特許拒絶査定不服審判
2024-001282
飲料容器および飲料容器セット
- 審判番号
- 2024-001282
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-063013
- 請求日
- 2024年01月24日
- 審決日
- 2025年09月09日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アルテミラ株式会社
- 【請求人代理人】古部 次郎
- 【請求人代理人】水戸 洋介
- 【請求人代理人】尾形 文雄
- 審判長/審判官
- 審判長 岩谷 一臣
- 審判官 長谷川 一郎
- 審判官 武市 匡紘
- 分類
- P18 .121-Z (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-63013号「飲料容器および飲料容器セット」拒絶査定不服審判事件〔令和4年6月2日出願公開、特開2022-82683号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月16日に出願された特願2017-220909の一部を令和4年4月5日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月23日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年10月17日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(令和5年10月24日 :原査定の謄本の送達)
令和6年 1月24日 :審判請求書の提出、同時に手続補正書の提出
第2 令和6年1月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年1月24日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、以下(1)の令和5年7月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下(2)の記載にする補正を含むものである。なお、下線部は補正箇所である。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】
金属材からなり、飲料を内部に封入する基材と、
可視光下にて発色するが紫外光の照射により蛍光を発しない金属印刷用のインクである可視光塗料を用いた印刷を行なうことにより、前記基材に施される第1の装飾部と、
可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有しない金属印刷用のインクである無色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において発色しないとともに紫外光下において蛍光を発することで、前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部と、
を有し、
前記無色蛍光塗料を用いてなされる前記第2の装飾部は、前記可視光塗料を用いてなされる前記第1の装飾部の上に、または当該第1の装飾部とは別個の領域に形成される、
飲料容器。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】
金属材からなり、飲料を内部に封入する基材と、
可視光下にて発色するが紫外光の照射により蛍光を発しない金属印刷用のインクである可視光塗料を用いた印刷を行なうことにより、前記基材に施される第1の装飾部と、
可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有しない金属印刷用のインクである無色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において発色しないとともに紫外光下において蛍光を発することで、前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部と、
を有し、
前記無色蛍光塗料を用いてなされる前記第2の装飾部は、前記可視光塗料を用いてなされる前記第1の装飾部の上に、または当該第1の装飾部とは別個の領域に形成され、当該第1の装飾部とともに、当該第1の装飾部と当該第2の装飾部とが関連を有する1つの装飾部を構成している
、飲料容器。」
2 本件補正の適否
本件補正は、第2の装飾部について、「当該第1の装飾部とともに、当該第1の装飾部と当該第2の装飾部とが関連を有する1つの装飾部を構成している」との発明特定事項を追加するものである。そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載及び引用発明等
ア 引用文献1の記載事項
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された特開2005-138906号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審において付与し、「・・・」は省略を示す。以下同様。)。
・「【0024】
