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特許拒絶査定不服審判

2023-020387

発酵適物選別装置

審判番号
2023-020387
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-234201
請求日
2023年12月01日
審決日
2024年12月17日
公報発行日
2025年03月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社クボタ
  • 【請求人代理人】橋本 薫
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 金 公彦
  • 審判官 増山 淳子
分類
P18 .113-Z (B07B) / P18 .121-Z (B07B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-234201「発酵適物選別装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月15日出願公開、特開2021-102189〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和元年12月25日を出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和 5年 5月18日付け:拒絶理由通知 同年 7月31日 :意見書、手続補正書の提出 同年 9月22日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 同年12月 1日 :審判請求書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明は、令和5年7月31日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。 「【請求項1】 被処理物である一般廃棄物から発酵適物を選別する発酵適物選別装置であって、 少なくとも下部周壁に複数の開口が形成された篩面を備え、横姿勢に配置された円筒状のドラムと、 前記ドラムの内部に前記ドラムの長手方向に沿って設置される回転軸と、前記回転軸の周方向及び軸心方向に沿って取り付けられ径方向への延出長さが前記ドラムの内径より短い破砕刃と、を備えて構成される羽根車と、 前記破砕刃に取付けられ、前記破砕刃の回転と連動し、先端が前記篩面の内周面に摺動する摺動部材と、 を備え、 前記摺動部材は可撓性部材で構成されるとともに先端が撓んだ状態で前記篩面と当接する発酵適物選別装置。」 第3 原査定における拒絶の理由の概要 原査定における本願発明に対する拒絶の理由は、以下の理由である。 理由1.(新規性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 理由2.(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 記 引用文献:特開2002-35629号公報 第4 当審の判断 1 引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願日前に頒布された刊行物である引用文献(特開2002-35629号公報)には、以下の(1)~(8)の記載がある(当審注:下線は当審が付与した。) (1) 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 夾雑物が混入された生ごみが投入される投入口を一端側に開口し周面に前記生ごみを排出する排出口が開口された略円筒状の破砕室を有した本体ケースと、 この本体ケースの破砕室内に回転可能に配設され、中心軸上に回転軸を有する回転軸およびこの回転軸の周面に軸方向に沿った壁状に設けられたブレードを備えた回転体と、 この回転体を正逆反転可能に回転し前記投入された生ごみを回転する前記回転体のブレードに衝突させて破砕させる駆動手段と、 前記本体ケースに前記回転体のブレードの回転軌跡に沿って前記排出口を閉塞して設けられ前記破砕された生ごみが通過可能な挿通孔を複数有したスクリーンと、 前記本体ケースの破砕室の内周面に設けられ、先端縁が前記回転体のブレードの回転軌跡に沿った壁状で前記夾雑物を切断する切断ブレードと、 前記本体ケースに設けられ一端に前記回転体の逆回転方向に向けて前記破砕室に開口する夾雑物排出口を有し前記回転体の正回転時に前記夾雑物を排出する排出ダクトと、 前記駆動手段の駆動を制御して前記回転体を前記生ごみが投入された際に所定時間逆回転させる制御手段とを具備したことを特徴とした生ごみ破砕分別装置。」 (2) 「【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の生ごみ処理装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。 【0021】図1ないし図5において、1は生ごみ破砕分別装置で、この生ごみ破砕分別装置1は、支持台2に支持された本体ケース3を備えている。この本体ケース3は略円筒状に形成され、略中心軸上に回転自在に貫通保持され両端部が支持台2に設けられたベアリング4に回転自在に軸支される回転軸5が設けられている。そして、この回転軸5の一端側には、プーリ6が一体的に設けられている。 【0022】また、本体ケース2の一端側は略上半面が開口し、この開口縁に下端が連続する四角筒状で内部に搬入室8を区画する箱状部9が設けられている。さらに、箱状部9の上面には、上端に例えば一般生ごみや飲食店の厨芥、畜水産加工の廃棄物などの発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみが投入される投入口10を開口する略四角筒状の投入シュート11が箱状部9内の搬入室8に内周が連通して設けられている。 