審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2023-006646

コンタクトプローブ及びこれを備えた検査用ソケット

審判番号
2023-006646
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-066499
請求日
2023年04月21日
審決日
2024年09月11日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】山一電機株式会社
  • 【請求人代理人】藤田 考晴
  • 【請求人代理人】三苫 貴織
  • 【請求人代理人】川上 美紀
  • 【請求人代理人】長田 大輔
審判長/審判官
  • 審判長 中塚 直樹
  • 審判官 佐々木 祐
  • 審判官 谷垣 圭二
分類
P18 .121-WZ (G01R)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 66499「コンタクトプローブ及びこれを備えた検査用ソケット」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月 8日出願公開、特開2020-165803〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(平成31年)3月29日を出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。なお、以下、2019年3月29日を「出願日」という。 令和4年 9月30日付け :拒絶理由通知書 同年11月17日 :手続補正書及び意見書の提出 令和5年 1月30日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年2月 7日 :原査定の謄本の送達) 同年 4月21日 :審判請求書及び手続補正書の提出 令和6年 3月29日付け :拒絶理由通知書 同年 5月23日 :手続補正書及び意見書の提出 第2 本願発明の認定等 1 本願発明の認定と分説 本願の請求項1~5に係る発明は、令和6年5月23日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)によって補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次の事項により特定されるとおりである。 なお、便宜上次のとおり、構成Xと構成Aから構成D0までに分説する。 「【請求項1】 (構成A0)両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレルと、 (構成B0)前記バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子と、 (構成C0)前記バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子と、 (構成D0)前記バレル内で、前記検査デバイス側端子の前記基端と前記基板側端子の前記基端との間に接触した状態で配置されたバネと、 を備え、 (構成B1)前記検査デバイス側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ、 (構成C1)前記基板側端子は、前記バレルに対して固定された固定端子とされ、 (構成C2)前記固定端子は、前記軸線方向に延在する軸部と、該軸部よりも大径とされた大径部とを有し、 (構成A1)前記バレルには、前記大径部の前記軸線方向における両側を固定するように形成されたカシメ部が設けられ、 (構成C3)前記固定端子の先端側の前記軸部は、前記進退端子の先端側の軸部よりも太くかつ短い (構成X)コンタクトプローブ。」 2 課題・作用効果に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、本願発明の技術上の意義の概略を理解するために、発明が解決しようとする課題及び作用効果に関連する記載等を抜粋すると、次の記載がある。なお、下線は合議体による。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、ICパッケージ等の電子デバイスを検査するために用いられるコンタクトプローブ及びこれを備えた検査用ソケットに関するものである。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記の各特許文献に記載されたコンタクトプローブは、先端に山型形状の尖鋭部を形成した中空のバレルと、バレル内に設けられたコイルバネと、バレルの下端に設けられ、コイルバネの付勢力を受けつつ進退する下部接触子とを有している。 【0005】 下部接触子は、バレルの下端に係止されるとともにコイルバネの付勢力を受けつつ進退する必要があるため複雑な形状とならざるを得ない。このため、下部接触子を製作するにはコストがかかるという問題がある。 【0006】 下部接触子を進退させることとしているので、下方に突出する軸部を進退量の分だけ長くする必要があり、結果として細長形状となってしまう。これにより、下部接触子の先端の強度が小さくなり、基板との接続時や取外し時に損傷するおそれがある。 【0007】 また、バレルを中空に形成した上で先端に尖鋭部を形成する必要があるので、加工が複雑になるという問題がある。 【0008】 また、バレルの先端の尖鋭部で電子デバイスの半田ボールを受けることになるが、中空構造のため強度が小さく半田ボールと接触した際に撓むおそれがある。バレル先端の尖鋭部が撓むと、半田ボールをかきむしることによって半田クズがバレル内に侵入し、下部接触子の進退時の摺動不良を発生させるおそれがある。また、半田をかきむしることによって半田が尖鋭部に転移し、転移した半田が損化して測定誤差を生じさせるおそれがある。 【0009】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な形状とされ低コストで製作することができるコンタクトプローブ及びこれを備えた検査用ソケットを提供することを目的とする。」 「【0011】 バレルと、検査デバイス側端子と、基板側端子と、バネとの4部品構成とした。そして、固定端子に大径部を設け、この大径部の軸線方向における両側を固定するようにバレルに対してカシメ部を設けることとした。これにより、大径部が設けられ端子をバレルに対して容易に固定することができる。このように、端子に大径部を設けるという比較的単純な形状にするだけで、端子をバレルに対して固定することができるので、端子の加工の難易度を下げることができ、製作コストを低減することができる。」 「【0013】 基板側端子は、基板と電気的接触を行うので、基板と装着するときに基板に形成したパターンに引っかかるおそれがある。基板のパターンに端子が引っかかると端子が折れたりして損傷するおそれがある。基板側端子を進退端子とすると、進退量を確保するために軸部が長くなり、このため細長形状となり強度が小さくなるおそれがある。これに対して、基板側端子を固定端子とすると、進退量の分だけ短くすることができる。これにより、基板側端子の強度を大きくすることができ基板への装着時や取外し時に基板側端子が損傷するおそれを低減することができる。 また、基板側端子を固定端子とすることによって短くできるので、バネ長さを同一とした場合、基板側端子を進退端子とするよりもコンタクトプローブの接触長(両端子の接点間距離)が短くなり、高周波測定に有利となる。」 「【0015】 固定端子の先端側の軸部を、進退端子の先端側の軸部よりも太くすることによって、先端側端子の軸部の強度を向上させることができる。」 「【0017】 固定端子を冷間圧造加工(ヘッダー加工)によって形成することとしたので、切削加工に比べて安価に製造することができる。特に、固定端子は大径部を有する構造とすれば足り、複雑な形状は必要とされないので、ヘッダー加工に適している。」 「【0019】 検査デバイス側端子が中実とされているので、中空とされた端子に比べてゴミや検査デバイス側の半田クズがコンタクトプローブの内部に入り込むことがない。これにより、進退する端子の摺動不良を抑制することができる。」 「【0021】 検査デバイス側端子の先端に山型形状の尖鋭部が設けられているので、検査デバイスの半田ボールに対して良好な接触を得ることができる。また、検査デバイス側端子が中実とされているので、中空とされた検査デバイス側端子に比べて尖鋭部の強度を大きくすることができる。これにより、半田ボールと接触する際に尖鋭部が撓んで半田をかきむしり、半田を検査デバイス側端子の先端に転移することを抑制できる。よって、検査デバイス側端子の先端に転移した半田が酸化して計測誤差を発生させるおそれを抑制することができる。」 第3 当審において通知した拒絶の理由の概要 当審において令和6年3月29日付け拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由通知書」という。)で通知した拒絶の理由のうち、本願の請求項1に係る発明に対する理由2(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 なお、引用文献の参照番号については、前置審査も含めて審査及び審判の手続において共通のものとするため、当審拒絶理由通知書において引用した文献を「引用文献2」、「引用文献3」、「引用文献6」~「引用文献8」の表記とした。 (進歩性の欠如) この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において発行された、下記の引用文献3に記載された発明及び周知技術(引用文献2、6~7を参照)、又は引用文献8に記載された発明及び周知技術(引用文献2、6~7を参照)に基づいて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 2.特開平4-95769号公報(周知技術を示す文献) 3.米国特許出願公開第2007/0018666号明細書(主たる引用文献) 6.特開2006-66205号公報(周知技術を示す文献) 7.国際公開第2008/133209号(周知技術を示す文献) 8.特開平6-317624号公報(主たる引用文献) 第4 当審の判断 1 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 (1) 引用文献3の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献3の記載事項 当審拒絶理由通知書において引用され、出願日前に発行された文献である前記引用文献3(米国特許出願公開第2007/0018666号明細書)には、以下の事項が記載されている。 なお、引用文に続く括弧内に当合議体による訳文を記載している。また、下線は、当合議体によるものであり、以下同様である。 (ア) 段落[0002]~[0004] 「BACKGROUND OF THE INVENTION [0002] The present invention generally relates to test sockets and contactors for testing and burning-in integrated circuit (IC) devices, and more particularly to spring contact pins, sometimes referred to as pogo pins, used in test sockets and contactors to make circuit connections between an IC device and a test or burn-in circuit board. [0003] As their capabilities increase, the input/output (I/O) densities of IC chips have increased, leading to a shift from chips with physical leads to leadless devices. For example, surface mounted IC chips with ball grid array (BGA) packages and micro-BGA packages are now in widespread use because BGA's allow for more densely packed contacts -small solder balls- having relatively small contact dimensions. The small contact dimensions create challenges in the test and burn-in of leadless devices. To facilitate testing and burn-in, test sockets and contactors have been designed for holding the BGA chip packages and connecting and disconnecting chip's I/O contacts to a printed circuit (PC) test board, such as used in an automated chip tester. Such socket devices commonly use tiny double-ended pogo pins, whose length is measured in millimeters, for achieving this electrical interconnection. Double-ended pogo-pins, which have a conductive plunger at both ends of a conductive spring barrel and which are provided in densely packed arrays in a thin contact wall that is interposed between the device under test and the test circuit, are intended to provide an efficient electrical path between chip and test circuit. Because the electrical path passes through the plungers and the conductive sidewalls of the pogo pin's spring barrel, the internal resistance of the pins tends to be dominated by the contact resistance created at the junction of the plungers and the barrel sidewalls. This contact resistance is relatively high and occurs at two points in the conductive path through the pins, namely, at the plunger-to-barrel contact for each plunger. The resulting increase in the internal resistance of the pogo pins is detrimental to the pogo pins' overall electrical performance, and the performance of the test socket or contactor in which the pogo pins are used. [0004] In an effort to reduce the undesirable contact resistance in double-ended pogo pins, a single-ended pogo pin has been devised, which has a barrel housing that tapers to a point at one end and a spring-loaded plunger at the other end. While this design eliminates the relatively high contact resistance associated with one of the plungers, it has significant disadvantages. First, it is relatively difficult to manufacture. Also, it is often desirable to make pogo pins having contact tips fabricated of a different material than the material used for the spring barrel casing. For example, it may be desirable to make both tips of a harder conductive material than the housing material. Where one of the contact tips of the pogo pin is the end of the barrel casing itself, this will not be feasible.」 ([0002] 本発明は、概して、集積回路(IC)デバイスを試験及びバーンインするための試験ソケット及びコンタクタに関し、より詳細には、ICデバイスと試験又はバーンイン回路基板との間の回路接続を行うために試験ソケット及びコンタクタにおいて使用される、ポゴピンと呼ばれることもあるスプリングコンタクトピンに関する。 [0003] それらの能力が増大するにつれて、ICチップの入力/出力(I/O)密度は増大し、物理的リードを有するチップからリードレスデバイスへのシフトにつながっている。例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージおよびマイクロBGAパッケージを有する表面実装ICチップは、BGAが比較的小さいコンタクト寸法を有するより密にパックされたコンタクト-小さいはんだボール-を可能にするので、現在広く使用されている。コンタクトの寸法が小さいと、リードレスデバイスのテスト及びバーンインに問題が生じる。テスト及びバーンインを容易にするために、BGAチップ・パッケージを保持し、自動チップ・テスタで使用されるようなプリント回路(PC)テスト・ボードにチップのI/O接点を接続及び切断するためのテストソケット及びコンタクタが設計されている。