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特許拒絶査定不服審判

2024-008837

水素を燃焼するためのプロセスおよび装置

審判番号
2024-008837
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-526384
請求日
2024年05月28日
審決日
2026年01月28日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】クリーン ハイ-ドロ-ゲン インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 平瀬 知明
  • 審判官 山本 崇昭
  • 審判官 槙原 進
分類
P18 .121-Z (F23D) / P18 .575-Z (F23D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-526384「水素を燃焼するためのプロセスおよび装置」拒絶査定不服審判事件〔令和3年5月14日国際公開、WO2021/087603、令和5年1月4日国内公表、特表2023-500152〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)11月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年11月5日(US)米国、2020年2月20日(US)米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 5月12日付け:拒絶理由通知 令和5年10月23日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 1月26日付け:拒絶査定 令和6年 5月28日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和6年12月27日 :上申書の提出 第2 令和6年5月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年5月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(下線は補正箇所を示す。)。 「【請求項1】 熱エネルギーを生成するためのシステムであって、 燃料を含む気体材料の供給源であって、燃料を含む気体材料は気体水素分子を含む、供給源と、 反応ゾーン内の反応ゾーン材料の点火を行うための点火装置と、 前記燃料を含む気体材料の前記供給源に流体結合されたエダクタと、を備え、 前記燃料を含む気体材料の供給源、前記エダクタ、前記点火装置、および前記反応ゾーンは協調的に構成され、原動流体が前記エダクタを通って流れている間、 前記燃料を含む気体材料の流れは、ベンチュリ効果に反応して、前記原動流体の流れによって誘導され、その結果、前記燃料を含む気体材料の誘導された流れおよび前記原動流体が組み合わされ、合成流体材料が得られ、前記合成流体材料は、前記エダクタに流入する前記燃料を含む気体材料の圧力よりも高い圧力で前記エダクタから排出され、 反応ゾーン供給は、前記反応ゾーン内の反応ゾーン材料が得られるように前記反応ゾーンに供給され、供給は、混合流体材料の圧力によって促される、前記エダクタから前記反応ゾーンへの前記合成流体材料の流れによって達成され、前記反応ゾーン供給は、少なくとも前記合成流体材料の気体水素分子を含み、 前記点火装置による前記反応ゾーン内の前記反応ゾーン材料の点火に反応して、前記反応ゾーン材料は、反応プロセスを介して反応生成物に変換され、その結果、反応後プロセス気体材料が生成され、前記反応後プロセス気体材料は反応生成物を含み、前記反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、前記反応プロセスは、前記反応後プロセス気体材料を加熱する熱エネルギーを生成し、加熱後の反応後プロセス気体材料が生成される、システム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和5年10月23日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「【請求項1】 熱エネルギーを生成するためのシステムであって、 燃料を含む気体材料の供給源であって、燃料を含む気体材料は気体水素分子を含む、供給源と、 反応ゾーン内の反応ゾーン材料の点火を行うための点火装置と、 前記燃料を含む気体材料の前記供給源に流体結合されたエダクタと、を備え、 前記燃料を含む気体材料の供給源、前記エダクタ、前記点火装置、および前記反応ゾーンは協調的に構成され、原動流体が前記エダクタを通って流れている間、 前記燃料を含む気体材料の流れは、ベンチュリ効果に反応して、前記原動流体の流れによって誘導され、その結果、前記燃料を含む気体材料の誘導された流れおよび前記原動流体が組み合わされ、合成流体材料が得られ、 反応ゾーン供給は、前記反応ゾーン内の反応ゾーン材料が得られるように前記反応ゾーンに供給され、前記反応ゾーン供給は、少なくとも前記合成流体材料の気体水素分子を含み、 前記点火装置による前記反応ゾーン内の前記反応ゾーン材料の点火に反応して、前記反応ゾーン材料は、反応プロセスを介して反応生成物に変換され、その結果、反応後プロセス気体材料が生成され、前記反応後プロセス気体材料は反応生成物を含み、前記反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、前記反応プロセスは、前記反応後プロセス気体材料を加熱する熱エネルギーを生成し、加熱後の反応後プロセス気体材料が生成される、システム。」 