特許拒絶査定不服審判
2024-007649
アップサンプリングを使用した行列ベースのイントラ予測
- 審判番号
- 2024-007649
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-568702
- 請求日
- 2024年05月08日
- 審決日
- 2025年10月21日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】北京字節跳動網絡技術有限公司
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 【請求人】バイトダンス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 審判長/審判官
- 審判長 畑中 高行
- 審判官 宮下 誠
- 審判官 樫本 剛
- 分類
- P18 .121-Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-568702「アップサンプリングを使用した行列ベースのイントラ予測」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年11月26日国際公開、WO2020/233663、令和 4年 7月21日国内公表、特表2022-533190〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)5月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2019年5月22日(CN)中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年11月17日 : 手続補正書の提出
令和 4年 5月25日 : 手続補正書の提出
令和 4年11月25日付け: 拒絶理由通知書
令和 5年 3月 6日 : 意見書、手続補正書の提出
令和 5年 6月21日付け: 拒絶理由通知書(最後)
令和 5年 9月26日 : 意見書、手続補正書の提出
令和 5年12月27日付け: 補正の却下の決定、拒絶査定
令和 6年 5月 8日 : 審判請求書、手続補正書の提出
令和 6年 8月27日付け: 前置報告書
令和 7年 5月 9日付け: 拒絶理由通知書
令和 7年 8月 8日 : 意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~12に係る発明は、令和7年8月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。符号「A」~「M」は、本願発明を分説するために当審にて付与した。以下、符号「A」~「M」に対応する発明特定事項を「構成A」~「構成M」という。)
「【請求項1】
A ビデオ処理の方法であって、
B ビデオのビデオブロックと前記ビデオのビットストリームとの間の変換のために、第1のイントラモードが前記ビデオの前記ビデオブロックに適用されることを判定することであって、前記第1のイントラモードは、前記ビデオブロックに対する予測サンプルを生成するために、行列ベクトル乗算動作と、それに続くアップサンプリング動作とを含む、判定することと、
C 前記予測サンプルに基づいて、前記変換を実行することと、を含み、
D 前記アップサンプリング動作は、水平アップサンプリング動作と、垂直アップサンプリング動作とを含み、前記水平アップサンプリング動作および前記垂直アップサンプリング動作は、固定順序で実行され、
E 前記予測サンプルのpredSamples[xHor+dX][yHor]は、前記水平アップサンプリング動作において、((upHor-dX)*predSamples[xHor][yHor] + dX*predSamples[xHor+upHor][yHor]+offsetHor)/upHorに従って導出され、
F 前記予測サンプルのpredSamples[xVer][yVer+dY]は、前記垂直アップサンプリング動作において、((upVer-dY)*predSamples[xVer][yVer] + dY*predSamples[xVer][yVer+upVer]+offsetVer)/upVerに従って導出され、
G upHorは、前記ビデオブロックの幅と入力ブロックの幅とに基づいて計算された予め定義された値であり、
H upVerは、前記ビデオブロックの高さと前記入力ブロックの高さとに基づいて計算された予め定義された値であり、
I offsetHorおよびoffsetVerは、整数であり、
J 1≦dX≦upHor-1であり、
K 1≦dY≦upVer-1であり、
L xHorは、前記upHorに基づいた位置であり、vHorは、前記upVerに基づいた位置である、
M 方法。」
第3 当審が通知した拒絶の理由
令和7年5月9日付けで当審が通知した拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、次のとおりのものである。
「2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1、8-12について 引用文献等 1-4
・請求項 2-7について 引用文献等 1-4
1.Jonathan Pfaff, et al.,JVET-M1001-v7_proposal_text_CE3-4.1_v2.docx,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-N0217 (version 3),2019年03月25日,pp.43-46,116-120,https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/14_Geneva/wg11/JVET-N0217-v3.zip
2.特表2018-537898号公報
3.国際公開第2018/128417号
4.PFAFF, Jonathan et al.,JVET-N0217_v1.docx,CE3: Affine Linear Weighted Intra Prediction (CE3-4.1, CE3-4.2),JVET-N0217 (version 3),ITU,2019年03月25日,pp.1-17,https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/14_Geneva/wg11/JVET-N0217-v3.zip」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1
ア 引用文献1に記載された事項
当審拒絶理由で引用されたJonathan Pfaff, et al.,JVET-M1001-v7_proposal_text_CE3-4.1_v2.docx,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-N0217 (version 3),2019年03月25日,pp.43-46,116-120,https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/14_Geneva/wg11/JVET-N0217-v3.zip(以下、「引用文献1」という。)には、次の記載がある。仮訳は当審において合議体が付した。
(ア) 「8 Decoding process
8.1 General decoding process
8.1.1 General
Input to this process is a bitstream. Output of this process is a list of decoded pictures.
The decoding process is specified such that all decoders that conform to a specified profile and level will produce
numerically identical cropped decoded output pictures when invoking the decoding process associated with that profile for
a bitstream conforming to that profile and level. Any decoding process that produces identical cropped decoded output
pictures to those produced by the process described herein (with the correct output order or output timing, as specified)
conforms to the decoding process requirements of this Specification.