【0023】そして、回転軸5の一端側には、搬入室8内に位置して搬入回転体13が回転可能に軸支されている。この搬入回転体13は、内周に回転軸5を回転自在に嵌合する円筒状の回転筒14と、この回転筒14の外周面に螺旋状に設けられたスクリュー翼15とを備えている。そして、搬入回転体13の回転筒14の一端側には、本体ケース2外に位置する回転プーリ16が一体的に設けられている。 【0024】また、本体ケース2内の他端側には、搬入室8に隣接して略円筒状の破砕室18が区画されている。そして、本体ケース2の周面の下部には、破砕室18の下面を下方に向けて開口する排出口19が設けられている。さらに、排出口19には、搬入室8の底面と同様の円弧状に湾曲し複数の挿通孔20を開口するパンチングメタル状のスクリーン21が閉塞されて設けられている。また、本体ケース2の破砕室18の下部には、上端開口縁が排出口19に連続しスクリーン21の下方に位置して排出シュート22が一体的に設けられている。 【0025】さらに、排出シュート22の下端には、スクリーン21の挿通孔20を介して挿通する破砕された生ごみを搬出するスクリューコンベアなどの搬送モータ24を備えた搬送装置25が設けられている。 【0026】そして、回転軸5の他端側の周面には、図6に示すように、破砕室18内に位置して軸方向に沿った壁状のブレード27が複数、例えば4枚一体的に設けられて回転体28が構成されている。また、ブレード27の先端縁には、破砕室18の内面である本体ケース2の内面およびスクリーン21の内面に先端縁が摺接するゴムや布などの可撓性を有した清掃部材29が帯状に一体的に設けられている。なお、破砕室18を略円筒状に区画形成するスクリーン21は、回転体28のブレード27の先端の回転軌跡に沿って円弧状に湾曲形成される。 【0027】さらに、本体ケース2の他端側の上部には、回転体28の回転軌跡との間に破袋空間31を設けるドーム状に破袋覆い部32が設けられている。そして、この破袋覆い部32の内面には、回転体28の回転方向に沿った壁状に比較的軽量の夾雑物に切り込みなどを入れたり切断するなどの破袋をする切断ブレードとしてのビニールカッタ33が複数並列状に設けられている。 【0028】また、本体ケース2の他端上部には、破袋覆い部32に位置して破砕室18に連通する夾雑物排出口35が開口形成されている。そして、この夾雑物排出口35には、略四角筒状の排出ダクト36の一端が連結されている。この排出ダクト36の一端側は、回転体28の回転軌跡の接線方向に略沿って夾雑物排出口35から導出するように連結されている。 【0029】なお、破袋空間31は、回転体28の回転方向側の縁が回転軌跡との間隙が次第に広くなるように傾斜して設けられている。そして、ビニールカッタ33は、夾雑物排出口35が開口する方向側の縁は破袋覆い部32に連続して次第に高さ寸法が小さくなるように破袋室18に連続するように形成され、夾雑物排出口35に対向する反対側は、破袋空間から立ち上がって端部縁が夾雑物排出口35に対向するように形成されている。 【0030】一方、支持台2には、搬送用の電動機38と図示しない駆動手段としての破砕用の電動機とが設けられている。そして、搬送用の電動機38の図示しない出力軸は、搬入回転体13の回転プーリ16とに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡されている。また、破砕用の電動機の図示しない出力軸は、回転体28の回転軸5のプーリ6とに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡されている。そして、搬送用の電動機38、破砕用の電動機および搬送装置25の搬送モータ24は、図示しない制御手段としての制御盤に接続されている。なお、制御盤は、破砕用の電動機を回転体28が正逆回転可能に反転駆動制御する。 【0031】次に、上記実施の形態の生ごみの破砕分別の動作を説明する。 【0032】まず、図示しない制御盤により、搬送用の電動機38、破砕用の電動機および搬送装置25の搬送モータ24を駆動制御する。この制御盤による駆動制御は、搬入室8内に位置する生ごみを破砕室18に搬入する方向に搬入回転体13が回転するように搬送用の電動機38を正転させ、破砕用の電動機38は搬入回転体13とは逆の逆回転すなわち回転体28のブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35の開口方向に向けて回転する逆転とし、搬送装置25の搬送モータ24は排出シート22からの生ごみを搬出する方向に正転させる。 【0033】この搬送用の電動機38の正転、破砕用の電動機の逆転および搬送装置25の搬送モータ24の正転の状態で、投入口10から発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみを投入する。この投入された生ごみは、投入シュート11を介して本体ケース2の搬入室8内に落下し、回転する搬入回転体13により破砕室18に搬送される。 【0034】この破砕室18内に搬入された生ごみは、反転する電動機にて比較的高速で回転する回転体28のブレード27に当接して破砕させるとともに飛ばされ、本体ケース2の内面に衝突してさらに破砕される。また、発泡スチロールや樹脂フィルムなどの夾雑物は、回転体28のブレード27にて飛ばされた際にビニールカッタ33の突出する先端縁にて破砕すなわち切り込まれたり切断され細かく破かれる。なお、夾雑物は比較的軽量であることから、生ごみほど細かく破かれない。 【0035】そして、回転体28の逆転にてある程度破砕および破袋されることにより、生ごみはスクリーン21の挿通孔20を通って破砕室18から排出ダクト36を介して搬送装置25に落下し、細かく破砕された生ごみが排出される。 