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商標取消審判

2023-300286

マイビジョン

審判番号
2023-300286
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2003-085592
登録番号
4774529
請求日
2023年05月02日
審決日
2023年12月05日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 MyVision
  • 【請求人代理人】津田 宏二
  • 【被請求人】株式会社 ベネッセコーポレーション
  • 【被請求人代理人】田中 克郎
  • 【被請求人代理人】佐藤 俊司
  • 【被請求人代理人】阪田 至彦
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 阿曾 裕樹
  • 審判官 小林 裕子
分類
T132 .1 -Y (Y41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第4号、商標法第50条第1項、商標法第38条第5項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4774529号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4774529号商標(以下「本件商標」という。)は、「My Vision」の文字を標準文字で表してなり、平成15年10月1日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同16年5月28日に設定登録されたものであり、その後、商標登録の取消審判により、その指定役務の一部を取り消す旨の審決がされ、令和5年7月18日にその確定審決の登録がされた結果、その指定役務は、別掲1のとおりの役務となった。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年5月26日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和2年5月26日から同5年5月25日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定役務中、第41類「通信教育による知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,模擬試験の実施,教育に関する情報の提供」(以下「請求に係る役務」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、請求に係る役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人並びに通信添削講座「進研ゼミ」及びその役務について 被請求人は、昭和30年1月28日に設立し、平成21年10月1日に持株会社に移行した親会社(株式会社ベネッセホールディングス)からその事業を承継する形で、会社分割(新設分割)により完全子会社として設立した会社であり、通信教育、出版などの事業を中心に、国内外で、幅広く教育・生活関連事業を展開している会社である。 親会社の前身である株式会社福武書店(以下「福武書店」という。)は、創業当初は中学生向けの図書や生徒手帳の発行を主な事業内容としていたが、昭和37年に高校生向けの「関西模試」(昭和48年に「進研模試」として全国展開される)を開始し、さらに昭和44年に高校生向け通信添削講座「通信教育セミナ」、昭和47年には中学生向けの「通信教育セミナ・ジュニア」を開講した。「通信教育セミナ」は、当初、会員数500人程度からスタートした講座であったが、「進研ゼミ」として発展し、昭和55年には「小学講座」が開設され、令和5年4月時点で、「進研ゼミ」小学講座・中学講座・高校講座の総会員数は、約174万人である。 通信添削講座の実施は、商標法上、第41類の「技芸・スポーツ又は知識の教授」及びこれに分類される「通信教育による知識の教授」に該当し、本件審判の請求にかかる指定役務中の「模擬試験の実施、教育に関する情報の提供」を含むものであるから、「進研ゼミ」は、本件審判の請求にかかる指定役務に該当するものである。 2 本件商標の使用について 本件商標は、「My Vision」の欧文字を標準文字で書したものであり、構成文字に照応して「マイビジョン」の称呼と「私の展望」という程度の観念が生じるものである。 しかるところ、被請求人は、「進研ゼミ」に含まれる講座である「進研ゼミ中学講座中高一貫」コース(以下「本件講座」という。)において、学校生活に役立つ情報や勉強法、本件講座の有効な使い方や専用の投稿コーナーなどを掲載した「My Vision」と題する受講生向けの冊子(乙1。以下「本件冊子」という。)を配布している。本件冊子は、2023年度の本件講座において、2023年4月号の教材の一部として配布したものであり、表紙の上部には、題号と自然に認識できる位置に横書きした「My Vision」の欧文字(以下「使用商標」という。)が表示されている。