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特許拒絶査定不服審判

2023-012760

複合トリガーモノマー含有フォトレジスト組成物および方法

審判番号
2023-012760
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-554556外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年07月31日
審決日
2024年11月19日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G03F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-554556「複合トリガーモノマー含有フォトレジスト組成物および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月 7日国際公開、WO2019/046148、令和 2年11月 5日国内公表、特表2020-531883〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続等の経緯

特願2019-554556号(以下「本願」という。)は、2018年(平成30年)8月27日(先の出願に基づく優先権主張 平成29年8月26日)を国際出願日とする出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。

令和4年 6月21日付け:拒絶理由通知書
令和4年11月25日 :手続補正書、意見書の提出
令和5年 3月17日付け:拒絶査定
令和5年 7月31日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和5年7月31日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和5年7月31日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正の内容

(1)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前である、令和4年11月25日にした手続補正後の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物であって、
a.少なくとも1つのポリマー、オリゴマー、またはモノマーであって、各々が、2つ以上の架橋性官能基を含み、少なくとも90%の前記官能基が、酸不安定保護基に結合している、少なくとも1つのポリマー、オリゴマー、またはモノマーと、
b.少なくとも1つの酸活性化架橋剤と、
c.光酸発生剤または熱酸発生剤のうちの少なくとも1つと、を含む、フォトレジスト組成物。
【請求項2】
前記モノマーが、次の構造を有する化合物のうちの1つ以上であり、
【化1】
[図:0001421856000001.jpg]
式中、XおよびYが、同じかまたは異なり、各々が、前記官能基に結合している酸不安定保護基を有する架橋性官能基を含み、R1、R2、R3、およびR4が、同じかもしくは異なり、置換された1つ以上のヘテロ原子を鎖中に有するかもしくは有しない1~16個の炭素原子の分岐状もしくは非分岐状、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の二価のアルキル鎖、置換もしくは非置換の芳香族基、複素環芳香族基、縮合芳香族もしくは縮合複素環芳香族基、アラルキル基、脂環式基、またはR1、R2、R3、およびR4のうちの任意の2つ以上が互いに共有結合するときに形成される環式、二環式、もしくは多環式環である、請求項1に記載のフォトレジスト組成物。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲

本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。なお、下線は補正箇所を示す。

「複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物であって、
a.2つ以上の架橋性官能基を含み、少なくとも90%の前記官能基が、酸不安定保護基に結合しているモノマーと、
b.少なくとも1つの酸活性化架橋剤と、
c.光酸発生剤または熱酸発生剤のうちの少なくとも1つと、を含み、
前記少なくとも1つの酸活性化架橋剤が、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、オキセタン、グリシジルアミン、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチルアミノ基、ジアルキロールメチルアミノ基、ジブトキシメチルアミノ基、ジメチロールメチルアミノ基、ジエチロールメチルアミノ基、ジブチロールメチルアミノ基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、またはイソプロペニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマーを含み、
前記モノマーが、次の構造を有する化合物のうちの1つ以上である、フォトレジスト組成物:
【化1】
[図:0001421856000002.jpg]
式中、XおよびYが、同じかまたは異なり、各々が、前記官能基に結合している酸不安定保護基を有する架橋性官能基を含み、R1、R2、R3、およびR4が、同じかもしくは異なり、置換された1つ以上のヘテロ原子を鎖中に有するかもしくは有しない1~16個の炭素原子の分岐状もしくは非分岐状、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の二価のアルキル鎖、置換もしくは非置換の芳香族基、複素環芳香族基、縮合芳香族もしくは縮合複素環芳香族基、アラルキル基、脂環式基、またはR1、R2、R3、およびR4のうちの任意の2つ以上が互いに共有結合するときに形成される環式、二環式、もしくは多環式環である。」

(3)補正の適否

本件補正は、本件補正前の請求項2に係る発明を独立形式で記載するとともに、本件補正前の請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「a.」について、「少なくとも1つのポリマー、オリゴマー、またはモノマー」とされていたのを「モノマー」に限定する補正事項と、本件補正前の請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「少なくとも1つの酸活性化架橋剤」について、「グリシジルエーテル、グリシジルエステル、オキセタン、グリシジルアミン、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチルアミノ基、ジアルキロールメチルアミノ基、ジブトキシメチルアミノ基、ジメチロールメチルアミノ基、ジエチロールメチルアミノ基、ジブチロールメチルアミノ基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、またはイソプロペニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマーを含」むものに限定する補正事項を含むものである。