このようなソケット装置は一般に、この電気的相互接続を達成するために、長さがミリメートル単位で測定される小型の両端ポゴピンを使用する。導電性ばねバレルの両端に導電性プランジャを有し、被試験デバイスと試験回路との間に挿入される薄い接触壁内に高密度に充填されたアレイで設けられる両端ポゴピンは、チップと試験回路との間に効率的な電気経路を提供することを目的とする。電気経路はプランジャ及びポゴピンのばねバレルの導電性側壁を通過するので、ピンの内部抵抗は、プランジャとバレルの側壁との接合部に生じる接触抵抗によって支配される傾向がある。この接触抵抗は比較的高く、ピンを通る導電経路内の2つの点、すなわち各プランジャのプランジャ対バレルの接触点で生じる。結果として生じるポゴピンの内部抵抗の増加は、ポゴピンの全体的な電気的性能、及びポゴピンが使用されるテストソケット又はコンタクタの性能にとって有害である。 [0004] 両端ポゴピンにおける望ましくない接触抵抗を低減するための努力において、片端ポゴピンが考案されており、片端ポゴピンは、一方の端部に向かって先細になるバレルハウジングと、他端にあるばね荷重プランジャとを有する。この設計は、プランジャの1つに関連する比較的高い接触抵抗を排除するが、重大な欠点を有する。第1に、製造が比較的困難である。また、ばねバレルケーシングに使用される材料とは異なる材料で製作された接点チップを有するポゴピンを製造することが望ましい場合が多い。例えば、両方の先端部をハウジング材料よりも硬い導電性材料で作ることが望ましい場合がある。ポゴピンの接触先端の1つがバレルケーシング自体の端部である場合、これは実現可能ではない。) (イ) 段落[0023]~[0027]、Figs 3-4B 「[0023] The improved spring contact pin of the invention illustrated in FIGS. 3, 4A and 4B, and generally denoted by the numeral 41, is comprised of an elongated conductive barrel casing 43 having a longitudinal barrel sidewall 45, a first barrel end 47, and a second barrel end 49. The barrel casing holds a first conductive plunger 51 and a second conductive plunger. 53, each of which has an enlarged base end 51a, 53a and a contact tip end 51b, 53b. The base end 51a of plunger 51 is seen to be contained within the barrel casing's spring cavity 55 at the casing's first end 47, while the base end 53a is contained within the casing's spring cavity at the casing's second end 49. (Each base end suitably has a diameter that is slightly smaller than the inside diameter of the spring cavity 55, and also suitably has an angled front shoulder 50, and a conical back wall 52.) The contact tip ends of the respective plungers extend from the plungers' base ends through pin openings 57, 59 in the ends of the barrel casing. The dimensions of the base end of the plungers are sized in accordance with the internal dimensions of the spring cavity, and so that the first plunger can slide within this cavity. A compression spring 56 is disposed within the spring cavity 55 between the first and second plungers and forces the plungers to their full extended position. [0024] In the spring contact pin of the invention, only the first conductive plunger 51 can depress against the compression spring 56 in the manner of a conventional contact spring. To reduce the contact resistance between the second plunger 53 and the barrel casing 43, the barrel's second end 49 is provided with an inward indentation which forces at least a portion of the sidewall into the base end of the second plunger. This indentation is preferably formed by crimping the second end of the barrel casing by a suitable crimping tool (not shown). In the illustrated embodiment, the crimp formed in the sidewalls of the barrel casing extends around the entire perimeter of the barrel casing, forcing the sidewall at the crimp into the plunger base end over 360 degrees of the base end. The electrical path through the barrel casing and second plunger now passes through a junction "J" where the metal of the casing's sidewall is pressed into the sidewall 54 of the plunger base 49. Testing has shown that the overall internal resistance of the contact pin crimped in this fashion is substantially reduced over a contact pin where the sidewall is not crimped. [0025] Referring to FIG. 4B, it can be seen that, when the spring contact pin of the invention is operatively positioned to provide a connection between a contact pad 63 of an IC package and an opposing contact pad 67 of a test circuit 69, only one of the plungers, namely plunger 51, is depressed, while the other crimped plunger 53 remains fixed in the crimped end of barrel casing 45. Because the compression of the spring contact pin is taken up entirely by the first plunger 51, this plunger will experience a greater travel than if the compression were taken up by both plungers. Because of this, plunger 51 preferably has a greater length than the crimped plunger 53. It is understood, however, that the invention is not limited to plungers having different lengths, and that it is possible to provide a spring contact pin in accordance with the invention