使用商標は、多少デザインが施された文字で表示されているが、「マイビジョン」の称呼と「私の展望」という観念が生じるものとして本件商標と同一であるから、本件商標と社会通念上同一の商標(商標法第38条第5項かっこ書き)である。 本件冊子は、書店の店頭やインターネット等で販売されたりフリーペーパーとして不特定多数の者に頒布されたりするものでなく、本件講座の受講生のみを対象として発行されるものであり、上記のとおり、学校生活に役立つ情報や勉強法等を掲載したものであって、受講生にとっては、勉学や学校生活を送る上での参考情報となるものであるから、本件商標にかかる指定役務の内、少なくとも第41類の「通信教育による知識の教授、その他の技芸・スポーツ又は知識の教授、教育に関する情報の提供」における、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したもの」(商標法第2条第3項第4号)に該当する。 なお、本件冊子は、被請求人が業務委託契約(乙2の1。乙2の1は抜粋であり、本件審判と無関係な部分をマスキングしている。)を締結したA社により、他の教材等とともに受講生のもとに配送される。具体的には、被請求人が所定の「作業依頼書」(乙2の2)と同梱する教材や個数等を具体的に明記した「教材組み合わせ表」(乙2の3)を、被請求人とA社の共有サーバーにアップする形で配送を依頼し、A社は、依頼を受けた教材等の仕分けを行って、自社の事業所(乙2の1の別紙)から全国の受講者へもとへ配送する。 3 本件商標の使用者について 本件冊子には、裏表紙に「発行所:(株)ベネッセコーポレーション 〒700-8686 岡山市北区南方3-7-17」の文字が印刷されているから、本件商標の使用者が被請求人であることは明らかである。 4 本件商標の使用時期について 本件冊子の裏表紙には「2023年4月1日発行」の文字が印刷されていることから、本件冊子は、要証期間内に発行されたものである。 一方、乙第2号証の2の「作業依頼書」は、令和4年(2022年)11月18日に被請求人がA社へ依頼した際の「作業依頼書」であり、要証期間内の日付である「作成日 2022/11/18」の文字が表示されている。また、上記「作業依頼書」に添付した乙第2号証の3の「教材組み合わせ表」には、項番「45」の箇所に「ALL:全会員」の文字、「中1 My Vision 4月号」という製品名、「3AAC04」という製品コードが表示されており、本件講座の全会員宛てに、「3AAC04」という製品コードの「中1 My Vision 4月号」という製品名を配布するという被請求人の依頼内容が記載されている。「3AAC04」の製品コードは、本件冊子(乙1)の裏表紙に表示されているものと一致するから、「作業依頼書」(乙2の2)及び「教材組み合わせ表」(乙2の3)からは、本件冊子が、令和4年(2022年)11月18日の依頼により、A社により本件講座の全会員に向けて配送された。 なお、「教材組み合わせ表」(乙2の3)の項番「60」の箇所には、製品コード「3AAM04(01)」の「中1 4月号届いた教材チェック表」という製品名が記載されている。これは、同梱した各種教材等を確認するための受講生向けの資料であって、乙第3号証はその写し(被請求人が社内に保管する控えのため「見本」の表示がある。)であるが、これには「My Vision」の欧文字を表示した本件冊子の表紙が印刷されており、右肩に「3AAM04-01」の製品コードが表示されていることから、本件冊子が本件講座の全会員に向けて配送された事実がある。 また、本件冊子は、本件講座における保護者向けの別冊ガイドブック「中1受講サポートBOOK 2023年度保存版」(乙4。以下「本件別冊ガイドブック」という。)の中で、4月号の教材の一部として配布されることが説明されている。本件別冊ガイドブックの裏表紙には、本件冊子と同様に、「2023年4月1日発行」の文字と、「発行所:(株)ベネッセコーポレーション」の文字が印刷されており、要証期間内に被請求人によって発行されたものである(本件別冊ガイドブックに記載の被請求人の住所は、被請求人の東京本部の所在地である。)。本件別冊ガイドブックは、「教材組み合わせ表」(乙2の3)の項番「43」の箇所に、製品コード「3SAR04」の「中1受講サポートBOOK」という製品名で記載されており、製品コードの「3SAR04」は、本件別冊ガイドブックの裏表紙の右下に表示されているから、A社によって配送されたものである。 その他、被請求人は、本件講座の新規入会を促進するため、被請求人のウェブサイトで、各種の情報や案内を適宜アップデートしている(乙5の1、乙5の2)。乙第5号証の1は、本件審判の請求後にプリントアウトした上記ウェブページのハードコピーであり、乙第5号証の2は、被請求人が保管する令和5年1月18日にアップロードした同ウェブページのキャプチャーであるが、いずれのウェブページにも、「My Vision」の文字を表示した本件冊子の表紙が掲載されており、本件冊子が表示されている「情報誌その他サービス」というエリアをクリックすると、本件冊子の表紙がさらに明確に表示されたPDFファイルの画面(乙5の3)が表示される。 以上のとおり、本件冊子は、要証期間内に発行及び配布されていたものであるから、本件商標は、要証期間内に使用されていたことは明らかである。 