そして、本件補正前の請求項2に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

2 独立特許要件(進歩性)についての判断

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献3の記載事項及び引用発明

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ア 引用文献3の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用された、米国特許出願公開第2016/0246173号明細書(平成28年8月25日公開。以下「引用文献3」という。)は、先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明が記載された引用文献であるところ、そこには以下の記載がある。なお、日本語訳は当合議体による仮訳であり、訳文の下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。

(ア)「[0002] The present application for patent is in the field of nanolithography materials and more specifically is in the field of molecular glass resists.」

日本語訳:「[0002] 本特許出願は、ナノリソグラフィ材料の分野、より具体的には分子ガラスレジストの分野に関するものである。」
(イ)「[0005] Certain chemically amplified resists do not use large polymers. In cases where nanometer-scale patterning is desired, low molecular weight polymers or even small molecules may be used as the resist matrix material. These are sometimes referred to as “molecular glass” resists (MGRs), taken in this instance to include molecules such as oligomers, polyaromatic hydrocarbon derivatives, discotic liquids crystals, fullerenes, macrocycles, small amorphous, and other low molecular weight resists. Although MGRs may offer many potential advantages over polymeric chemically amplified resists, there are still some things about this class of materials that could potentially pose challenges. Removal and subsequent volatilization of protecting groups in positive tone molecular resists may cause a loss of up to approximately 50% of the mass of the resist, potentially leading to a loss of pattern quality. The small sizes of molecular resist compounds, and often correspondingly low glass transition temperatures, can also restore material integrity but may compromise pattern quality.
[0006] Accordingly, there is a need for improved molecular glass resists. It is to the provision and characterization of such molecular glass resists that the various embodiments of the present written description are directed.」

日本語訳:「[0005] ある種の化学増幅レジストは、大きなポリマーを使用しない。ナノメートルスケールのパターン形成が望まれる場合には、低分子量ポリマーまたは小分子さえも、レジストマトリックス材料として使用することができる。これらは「分子ガラス」レジスト(MGR)と呼ばれることもあり、この場合はオリゴマー、多環芳香族炭化水素誘導体、ディスコティック液晶、フラーレン、マクロサイクル、小さな非晶質、およびその他の低分子量レジストのような分子が含まれる。MGRはポリマー化学増幅レジストに比べて多くの潜在的利点を提供し得るが、この種の材料には潜在的な問題を引き起こす可能性のある点がまだいくつか存在する。ポジ型分子レジストの保護基の除去およびその後の揮発により、レジストの質量が最大約50%失われ、パターン品質が低下する可能性がある。分子レジスト化合物のサイズが小さく、ガラス転移温度もそれに応じて低い場合が多いため、材料の完全性は回復するが、パターンの品質が損なわれる可能性がある。

[0006] 従って、分子ガラスレジストの改良が必要である。本明細書の様々な実施形態は、このような分子ガラスレジストの提供および特徴付けを目的とする。」

(ウ)「[0022] Disclosed herein is a composition of matter having a structure chosen from (V), (VI), (VII), or (VIII), wherein X and Y are the same or different, and wherein at least one of X or Y comprises an acid labile group and wherein m=1-4 and wherein n=1-4.
[図:0001421856000003.jpg]
」
日本語訳:「[0022] 本明細書では、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)から選択される構造を有する組成物を開示する。ここで、XおよびYは同一か又は異なり、XまたはYの少なくとも1つは酸不安定基を含み、m=1~4であり、n=1~4である。

[図:0001421856000004.jpg]

」

(エ)「[0039] Photoresist materials comprise an ester material such as (I)-(VIII), which takes the place of at least a portion of the resin in a conventional photoresist, and a photoacid generator. The discussion below describes useful photoacid generators for this purpose.
[0040] The above described compositions of matter may further comprise, in admixture, photoacid generators. Without limitation, these may include onium salt compounds, such as sulfonium salts, phosphonium salts or iodonium salts, sulfone imide compounds, halogen-containing compounds, sulfone compounds, ester sulfonate compounds, quinone diazide compounds, diazomethane compounds, dicarboximidyl sulfonic acid esters, ylideneaminooxy sulfonic acid esters, sulfanyldiazomethanes, or a mixture thereof.」
日本語訳:「[0039] フォトレジスト材料は、従来のフォトレジスト中の樹脂の少なくとも一部に替えて、(I)~(VIII)のようなエステル材料と光酸発生剤を含む。以下の説明では、この目的に役立つ光酸発生剤について記載する。

