2023-014961
排ガス加熱装置
- 審判番号
- 2023-014961
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-131942外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年09月06日
- 審決日
- 2024年05月21日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】森田 拓
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】永島 秀郎
- 【請求人代理人】上島 類
- 分類
- P18 .121-WY (F01N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和3年8月13日(パリ条約による優先権主張 2020年8月14日 ドイツ連邦共和国)の出願であって、令和4年8月31日付け(発送日:同年9月6日)で拒絶理由が通知され、令和5年2月6日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年6月1日付け(発送日:同年6月6日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、それに対し、同年9月6日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
本願の下記請求項に係る発明は、この出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1~20
・引用文献 1、2
<引用文献等一覧>
1.特開2001-65331号公報
2.米国特許出願公開第2020/0240305号明細書(2020年7月30日公開)
第3 本願発明
本願の請求項1~19に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明19」という。)は、令和5年9月6日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】排ガス加熱装置であって、周壁(30)と、該周壁内に延在しかつ絶縁材料により取り囲まれた少なくとも1つの加熱導体(32)とを含む周壁加熱要素(28)を有する加熱ユニット(12)を備え、該加熱ユニット(12)は、長手方向中心軸線(L)を螺旋状に取り囲むように巻成されており、前記加熱ユニット(12)の半径方向内側の巻成端領域(46)が、前記加熱ユニット(12)の半径方向外側の巻成端領域(48)に対して前記長手方向中心軸線(L)の方向でずらされている、排ガス加熱装置において、前記加熱ユニット(12)は、前記周壁(30)に支持された伝熱面形成部(38)を備えており、少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの互いにすぐ隣の巻成部分(56,58,60)は、互いに半径方向で部分的にオーバラップしており、かつ互いに軸方向で部分的にオーバラップしていることを特徴とする、排ガス加熱装置。続きを表示(全44行)【請求項2】前記加熱ユニット(12)は、前記周壁(30)の領域にかつ/または前記伝熱面形成部(38)の領域に、触媒として有効な材料(70)を含んで構成された表面を有することを特徴とする、請求項1記載の排ガス加熱装置。【請求項3】前記伝熱面形成部(38)は、前記周壁加熱要素(28)をスクリュー状に取り囲む少なくとも1つの伝熱要素(40)を備え、かつ/または、前記伝熱面形成部(38)は、前記周壁加熱要素の長手方向で互いに連続するように配置されたディスク状の複数の伝熱要素を備え、かつ/または、前記伝熱面形成部(38)は、前記周壁加熱要素(28)に沿ってメアンダ状に延在する、各々の伝熱要素部分で前記周壁加熱要素により貫通された少なくとも1つの伝熱要素を備え、かつ/または、前記伝熱面形成部(38)は、円形の外周輪郭を有することを特徴とする、請求項1または2記載の排ガス加熱装置。【請求項4】前記加熱ユニット(12)は、前記長手方向中心軸線(L)の方向に長く延在した排ガス案内ハウジング(16)内に配置されており、前記加熱ユニット(12)の前記半径方向内側の巻成端領域(46)は、前記加熱ユニット(12)の前記半径方向外側の巻成端領域(48)に対して、排ガス主流れ方向(A)で見て、前記排ガス案内ハウジング(16)内で上流側に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項5】前記排ガス案内ハウジング(16)は、前記排ガス主流れ方向(A)で半径方向に拡幅されたハウジング領域(20)を有し、前記加熱ユニット(12)は、前記半径方向に拡幅されたハウジング領域(20)内に少なくとも部分的に配置されており、かつ/または、前記加熱ユニット(12)の下流側に排ガス処理ユニット(10)が配置されていることを特徴とする、請求項4記載の排ガス加熱装置。【請求項6】少なくとも1つの周方向領域において、前記長手方向中心軸線(L)に対する、前記半径方向に拡幅されたハウジング領域(20)の開き角(a)が、前記長手方向中心軸線(L)に対する、前記少なくとも1つの周方向領域において前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)の領域で前記長手方向中心軸線(L)と前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの巻成部分(56,58,60)とに交差する加熱ユニット迎え線(H)の加熱ユニット迎え角(b)よりも小さいことを特徴とする、請求項5記載の排ガス加熱装置。