At the beginning of decoding a CVS, after activating the SPS RBSP that is active for the entire CVS and before decoding
any VCL NAL units of the CVS, clause 8.1.2 is invoked with the CVS as input.」(98頁25行目~同35行目)
(当審仮訳:
8 デコード処理
8.1 一般的なデコード処理
8.1.1 概要
この処理への入力はビットストリームである。この処理の出力はデコードされた画像のリストである。
デコード処理は、指定されたプロファイルおよびレベルに準拠するすべてのデコーダが、そのプロファイルおよびレベルに準拠するビットストリームに対して、そのプロファイルに関連付けられたデコード処理を呼び出す際に、数値的に同一のトリミングされたデコード出力画像を生成するように規定されている。ここで規定されている処理によって生成される画像と同一のトリミングされたデコード出力画像(指定された正しい出力順序または出力タイミングで)を生成するデコード処理は、本仕様のデコード処理要件に準拠する。
CVSのデコード開始時、CVS全体で有効なSPS RBSPをアクティブ化した後、かつCVSのVCL NALユニットをデコードする前に、CVSを入力として8.1.2項が呼び出される。)
(イ) 「
[図:0001433560000001.jpg]
[図:0001433560000002.jpg]
[図:0001433560000003.jpg]
[図:0001433560000004.jpg]
」(116頁19行目~118頁7行目)
(当審仮訳:
8.4.4.2.X1 アフィン線形重み付きイントラサンプル予測
このプロセスへの入力は以下のとおりである。
- 現在の画像の左上サンプルを基準とした、現在の変換ブロックの左上サンプルを指定するサンプル位置(xTbCmp、yTbCmp)、
- イントラ予測モードを指定する変数predModeIntra、
- 変換ブロックの幅を指定する変数nTbW、
- 変換ブロックの高さを指定する変数nTbH。
このプロセスの出力は予測サンプルpredSamples[x][y](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)である。
8.4.X.1節で規定されているブロックのサイズ型導出プロセスは、変換ブロックの幅nTbWと変換ブロックの高さnTbHを入力として呼び出され、出力は変数sizeIdに割り当てられる。
変数 numModes、boundarySize、predW、predH、predC は、表 8-X4 に示されている sizeId を使用して導出される。
表 8-X4(省略)
フラグ isTransposed は次のように導出される。
isTransposed = ( predModeIntra > ( numModes / 2 ) ) ? 1 : 0 (8-X15)
フラグ needUpsBdryHor と needUpsBdryVer は次のように導出される。
needUpsBdryHor = ( nTbW > predW ) ? TRUE : FALSE (8-X16)
needUpsBdryVer = ( nTbH > predH ) ? TRUE : FALSE (8-X17)
変数 upsBdryW と upsBdryH は以下のように導出される。
upsBdryW = ( nTbH > nTbW ) ? nTbW : predW (8-X18)
upsBdryH = ( nTbH > nTbW ) ? predH : nTbH (8-X19)
変数 lwipW と lwipH は以下のように導出される。
lwipW = ( isTransposed = = 1) ? predH : predW (8-X20)
lwipH = ( isTransposed = = 1) ? predW : predH (8-X21)
x = 0..nTbW - 1 の参照サンプル refT[ x ] と y = 0..nTbH - 1 の参照サンプル refL[ y ] を生成するために、サンプル位置 ( xTbCmp, yTbCmp )、変換ブロック幅 nTbW、変換ブロック高さ nTbH を入力として、上側と左側の参照サンプル refT[ x ] ( x = 0..nTbW - 1 ) と refL[ y ] ( y = 0..nTbH - 1 ) を出力として、8.4.4.2.X2 節で規定されている参照サンプル導出プロセスが呼び出される。
x = 0..2 * boundarySize - 1 の境界サンプル p[ x ] の生成には、以下が適用される。
- 8.4.4.2.X3 節で指定されている境界削減プロセスが、ブロックサイズ nTbW、参照サンプル refT、境界サイズ boundarySize、アップサンプリング境界フラグ needUpsBdryVer、およびアップサンプリング境界サイズ upsBdryW を入力として、上位参照サンプルに対して呼び出される。また、x = 0..boundarySize - 1 の削減境界サンプル redT[ x ] と x = 0..upsBdryW - 1 のアップサンプリング境界サンプル upsBdryH[ x ] が出力として呼び出される。
- 8.4.4.2.X3 節で指定されている境界削減プロセスは、ブロック サイズ nTbH、参照サンプル refL、境界サイズ boundarySize、アップサンプリング境界フラグ needUpsBdryHor、およびアップサンプリング境界サイズ upsBdryH を入力として左参照サンプルに対して呼び出され、x = 0..boundarySize - 1 の削減境界サンプル redL[ x ] と x = 0..upsBdryH - 1 のアップサンプリング境界サンプル upsBdryL[ x ] が出力として呼び出される。
- 縮小された上境界サンプル redT および左境界サンプル redL は、境界サンプル配列 p に次のように割り当てられる。
- isTransposed が 1 の場合、p[ x ] は redL[ x ] (x = 0..boundarySize - 1)に等しく設定され、p[ x + boundarySize ] は redT[ x ] (x = 0..boundarySize - 1)に等しく設定される。
- それ以外の場合、p[ x ] は redT[ x ] (x = 0..boundarySize - 1)に等しく設定され、p[ x + boundarySize ] は redL[ x ] (x = 0..boundarySize - 1)に等しく設定される。
predModeIntra によるサンプル内予測プロセスでは、以下の手順が適用される。
1.アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..lwipW - 1、y = 0..lwipH - 1)は、次のように導出される。
- 変数 modeIdは以下のように導出される。
modeId = predModeIntra - ( isTransposed = = 1) ? ( numModes / 2 ) : 0 (8-X22)
- x = 0..2 * boundarySize - 1、y = 0..predC * predC - 1 の重み行列 mWeight[ x ][ y ] は、表 8-XX [TBD: 重み行列を追加] で指定されている sizeId と modeId を使用して導出される。
- y = 0..predC * predC - 1 のバイアスベクトル vBias[ y ] は、表 8-XX [TBD: バイアスベクトルを追加] で指定されている sizeId と modeId を使用して導出される。
- 変数 sW は、表 8-X5 で指定されている sizeId と modeId を使用して導出される。
- アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..lwipW - 1、y = 0..lwipH - 1)は次のように導出される。
[図:0001433560000005.jpg]
