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特許拒絶査定不服審判

2024-015623

血管センサ

審判番号
2024-015623
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-520094
請求日
2024年09月30日
審決日
2025年11月17日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アビオメド インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】大貫 敏史
  • 【請求人代理人】江口 昭彦
  • 【請求人代理人】内藤 和彦
  • 【請求人】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】大貫 敏史
  • 【請求人代理人】江口 昭彦
  • 【請求人代理人】内藤 和彦
  • 【請求人】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】大貫 敏史
  • 【請求人代理人】江口 昭彦
  • 【請求人代理人】内藤 和彦
審判長/審判官
  • 審判長 宮澤 浩
  • 審判官 松本 隆彦
  • 審判官 三崎 仁
分類
P18 .537-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-520094「血管センサ」拒絶査定不服審判事件〔令和元年12月26日国際公開、WO2019/246305、令和 3年11月 4日国内公表、特表2021-529648〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」という。)は、2019年(令和元年)6月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年6月19日 米国(US)、2019年 6月18日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和 4年 6月 7日提出:手続補正書、上申書 令和 5年 2月16日付け:拒絶理由通知書 令和 5年 5月19日提出:手続補正書、意見書 令和 5年 8月10日付け:拒絶理由通知書 令和 6年 2月16日提出:手続補正書、意見書 令和 6年 5月28日付け:拒絶査定 令和 6年 9月30日提出:審判請求書 第2 本願発明 本願の請求項1~22に係る発明は、令和6年2月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~22に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「 【請求項1】 患者の血管内に血流を生じさせるための血液ポンプと、 前記生じさせた血流に起因する圧力の変化を検出するように構成された圧力センサと、 前記圧力センサからのセンサ信号を受信して患者の血管の抵抗を血管内の血流および圧力の関数として計算するように構成された、コントローラと を備える、システム。」 第3 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、以下のとおりである。 (サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 発明の詳細な説明には、「発明の課題」として、「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定ができる」ことが記載され(段落[0005])、当該課題を解決するための手段として、「患者の血管内に血流を生じさせるための心臓内血液ポンプと、生じさせた血流に起因する、複数の拍動のうちの特定の拍動における拡張期下降の複数時点での大動脈圧測定値を検出する、前記心臓内血液ポンプとともに設けられる圧力センサと、前記圧力センサからの前記複数の大動脈圧測定値を受信し、前記複数の大動脈圧測定値の測定時で前記心臓内血液ポンプによってポンピングされた複数の血流量を決定し、前記複数の大動脈圧測定値、前記複数の血流量を用いて、血管系の時間依存非線形モデル(ウィンドケッセルモデル)において、全身血管抵抗値およびコンプライアンス値を決定し、前記決定された全身血管抵抗値およびコンプライアンス値に基づいて、前記特定の拍動における心拍出量を決定するコントローラを備えたシステム」が記載されているものと認められる(段落[0044]~段落[0081])。 しかしながら、請求項1には、上記課題の解決に必要なポンプの種類やコントローラの態様・機能が十分に規定されておらず、発明の課題を解決するための手段が反映されていない。また、請求項2~22に係る発明は、請求項1に係る発明を含むものとなっており、同様のことがいえる。 したがって、請求項1~22には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1~22に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。 