2 補正の適否について 本件補正は、上記補正前の請求項1に係る発明において、「前記合成流体材料は、前記エダクタに流入する前記燃料を含む気体材料の圧力よりも高い圧力で前記エダクタから排出され、」(以下「補正事項1」という。)との事項、及び「供給は、混合流体材料の圧力によって促される、前記エダクタから前記反応ゾーンへの前記合成流体材料の流れによって達成され、」(以下「補正事項2」という。)との事項を追加する補正を含むものである。 以下、2つの補正事項に係る補正の適否について検討する。 (1)補正事項1について 本件補正前の請求項1に記載された発明では、「前記燃料を含む気体材料の前記供給源に流体結合されたエダクタと、を備え、前記燃料を含む気体材料の供給源、前記エダクタ、前記点火装置、および前記反応ゾーンは協調的に構成され、原動流体が前記エダクタを通って流れている間、前記燃料を含む気体材料の流れは、ベンチュリ効果に反応して、前記原動流体の流れによって誘導され、その結果、前記燃料を含む気体材料の誘導された流れおよび前記原動流体が組み合わされ、合成流体材料が得られ、」との事項が特定されている。 したがって、本件補正前の請求項1に係る発明において、既に「合成流体材料はエダクタから排出される」点は特定されている。 ここで、「エダクタ」は、原動流体の流れによるベンチュリ効果を利用して、燃料を含む気体材料を誘導して、原動流体と混合し、得られた合成流体材料を排出するものである(本願明細書の段落【0003】参照)。 そして、同様の原理で機能する、エジェクタの技術常識(下記3(2)ウ参照)に照らせば、エダクタによって得られた合成流体材料は、誘導される気体材料の圧力よりも高い圧力で排出されることは、エダクタの技術常識であると認められる。 してみれば、補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載された発明のエダクタについて、単に技術常識としての機能・作用を明示したにすぎず、当該補正は特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものではない。 (2)補正事項2について 補正事項2は、「混合流体材料」なる用語を含むところ、「混合流体材料」と「合成流体材料」との関係が不明確であるので、その特定事項が明確ではない。具体的には、補正事項2について、少なくとも、次の2通りの解釈が考えられるが、結局のところ、いずれの解釈を採用したものであるのか、判然としない。 ア 「混合流体材料」は「合成流体材料」と同義であるから(段落【0036】)、補正事項2は、反応ゾーンへ合成流体材料(混合流体材料)を供給するという、エダクタの本来の機能を特定しているにすぎない。 イ 「混合流体材料」は文言どおり「合成流体材料」とは同義ではなく、かつ、合成流体材料と第3の気体材料を「混合した流体」であると解されるから(段落【0025】及び図1)、補正事項2は、当該「混合した流体」を反応ゾーンに供給する態様を特定するものである。 したがって、補正事項2に係る特定事項が明確でないため、当該補正は特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものとはいえない。 (3)小括 したがって、上記(1)及び(2)の理由により、本件補正は特許請求の範囲を減縮する補正に該当しない。 また、本件補正は「請求項の削除」、「誤記の訂正」あるいは「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当しないことは明らかである。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項に掲げる第1号ないし第4号の事項のいずれも目的とするものではない。 3 独立特許要件について 本件補正が、目的外補正を伴う不適法なものであることは、上記2で説示したとおりである。しかしながら、本件補正が、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると仮定のうえで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、念のため以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献 ア 引用文献1 上記拒絶査定の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2002-106824号(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 (ア)引用文献1の記載 「【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、バーナ部と、該バーナ部の下流側に燃焼室を備え、バーナ部より燃焼室に向けて燃焼火炎を形成し、燃焼火炎に排ガスを導入して、排ガスを酸化分解させる燃焼式排ガス処理装置において、バーナ部の外部に混合器を設け、該混合器に酸素ガス供給ラインから酸素ガスを燃料ガス供給ラインから燃料ガスを供給して混合し、混合したガスをバーナ部に供給し、燃焼させて燃焼火炎を形成することを特徴とする。 【0006】上記のようにバーナ部の外部に混合器を設け、該混合器に酸素ガス供給ラインから酸素ガスと燃料ガス供給ラインから燃料ガスを供給して混合して、バーナ部に供給するので、混合器内での酸素ガスと燃料ガスの混合比を調整することが容易となり、排ガスの効率的な燃焼処理、着火時及び消火時の異常着火や逆火の防止が容易となる。」 