソート)した辞書ファイルを作成する。この辞書ファイルを参照し、ピンインの音節部分をアルファベットで入力すると該当する漢字がメニュー画面に表示される。表示された漢字群は入力されたピンインの音節と同一の音節をもつものである。この場合、表示の順序は声調符号の1声から順に表示し、声調が同じであれば画数の少ないものから表示し、画数が同じであれば国標コードの小さいものから表示される。このような表示順序は、中国において、日常、頻度の高い順に使用されるデータでソートされている新華字典の内容に近いものとなり、ユーザは所望する漢字の出現を想定しやすくなる。 〔実施例〕 第1図は本発明による中国語の表示方式に用いる辞書ファイルの要部構成図である。図において、1,2,3・・・はピンインの音節部分であり、11,12,13・・・は音節1に対して同一の音節をもち、声調と、画数と、国標コードで各々昇順にソートした漢字順である。前述のように同一の音節から文字を特定するにはまず、漢字群を声調の順で並べ、同一の声調があるときにはこれを画数の順で並べ、同一の画数があるときは国標コードの順で特定する。」(第2頁右上欄第13行~同頁右下欄第9行) よって、刊行物5には、次の技術(以下、「刊行物5に記載された技術という。」)が記載されている。 「1つの音節単位に同一の音節を持つ漢字群を、ピンインの声調と、画数と、国標コードの3要素により漢字ごとに昇順に並べ換え(ソート)した辞書ファイルを作成し、この辞書ファイルを参照し、ピンインの音節部分をアルファベットで入力すると該当する漢字がメニュー画面に表示され、表示の順序は声調符号の1声から順に表示し、声調が同じであれば画数の少ないものから表示し、画数が同じであれば国標コードの小さいものから表示される、中国語の表示方式。」 (2)対比・判断 (請求項1に係る発明について) (2-1)引用発明1を主引用例とした場合 ア 対比 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と引用発明1とを対比する。 (ア)引用発明1において、「文字コード変換テーブル112bは、共通文字コードとしてのユニコードを用いた文字列の文字コードを、各言語固有の文字コードヘ変換する際に参照するデータベースであって、文字列表示言語判定手段を構成し、ユニコードを表す列と、そのユニコードが表す字形に対応する各言語固有の文字コードを記録した列と、を有して構成され、ある1つのユニコードが表す字形に対応する言語の数(対応する言語固有の文字コードが1つのみである文字を、言語特有文字と呼ぶ)と、対応する各言語固有の文字コードと、を判定することが可能となっており」、「フォントテーブル112cは、各言語固有の文字コードに対応したフォントを格納するデータベースであ」るから、「文字コード変換テーブル112bと、フォントテーブル112c」は、両者相まって、ユニコードと、そのユニコードが表す字形と、そのユニコードが表す字形に対応する言語の数が1つのみである言語特有文字か否かの情報を含むものといえる。 よって、引用発明1における「文字コード変換テーブル112bと、フォントテーブル112c」とを「格納」する「フラッシュメモリ112」が、本願発明1における「ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶しているメモリ部」に相当するといえる。 (イ)引用発明1における「文字列の先頭文字から順に文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにし、処理対象文字データが言語特有文字であるか否かの判定は、文字コード変換テーブル112bを用いて行われ、この文字コード変換テーブル112bにおいて、処理対象のユニコード文字データに対応する言語固有の文字コードが1つのみである場合には、CPU101は、その処理対象文字が言語特有文字であると判定する」ことは、「CPU101」が「制御部」であることを踏まえれば、本願発明1における「与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する言語識別処理部」であって、「文字列の言語の識別の処理を行い、言語判定処理部に出力する言語識別処理部」とは、「与えられた文字列の中から1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する、文字列の言語の識別の処理を行う、言語識別処理部」の点で共通する。 (ウ)引用発明1における「CPU101は、ユニコードにより表現された文字列の表示処理を行う場合、文字列言語判定処理により決定された言語のフォントテーブル112cを、フラッシュメモリ112から読み出し、ユニコードにより表現された表示対象文字列の全ての文字について、文字列の文字データを文字コード変換テーブル112bに従って、決定した文字列の言語固有の文字コードに変換し、変換後の言語固有の文字コードに対応したフォントを、言語固有のフォントテーブル112cから読み出して、LCD表示装置103に表示する」ことは、「CPU101」が「制御部」であることを踏まえれば、本願発明1における「前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えられたディスプレイに表示させる表示処理部」に相当する。 