2. 予測サンプルpredSamples[ x ][ y ](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)は以下のように導出される。
- isTransposedが1の場合、predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)はpredLwip[ y ][ x ]に等しく設定される。
- needUpsBdryVer が TRUE または needUpsBdryHor が TRUE に等しい場合、入力ブロックの幅 predW、入力ブロックの高さ predH、アフィン線形加重サンプル predLwip、変換ブロックの幅 nTbW、変換ブロックの高さ nTbH、アップサンプリング境界の幅 upsBdryW、アップサンプリング境界の高さ upsBdryH、上部アップサンプリング境界サンプル upsBdryT、および左側アップサンプリング境界サンプル upsBdryL を入力として、8.4.4.2.X4 項で指定されている予測アップサンプリングプロセスが呼び出され、出力は予測サンプル配列 predSamples になる。
- それ以外の場合、predSamples[ x ][ y ](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)はpredLwip[ x ][ y ]と同じに設定される。
表 8-X5 (省略))
(ウ)「
[図:0001433560000006.jpg]
[図:0001433560000007.jpg]
」(119頁29行目~120頁25行目)
(当審仮訳:
8.4.4.2.X4 予測アップサンプリング処理の仕様
この処理への入力は以下のとおりである。
- 入力ブロックの幅を指定する変数 predW
- 入力ブロックの高さを指定する変数 predH
- アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)
- 変換ブロックの幅を指定する変数 nTbW
- 変換ブロックの高さを指定する変数 nTbH
- アップサンプリング境界の幅を指定する変数 upsBdryW
- アップサンプリング境界の高さを指定する変数 upsBdryH
- 上面アップサンプリング境界サンプル upsBdryT[ x ](x = 0..upsBdryW - 1)
- 左面アップサンプリング境界サンプル upsBdryL[ x ](x = 0..upsBdryH - 1))
このプロセスの出力は予測サンプル predSamples[ x ][ y ] であり、x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1 である。
スパース予測サンプル predSamples[ m ][ n ] は、predLwip[ x ][ y ] から次のように導出される。x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1 である。
upHor = nTbW / predW (8-X34)
upVer = nTbH / predH (8-X35)
predSamples[ ( x + 1 ) * upHor - 1 ][ ( y + 1 ) * upVer - 1 ] = predLwip[ x ][ y ] (8-X36)
上境界サンプル upsBdryT[ x ] であり、x = 0..upsBdryW - 1 は、predSamples[ m ][ - 1 ] に次のように代入される。
predSamples[ ( x + 1 ) * ( nTbW / upsBdryW ) - 1 ][ - 1 ] = upsBdryT[ x ] (8-X37)
y = 0..upsBdryH - 1 の左境界サンプル upsBdryL[ y ] は、predSamples[ - 1 ][ n ] に次のように代入される。
predSamples[ - 1 ][ ( y + 1 ) * ( nTbH / upsBdryH ) - 1 ] = upsBdryL[ y ] (8-X38)
x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1 の予測サンプル predSamples[ x ][ y ] は、次のように導出される。
- nTbH が nTbW より大きい場合、以下の手順が適用される:
1. upHorが1より大きい場合、すべてのスパース位置( xHor、 yHor ) = ( m * upHor - 1、 n * upVer - 1 )(m = 0..predW - 1、n = 1..predH)に対して、dX = 1..upHor - 1 で次の水平アップサンプリングが適用される。
predSamples[ xHor + dX ][ yHor ] = ( ( upHor - dX ) * predSamples[ xHor ][ yHor ] + dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ] ) / upHor (8-X39)
2. すべてのスパース位置 ( xVer、yVer ) = ( m、n * upVer - 1 )(m = 0..nTbW - 1、n = 0..predH - 1)に対して、dY = 1..upVer - 1 で次のように垂直アップサンプリングが適用される。
predSamples[ xVer ][ yVer + dY ] = ( ( upVer - dY ) * predSamples[ xVer ][ yVer ] + dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ] ) / upVer (8-X40)
- それ以外の場合、以下の手順が適用される。
1. upVer が 1 より大きい場合、すべてのスパース位置( xVer, yVer ) = ( m * upHor - 1, n * upVer - 1 ) (m = 1..predW、n = 0..predH - 1)に対して、(8-X40)で指定されているようにdY = 1..upVer - 1で垂直アップサンプリングが適用される。
2. すべてのスパース位置( xHor, yHor ) = ( m * upHor - 1, n )(m = 0..predW - 1、n = 0..nTbH - 1)に対して、(8-X39)で指定されているようにdX = 1..upHor - 1で水平アップサンプリングが適用される。)
イ 引用発明
(ア) 上記ア(ア)の「8 デコード処理」と上記ア(イ)の「8.4.4.2.X1 アフィン線形重み付きイントラサンプル予測」によれば、これらは8章の記載であるから、アフィン線形重み付きサンプル予測プロセスは、デコード処理の一部であるといえる。
さらに、上記ア(ア)の「この処理への入力はビットストリームである。この処理の出力はデコードされた画像のリストである。」によれば、上記デコード処理は、ビットストリームを入力とし、画像のリストを出力する処理といえる。
(イ)a 上記ア(ウ)の
「8.4.4.2.X4 予測アップサンプリング処理の仕様
この処理への入力は以下のとおりである。
- 入力ブロックの幅を指定する変数 predW
- 入力ブロックの高さを指定する変数 predH
- アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)
- 変換ブロックの幅を指定する変数 nTbW
- 変換ブロックの高さを指定する変数 nTbH
・・・(中略)・・・
このプロセスの出力は予測サンプル predSamples[ x ][ y ] であり、x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1 である。」
によれば、予測アップサンプリング処理は、少なくとも、入力ブロックの幅を指定する変数 predW、入力ブロックの高さを指定する変数 predH、アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)、変換ブロックの幅を指定する変数 nTbW、変換ブロックの高さを指定する変数 nTbHを入力して、予測サンプルpredSamples[ x ][ y ] (x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)を出力するものといえる。