ペットボトルやソフトドリンクのビンの懸吊できる王冠に限らず高価な酒の入ったガラス製や陶磁器製ボトルに応用する場合は、キャップの型に合わせて保持具を高級感ある木製から豪華な金属製や陶磁器製やプラスチック製などガラスビンに合わせて作ると良い。マイグラスやマイカップを店に預けるのと同じにマイボトルに高級で高価なキャップホルダーを実用を兼ねた装飾品として付けるサービスをしても良い。箸置きのキャップ版である。ワインのコルク栓にも応用できる。アルコール飲料でカクテルも市販されている。カクテルはカクテルグラスで雰囲気も味わうように飲んで満足感が得られる。デザート用の樹脂製容器のように形状や機能を加えて喫茶店やレストランなどの飲食店で食べるイメージに近づけている。アルーコール飲料を入れる容器にも同様の工夫がほしい。そこで従来の缶やビンの形状やデザインを活かして、しかもイメージに夜のネオン街の華やかさを取り入れる発明をした。機能性インクを装飾に使うことで光らせたり発光させたり薄暗くなると光るインクで金属製容器やガラス製容器又は、そのラベルにプリントする。実施例として例えばヘネシーのボトルにLVのホログラムがプリントして光を放っていて、おまけに会計の時にルイビトンのサイフから支払いをするとモエ・ヘネシー・ルイビトンがグルーブだと知っている人にウケる。図面では飲料メーカーのトレードマークのホログラムを印刷する事を想定してTMか(R)を使って描いておく。仕立屋は魔法使い並みに童話に出てくる。現在の仕立屋は登録商標の40類に該当するが裁縫業の中にはオートクチュールも含まれる。化粧品を入れる容器や香水瓶やシャンプーの容器にも利用できる。モードや酒は遊び心が大切である。使用するインクは夜光インクの場合、放射性夜光インクと蓄光性夜光インクの2種類がある。新蓄光インキは長残光性アルミン酸塩蛍光体を顔料として使用したもので現在はシンクスクリーン印刷用がある。顔料は有害物質を含まず安全性が高いが粒子が大きい為オフセットやグラビア印刷に向かない。もともと顔料の色も薄いので従来の缶のデザインに装飾として通常は目立たないように印刷する。不可視インキに近い使い方でデザインする。同時に、通常は肉眼で読めない不可視インクで印刷する事でブラックライトを当てるとデザインした模様や文字が蛍光インクによって浮かび上がる印刷物を提供する。
【0025】
このインクはパスポートの顔の部分やクラブやディスコの入場料を払うと手に押すスタンプに使われている。耐水性のあるタイプを使う。ライブハウスでは缶入に入ったままのドリンクを提供するので雰囲気を高める装飾とにする。ガラス瓶入り飲料にも応用できる。ビール瓶でもブランデーやバーボン・ウイスキーにスコッチ・ウイスキーなどのスピリッツ(ジン・ウオッカ・ラム・焼酎など水で割って飲んだりカクテルにするベースとなる酒)のビンやベルモットやリキュール酒やワインと言った果実酒の瓶でも良い。酒の中には超高額商品もあるので容器へのコストもかけられる。チアパック入りカクテルの容器にも使用できる。セラミック製のアルコール飲料用容器はフィギュアタイプも多く干支やクリスマスツリーや馬車や汽車や船や飛行機や飛行船お城や人形や動物など様々な形の物があるので機能性インキ(夜光・蓄光・蛍光・不可視・発泡・示温)をパッド印刷により装飾する。クリスマスツリーに光るデコレーションを付けたりバースディー用スパークリングワインに新蓄光インクで装飾するとケーキのローソクを消すときフアンタジックな雰囲気を演出できる。アルコール飲料の容器を光らせると夜間にトラック運転手が運転しながら飲酒している現場を警察官が目視しやすく現行犯での検挙率が上がり交通事故の減少にも貢献できる。最近の容器はジュースなのか酒なのか良く見ないと識別しずらい。子供の非行防止にもなる。不可視インキの場合もパスポート確認用のブラックライトを警察官が携帯し使用すれば発見しやすい。懐中電灯を向ける前にブラックライトを事前に向ける事で相手が酔っぱらいか酔っていないか判断材料に出来る。」
・「【図面の簡単な説明】
【0248】
・・・
【図42】 新蓄光インクやブラックライトで発光する蛍光インクや不可視インクで装飾したアルコール飲料用容器(缶・ビン)とチアパックとこれに使用するラベル
・・・」
・「【符号の説明】
【0249】
・・・
6=アルミ製飲料缶詰(炭酸飲料を入れる事が多い)
・・・
81=酒が入る部分
・・・
285=TMと(R)は飲料メーカーのマークやロゴ(登録商標が良い)を装飾として新蓄光インクやブラックライトで発光する蛍光インクや不可視インクでボトルやラベルや缶に印刷する。明るい照明では、これらのインクは目立たないので現行のデザインを活かす事ができる。
・・・」
・「【図42】
[図:0001428605000001.jpg]
」
(イ)引用発明
以上より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「アルミ製飲料缶に飲料メーカーのマークやロゴを装飾として新蓄光インクやブラックライトで発光する蛍光インクや不可視インク等の機能性インクを従来の缶のデザインに装飾として通常は目立たないように缶に印刷し、
明るい照明では、機能性インクは目立たないので現行のデザインを活かす事ができる、
アルミ製飲料缶。」
イ 周知技術
(ア)新たに引用する特開平11-167807号公報には、図面とともに、次の記載がある。
・「【0021】そして、かかるフィルム10の表面に、顔料からなる通常のインクである顔料塗料7で太陽模様70を印刷し、紫外線を照射することにより発光する紫外線発光物質からなる蛍光塗料8で三日月模様80を印刷し、さらに、長時間放光可能な蓄光体からなる蓄光塗料9で星模様90を印刷している。
・・・
【0026】上記したシェードSを太陽光の下、あるいは、白熱電球4を点灯した状態で見ると、図2に示すように、顔料塗料7で描かれた太陽模様70が現れている。
【0027】また、夜間となって暗闇の状態でシェードSを見ると、図4に示すように、蓄光塗料9で描かれた星模様90のみが発光して鮮やかに浮き上がり、幻想的な光装飾となる。」