すると、本願発明1と引用発明1との一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶しているメモリ部と、 与えられた文字列の中から1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する、文字列の言語の識別の処理を行う、言語識別処理部と、 前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えられたディスプレイに表示させる表示処理部と、 を有することを特徴とする電子機器。」 (相違点1) 本願発明1では、言語識別処理部が、与えられた文字列の中から「ランダムに1文字を抽出」して前記ユニコード変換テーブルと照合しているのに対し、引用発明1では、「文字列の先頭文字から順」に、文字コード変換テーブル112bを用いて、文字列言語判定処理を行なっているのであって、文字列言語判定処理を、文字列の中からランダムに1文字を抽出して行うことは示されていない点。 (相違点2) 本願発明1では、言語識別処理部が、「変数j=1とし、j番目の」文字列の言語の識別の処理を行い、「言語判定処理部に出力し」、「言語判定処理部」が、「変数jがソート対象文字列の個数kに等しいか否かを判別し、等しくなければjの値を1つ増やし、用意されたk個のソート対象文字列の全てに対して使用言語を識別して画数を確定し、変数jがkに等しくなれば、全てのソート対象文字列の画数が確定され、確定された画数に基づいてソート対象文字列をソートして、ソートの結果を表示して終了する」ものであって、「前記言語識別処理部によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる機能を有する」のに対し、引用発明1における「文字列言語判定処理」は、「表示対象文字列」について「文字列言語判定処理」を行っているものの、ソート対象文字列についての処理は示されていない点。 イ 判断 そこで、まず、上記相違点1について検討すると、刊行物1には、段落【0101】に「なお、上述では、文字列の先頭文字から順に文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにしているが、これに限るものではない。例えば、文字列の最後の文字から逆順に遡って文字列言語判定処理を行い、最初に発見された言語特有文字の言語を、文字列言語とすることも可能である。あるいは、文字列を構成する全ての文字について文字列言語判定処理を行い、複数種類の言語特有文字が発見された場合には、最も出現頻度が高い言語特有文字の言語を、文字列言語とするようにしても良い。」とする技術が記載されているものの、文字列からランダムに文字を抽出して文字列言語判定処理を行うことは、記載も示唆もされていない。 また、刊行物3~5にも、文字列からランダムに文字を抽出して文字列言語判定処理を行うことは記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるとも認められない。 よって、上記相違点1に係る本願発明1の構成は、刊行物1、3~5に記載も示唆もされておらず、周知技術ともいえない以上、作用効果に顕著性が認められないことの一事をもって、当該構成を採用することが当業者にとって容易になし得たものであるということはできない。 従って、相違点1は、刊行物1、3~5に記載された技術を考慮しても、当業者が容易になし得たことではない。 ウ まとめ 以上のとおり、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明1、刊行物1、3~5に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2-2)引用発明2を主引用例とした場合 ア 対比 本願発明1と引用発明2とを対比する。 (ア)引用発明2において、「ユニコード」は「統合コード」の「一例であ」り、そして、「統合コードは、異なる2以上の言語ごとに割り当てられる文字コード(以下、個別コードという)と、各言語に共通に割り当てられる文字コード(以下、共通コードという)からなるコード体系であり、共通コードのうち、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コードを特殊文字コードと呼んで、異なる言語間であっても字形が異ならない文字を表す文字コードと区別すると、文字情報記憶部11には、この様な特殊文字コードに対応付けて言語ごとに異なる字形が記憶されて」ることが示されている。 よって、引用発明2において「文字コード」が、「個別コード」であるか「共通コード」であるかの情報が、本願発明1における「当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報」に相当するといえる。 (イ)引用発明2における 「コード変換テーブル9」は、「ユニコード」を一例とする「統合コードを各言語に対応付けるためのコード割り当てが格納されたデータベースであり、すなわち、各文字コードは、このコード変換テーブル9によってそれぞれ所定の言語における所定の文字に対応付けられ」ている。 