having plungers of the same length, or even having a plunger at the crimped end of the barrel casing that is longer than the depressible plunger . [0026] As above-mentioned, the barrel casing and plungers of spring contact pin 41 are made of conductive materials. One of the benefits of the invention is that the plungers and the barrel casing can be made of different materials. The plungers are suitably made of hardened connective materials, such as hardened beryllium copper, steel, bronze, gold or a silver alloy. The barrel casing is suitably fabricated of brass (which can be readily crimped), but could be made of other materials, including the same material as the plungers, for example, beryllium copper. [0027] Spring contact pin 41 has the further benefit that it can be made from a conventional double-ended pogo-pin, with the only additional manufacturing step being the crimping of the second end of the barrel casing to force the sidewall of the barrel casing into the second plunger. While it is contemplated that the crimping would occur when the second plunger 53 is in its full extended position as shown in FIG. 4B, it is within the scope of the invention to crimp the barrel casing end when plunger 53 is depressed. In this case, the barrel casing would be crimped further up the end of the barrel casing, so as to engage the plunger's base end 53a.」 「 [図:0001415907000001.jpg] 」 ([0023] 図3、図4A及び図4Bに示され、全体的に符号41で示される本発明の改良されたばねコンタクトピンは、長手方向バレル側壁45、第1バレル端部47、及び第2バレル端部49を有する細長い導電性バレルケーシング43を備える。バレルケーシングは、拡大基端部51a、53aと接触先端部51b、53bとを有する第1の導電性プランジャ51及び第2の導電性プランジャ53を保持する。プランジャ51の基端部51aは、ケーシングの第1の端部47においてバレルケーシングのばねキャビティ55内に収容されており、基端部53aは、ケーシングの第2の端部49においてケーシングのばねキャビティ内に収容されている。(各基端部は、ばねキャビティ55の内径よりも僅かに小さい直径を有することが適切であり、また、傾斜した前方肩部50及び円錐形の後壁52を有することが適切である。)それぞれのプランジャの接触先端部は、プランジャの基端部からバレルケーシングの端部のピン開口部57、59を通って延びる。プランジャの基端部の寸法は、ばねキャビティの内部寸法に従って寸法決めされ、その結果、第1のプランジャは、このキャビティ内で摺動することができる。圧縮ばね56は、第1のプランジャと第2のプランジャとの間のばねキャビティ55内に配置され、プランジャをそれらの完全伸長位置に押しやる。 [0024] 本発明のばねコンタクトピンでは、第1の導電性プランジャ51のみが、従来のコンタクトばねのように圧縮ばね56に対して押し下げることができる。第2のプランジャ53とバレルケーシング43との間の接触抵抗を低減するために、バレルの第2の端部49には、側壁の少なくとも一部を第2のプランジャの基端部内に押し込む内方への窪みが設けられている。この窪みは、好適な圧着工具(図示せず)によってバレルケーシングの第2の端部を圧着することによって形成されることが好ましい。図示の実施形態では、バレルケーシングの側壁に形成された圧着部は、バレルケーシングの全周にわたって延び、圧着部のところで側壁をプランジャの基端部内に基端部の360°にわたって押し込む。バレルケーシング及び第2のプランジャを通る電気経路は、ケーシングの側壁の金属がプランジャ・ベース49の側壁54に押し込まれる接合部Jを通過する。試験は、このようにして圧着されたコンタクトピンの全体的な内部抵抗が、側壁が圧着されていないコンタクトピンよりも実質的に低減されることを示した。 [0025] 図4Bを参照すると、本発明のばねコンタクトピンが、ICパッケージの接触パッド63と試験回路69の対向する接触パッド67との間の接続を提供するように動作可能に位置決めされるとき、プランジャのうちの一方、すなわちプランジャ51のみが押し下げられ、他方の圧着プランジャ53は、バレルケーシング45の圧着端部に固定されたままであることが分かる。ばねコンタクトピンの圧縮は第1のプランジャ51によって完全に吸収されるので、このプランジャは、圧縮が両方のプランジャによって吸収される場合よりも大きな移動を経験する。このため、プランジャ51は、圧着プランジャ53よりも長いことが好ましい。しかしながら、本発明は異なる長さを有するプランジャに限定されるものではなく、同じ長さのプランジャを有する本発明によるばねコンタクトピンを提供することが可能であり、或いは、バレルケーシングの圧着端部に、押し下げ可能なプランジャよりも長いプランジャを有することさえ可能であることが理解される。 [0026] 上述したように、バレルケーシング及びばねコンタクトピン41のプランジャは、導電性材料で作られる。本発明の利点の1つは、プランジャ及びバレルケーシングを異なる材料で作ることができることである。プランジャは、硬化ベリリウム銅、鋼、青銅、金又は銀合金などの硬化結合材料から適切に作製される。バレルケーシングは、黄銅(容易に圧着することができる)で適切に製作されるが、プランジャと同じ材料、例えばベリリウム銅を含む他の材料で作ることもできる。 [0027] ばねコンタクトピン41は、従来の両端ポゴピンから作製することができるというさらなる利点を有し、唯一の追加の製造ステップは、バレルケーシングの側壁を第2のプランジャ内に押し込むためのバレルケーシングの第2の端部の圧着である。図4Bに示すように、第2のプランジャ53が完全に伸長した位置にあるときに圧着が生じると考えられるが、プランジャ53が押し下げられたときにバレルケーシング端部を圧着することは本発明の範囲内である。この場合、バレルケーシングは、プランジャの基端部53aと係合するように、バレルケーシングの端部のさらに上方に圧着される。) イ 引用文献3の記載から認められる事項 (ア) 前記アで摘記したとおり、ばねコンタクトピンが、ICパッケージの接触パッド63と試験回路69の対向する接触パッド67との間の接続を提供するように動作可能に位置決めされるものであり、プランジャ51は、圧着プランジャ53よりも長いことが好ましいものである。 (イ) 前記(ア)を踏まえると、前記ア(イ)で示した引用文献3の図4Bの記載から、次に示す事項が認められる(以下「引用文献3認定事項1」及び「引用文献3認定事項2」という。)。 <引用文献3認定事項1> 「第1の導電性プランジャ51の接触先端部51bがICパッケージの接触パッド63と接触し、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53bが試験回路69の対向する接触パッド67と接触するよう配置されていること。」 <引用文献3認定事項2> 「第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部が、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部よりも長く形成されていること。」 ウ 引用発明3の認定 前記アにおいて摘記した事項から、引用文献3には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明3」という。)。なお、括弧内に引用文献3の記載の該当箇所の見出し符号を示した。 <引用発明3> 「長手方向バレル側壁45、第1バレル端部47、及び第2バレル端部49を有する細長い導電性バレルケーシング43を備え、([0023]) バレルケーシングは、拡大基端部51a、53aと接触先端部51b、53bとを有する第1の導電性プランジャ51及び第2の導電性プランジャ53を保持し、([0023]) それぞれのプランジャの接触先端部は、プランジャの基端部からバレルケーシングの端部のピン開口部57、59を通って延び、([0023]) プランジャ51の基端部51aは、ケーシングの第1の端部47においてバレルケーシングのばねキャビティ55内に収容されており、基端部53aは、ケーシングの第2の端部49においてケーシングのばねキャビティ内に収容され、([0023]) プランジャの基端部の寸法は、ばねキャビティの内部寸法に従って寸法決めされ、その結果、第1のプランジャは、このキャビティ内で摺動することができ、([0023]) 圧縮ばね56は、第1のプランジャと第2のプランジャとの間のばねキャビティ55内に配置され、プランジャをそれらの完全伸長位置に押しやり、([0023]) 第1の導電性プランジャ51のみが、従来のコンタクトばねのように圧縮ばね56に対して押し下げることができ、([0024]) 第1の導電性プランジャ51の接触先端部51bがICパッケージの接触パッド63と接触し、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53bが試験回路69の対向する接触パッド67と接触するよう配置されており、(引用文献3認定事項1) ICパッケージの接触パッド63と試験回路69の対向する接触パッド67との間の接続を提供するように動作可能に位置決めされるとき、プランジャのうちの一方、すなわちプランジャ51のみが押し下げられ、他方の圧着プランジャ53は、バレルケーシング45の圧着端部に固定されたままであり、([0025]) 第2のプランジャ53とバレルケーシング43との間の接触抵抗を低減するために、バレルの第2の端部49には、側壁の少なくとも一部を第2のプランジャの基端部内に押し込む内方への窪みが設けられ、([0024]) この窪みは、好適な圧着工具によってバレルケーシングの第2の端部を圧着することによって形成されることが好ましく、([0024]) バレルケーシングの側壁に形成された圧着部は、バレルケーシングの全周にわたって延び、圧着部のところで側壁をプランジャの基端部内に基端部の360°にわたって押し込まれ、([0024]) 第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部が、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部よりも長く形成されている、(引用文献3認定事項2) ばねコンタクトピン。([0023])」 (2) 引用文献8の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献8の記載事項 当審拒絶理由通知書において引用され、出願日前に発行された文献である前記引用文献8(特開平6-317624号公報)には、以下の事項が記載されている。 (ア) 【請求項1】 「【請求項1】対向する電極間にプローブを接触させ、そのプローブを通して電気信号を伝送する電極の接続装置において、 前記対向する電極間に位置するスルーホールを有する基板と、 前記スルーホールに挿入するプローブとを備え、 このプローブは、前記対向する電極の一方の電極に接する可動ピンと、他方の電極に接するチューブと、前記可動ピンと前記チューブとの間に前記両者に弾性力を付与するばねとからなり、前記チューブを前記スルーホールに摺動自在に挿入することを特徴とする電極の接続装置。」 (イ) 段落【0001】 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、対接する電極に接触したスプリングプローブを通して電極間に電気信号を伝送する電極の接続装置に係り、特に、高集積化された半導体素子の検査に用いるものであって、高密度、狭ピッチの多数の電極に対して接触するのに好適な電極の接続装置に関するものである。」 (ウ) 段落【0037】 「【0037】 【実施例】以下、本発明に係る実施例を図1ないし図14を参照して説明する。実施例には、主に、接続する対象として、半導体素子を用いるが、本発明の電極の接続装置は、接触対象が半導体素子に限定されることなく、対向する電極間の接続装置として広く用いることができるものである。」 (エ) 段落【0038】~【0042】、図1 「【0038】〔I〕先ず、全体的な電極の接続装置の構成を、図1ないし図3を用いて説明する。最初に、図1を用いて、電極の一端の配線に配線基盤を用いた例を説明する。図1は、本発明の一実施例に係る電極の接続装置であって、電極の一端の配線に配線板を用いたものの断面図である。 【0039】図1の検査対象物の半導体素子2の表面に多数の電極25が形成されている。その電極25に対向せしめて、複数本のプローブ26を配列するものである。プローブ26は、チューブ26a、可動ピン26b、ばね26cから構成される。チューブ26aの一端に可動ピン26bを有し、可動ピンの一方とチューブとの間にばね26cがはさみこまれている。また、このチューブ26aは、可動ピン26bの脱落防止のため、その一部が絞りこまれている。 【0040】この複数本のプローブ26を、上下のチューブ保持用基板30と可動ピン保持用基板28を貫く絶縁性チューブ29を差し込んだスルーホールに、接した状態ですり動けるように挿入する。このスルーホールは、半導体素子2の各電極25の上に来るような位置に調節されるものである。なお、可動ピン保持用基板28のスルーホールはすべりをよくするため、ポリパラキシレン27を被覆することが好ましい。 【0041】さらに、詳細に、プローブ26の構成を説明すれば、チューブ26aは、絶縁性チューブ29に接した状態ですり動けるように挿入されていて、一方の電極25に対しては可動ピン26bにより、他方の配線基板31の表面に形成された電極32に対しては可動するチューブ26aにより、対向する電極間の導通を確保する電極の接続装置を構成するものである。また、2個のチューブ保持用基板30は中間板33をはさみこんで対向した位置に固定されている。そして、電極32からは、配線基板31内の配線を通して検査回路(図では示していない。)に検査信号を伝送し得る。 【0042】なお、上記のプローブ26は、銅、タングステン、ステンレス、銅-錫合金、ベリリウム-銅合金などの導電材料を用いることができる。また、その表面にニッケル下地で金あるいはロジュウムなどをめっきし、上記可動ピン保持用基板28およびチューブ保持用基板30は、快削性セラミックス、アクリル、ポリイミド、エンジニアリングプラスチック、またはエッチングによりスルーホールを形成した感光性ガラスなどの絶縁材料を用いることができる。さらに、上記の絶縁性チューブ29は、チューブの肉厚が0.01mmから0.03mm程度のポリイミドあるいはポリテトラフルオロエチレンなどの絶縁材料を用いることができる。」 「 [図:0001415907000002.jpg] 」 (オ) 段落【0046】~【0050】、図3 「【0046】次に、図3を用いて、本発明の他の実施例に係る構成で、可動ピン保持用基板を必要としないものを説明する。図3は、本発明の一実施例に係る電極の接続装置であって、可動ピン保持用基板を必要としないものの断面図である。 【0047】接触対象物の配線基板43の表面に多数の電極44が形成されている。その電極44に対向せしめて複数本のプローブ45が配列されている。プローブ45は、チューブ45aの一端に可動ピン45bを有し、そのチューブ45a内にばね45cを有して、可動ピンの上端は電極に接し、下端はばねに接している。そのばね45cは、チューブ45aにプローブ内の最下端で接っしていて、チューブ45aの上端は絞られている。このプローブ45をスルーホール46aに挿入するものであり、そのチューブ45aはチューブ保持用基板46と接した状態ですり動けるようになっている。 【0048】そして、上方の配線基板43の電極44に対しては可動ピン45bが接して、下方の他方の配線基板48の表面に形成された電極49に対しては可動するチューブ45aが接して、対向する電極間の導通を確保する方式の電極の接続装置を構成するものである。 【0049】なお、チューブ保持用基板46の全表面には、すべりをよくするためポリパラキシレン47を被覆するのが好ましい。上記のチューブ保持用基板46は、快削性セラミックス、アクリル、ポリイミド、エンジニアリングプラスチック、またはエッチングによりスルーホールを形成した感光性ガラスなどの絶縁材料を用いることができる。また、チューブ保持用基板46の全表面にポリパラキシレン47を被覆した場合には、ポリパラキシレン47が絶縁材料なので、真鍮、銅、アルミニウムなどの導電材料で構成することも可能になる。 【0050】ここで、図3に係る実施例の構成を、図1と比較して説明する。すなわち、図1の構成では、可動ピン保持用基板28を有しているため、下方の電極25に接していない場合でもプローブ26が脱落することはない。これに比して、図3の構成では、下方の電極25に接していない場合はプローブ26が脱落する。そのため、図3の構成は、常に上下の電極に接している必要があり、可般性はやや悪くなるという欠点があるが、構造が簡単になるという利点がある。」 「 [図:0001415907000003.jpg] 」 (カ) 段落【0074】、【0075】、図13 「【0074】〔VI〕次に、図13を用いて、プローブを用いた電極の接続装置の構成部品であるチューブ一端についての止め方について説明する。図13は、本発明に係る実施例の電極の接続装置のプローブの構成であっ て、チューブ一端についての止め方の説明図である。 