【請求項7】各々の周方向領域において、前記長手方向中心軸線(L)に対する、前記半径方向に拡幅されたハウジング領域(20)の開き角(a)が、前記長手方向中心軸線(L)に対する、前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)の領域で前記長手方向中心軸線(L)と前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの巻成部分(56,58,60)とに交差する加熱ユニット迎え線(H)の加熱ユニット迎え角(b)よりも小さいことを特徴とする、請求項6記載の排ガス加熱装置。【請求項8】前記排ガス処理ユニット(10)は、上流側の方向に向けられた、前記長手方向中心軸線(L)に対して排ガス処理ユニット迎え角(c)を成して傾けられた流入側(26)を有し、少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット迎え角(b)は、前記排ガス処理ユニット迎え角(c)よりも小さいことを特徴とする、請求項6または7記載の排ガス加熱装置。【請求項9】前記排ガス処理ユニット(10)は、上流側の方向に向けられた、前記長手方向中心軸線(L)に対して排ガス処理ユニット迎え角(c)を成して傾けられた流入側(26)を有し、各々の周方向領域において、前記加熱ユニット迎え角(b)は、前記排ガス処理ユニット迎え角(c)よりも小さいことを特徴とする、請求項8記載の排ガス加熱装置。【請求項10】前記加熱ユニット迎え角(b)は、前記開き角(a)と前記排ガス処理ユニット迎え角との和の半分以下であることを特徴とする、請求項8または9記載の排ガス加熱装置。【請求項11】少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の互いにすぐ隣の全ての巻成部分(56,58,60)は、互いに半径方向でオーバラップしており、かつ/または、少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の互いにすぐ隣の全ての巻成部分(56,58,60)は、互いに軸線方向でオーバラップしていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項12】各々の周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の互いにすぐ隣の全ての巻成部分(56,58,60)は、互いに半径方向でオーバラップしており、かつ/または、各々の周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の互いにすぐ隣の全ての巻成部分(56,58,60)は、互いに軸線方向でオーバラップしていることを特徴とする、請求項11記載の排ガス加熱装置。【請求項13】少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの互いにすぐ隣の巻成部分(56,58,60)は、前記少なくとも1つの周方向領域において前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)の領域で前記長手方向中心軸線(L)と前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの巻成部分(56,58,60)とに交差する直線状に延在している加熱ユニット迎え線(H)の方向で互いにオーバラップしていないことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項14】各々の周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの互いにすぐ隣の巻成部分(56,58,60)は、前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)の領域で前記長手方向中心軸線(L)と前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの巻成部分(56,58,60)とに交差する直線状に延在している加熱ユニット迎え線(H)の方向で互いにオーバラップしていないことを特徴とする、請求項13記載の排ガス加熱装置。【請求項15】前記半径方向内側の巻成端領域(46)は、前記長手方向中心軸線(L)に交差していることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項16】少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の前記巻成部分(56,58,60)の少なくとも一部の巻成部分(56,58,60)は、前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)でもって、前記長手方向中心軸線(L)に交差する直線状に延在している加熱ユニット迎え線(H)上に位置していることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項17】少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の前記巻成部分(56,58)の少なくとも一部の巻成部分(56,58)は、前記周壁加熱要素(28)の中心(Z)でもって、前記長手方向中心軸線(L)に交差する湾曲した加熱ユニット迎え線(H’)上に位置していることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項18】前記加熱ユニット(12)の少なくとも一方の軸線方向側に、前記加熱ユニット(12)を軸線方向で支持する支持構造体(62,64)が配置されていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の排ガス加熱装置。【請求項19】請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの排ガス加熱装置(14)を備える、内燃機関用の排ガスシステム。」