「【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る燃焼式排ガス処理装置の構成例を示す図である。同図において、矢印Aと矢印A、矢印Bと矢印B、矢印Cと矢印Cはそれぞれ接続される。本燃焼式排ガス処理装置は燃焼ガスに水素(H2)ガスを用い、該水素ガスに酸素(O2)ガスを混合させ燃焼火炎を形成し、該燃焼火炎に排ガスを導入して、該排ガスを酸化分解させる燃焼式排ガス処理装置である。図1において、10は排ガス処理装置本体であり、該排ガス処理装置本体10はバーナ部11と、該バーナ部11の下流側に燃焼室12を備えている。 【0016】バーナ部11の外周上部には燃焼用空気を保持する空気室13、外周中部には水素ガスと酸素ガスの混合ガスを保持する燃料ガス室14、外周下部には冷却水を保持する冷却水室15が設けられている。バーナ部11の頂部には複数本(最大4本)の排ガス流入口管16が設けられ、各排ガス流入口管16はそれぞれ排ガス流入圧力センサ19及び排ガス流入温度センサ20が設けられている。バーナ部11の頂部中央にはパイロットバーナ17が設けられている。なお、排ガス処理装置本体10の詳細構造はPCT/JP99/00632の明細書及び図面に開示しており、本発明には直接関係が少ないのでその説明は省略する。 【0017】燃焼室12に燃焼火炎を検出するためのUVセンサ18が設けられている。また、燃料ガス室14には燃料ガス室温度センサ21が設けられている。燃料ガス室14には、混合ガス配管22を通して混合器23が接続され、該混合ガス配管22には逆火検知用温度センサ24が設けられている。混合器23は酸素(O2)ガス供給ライン25と水素(H2)ガス供給ライン26が接続されている。 【0018】酸素ガス供給ライン25には下流側からストップ弁27、逆止弁28、供給弁29、マスフローコントローラ30、減圧弁31、逆止弁32、ストップ弁33が順次接続され、更にマスフローコントローラ30と減圧弁31の間に酸素ガス圧を検出する酸素圧力センサ34、逆止弁32とストップ弁33の間にリークチェック用ガス注入のための分岐弁35が接続されている。また、酸素ガス供給ライン25は図示しない酸素源に接続されている。 【0019】また、水素ガス供給ライン26には下流側からストップ弁36、逆止弁37、供給弁38、供給弁39、マスフローコントローラ40、減圧弁41、逆止弁42、ストップ弁43が順次接続され、更にマスフローコントローラ40と減圧弁41の間に水素ガス圧を検出する水素圧力センサ44、逆止弁42とストップ弁43の間にリークチェック用ガス注入のための分岐弁45が接続されている。また、水素ガス供給ライン26は図示しない水素ガス源に接続されている。」 「【0027】上記構成の燃焼式排ガス処理装置において、酸素ガス供給ライン25から供給される酸素と水素ガス供給ライン26から供給される水素(又はプロパンガス供給ライン87から供給されるプロパンガス)は混合器23で混合され、混合ガス配管22を通って、排ガス処理装置本体10の燃料ガス室14に供給され、該燃料ガス室14から燃料ガス噴射ノズル(図示せず)でバーナ部11内に供給される。また、空気室13から空気噴射ノズル(図示せず)を通して燃焼用空気がバーナ部11内に供給される。また、パイロットバーナ17に水素ガス(又はプロパンガス)及び空気を供給し、着火装置90で着火すると、水素(又はプロパンガス)と酸素の混合ガスは燃焼し燃焼火炎をバーナ部11から燃焼室12に向かって形成する。この燃焼火炎はバーナ部11から燃焼室12の中心部に向かって斜め下方に旋回するように形成するとよい。」 「 [図:0001436601000001.jpg] 」(図1) (イ)引用文献1から理解できる事項 上記(ア)の引用文献1の記載事項等から、以下の事項が理解できる。 燃焼式排ガス処理装置は、水素ガスと酸素ガスを混合した燃焼火炎により、排ガスを酸化分解するために、複数の構成を備えるものである。具体的には、水素ガス源から水素ガス供給ライン26を介して供給された水素は、混合器23で酸素と混合され、混合ガス配管22及び燃料ガス室14を通ってバーナ部11内に供給され、水素と酸素の混合ガスは着火装置90で着火され、発生した燃焼火炎がバーナ部11から燃焼室12に向かって形成されるから、水素ガス源、混合器23、着火装置90、バーナ部11及び燃焼室12は、「協調的に構成」されていると理解される。 燃焼式排ガス処理装置は、燃焼火炎を形成するために水素ガスと酸素ガスとを混合及び燃焼させているから、当該装置は、「水素と酸素の混合ガスを燃焼するためのシステム」を構成していると理解される。 バーナ部11及び燃焼室12に供給される混合ガス、並びに燃焼される燃焼火炎には、少なくとも水素ガスが含まれると理解される。 水素と酸素の混合ガスが燃焼し燃焼火炎を形成する際、水及び水蒸気並びに熱エネルギーが発生することは技術常識(以下「技術常識1」という。)であり、化学的に自明である。 (ウ)引用発明 上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「水素と酸素の混合ガスを燃焼するためのシステムであって、 水素ガスの水素ガス源と、 バーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスの点火を行うための着火装置90と、 水素ガスの水素ガス源に流体結合された混合器23と、を備え、 水素ガスの水素ガス源、混合器23、着火装置90、バーナ部11及び燃焼室12は協調的に構成され、 混合器23によって水素と酸素の混合ガスが得られ、 水素と酸素の混合ガスの供給は、バーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスが得られるようにバーナ部11及び燃焼室12に供給され、供給は、少なくとも水素ガスを含み、 着火装置90によるバーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスの着火に反応して、水素と酸素の混合ガスは燃焼し、燃焼は、水素ガスの燃焼を含み、燃焼は熱エネルギーを生成するシステム。」 