特許拒絶査定不服審判
2025-008111
ごみ圧縮封入方法及び圧縮封入ごみ箱
- 審判番号
- 2025-008111
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2024-006440
- 請求日
- 2025年05月26日
- 審決日
- 2025年10月27日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】野田 順朗
- 審判長/審判官
- 審判長 柿崎 拓
- 審判官 関口 哲生
- 審判官 川口 真一
- 分類
- P18 .55 -Z (B65F) / P18 .121-Z (B65F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2024- 6440「ごみ圧縮封入方法及び圧縮封入ごみ箱」拒絶査定不服審判事件〔令和 7年 7月31日出願公開、特開2025-112233〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和6年1月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 6年11月22日 :手続補正書の提出
令和 7年 1月 7日付け:拒絶理由通知書
令和 7年 2月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和 7年 3月18日付け:拒絶査定
令和 7年 5月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和7年5月26日提出の手続補正書でした補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年5月26日提出の手続補正書でした補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1~2の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すためのものである。)
「 【請求項1】
嵩比重0.05未満で、かつ、圧縮後に開放した場合の体積復元率が50%以上のごみをごみ箱内にセットされたごみ袋に圧縮収容する方法であって、
前記ごみ袋の開口面積を投入するごみの水平投影面積の70%未満とし投入するごみを圧縮しながら前記ごみ袋の開口部から押込み封入することを特徴とするごみの圧縮封入方法。
【請求項2】
ごみ袋開口縁をごみ箱上部に突出して設けた絞り筒の内側から導出し外側
に折り返し保持具によって保持するごみ箱であって、前記絞り筒のごみ袋を保持
する部分の外周長より前記絞り筒末端の外周長が1%以上大きいことを特徴と
するごみ箱。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和7年2月13日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~2の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
圧縮性かつ復元性の大きいごみをごみ箱内にセットされたごみ袋に圧縮収容する方法であって、前記ごみ袋の開口面積を前記ごみの水平投影面積未満とし前記ごみを圧縮しながら前記ごみ袋の開口部から押込み封入することを特徴とするごみの圧縮封入方法。
【請求項2】
ごみ袋開口縁をごみ箱上部に突出して設けた絞り筒の内側から導出し外側に折り返し保持具によって保持するごみ箱であって、前記絞り筒のごみ袋を保持する部分の外周長より前記絞り筒末端の外周長が大きいことを特徴とするごみ箱。」
2 補正の適否
(1)本件補正事項は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明における「圧縮性かつ復元性の大きいごみ」について、「嵩比重0.05未満で、かつ、圧縮後に開放した場合の体積復元率が50%以上のごみ」に変更するものである。また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明における「前記ごみ袋の開口面積」について、「前記ごみの水平投影面積未満」とされていたものを、「投入するごみの水平投影面積の70%未満」とするものである。
さらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項2に係る発明における「前記絞り筒のごみ袋を保持する部分の外周長より前記絞り筒末端の外周長が大きい」ことについて、「1%以上」という事項を付加したものである。
(2)当初明細書等に記載された事項