b 上記ア(イ)の
「8.4.4.2.X1 アフィン線形重み付きイントラサンプル予測
このプロセスへの入力は以下のとおりである。」
によれば、「8.4.4.2.X1」では、アフィン線形重み付きイントラサンプル予測プロセスが説明されているといえる。
さらに、上記ア(イ)の
「predModeIntra によるサンプル内予測プロセスでは、以下の手順が適用される。
1.アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..lwipW - 1、y = 0..lwipH - 1)は、次のように導出される。
・・・(中略)・・・
2. 予測サンプルpredSamples[ x ][ y ](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)は以下のように導出される。
- isTransposedが1の場合、predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)はpredLwip[ y ][ x ]に等しく設定される。
- needUpsBdryVer が TRUE または needUpsBdryHor が TRUE に等しい場合、入力ブロックの幅 predW、入力ブロックの高さ predH、アフィン線形加重サンプル predLwip、変換ブロックの幅 nTbW、変換ブロックの高さ nTbH、アップサンプリング境界の幅 upsBdryW、アップサンプリング境界の高さ upsBdryH、上部アップサンプリング境界サンプル upsBdryT、および左側アップサンプリング境界サンプル upsBdryL を入力として、8.4.4.2.X4 項で指定されている予測アップサンプリングプロセスが呼び出され、出力は予測サンプル配列 predSamples になる。」
によれば、サンプル内予測プロセスは、「1」としていることからみて、まず、アフィン線形重み付きサンプルpredLwip[ x ][ y ]を導出し、「2」としていることからみて、次に、予測サンプルpredSamples[ x ][ y ]を導出するために、予測アップサンプリングプロセスを呼び出すものといえる。
以上から、アフィン線形重み付きイントラサンプル予測プロセスは、アフィン線形重み付きサンプルpredLwip[ x ][ y ]を導出し、それに続く、予測アップサンプリングプロセスにより構成されているといえる。
上記アフィン線形重み付きサンプルpredLwip[ x ][ y ]の導出について、上記ア(イ)の
「アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..lwipW - 1、y = 0..lwipH - 1)は次のように導出される。
[図:0001433560000008.jpg]
」
によれば、少なくとも、重み行列 mWeight[ x ][ y ]とバイアスベクトルvBias[ y ]とを用いて式(8-X27)のとおり、アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ]を導出するものといえる。
c したがって、アフィン線形重み付きイントラサンプル予測プロセスは、少なくとも、入力ブロックの幅を指定する変数 predW、入力ブロックの高さを指定する変数 predH、該アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)、変換ブロックの幅を指定する変数 nTbW、変換ブロックの高さを指定する変数 nTbHを入力として、予測サンプルpredSamples[x][y](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)を出力するところ、少なくとも、重み行列 mWeight[ x ][ y ]とバイアスベクトル vBias[ y ]とを用いてアフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ]を導出し、それに続く予測アップサンプリングプロセスを含むといえる。
(ウ) 上記予測アップサンプリングプロセスは、上記ア(ウ)の
「x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1 の予測サンプル predSamples[ x ][ y ] は、次のように導出される。
- nTbH が nTbW より大きい場合、以下の手順が適用される:
1. upHorが1より大きい場合、すべてのスパース位置( xHor、 yHor ) = ( m * upHor - 1、 n * upVer - 1 )(m = 0..predW - 1、n = 1..predH)に対して、dX = 1..upHor - 1 で次の水平アップサンプリングが適用される。
predSamples[ xHor + dX ][ yHor ] = ( ( upHor - dX ) * predSamples[ xHor ][ yHor ] + dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ] ) / upHor (8-X39)
2. すべてのスパース位置 ( xVer、yVer ) = ( m、n * upVer - 1 )(m = 0..nTbW - 1、n = 0..predH - 1)に対して、dY = 1..upVer - 1 で次のように垂直アップサンプリングが適用される。
predSamples[ xVer ][ yVer + dY ] = ( ( upVer - dY ) * predSamples[ xVer ][ yVer ] + dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ] ) / upVer (8-X40)
- それ以外の場合、以下の手順が適用される。
1. upVer が 1 より大きい場合、すべてのスパース位置( xVer, yVer ) = ( m * upHor - 1, n * upVer - 1 ) (m = 1..predW、n = 0..predH - 1)に対して、(8-X40)で指定されているようにdY = 1..upVer - 1で垂直アップサンプリングが適用される。
2. すべてのスパース位置( xHor, yHor ) = ( m * upHor - 1, n )(m = 0..predW - 1、n = 0..nTbH - 1)に対して、(8-X39)で指定されているようにdX = 1..upHor - 1で水平アップサンプリングが適用される。」
によれば、上記予測アップサンプリングプロセスは、nTbHがnTbWより大きい場合、水平アップサンプリングを実行した後、垂直アップサンプリングを実行するのに対し、それ以外の場合、垂直アップサンプリングを実行した後、水平アップサンプリングを実行するものといえる。
(エ) 上記ア(ウ)の式(8-X39)によれば、予測サンプルpredSamples[ xHor + dX ][ yHor ] は、水平アップサンプリング動作において、 ( ( upHor - dX ) * predSamples[ xHor ][ yHor ] + dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ] ) / upHorに従って導出されているといえる。
上記ア(ウ)の式(8-X40)によれば、予測サンプルpredSamples[ xVer ][ yVer + dY ] は、垂直アップサンプリング動作において、 ( ( upVer - dY ) * predSamples[ xVer ][ yVer ] + dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ] ) / upVerに従って導出されているといえる。
(オ) 上記ア(ウ)において、式(8-X34)の「upHor = nTbW / predW」におけるnTbWは変換ブロックの幅を指定する変数であり、predWは入力ブロックの幅を指定する変数であるから、upHorは、変換ブロックの幅と入力ブロックの幅とに基づいてupHor = nTbW / predWに従って計算された値といえる。
