2023-008394
パケット監視装置、パケット監視システム、パケット監視方法、パケット監視プログラム
- 審判番号
- 2023-008394
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-037310外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年05月23日
- 審決日
- 2023年08月21日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社フロンティア・フィールド
- 【請求人代理人】中尾 直樹
- 【請求人代理人】中村 幸雄
- 【請求人代理人】義村 宗洋
- 分類
- P18 .121-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経緯
本願は、令和4年3月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和5年5月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1、3、6、8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、また、本願請求項2-5、7、8に係る発明は、以下の引用文献1-2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2013-219755号公報
2.特開2017-022617号公報
第3 本願発明
本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-8は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置であって、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部と、続きを表示(全49行)を備えるパケット監視装置。【請求項2】パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置であって、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出するプッシュ送信装置に、前記再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼部と、を備えるパケット監視装置。【請求項3】請求項1または2記載のパケット監視装置であって、前記通信は、通信プロトコルとしてSession Initiation Protocolを用いていることを特徴とするパケット監視装置。【請求項4】パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置とプッシュ送信装置を備えたパケット監視システムであって、前記パケット監視装置は、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部と、休止状態と判断したときに、前記プッシュ送信装置に、前記端末アドレスへの再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼部を備え、前記プッシュ送信装置は、前端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部を備え、前記携帯端末は、前記再起動プッシュ通知を受信すると、前記通信用ソフトウェアを再起動することを特徴とするパケット監視システム。【請求項5】請求項4記載のパケット監視システムであって、前記通信は、通信プロトコルとしてSession Initiation Protocolを用いており、前記構内交換機は、携帯端末の内線番号と端末アドレスとを対応付けて記録し、内線番号で指定された携帯端末に着信があったときには前記内線番号と対応付けられた端末アドレスに着信があったことを通知することを特徴とするパケット監視システム。【請求項6】パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置を用いたパケット監視方法であって、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出ステップと、休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信ステップと、を有するパケット監視方法。【請求項7】パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置とプッシュ送信装置を用いたパケット監視方法であって、前記パケット監視装置が、携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出ステップと、休止状態と判断したときに、前記プッシュ送信装置に、前記端末アドレスへの再起動プッシュ通知の送信を依頼する再起動プッシュ依頼ステップとを実行し、前記プッシュ送信装置が、前端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信ステップを実行し、前記携帯端末が、前記再起動プッシュ通知を受信すると、前記通信用ソフトウェアを再起動するパケット監視方法。【請求項8】請求項1から3のいずれかに記載のパケット監視装置としてコンピュータを機能させるためのパケット監視プログラム。」
第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1、引用発明
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