よって、請求項1~22に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 第4 当審の判断 1 本願発明 本願発明は、前記第2で示したとおりである。 2 発明の詳細な説明及び図面の記載 本願の発明の詳細な説明及び図面には、以下の記載がある(下線は当審が付したものである)。 「 【0003】 ポンプ装置によって送り出される血液の体積流量によって測定される心臓補助、または各々の患者が必要とする心臓補助の期間は、さまざまであり得る。とりわけインターベンションまたは他の心臓治療から回復する患者について、デバイスによってもたらすべき補助の量や心臓ポンプシステムの使用の終了時期を直接的かつ定量的に決定することは、臨床医にとって困難である。したがって、臨床医は、流体で満たされたカテーテルを使用して心臓内または血管内の圧力を測定するなど、心機能の評価および間接的な推定に依存する傾向にある。とくには、心拍出量(CO)の定量化が困難である。肺動脈カテーテル(PAC)が、中心静脈圧および肺動脈圧のリアルタイム測定を提供することができ、全身酸素消費量の測定によるフィックの法則またはボーラス熱希釈法を使用してCOを推定することができる。CO指標(metrics)に到達するために行わなければならない仮定、および対応するより侵襲的な指標が有する忠実度の欠如のために、PACは、臨床転帰との信頼できる関連を確立させることができていない。PACによる測定は、心臓機能の動的変化を考慮せず、連続的でないが、一方で全身の心室血管の連関の非線形局面が適切に捉えられていない。 【発明の概要】 【0004】 概要 本明細書に記載のシステムおよび方法は、患者の単一の心拍についてCOなどの心臓パフォーマンスの指標を決定し、これらの指標を使用して、患者に提供すべき機械的循環補助の適切なレベルを決定することができる。心臓パフォーマンスの指標を、複数の拍動において測定し、数学的に処理して、その患者の心臓の全体的なパフォーマンスのモデルに到達することができる。決定を、血管内血液ポンプシステムなどの機械的循環補助システムを使用して行うことができる。システムおよび方法は、1つまたは複数の心拍のうちの単一の心拍の期間内で決定される機械的循環補助システムの使用中の圧力および流量の測定値あるいは圧力および流量の推定値から心臓パフォーマンスを特徴決定する。本明細書に記載のシステムおよび方法は、機械的循環補助システムによって取得される既存の測定値を利用するがゆえに、臨床応用において容易に検証および利用することができる。本明細書に記載のシステムおよび方法は、留置された機械的循環補助デバイスの動作を活用して、追加の測定またはカテーテルを必要とせずに、COを決定する。全身血管抵抗およびコンプライアンスの変化を継続的かつ正確に追跡し、心臓の一回拍出量を推定することが可能になることで、臨床実務に容易に展開されるPACまたは他の診断から得られる伝統的な測定を超える著しい前進がもたらされる。 【0005】 説明されるシステムおよび方法は、単一の心拍におけるまたは複数の心拍にまたがる大動脈圧測定値(または、他の生理学的測定値)を決定すること、および、心拍出量などの心臓パフォーマンスを決定するためにそのような測定値を単一の心拍または複数の心拍において行われる流量推定値または流量測定値と組み合わせて使用することによって、心臓パフォーマンスを決定する。血管系内に配置された機械的循環補助システムを利用することにより、患者内に別個の測定デバイスを配置する必要性が低減または排除される。測定を単一の心拍において行うことができるため、1つまたは複数の拍動における心臓パフォーマンスの特徴を、或る拍動から別の拍動へと連続的なやり方で明らかにすることができ、例えば心臓のパフォーマンスを一連の心拍のうちの各心拍について測定することができる。さらに、心臓ポンプの動作がこれらの測定値の取得によって損なわれることがない。本明細書に記載のシステムおよび方法は、心臓ポンプの動作を変化させることなく(例えば、ポンプ速度を上昇または低下させることなく)心臓パフォーマンスを特徴決定することができる。これは、患者が心臓ポンプの血流の寄与に完全に依存しているので患者に害を及ぼす可能性を伴わずに心臓ポンプの速度を下げることができない場合や、他の機器(例えば、体外式膜型人工肺(ECMO)システム)が理由で心臓ポンプの速度を高めることができない場合に、とくに有益となり得る。いくつかの用途において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、そのような他の機器と組み合わせて使用される。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法は、適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供することができる。」 「【0009】 いくつかの実装形態において、血行動態補助は、心臓の複数の拍動において第1のポンピング速度で提供される。