上記ア(ウ)において、式(8-X35)の「upVer = nTbH / predH」におけるnTbHは変換ブロックの高さを指定する変数であり、predHは入力ブロックの高さを指定する変数であるから、upVerは、変換ブロックの高さと入力ブロックの高さとに基づいてupVer = nTbH / predHに従って計算された値といえる。
(カ) 上記ア(ウ)における式(8-X39)の記載の直上に、「dX = 1..upHor - 1 として次のように適用される」と記載されているから、式(8-X39)のdXは、dX = 1..upHor - 1 であるといえる。
上記ア(ウ)における式(8-X40)の記載の直上に、「dY = 1..upVer - 1 で次のように適用される」と記載されているから、式(8-X40)のdYは、dY = 1..upVer - 1 であるといえる。
(キ) 上記ア(ウ)における式(8-X39)の記載の直上に、「すべてのスパース位置( xHor, yHor ) = ( m * upHor - 1, n * upVer - 1)」と記載されているから、すべてのスパース位置( xHor, yHor ) は ( m * upHor - 1, n * upVer - 1)であるといえる。
(ク) 以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認める。符号「a」~「k」は、引用発明を分説するために当審にて付与した。以下、符号「a」~「k」に対応する発明特定事項を、以下「構成a」~「構成k」という。)
a ビットストリームを入力とし、画像のリストを出力するデコード処理において、
b アフィン線形重み付きイントラサンプル予測プロセスは、少なくとも、入力ブロックの幅を指定する変数 predW、入力ブロックの高さを指定する変数 predH、該アフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ](x = 0..predW - 1、y = 0..predH - 1)、変換ブロックの幅を指定する変数 nTbW、変換ブロックの高さを指定する変数 nTbHを入力として、予測サンプルpredSamples[x][y](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)を出力するところ、少なくとも、重み行列 mWeight[ x ][ y ]とバイアスベクトルvBias[ y ]とを用いてアフィン線形重み付きサンプル predLwip[ x ][ y ]を導出し、それに続く予測アップサンプリングプロセスを含むものであって、
c 上記予測アップサンプリングプロセスは、nTbHがnTbWより大きい場合、水平アップサンプリングを実行した後、垂直アップサンプリングを実行するのに対し、それ以外の場合、垂直アップサンプリングを実行した後、水平アップサンプリングを実行するところ、
d 予測サンプルpredSamples[ xHor + dX ][ yHor ] は、水平アップサンプリング動作において、 ( ( upHor - dX ) * predSamples[ xHor ][ yHor ] + dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ] ) / upHorに従って導出され、
e 予測サンプルpredSamples[ xVer ][ yVer + dY ] は、垂直アップサンプリング動作において、 ( ( upVer - dY ) * predSamples[ xVer ][ yVer ] + dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ] ) / upVerに従って導出され、
f upHorは、変換ブロックの幅と入力ブロックの幅とに基づいてupHor = nTbW / predWに従って計算された値であり、
g upVerは、変換ブロックの高さと入力ブロックの高さとに基づいてupVer = nTbH / predHに従って計算された値であり、
h dX = 1..upHor - 1であり、
i dY = 1..upVer - 1であり、
j すべてのスパース位置( xHor, yHor ) は ( m * upHor - 1, n * upVer - 1)である、
k デコード処理。
2 引用文献2~3、周知技術1
(1) 引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由で引用された特表2018-537898号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
ア 「【0057】
・・・
エンハンスメントレイヤ復号化プロセス
【0058】
各BL映像フレームにつき、EL映像デコーダによって再構成される対応するEL映像フレームが存在する。復号化BL映像フレームおよび復号化EL映像フレームは両方とも表示可能な状態(display order)にあり、互いにフレームを揃えられている(frame aligned)ことを、Dolby Visionデコーダは保証しなければならない。EL映像フレームにおいて、サンプル値は、YCbCr色空間におけるEL信号の3つの量子化成分を携える。あるEL映像フレームが、対応するBL映像フレームにひとたび揃えられたならば、このEL映像フレームにおいて、
1.EL解像度がBL解像度よりも低いならば、EL信号をBLと同一の解像度にスケールアップすること
2.逆量子化を実行して、EL信号をDolby Vision信号ドメインへと変換すること
を行なわなければならない。すると、逆量子化EL信号は、予測BL信号に加算することが可能となっている。EL復号化処理のためのプロセスの一例を図4に示す。
エンハンスメントレイヤ空間的リサンプリング
【0059】
el_spatial_resampling_filter_flagが1に等しいならば、Dolby Visionデコーダは、EL映像デコーダからの再構成信号を水平方向と垂直方向の両方にアップサンプリングしなければならない。el_spatial_resampling_filter_flagが0に等しいならば、EL空間的リサンプリングをスキップする。
【0060】
入力は、EL_bit_depthに等しいビット深度を有しかつクロマフォーマットに一切変更のない、EL映像デコーダからの再構成映像フレームである。本プロセスの出力は、入力信号と同一のビット深度およびクロマフォーマットを有した、空間的にアップサンプリングされた再構成EL信号である。
【0061】
垂直アップサンプリングを先ず適用し、その後に水平アップサンプリングが続く。」
(2) 引用文献3に記載された事項
当審拒絶理由で引用された国際公開第2018/128417号(以下、「引用文献3」という。)には、次の記載がある。仮訳は当審において合議体が付した。
ア 「
[図:0001433560000009.jpg]
」
(当審仮訳:
技術分野
[1] ビデオ復号化方法及びビデオ符号化に関する。詳細には、双方向動き予測モードでインター予測を実行するビデオ復号化およびビデオ符号化に関する。)
イ 「
[図:0001433560000010.jpg]
[図:0001433560000011.jpg]
」
(当審仮訳:
[153] 例えば、ブロックベース動き補償部115は、補間フィルタ(interpolation filter)を用いて所定の方向成分を有するピクセルのピクセル値をフィルタリングし、その結果として基準ピクセル値を決定し、この基準ピクセル値を用いて、現在ブロックに対するブロック単位の動き補償値を決定する。ブロック単位の動き補償値を決定することができる。このとき、補間フィルタは、DCT(Discrete Cosine Transform)ベースのMタップの補間フィルタを用いることができる。 DCTベースのMタップの補間フィルタの係数は、DCTとIDCTから導き出すことができる。このとき、補間フィルタの係数は、フィルタリング実行時の実数演算を減らすために整数係数にスケーリングされたフィルタ係数であり得る。このとき、補間フィルタは、水平方向または垂直方向の一次元補間フィルタであってもよい。例えば、ピクセル位置がx軸とy軸の直交座標成分で表される場合、水平方向はx軸に平行な方向を意味する。垂直方向はy軸に平行な方向を意味する。