イ 周知技術 引用文献1並びに、当審において新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-44029号公報(以下「引用文献2」という。)、及び特開昭63-70010号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 (ア)引用文献1の記載 「【0039】特に、図2の燃料にプロパンガスを用いる燃焼式排ガス処理装置で、プロパンガスの供給圧力が低い(2kPa程度)燃料を使う場合、燃料であるプロパンガスと酸素ガスを混合される混合器として、図5に示すように酸素ガスを駆動力とし、吸引口の圧力を-15kPa以下とすることが可能なエジェクター100を使用した。これにより、低いプロパンガス供給圧力でも、1.5kPa以内のプロパンガス供給圧力変動若しくは、バーナ部11側の圧力変動が発生しても、実際の燃料流量変動を5%以内に抑えることができた。 【0040】混合器23に図5に示すような構成のエジェクターを使用する場合、エジェクターの引圧センサ86を設け、吸引口圧力を監視し、少なくとも吸込口圧力が-15kPaとなった場合、異常と判断し、混合器23に流入する燃料ガスや酸素ガスを遮断するようにした。エジェクターの吸引圧力の上昇は、酸素ガス流量の低下や燃料配管の詰まり・下流のバーナ部11内での異常な圧力上昇により発生する。従って、上記のようにエジェクターの吸引圧力の上昇によって燃料ガスや酸素ガスを遮断することにより、異常燃焼や酸素のプロパンガス供給ライン側への逆流を防止できる。 【0041】また、混合器23に図5に示す構成のエジェクターを使用する場合、駆動ガスである酸素ガスが供給されるノズル部101と実際に吸引圧力が発生するディフューザ部102に分割できる構造とし、ノズル部101のノズル101aの径とディフューザ部102のディフューザ102aの径の組合せを容易に変えることができるようにした。これにより、燃料であるプロパンガスの流量と酸素ガスの流量を変える場合に、必要な性能を持つエジェクターを容易に選定できる。」 「 [図:0001436601000002.jpg] 」(図5) (イ)引用文献2の記載 「【0035】以下に、図面を参照して本発明に係るバーナー1の構成について説明する。 図1は、バーナー1の断面構造を示す図である。図2は、バーナー1の斜視図である。図示するように、バーナー1が有する燃焼空間S2には、燃焼空間S2へ向けて燃料ガスを噴出させ、その噴出された燃料ガスへ点火するためのノズルNが突出している。本実施形態では、バーナー1の燃焼空間S2は、原燃料ガスの改質処理により燃料電池(図示せず)に供給される水素含有ガスを生成するための改質処理部30に隣接して配置され、燃焼空間S2で発生する燃焼熱が改質処理部30の加熱用途に利用される。そして、改質処理部30によって生成された水素を主成分とする水素含有ガスは、燃料電池の燃料極に供給される。 【0036】燃料ガスを燃焼させる燃焼空間S2は、上下方向に軸心Xを有する円筒状の側壁16の内側の空間として形成される。燃焼空間S2の上方側は、後述するノズルN、第1チャンバー6、第2チャンバー7により閉塞されている。そして、バーナー1は、ガス噴出口3が形成されたノズルNの先端が下向きになるように構成されている。その結果、燃焼空間S2では、上方に設けられたバーナー1のガス噴出口3から下向きに燃料ガスが噴出されて下向きの火炎が形成されることになる。 【0037】バーナー1の燃焼空間S2を囲う円筒状の側壁16よりも更に外側には、その側壁16と同心状に配置された円筒状の外壁19が設けられている。そして、側壁16と外壁19との間に形成された燃焼排ガス通路20が、燃焼空間S2に対して、側壁16の下方端に設けられた折返部21により連通されている。その結果、燃焼空間S2において生成された燃焼排ガスは、その燃焼空間S2において下向きに通流した後に折返部21を通じて燃焼排ガス通路20に流入し、その燃焼排ガス通路20を上向きに通流した後に外部に排出される。改質処理部30は、この外壁19を取り囲む円筒状の部位として燃焼空間S2に隣接配置されており、燃焼排ガス通路20を通流する燃焼排ガスの熱が外壁19を通じて伝達されることで加熱されるように構成されている。」 「【0044】加えて、バーナー1は、ノズルNの軸心Xの周囲に環状に形成され、酸素を含む第1ガスが供給されると共に燃焼空間S2で発生した熱が伝達されるように構成される第1チャンバー6と、ノズルNの軸心Xの周囲に環状に形成され、燃料ガスとしての水素を含む第2ガスが供給されると共に燃焼空間S2で発生した熱が伝達されるように構成される第2チャンバー7とを備える。柱状体Pと筒体2との間に形成される筒状空間S1は、第1チャンバー6及び第2チャンバー7と接続される。」 「【0050】更に、本実施形態では、図2に示したように、第1チャンバー6における第1ガスの旋回方向と第2チャンバー7における第2ガスの旋回方向とは逆方向である。つまり、第1チャンバー6から旋回しながら筒状空間S1に流入した第1ガスの旋回方向と、第2チャンバー7から旋回しながら筒状空間S1に流入した第2ガスの旋回方向とは逆方向になる。その結果、筒状空間S1において第1ガスと第2ガスとが衝突して両者の混合が促進されると共に、ガスの軸心Xの周りの旋回においてその旋回方向が一方向に偏るのを防止してノズルNの軸心Xの方向に線対称に近い良好な火炎を形成できる。 