各拍動は、収縮期上昇、重複切痕、および重複切痕後に起こる拡張期下降を含む。例えば、血行動態ポンピング速度は、2回、3回、4回、10回、20回、30回、100回、200回、または他の任意の適切な回数の心拍にわたって提供され得る。重複切痕は拡張期の始まりを示し、拡張期は、心筋が弛緩して心室を血液で満たさせる、心拍のフェーズである。血管内血液ポンプが左心系である場合に、血液ポンプが動作しているとき、拡張期において患者の左心室から大動脈へと流れる実質的な流れは、血液ポンプが寄与する流れだけである。拡張期は、心臓が拡張期を完了させるまでの時間であり、心筋が弛緩して心室を血液で満たさせる、心拍のフェーズである。例えば、拡張期は、0.05秒、0.1秒、0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、1秒、または任意の適切な長さであり得る。」 「【0013】 COが、複数の大動脈圧測定値および血流速度に基づいて決定される。いくつかの適応は、少なくとも3つの大動脈圧測定値および少なくとも3つの対応する血流速度を使用する。一例においては、血管系をシミュレートするために、互いに並列な2つの電流源ihおよびipと、抵抗Rと、コンプライアンスCとを有するウィンドケッセルモデルが使用される。このモデルに反映される技術的関係の支配方程式は、 [図:0001434789000001.jpg] であり、ここでCはコンプライアンスであり、Pは圧力であり、Rは全身血管抵抗であり、ihは本来の心臓の動作からの流れであり、ipはポンプからの流れである。拡張期においては大動脈弁が閉じているため、左心室を通る唯一の流れは、弁をまたいで配置されたポンプからの流れである。したがって、心臓電流源を無視し、ポンプの流れが一定であると仮定することにより、モデルを以下のように簡略化でき、 [図:0001434789000002.jpg] ここでP0は、拡張期血圧の指数関数的減衰項 [図:0001434789000003.jpg] の倍率である。例えば、倍率P0は、対応するポンプ速度の逆数に比例することができ、したがって、 [図:0001434789000004.jpg] であり、ここでP01は、第1のポンプ速度speed1における倍率であり、P02は、第2のポンプ速度speed2における倍率である。したがって、ひとたびP0xが単一のポンプ速度xについて臨床的に決定されると、倍率P0xを、或る範囲のポンプ速度について外挿することができる。いくつかの実装形態において、ポンプからの流れipは、一定の速度を維持するための心臓ポンプシステムのモータへの電流の流れから推定される。圧力Pを、圧力波形を特徴付けて分解するために、単一の拡張期内のさまざまな時点で測定することができる。例えば、圧力は、複数の時点で公知であって(例えば、測定されて)よく、ウィンケッセルモデルの場合には、3つの異なる時点で公知であって(例えば、測定されて)よい。流れipを、圧力測定値と同じ時点で推定することができる。式(2)に基づいて、圧力の測定の時点ごとに1つずつ、複数の圧力方程式を設定し、RおよびCの値を計算することができる。いくつかの実装形態において、心臓ポンプは一定速度で動作する。」 「【0025】 いくつかの実装形態において、拡張期における大動脈圧と血流との間の時変(time-variant)関係が決定される。時変関係は、互いに並列な2つの電流源ihおよびipと、抵抗Rと、コンプライアンスCとを有するウィンドケッセルモデルであり得る。このモデルの支配方程式は、 [図:0001434789000005.jpg] であり、ここでCはコンプライアンスであり、Pは圧力であり、Rは血管抵抗であり、ihは本来の心臓の動作からの流れであり、ipはポンプからの流れである。しかしながら、拡張期においては大動脈弁が閉じているため、左心室を通る唯一の流れは、弁をまたいで配置されたポンプからの流れである。したがって、心臓電流源を無視し、ポンプの流れが一定であると仮定することにより、モデルを以下のように簡略化でき、 [図:0001434789000006.jpg] ここでP0は、拡張期血圧の指数関数的減衰部分の倍率である。いくつかの実装形態において、ポンプからの流れipは、一定の速度を維持するための心臓ポンプシステムのモータへの電流の流れから推定される。圧力Pを、圧力波形を特徴付けて分解するために、単一の拡張期内のさまざまな時点で測定することができる。例えば、圧力は、第1、第2、および第3の時点で公知であり得る。流量ipも、第1、第2、および第3の時点で推定され得る。式(2)に基づいて、3つの時点のそれぞれについて1つずつ、3つの圧力方程式を設定し、RおよびCの値を計算することができる。いくつかの実装形態において、心臓ポンプは一定速度で動作する。」 「【0032】 いくつかの実装形態においては、血管コンプライアンスおよび血管抵抗を、伝達関数を使用してインペラ回転の抵抗の変化に基づいて計算することができる。いくつかの実装形態において、伝達関数は、ウィンドケッセルモデルである。