[0040] 上記の組成物は、さらに、混合物中に光酸発生剤を含んでいてもよい。限定はしないが、これらは、スルホニウム塩、ホスホニウム塩又はヨードニウム塩のようなオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物、ジカルボキシイミジルスルホン酸エステル、イリデンアミノオキシスルホン酸エステル、スルファニルジアゾメタン又はそれらの混合物を含んでいてもよい。」

(オ)「[0049] Negative working materials may also comprise a crosslinker. Crosslinkers, suitable for the current disclosure, comprise compounds able to cross-link with the above disclosed ester, after it is deprotected, but, in any case, if either X or Y comprise functional groups that can be reacted with the crosslinker. Among these reactive functional groups are alcohols, phenols, protic amides, carboxylic acids and the like. Before the deprotection reaction occurs, at least a portion of the reactive functional groups are protected by an acid labile group described above. Once the deprotection reaction occurs, the crosslinker may react with the deprotected functional group. Not to be held to theory, it is believed that the photogenerated acid not only reacts with the acid-labile group of the above disclosed ester but aids in the reaction of the crosslinker with itself and the ester. Examples of crosslinkers include compounds comprising at least one type of substituted group that possess a cross-linking reactivity with the phenol or similar group of the on the deprotected ester. Specific examples of this crosslinking group include, without limitation, the glycidyl ether group, the oxetane group, glycidyl ester group, glycidyl amino group, methoxymethyl group, ethoxy methyl group, benzyloxymethyl group, dimethylamino methyl group, diethylamino methyl group, dimethylol amino methyl group, diethylol amino methyl group, morpholino methyl group, acetoxymethyl group, benzyloxy methyl group, formyl group, acetyl group, vinyl group and isopropenyl group.
[0050] Non limiting examples of compounds having the aforementioned cross-linking substituted group include, bisphenol A-based epoxy compounds, bisphenol F-based epoxy compounds, bisphenol S-based epoxy compounds, novolac resin-based epoxy compound, resol resin-based epoxy compounds,・・・中略・・・, carboxymethyl group-containing melamine resins, carboxy methyl group-containing benzoguanamine resins, carboxymethyl group-containing urea resins, carboxymethyl group-containing phenol resins,・・・中略・・・.」

日本語訳:「[0049] ネガ型の材料は架橋剤も含み得る。本開示に適した架橋剤は、上記で開示されたエステルが脱保護された後に、該エステルと架橋することができる化合物を含むが、いずれの場合も、XまたはYのいずれかが架橋剤と反応することができる官能基を含む。これらの反応性官能基は、アルコール、フェノール、プロトン性アミド、カルボン酸などを含む。脱保護反応が起こる前に、反応性官能基の少なくとも一部は、上記の酸不安定基によって保護される。脱保護反応が起こると、架橋剤は脱保護された官能基と反応し得る。理論に拘束されることはないが、光により発生した酸は、上記で開示されたエステルの酸不安定基と反応するだけでなく、架橋剤自体とエステルとの反応を助けると考えられている。架橋剤の例としては、脱保護されたエステルのフェノール又は類似の基との架橋反応性を有する少なくとも1種類の置換基を含む化合物を含む。この架橋基の具体例としては、グリシジルエーテル基、オキセタン基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。

[0050] 前述の架橋置換基を有する化合物の非限定的な例としては、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、・・・中略・・・、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、・・・中略・・・を含む。」