【0051】筒状空間S1では、第1チャンバー6から流入してきた第1ガスに、第2チャンバー7から第2ガスが吸引されながら混合され、第1ガスと第2ガスとの混合ガスがノズルNの軸心X方向に沿って筒状空間S1を燃焼空間S2に向けて流れる。具体的には、第2チャンバー7との合流部7aにおける筒状空間S1の圧力が、第2チャンバー7における圧力よりも低くなるように、筒状空間S1の合流部7aを流れる第1ガスの流速が調整されている。その結果、ベンチュリ効果によって第2ガスを筒状空間S1へと効果的に引き込むことができる。」 「 [図:0001436601000003.jpg] 」(図1) 「 [図:0001436601000004.jpg] 」(図2) (ウ)引用文献3の記載 「第1図は本発明の実施例に係る石英ガラス加工用の酸水素バーナを示す一部切欠き正面図、第2A~2F図は第1図の各部位(A-A’B-B’,C-C‘,D-D’,E-E’)の横断面図である。 本実施例に係る酸水素バーナは、石英ガラス管で形成された内管1と外管2とを有し、該内管1は基端側に形成した酸素ガス供給口11より外管2中心線上に沿って水平に延伸し、その先端部に内部混合手段3を溶着している。 内部混合手段3も同様に石英ガラス材で形成され、内管1内径より縮径した通路の先端開口外周面をテーパ状に形成したノズル31と、該ノズル部31周面周囲を包被する円筒状の混合室32とを有し、該混合室32は、その基側に外管2を流れるガス流を吸引する導孔33を穿孔するとともに、その先側をノズルテーパ面34に沿って先細状に形成し、出口開口となすよう構成する。 これにより、内管1内を流れる酸素ガス流の速度を前記ノズル31を通過しながら増幅させ、該酸素ガスをノズル31出口開口より噴射させる事により、前記混合室32内が負圧下におかれ、これにより外管2を流れる水素ガスが導孔33より内部混合手段3内に吸引され、ノズル31周囲より噴出しながら、ノズル31出ロ開ロ側で混合されながえら絞り部21より吹き出し口側に流出する。」(第3ページ左下欄第16行~右下欄第20行) 「 [図:0001436601000005.jpg] 」(第1図) 「 [図:0001436601000006.jpg] 」(第3図) (エ)周知技術 引用文献1、2及び3の記載を鑑みれば、本願の優先日前に以下の事項が周知の技術(以下「周知技術」という。)であると認められる。 「先細状のノズルを有するバーナー用エジェクタにおいて、酸素に水素等の気体燃料を混合させるために、先細状のノズルを流れる酸素(駆動流体)によって生じるベンチュリ効果によって気体燃料を吸引すること。」 ウ 技術常識2 当審において新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった再公表特許第2014/103436号、特開2016-125471号公報、及び特開2017-190682号公報(これら文献を合わせて、以下「技術常識を示す文献」という。)には、次の記載がある。 (ア)再公表特許第2014/103436号 「【0011】図2にエジェクタ105の一例を示す。図2ではその構成と対応する内部の圧力分布を合わせて示している。エジェクタ105は、ノズル部201、混合部202、ディフューザー部(冷媒流出部)203、冷媒流入部204、冷媒吸引部205を備えている。ノズル部201は、さらに減圧部201a、ノズル喉部201b、末広部201cで構成される。なお、図2における「e,f」のアルファベットは、後述するモリエル線図の各点を表している。 【0012】図2のエジェクタ105は次のように動作する。冷媒流入部204から流入した冷媒は、減圧部201aで流路面積の低下に伴い減圧膨張する。その後、冷媒は減圧により速度が上昇しノズル喉部201bで音速となる。音速となった冷媒は、末広部201cで更に速度を上昇させながら減圧する。これにより超高速の気液二相冷媒がノズル部201から流出する。一方、エジェクタ105の冷媒吸引部205から吸引される冷媒は、冷媒吸引部205とノズル部201の出口との圧力差により、超高速の冷媒に引き込まれる(吸引冷媒)。ノズル部201の出口、つまり、混合部202の入口から超高速の冷媒と低速の吸引冷媒とが混合(混合冷媒)し始める。混合冷媒では、超高速の冷媒と吸引冷媒との運動量交換により、圧力が回復(上昇)する。そしてさらに、ディフューザー部(冷媒流出部)203においても流路拡大による減速により、動圧が静圧に変換されて圧力が上昇して、混合冷媒はディフューザー部(冷媒流出部)203から流出する。」 「 [図:0001436601000007.jpg] 」(図2) (イ)特開2016-125471号公報の記載 「【0003】エジェクターは、駆動蒸気により低圧蒸気を吸引して高圧蒸気に転換して排出するもので、多重効用造水装置における造水比(消費蒸気量に対する生産水の割合)に影響する特性として、エジェクターの吸引比がある。この吸引比は、被吸引蒸気流量/駆動蒸気流量で表される。」 「【0027】エジェクター(サーモコンプレッサーと称されることもある)(11)は、駆動蒸気により低圧蒸気を吸引して昇圧して排出するもので、これにより、後段の効用(2B)で発生した低温/低圧の蒸気の一部を圧縮して循環利用することができる。」 「【0030】エジェクター(11)は、図2に示すように、駆動ガス入口(14)、被吸引ガス入口(15)および排出ガス出口(16)が設けられたケーシング(12)と、ケーシング(12)内の駆動ガス入口直後に配されたノズル(13)とを備えている。 【0031】ケーシング(12)は、吸引チャンバー部(12a)と、吸引チャンバー部(12a)の下流側のスロート部(12b)と、スロート部(12b)の下流側のディフューザー部(12c)とを有している。