いくつかの実装形態においては、ポンプ動作データをコンピューティングデバイスに送信することができる。コンピューティングデバイスは、コントローラとは別に配置されてよく、あるいはコントローラに搭載されてよい。例えば、コンピューティングデバイスは、遠方に格納されたサーバーであってよい。いくつかの実装形態において、ポンプ動作データは、圧力測定値、電流測定値、インペラ回転の抵抗の変化、および流量の推定のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態において、コントローラは、コンピューティングデバイスからポンプ動作指令を受信するようにさらに構成され、ポンプ動作指令は、ポンプ動作データに基づく。例えば、コンピューティングデバイスは、血管抵抗およびコンプライアンスを計算し、それに応じてポンプ動作を変更することができる。 【0033】 いくつかの実装形態において、コントローラまたはコンピューティングデバイスは、血管コンプライアンスおよび血管抵抗に基づいて心臓パフォーマンスを表す指標を決定するように構成される。心臓パフォーマンスを表す指標は、心拍出量、心臓出力、一回拍出量、一回仕事量、駆出率、心収縮能、心室エラスタンス、心係数、患者生存予測、または任意の適切な指標のうちの少なくとも1つであってよい。 【0034】 いくつかの実装形態において、コントローラは、血管抵抗、血管コンプライアンス、または心拍出量のうちの少なくとも1つに基づいてインペラ回転速度を調整するように構成される。例えば、患者の心臓または血管の健康状態に基づいて、多いまたは少ない血流を提供するために、インペラ回転速度を増減させることができる。 【0035】 いくつかの実装形態において、コントローラは、或る期間にわたり大動脈圧を表す測定値を受信し、ポンプへと供給された電流を検出し、そして、その期間にわたりシステムによってポンピングされた血流の速度を、ポンプへと供給された電流に基づいて決定するように、構成される。血管コンプライアンスおよび血管抵抗の計算は、大動脈圧を表す測定値および血流の速度に基づくことができる。」 「【0058】 ステップ206において、血管内血液ポンプによってポンピングされた少なくとも3つの血流が決定される。図3に示され、上述されているように、圧力を、拡張期の期間における一連の時点で測定することができる。これらの圧力測定値の各々について、圧力が測定され、ロータ速度を維持するためにポンプに供給される電流に基づいて、流量を推定することができる。ポンプ速度およびモータ電流と流量推定値との間のこの数学的関係を、ポンプ速度およびモータ電流がテーブルへのインデックスであり、テーブル内の流量値がベンチテストによって事前入力されているルックアップテーブルを設定することによって、実装可能である。別のやり方は、ポンプ速度とモータ電流との可能な組み合わせの一部について、流量を事前に決定することである。例えば、ポンプ速度40,000RPMおよびモータ電流500mAでの流量ならびにポンプ速度40,000RPMおよびモータ電流510mAでの流量が、それぞれi1およびi2として知られている場合、ポンプ速度40,000RPMおよびモータ電流505mAにおける流量を、i1およびi2の平均をとることによって計算することができる。圧力および流量の測定値は、公知の測定時点との組み合わせにおいて、2つの時点の間で比較され、全身血管抵抗およびコンプライアンスなどの心臓パラメータが計算される。 【0059】 ステップ208において、特定の拍動における心拍出量が、大動脈圧および血流の測定値に基づいて決定される。大動脈圧をシミュレートするために、互いに並列な2つの電流源ihおよびipと、抵抗Rと、コンプライアンスCとを有するウィンドケッセルモデルを使用することができる。このモデルの支配方程式は、 [図:0001434789000007.jpg] であり、ここでCはコンプライアンスであり、Pは圧力であり、Rは血管抵抗であり、ihは本来の心臓の動作からの流れであり、ipはポンプからの流れである。しかしながら、拡張期においては大動脈弁が閉じているため、左心室を通る唯一の流れは、弁をまたいで配置されたポンプからの流れである。したがって、心臓電流源を無視し、ポンプの流れが一定であると仮定することにより、モデルを以下のように簡略化でき、 [図:0001434789000008.jpg] ここでP0は、拡張期における初期大動脈圧である。いくつかの実装形態において、ポンプからの流れipは、一定の速度を維持するための心臓ポンプシステムのモータへの電流の流れから推定される。圧力Pを、図3に示され、以下で説明されるように、圧力波形を特徴付けて分解するために、単一の拡張期内のさまざまな時点で測定することができる。例えば、圧力は、3つの時点で知られてよい。流れipも、同じ3つの時点で推定されてよい。式(2)に基づいて、3つの時点のそれぞれについて1つずつ、3つの圧力方程式を設定し、RおよびCの値を計算することができる。例えば、ひとたびRおよびCが上述のウィンドケッセルモデルを使用して決定されると、計算されたRおよびCの値を上記の式(1)に代入し、ihについて解いて、本来の心臓の機能の寄与による体積流量を決定することにより、心臓のCOを決定することができる。」 