・「【図2】
[図:0001428605000002.jpg]
・・・
【図4】
[図:0001428605000003.jpg]
」
(イ)新たに引用する実願平4-57867号(実開平6-14182号)のCD-ROMには、図面とともに、次の記載がある。
・「【0012】
本実施例のエレベーターの使用時においては、ドア4が開いている状態では、光センサー10に外部光が入射することによりドア開状態が検知され、これに基づき紫外光ランプ8が消灯し且つ可視光ランプ6が点灯し、白鳥座の図柄12が白色でかすかに視認される。もちろん、それ以外の体色の顔料を含む塗料を用いた場合には、その色の一般色で視認される。また、蛍光塗料による図柄12以外の部分には所望により一般塗料で所望の図柄を描くことができ、その場合にはその図柄も視認される。
【0013】
篭本体2内に人が搭乗し、目的階のボタンを押し、ドア4が閉まると、それまで光センサー10に入射していた外部光は入射しなくなりドア閉状態が検知され、これに基づき可視光ランプ6が消灯し且つ紫外光ランプ8が点灯する。これにより、それまで視認されていた一般色の図柄は視認されなくなり、代わって蛍光塗料で描かれた図柄12が、蛍光体の種類に応じた色の発光により視認される。即ち、例えば、星は等級別に赤色やオレンジ色や黄色に発光し、星座線は青色に発光し、星座の輪郭が白く発光する。これにより、幻想的な空間が現出する。」
・「【図1】
[図:0001428605000004.jpg]
」
(ウ)周知技術
上記(ア)、(イ)より以下の事項は周知の事項(以下「周知技術」という。)といえる。
「可視光で視認可能な塗料により図柄を作成し、それに関連する図柄を蛍光塗料で作成し、関連を有する1つの装飾部として演出すること。」
(3)本件補正発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
・引用発明の「アルミ製飲料缶」は、その機能、構造及び技術的意義を考慮して対比すると、本件補正発明の「飲料容器」に相当する。
・引用発明の「アルミ製飲料缶」はアルミで成形されており、その内部に飲料を含むものであるから、本件補正発明の「金属材からなり、飲料を内部に封入する基材」を備えている。
・引用発明の「機能性インク」は、「新蓄光インクやブラックライトで発光する蛍光インクや不可視インク等」であり、「明るい照明では、機能性インクは目立たない」ものであって、「缶に印刷」されるものであるから、技術常識を踏まえると、引用発明の「機能性インク」と、本件補正発明の「可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有しない金属印刷用のインクである無色蛍光塗料」に相当する。
・引用発明の「機能性インクを従来の缶のデザインに装飾として通常は目立たないように缶に印刷」するという態様は、当該「機能性インク」の特徴からみて、本件補正発明における「無色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において発色しないとともに紫外光下において蛍光を発することで、前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部」との関係において、「無色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において発色しないとともに紫外光下において蛍光を発することで、装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部」の限りで一致する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「金属材からなり、飲料を内部に封入する基材と、
可視光下では蛍光を発しないが紫外光の照射により蛍光を発するとともに色材を有しない金属印刷用のインクである無色蛍光塗料を用いた印刷を行なうことにより、可視光下において発色しないとともに紫外光下において蛍光を発することで、装飾の一部として機能させるために、前記基材に施される第2の装飾部と、
を有する、
飲料容器。」
[相違点1]
第1の装飾部に関し、本件補正発明は「可視光下にて発色するが紫外光の照射により蛍光を発しない金属印刷用のインクである可視光塗料を用いた印刷を行なうことにより、前記基材に施される第1の装飾部」を備えるのに対し、引用発明はそのような装飾部を備えているか不明な点。
[相違点2]
上記相違点1に関連し、本件補正発明は第2の装飾部が「前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させる」とともに、「前記無色蛍光塗料を用いてなされる前記第2の装飾部は、前記可視光塗料を用いてなされる前記第1の装飾部の上に、または当該第1の装飾部とは別個の領域に形成され、当該第1の装飾部とともに、当該第1の装飾部と当該第2の装飾部とが関連を有する1つの装飾部を構成している」のに対し、引用発明はそのような装飾部を備えているか不明な点。
(4)判断
ア 相違点1、2についてまとめて検討するに、まず、一般的な飲料缶には、可視光下にて発色し、紫外光では発色しない通常の金属印刷用のインクにより、商品名や企業名等が印刷されていることが通例である。
イ その上で、引用発明では、「飲料メーカーのマークやロゴを装飾として」機能性インクで印刷しているところ、当該装飾は、商品名や企業名等と関連を有する1つの装飾部として観念されるものである。