駆動ガス入口(14)および被吸引ガス入口(15)が吸引チャンバー(12a)に設けられている。ノズル(13)は、吸引チャンバー部(12a)の内部に、同軸状に配置されている。吸引チャンバー部(12a)の下流側の端部は、下流にいくにしたがって径が徐々に小さくなっており、この端部にスロート部(12b)が連なっている。スロート部(12b)は径が一定であり、その下流側の端部にディフューザー部(12c)が連なっている。ディフューザー部(12c)は、下流にいくにしたがってテーパ状に径が大きくなっており、スロート部(12b)よりも軸方向の長さが長くなっている。ディフューザー部(12c)の下流側端部の開口が排出ガス出口(16)とされている。 【0032】駆動ガス入口(14)には、駆動蒸気が導入され、被吸引ガス入口(15)には、被吸引蒸気が導入される。ノズル(13)において、駆動蒸気が有する圧力エネルギーが運動エネルギーに変換されて超音速流が生じ、ノズル(13)の出口下流側において蒸気が低圧になることにより、被吸引ガス入口(15)から蒸気が吸引され、その被吸引蒸気と駆動蒸気とがケーシング(12)内で混合されて中圧の混合蒸気となる。混合蒸気は、スロート部(12b)およびディフューザー部(12c)を経て外部に排出される。」 「 [図:0001436601000008.jpg] 」(図2) (ウ)特開2017-190682号の記載 「【0031】図2を参照しながら、ケース100の内部における圧力の分布について説明する。図2の下部に示されたグラフには、ノズル300から駆動流体が噴射されているときの、ケース100の内部における圧力分布が示されている。図2の横軸は、駆動流体が流れる方向、すなわち点線DL1で示される噴射方向における座標を示している。当該座標のことを、以下では「x座標」とも表記することがある。 【0032】図2では、第1吸引口211のx座標がx1として示されており、第2吸引口221のx座標がx2として示されており、噴射口320のx座標がx3として示されている。このように、本実施形態における第1吸引口211及び第2吸引口221は、駆動流体が流れる方向における座標が互いに異なる位置にそれぞれ形成されている。また、図2では、混合部120の下流側端部におけるx座標がx4として示されており、排出口131のx座標がx5として示されている。 【0033】図2の線PL1は、ケース100の中心軸上における圧力分布を示すグラフである。従って、線PL1のうちx3よりも上流側(左側)の部分は、ノズル300の内部における駆動流体の圧力分布を示している。また、線PL1のうちx3よりも下流側(右側)の部分は、混合部120やディフューザ部130の内部における混合流体の圧力分布を示している。 【0034】図2の線PL2は、本体部110の内部のうち、ノズル300の周囲の空間における圧力分布を示している。 【0035】線PL1で示されるように、外部から駆動流体が供給されることに伴って、ノズル300の内部における圧力(P4)は比較的高くなっている。駆動流体の圧力は、噴射口320に近づくに従って次第に低くなって行き、噴射口320から噴射された直後の位置において最も低い圧力(P1)となる。 【0036】線PL2で示されるように、本体部110のうち上流側、すなわち壁111の近傍における圧力は、ノズル300内の圧力(P4)よりも低く、且つ、噴射口320の近傍における圧力(P1)よりも高い。ただし、噴射口320に近づくに従って、噴射される駆動流体の流れの影響により本体部110内の圧力は低くなって行く。線PL2と線PL1とは、x座標がx3の位置から下流側において互いに重なっている。 【0037】既に述べたように、x3よりも下流側の部分においては、駆動流体と被駆動流体との混合流体が、下流側に行くに従って昇圧されながら流れている。このため、ケース100の内部においては、噴射口320の位置(x3)において圧力が最も低くなっている。つまり、噴射口320から上流側又は下流側に向けて遠ざかるほど、ケース100内の圧力は高くなっている。 【0038】本実施形態では、駆動流体が流れる方向(矢印DL1の噴射方向)における噴射口320から第2吸引口221までの距離が、同方向における噴射口320から第1吸引口211までの距離よりも短くなっている。ノズル300から駆動流体が噴射されているときには、上記のような構成において図2のような圧力分布がケース100内で生じている。その結果、第2吸引口221の位置(x2)における圧力(P2)が、第1吸引口211の位置(x1)における圧力(P3)よりも低い状態となっている。換言すれば、第1吸引口211と第2吸引口221との間において圧力差が生じた状態となるように、第1吸引部210や第2吸引部220のそれぞれの位置が決定されている。このような圧力差を生じさせることの効果については、後に説明する。」 「 [図:0001436601000009.jpg] 」(図2) (エ)技術常識2 上記の技術常識を示す文献の記載を鑑みれば、本願の優先日前に以下の事項が技術常識(以下、単に「技術常識2」という。)であると認められる。 「先細状のノズルを有する混合流体生成用エジェクタにおいて、駆動流体と、先細状のノズルを流れる駆動流体によってエジェクタ内に吸引(誘導)された流体が組み合わさることで得られた混合流体は、ディフューザで拡散されて、エジェクタに流入する流体の圧力よりも高い圧力でエジェクタから排出されること。」 (3)対比 ア 本件補正発明と引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「水素と酸素の混合ガスを燃焼するためのシステム」は、本件補正発明の「熱エネルギーを生成するためのシステム」に相当し、同様に「水素ガスの水素ガス源」は「燃料を含む気体材料の供給源であって、燃料を含む気体材料は気体水素分子を含む、供給源」に、「バーナ部11及び燃焼室12」は「反応ゾーン」に、「水素と酸素の混合ガス」は「合成流体材料」及び「混合流体材料」に、「着火」は「点火」に、「着火装置90」は「点火装置」に、「水素と酸素の混合ガスの供給」は「反応ゾーン供給」に、「燃焼」は「反応プロセス」に相当する。 引用発明の「混合器23」と、本件補正発明の「エダクタ」とは、混合器である限りで一致する。 引用発明の「混合器によって水素と酸素の混合ガスが得られ」ることは、本件補正発明の「合成流体材料が得られ」ることに相当する。 引用発明の「水素と酸素の混合ガス」はバーナ部11及び燃焼室12に供給されるのだから、本件補正発明の「反応ゾーン材料」に相当する。 引用発明の「水素と酸素の混合ガスの供給は、バーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスが得られるようにバーナ部11及び燃焼室12に供給され」は、本件補正発明の「反応ゾーン供給は、反応ゾーン内の反応ゾーン材料が得られるように反応ゾーンに供給され」に相当する。 引用発明の「供給は、少なくとも水素ガスを含み」は、本件補正発明の「反応ゾーン供給は、少なくとも合成流体材料の気体水素分子を含み」に相当する。 引用発明の「燃焼は、水素ガスの燃焼を含み」は、本件補正発明の「反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み」に相当する。 引用発明の「着火装置90によるバーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスの着火に反応して、水素と酸素の混合ガスは燃焼し、燃焼は、水素ガスの燃焼を含み、燃焼は熱エネルギーを生成する」ことと、本件補正発明の「前記点火装置による前記反応ゾーン内の前記反応ゾーン材料の点火に反応して、前記反応ゾーン材料は、反応プロセスを介して反応生成物に変換され、その結果、反応後プロセス気体材料が生成され、前記反応後プロセス気体材料は反応生成物を含み、前記反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、前記反応プロセスは、前記反応後プロセス気体材料を加熱する熱エネルギーを生成し、加熱後の反応後プロセス気体材料が生成される」こととは、「点火装置による反応ゾーン内の反応ゾーン材料の点火をし、反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、反応プロセスは、熱エネルギーを生成する」という限りで一致する。 イ 一致点及び相違点 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「熱エネルギーを生成するためのシステムであって、 燃料を含む気体材料の供給源であって、燃料を含む気体材料は気体水素分子を含む、供給源と、 反応ゾーン内の反応ゾーン材料の点火を行うための点火装置と、 前記燃料を含む気体材料の前記供給源に流体結合された混合器と、を備え、 前記燃料を含む気体材料の供給源、前記混合器、前記点火装置、および前記反応ゾーンは協調的に構成され、 合成流体材料が得られ、 反応ゾーン供給は、前記反応ゾーン内の反応ゾーン材料が得られるように前記反応ゾーンに供給され、 前記反応ゾーン供給は、少なくとも前記合成流体材料の気体水素分子を含み、 前記点火装置による前記反応ゾーン内の前記反応ゾーン材料の点火をし、反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、前記反応プロセスは、熱エネルギーを生成する、システム。 【相違点1】 本件補正発明は、「エダクタ」を備えるものであって、「エダクタ」が「前記燃料を含む気体材料の供給源」、「前記点火装置、および前記反応ゾーン」とともに「協調的に構成され」るとともに、「原動流体が前記エダクタを通って流れている間、前記燃料を含む気体材料の流れは、ベンチュリ効果に反応して、前記原動流体の流れによって誘導され、その結果、前記燃料を含む気体材料の誘導された流れおよび前記原動流体が組み合わされ」るのに対し、 引用発明は、「水素ガスの水素ガス源に流体結合された混合器23と、を備え」、「混合器23」が「水素ガスの水素ガス源」、「着火装置90、バーナ部11及び燃焼室12」とともに「協調的に構成され」る点。 【相違点2】 本件補正発明は、「前記合成流体材料は、前記エダクタに流入する前記燃料を含む気体材料の圧力よりも高い圧力で前記エダクタから排出され」るのに対し、引用発明ではそうではない点。 【相違点3】 本件補正発明は、「供給は、混合流体材料の圧力によって促される、前記エダクタから前記反応ゾーンへの前記合成流体材料の流れによって達成され」るのに対し、引用発明はそうではない点。 【相違点4】 本件補正発明は、「前記点火装置による前記反応ゾーン内の前記反応ゾーン材料の点火に反応して、前記反応ゾーン材料は、反応プロセスを介して反応生成物に変換され、その結果、反応後プロセス気体材料が生成され、前記反応後プロセス気体材料は反応生成物を含み、前記反応プロセスは、気体水素分子の燃焼を含み、前記反応プロセスは、前記反応後プロセス気体材料を加熱する熱エネルギーを生成し、加熱後の反応後プロセス気体材料が生成される」のに対し、 引用発明は、「着火装置90によるバーナ部11及び燃焼室12内の水素と酸素の混合ガスの着火に反応して、水素と酸素の混合ガスは燃焼し、燃焼は、水素ガスの燃焼を含み 、燃焼は熱エネルギーを生成する」点。 (4)判断 ア 相違点について 以下、相違点について検討する。 (ア)相違点1について 引用発明と上記周知技術は、酸素と水素等の気体燃料を混合する混合器である点で技術分野及び機能・作用が共通する。 