ア 「【発明が解決しようとする課題】【0008】本発明は上記の問題点を解決するために案出されたもので、mVoIP端末の電話発信の時、活性化/非活性化手段、及びmVoIP端末の着信の時、ブリッジ加入者またはシングル加入者の場合、活性化/非活性化手段を通じて、無線VoIP端末は既存の周期的位置登録による常時活性化方法ではなく、発信及び着信電話活性化モードの時間の間だけ駆動することによってバッテリーを節約するmVoIP端末のバッテリーの節約システム及びバッテリーの節約方法を提供することを目的とする。」
イ 「【発明の効果】【0010】本発明の実施例によるmVoIP端末のバッテリーの節約システム及びバッテリーの節約方法は、mVoIP端末の使用時、バッテリーが過多に消耗される現象を防止することができる効果を奏する。【0011】本発明の実施例によるmVoIP端末のバッテリーの節約システム及びバッテリーの節約方法は、mVoIP端末の電話発信の時、活性化/非活性化手段、及びmVoIP端末の着信の時、ブリッジ加入者またはシングル加入者の場合、活性化/非活性化手段を通じて、無線VoIP端末は既存の周期的位置登録による常時活性化方法ではなく、発信及び着信電話の活性化モード時間の間だけ駆動することによってバッテリーを節約する無線端末のバッテリーの消耗を画期的に抑制することができる。」
ウ 【図4】「
[図:0001402704000001.jpg]
」
エ 「【0015】図4は本発明の実施例によるmVoIP端末のバッテリーの節約システムを示す図面である。図1(当審注:「図1」は「図4」の誤記と認められる。)によれば、mVoIP端末のバッテリーの節約システムは、VoIP交換器10、イーサネットスイッチ11、IP電話機12、mVoIP端末13、モバイルキーパー14(Mobile Keeper)、APNS/C2DM15及びPSTN網16を含む。【0016】より詳しくは、IP電話機12、mVoIP端末13、モバイルキーパー14及びVoIP交換器10はイーサネットスイッチ11を通じてそれぞれ連動されている。【0017】VoIP交換器10は、ソフトスイッチ(Softswitch)、ホスト型IP-BX、ハイブリッドIP-PBX、プロキシ(Proxy)を含む幅広い概念である。イーサネットスイッチ11はレイヤ2で認識されて来たスイッチング方式でレイヤ3のルーター機能を提供する。」
オ 【図5】「
[図:0001402704000002.jpg]
」
カ 「【0031】図5は本発明の実施例によるmVoIP端末のバッテリーの節約方法において、mVoIP端末の発信の時の登録手続きを示したフローチャートである。図4及び5を参照してその動作を詳しく説明すれば、mVoIP端末13は電話プログラム(駆動アプリケーション)を可動して、VoIP交換器10に位置登録(REGISTER)を要請し、結果としてOKメッセージ(200OK)をVoIP交換器10から受けると、モバイルキーパー14にキープアライブオン通知を行う。【0032】その後、上記mVoIP端末13は電話活性化モードに入る。電話活性化モード状態で所定時間の間IP電話機12または一般加入者で着信呼、発信呼またはmVoIP端末13の使用者の入力が確認されないと、VoIP交換器10に位置登録解除(DEREGISTER)を要請し、モバイルキーパー14にキープアライブオフを通知して、電話非活性化モードに切り替える。」
キ 【図6】「
[図:0001402704000003.jpg]
」
ク 「【0033】図6は本発明の実施例によるmVoIP端末のバッテリーの節約方法において、mVoIP端末の着信の時、ブリッジ加入者である場合の登録手続きを示したフローチャートある。図4及び図6を参照してその動作を詳しく説明すれば、IP電話機12(一般加入者含む)から着信呼要求を受けたVoIP交換器10は着信mVoIP端末13の位置登録有無を確認する。【0034】VoIP交換器10の着信mVoIP端末13の位置登録有無によって位置登録が正常に登録されていれば、着信連結をして、正常呼処理手続きを行い、未登録状態であれば、IP電話機12の着信呼要求によってVoIP交換器10の着信呼要請(INVITE)信号をモバイルキーパー14に送り、モバイルキーパー14はmVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認し、非活性化状態であれば、mVoIP端末13にプッシュメッセージが送って、mVoIP端末13に認証要求(Enroll Request)をし、モバイルキーパー4から認証結果(Enroll Response)を受信して認証結果に対する受諾をすれば、VoIP交換器10に位置登録要求(REGISTER)メッセージを送り、VoIP交換器10から登録に対するOK通知(200OK)を受けると、モバイルキーパー14にキープアライブメッセージを送って、電話活性化モードに切り替える。続きを表示(全12行)【0035】mVoIP端末13のキープアライブオンメッセージに対して、モバイルキーパー14はVoIP交換器10に自動呼転送要請(3xx Redirection)を送る。【0036】上記VoIP交換器10に自動呼転送(3xx Redirection)信号を送信する時、最初発信端末の電話番号、使用者の名前情報、最終着信端末の電話番号及びVoIP網で位置された中継ノードのための付属情報がコピーされて送信される。【0037】一方、mVoIP端末13の電話活性化モードで、所定時間の間、IP電話機12または一般加入者で着信呼、発信呼またはmVoIP端末13の使用者の入力が確認されないと、VoIP交換器10に位置登録解除(DEREGISTER)を要請し、モバイルキーパー14にキープアライブオフを通知して、電話非活性化モードに切り替える。【0038】mVoIP端末13の活性化モードで、IP電話機12の着信要求に対してVoIP交換器10の通話路を設定することによってIP電話機12と正常に通話をする。」