【0075】チューブ77の一方の先端は、必要に応じて図13に示したごとく、適当なプローブ先端形状に成形した先端部78をチューブ77にカシメあるいはレーザースポット溶接などにより接続されたプローブを用いても良い。」 「 [図:0001415907000004.jpg] 」 イ 引用文献8の記載から認められる事項 (ア) 前記ア(オ)及び(カ)に摘記した記載に注目すると、「実施例の電極の接続装置のプローブ」である図3に示された実施形態のプローブ45として、図13(E)に示されたプローブを用い得ることが示唆されていると認められる。 (イ) 前記(ア)を踏まえると、前記ア(オ)及び(カ)の記載から、次に示す事項が読み取れる(以下「引用文献8認定事項」という。)。 <引用文献8認定事項> チューブ77は両端が開口した筒形状で軸方向に延在した形状であり、 可動ピンの一端がチューブ77に収容されており、 可動ピンがチューブ77に対して当該チューブ77の軸方向に可動に構成されており、 先端部78の一端がチューブ77に収容されており、 ばねがチューブ77に収容されていること。 ウ 引用発明8の認定 前記アにおいて摘記した事項及び前記イにおいて認定した事項から、引用文献8には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明8」という。)。なお、括弧内に引用文献8の記載の該当箇所の見出し符号を示した。 <引用発明8> 電極間に電気信号を伝送する電極の接続装置のプローブであって、(【0001】) このプローブは、対向する電極の一方の電極に接する可動ピンと、他方の電極に接するチューブと、可動ピンとチューブとの間に両者に弾性力を付与するばねとからなり、(【請求項1】) 接触対象物の上方の配線基板43の電極44に対しては可動ピンが接して、下方の他方の配線基板48の表面に形成された電極49に対しては可動するチューブが接して、対向する電極間の導通を確保する方式の電極の接続装置を構成するものであり、(【0047】、【0048】) 当該可動ピンの上端は電極に接し、下端はばねに接しており、(【0047】) チューブの先端は、適当なプローブ先端形状に成形した先端部78をチューブ77にカシメあるいはレーザースポット溶接などにより接続され、(【0075】) チューブ77は両端が開口した筒形状で軸方向に延在した形状であり、 可動ピンの下端がチューブ77に収容されており、 可動ピンがチューブ77に対して当該チューブ77の軸方向に可動に構成されており、 先端部78の一端がチューブ77に収容されており、 ばねがチューブ77に収容されている、(引用文献8認定事項) プローブ。 (3) 引用文献2の記載事項及び周知技術1の認定 ア 引用文献2の記載事項 当審拒絶理由通知書において引用され、出願日前に発行された文献である前記引用文献2(特開平4-95769号公報)には、以下の事項が記載されている。 (ア) 1頁右欄7行~2頁右欄8行、第6図 「[発明の目的] <産業上の利用分野> 本発明は、プリント配線板の導体パターンの接続状態や電子素子の信号を電気的に検査するコンタクトプローブに適する導電性接触子の針状体構造及びその組立方法に関する。 <従来の技術> 一般に、プリント配線板の導体パターンや電子素子等の電気的検査を行うためのコンタクトプローブに適する導電性接触子には、種々の構造のものがあり、例えば第6図には従来の導電性接触子の1実施例が示されている。図に示される導電性接触子21では、その針状体22の先端部には比較的大径の胴体部22aが形成されており、その胴体部22aの図の上方には若干縮径された小径の図の上方には更に縮径された軸部22cが同軸的に設けられている。針状体22の小径部22bと軸部22cには、圧縮コイルばね23が巻回されている。 軸部22cの遊端部には軸部22cよりは拡径された拡頭部22dが形成されており、拡頭部22dには、有底筒状の抜け止め体24が拡頭部22dを覆うように同軸的に装着されている。抜け止め体24の中間部には半径方向内向きにかしめられた環状内向凸部25が形成されており、拡頭部22dに環状内向凸部25が係合して抜け止め体24が抜け止めされ、胴体部22aの環状肩面29と抜け止め体24との間に圧縮コイルばね23が嵌装されている。尚、検査器の支持板26に固着された筒状のリセプタクル27内に針状体22及び圧縮コイルばね23が同軸的に受容されて、抜け止め体24が、リセプタクル26の一部を内向きにかしめて突出させた内向凸部30により固定され、かつリセプタクル26の上部を内向きにかしめてなる環状係止部31により抜け止め体24が位置決めされている。また、リセプタクル26の情報開口部には情報から挿入されたコネクタ32が弾発的に係合しており、コネクタ32に接続された抜け止め体24と図示されない制御部とが、信号線28により互いに電気的に接続されている。」 「 [図:0001415907000005.jpg] 」 イ 周知技術1の認定 前記アにおいて引用文献2を示して例示したように、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術1」という。)。 <周知技術1> 「コンタクトプローブにおいて、筒状体に部材を固定する手段として、当該筒状体の軸方向に離間した2か所をかしめて位置決め固定すること。」 (4) 引用文献6及び7の記載事項及び周知技術2の認定 ア(ア) 引用文献6の記載事項 当審拒絶理由通知書において引用され、出願日前に発行された文献である前記引用文献6(特開2006-66205号公報)には、以下の事項が記載されている。 a 【請求項1】 「【請求項1】 上面と下面とを有する板状の筐体と、 当該筐体の当該上面から当該下面へ貫通する貫通孔群と、 当該貫通孔群を構成する各貫通孔に収容支持される各プローブピンと、を有するICソケットであって、 当該筐体が、当該上面を含む上層樹脂部と、当該下面を含む下層樹脂部と、当該上層樹脂部と当該下層樹脂部との間に位置する中層樹脂部と、を含めて構成してあり、 当該各貫通孔が、当該上層樹脂部を貫通する内径Raの上層孔部と、当該中層樹脂部を貫通する内径Rbの中層孔部と、当該下層樹脂部を貫通する内径Rcの下層孔部と、により構成してあり、 当該プローブピンが、外径Da(Ra,Rb,Rc)のピン本体と、当該ピン本体の外周から放射方向に延びる外径Db(RaDbRc)のフランジ部と、を含めて構成してあり、 当該中層樹脂部を当該フランジ部に熱溶着してある ことを特徴とするICソケット。」 b 段落【0001】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、IC(Integrated Circuit)を試験するためのICソケット及びICソケットの製造方法に関するものである。」 c 段落【0026】~【0029】、図4 「【0026】 (プローブピンの構造) 図2乃至4に基づいて説明する。プローブピン5は、ピン本体21と、ピン本体21の外周から放射方向に延びるフランジ部27と、ピン本体21の上部に位置する可動ピン23と、ピン本体21の下部に位置する接触部29と、を外観上備えており、ピン本体21の内部にはコイルバネ25を備えている。ピン本体21は、たとえば、ベリリウム銅のような金属製のパイプにより構成することができる。ピン本体21は、筐体3の厚み寸法とほぼ同じ長さ及び外径Da(Ra,Rb,Rc)を有している。 【0027】 (フランジ部の構造) フランジ部27は外径Dbを有していて、この外径Dbは上層孔部16の内径Raより小さく下層樹脂部18の内径Rcより大きく(すなわち、RaDbRc)設定してある。外径Dbを内径Raより小さく設定したのは、フランジ部27が上層孔部16を通過できるようにするためであり、また、外径Dbを内径Rcより大きく設定したのは、フランジ部27が下層孔部18内に落ち込まないようにするため(すなわち、中層孔部17内に留まれるようにするため)である。中層孔部17の周りの中層樹脂部51は、フランジ部27に熱溶着させてある。この結果、中層孔部17の内径Rbは、フランジ部27の外径Dbと略等しくなる。すなわち、中層孔部17内に臨ませた中層樹脂部(プリプレグ層)51をフランジ部27に溶着させ、これによって、プローブピン5が貫通孔5内に収納支持され得るように構成してある。 【0028】 (可動ピンの構造) 可動ピン23は、水平方向断面が円形の可動ピン本体23aと、可動ピン本体23aの下端に一体形成したフランジ部23bと、を有し、その全体を、ピン本体21と同様に、たとえば、ベリリウム銅のような金属により構成してある。可動ピン本体23aは、ピン本体21の小径孔22h内を、ピン本体21の長さ方向に摺動(上下動)可能なように、小径孔22hの内径D4より僅かに小径の外径(直径)D5に形成してある。また、フランジ部23bは、ピン本体21に対してその直径をピン本体21の内径D3よりも小径で小径孔22hの内径D4よりも大径に形成してある。すなわち、フランジ部23bはピン本体21の内部にあって、ピン本体21の長さ方向に摺動(上下動)可能なように形成してある。以上のように形成することによって、可動ピン23はピン本体21に対して、ピン本体21の長さ方向に出没(上下動)可能となり、環状突起22は、ピン本体23aの出没は許すが、フランジ部23bと当接して可動ピン23をピン本体21から抜けさせない抜け止め部材として機能するようになる。小径孔22hの周壁面と可動ピン23の外周面は、後者の出没に際して前者との電気的接触が途切れないように構成してある。なお、可動ピン23は、その大部分が筐体3の上面11から上方に突き出すように構成してある。