請求項1の本件補正事項に関して、本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、これらを「当初明細書等」という。)には、ごみについて、「圧縮性の大きいプラスチックごみ」(段落【0001】)、「容器包装プラスチックごみは重量の割にかさばり」(段落【0003】)、「押し込んだ後、逆戻りを防止する」(段落【0012】)などと記載されているのみであり、これら当初明細書等の記載から、ごみが、重量の割にかさばるプラスチックごみであり、かつ、圧縮性が大きく、押し込んだ後、逆戻りするものであることは把握できるものの、当初明細書等には、具体的な嵩比重の数値や体積復元率の数値については、何ら記載も示唆もされていない。
また、当初明細書等には、ごみ袋の開口面積について、「絞り部のごみ袋の開口面積が絞る前のごみ袋最大開口面積に対し20%以下である」(請求項1)、「絞り部の開口面積は82cm2であり、ごみ袋最大開口面積の10.3%であった。」(段落【0028】)、「絞り筒内径より大きいごみは圧縮または折りたたんで押込み」(段落【0028】)などと記載されているのみであり、これら当初明細書等の記載から、ごみ袋の開口面積が、ごみ袋最大開口面積に対し20%以下、特に10.3%であり、また、ごみ袋の開口面積より大きいごみは圧縮または折りたたんで押込むものであることは把握できるものの、ごみ袋の開口面積を投入するごみの水平投影面積の70%未満とすることについては、何ら記載も示唆もされていない。
請求項2の本件補正事項に関して、当初明細書等には、絞り筒の形状について、「ごみ袋を保持する部分の筒外径より筒端部の外径を大きい」(請求項4)、「筒端部を段付き状やテーパ状にして、すなわち、ごみ袋を保持する部分の筒外径より筒端部の外径を大きくし、」(段落【0011】)、「段付絞り筒331やテーパ絞り筒332の方がごみ袋に力が掛かった時ずれにくい」(段落【0026】)などと記載されているのみであり、これら当初明細書等の記載から、絞り筒について、ごみ袋を保持する部分の筒外径より筒端部の外径が大きく、段付絞り筒やテーパ絞り筒の方がごみ袋に力が掛かった時ずれにくいものであることは把握できるものの、ごみ袋を保持する部分の外周長より末端の外周長が1%以上大きいことについては、何ら記載も示唆もされていない。
(3)そして、本件補正後の「嵩比重0.05未満で、かつ、圧縮後に開放した場合の体積復元率が50%以上のごみ」、「前記ごみ袋の開口面積を投入するごみの水平投影面積の70%未満」、「前記絞り筒のごみ袋を保持する部分の外周長より前記絞り筒末端の外周長が1%以上大きい」という事項は、当初明細書等から自明でもないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。したがって、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和7年5月26日提出の手続補正書でした補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~2に係る発明は、令和7年2月13日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1~2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下の理由を含むものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.登録実用新案第3030191号公報
3 引用文献の記載及び引用発明
(1)引用文献1
ア 引用文献1の記載事項
引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は理解の一助のために当審が付した。以下同様。)。
(ア)「 【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、広くはゴミ容器に関し、特に、同一又は類似の材質のゴミが大量に廃棄されることが多い産業廃棄物用のゴミ容器に関する。」
(イ)「 【0003】
【考案が解決しようとする課題】
昨今、産業廃棄物は益々増大する傾向にあり、その処理は深刻な問題となっている。産業廃棄物としては、例えば、オフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミが挙げられる。一般的にこれらの産業廃棄物は、家庭ゴミとは異なり有料で引き取られており事業者にとっては大きな負担となっている。上記のようなゴミ容器に一時的に収容され、袋毎にまとめられて引き取られる産業廃棄物は、通常、袋単位で引き取り費用が定められる。従って、1つの袋になるべく多くのゴミを入れた方が処理コストを低減できるため、上記のゴミ容器内のゴミ袋が満杯となったときゴミを手で押し込んで圧縮しようとする作業が頻繁に行われることとなる。さらには、ゴミ容器からゴミ袋を出してからもその中のゴミを圧縮し、少しでも多くのゴミを詰め込もうとすることが行われる。」