【0036】ここで、回転体28は、ブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35の開口方向に向けて回転、すなわち逆転していることから、ブレード27に当接して飛ばされる夾雑物や生ごみも夾雑物排出口35の開口方向に向けて飛ばされるので、夾雑物や生ごみは夾雑物排出口35を介して破砕室18から排出ダクト36に排出されない。このことから、破砕されて細かくなった生ごみは、破砕室18に臨んで開口するスクリーン21の挿通孔20から排出され、比較的軽量で生ごみほど細かくならない夾雑物は挿通孔20を通過することなく破砕室18内に残留する状態となる。 【0037】また、清掃部材29の先端縁がスクリーン21の内周面に摺接するので、夾雑物や生ごみが挿通孔20を閉塞することを防止して生ごみが効率よく排出シュートを介して搬送装置に排出される。すなわち、生ごみは、固形分が20%程度であり、破砕により生ごみの一部がスラリ状となって粘性が増大し、回転体28のブレード27の先端とスクリーン21の内面との間の回転体28の回転のためのクリアランスとなる間隙にこびりつく状態となる。このため、清掃部材29にてスクリーン21の内面を拭ってスラリ状物を除去し、挿通孔20を閉塞することを防止して、効率よく破砕した生ごみを排出できる。 【0038】この後、夾雑物が破砕室18内に残留しある程度破砕された生ごみが破砕室18から排出された後、逆転する破砕用の電動機を反転させて正転させる。この電動機の正転により、回転体28もブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35に向けて回転する正転状態となる。そして、回転体28の正転により、破砕室18内に残留する夾雑物は夾雑物排出口35から排出ダクト36を介して排出される。 【0039】このように、夾雑物を排出する排出ダクト36の夾雑物排出口35が開口する方向に向けて回転体28を逆転させて十分に破砕および破砕し、生ごみのみをスクリーンの挿通孔を介して十分に排出した後、回転体28を正転して残留する夾雑物を夾雑物排出口35から排出ダクト36を介して排出するため、生ごみおよび夾雑物を高度に破砕分別収集でき、生ごみの回収効率が向上して、後段での例えば生ごみの生物処理であるメタン発酵処理が効率よくでき、効率よくエネルギとなるメタンガスを生成できる。さらに、分集した夾雑物には生ごみがほとんど混入しないので分集した夾雑物の量が減少し、別途固形燃料化や焼却処分、各種合成樹脂製品へのリサイクルなどの後処理が容易にできる。」 (3) 「【図1】 [図:0001419953000001.jpg] 」 (4) 「【図2】 [図:0001419953000002.jpg] 」 (5) 「【図3】 [図:0001419953000003.jpg] 」 (6) 「【図4】 [図:0001419953000004.jpg] 」 (7) 「【図5】 [図:0001419953000005.jpg] 」 (8) 「【図6】 [図:0001419953000006.jpg] 」 2 引用文献に記載された発明 (1) 前記1(1)の記載によれば、引用文献には「生ごみ破砕分別装置」が記載されており、前記1(2)~(8)の記載によれば、前記「生ごみ破砕分別装置」の一実施の形態は、支持台2に支持された本体ケース3を備え、この本体ケース3は略円筒状に形成され、略中心軸上に回転自在に貫通保持され両端部が支持台2に設けられたベアリング4に回転自在に軸支される回転軸5が設けられ、この回転軸5の一端側には、プーリ6が一体的に設けられるものである。 また、本体ケース3(当審注:段落【0022】等の「本体ケース2」の記載は、いずれも「本体ケース3」の誤記と認める。)の一端側は略上半面が開口し、この開口縁に下端が連続する四角筒状で内部に搬入室8を区画する箱状部9が設けられ、箱状部9の上面には、上端に例えば一般生ごみや飲食店の厨芥、畜水産加工の廃棄物などの発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみが投入される投入口10を開口する略四角筒状の投入シュート11が箱状部9内の搬入室8に内周が連通して設けられ、回転軸5の一端側には、搬入室8内に位置して搬入回転体13が回転可能に軸支され、この搬入回転体13は、内周に回転軸5を回転自在に嵌合する円筒状の回転筒14と、この回転筒14の外周面に螺旋状に設けられたスクリュー翼15とを備え、搬入回転体13の回転筒14の一端側には、本体ケース3外に位置する回転プーリ16が一体的に設けられるものである。 更に、本体ケース3内の他端側には、搬入室8に隣接して略円筒状の破砕室18が区画され、本体ケース3の周面の下部には、破砕室18の下面を下方に向けて開口する排出口19が設けられ、排出口19には、搬入室8の底面と同様の円弧状に湾曲し複数の挿通孔20を開口するパンチングメタル状のスクリーン21が閉塞されて設けられ、本体ケース3の破砕室18の下部には、上端開口縁が排出口19に連続しスクリーン21の下方に位置して排出シュート22が一体的に設けられ、排出シュート22の下端には、スクリーン21の挿通孔20を介して挿通する破砕された生ごみを搬出するスクリューコンベアなどの搬送モータ24を備えた搬送装置25が設けられるものである。 そして、回転軸5の他端側の周面には、破砕室18内に位置して軸方向に沿った壁状のブレード27が複数、例えば4枚一体的に設けられて回転体28が構成され、ブレード27の先端縁には、破砕室18の内面である本体ケース3の内面およびスクリーン21の内面に先端縁が摺接するゴムや布などの可撓性を有した清掃部材29が帯状に一体的に設けられ、破砕室18を略円筒状に区画形成するスクリーン21は、回転体28のブレード27の先端の回転軌跡に沿って円弧状に湾曲形成され、本体ケース3の他端側の上部には、回転体28の回転軌跡との間に破袋空間31を設けるドーム状に破袋覆い部32が設けられ、この破袋覆い部32の内面には、回転体28の回転方向に沿った壁状に比較的軽量の夾雑物に切り込みなどを入れたり切断するなどの破袋をする切断ブレードとしてのビニールカッタ33が複数並列状に設けられるものである。 