「【0061】 図3は、特定の実装形態による心臓ポンプシステムの圧力対時間のプロット300を示している。プロット300のy軸が、大動脈圧(mmHg)を表す一方で、x軸は、時間を心拍長のパーセンテージとして表している。とくには、プロット300は、心拍の拡張期において一連の時点P0~P5で圧力を測定できることを示している。Δt1が第1の心拍の時間を表し、Δt2が第1の心拍の後の第2の心拍の時間を表す。期間Δt1およびΔt2は、心臓ポンプシステムが少なくとも部分的に患者の心臓内に配置されている間に発生する。点310が、第1の心拍における重複切痕を表し、点320が、第2の心拍における重複切痕を表す。拡張期Δt3が、第2の心拍の拡張期を表す。期間Δt1、Δt2、およびΔt3において、ポンプは第1のポンプ速度で動作する。いくつかの実装形態において、ポンプは、期間Δt3において第2のポンプ速度で動作する。例えば、ポンプ速度を、期間Δt3において高くすることができる。より高いポンプ速度では、測定される大動脈圧および総流量が、より低いポンプ速度と比較して大きくなる。 【0062】 拡張期Δt3のうちの所与の公知の時点t02において、圧力P(t02)が公知であり、拡張期Δt3のうちの第2の公知の時点t03において、圧力P(t03)が公知であり、拡張期Δt3のうちの第3の公知の時点t04において、圧力P(t04)が公知である。拡張期Δt3のこれらの各時点で、ポンプの流れは、その時点でポンプモータに供給されたモータ電流から公知である。したがって、次の式を使用してP0、R、およびCを計算することができる。 [図:0001434789000009.jpg] これらのステップを、拡張期t3の各時点について繰り返すことができる。時点の各組(例えば、t02とt04、t02とt03、など)について計算されたR値およびC値がわずかに異なる可能性がある。測定されたR値およびC値を平均して、心臓の代表的な全身血管抵抗値およびコンプライアンス値に到達することができる。いくつかの実装形態において、R値およびC値を定期的に計算して、患者の治療時に値が経時的にどのように変化するかを決定することができる。いくつかの実装形態においては、心拍出量を、計算されたR値およびC値を使用して決定することができる。例えば、心拍出量を決定することは、複数の拍動のうちの複数の特定の拍動の心拍出量を決定し、決定された心拍出量に合計、平均、または線形回帰のうちの少なくとも1つを適用して、心臓の心拍出量の累積インジケータを決定することを含むことができる。」 「【0069】 いくつかの実装形態において、コントローラ414は、インペラ回転の抵抗の変化に基づき、伝達関数を使用して、血管コンプライアンスおよび血管抵抗を計算するように構成される。例えば、血管コンプライアンスおよび抵抗を、図3に関連して上述したように決定することができる。別の例では、ポンプ速度を一定速度(speed1)に維持しつつ、拡張期大動脈圧の測定値P1(t)の組およびポンプ流量i1(t)の測定値の組が、1つの組の時点について決定される(例えば、tはt101、t102、t103、などに等しい)。次いで、コントローラは、ポンプを異なる一定速度(speed2)に設定し、拡張期大動脈圧の測定値P2(t)の第2の組およびポンプ流量の測定値i2(t)の第2の組を、第2の組の時点について取得することができる(例えば、tはt201、t202、t203、などに等しい)。2つの組の圧力測定値P1(t)およびP2(t)の差、ならびに2つの組のポンプ流量i1(t)およびi2(t)の差を使用して、以下の式によって血管抵抗を計算することができる。 [図:0001434789000010.jpg] 」 「【0072】 ステップ504において、心拍サイクルの拡張期が、経時的な血行動態パラメータの形状に基づいて特定される。拡張期は、心臓が拡張期を完了させるまでの時間であり、心筋が弛緩して心室を血液で満たさせる、心拍のフェーズである。例えば、拡張期は、0.05秒、0.1秒、0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、1秒、または任意の適切な長さであり得る。 【0073】 ステップ506において、拡張期における大動脈圧と血流との間の時変関係が決定される。時変関係は、互いに並列な2つの電流源ihおよびipと、抵抗Rと、コンプライアンスCとを有するウィンドケッセルモデルであり得る。このモデルの支配方程式は、 [図:0001434789000011.jpg] であり、ここでCはコンプライアンスであり、Pは圧力であり、Rは全身血管抵抗であり、ihは本来の心臓の動作からの流れであり、ipはポンプからの流れである。しかしながら、拡張期においては大動脈弁が閉じているため、左心室を通る唯一の流れは、弁をまたいで配置されたポンプからの流れである。したがって、心臓電流源を無視し、ポンプの流れが一定であると仮定することにより、モデルを以下のように簡略化でき、 [図:0001434789000012.jpg] ここでP0は、拡張期における初期大動脈圧である。