第4 引用文献の記載事項等
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1 引用文献1について
(1)記載事項
引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「【請求項1】内燃機関の排気通路に介装されたフィルタと、該フィルタを加熱する電気ヒータと、を含んで構成される内燃機関の排気浄化装置において、前記電気ヒータは、前記フィルタの上流側に配設され、かつ、前記排気通路を介してフィルタに導入される排気をフィルタ周辺部に拡散する形状に形成されたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。」
「【0010】【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。図1は、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置(以下「排気浄化装置」という)をディーゼル機関に適用した一実施形態を示す。【0011】ディーゼル機関の排気通路10には、セラミック等の多孔性部材からなる略円筒形状のディーゼルパティキュレートフィルタ(以下「フィルタ」という)12が介装される。フィルタ12には、ハニカム状の隔壁により排気流と略平行なセルが多数形成され、各セルの入口と出口とが封鎖材により交互に目封じされている。そして、排気が隔壁を介して隣接するセルに流入するときに、排気に含まれる粒子状物質が隔壁により捕集される。なお、フィルタ12には、捕集された粒子状物質の燃焼(酸化)を促進するために、その表面に酸化触媒をコーティングすることが望ましい。【0012】フィルタ12上流の排気通路10には、フィルタ12に捕集された粒子状物質を焼却することで、フィルタ再生処理を行なう電気ヒータ14が介装される。電気ヒータ14は、フィルタ12に導入される排気をフィルタ周辺部に拡散するように、円錐形状の頭部を削り取った截頭円錐形状に形成される。即ち、図2に示すように、1本の電熱線を、截頭円錐Aの表面に沿って巻き回すことで、截頭円錐形状の電気ヒータ14が形成される。このように、電気ヒータ14を截頭円錐形状にすれば、一部の排気が電気ヒータ14の形状に沿ってフィルタ周辺部に拡散され、フィルタ周辺部にも電気ヒータ14の熱が伝達される。」
「【図1】[図:0001411135000001.jpg]」
「【図2】[図:0001411135000002.jpg]」
(2)認定事項
ア 請求項1、【0010】及び【0011】の記載並びに図1の開示内容によれば、排気浄化装置は、フィルタ12と電気ヒータ14を含むことが認められる。
イ 【0012】の記載及び図2の開示内容によれば、電気ヒータ14は1本の電熱線で構成されることが認められる。
(3)引用発明
上記(1)及び(2)を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「排気浄化装置であって、ディーゼル機関の排気通路10に介装されるフィルタ12と、フィルタ12上流の排気通路10に介装される、1本の電熱線で構成される電気ヒータ14を含み、電気ヒータ14は、1本の電熱線を截頭円錐Aの表面に沿って巻き回すことで、截頭円錐形状に形成される、排気浄化装置。」
2 引用文献2について
引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、訳文は当審によるものである。)
「[0051] Referring to the drawings, FIGS. 1 and 2 show an exhaust gas heating unit 10 for an exhaust system of an internal combustion engine. The exhaust gas heating unit 10 comprises an especially high-temperature-resistant jacket heating conductor element 12 with a heating conductor 14 arranged in a core area of same. The heating conductor 14 may comprise one or more heating wires and is surrounded by an insulating material 18, for example, ceramic material, in an interior surrounded by a jacket 16.」
(訳文:[0051] 図面を参照すると、図1及び2は、内燃機関の排気システムの排気ガス加熱装置を示している。排気ガス加熱装置は、同じ中心領域に配置された加熱導体14を備えた超耐熱ジャケット加熱導体要素12で構成されている。加熱導体14は、1以上の電熱線で構成することができ、ジャケット16によって囲まれた内側で、例えば、セラミック材料である絶縁材料18によって囲まれている。)