また、引用発明では、「機能性インクは目立たないので現行のデザインを活かす事ができる」ことから、その範囲において、機能性インクは金属印刷用インクの上あるいは、金属印刷用インクとは別個の領域に形成することは、当業者が適宜設定すべき事項である。
ウ 仮にそうでないとしても、引用文献1には、機能性インクを用いて「クリスマスツリーに光るデコレーションを付け」ることが記載されており、無色蛍光塗料により演出を行うことが意図されているところ、上記(2)イ(ウ)に示すように、可視光で視認可能な塗料により図柄を作成し、それに関連する図柄を蛍光塗料で作成し、関連するの1つの装飾部として演出を行うことは、周知技術である。そして、当該周知技術は、印刷対象物に左右されないものである。
すると、引用発明において、引用文献1の示唆及び周知技術に基づいて、金属印刷用インクにより図柄を作成し、それに関連した図柄を機能性インクにより作成することは、当業者が容易になし得たことである。
エ 相違点についてのまとめ
これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものであり、格別顕著なものということはできない。
よって、本件補正発明の上記相違点に係る構成は、引用発明に基いて、または、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
3 請求人の主張について
請求人は審判請求書において、以下の主張をしている。
(1)「引用文献1には、飲料の容器が蛍光インク等を用いた装飾を有することが記載されるにすぎず、飲料容器が、可視光塗料を用いた第1の装飾部(構成(b))と、無色蛍光塗料を用いた第2の装飾部(構成(c))との双方を有すること、および第1の装飾部と第2の装飾部との関係(構成(d))については何ら記載されておらず、示唆もありません。」(審判請求書の第9ページ第18行~第22行)
(2)「付言すると、出願当初の明細書では、第1の装飾部142aと第2の装飾部142bとの関連の一例として、第1の装飾部142aが主たる装飾部、または図柄の基本構成を表現し、第2の装飾部142bが第1の装飾部142aに対し、従たる装飾部、または付加的な図柄を表現することが記載されています(段落[0020]、[0022]等)。」(審判請求書の第6ページ第14行~18行)
しかしながら、本件補正発明では、「当該第1の装飾部と当該第2の装飾部とが関連を有する1つの装飾部を構成している」とするのみであり、まして主たる装飾部や従たる装飾部であるとまでは特定されていない。そうすると、上記請求人の主張を採用することはできない。
4 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明に基いて、または、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるから、上記補正の却下の決定のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年1月24日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~14に係る発明は、令和5年7月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される「前記第2[理由]1(1)」に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の本願発明についての理由の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本願発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明、及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
<引用文献等一覧>
1.特開2005-138906号公報
2.国際公開第2017/159175号(周知技術を示す文献)
3.特開2003-020026号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は「前記第2[理由]2(2)ア」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、「前記第2[理由]2」で検討した本件補正発明から、「当該第1の装飾部とともに、当該第1の装飾部と当該第2の装飾部とが関連を有する1つの装飾部を構成している」との発明特定事項を削除したものである。
そして、本願発明と引用発明とを対比すると、「前記第2[理由]2(3)」の一致点で一致し、相違点1及び以下の点で相違する。
[相違点3]
本願発明は、第2の装飾部が「前記第1の装飾部に加えて装飾の一部として機能させる」とともに、「前記無色蛍光塗料を用いてなされる前記第2の装飾部は、前記可視光塗料を用いてなされる前記第1の装飾部の上に、または当該第1の装飾部とは別個の領域に形成される」のに対し、引用発明はそのような機能を備えているか不明な点。
相違点3について検討すると、「前記第2[理由]2(4)ア、イ」で検討したように、引用発明において、「飲料メーカーのマークやロゴを装飾として」機能性インクで印刷することは、装飾として機能させることに他ならない。
また、引用発明では、「機能性インクは目立たないので現行のデザインを活かす事ができる」ことから、その範囲において、機能性インクは金属印刷用インクの上あるいは、金属印刷用インクとは別個の領域に形成することは、当業者が適宜設定すべき事項である。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-001282