更に、本体ケース3の他端上部には、破袋覆い部32に位置して破砕室18に連通する夾雑物排出口35が開口形成され、この夾雑物排出口35には、略四角筒状の排出ダクト36の一端が連結され、この排出ダクト36の一端側は、回転体28の回転軌跡の接線方向に略沿って夾雑物排出口35から導出するように連結され、支持台2には、搬送用の電動機38と駆動手段としての破砕用の電動機とが設けられ、搬送用の電動機38の出力軸は、搬入回転体13の回転プーリ16とに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡され、破砕用の電動機の出力軸は、回転体28の回転軸5のプーリ6とに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡され、搬送用の電動機38、破砕用の電動機および搬送装置25の搬送モータ24は、制御手段としての制御盤に接続され、制御盤は、破砕用の電動機を回転体28が正逆回転可能に反転駆動制御するものである。 そして、前記「生ごみ破砕分別装置」の動作は、制御盤により、搬送用の電動機38、破砕用の電動機および搬送装置25の搬送モータ24を駆動制御し、この制御盤による駆動制御は、搬入室8内に位置する生ごみを破砕室18に搬入する方向に搬入回転体13が回転するように搬送用の電動機38を正転させ、破砕用の電動機(当審注:段落【0032】の「破砕用の電動機38」は「破砕用の電動機」の誤記と認める。)は搬入回転体13とは逆の逆回転すなわち回転体28のブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35の開口方向に向けて回転する逆転とし、搬送装置25の搬送モータ24は排出シュート22(当審注:段落【0032】の「排出シート22」は「排出シュート22」の誤記と認める。)からの生ごみを搬出する方向に正転させるものであり、この搬送用の電動機38の正転、破砕用の電動機の逆転および搬送装置25の搬送モータ24の正転の状態で、投入口10から発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみを投入し、この投入された生ごみは、投入シュート11を介して本体ケース3の搬入室8内に落下し、回転する搬入回転体13により破砕室18に搬送されるものであり、この破砕室18内に搬入された生ごみは、反転する電動機にて比較的高速で回転する回転体28のブレード27に当接して破砕させるとともに飛ばされ、本体ケース3の内面に衝突してさらに破砕され、発泡スチロールや樹脂フィルムなどの夾雑物は、回転体28のブレード27にて飛ばされた際にビニールカッタ33の突出する先端縁にて破砕すなわち切り込まれたり切断され細かく破かれ、回転体28の逆転にてある程度破砕および破袋されることにより、生ごみはスクリーン21の挿通孔20を通って破砕室18から排出ダクト36を介して搬送装置25に落下し、細かく破砕された生ごみが排出されるものである。 ここで、回転体28は、ブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35の開口方向に向けて回転、すなわち逆転していることから、ブレード27に当接して飛ばされる夾雑物や生ごみも夾雑物排出口35の開口方向に向けて飛ばされるので、夾雑物や生ごみは夾雑物排出口35を介して破砕室18から排出ダクト36に排出されないのであり、このことから、破砕されて細かくなった生ごみは、破砕室18に臨んで開口するスクリーン21の挿通孔20から排出され、比較的軽量で生ごみほど細かくならない夾雑物は挿通孔20を通過することなく破砕室18内に残留する状態となり、また、清掃部材29の先端縁がスクリーン21の内周面に摺接するので、夾雑物や生ごみが挿通孔20を閉塞することを防止して生ごみが効率よく排出シュートを介して搬送装置に排出されるのであり、すなわち、生ごみは、固形分が20%程度であり、破砕により生ごみの一部がスラリ状となって粘性が増大し、回転体28のブレード27の先端とスクリーン21の内面との間の回転体28の回転のためのクリアランスとなる間隙にこびりつく状態となるため、清掃部材29にてスクリーン21の内面を拭ってスラリ状物を除去し、挿通孔20を閉塞することを防止して、効率よく破砕した生ごみを排出できるものである。 この後、夾雑物が破砕室18内に残留しある程度破砕された生ごみが破砕室18から排出された後、逆転する破砕用の電動機を反転させて正転させ、この電動機の正転により、回転体28もブレード27が排出ダクト36の夾雑物排出口35に向けて回転する正転状態となり、回転体28の正転により、破砕室18内に残留する夾雑物は夾雑物排出口35から排出ダクト36を介して排出されるものであり、このように、夾雑物を排出する排出ダクト36の夾雑物排出口35が開口する方向に向けて回転体28を逆転させて十分に破砕し(当審注:段落【0039】の「十分に破砕および破砕し」は「十分に破砕し」の誤記と認める。)、生ごみのみをスクリーンの挿通孔を介して十分に排出した後、回転体28を正転して残留する夾雑物を夾雑物排出口35から排出ダクト36を介して排出するため、生ごみおよび夾雑物を高度に破砕分別収集でき、生ごみの回収効率が向上して、後段での例えば生ごみの生物処理であるメタン発酵処理が効率よくでき、効率よくエネルギとなるメタンガスを生成でき、さらに、分集した夾雑物には生ごみがほとんど混入しないので分集した夾雑物の量が減少し、別途固形燃料化や焼却処分、各種合成樹脂製品へのリサイクルなどの後処理が容易にできるものである。 (2) 前記(1)によれば、引用文献には、以下の発明が記載されているといえる(以下、「引用発明」という。)。 