[154] ブロック単位動き補償部115は、まず垂直方向の1次元補間フィルタを用いて整数位置にあるピクセル値に対してフィルタリングを行い、フィルタリングが行われて生成された値に水平方向の1次元補間フィルタを用いてフィルタリングを行い、小数ピクセル位置での参照ピクセル値を決定することができる。
[155] 一方、スケーリングされたフィルタ係数を用いる場合、フィルタリングが行われて生成された値は、スケールされていないフィルタ係数を用いる場合に比べてその値が大きくなる可能性がある。したがって、ブロック単位動き補償部115は、フィルタリングによって生成された値に対して逆スケーリング(de-scaling)を行うことができる。
[156] ブロック単位動き補償部115は、垂直方向の1次元補間フィルタを用いて整数位置にあるピクセル値に対してフィルタリングを行った後、デスケーリングを行うことができる。この場合、デスケーリングは、デスケーリングビット数だけ右にビットシフトすることである。デスケーリングビット数は、入力画像のサンプルのビット深度に基づいて決定され得る。例えば、デスケーリングビット数は、サンプルのビットデプスに8を引いた値であり得る。
[157] また、ブロック単位動き補償部115は、垂直方向の1次元補間フィルタを用いて整数位置にあるピクセル値に対してフィルタリングを行い、フィルタリングが行われて生成された値に対して水平方向の1次元補間フィルタを用いてフィルタリングを行った後、デスケーリングを行なう。この場合、デスケーリングは、デスケーリングビット数だけ右にビットシフトすることである。デスケーリングビット数は、垂直方向の1次元補間フィルタのスケーリングビット数、水平方向の1次元補間フィルタのスケーリングビット数、およびサンプルのビット深度に基づいて決定することができる。例えば、垂直方向の1次元補間フィルタのスケーリングビット数pが6であり、水平方向の1次元補間フィルタのスケーリングビット数qが6であり、サンプルのビットデプスがbである場合、デスケーリングビット数はp+q+8-bで20-bとすることができる。)
(3) 周知技術1
ア 上記(1)ア記載の「復号化EL映像フレーム」は復号された映像フレームの一種であるから、上記(1)アのエンハンスメントレイヤ復号化プロセスは、ビデオ処理における復号の方法といえる。
そして、上記(1)アの
「復号化BL映像フレームおよび復号化EL映像フレームは両方とも表示可能な状態(display order)にあり、互いにフレームを揃えられている(frame aligned)ことを、Dolby Visionデコーダは保証しなければならない。・・・(中略)・・・。あるEL映像フレームが、対応するBL映像フレームにひとたび揃えられたならば、このEL映像フレームにおいて、
1.EL解像度がBL解像度よりも低いならば、EL信号をBLと同一の解像度にスケールアップすること
・・・(中略)・・・
を行なわなければならない。」
によれば、上記(1)アのエンハンスメントレイヤ復号化プロセスは、解像度が低い場合には、スケールアップすることを行うことが記載されているといえる。
そして、上記「スケールアップ」の具体的な手法として、上記(1)には、
「エンハンスメントレイヤ空間的リサンプリング
【0059】
el_spatial_resampling_filter_flagが1に等しいならば、Dolby Visionデコーダは、EL映像デコーダからの再構成信号を水平方向と垂直方向の両方にアップサンプリングしなければならない。・・・。
【0060】
入力は、EL_bit_depthに等しいビット深度を有しかつクロマフォーマットに一切変更のない、EL映像デコーダからの再構成映像フレームである。本プロセスの出力は、入力信号と同一のビット深度およびクロマフォーマットを有した、空間的にアップサンプリングされた再構成EL信号である。
【0061】
垂直アップサンプリングを先ず適用し、その後に水平アップサンプリングが続く。」
と記載されているから、空間的にアップサンプリングされた再構成EL信号を得る際に行う、上記エンハンスメントレイヤ空間的リサンプリングにおいて、条件なしに、垂直アップサンプリングを先ず適用し、その後に水平アップサンプリングを行うことが記載されているといえる。
そうすると、上記引用文献2に記載された事項は、ビデオ処理における復号の方法において、導出した画像の解像度が低い場合には、条件なしに、垂直アップサンプリングを先ず適用し、その後に水平アップサンプリングを行うことと認められる。
イ 上記(2)アによれば、引用文献3記載のものは、双方向動き予測モードでインター予測を実行するビデオ復号化およびビデオ符号化に関するものであるから、ビデオ処理における復号の方法の技術分野に属するといえる。
上記(2)イ[153]の「このとき、補間フィルタの係数は、フィルタリング実行時の実数演算を減らすために整数係数にスケーリングされたフィルタ係数であり得る。」によれば、実数演算を減らすために小数位置のピクセル値がスケーリングされているから、小数位置のピクセル値分だけ解像度が低くなっているといえ、ブロック単位動き補償部115は、解像度が低い場合には、アップサンプリングを行い、小数位置のピクセル値を補間するものといえる。
また、上記(2)イ[154]の「ブロック単位動き補償部115は、まず垂直方向の1次元補間フィルタを用いて整数位置にあるピクセル値に対してフィルタリングを行い、フィルタリングが行われて生成された値に水平方向の1次元補間フィルタを用いてフィルタリングを行い、小数ピクセル位置での参照ピクセル値を決定することができる。」によれば、フィルタリングは、条件なしに、垂直方向のアップサンプリングを先ず適用し、その後に水平方向のアップサンプリングを行うことといえる。
そうすると、上記引用文献3に記載された事項は、ビデオ処理における復号の方法において、導出した画像の解像度が低い場合には、条件なしに、垂直方向のアップサンプリングを先ず適用し、その後に水平方向のアップサンプリングを行うことと認められる。
ウ 以上によれば、次の技術は周知であるといえる。以下、周知技術1という。
「ビデオ処理における復号の方法において、導出した画像の解像度が低い場合には、固定順序でアップサンプリングを行うこと」
3 引用文献4、周知技術2
(1) 引用文献4に記載された事項
当審拒絶理由で引用されたPFAFF, Jonathan et al.,JVET-N0217_v1.docx,CE3: Affine Linear Weighted Intra Prediction (CE3-4.1, CE3-4.2),JVET-N0217 (version 3),ITU,2019年03月25日,pp.1-17,https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/14_Geneva/wg11/JVET-N0217-v3.zip(以下、「引用文献4」という。)には、次の記載がある。仮訳は当審において合議体が付した。
「
[図:0001433560000012.jpg]
」
(当審仮訳:
1.5 シングルステップ線形補間
max(W,H)≧8のW×Hブロックの場合、予測信号はWred×Hredの縮小予測信号predredから線形補間によって生成される。ブロックの形状に応じて、線形補間は垂直方向、水平方向、または両方向に行われる。線形補間を両方向に適用する場合は、W<Hの場合は最初に水平方向に適用し、それ以外の場合は最初に垂直方向に適用される。
一般性を失うことなく、max(W,H)≧8かつW≧HのW×Hブロックを考える。1次元線形補間は次のように実行される。一般性を失うことなく、垂直方向の線形補間を記述すれば十分である。まず、縮小予測信号が境界信号によって上端まで拡張される。垂直アップサンプリング係数Uver=H/Hredを定義し、
[図:0001433560000013.jpg]
と記述する。次に、拡張縮小予測信号を次のように定義する。
[図:0001433560000014.jpg]
次に、この拡張縮小予測信号から、垂直線形補間予測信号を次のように生成する。