したがって、引用発明において、上記周知技術に照らして、混合器としてエダクタを用いることは、当業者であれば容易になし得たことである。 そして、エダクタを用いた引用発明が「協調的に構成」されることは、その目的及び機能(上記(2)ア(イ)参照)から明らかである。また、エダクタを用いた引用発明が、酸素(原動流体)がエダクタを通って流れている間、水素ガス(燃料を含む気体材料)の流れは、ベンチュリ効果に反応して、酸素(原動流体)の流れによって誘導され、その結果、水素ガス(燃料を含む気体材料)の誘導された流れおよび酸素(原動流体)が組み合わされたものとなることも、明らかである。 したがって、引用発明に周知技術を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、容易想到である。 (イ)相違点2について 上記技術常識2を鑑みれば、上記周知技術において、流入する気体燃料と酸素が混合した流体は、エジェクタから排出される際に拡散されて、流入する気体燃料の圧力よりも高い圧力となることは、明らかである。そうすると、上記周知技術に照らして、引用発明における混合器23としてエダクタを用いれば、水素と酸素の混合ガス(合成流体材料)は、エダクタに流入する水素ガス(燃料を含む気体材料)の圧力よりも高い圧力でエダクタから排出される構成となることも、明らかである。 したがって、相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明に周知技術を適用する際に、当然に導出されるものにすぎない。 (ウ)相違点3について 引用発明では、混合器23から排出された混合ガスは直接(ポンプ等の加圧手段なしで)バーナ部11及び燃焼室12に供給される。そして、その状況下において引用発明における混合器23としてエダクタを用いれば、エダクタのディフューザで混合ガスの圧力が増加し(上記の技術常識2を参照。)、増加した圧力で混合ガスがエダクタから排出され、バーナ部11及び燃焼室12に直接供給される、すなわち「供給は、混合流体材料の圧力によって促される、前記エダクタから前記反応ゾーンへの前記合成流体材料の流れによって達成され」る構成になるものと認められる。 したがって、相違点3に係る本件補正発明の構成は、引用発明に周知技術を適用する際に、当然に導出されるものにすぎない。 なお、仮に上記2(2)イのように、「混合流体材料」は合成流体材料と第3の気体材料を「混合した流体」であると解し、相違点3に係る本件補正発明の構成は、当該「混合した流体」を反応ゾーンに供給する態様を特定するものと解したとしても、複数のエダクタや第3の気体材料を用いることは、引用発明の混合器23にエダクタを用いる際、求められる圧力や流速等に応じて当業者であれば適宜選択し得る設計変更にすぎない。 (エ)相違点4について 引用発明において、上記(2)ア(イ)で述べた技術常識1を鑑みれば、水素と酸素の混合ガスが燃焼する際に熱エネルギー及び水蒸気が発生し、水蒸気が熱エネルギーで加熱されることは明らかである。 そして、引用発明の「水蒸気」は本件補正発明の「反応生成物」に相当し、同様に「熱エネルギーで加熱された水蒸気」は「加熱後の反応後プロセス気体材料」に相当する。 よって、引用発明は、「反応プロセスを介して反応生成物に変換され、その結果、反応後プロセス気体材料が生成され、反応プロセスは、反応後プロセス気体材料を加熱する熱エネルギーを生成し、加熱後の反応後プロセス気体材料が生成される」との事項を備えていると認められる。 してみると、相違点4は、実質的な相違点でないか、実質的な相違点であったとしても、技術常識1から当業者が容易に想到し得たことにすぎないものである。 イ 作用効果 そして、相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ウ 小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反し、仮にそうでないとしても、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年5月28日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし27に係る発明は、令和5年10月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし27に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 令和6年1月26日付け拒絶査定の理由のうち、請求項1に係る発明に対する拒絶の理由は、概ね次のとおりである。 本願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記1の引用文献に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開2002-106824号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、概ね上記第2の[理由]3(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の[理由]1ないし3で検討した本件補正発明から、上記の補正事項1及び2に係る事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]3(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-008837

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