「生ごみ破砕分別装置であって、 前記生ごみ破砕分別装置は、支持台に支持された本体ケースを備え、この本体ケースは略円筒状に形成され、略中心軸上に回転自在に貫通保持され両端部が支持台に設けられたベアリングに回転自在に軸支される回転軸が設けられ、この回転軸の一端側には、プーリが一体的に設けられ、 本体ケースの一端側は略上半面が開口し、この開口縁に下端が連続する四角筒状で内部に搬入室を区画する箱状部が設けられ、箱状部の上面には、上端に例えば一般生ごみや飲食店の厨芥、畜水産加工の廃棄物などの発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみが投入される投入口を開口する略四角筒状の投入シュートが箱状部内の搬入室に内周が連通して設けられ、 回転軸の一端側には、搬入室内に位置して搬入回転体が回転可能に軸支され、この搬入回転体は、内周に回転軸を回転自在に嵌合する円筒状の回転筒と、この回転筒の外周面に螺旋状に設けられたスクリュー翼とを備え、搬入回転体の回転筒の一端側には、本体ケース外に位置する回転プーリが一体的に設けられ、 本体ケース内の他端側には、搬入室に隣接して略円筒状の破砕室が区画され、本体ケースの周面の下部には、破砕室の下面を下方に向けて開口する排出口が設けられ、排出口には、搬入室の底面と同様の円弧状に湾曲し複数の挿通孔を開口するパンチングメタル状のスクリーンが閉塞されて設けられ、本体ケースの破砕室の下部には、上端開口縁が排出口に連続しスクリーンの下方に位置して排出シュートが一体的に設けられ、排出シュートの下端には、スクリーンの挿通孔を介して挿通する破砕された生ごみを搬出するスクリューコンベアなどの搬送モータを備えた搬送装置が設けられ、 回転軸の他端側の周面には、破砕室内に位置して軸方向に沿った壁状のブレードが複数、例えば4枚一体的に設けられて回転体が構成され、ブレードの先端縁には、破砕室の内面である本体ケースの内面およびスクリーンの内面に先端縁が摺接するゴムや布などの可撓性を有した清掃部材が帯状に一体的に設けられ、破砕室を略円筒状に区画形成するスクリーンは、回転体のブレードの先端の回転軌跡に沿って円弧状に湾曲形成され、 本体ケースの他端側の上部には、回転体の回転軌跡との間に破袋空間を設けるドーム状に破袋覆い部が設けられ、この破袋覆い部の内面には、回転体の回転方向に沿った壁状に比較的軽量の夾雑物に切り込みなどを入れたり切断するなどの破袋をする切断ブレードとしてのビニールカッタが複数並列状に設けられ、本体ケースの他端上部には、破袋覆い部に位置して破砕室に連通する夾雑物排出口が開口形成され、この夾雑物排出口には、略四角筒状の排出ダクトの一端が連結され、この排出ダクトの一端側は、回転体の回転軌跡の接線方向に略沿って夾雑物排出口から導出するように連結され、 支持台には、搬送用の電動機と駆動手段としての破砕用の電動機とが設けられ、搬送用の電動機の出力軸は、搬入回転体の回転プーリとに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡され、破砕用の電動機の出力軸は、回転体の回転軸のプーリとに無端ベルトなどの駆動伝達部材が掛け渡され、搬送用の電動機、破砕用の電動機および搬送装置の搬送モータは、制御手段としての制御盤に接続され、制御盤は、破砕用の電動機を回転体が正逆回転可能に反転駆動制御するものであり、 前記生ごみ破砕分別装置の動作は、制御盤により、搬送用の電動機、破砕用の電動機および搬送装置の搬送モータを駆動制御し、この制御盤による駆動制御は、搬入室内に位置する生ごみを破砕室に搬入する方向に搬入回転体が回転するように搬送用の電動機を正転させ、破砕用の電動機は搬入回転体とは逆の逆回転すなわち回転体のブレードが排出ダクトの夾雑物排出口の開口方向に向けて回転する逆転とし、搬送装置の搬送モータは排出シュートからの生ごみを搬出する方向に正転させるものであり、 この搬送用の電動機の正転、破砕用の電動機の逆転および搬送装置の搬送モータの正転の状態で、投入口から発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみを投入し、この投入された生ごみは、投入シュートを介して本体ケースの搬入室内に落下し、回転する搬入回転体により破砕室に搬送されるものであり、 この破砕室内に搬入された生ごみは、反転する電動機にて比較的高速で回転する回転体のブレードに当接して破砕させるとともに飛ばされ、本体ケースの内面に衝突してさらに破砕され、発泡スチロールや樹脂フィルムなどの夾雑物は、回転体のブレードにて飛ばされた際にビニールカッタの突出する先端縁にて破砕すなわち切り込まれたり切断され細かく破かれ、回転体の逆転にてある程度破砕および破袋されることにより、生ごみはスクリーンの挿通孔を通って破砕室から排出ダクトを介して搬送装置に落下し、細かく破砕された生ごみが排出されるものであり、 ここで、回転体は、ブレードが排出ダクトの夾雑物排出口の開口方向に向けて回転、すなわち逆転していることから、ブレードに当接して飛ばされる夾雑物や生ごみも夾雑物排出口の開口方向に向けて飛ばされるので、夾雑物や生ごみは夾雑物排出口を介して破砕室から排出ダクトに排出されないのであり、このことから、破砕されて細かくなった生ごみは、破砕室に臨んで開口するスクリーンの挿通孔から排出され、比較的軽量で生ごみほど細かくならない夾雑物は挿通孔を通過することなく破砕室内に残留する状態となり、また、清掃部材の先端縁がスクリーンの内周面に摺接するので、夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止して生ごみが効率よく排出シュートを介して搬送装置に排出されるのであり、すなわち、生ごみは、固形分が20%程度であり、破砕により生ごみの一部がスラリ状となって粘性が増大し、回転体のブレードの先端とスクリーンの内面との間の回転体の回転のためのクリアランスとなる間隙にこびりつく状態となるため、清掃部材にてスクリーンの内面を拭ってスラリ状物を除去し、挿通孔を閉塞することを防止して、効率よく破砕した生ごみを排出できるものであり、 