ケ 上記ウ【図4】の記載及び上記エ【0015】の「図1(当審注:「図1」は「図4」の誤記と認められる。)によれば、mVoIP端末のバッテリーの節約システムは、VoIP交換器10、イーサネットスイッチ11、IP電話機12、mVoIP端末13、モバイルキーパー14(Mobile Keeper)、APNS/C2DM15及びPSTN網16を含む。」との記載から、引用文献1には、「VoIP交換器10とmVoIP端末13とが接続されたネットワークに接続されるモバイルキーパー14」が記載されていると認められる。
コ 上記キ【図6】の記載、上記ク【0034】の「モバイルキーパー14はmVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認し、非活性化状態であれば、mVoIP端末13にプッシュメッセージが(当審注:「が」は「を」の誤記と認められる。)送って、mVoIP端末13に認証要求(Enroll Request)をし、モバイルキーパー4(当審注:「4」は「14」の誤記と認められる。)から認証結果(Enroll Response)を受信して認証結果に対する受諾をすれば、VoIP交換器10に位置登録要求(REGISTER)メッセージを送り、VoIP交換器10から登録に対するOK通知(200OK)を受けると、モバイルキーパー14にキープアライブメッセージを送って、電話活性化モードに切り替える。」との記載から、引用文献1には、「モバイルキーパー14は、mVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認し、非活性化状態であれば、mVoIP端末13にプッシュメッセージを送り、mVoIP端末13は、モバイルキーパー14にキープアライブオンメッセージを送って、電話活性化モードに切り替える」ことが記載されていると認められる。
サ 上記キ【図6】の記載及び上記ク【0037】の「mVoIP端末13の電話活性化モードで、所定時間の間、IP電話機12または一般加入者で着信呼、発信呼またはmVoIP端末13の使用者の入力が確認されないと、VoIP交換器10に位置登録解除(DEREGISTER)を要請し、モバイルキーパー14にキープアライブオフを通知して、電話非活性化モードに切り替える。」との記載から、引用文献1には、「mVoIP端末13は、mVoIP端末13の電話活性化モードで、所定時間の間、IP電話機12または一般加入者で着信呼、発信呼またはmVoIP端末13の使用者の入力が確認されないとモバイルキーパー14にキープアライブオフメッセージを通知して、電話非活性化モードに切り替える」ことが記載されていると認められる。
(2)引用発明
上記(1)から、特に下線部に着目すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「VoIP交換器10とmVoIP端末13とが接続されたネットワークに接続されるモバイルキーパー14であって、モバイルキーパー14は、mVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認し、非活性化状態であれば、mVoIP端末13にプッシュメッセージを送り、mVoIP端末13は、モバイルキーパー14にキープアライブオンメッセージを送って、電話活性化モードに切り替え、mVoIP端末13は、mVoIP端末13の電話活性化モードで、所定時間の間、IP電話機12または一般加入者で着信呼、発信呼またはmVoIP端末13の使用者の入力が確認されないとモバイルキーパー14にキープアライブオフメッセージを通知して、電話非活性化モードに切り替える、モバイルキーパー14。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項の記載がある。
「【0056】INVITE信号を受信したSIPサーバ20において、ユーザ端末100のREGISTER情報(電話番号AとIPアドレスの対応情報)があれば、SIPサーバ20は、当該情報に基づいてユーザ端末100宛てに当該INVITE信号を送信する動作を実行する。しかし、INVITE信号を送信できたとしても現時点でユーザ端末100におけるVoIPアプリが未起動であるため、ユーザ端末100はINVITE信号を解釈できず、応答を返さない。また、ユーザ端末100のREGISTER情報がない場合、SIPサーバ20は、ユーザ端末100宛てに当該INVITE信号を送信する動作を行わない(行うことができない)。【0057】本例では、SIPサーバ20は、上記のように、INVITE信号を送信しても所定時間以上応答がない、もしくは、INVITE信号をユーザ端末100宛てに送信できないことを検出する。この事象を検出したSIPサーバ20は、当該INVITE信号をPush着信サーバ10に転送する(ステップS202)。ここでは、SIPサーバ20は、INVITE信号の宛先(to)を電話番号Aから電話番号Cに変換し、宛先が電話番号Cとなった当該INVITE信号を送信する。続きを表示(全24行)【0058】当該INVITE信号には、最終的な宛先は電話番号Aであることを示す情報が含まれる。例えば、INVITE信号の中に、上記電話番号Cの他に、明示的に、「宛先:電話番号A」の情報を含める。【0059】このように明示的に「宛先:電話番号A」を含めることの他、電話番号Cを電話番号Aと対応付けられた電話番号として設定することとしてもよい。この場合は、暗黙的にINVITE信号の中に「宛先:電話番号A」が含まれている。この場合、例えば、外部のサーバに、ユーザ端末の電話番号と、当該電話番号に対応付けられたPush着信サーバ10の電話番号とを登録しておき、SIPサーバ20は、INVITE信号をユーザ端末に送信できない場合に、当該サーバから、当該ユーザ端末に対応するPush着信サーバ10の電話番号を取得し、当該電話番号を宛先としてINVITE信号を送信する。この方式において、Push着信サーバ10では、INVITE信号の宛先の電話番号に対応するユーザ端末の電話番号を上記サーバから取得して、Push通知要求送信等にために使用する。