ICの接続端子(図示を省略)との接続を可能とするためである。 【0029】 (接触部の構造) 接触部29は、ピン本体21の下端に一体化させた部材であって、やはり、たとえば、ベリリウム銅のような金属により構成してある。接触部29は、プローブピン5全体をターゲットボードB(図1参照)のパッド(図示を省略)に接触させるための部位であるから、その形状はパッドと物理的電気的に接触しやすい形状に形成するのが好ましい。接触部29の形状は、貫通孔15内に収納支持されたときに筐体3の下面13から下方に突き出すように構成してある。接触部29は、ピン本体21を介して可動ピン23と電気的に接続されている。」 「【図4】 [図:0001415907000006.jpg] 」 (イ) 引用文献6の記載から認められる事項 a 前記(ア)に摘記したとおり、段落【0028】には、可動ピン23aの外径D5はピン本体21の小径孔22hの内径D4よりも小径で、フランジ部23bはピン本体21の内径D3よりも小径で当該内径D4よりも大径に形成されていること(すなわち、D5<D4<フランジ部23bの外径<D3)が記載されている。 b また、ピン本体21の内径D3よりピン本体の外径Daが大径に形成されているのは自明である。 c そして、引用文献6の図4の記載からは、接触部29の外径がピン本体の外径Daと略同一に形成されていること、接触部29の軸方向長さが可動ピン本体23aの軸方向長さより短く形成されていることが見て取れる。 d 前記a~cを総合すると、引用文献6の図4の記載から、次に示す事項が見て取れる(以下「引用文献6認定事項」という。)。 <引用文献6認定事項> 「ICを試験するためのICソケットに用いられるプローブピンにおいて、ICの接続端子と接続する可動ピン及びターゲットボードBのパッドと接触する接触部29について、接触部の外径を可動ピンの外径D5より大きく、かつ、接触部の軸方向の長さを可動ピンの軸方向の長さより短く形成すること。」 イ(ア) 引用文献7の記載事項 当審拒絶理由通知書において引用され、出願日前に発行された文献である前記引用文献7(国際公開第2008/133209号)には、以下の事項が記載されている。 a 段落[0001] 「【発明の詳細な説明】 [0001] 本発明は、半導体集積回路等の電気特性検査で信号の入出力を行う導電性接触子および当該導電性接触子を収容する導電性接触子ユニットに関する。 」 b 段落[0023]~[0027]、図1、図2 「[0023](実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1に係る導電性接触子ユニットの構成を示す斜視図である。同図に示す導電性接触子ユニット1は、検査対象である半導体集積回路100に供給する検査用の信号を生成する回路を備えた回路基板2と、導電性を有し、回路基板2内の回路と半導体集積回路100とを電気的に接続する複数の導電性接触子3と、回路基板2上に配置され、複数の導電性接触子3を収容、保持する導電性接触子ホルダ4と、を備える。また、導電性接触子ユニット1には、使用の際に半導体集積回路100の位置ずれが生じるのを抑制するためのホルダ部材5が、導電性接触子ホルダ4の外周を囲むようにして回路基板2上に配置されている。 [0024] 図2は、本実施の形態1に係る導電性接触子3の詳細な構成を示す図である。また、図3は、導電性接触子ユニット1の要部の構成を示す図であり、導電性接触子3が導電性接触子ホルダ4に収容されている状態を示す図である。 [0025] 導電性接触子3は、回路基板2の電極21と接触する第1プランジャ31、先端が第1プランジャ31の先端と相反する向きに突出し、半導体集積回路100の電極と接触する第2プランジャ32、および一端が第1プランジャ31に取り付けられるとともに他端が第2プランジャ32に取り付けられ、長手方向に伸縮自在なバネ部材33(弾性部材)を備える。 [0026] 第1プランジャ31は、略針状をなす導電性材料によって形成され、先鋭端を有する先端部31aと、先端部31aの径よりも大きい径を有するフランジ部31bと、フランジ部31bを介して先端部31aと反対方向に突出し、フランジ部31bの径よりも小さくかつバネ部材33の内径よりも若干大きい径の円柱状をなし、バネ部材33の端部が圧入されるボス部31cと、ボス部31cの径よりも小さくかつバネ部材33の内径よりも小さい径の円柱状をなす基端部31dとを有し、長手方向の中心軸O1に対して軸対称な形状をなす。 [0027] 第2プランジャ32は、略針状をなす導電性材料によって形成され、クラウン形状をなす先端部32aと、先端部32aの径よりも大きい径を有するフランジ部32bと、フランジ部32bを介して先端部32aと反対方向に突出し、フランジ部32bの径よりも小さい径の円柱状をなし、バネ部材33の端部が圧入されるボス部32cと、ボス部32cの径よりも小さい径の円柱状をなす基端部32dとを有し、長手方向の中心軸O2に対して軸対称な形状をなす。軸線O2は、第1プランジャ31の中心軸O1と異なりかつ平行である。また、第2プランジャ32の最大径r2は、第1プランジャ31の最大径r1よりも小さい(r2<r1)。なお、先端部が、第1プランジャ31の先端部31aと同様に先鋭端をなすようにしてもよい。」 「図1 [図:0001415907000007.jpg] 図2 [図:0001415907000008.jpg] 」 (イ) 引用文献7の記載から認められる事項 a 前記(ア)に摘記したとおり、段落[0027]には、第2プランジャ32の最大径r2は、第1プランジャ31の最大径r1よりも小さい(r2<r1)ことが記載されている。 b また、引用文献7の図2の記載から、第1プランジャ31の先端部31aの軸方向の長さが第2プランジャ32の先端部32aの軸方向の長さより短く形成されていることが見て取れる。 c 前記a及びbを総合すると、次に示す事項が読み取れる(以下「引用文献7認定事項」という。)。 <引用文献7認定事項> 「半導体集積回路等の電気特性検査で信号の入出力を行う導電性接触子3において、回路基板2の電極21と接触する第1プランジャ31及び半導体集積回路100の電極と接触する第2プランジャ32について、第1プランジャ31の最大径を第2プランジャ32の最大径より大きく、かつ、第1プランジャ31の先端部31aの軸方向の長さを第2プランジャ32の先端部32aの軸方向の長さより短く形成すること。」 ウ 周知技術2の認定 前記ア及びイにおいて引用文献6及び7を示して例示したように、次の技術事項は当業者にとって周知技術であったと認められる(以下「周知技術2」という。) <周知技術2> 「半導体集積回路の検査を行う検査デバイスのコンタクトプローブにおいて、回路基板の電極と接触する一方端子の太さ及び長さを、検査対象の半導体集積回路と接触する他方端子の太さ及び長さに比べて、より太くかつ短いものとすること。」 2 対比・判断 (1) 引用文献3を主たる引用文献とした場合の対比・判断 ア 対比 (ア) 対比分析 以下、前記第2の1で分説した構成要件ごとに、本願発明と引用発明3を対比する。 a (構成X)「コンタクトプローブ」の発明の観点 (a) 引用発明3の「ばねコンタクトピン」は、本願発明の「コンタクトプローブ」に相当する。 (b) したがって、「コンタクトプローブ」の発明である本願発明と、「ばねコンタクトピン」の発明である引用発明3は、次の点において一致する。 「コンタクトプローブ」の発明である点。 b (構成A0)「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」の観点 (a) 引用発明3の「導電性パレルケーシング43」は「長手方向バレル側壁45、第1バレル端部47、及び第2バレル端部49を有する細長い」形状であり、「端部」に「ピン開口部57、59」を有するものであるから、本願発明の「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点において一致する。 「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」を備える点。 c (構成B0)「前記バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子」の観点 (a) 引用発明3の「第1の導電性プランジャ51」は、「拡大基端部51a」及び「接触先端部51b」を有しており、「プランジャ51の基端部51aは、ケーシングの第1の端部47においてバレルケーシングのばねキャビティ55内に収容されており」、「第1の導電性プランジャ51の接触先端部51bがICパッケージの接触パッド63と接触[する]」ものであるから、本願発明の「バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子」を備える点。 d (構成C0)「前記バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子」の観点 (a) 引用発明3の「第2の導電性プランジャ53」は、「拡大基端部53a」及び「接触先端部53b」を有しており、「基端部53aは、ケーシングの第2の端部49においてケーシングのばねキャビティ内に収容され[ており]」、「第2の導電性プランジャ53の接触先端部53bが試験回路69の対向する接触パッド67と接触する」ものであるから、本願発明の「バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子」を備える点。 