さらに、引用発明2における「文字列に用いられている言語」の「判別」は、「文字列に含まれる特定の個別コードに着目し、この個別コードに基づいて」行われている。 よって、上記「ア」を踏まえれば、引用発明2における「コード変換テーブル9」、及び、「文字情報記憶部11」に記憶された「特殊文字コード」(共通コードのうち、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コード)と「言語ごとに異なる字形」とを「対応付け」たものが、本願発明1における「ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブル」に相当するといえる。 (ウ)一般に、携帯通信端末における「テーブル」を、メモリに記憶することは自明のことであるから、引用発明2における「コード変換テーブル9」を記憶したメモリと、「特殊文字コード」(共通コードのうち、異なる言語間で字形が異なる文字を表す文字コード)と「言語ごとに異なる字形」とを「対応付け」たものを記憶した「文字情報記憶部11」とが、本願発明1における「ユニコード変換テーブルを予め記憶しているメモリ部」に相当するといえる。 (エ)引用発明2における「言語判定部8」は、「文字列に用いられている言語」を「判別」するものであって、「文字列に用いられている言語を判別する動作を行っており、文字列に含まれる特定の個別コードに着目し、この個別コードに基づいて当該文字列に用いられている言語を判別し」ている。そして、その言語を判別の際、言語識別部10が、「コード変換テーブル9に基づいて」、当該「個別コード」に「対応する言語を識別」していると認められるから、「個別コード」が「異なる2以上の言語ごとに割り当てられる文字コード」である点(上記「ア」参照。)を踏まえると、引用発明2における「言語判定部8」と、本願発明1における「与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する言語識別処理部」であって、「文字列の言語の識別の処理を行い、言語判定処理部に出力する言語識別処理部」とは、「与えられた文字列の中から1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する、文字列の言語の識別の処理を行う、言語識別処理部」の点で共通するといえる。 (オ)引用発明2における「表示制御部6」は、「LCD5における文字情報の表示に関する制御を行っており、用いられている言語に応じて字形を異ならせて文字表示が行われ」るものである。そして、引用発明2において、言語ごとに異なる字形は「文字情報記憶部11」に記憶されており、その各統合コード(すなわち、「ユニコード」)に対応する「言語」の「識別」は、「言語識別部10」により、「コード変換テーブル9に基づいて文字ごとに行われ」たものであるから、結局、引用発明2における「表示制御部6」は、本願発明1における「前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えられたディスプレイに表示させる表示処理部」に相当するといえる。 よって、本願発明1と引用発明2との一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) ユニコードによって記述された文字の複数の言語における字形および当該文字が特定の言語にのみ含まれる言語独特文字であるか否かの情報を含むユニコード変換テーブルを予め記憶しているメモリ部と、 与えられた文字列に用いられる文字を前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する、文字列の言語の識別の処理を行う、言語識別処理部と、 前記特定された言語において前記ユニコード変換テーブルに含まれている字形によって前記文字列を予め備えられたディスプレイに表示させる表示処理部と、 を有することを特徴とする電子機器。」 (相違点1) 本願発明1では、言語識別処理部が、与えられた文字列の中から「ランダムに1文字を抽出」して前記ユニコード変換テーブルと照合しているのに対し、引用発明2では、「各統合コードに対応する言語の識別は、コード変換テーブル9に基づいて文字ごとに行われ」、言語判定部8は、「文字列に用いられている言語を判別する動作を行っており、文字列に含まれる特定の個別コードに着目し、この個別コードに基づいて当該文字列に用いられている言語を判別」しているものの、言語の識別を、文字列の中からランダムに1文字を抽出して行うことは示されていない点。 (相違点2) 本願発明1では、言語識別処理部が、「変数j=1とし、j番目の」文字列の言語の識別の処理を行い、「言語判定処理部に出力し」、「言語判定処理部」が、「変数jがソート対象文字列の個数kに等しいか否かを判別し、等しくなければjの値を1つ増やし、用意されたk個のソート対象文字列の全てに対して使用言語を識別して画数を確定し、変数jがkに等しくなれば、全てのソート対象文字列の画数が確定され、確定された画数に基づいてソート対象文字列をソートして、ソートの結果を表示して終了する」ものであって、「前記言語識別処理部によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる機能を有する」のに対し、引用発明2における「言語判定部8」で「文字列に用いられている言語が判別され、文字列が画面上に表示される」ものの、ソート対象文字列についての処理は示されていない点。 