(カ)「 EXAMPLES
Synthesis Example 1
[0061]
[図:0001421856000005.jpg]
続きを表示(全13行)
[0062] To a 3L round bottom flask was added 3-(4-hydroxyphenyl)-1-propanol (102.1g, 670.9mmol), dichloromethane (760mL) and di-tert-butyldicarbonate (146.4g, 670.9mmol). The mixture was stirred under nitrogen and cooled to 0°C. in an ice bath. Potassium carbonate (250.3g, 1811.3mmol) and 18-crown-6 (8.9g, 33.5mmol) were added. The resulting mixture was stirred and warmed to room temperature overnight. The crude reaction mixture was evaporated to remove most of the solvent and the residue was purified via flash column chromatography on silica gel with ethyl acetate:Hexane (40%/60%) as eluant. The third fraction was combined together and the solvent removed to give 135.6g (yield: 80%) of 1 as a yellow oil. The product was characterized by 1H NMR.
Synthesis Example 2
[0063]
[図:0001421856000006.jpg]
[0064] Dichloromethane (2L) was added to 1 (135.6g, 537.7mmol) in a 3L round bottom flask. To this was added, while stirring, pyridine (56.6g, 715.1mmol) and the solution was cooled to 0°C. in an ice bath under nitrogen. Malonyl dichloride (34.8mL, 357.6mmol) was added dropwise using an addition funnel. The initially clear solution became dark red upon complete addition of the malonyl dichloride. The mixture was stirred and warmed up to room temperature overnight, by which time it had become dark blue/green in color. The mixture was filtered through a silica gel plug which was rinsed with ethyl acetate. The filtrate was evaporated and the residue was purified via flash column chromatography on silica gel using 25% ethyl acetate/n-hexane as eluant. The fractions were collected and solvent was removed to give 2 as yellow oil (93.1g, 61% yield). The product was characterized by 1H NMR.
Synthesis Example 3
[0065]
[図:0001421856000007.jpg]
[0066] Tetrabromomethane (4.05g, 12.2mmol) and 2 (6.3g, 11.0mmol) were added to a 500mL round bottom flask. Toluene (240mL) was added and the mixture was stirred under nitrogen for 1 hour. 1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene (DBU, 7.3g, 48.2mmol) was added dropwise. The reaction mixture was stirred under nitrogen for 18 hours and then filtered. The resulting mixture was purified via a silica gel column using toluene, followed by ethyl acetate and then a gradient of 20% to 50% isopropanol/ethyl acetate. The fifth fraction was collected and solvent was removed to give the final product as a light yellow solid (3.4g). The product was characterized by 1H NMR and elemental analysis and 13C NMR analysis which showed that the most likely product was (V), wherein m=2 and n=3.」
日本語訳:「 実施例

合成例1

[0061]

[図:0001421856000008.jpg]

[0062] 3L丸底フラスコに3-(4-ヒドロキシフェニル)-1-プロパノール(102.1g,670.9mmol)、ジクロロメタン(760mL)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(146.4g,670.9mmol)を添加した。混合物を窒素下で撹拌し、氷浴中で0℃に冷却した。炭酸カリウム(250.3g,1811.3mmol)及び18-ラウン-6(8.9g,33.5mmol)を添加した。得られた混合物を撹拌し、一晩室温に加温した。粗反応混合物を蒸発させて溶媒の大部分を除去し、残渣を、溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(40%/60%)を用いたシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。第3の画分を一緒にして溶媒を除去し、黄色油状物として135.6g(収率:80%)の1を得た。生成物を1H NMRで特定した。

合成例2

[0063]

[図:0001421856000009.jpg]

[0064] 3L丸底フラスコ中の1(135.6g,537.7mmol)にジクロロメタン(2L)を添加した。これに撹拌しながらピリジン(56.6g,715.1mmol)を加え、溶液を窒素下氷浴で0℃まで冷却した。添加漏斗を用いて二塩化マロニル(34.8mL,357.6mmol)を滴下した。最初は透明だった溶液は、二塩化マロニルを完全に加えると暗赤色になった。混合物を撹拌し、一晩室温まで温めると、その時点で色が暗青/緑色に変化した。混合物を酢酸エチルで洗浄したシリカゲルプラグで濾過した。濾液を蒸発させ、残渣を25%酢酸エチル/n-ヘキサンを溶出液としてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を回収し、溶媒を除去して、黄色油状物(93.1g,収率61%)として2を得た。生成物を1H NMRで特定した。

合成例3

[0065]

[図:0001421856000010.jpg]

[0066] テトラブロモメタン(4.05g,12.2mmol)及び2(6.3g,11.0mmol)を500mL丸底フラスコに添加した。トルエン(240mL)を加え、混合物を窒素下で1時間撹拌した。1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU,7.3g,48.2mmol)を滴下した。反応混合物を窒素下で18時間撹拌し、その後濾過した。得られた混合物を、トルエン、続いて酢酸エチル、そして20%から50%のイソプロパノール/酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲルカラムで精製した。5番目の画分を回収し、溶媒を除去して、最終生成物を淡黄色の固体(3.4g)として得た。生成物は、1H NMRと元素分析と13C NMR分析によって特定され、最も可能性の高い生成物は、m=2及びn=3の(V)であることが示された。」