この後、夾雑物が破砕室内に残留しある程度破砕された生ごみが破砕室から排出された後、逆転する破砕用の電動機を反転させて正転させ、この電動機の正転により、回転体もブレードが排出ダクトの夾雑物排出口に向けて回転する正転状態となり、回転体の正転により、破砕室内に残留する夾雑物は夾雑物排出口から排出ダクトを介して排出されるものであり、 このように、夾雑物を排出する排出ダクトの夾雑物排出口が開口する方向に向けて回転体を逆転させて十分に破砕し、生ごみのみをスクリーンの挿通孔を介して十分に排出した後、回転体を正転して残留する夾雑物を夾雑物排出口から排出ダクトを介して排出するため、生ごみおよび夾雑物を高度に破砕分別収集でき、生ごみの回収効率が向上して、後段での例えば生ごみの生物処理であるメタン発酵処理が効率よくでき、効率よくエネルギとなるメタンガスを生成でき、さらに、分集した夾雑物には生ごみがほとんど混入しないので分集した夾雑物の量が減少し、別途固形燃料化や焼却処分、各種合成樹脂製品へのリサイクルなどの後処理が容易にできる、生ごみ破砕分別装置。」 3 対比・判断 (1) 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 ア 本願明細書の段落【0003】(当審注:本願明細書の記載は、令和5年7月31日に提出された補正書により補正されたものである。以下、同様である。)の 「【0003】 一般家庭から廃棄される都市ごみである一般廃棄物や、飲食業者などから廃棄される事業系一般廃棄物から、発酵適物である生ごみや紙ごみなどの有機性固形廃棄物を選別してメタン発酵装置に供給するため、様々な破砕選別装置が用いられている。」 との記載によれば、本願発明における「被処理物である一般廃棄物」は、一般家庭から廃棄される都市ごみや、飲食業者などから廃棄される事業系一般廃棄物などをいうものといえる。 そして、引用発明における「一般生ごみや飲食店の厨芥、畜水産加工の廃棄物などの発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみ」は、一般家庭から廃棄される都市ごみや、飲食業者などから廃棄される事業系一般廃棄物といえるから、本願発明における「被処理物である一般廃棄物」に相当する。 イ 前記アの段落【0003】の記載によれば、本願発明における「発酵適物」は、メタン発酵装置に供給する生ごみや紙ごみなどの有機性固形廃棄物をいうものといえる。 これに対して、引用発明において、「生ごみおよび夾雑物を高度に破砕分別収集」した後の「生ごみ」は、「生物処理であるメタン発酵処理」されるものであるから、メタン発酵装置に供給する生ごみや紙ごみなどの有機性固形廃棄物といえるので、本願発明における「発酵適物」に相当する。 ウ 引用発明における「生ごみ破砕分別装置」は、「一般生ごみや飲食店の厨芥、畜水産加工の廃棄物などの発泡スチロールや樹脂フィルムなどの比較的軽量な夾雑物が混入する生ごみ」から、「生物処理であるメタン発酵処理」される「生ごみおよび夾雑物を高度に破砕分別収集」するものであるから、本願発明における「被処理物である一般廃棄物から発酵適物を選別する発酵適物選別装置」に相当する。 エ 引用発明における「複数の挿通孔を開口するパンチングメタル状のスクリーン」は、本願発明における「複数の開口が形成された篩面」に相当する。 オ 引用発明における「本体ケース」は、「略円筒状に形成され」るものであって、「本体ケースの周面の下部には、破砕室の下面を下方に向けて開口する排出口が設けられ、排出口には、搬入室の底面と同様の円弧状に湾曲し複数の挿通孔を開口するパンチングメタル状のスクリーンが閉塞されて設けられ」るものであり、更に、【図1】~【図4】(前記1(3)~(6))より、横姿勢に配置されることが看取されるから、本願発明における「少なくとも下部周壁に複数の開口が形成された篩面を備え、横姿勢に配置された円筒状のドラム」に相当する。 カ 引用発明における「回転軸」は、「本体ケース」の「略中心軸上に回転自在に貫通保持され両端部が支持台に設けられたベアリングに回転自在に軸支される」ものであるから、本願発明における「前記ドラムの内部に前記ドラムの長手方向に沿って設置される回転軸」に相当する。 キ 引用発明における「壁状のブレード」と本願発明における「破砕刃」とを対比すると、本願明細書の段落【0027】の 「【0027】 羽根車4の回転に伴って、このような一般廃棄物が複数枚の破砕刃5と衝突してせん断破砕または衝撃破砕されながら軸心Pに沿って排出口7側に搬送される過程で、発酵適物が篩面2Aの開孔2Hから落下し、篩面2Aの下方に設置されたコンベア機構で回収されてメタン発酵装置に供給される。」 との記載によれば、本願発明における「破砕刃」は、一般廃棄物と衝突してこれをせん断破砕又は衝撃破砕するものである。 これに対して、引用発明における「壁状のブレード」は、「破砕室内に搬入された生ごみ」が「反転する電動機にて比較的高速で回転する回転体のブレードに当接して破砕」するものであるから、一般廃棄物と衝突してこれをせん断破砕又は衝撃破砕するものといえるので、この点で、本願発明における「破砕刃」と合致する。 更に、引用発明における「壁状のブレード」は、「回転軸の他端側の周面」に、「破砕室内に位置して軸方向に沿っ」て「例えば4枚一体的に」設けられたものであるから、「前記回転軸の周方向及び軸心方向に沿って取り付けられ」たものといえるし、「本体ケース」の「破砕室」内で回転する前記「壁状のブレード」の「径方向への延出長さ」が「本体ケース」の「内径より短い」ことは明らかであるから、引用発明における「壁状のブレード」は、本願発明における「前記回転軸の周方向及び軸心方向に沿って取り付けられ径方向への延出長さが前記ドラムの内径より短い破砕刃」に相当する。 ク 引用発明において、「回転軸の他端側の周面」に「壁状のブレード」が「一体的に設けられ」た「回転体」は、本願発明における、「回転軸と、前記回転軸の周方向及び軸心方向に沿って取り付けられ径方向への延出長さが前記ドラムの内径より短い破砕刃と、を備えて構成される羽根車」に相当する。 