(ウ)「 【0005】
以上のように、従来のゴミ容器では、処理用ゴミ袋の内容積を有効に活用するべくゴミを圧縮して詰め込む作業を効率的に行い得なかった。このため、処理コストの低減(即ちゴミ袋数の低減)が図れないのみでなく、ゴミを収容した後のゴミ袋の保管においても大きな場所を占有することとなっていた。
従って本考案の目的は、簡易な構造により産業廃棄物をゴミ袋内に効率的に圧縮して詰め込むことが可能なゴミ容器を提供することである。
(エ)「 【0013】
またこのゴミ投入口から手又は圧縮具をゴミ容器内部(すなわちゴミ袋内部)に挿入して内容物を押し込み圧縮することができる。その際、ゴミ袋の開口が小さいので押し込まれた反動で別の部分からゴミが飛び出すことがない。
【0014】
またさらに、ゴミが圧縮されて詰め込まれたとき、ゴミ袋は、その開口部分を除いて容器部と蓋部とで形成される収容部の内面全体に沿って膨らみ広がった拡張状態となる。この結果ゴミ袋は、収容部の内面により支持されることになるので押圧力に抗することができ、破損することが避けられる。
【0015】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を幾つかの例について詳細に説明する。
図1は、本考案の一例であるゴミ容器10の外観図である。ゴミ容器10は、主として容器部12と蓋部14とから構成される。容器部12は、図9に示した従来例と同じく上端側が広くなっている略円筒形の容器であり上端が開口となっている。蓋部14はその周縁にフランジ14aを有し、フランジ14aが容器部12の上端周縁と合わさることにより、容器部12と蓋部14とが結合されてその内部に収容部を形成する。容器部12と蓋部14の結合部分は従来と同様でよく、例えば、図示のように容器部12の外面上に付設された一対の蓋掛止具18の腕部18bにより蓋部14の周縁を容器部12の上端周縁に圧接させて固定する。蓋掛止具18は、容器部12に対して固定された掛止具軸18aについて回動可能であり、これらを回動することにより蓋を固定又は取外しすることができる。しかしながら、容器部12と蓋部14との結合態様はこの例に限定されず、周知の様々な機構を用いることができる。
【0016】
本考案の特徴は、蓋部14の中央部分にゴミ投入口15を穿設していることである。このゴミ投入口15を通してゴミ容器の外部と内部(即ち収容部)とが連通する。さらに、ゴミ投入口15の周縁にはゴミ袋20の袋口の部分を固定するための固定機構が設けられる。図1ではゴミ袋20のほとんどの部分はゴミ容器10内に受容されているため図示されないが、その袋口の部分のみが外側に見えている。この例では、ゴミ袋20の袋口をゴミ投入口15の周縁に設けた袋掛け部(図3中、14b参照)にて折り返した上に、袋固定具16を填め込むことによりゴミ袋20をゴミ投入口15の周縁に固定している。これが、ゴミ袋20がゴミ容器10にセットされた状態である。尚、袋固定具16は、取り外し可能な部品であるので紛失を防止するために、袋固定具16と蓋部14とを適宜の長さのチェイン23等を介して接続してもよい。図示の例では、このチェイン23の取付けのために袋固定具16及び蓋部14にそれぞれ取付リング22、24を設けている。このゴミ容器を使用する際には、ゴミ投入口15からゴミを投げ込めばよく、その都度蓋部14を容器部12から取り外す必要がない。
【0017】
図2は、図1の本考案によるゴミ容器10の使用態様を示す概略的な縦断面図である。ゴミ容器10の容器部12と蓋部14とで形成される収容部11には、ゴミ袋20がセットされる。ゴミ袋20の袋口は、ゴミ投入口15の周縁にて袋固定具16により固定されている。図2の各図とも、ゴミ袋20が収容部11の内面に沿って膨らみ広がっている拡張状態を描いているが、ゴミ袋20がセットされた時点でこのような拡張された形状となっている必要はなく、ゴミが満杯となった時点でこのような形状となり得るような内容積をゴミ袋20が持っていればよい。従って、ゴミ袋20の内容積は、ゴミ容器10の収容部11の容積よりも10~20%程度大きいものが好適である。
【0018】