いくつかの実装形態において、ポンプからの流れipは、一定の速度を維持するための心臓ポンプシステムのモータへの電流の流れから推定される。圧力Pを、図3に関して後述されるように、圧力波形を特徴付けて分解するために、単一の拡張期内のさまざまな時点で測定することができる。いくつかの実装形態において、心臓ポンプは一定速度で動作する。本明細書で説明されるいくつかの実装形態において、ポンプの速度を心臓を「ピング」するために変更することができる。」 「【0080】 ステップ606において、複数の大動脈圧測定値のうちの第1の大動脈圧測定値が、血管系の時間依存非線形モデルにおいて複数の大動脈圧測定値のうちの第2の大動脈圧測定値と比較され、全身血管抵抗およびコンプライアンスが決定される。いくつかの実装形態においては、心拍出量が血液ポンプの動作のみによって生じる場合、少なくとも1つの大動脈圧測定が、拡張期の終わりにおいて行われる。例えば、図3に示され、上述されたように、圧力を、拡張期における一連の時点で測定することができる。これらの圧力測定値の各々について、圧力を測定でき、流量を推定することができる。圧力および流量の測定値を、公知の測定時点との組み合わせにおいて、2つの時点の間で比較し、大動脈の抵抗およびコンプライアンスなどの心臓パラメータを計算することができる。」 「図2 [図:0001434789000013.jpg] 」 「図3 [図:0001434789000014.jpg] 」 「図5 [図:0001434789000015.jpg] 」 「図6 [図:0001434789000016.jpg] 」 3 判断 (1)判断規範について 特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号の要件(以下「サポート要件」という。)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が 当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 そこで、上記判断基準に基づいて、本願発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であるか、検討する。 (2)本願発明の課題について 本願の発明の詳細な説明の記載、特に段落0003~0005の記載を総合すると、上記第3で記載した原査定において「発明の課題」として認定されている「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供すること」が、本願発明が解決しようとする主な課題であると認められる。 (3)検討 ア 「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供する」ことについて、発明の詳細な説明の段落0033の「コントローラまたはコンピューティングデバイスは、血管コンプライアンスおよび血管抵抗に基づいて心臓パフォーマンスを表す指標を決定するように構成される。」や段落0034の「コントローラは、血管抵抗、血管コンプライアンス、または心拍出量のうちの少なくとも1つに基づいてインペラ回転速度を調整するように構成される。」といった記載を踏まえると、血管の抵抗を求めることを前提としている。これに関して、本願発明は、「前記圧力センサからのセンサ信号を受信して患者の血管の抵抗を血管内の血流および圧力の関数として計算するように構成された、コントローラ」という事項を具備するものであり、血管の抵抗を計算するために用いる圧力について、心拍のどのタイミングの圧力であるかは特定されておらず、任意のタイミングの圧力をその範囲に含むものである。他方、この事項における「患者の血管の抵抗を血管内の血流および圧力の関数として計算する」ことについて、発明の詳細な説明には、段落0013には、「互いに並列な2つの電流源ihおよびipと、抵抗Rと、コンプライアンスCとを有するウィンドケッセルモデルであり得る。このモデルの支配方程式は、 [図:0001434789000017.jpg] であり、ここでCはコンプライアンスであり、Pは圧力であり、Rは血管抵抗であり、ihは本来の心臓の動作からの流れであり、ipはポンプからの流れである。しかしながら、拡張期においては大動脈弁が閉じているため、左心室を通る唯一の流れは、弁をまたいで配置されたポンプからの流れである。したがって、心臓電流源を無視し、ポンプの流れが一定であると仮定することにより、モデルを以下のように簡略化でき、 [図:0001434789000018.jpg] ここでP0は、拡張期血圧の指数関数的減衰項 ・・・式(2)に基づいて、圧力の測定の時点ごとに1つずつ、複数の圧力方程式を設定し、RおよびCの値を計算することができる。」というように拡張期の複数の時点でのポンプからの流れipと圧力Pを測定することにより、簡略化したウインドケッセルモデルを用いて複数の圧力方程式を設定し、血管抵抗値RとコンプライアンスCを求めることが記載されており、同様の記載が0025、0058~0059、0061~0062にも存在する。