5 特許庁の登録実務について 上記で述べたとおり、本件冊子は、少なくとも第41類の「通信教育による知識の教授、その他の技芸・スポーツ又は知識の教授、模擬試験の実施、教育に関する情報の提供」における「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したもの」(商標法第2条第3項第4号)に該当するが、この点をより明確にするため、被請求人は、特許庁の審決を提出する(乙6)。これらの審決は、指定役務に付随して提供される冊子等は、外形的には印刷物であっても、当該指定役務として提供されるものであり、その冊子等に表示された登録商標は当該指定役務について使用されたものであることを明確に述べている。 6 結語 以上のとおり、被請求人は、要証期問内に、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件審判の請求にかかる指定役務中の少なくとも「通信教育による知識の教授、その他の技芸・スポーツ又は知識の教授、教育に関する情報の提供」について使用しているから、本件審判の請求は成り立たない。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。 (1)被請求人である本件商標権者は、通信教育及び出版事業を中心とした教育・生活関連事業を展開する会社であり、小学生から高校生を対象とした通信添削講座「進研ゼミ」を実施している。 そして、本件商標権者は、「進研ゼミ」に含まれる「進研ゼミ 中学講座 中高一貫コース」(本件講座)において、学校生活や勉強法、本件講座の活用方法等を掲載した「My Vision」と称する冊子を受講生に配布している。 (2)本件冊子について ア 「My Vision 2023年4月号」(本件冊子。乙1)は、本件講座2023年度4月号の教材の一部として本件講座の受講者に送付されたものであり、本件冊子の1葉目(表紙)に、別掲2のとおりの「My Vision」の文字(使用商標)が表示されている。 イ 本件冊子の2葉目ないし5葉目には、本件講座の教材を活用した学習方法に関する情報が掲載されている。 ウ 本件冊子の26葉目(裏表紙)の上部左側には、「発行所」として本件商標権者の名称及び住所が記載されている。 (3)本件冊子の送付について ア 本件商標権者が、商品配送等の業務委託先であるA社(乙2の1)に対し、本件講座2023年度4月号に係る配送等を依頼した際に作成された「作業依頼書」(2022年11月18日作成、乙2の2)には、送付物の必着日を2023年3月20日とする旨の記載がある。 イ 上記アの「作業依頼書」に同梱される「教材組み合わせ表」(乙2の3)において、19葉目の「No45」の欄に、本件冊子を全会員(本件講座の全受講者)に対して送付することを示す旨の記載がある。 2 判断 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「My Vision」の文字を標準文字で表してなるものである。他方、使用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、本件商標と書体が相違し、文字の下部分が白色系の背景の中に白抜きで表されているものの、「My Vision」の文字をややデザイン化して表したものと容易に理解できるものである。 そうすると、両商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる社会通念上同一の商標と認められる。 (2)使用者について 上記1(2)によれば、本件冊子は、本件商標権者によって発行されたものと認められるから、本件冊子に付された使用商標の使用者は、本件商標権者である。 (3)使用役務について 上記1(2)によれば、本件商標権者は、本件講座の受講者に対し、本件冊子を媒体として、学習方法に関する情報を提供したといえるものであって、これは、請求に係る役務中、「教育に関する情報の提供」の役務に該当するといえる。 (4)使用時期及び使用行為について 上記1(2)及び(3)によれば、本件商標権者は、本件講座の受講者に対して「教育に関する情報の提供」の役務を提供するに当たり、受講者の利用に供する物である本件冊子に使用商標を付し、さらにそれを用いて、要証期間である本件冊子の必着日(2023年3月20日)頃に、上記役務を提供(本件冊子を発送)したものといえる。 (5)小括 上記(1)ないし(4)のとおり、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る役務中、「教育に関する情報の提供」の役務を提供するに当たり、その提供を受ける者の利用に供する物である本件冊子に、本件商標と社会通念上同一の商標を付するとともに、本件冊子を受講者に配布して、上記役務を提供したものと認められ、これは、商標法第2条第3項第4号の使用に該当する。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者がその請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていることを証明したといえる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-300286

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