(キ)「 Formulation Example 1
[0069] In a hypothetical formulation, 1 g of the product of Synthesis Example 3 is combined with 0.2 g of triphenylsulfonium tosylate and 200 g of propylene glycol methyl ether acetate. The mixture is placed on a roller mill, rolled until dissolved, and filtered through a 20 nm PTFE membrane filter, available from Pall Corporation, of Port Washington N.Y.」
日本語訳:「 調製例1

[0069] 仮想的な調製では、合成例3の生成物1gをトリフェニルスルホニウムトシレート0.2g及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート200gと混合する。混合物をローラーミルに置き、溶解するまで回転させ、ニューヨーク州ポートワシントンのPall Corporationから入手可能な20nm PTFEメンブレンフィルターで濾過する。」

イ 引用発明

上記(ア)~(キ)の記載事項を総合すれば、引用文献3には、調製例1として、以下に示す「フォトレジスト材料」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「下記(V)において、m=2及びn=3、X及びYが下記置換基である化合物(以下「(V)で表される化合物」という。)1gをトリフェニルスルホニウムトシレート0.2g及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート200gと混合し、混合物をローラーミルに置き、溶解するまで回転させ、ニューヨーク州ポートワシントンのPall Corporationから入手可能な20nm PTFEメンブレンフィルターで濾過したフォトレジスト材料。
[図:0001421856000011.jpg]
[図:0001421856000012.jpg]
」

(3)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア モノマー

引用発明の「(V)で表される化合物」は、2つの架橋性官能基であるヒドロキシ基を含み、当該ヒドロキシ基が、酸不安定保護基であるt-ブトキシカルボニル基に結合しているモノマーである。

また、上記「(V)で表される化合物」は、本件補正発明の式(I)において、「XおよびYが、同じかまたは異なり、各々が、架橋性官能基(ヒドロキシ基)に結合している酸不安定保護基(t-ブトキシカルボニル基)を有する架橋性官能基を含み、R1、R2、R3、およびR4のうちのR1とR2、R3とR4が、それぞれ互いに共有結合するときに形成される環式、二環式、もしくは多環式環である」に該当する。

してみれば、引用発明の「(V)で表される化合物」と本件補正発明の「モノマー」とは、「a.2つ以上の架橋性官能基を含み、前記官能基が、酸不安定保護基に結合しているモノマーと、」「を含み、」「前記モノマーが、次の構造を有する化合物のうちの1つ以上である」

「 【化1】
[図:0001421856000013.jpg]
式中、XおよびYが、同じかまたは異なり、各々が、前記官能基に結合している酸不安定保護基を有する架橋性官能基を含み、R1、R2、R3、およびR4が、同じかもしくは異なり、置換された1つ以上のヘテロ原子を鎖中に有するかもしくは有しない1~16個の炭素原子の分岐状もしくは非分岐状、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の二価のアルキル鎖、置換もしくは非置換の芳香族基、複素環芳香族基、縮合芳香族もしくは縮合複素環芳香族基、アラルキル基、脂環式基、またはR1、R2、R3、およびR4のうちの任意の2つ以上が互いに共有結合するときに形成される環式、二環式、もしくは多環式環である」点で共通する。

イ 光酸発生剤または熱酸発生剤

引用発明の「トリフェニルスルホニウムトシレート」は、その化学構造を考慮すると、本件補正発明の「光酸発生剤」に相当する。

(当合議体注:令和5年9月7日に提出された手続補正書(方式)の4頁において、『「トリフェニルスルホニウムトシレート」は「光酸発生剤」であり』と審判請求人が主張していることからも明らかである。)

してみれば、引用発明の「トリフェニルスルホニウムトシレート」は、本件補正発明の「c.光酸発生剤または熱酸発生剤のうちの少なくとも1つと、を含」むという要件を満たす。

ウ 複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物

「組成物」とは、「複数の成分を含むもの」を意味するところ、引用発明の「フォトレジスト材料」は、複数の成分を含んでいることは明らかであるから、本件補正発明と「フォトレジスト組成物」である点で共通する。

エ 一致点及び相違点

以上のことから、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)