ケ 引用発明において、「ブレードの先端縁に」「帯状に一体的に設けられ」た、「破砕室の内面である本体ケースの内面およびスクリーンの内面に先端縁が摺接するゴムや布などの可撓性を有した清掃部材」は、本願発明における「前記破砕刃に取付けられ、前記破砕刃の回転と連動し、先端が前記篩面の内周面に摺動する摺動部材」に相当する。 コ 引用発明において、「清掃部材」が「ゴムや布などの可撓性を有した」ものであって、スクリーンの内面に先端縁が摺接する」ことは、本願発明における「前記摺動部材は可撓性部材で構成されるとともに」「先端が前記篩面と当接する」との発明特定事項を満たす。 サ 以上のことから、本願発明と引用発明の一致点及び一応の相違点は、以下のとおりである。 【一致点】 「被処理物である一般廃棄物から発酵適物を選別する発酵適物選別装置であって、 少なくとも下部周壁に複数の開口が形成された篩面を備え、横姿勢に配置された円筒状のドラムと、 前記ドラムの内部に前記ドラムの長手方向に沿って設置される回転軸と、前記回転軸の周方向及び軸心方向に沿って取り付けられ径方向への延出長さが前記ドラムの内径より短い破砕刃と、を備えて構成される羽根車と、 前記破砕刃に取付けられ、前記破砕刃の回転と連動し、先端が前記篩面の内周面に摺動する摺動部材と、 を備え、 前記摺動部材は可撓性部材で構成されるとともに前記篩面と当接する発酵適物選別装置。」 【一応の相違点】 「摺動部材」が、本願発明においては「先端が撓んだ状態で」前記篩面と当接するのに対して、引用発明においては「先端が撓んだ状態で」前記篩面と当接するか否かが明らかでない点。 (2) 判断 以下、前記(1)サの一応の相違点について検討すると、引用発明においては、「回転体」は「比較的高速で回転する」ものであるから、「清掃部材」もまた、「比較的高速で回転する」ものである。 また、前記「清掃部材」は、「スクリーン」の「挿通孔」が「閉塞することを防止」するものであるから、その「先端縁」が、「夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止」できる程度の強さで「スクリーンの内周面に摺接」するものである。 更に、前記「清掃部材」は、「ゴムや布などの可撓性を有した」ものである。 そして、「比較的高速で回転する」「ゴムや布などの可撓性を有した」「清掃部材の先端縁」が「夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止」できる程度の強さで「スクリーンの内周面に摺接」したとき、当該「清掃部材」の「先端縁」すなわち先端が全くたわむことなく「摺接」することは考え難いから、前記「清掃部材」は「先端が撓んだ状態で前記篩面と当接する」ものといえるので、引用発明は、前記一応の相違点に係る本願発明の発明特定事項を有するものといえる。 してみれば、前記一応の相違点は相違点とはならないから、本願発明は引用発明といえる。 また、仮に、本願発明と引用発明との間に相違点が存在するとしても、当該相違点は当業者が容易になし得るものであるから、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 請求人の主張について (1) 令和5年12月1日に提出された審判請求書における請求人の主張は、概略、以下のとおりである(審判請求書【請求の理由】(3)(d))。 ア 本願請求項1に係る発明と引用文献に記載された発明とを対比すると、本願請求項1に係る発明が、「前記摺動部材は可撓性部材で構成されるとともに先端が撓んだ状態で前記篩面と当接する」との発明特定事項を備えるのに対して、引用文献に記載された発明が、「回転体は、回転により先端縁がスクリーン当接する清掃部材を備えた」との構成を備える点で相違し、その余の点で一致する。 しかし、引用文献には、一貫して「回転体は、回転により先端縁がスクリーン当接する清掃部材を備えた」旨が記載されているのであり、これが先端が撓んだ状態で篩面と当接することも記載されているに等しい事項」であると解するならば、最早「先端縁がスクリーン当接する清掃部材」とはなり得ないことは明白である。 すなわち、帯状のブレード27の先端縁に設けられた清掃部材29には、回転体28の回転に伴って遠心力が作用するので径方向に伸長付勢されることになる結果、清掃部材の先端縁がスクリーンに当接して回転し、当該清掃部材の先端縁がスクリーンに摺接することになり、「先端が撓んだ状態で篩面と当接する」限り、「清掃部材」の「先端縁」がスクリーンに摺接することはないから、前記相違点は実質的な相違点である。 イ 引用発明において、「先端が撓んだ状態で篩面と当接する」ような清掃部材29であるならば、回転体28の回転に伴ってスクリーン21との摺動領域から離脱して切断ブレード33の設置領域を通過する際に、回転体28の回転に伴って遠心力が作用するので、先端が撓んだ状態から径方向に伸長付勢された状態に遷移し、その結果、清掃部材29の先端側が切断ブレード(ビニールカッタ)33により切断されるのであり、そのような破損を招くような技術思想は、引用文献には開示されていない。 ウ また、引用文献には、スクリーン21の内面を拭ってスラリ状物を除去するために、清掃部材はその先端縁がスクリーン当接する必要があるということが記載されているにすぎないのに対して、本願発明は、「被処理物である一般廃棄物から軽量の紙ごみなどの発酵適物を、篩面が目詰まりすることなく良好に選別可能な発酵適物選別装置を提供する」[0008]ことを目的とする発明であり、生ごみがスクリーンに付着することの課題よりも、「発酵適物が篩面2Aに形成された開口2Hから振るい落とされる際に、破砕された湿潤状態の紙片などが開口2Hに絡みつき易く、絡みつきが度重なると開口2Aが閉塞する虞がある。」