[図:0001433560000015.jpg]
)
(2) 周知技術2
ア 上記「max(W,H)≧8のW×Hブロックの場合、予測信号はWred×Hredの縮小予測信号predredから線形補間によって生成される。」によれば、ビデオ処理の方法が開示されているといえ、該ビデオ処理の方法は予測信号を生成するために、線形補間を行うことといえる。
イ 上記(1)の式中の
「
[図:0001433560000016.jpg]
」
は、
[図:0001433560000017.jpg]
分だけ右シフトすることを示しているところ、
「
[図:0001433560000018.jpg]
」
であるから、該Uverで除算していることを表現している。
そして、当該式には、
「
[図:0001433560000019.jpg]
」
の項があるとおり、除算する値の半分の値を加算している。
ここで、
「
[図:0001433560000020.jpg]
」
であるから、Uverは、2以上の2のべき乗の値(2、4、8、16、・・・)であるところ、その半分の値は、1以上の2のべき乗の値(1、2、4、8、・・・)であって、整数といえる。
そうすると、除算する値の半分の値を加算し除算しているから、当該式により、整数のオフセットを加えて丸める線形補間を行うことを開示しているといえる。
ウ 以上によれば、次の技術は周知であるといえる。以下、周知技術2という。
「ビデオ処理において予測信号を生成するために、整数のオフセットを加えて丸める線形補間を行うこと」
第5 対比
1 本願発明と引用発明を対比する。
(1) 構成A、構成M
構成aの「デコード処理」は「ビットストリームを入力とし、画像のリストを出力する」方法といえ、該デコード処理は構成bのアフィン線形重み付きイントラサンプル予測プロセスを内在しビデオ処理の一種であるといえるから、構成a及び構成kの「デコード処理」は、それぞれ、構成A、構成Mの「ビデオ処理の方法」に相当する。
(2) 構成B
構成bの「予測サンプルpredSamples[x][y]」は、構成Bの「予測サンプル」に相当する。
構成bの「少なくとも、重み行列 mWeight[ x ][ y ]とバイアスベクトル vBias[ y ]」を用いるアフィン線形重み付きサンプルpredLwip[ x ][ y ]の導出は、構成Bの「行列ベクトル乗算動作」に相当する。
構成bの「それに続く予測アップサンプリングプロセス」は、構成Bの「それに続くアップサンプリング動作」に相当する。
そうすると、構成bの「アフィン線形重み付きサンプル予測プロセス」は、構成Bの「第1のイントラモード」に相当する。
構成bの予測サンプルpredSamples[x][y](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)は、構成Bの「予測サンプル」に相当する。
ここで、構成aの「デコード処理」は、ビットストリームを画像のリストに変換しているから、ビットストリームと画像のリストとの間の変換を行う処理といえる。
構成aの「ビットストリーム」は、構成Bの「ビデオのビットストリーム」に相当する。
構成aの「画像のリスト」はビットストリームがデコード処理されたものであるから、構成Bの「ビデオのビデオブロック」に相当する。
そうすると、構成aの「ビットストリームを入力とし、画像のリストを出力する」ことは、構成Bの「ビデオのブロックとビデオのビットストリームとの間の変換」に相当する。
そして、構成aのデコード処理は、当該変換を行うために、構成bのアフィン線形重み付きサンプル予測プロセスを用いているから、該構成aの「デコード処理」は、構成Bに相当する。
(3) 構成C
導出した予測サンプルに基づいて変換することは、ビデオ処理の技術分野において技術常識であるから、構成bの「予測サンプルpredSamples[x][y](x = 0..nTbW - 1、y = 0..nTbH - 1)を出力する」ためにアフィン線形重み付きサンプル予測プロセスを実行することは、構成Cに相当する。
(4) 構成D
構成cと構成Dは、水平アップサンプリングと、垂直アップサンプリングを実行する点で共通するものの、当該実行の順序が、構成cではnTbHとnTbWに依存するのに対し、構成Dでは固定順序である点で相違する。
(5) 構成E
構成dと構成Eは、予測サンプルpredSamples[ xHor + dX ][ yHor ] は、水平アップサンプリング動作において、 ( ( upHor - dX ) * predSamples[ xHor ][ yHor ] + dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ] ) / upHorに従って導出される点で共通するところ、「dX * predSamples[ xHor + upHor ][ yHor ]」の項の直後に、構成Eは「offsetHor」を加算するのに対し、構成dは何も加算しない点で相違する。
(6) 構成F
構成eと構成Fは、予測サンプルpredSamples[ xVer ][ yVer + dY ] は、垂直アップサンプリング動作において、 ( ( upVer - dY ) * predSamples[ xVer ][ yVer ] + dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ] ) / upVerに従って導出される点で共通するところ、「dY * predSamples[ xVer ][ yVer + upVer ]」の項の直後に、構成Fは「offsetVer」を加算するのに対し、構成eは何も加算しない点で相違する。
(7) 構成G
構成Gの「upHorは、前記ビデオブロックの幅と入力ブロックの幅とに基づいて計算された予め定義された値であり」について、【0109】の【数96】である「upHor = nTbW / predW (8-X34)」のpredWは「入力ブロック幅を指定する変数」であり、nTbWは「変換ブロック幅を指定する変数」であるから、予め定義された値である固定値ではなく、上記式(8-X34)との予め定義された式に従って計算された値であると認められる。
さらに、上記【0109】によれば、構成fの「変換ブロックの幅」は、構成Gの「前記ビデオブロックの幅」に相当する。
そうすると、構成fの「upHor」は構成Gに相当する。
(8) 構成H
構成Hの「upVerは、前記ビデオブロックの高さと入力ブロックの高さとに基づいて計算された予め定義された値であり」について、【0109】の【数96】である「upVer = nTbH / predH (8-X35)」のpredHは「入力ブロック高さを指定する変数」であり、nTbHは「変換ブロック高さを指定する変数」であるから、予め定義された値である固定値ではなく、上記式(8-X35)との予め定義された式に従って計算された値であると認められる。
さらに、上記【0109】によれば、構成gの「変換ブロックの高さ」は、構成Hの「前記ビデオブロックの高さ」に相当する。
そうすると、構成gの「upVer」は構成Hに相当する。
(9) 構成J
構成hの「dX = 1..upHor - 1」のうち「..」は数値範囲を示しているから、構成hの「dX」は構成Jに相当する。
(10) 構成K
構成iの「dY = 1..upVer - 1」のうち「..」は数値範囲を示しているから、構成iの「dY」は構成Kに相当する。
(11) 構成L
構成jの「すべてのスパース位置( xHor, yHor ) は ( m * upHor - 1, n * upVer - 1)である」によれば、xHorは、m * upHor - 1であり、yHorは、n * upVer - 1であるから、xHorは、upHorに基づいているといえ、yHorは、upVerに基づいているといえ、構成jの「すべてのスパース位置( xHor, yHor ) は ( m * upHor - 1, n * upVer - 1)である」ことは構成Lに相当する。
(12) 小括
本願発明と引用発明を対比すると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
「【請求項1】
A ビデオ処理の方法であって、