【0060】また、電話番号Cとして、宛先の電話番号(ここでは電話番号A)に、予め定められたプレフィックスを付加した電話番号を用いてもよい。例えば、「Prefix+050-A」のような電話番号を用いる。この場合、当該プレフィックスの付いた電話番号を宛先とするINVITE信号は、Push着信サーバ10に転送される。【0061】当該プレフィックス付きの電話番号を宛先とするINVITE信号を受信したPush着信サーバ10は、宛先となっている電話番号からプレフィックスを除くことで、最終的な宛先のユーザ端末100の電話番号Aを取得できる。【0062】なお、INVITE信号には、宛先の電話番号Cとともに、発信元の電話番号Bも含まれている。【0063】ステップS202によりINVITE信号を受信したPush着信サーバ10は、上述した方法でINVITE信号から当初の宛先である電話番号Aを取得し、当該電話番号A(ユーザ端末100)へのPush通知を要求するPush通知要求をPushサーバ30に送信する(ステップS203)。このPush要求通知には、設定情報格納部14から抽出した電話番号Aに対応するPush用IDと、発信元の電話番号Bと、Push着信サーバ10のIPアドレスと、Push着信サーバ10が着信(INVITE信号)を受けた時刻(Push着信サーバ着信時刻と呼ぶ)が含まれる。ただし、Push用ID以外は、含めることは必須ではなく、Push用IDのみでも着信を行うことは可能である。本例では、全て含むものとする。【0064】一方、ステップS202でINVITE信号を受信したPush着信サーバ10は、100trying応答をSIPサーバ20に返し、100trying応答はユーザ端末200に送られる(ステップ221、222)。【0065】ただし、100trying応答では、着信側のユーザ端末100でVoIPアプリが起動して着信処理を開始するまでの間、発信側のユーザ端末200は無音となる。そこで、ステップS221、S222において括弧内に示したように、100trying応答に代えて、180ringing応答送信、ガイダンス送信の制御等を行うこととしてもよい。180ringing応答、ガイダンス等を送信することで、発信側のユーザ端末200のユーザは、発信後、すぐに呼び出し音等を聞くことができ、無音状態を回避できる。【0066】ステップS203でPush通知要求を受信したPushサーバ30は、Push通知要求に含まれるPush用IDに対応する宛先であるユーザ端末100にPush通知を送信する(ステップS204)。本例では、Push通知には、電話番号Bと、Push着信サーバ10のIPアドレスと、Push着信サーバ着信時刻が含まれる。【0067】Push通知を受信したユーザ端末100では、当該Push通知をトリガとしてVoIPアプリが起動する。そして、ユーザ装置100は、Push着信サーバ10と接続し(TCP接続)、REGISTER信号(電話番号A、ユーザID、パスワード含む)を送信する(ステップS205)。ユーザ端末100から見てPush着信サーバ10はSIPサーバの役割を持ち、上記REGISTERの処理により、Push着信サーバ10には、ユーザ端末100への宛先IPアドレスと電話番号Aとが対応付けて格納され、ユーザ端末100宛てのINVITE信号のユーザ端末100への転送が可能になる。」
【図6】「
[図:0001402704000004.jpg]
」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「VoIP交換器10」は、パケット化した音声データで通信を行う構内交換機であるといえるから、本願発明1の「パケット通信を行う構内交換機」に相当する。また、引用発明の「mVoIP端末13」は、本願発明1の「携帯端末」に相当する。さらに、引用発明の「キープアライブオンメッセージ」及び「キープアライブオフメッセージ」は、「パケット」であることは明らかである。そして、引用発明の「モバイルキーパー14」は、mVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認するため、キープアライブオンメッセージ及びキープアライブオフメッセージを監視していることは明らかであるから、本願発明1の「パケット監視装置」に相当する。
したがって、引用発明の「VoIP交換器10とmVoIP端末13とが接続されたネットワークに接続されるモバイルキーパー14」は、本願発明1の「パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置」に相当する。
イ 引用発明の及び「mVoIPアプリケーション」及び「電話非活性化モード」は、それぞれ、本願発明1の「通信用ソフトウェア」及び「休止状態」に相当する。また、引用発明において、「mVoIP端末13は、モバイルキーパー14にキープアライブオンメッセージを送って、電話活性化モードに切り替え」るものであるから、引用発明の「キープアライブオンメッセージ」は、mVoIP端末13のmVoIPアプリケーションが動作していることを示す情報を含むものであるといえる。したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「キープアライブオンメッセージ」は、本願発明1の「携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケット」に相当する。さらに、引用発明の「モバイルキーパー14」は、「mVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認」することから、本願発明1の「休止状態と判断する休止状態検出部」に相当する構成を有しているといえる。
したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「モバイルキーパー14」は、本願発明1の「携帯端末を特定する端末アドレスと当該携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する休止状態検出部」を備えることと、「休止状態と判断する休止状態検出部」を備える点で共通する。
ウ 引用発明において、「mVoIP端末13のmVoIPアプリケーション活性化有無を確認し、非活性化状態であれば、mVoIP端末13にプッシュメッセージを送り」、「mVoIP端末13は、モバイルキーパー14にキープアライブオンメッセージを送って、電話活性化モードに切り替え」ることから、引用発明の「プッシュメッセージ」は、本願発明1の「通信用ソフトウェアを再起動する指示」「を含む再起動プッシュ通知」に相当する。
したがって、上記ア-イを踏まえると、引用発明の「モバイルキーパー14」は、本願発明1の「休止状態と判断したときに、前記端末アドレスと通信用ソフトウェアを再起動する指示とを含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部」を備えることと、「休止状態と判断したときに、通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部」を備える点で共通する。
以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「パケット通信を行う構内交換機と携帯端末とが接続されたネットワークに接続されるパケット監視装置であって、休止状態と判断する休止状態検出部と、休止状態と判断したときに、通信用ソフトウェアを再起動する指示を含む再起動プッシュ通知を送出する再起動プッシュ送信部と、を備えるパケット監視装置。」
(相違点1)
動作確認パケットにおいて、本願発明1では、「携帯端末を特定する端末アドレス」を含むのに対し、引用発明では、「キープアライブオンメッセージ」がこのような構成を含むかについて明確に特定されていない点。
(相違点2)
休止状態と判断する場合について、本願発明1では、「携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合」であるのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。
(相違点3)
再起動プッシュ通知において、本願発明1では、「携帯端末を特定する端末アドレス」を含むのに対し、引用発明では、このような構成について明確に特定されていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。
引用文献2には、上記相違点2に係る本願発明1の構成について記載も示唆もなく、また、このような構成が本願の出願前において周知技術であったともいえない。
また、監視技術分野の技術常識に照らすと、「ある対象が動作していることを示す情報を含む動作確認メッセージを検出し、あらかじめ定めた期間以上当該動作確認メッセージを検出できない場合に、当該対象が動作しない状態になっていると判断する」技術は、本願の出願前において周知技術であったと認められる。しかしながら、引用発明に上記周知技術を適用しても、「携帯端末の通信用ソフトウェアが動作していることを示す情報を含む動作確認パケットを検出し、あらかじめ定めた期間以上前記動作確認パケットを検出できない場合に休止状態と判断する」との構成には至らない。
さらに、上記第4の1(1)ア-イのとおり、mVoIP端末のバッテリーの節約を課題とする引用発明において、あらかじめ定めた期間で休止状態から通信用ソフトウェアを再起動させるという、mVoIP端末のバッテリーの消耗を促進することとなる構成を採用する動機があるとはいえない。
したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から、上記相違点2に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2、4について
本願発明2、4は、上記相違点2に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明3について
本願発明3は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明5について
本願発明5は、本願発明4を減縮した発明である。したがって、本願発明4と同一の構成を備えるものであるから、本願発明4と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明6、7について
本願発明6、7は、それぞれ、本願発明1、4に対応する「パケット監視方法」の発明であり、本願発明1、4とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。したがって、本願発明6、7は、本願発明1、4の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1、4と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
5 本願発明8について
本願発明8は、本願発明1-3のいずれかを引用する「パケット監視プログラム」の発明であり、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものである。したがって、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定について
上記第5で説示したとおり、本願発明1-8は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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