図2(A)は、ゴミがまだ収容部11の半分以下しか入っていない状態を示す。図2(B)は、投入されたゴミが堆積してゴミ投入口15付近まで入った状態を示す。このような状態となったとき、図2(C)に示すように、ゴミ投入口15から手を挿入して緩やかに堆積しているゴミを押し込み圧縮する。下方のみでなくいずれの方向へも押すことができ、この結果、更なるゴミを投入するための空間を空けることができる。このようにして空けられた空間に更にゴミを投入し、再びゴミ投入口15付近までゴミが溜まったならば、同様の圧縮作業を繰り返す。この圧縮作業の際、ゴミ袋20は、収容部11の内面に押し付けられてこの面に沿った形状となる。こうしてゴミ袋20は、手で押される力に抗して収容部11の内面により支持されるため破損するおそれがない。このことから、ゴミ容器10の材質はある程度の弾力性を備えたものが好ましい。なぜなら、圧縮のための押圧力がかかったときゴミ容器の内面がこれを弾性的に受け止めることで押圧力が分散され、ゴミ袋を破損するような集中的な力が加わることが避けられる からである。
【0019】
図3は、図2(C)の作業を限界まで行ってゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、ゴミ袋20を取り出す様子を示す図である。先ず、ゴミ袋20の固定具16を取り外して袋口部分20aをテープ50等で締結する。その後、蓋掛止具18を外側へ回動させて蓋部14を取り外す。そしてゴミ袋20を容器部12から取り出す。
【0020】
図3で明らかなように、蓋部14のゴミ投入口15の周縁に設けられる袋掛け部14bは、周縁から上方に突出した壁状に形成されている。ゴミ袋20をセットする際は、ゴミ袋の袋口をゴミ投入口15の下方から上方へ通した後、袋掛け部14b上でゴミ袋20の袋口を開くように外側へ折り返してその上から袋固定具16を填め込むことにより、袋固定具16と袋掛け部14bとでゴミ袋20を狭持する。」
(オ)図1、図2、図3には、次の事項が図示されている。
[図:0001431057000001.jpg]
[図:0001431057000002.jpg]
[図:0001431057000003.jpg]
(カ)上記(エ)の段落【0018】の「ゴミ投入口15から手を挿入して緩やかに堆積しているゴミを押し込み圧縮する。」という記載、「このようにして空けられた空間に更にゴミを投入し、再びゴミ投入口15付近までゴミが溜まったならば、同様の圧縮作業を繰り返す。」という記載、段落【0019】の「図2(C)の作業を限界まで行ってゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、ゴミ袋20を取り出す」という記載、上記(オ)の図2(B)(C)より、ゴミは、押し込まれて圧縮されているので、ゴミは圧縮性が大きいことが分かる。
(キ)上記(エ)の段落【0014】の「ゴミが圧縮されて詰め込まれたとき、ゴミ袋は、その開口部分を除いて容器部と蓋部とで形成される収容部の内面全体に沿って膨らみ広がった拡張状態となる」という記載、段落【0017】の「図2の各図とも、ゴミ袋20が収容部11の内面に沿って膨らみ広がっている拡張状態を描いている」という記載、上記(オ)の図2(B)(C)より、ゴミは圧縮された後に、力が解除されると広がって元の状態に戻ろうとすることでゴミ袋が拡張状態となっているので、ゴミは復元性が大きいことが分かる。
イ 引用発明
上記ア(ア)ないし(キ)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「圧縮性かつ復元性の大きいオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミをゴミ容器10内にセットされたゴミ袋20に圧縮して詰め込む方法であって、ゴミ投入口15からオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミを投入し、手を挿入して押し込み圧縮し、作業を限界まで行ってゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、袋口部分20aをテープ50等で締結する、オフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミのゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、袋口部分20aをテープ50等で締結する方法。」
4 引用発明との対比、判断
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「オフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミ」は、本願発明の「ごみ」に相当する。
イ 引用発明の「ゴミ容器10」は、本願発明の「ごみ箱」に相当し、以下同様に、「ゴミ袋20」は「ごみ袋」に、「圧縮して詰め込む」は「圧縮収容する」に、それぞれ相当する。