「フォトレジスト組成物であって、
a.2つ以上の架橋性官能基を含み、前記官能基が、酸不安定保護基に結合しているモノマーと、
c.光酸発生剤または熱酸発生剤のうちの少なくとも1つと、を含み、
前記モノマーが、次の構造を有する化合物のうちの1つ以上である、フォトレジスト組成物:
【化1】
[図:0001421856000014.jpg]
式中、XおよびYが、同じかまたは異なり、各々が、前記官能基に結合している酸不安定保護基を有する架橋性官能基を含み、R1、R2、R3、およびR4が、同じかもしくは異なり、置換された1つ以上のヘテロ原子を鎖中に有するかもしくは有しない1~16個の炭素原子の分岐状もしくは非分岐状、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の二価のアルキル鎖、置換もしくは非置換の芳香族基、複素環芳香族基、縮合芳香族もしくは縮合複素環芳香族基、アラルキル基、脂環式基、またはR1、R2、R3、およびR4のうちの任意の2つ以上が互いに共有結合するときに形成される環式、二環式、もしくは多環式環である。」

(相違点1)

本件補正発明は、「複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物」であるのに対し、引用発明は、「複合トリガーネガ作用」を示すものではない点。

(相違点2)

本件補正発明は、「モノマー」の「少なくとも90%の前記官能基が、酸不安定保護基に結合して」いるのに対し、引用発明は、酸不安定保護基に結合している架橋性官能基の割合が一応明らかでない点。

(相違点3)

本件補正発明は、「b.少なくとも1つの酸活性化架橋剤」を含み、「前記少なくとも1つの酸活性化架橋剤が、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、オキセタン、グリシジルアミン、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチルアミノ基、ジアルキロールメチルアミノ基、ジブトキシメチルアミノ基、ジメチロールメチルアミノ基、ジエチロールメチルアミノ基、ジブチロールメチルアミノ基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、またはイソプロペニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマーを含」むのに対し、引用発明は、酸活性化架橋剤を含んでいない点。

(4)判断

事案に鑑み、相違点2について先に検討し、技術的な関連性が深い相違点1及び3をまとめて検討する。

ア 相違点2について

(ア)本件補正発明と引用発明とは、上記相違点2において一応相違すると認定したが、フォトレジスト材料を用いて形成したフォトレジスト膜を所定パターンに露光する際に、非露光部が固まることを十分に抑制する酸不安定保護基の本来の目的に照らせば、酸不安定保護基に結合している架橋性官能基の割合が高いほど望ましいことは明らかであるから、引用発明の「(V)で表される化合物」が、酸不安定保護基に結合している架橋性官能基が100%に近いものであることは明らかである。そうすると、上記相違点2は実質的な相違点ではない。

(イ)また、仮にそうでなくても、非露光部が固まることを十分に抑制するために、上記相違点2に係る本件補正後発明の「少なくとも90%の前記官能基が、酸不安定保護基に結合している」との構成に想到することは当業者が容易になし得たことである。そして、「少なくとも90%」としたことにより、当業者の予想の範囲を超える格別な効果が生じるということもできない。

イ 相違点1及び3について

(ア)上記(2)ア(オ)のとおり、引用文献3の[0049]には、ネガ型の材料は架橋剤を含み得るものであり、光により発生した酸は、(I)~(VIII)のようなエステルの酸不安定基と反応するだけでなく、架橋剤自体とエステルとの反応を助けると考えられていることが記載されている。また、同段落には、上記架橋剤が有する架橋基の具体例として、グリシジルエーテル基、オキセタン基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられること、及び、当該架橋基を有する化合物の例として、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂等が記載されている。

ここで、引用文献3の上記下線部の記載によれば、上記架橋剤を含むレジスト材料においては、光により発生した酸が、架橋剤自体とエステルとの反応を助けるものと理解できるから、当該架橋剤が酸により活性化されるものと認められる。このような架橋剤の機能に照らせば、引用文献3に記載された「架橋剤」は、本件補正発明の「酸活性化架橋剤」に相当するといえる。

また、引用文献3に記載された「架橋剤」は、引用発明の「前記少なくとも1つの酸活性化架橋剤が、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、オキセタン、グリシジルアミン、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチルアミノ基、ジアルキロールメチルアミノ基、ジブトキシメチルアミノ基、ジメチロールメチルアミノ基、ジエチロールメチルアミノ基、ジブチロールメチルアミノ基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、またはイソプロペニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマーを含み」という要件を満たす。