また、段落0069においては、「ポンプ速度を一定速度(speed1)に維持しつつ、拡張期大動脈圧の測定値P1(t)の組およびポンプ流量i1(t)の測定値の組が、1つの組の時点について決定される(例えば、tはt101、t102、t103、などに等しい)。次いで、コントローラは、ポンプを異なる一定速度(speed2)に設定し、拡張期大動脈圧の測定値P2(t)の第2の組およびポンプ流量の測定値i2(t)の第2の組を、第2の組の時点について取得することができる(例えば、tはt201、t202、t203、などに等しい)。2つの組の圧力測定値P1(t)およびP2(t)の差、ならびに2つの組のポンプ流量i1(t)およびi2(t)の差を使用して、以下の式によって血管抵抗を計算することができる」というように、同じく拡張期の大動脈圧測定値とポンプ流量から血管抵抗値を求めることが記載されている。これらの記載は、血管の抵抗を計算するのに用いる圧力の測定値は、拡張期のものであり、発明の詳細な説明には、拡張期以外の期間における圧力の測定値を用いて血管の抵抗を計算することを具体的に説明する記載は存在しない。これらの記載に基づけば、拡張期の圧力の測定値を用いることにより、「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供する」という課題を解決することが、本願の発明の詳細な説明に記載されているといえる。一方、収縮期の圧力測定値を用いた場合に、「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供すること」が可能であると理解することはできない。 また、本願の出願時において、血液ポンプからの血流量と、血流の圧力を測定する圧力センサによる測定値により血管の抵抗を求めるに際して、拡張期に限定されない任意のタイミングで血管の抵抗を求めることができるという技術常識があったとも認められないことから、技術常識に照らしても、拡張期以外の期間における圧力の測定値を用いて血管の抵抗を計算することができるとはいえない。 そうすると、発明の詳細な説明の記載によれば、当業者が血管の抵抗を計算するのに用いることのできる圧力として、拡張期の圧力を用いることが、本願発明の課題を解決するうえで極めて肝要なことであるといえる。 したがって、本願発明の範囲全体にわたって、「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供する」のに必要な血管の抵抗を求めることができるとはいえず、本願発明は、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が十分に反映されていないことから、本願発明は、本願発明の課題を解決できることを当業者が認識できる範囲を超えている。 また、本願発明と上記課題との関係においては、本願発明は、「コントローラ」について「前記圧力センサからのセンサ信号を受信して患者の血管の抵抗を血管内の血流および圧力の関数として計算するように構成された、コントローラ」と特定するにとどまり、「コントローラ」が何をコントロールするのか不明であり、「適切な心臓補助」に関連するコントロールに関与しないものまでも含むものである。本願発明は、この点においても、本願発明は、本願発明の課題を解決できることを当業者が認識できる範囲を超えているものであり、本願発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない。 イ なお、本願発明の主な課題は、上記(2)で記載したとおり「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供すること」であるが、発明の詳細な説明の段落0003~0005の記載からは、本願発明が解決しようとする課題として、上記(2)で認定した以外の課題(例えば、「留置された機械的循環補助デバイスの動作を活用して、追加の測定またはカテーテルを必要とせずに、COを決定する」こと、「心拍出量などの心臓パフォーマンスを決定するためにそのような測定値を単一の心拍または複数の心拍において行われる流量推定値または流量測定値と組み合わせて使用することによって、心臓パフォーマンスを決定する」こと)が認定しうることから、これらについても一応検討しておく。 これらの課題を解決する場合においても、患者が必要とする心拍出量を決定することを要することは明らかであり、このためには、拡張期の血圧を求めることが必要であることは、上記検討したとおりである。 また、段落0004に「留置された機械的循環補助デバイスの動作を活用して、追加の測定またはカテーテルを必要とせずに、COを決定する」、段落0005に「血管系内に配置された機械的循環補助システムを利用することにより、患者内に別個の測定デバイスを配置する必要性が低減または排除される」との記載が存在する。当該記載に基づけば、留置された機械的循環補助デバイス以外に追加された、又は、別個に配置された測定デバイスを用いることなく、心拍出量を決定することが課題であると解釈することもできる。