「[0052] A heat transfer surface formation 20 is arranged on an outer surface 28 of the jacket 16, which is made of a metallic material, for example, a steel material. In the exemplary embodiment shown, the heat transfer surface formation 20 comprises a heat transfer element 22, which encloses the jacket heating conductor element 12 in a helical manner and is connected to the outer surface 28 thereof.・・・」
(訳文:[0052] 伝熱面構成物20は、ジャケット16の外表面28上に配置され、例えば、鋼鉄材料である金属材料で形成されている。図示された実施形態では、伝熱面構成物20は、ジャケット加熱導体要素12をらせん状に取り囲み、外表面28と接続される伝熱要素22で構成される。・・・)
「[0059] FIG. 5 shows a configuration, in which the jacket heating conductor element 12 is again wound in a single helix in a plane that is essentially at right angles to the exhaust gas flow direction A. ・・・」
(訳文:[0059] 図5は、ジャケット加熱導体要素12が、排気ガスの流れ方向Aに実質的に直角である平面で一重らせん状に巻きつけられている構造を示している。・・・)
「[図:0001411135000003.jpg]」
「[図:0001411135000004.jpg]」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、その構造や機能からみて、後者の「排気浄化装置」は、前者の「排ガス加熱装置」に相当し、以下同様に、「電気ヒータ14」は「加熱ユニット(12)」に、「含」むことは「備え」ることに、「巻き回すこと」は「巻成」することに、それぞれ相当する。
後者において、電気ヒータ14は1本の電熱線で構成され、図1、2を参照すると、截頭円錐Aは、長手方向の中心軸線を取り囲んでおり、截頭円錐Aを巻き回す電熱線の上流側の端部領域は、截頭円錐Aを巻き回す電熱線の下流側の端部領域に対して長手方向でずれていると認められるから、後者の「電気ヒータ14は、1本の電熱線を截頭円錐Aの表面に沿って巻き回すことで、截頭円錐形状に形成される」ことは、前者の「該加熱ユニット(12)は、長手方向中心軸線(L)を螺旋状に取り囲むように巻成されており、前記加熱ユニット(12)の半径方向内側の巻成端領域(46)が、前記加熱ユニット(12)の半径方向外側の巻成端領域(48)に対して前記長手方向中心軸線(L)の方向でずらされている」ことに相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「排ガス加熱装置であって、加熱ユニット(12)を備え、該加熱ユニット(12)は、長手方向中心軸線(L)を螺旋状に取り囲むように巻成されており、前記加熱ユニット(12)の半径方向内側の巻成端領域(46)が、前記加熱ユニット(12)の半径方向外側の巻成端領域(48)に対して前記長手方向中心軸線(L)の方向でずらされている、排ガス加熱装置」
<相違点1>
加熱ユニット(12)について、本願発明1では、「周壁(30)と、該周壁内に延在しかつ絶縁材料により取り囲まれた少なくとも1つの加熱導体(32)とを含む周壁加熱要素(28)」を有し、「前記周壁(30)に支持された伝熱面形成部(38)」を備えており、「少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの互いにすぐ隣の巻成部分(56,58,60)は、互いに半径方向で部分的にオーバラップしており、かつ互いに軸方向で部分的にオーバラップしている」のに対し、引用発明では、1本の電熱線で構成されており、本願発明の上記発明特定事項を有していない点。
(2)相違点についての判断
相違点1に係る本願発明1の構成のうち、「少なくとも1つの周方向領域において、前記加熱ユニット(12)の少なくとも2つの互いにすぐ隣の巻成部分(56,58,60)は、互いに半径方向で部分的にオーバラップしており、かつ互いに軸方向で部分的にオーバラップしている」との事項については、引用文献1だけでなく、引用文献2にも、記載も示唆も見いだせない。また、引用発明に引用文献2に記載された事項を適用した際に必然的に生じる事項でもない。
よって、引用発明に、引用文献2に記載された事項を適用しても、相違点1に係る本願発明1の構成とならないのは明らかであるから、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2~19について
本願発明2~19は、本願発明1の全ての発明特定事項を含み、更なる限定を付加したものであるから、上記1(2)で説示したのと同様の理由により、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
上記第5に説示したとおり、当業者であっても、本願発明1~19は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の拒絶理由を維持できない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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