(イ)そして、上記(ア)で述べたとおり、引用文献3の[0049]の記載は、引用発明の「フォトレジスト材料」がネガ型の材料を想定したものであって、その場合には架橋剤を含み得ることが示唆されているのであるから、引用発明において、当該示唆にしたがって、引用文献3に記載された架橋剤(上記(ア))を含有させてネガ型のフォトレジスト材料とすることにより、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、本件補正後発明の属する技術における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到し得たことである。

そして、引用発明において、引用文献3に記載された架橋剤を含有させた際には、本件補正発明と同様に、光酸発生剤から発生した酸によって、上記「(V)で表される化合物」の架橋性官能基の脱保護と、架橋剤の活性化という2つの反応を経て、脱保護された上記架橋性官能基と酸により活性化された架橋剤との架橋が生じるから、本件補正発明と同様に「複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物」として機能するものと認められる。

したがって、引用発明に引用文献3に記載された架橋剤を含有させて複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物とすることにより、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 本件補正発明の効果について

本願明細書の【0061】には、保護された架橋官能基および架橋剤の両方が、それらを反応させるために酸に曝されなければならない2段階プロセスを伴い、2つの反応が必要とされるので、「酸移動」または「暗反応」が抑えられ、レジストブラーが減少し、かつ解像度および露光寛容度が著しく改善されることが記載されている。

しかしながら、上記イで述べた示唆にしたがって、引用発明において、引用文献3に記載された架橋剤を採用してなる引用発明の「フォトレジスト材料」は、本件補正後発明のモノマー、酸活性化架橋剤及び光酸発生剤と類似の構造を備えた成分を具備することになるから、本件補正発明と同様に「複合トリガーネガ作用フォトレジスト組成物」として機能するものと認められ、光酸発生剤から発生した酸による、架橋性官能基の脱保護と、架橋剤の活性化という2つの反応を経て、はじめて脱保護された上記架橋性官能基と酸により活性化された架橋剤との架橋が生じるから、「酸移動」または「暗反応」が抑えられ、レジストブラーが減少し、かつ解像度および露光寛容度が著しく改善されるという、本件補正発明と同様の効果を奏することは、技術的にみて当業者に明らかである。

したがって、本件補正発明の上記効果は、引用文献3の上記イ(ア)等の記載に基づいて、本件補正発明の構成が奏する効果と同様の効果を奏すると、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別顕著なものでもない。

エ 請求人の主張について

(ア)請求人は審判請求書の3~5頁「6.特許法第29条第2項について(理由2)(III)」において、概略、以下のとおり主張している。

a 本件補正発明と引用発明とは、解決しようとする課題が相違し、架橋剤として「酸活性化架橋剤」を選択し、これと「光酸発生剤」とを組み合わせる動機付けがない。

b 本件補正発明の作用効果は、引用文献3の記載から当業者が予測し得ない顕著なものである。

(イ)しかしながら、aについては上記イ(ア)、(イ)、bについては上記ウで述べたとおりであるから、請求人の上記主張を採用することができない。

オ 小括

以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び引用文献3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~19に係る発明は、令和4年11月25日にされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由の概要は、本件出願の請求項1~19に係る発明は、先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献3に記載された発明に基づいて、先の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

<引用文献等一覧>

引用文献3:米国特許出願公開第2016/0246173号明細書

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3及びその記載事項は、上記第2の2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明の「a.2つ以上の架橋性官能基を含み、少なくとも90%の前記官能基が、酸不安定保護基に結合しているモノマー(以下「a.」という。)」について、「少なくとも1つのポリマー、オリゴマー」という選択肢を追加し、「b.少なくとも1つの酸活性化架橋剤(以下「b.」という。)」について、「グリシジルエーテル、グリシジルエステル、オキセタン、グリシジルアミン、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチルアミノ基、ジアルキロールメチルアミノ基、ジブトキシメチルアミノ基、ジメチロールメチルアミノ基、ジエチロールメチルアミノ基、ジブチロールメチルアミノ基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、またはイソプロペニル基のうちの少なくとも1つを含むポリマーを含」むという限定事項を削除した発明に該当する。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに「a.」の選択肢を限定し、「b.」に係る限定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願発明は「b.」に係る限定事項を有しないから、本願発明は、第2の2(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2023-012760

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