B ビデオのビデオブロックと前記ビデオのビットストリームとの間の変換のために、第1のイントラモードが適用されることを判定することであって、前記第1のイントラモードは、予測サンプルを生成するために、行列ベクトル乗算動作と、それに続くアップサンプリング動作とを含む、判定することと、
C 前記予測サンプルに基づいて、前記変換を実行することと、を含み、
D 前記アップサンプリング動作は、水平アップサンプリング動作と、垂直アップサンプリング動作とを含み、前記水平アップサンプリング動作および前記垂直アップサンプリング動作は、固定順序で実行され、
E′前記予測サンプルのpredSamples[xHor+dX][yHor]は、前記水平アップサンプリング動作において、((upHor-dX)*predSamples[xHor][yHor] + dX*predSamples[xHor+upHor][yHor])/upHorに従って導出され、
F′前記予測サンプルのpredSamples[xVer][yVer+dY]は、前記垂直アップサンプリング動作において、((upVer-dY)*predSamples[xVer][yVer] + dY*predSamples[xVer][yVer+upVer])/upVerに従って導出され、
G upHorは、前記ビデオブロックの幅と入力ブロックの幅とに基づいて計算された予め定義された値であり、
H upVerは、前記ビデオブロックの高さと前記入力ブロックの高さとに基づいて計算された予め定義された値であり、
J 1≦dX≦upHor-1であり、
K 1≦dY≦upVer-1であり、
L xHorは、前記upHorに基づいた位置であり、vHorは、前記upVerに基づいた位置である、
M 方法。」
<相違点>
1 「前記水平アップサンプリング動作および前記垂直アップサンプリング動作」に関して、本願発明は、構成Dのとおり「固定順序で実行され」ているのに対し、引用発明は、nTbHとnTbWに依存する点。
2 本願発明は、構成Eのとおり「前記予測サンプルは、前記水平アップサンプリング動作において、((upHor-dX)*predSamples[xHor][yHor]+dX*predSamples[xHor+upHor][yHor]+offsetHor)/upHorに従って導出され」、構成Fのとおり「前記予測サンプルは、前記垂直アップサンプリング動作において、((upVer-dY)*predSamples[xVer][yVer]+dY*predSamples[xVer][yVer+upVer]+offsetVer)/upVerに従って導出され」ているのに対し、引用発明は、「予測サンプルは、水平アップサンプリング動作において、( ( upHor-dX )*predSamples[xHor][yHor] + dX*predSamples[xHor+upHor][yHor] ) / upHor (8-X39)」、「予測サンプルは、垂直アップサンプリング動作において、( ( upVer-dY )*predSamples[xVer][yVer] + dY*predSamples[xVer][yVer+upVer] ) / upVer (8-X40)」となっており、offsetHor及びoffsetVerを加算していない点。
3 本願発明は、構成Iのとおり「offsetHorおよびoffsetVerは、整数であ」るのに対し、引用発明には該「offsetHorおよびoffsetVer」に対応するものがない点。
相違点1について検討する。
引用発明と上記周知技術1は、ともに、ビデオ処理における復号の方法において、導出した画像の解像度が低い場合に、垂直方向及び水平方向にアップサンプリングするものである点で共通しており、アップサンプリングする順序は、条件に従って変動とするか、上記周知技術1のように条件によらず固定順序とするか、の2つの選択肢しか想定されないから、固定順序とすることは、アップサンプリング時の処理コスト等に応じて当業者が適宜なし得る設計的事項と認められる。
相違点2及び相違点3について検討する。
相違点3は相違点2に関する「丸め」処理に関するものであるから、まとめて検討する。
周知技術2のビデオ処理における予測信号は予測サンプルといえ、線形補間はアップサンプリング動作といえる。
引用発明と周知技術2は、ともに、予測サンプルを生成するために、アップサンプリング動作(線形補間)を行うとの同一の技術分野に属している。
ここで、整数計算の手法において小数点以下の数値を、単に切り捨てとするか、もしくは、単に切り上げとするか、又は、切り捨てとするか、切り上げとするかの選択を、当該数値の大きさにより選択する(「丸め」)か、のいずれを採用するかは、適宜選択し得ることである。
引用発明と上記周知技術2は、ともに、アップサンプリング動作において除算を行うことから、小数点以下の数値が生じることは当業者にとって明らかであるから、当該数値の取り扱いに関して、引用発明に上記周知技術2を適用することは、当業者が適宜なし得る設計的事項と認められる。
なお、引用発明のアップサンプリング動作が内挿であるのに対し周知技術2のアップサンプリング動作は外挿である点で、適用する式の構造は異なるものの、両者は小数点以下の数値が生じうるアップサンプリング動作として共通するものであり、丸めの適用に際して阻害要因はない。
2 請求人の主張
(1)令和7年8月8日に提出した意見書における主張
上記意見書において、請求人は、以下のとおり主張している。
「文献4における上記の議論は、アップサンプリング動作に関するものであり、Uverは、オフセット値ではなく垂直方向のアップサンプリング係数を表しています。仮に(同意できないものの)文献4の式におけるUver/2がオフセット値と見なされ得るとしても、文献4に開示された式が文献1に開示された式(8-X39)~(8-X40)とは全く異なっており、当業者が、文献4のUver/2を文献1の式(8-X39)~(8-X40)に適用しようとする動機付けがなく、また、文献4のUver/2が文献1の式に適用可能かどうかも定かではありません。」(以下、「主張1」という。)
「また、におけるオフセット値の使用は、周知ではありません。本件出願において、項目 17(公表特許公報P.51を参照)によれば、「ALWIPのアップサンプリングプロセスにおいてゼロに近づくかゼロから離れるように丸められるべきであることを提案する」と記載されています。
文献1および文献4のいずれも、予測サンプルを導出する式においてoffsetHorおよびoffsetVerを追加することで、結果がゼロに近づくかゼロから離れるように丸められることについて、一切言及していません。」(以下、「主張2」という。)
「請求項1に係る発明によれば、予測サンプルを導出する式において、offsetHorおよびoffsetVerを追加して、ALWIPのアップサンプリングプロセスにおいてゼロに近づくかゼロから離れるように丸められるようにし、コーディング効率を向上させ、計算複雑性を下げることができます。」(以下、「主張3」という。)
(2)請求人の主張の検討
ア 主張1
上記「第4」「2」「(ウ)」の式のとおり、周知技術2はアップサンプリング動作に関するものであり、除算される前に加算される、定数であるUver/2は、オフセット値といえる。
ここで、既知の2つの値から、未知の値を計算する手法として、内挿と外挿は周知な手法に過ぎない。
引用文献4は外挿による式を採用しているから、内挿による式を採用している引用発明とは、式自体は異なるものの、両者は既知の2つの値から、未知の値を計算する手法である点で共通し、内挿と外挿は適宜選択して用いることが可能なものであるから、周知技術2を引用発明に適用することは、当業者であれば容易に想到し得ると認められる。
イ 主張2
周知技術2における、Uver/2を加算した後に、Uverで除算する構成によれば、当業者であれば、除算した結果がゼロに近づくかゼロから離れるように丸められることは自明なことである。
ウ 主張3
予測信号を生成する周知技術2においても、アップサンプリング動作において丸めることが行われているから、コーディング効率を向上させ、計算複雑性を下げることができると認められる。
エ 小括
以上のとおり、請求人の主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術1~2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-007649