[0047]、との課題を解決することを目的とするものであり、その意義は、摺動部材10の先端が破砕刃5の先端と篩面2Aの間隔より長く構成されていることにより、摺動部材10と篩面2Aとの接触機会を十分に確保することで、開口に絡みつきそうな紙片や僅かに絡みついた紙片の除去効率を高めることができるようになることにあるから、本願発明における摺動部材10と引用発明における清掃部材とは技術的意義が異なっている。 したがって、本願発明は、引用文献に記載された発明ではなく、また、引用文献1に基づいて当業者が容易に想到し得た発明でもない。 (2) 以下、前記(1)の主張について検討する。 ア 始めに、前記(1)アの主張について検討すると、前記(1)アの主張は、引用発明における「清掃部材」の「先端縁」を、「回転軸」から最も遠い先端部分と解して、引用発明においては、「清掃部材」が遠心力により伸張付勢して、「回転軸」から最も遠い先端部分である「先端縁」が「スクリーン」に摺接するのであり、「清掃部材」の先端がたわんだ状態で「スクリーン」と当接するのであれば、当該「清掃部材」の「先端縁」が「スクリーン」に摺接することはないことをいうものと解される。 そこで、引用発明における「清掃部材」の「先端縁」の意味について検討すると、引用発明は、「回転軸の他端側の周面には、破砕室内に位置して軸方向に沿った壁状のブレードが複数、例えば4枚一体的に設けられて回転体が構成され、ブレードの先端縁には、破砕室の内面である本体ケースの内面およびスクリーンの内面に先端縁が摺接するゴムや布などの可撓性を有した清掃部材が帯状に一体的に設けられ」るものであって、引用発明における「清掃部材」は、「ブレード」の「先端縁」に「一体的に設けられ」るものといえる。 そして、前記1(8)(【図6】)の記載からみれば、引用発明における「清掃部材」は、「ブレード」の「回転軸」から最も遠い先端部分から、「回転軸」方向に向かった所定幅の領域において当該「ブレード」に「一体的に設けられ」るものであることが看取される。 このことからみれば、「ブレード」の「先端縁」とは、当該「ブレード」の「回転軸」から最も遠い先端部分から「回転軸」方向に向かった所定幅の領域を意味していると解されるのであり、「ブレード」と「一体的に設けられ」る「清掃部材」の「先端縁」も、「ブレード」の「先端縁」と同様に、当該「清掃部材」の「回転軸」から最も遠い先端部分から「回転軸」方向に向かった所定幅の領域を意味していると解するのが合理的である。 すると、引用発明は、「清掃部材」の「回転軸」から最も遠い先端部分から「回転軸」方向に向かった所定幅の領域が、「スクリーンの内面に」「摺接」するものと解されるのであり、そうすることで、「清掃部材」が「夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止」できる程度の強さで「スクリーンの内周面に摺接」でき、「挿通孔」が「閉塞することを防止」できるものといえるのであって、このことは、前記3(2)の検討事項とも合致する。 これに対して、仮に、引用発明における「清掃部材」の「先端縁」を、「回転軸」から最も遠い先端部分と解して、「清掃部材」が遠心力により伸張付勢して、全くたわむことなく、「回転軸」から最も遠い先端部分である「先端縁」が「スクリーン」に摺接すると解した場合、「夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止」できる程度の強さで「スクリーンの内周面に摺接」できるとはいえないから、引用発明において、「清掃部材」が遠心力により伸張付勢して、「先端縁」が「スクリーン」に摺接すると解するのは不合理である。 そして、「清掃部材」の「回転軸」から最も遠い先端部分から「回転軸」方向に向かった所定幅の領域が「スクリーンの内面に」「摺接」する場合、「ゴムや布などの可撓性を有した清掃部材」は、むしろ先端がたわんだ状態で「摺接」することが強く推認されるから、引用発明において「清掃部材」の先端がたわんだ状態で「スクリーン」と当接したとき、当該「清掃部材」の「先端縁」が「スクリーン」に摺接することはないともいえないので、前記(1)アの主張は採用できない。 イ 次に、前記(1)イの主張について検討すると、引用発明において「清掃部材」の先端がたわんだ状態で「スクリーン」と当接しており、「回転体」の回転に伴って「スクリーン」との摺動領域から離脱して「切断ブレード」の設置領域を通過する際に、「回転体」の回転に伴って遠心力が作用して、先端が撓んだ状態から径方向に伸長付勢された状態に遷移するとしても、そのことから直ちに、「清掃部材」の先端側が「切断ブレード(ビニールカッタ)」により切断されるということはできないし、そのことを裏付ける証拠もなく、あえて「清掃部材」の先端側が切断されるような設計にすることは当業者において想定されるものでもないから、前記(1)イの主張も採用できない。 ウ 最後に、前記(1)ウの主張について検討すると、引用発明における「清掃部材」は、「夾雑物や生ごみが挿通孔を閉塞することを防止して生ごみが効率よく排出シュートを介して搬送装置に排出される」ものであるから、「生ごみ」のほかに「夾雑物」により「挿通孔」が「閉塞することを防止」するものでもあるので、スラリ状物を除去することだけを目的とするものではない。 してみれば、その技術的意義が本願発明における「摺動部材」と相違するとはいえないので、前記(1)ウの主張も採用できない。 エ 前記ア~ウによれば、請求人の前記(1)の主張はいずれも採用できない。 5 小括 したがって、本願発明は、引用文献に記載された発明であるか、引用文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるから、その余について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-020387

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