ウ 引用発明は、「ゴミ袋20がセットされたゴミ投入口15からオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミ」を、丸める等によりゴミ投入口15に投入できる程度に圧縮して「投入」しており、ゴミ投入口15の面積は、圧縮される前の紙類等のゴミの水平投影面積よりも小さいものであると認められるので、引用発明の「ゴミ投入口15からオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミを投入」する態様は、本願発明の「前記ごみ袋の開口面積を前記ごみの水平投影面積未満とし」たことに相当する。
エ 引用発明の「ゴミ投入口15からオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミを投入し、手を挿入して押し込み圧縮し、作業を限界まで行ってゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、袋口部分20aをテープ50等で締結する」態様は、ゴミ袋20がセットされたゴミ投入口15に、オフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミを、丸める等によりゴミ投入口15に投入できる程度に圧縮して投入し、袋口部分20aをテープ50等で締結していることから、本願発明の「前記ごみを圧縮しながら前記ごみ袋の開口部から押込み封入する」ことと、「ごみを圧縮してごみ袋の開口部から投入して封入する」という点で共通する。
オ 引用発明の「ゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んだ後に、袋口部分20aをテープ50等で締結する方法」は、本願発明の「圧縮封入方法」に相当する。
(2)一致点及び相違点
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「圧縮性かつ復元性の大きいごみをごみ箱内にセットされたごみ袋に圧縮収容する方法であって、前記ごみ袋の開口面積を前記ごみの水平投影面積未満とし前記ごみを圧縮して前記ごみ袋の開口部から投入し封入するごみの圧縮封入方法。」
[相違点]
本願発明では、ごみを「圧縮しながら」ごみ袋の開口部から「押込み」封入するのに対し、引用発明では、ゴミ投入口15からオフィスから出る紙類や生産現場から出る樹脂類、布類のゴミを投入し、手を挿入して押し込み圧縮し、作業を限界まで行ってゴミ袋20に十分にゴミを詰め込んでいるものの、ゴミを「圧縮しながら」ゴミ投入口15から「押込み」封入するか明らかでない点。
(3)判断
以下、相違点について検討する。
引用発明のゴミ容器10に紙類等のゴミを捨てるに当たり、紙類等のゴミがゴミ投入口15を通過するようにしなければならないことは明らかである。その際に、ゴミ投入口15のサイズ程度に紙類等のゴミを丸める等で圧縮して小さくすることは通常行われることである。そして、ゴミが、ゴミ投入口15のサイズより小さくなるまで圧縮されて投入された場合には、ゴミがさらに圧縮されながら押込み封入されるとは必ずしもいえないが、一般的に、投入前のゴミのサイズを、厳密にゴミ投入口15のサイズより小さくしてから、該ゴミをゴミ投入口15から投入するとは考えられないから、ゴミが、ゴミ投入口15のサイズより大きい場合には、ゴミ投入口15でゴミを圧縮しながら押込み封入することになる。したがって、引用発明において、一般的なゴミの捨て方を考慮すると、前記相違点にかかる発明特定事項とすることに格別の困難性はない。
(4)本願発明の効果について
本願発明の作用効果については、引用発明から当業者が予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない
(5)請求人の主張について
審判請求人は審判請求書において、「本願で対象としているごみは、容器包装プラスチックごみのように圧縮性かつ復元性の大きいごみです。嵩比重は実験の結果、約0.01です。引用文献1で対象としている産業廃棄物の嵩比重は環境省通知のデータによれば、紙くずが0.30、廃プラスチック類が0.35、繊維くずが0.12です。家庭、等で発生する容器包装プラスチックごみを圧縮後に開放した場合の体積復元率は実験の結果、約80%でした。引用文献1に記載の産業廃棄物には体積復元率の大きいものはありません。したがって技術分野(用途)が異なります。」と主張している。しかしながら、前記第2のとおり、令和7年5月26日提出の手続補正書でした補正は却下されており、上記主張は請求項の記載に基づかない主張である。なお、前記第3 3(1)のとおり、引用発明のゴミも圧縮性かつ復元性の大きいゴミである。
以上によれば、上記請求人の主張は、採用できない。
(6)まとめ
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-008111