イ 判断 まず、上記相違点1について検討すると、刊行物3~5には、文字列からランダムに文字を抽出して文字列言語判定処理を行うことは記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるとも認められない。 よって、上記相違点1に係る本願発明1の構成は、刊行物3~5に記載も示唆もされておらず、周知技術ともいえない以上、作用効果に顕著性が認められないことの一事をもって、当該構成を採用することが当業者にとって容易になし得たものであるということはできない。 ウ まとめ 従って、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明2及び刊行物3~5に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (請求項2~4に係る発明について) 本願の請求項2~4(本件補正後)に係る発明は、本願の請求項1に係る発明を技術的に限定したものであるから、上記「(請求項1に係る発明について)」にて述べたのと同様の理由から、引用発明1及び刊行物1、3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、引用発明2及び刊行物3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (請求項5~9に係る発明について) 本願の請求項5~7(本件補正後)に係る発明は、「電子機器」に係る本願の請求項1、2及び4(本件補正後)に係る発明を、「表示方法」として表現したものであるから、上記「(請求項1に係る発明について)」「(請求項2~4に係る発明について)」にて述べたのと同様の理由により、引用発明1及び刊行物1、3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、引用発明2及び刊行物3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、請求項8、9(本件補正後)に係る発明は、「表示方法」として表現された本願の請求項5、7(本件補正後)に係る発明を、「表示プログラム」として表現したものであるから、同様の理由により、引用発明1及び刊行物1、3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、引用発明2及び刊行物3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 3 原査定の拒絶の理由についてのまとめ 以上のとおり、本願の請求項1ないし9(本件補正後)に係る発明は、引用発明1及び刊行物1、3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、引用発明2及び刊行物3~5に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 よって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第4 当審の拒絶理由について 1 当審の拒絶理由の概要 (1)平成28年7月13日付けの拒絶の理由の概要 「理由1 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) (請求項9、10に係る発明について) 請求項9、10に係る発明は、引用例1又は引用例2に記載された発明、中国語の文字列を、頭文字の漢字の画数でソートして表示する周知の事項(例えば、引用例3)、及び、繁体字と簡体字とで画数の異なる文字を同じユニコードの文字として扱う周知の事項(例えば、引用例4)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 引 用 文 献 等 一 覧 引用例1:特開2007-172387号公報 引用例2:特開2006-92223号公報 引用例3:特開2005-300934号公報 引用例4:uedadaj、語句楽散歩、繁體字 と▼簡▲体字(2):骨 と 骨、[online]、2006-04-18、インターネット <URL: http://uedadaj.exblog.jp/1829195>(当審注:▼簡▲は、置換文字である。) 理由2 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (請求項1~請求項10について) 請求項1における「前記表示処理部は、ユーザにデフォルトの設定言語としてあらかじめ選択させた言語の種類をユーザ指定言語として保存するユーザ指定保存処理部を備え、誤った判別結果が出て誤った字形で文字が表示された状態で、前記ユーザ指定保存処理部を利用しており、前記ユーザが任意に使用言語を切り替えて電子メールやウェブページを表示してなる」との記載は、 (1)「誤った判別結果が出て」とあるが、言語の特定が正しいか、誤っているかを「判別」し「結果」を出すのはユーザであって、電子機器ではないから、適切でない。 (2)上記記載は、ユーザ指定保存処理部に保存されたデフォルトの設定言語に切り替えることを意味している(段落【0024】参照)のか、任意(デフォルトに限られない)の言語に切り替えることを意味している(段落【0036】参照)のか、曖昧である。 よって、請求項1及び請求項1を引用する請求項2~5の記載は明確でない。 請求項6及び請求項6を引用する請求項7~8の記載、並びに、請求項9及び請求項9を引用する請求項10の記載についても、同様である。 (請求項9、10について) 請求項9に記載された「言語独特文字であるか否かの情報」が、言語の識別にどのように用いられるのか、特定されていないため、請求項9に係る発明がどのようなものであるのか、不明瞭である。 よって、請求項9及び請求項9を引用する請求項10の記載は明確でない。 」 (2)平成28年10月25日付けの最後の拒絶の理由の概要 「理由 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 1 請求項5に、「前記言語識別処理」とあるのは「前記言語識別処理部」の誤記と認められる。 2 請求項8に「限度」とあるのは、「言語」の誤記と認められる。 よって、請求項5、8及びこれらの記載を引用する請求項6~7、9に係る発明は明確でない。」 2 当審拒絶理由の判断 (1)平成28年7月13日付けの拒絶理由(以下、「当審最初の拒絶理由」という。)について ア 理由1について 当審最初の拒絶理由において、請求項6、8に係る発明(本件補正後の請求項5、7に係る発明)については、理由1は該当しないとされた。 そして、本件補正により、当審最初の拒絶理由における理由1の対象とされた請求項9、10に係る発明(本件補正後の請求項8、9に係る発明)は、「表示方法」と「表示プログラム」との表現上の相違を除けば、(理由1が該当しないとされた)請求項6、8に係る発明(本件補正後の請求項5、7に係る発明)と同じ発明特定事項を有するものとなった。 よって、本件補正により、当審最初の拒絶理由における理由1の対象となった請求項9、10に係る発明(本件補正後の請求項8、9に係る発明)は、引用例1又は引用例2に記載された発明、中国語の文字列を、頭文字の漢字の画数でソートして表示する周知の事項(例えば、引用例3)、及び、繁体字と簡体字とで画数の異なる文字を同じユニコードの文字として扱う周知の事項(例えば、引用例4)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 イ 理由2について (ア)本件補正により、当審最初の拒絶理由で指摘した請求項1の記載箇所は、「前記言語識別処理部によって前記特定された言語が正しくない場合に、前記表示処理部が、ユーザが任意に切り替えた言語で前記文字列を前記ディスプレイに表示させる機能を有する」と補正された(なお、平成28年10月13日付けの手続補正の際に生じた誤記については、次の「(2)」で述べるとおり、本件補正により、解消している。)。 これにより、言語の特定が正しいか、誤っているかを「判別」し「結果」を出すのが「ユーザ」であることが明確になった。 また、本件補正により、請求項1の記載を曖昧なものとしていた「ユーザにデフォルトの設定言語としてあらかじめ選択させた言語の種類をユーザ指定言語として保存するユーザ指定保存処理部を備え」との記載が削除されたため、請求項1の記載は明確なものとなった。 本件補正後の請求項2~9についても同様である。 (イ)本件補正により、当審最初の拒絶理由で指摘した請求項9(本件補正後の請求項8)について、「与えられた文字列の中からランダムに1文字を抽出して前記ユニコード変換テーブルと照合し、当該1文字が前記言語独特文字であれば前記文字列の属する言語が前記言語独特文字の属する言語であると特定する言語識別処理部」との事項が追加された(なお、平成28年10月13日付けの手続補正の際に生じた誤記については、次の「(2)」で述べるとおり、本件補正により、解消している。)。 これにより、請求項9(本件補正後の請求項8)に記載された「言語独特文字であるか否かの情報」が、与えられた文字列の中からランダムに抽出された1文字との照合の際に用いられることが明確になった。 よって、本件補正後の請求項8及び請求項8を引用する請求項9の記載は明確なものとなった。 ウ まとめ 以上のとおり、当審最初の拒絶の理由は解消している。 (2)平成28年10月25日付けの拒絶理由(以下、「当審最後の拒絶理由」という。)について 本件補正により、請求項5に「前記言語識別処理」とあった誤記は、「前記言語識別処理部」と正され、また、請求項8に「限度」とあった誤記は、「言語」と正された。 よって、本件補正により、当審最後の拒絶理由は解消している。 (3)まとめ 以上のとおり、もはや、当審最初の拒絶理由によっても、当審最後の拒絶理由によっても、本願を拒絶することはできない。 第5 むすび 以上のとおり、原査定における拒絶理由によっても、当審において通知した拒絶理由によっても、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-020152

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