しかし、本願発明は、「システム」の発明であり、「シムテム」の構成要素である「血液ポンプ」、「圧力センサ」、「コントローラ」がそれぞれ分離した形であるものを含むことは明らかである。そうすると、本願発明は、循環補助デバイスである「血液ポンプ」と「圧力センサ」が別体(例えばカテーテルに設けられる)態様を含むことから、仮に、このような課題が本願発明が解決しようする課題であるとしても、本願発明が、この課題を解決できないものをその範囲に含むことは明らかである。 (4)小括 よって、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。 (5)請求人の主張について ア 請求人の主張 請求人は、サポート要件違反の拒絶の理由に対して、審判請求書において、概ね、以下の主張1~3をしている。 (主張1) 本願発明は、本願の基礎となるPCT出願の原請求項36-42によって明示的にサポートされている。 (主張2) 「血管ポンプ」に関して、図4に示されるように、コンプライアンスセンサ410は、圧力センサ412とコントローラ414とを含み、段落0063には、コンプライアンスセンサ410が、「血管内血液ポンプ(例えば、図1のポンプ202)を含む」ことが記載されており、図4の実施例に関して、本願の段落[0063]には、「血管内血液ポンプを、少なくとも部分的に患者の心臓内に配置されるように構成することができる。」と記載さているので、血液ポンプは、特に「心臓」ポンプである必要はない。また、段落0030に「システムは、血管内センサであってよい。」との記載がある。そうすると、患者の血管内に血流を誘導するためのシステム(例えば、血液ポンプ)は、「血管内」または「心臓内」であり得るが、そうである必要はない。したがって、請求項1に規定されている「血液ポンプ」をさらに限定する必要はない。 (主張3) 「圧力センサ」に関して、段落0065に「コンプライアンスセンサ410は、血管内での血液のポンピングから少なくとも部分的に生じる血管内の圧力を検出するように構成された圧力センサを含む。」との記載があり、圧力センサ412は、血管内の血液のポンピングから少なくとも部分的に生じる血管内の圧力を検出するように単に構成される。それは、例えば、複数の拍動の特定の拍動の拡張期下降中の複数の時点で大動脈圧測定値を検出するように特別に構成される必要はない。したがって、請求項1に規定されている「圧力センサ」をさらに限定する必要はない。 (主張4) 「コントローラ」に関して、段落0069にウィンドケッセルモデルではない形態が記載されており、ウィンドケッセルモデルは、使用され得る伝達関数の単なる一例にすぎない。さらに、コンピューティングデバイスの血管抵抗およびコンプライアンスの計算は、圧力測定値を含み得るポンプ動作データに広く基づいている。したがって、請求項1に現在規定されている「コントローラ」をさらに限定する必要はない。 イ 請求人の主張に対する当審の判断 (ア)主張1について 拒絶理由は、本願発明が、発明が解決しようとする課題を解決できないというものである。本願の発明の詳細な説明に、請求人が主張する「原請求項36-42」の記載が存在していたとしても、当業者が、これらの血管センサに関する記載に基づいて、拡張期に限定されない任意のタイミングで血管の抵抗を求めことができ、それにより「適切な心臓補助を提供しながら、心臓パフォーマンスの連続測定を提供する」という課題を解決できると認識することはできない。したがって、主張1は失当である。 (イ)主張2、3について 上記(3)で説示したとおり、当審は、「コントローラ」について、血管の抵抗を計算するにあたって、どの時点での圧力であるかの特定が十分になされていないことをもって、サポート要件と判断したものである。本願発明は、拡張期の圧力の測定値を用いることを特定していないものであるから、「血液ポンプ」、「圧力センサ」の特定の有無に関わらず、サポート要件を満たすということができない。 (ウ)主張4について 圧力および血流から抵抗を計算することについて、発明の詳細な説明には、ウィンドケッセルモデルに基づく形態と段落0069に別の形態が記載されているが、これらはともに拡張期の圧力を用いて計算するものであり、拡張期以外のタイミングでの圧力を用いて計算することについては具体的に開示されていない。そして、拡張期のみの開示をもって、拡張期以外のタイミングにおける圧力から抵抗を計算することまで一般化できないことは上記(3)で説示したとおりであり、主張4は採用できない。 (エ)小括 よって、請求人の主張は、本願発明が発明の詳細な説明に記載したものではないという判断を覆すに足るものではない。 第5 むすび 以上のとおり、本願の特許請求の範囲の請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 したがって、本願は、その他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-015623

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