e (構成D0)「前記バレル内で、前記検査デバイス側端子の前記基端と前記基板側端子の前記基端との間に接触した状態で配置されたバネ」の観点 (a) 引用発明3の「圧縮バネ56」は、「バレルケーシングのばねキャビティ55」「内に配置され」、「第1のプランジャと第2のプランジャ」「をそれらの完全伸長位置に押しや[る]」ものであるから、本願発明における「バレル内で、検査デバイス側端子の基端と基板側端子の基端との間に接触した状態で配置されたバネ」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「バレル内で、検査デバイス側端子の基端と基板側端子の基端との間に接触した状態で配置されたバネ」を備える点。 f (構成B1)「前記検査デバイス側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ」の観点 (a) 引用発明3のばねコンタクトピンにおいて、「第1の導電性プランジャ51のみが、従来のコンタクトばねのように圧縮ばね56に対して押し下げることができ[る]」よう構成されているものであるから、本願発明において「検査デバイス側端子」が「バレルに対して軸線方向に進退する進退端子とされ[ている]」ことに相当する構成を備えることは明らかである。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「検査デバイス側端子は、バレルに対して軸線方向に進退する進退端子とされ[ている]」点。 g (構成C1)「前記基板側端子は、前記バレルに対して固定された固定端子とされ」の観点 (a) 引用発明3のばねコンタクトピンにおいて、「他方の圧着プランジャ53は、バレルケーシング45の圧着端部に固定され[ている]」ものであるところ、このことは、本願発明において「基板側端子」が「バレルに対して固定された固定端子とされ[ている]」ことに相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「基板側端子は、バレルに対して固定された固定端子とされ[ている]」点。 h (構成C2)「前記固定端子は、前記軸線方向に延在する軸部と、該軸部よりも大径とされた大径部とを有し」の観点 (a) 引用発明3における「第2の導電性プランジャ53」の「接触先端部53b」と「拡大基端部53a」を有するものであるところ、「接触先端部53b」がバレルケーシングの軸方向に延在すること、及び「拡大基端部53a」が当該接触先端部53bよりも大径に形成されていることは明らかである。 (b) そうすると、引用発明3における「第2の導電性プランジャ53」の「接触先端部53b」と「拡大基端部53a」は、それぞれ本願発明の固定端子の「軸部」及び「大径部」に相当する。 (c) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「固定端子は、軸線方向に延在する軸部と、軸部よりも大径とされた大径部とを有[する]」点。 i (構成A1)「前記バレルには、前記大径部の前記軸線方向における両側を固定するように形成されたカシメ部が設けられ」の観点 (a) 引用発明3は、「第2のプランジャ53とバレルケーシング43との間の接触抵抗を低減するために、バレルの第2の端部49には、側壁の少なくとも一部を第2のプランジャの基端部内に押し込む内方への窪みが設けられ」「この窪みは、好適な圧着工具によってバレルケーシングの第2の端部を圧着することによって形成されることが好ましく」「バレルケーシングの側壁に形成された圧着部は、バレルケーシングの全周にわたって延び、圧着部のところで側壁をプランジャの基端部内に基端部の360°にわたって押し込む」ように構成されているところ、当該「窪み」である「圧着部」がカシメ部であることは明らかである。 (b) そうすると、引用発明3における「バレルの第2の端部49」に設けられた「窪み」である「圧着部」は、本願発明の「バレル」に「設けられ[ている]」「カシメ部」に相当する。 (c) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「バレルには」「カシメ部が設けられ[ている]」点。 (d) そして、本願発明と引用発明3は、以下の点で相違する。 本願発明のカシメ部は「大径部の」「軸線方向における両側を固定するよう形成された」ものであるのに対し、引用発明3の「窪み」である「圧着部」は「側壁の少なくとも一部」に「全周にわたって」形成されているものの、第2の導電性プランジャ53の拡大基端部53aの軸線方向における両側を固定するように形成されてはいない点。 j (構成C3)「前記固定端子の先端側の前記軸部は、前記進退端子の先端側の軸部よりも太くかつ短い」の観点 (a) 引用発明3は、「第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部が、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部よりも長く形成されて[いる]」ものであるところ、このことは、本願発明において「固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも短い」ことに相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明3は、次の点で一致する。 「固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも短い」点。 (c) そして、本願発明と引用発明3は、以下の点で相違する。 本願発明の固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも「太く」形成されているのに対し、引用発明3において、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部が第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部よりも太く形成されているかは不明である点。 (イ) 一致点及び相違点の認定 前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明3は、次のaに示す一致点において一致し、後記bに示す相違点において相違すると認められる。 a 一致点 「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレルと、 前記バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子と、 前記バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子と、 前記バレル内で、前記検査デバイス側端子の前記基端と前記基板側端子の前記基端との間に接触した状態で配置されたバネと、 を備え、 前記検査デバイス側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ、 前記基板側端子は、前記バレルに対して固定された固定端子とされ、 前記固定端子は、前記軸線方向に延在する軸部と、該軸部よりも大径とされた大径部とを有し、 前記バレルには、カシメ部が設けられ、 前記固定端子の先端側の前記軸部は、前記進退端子の先端側の軸部よりも短いコンタクトプローブ。」 b 相違点 (a) 相違点1 本願発明のカシメ部は「大径部の」「軸線方向における両側を固定するよう形成された」ものであるのに対し、引用発明3の「窪み」である「圧着部」は「側壁の少なくとも一部」に「全周にわたって」形成されているものの、第2の導電性プランジャ53の拡大基端部53aの軸線方向における両側を固定するように形成されてはいない点。 (b) 相違点2 本願発明の固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも「太く」形成されているのに対し、引用発明3において、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部が第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部よりも太く形成されているかは不明である点。 イ 判断 前記相違点について検討する。 (ア) 相違点1について 前記1(3)において周知技術1として示したとおり「コンタクトプローブにおいて、筒状体に部材を固定する手段として、当該筒状体の軸方向に離間した2か所をかしめて位置決め固定すること。」は周知技術であるから、引用発明3において、第2の導電性プランジャ53をバレルケーシング45の圧着端部に固定する具体的手段として、当該周知技術を適用して、バレルケーシング45の軸方向に離間した2か所をかしめて位置決め固定することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。また、そのようなかしめを設ける具体的な位置を、基端部53aの両側となるような箇所とすることは、上述した周知技術の具体的適用に伴う設計変更の範囲内のことにすぎない。 したがって、引用発明3において前記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者ならば容易に想到し得たことである。 (イ) 相違点2について a コンタクトプローブというものは、その端子の先端が検査デバイスや基板等と電気的に接触するところ、端子の先端における太さや長さといった全体的な外形形状は、接触対象物のサイズ、端子自身と接触対象物の相対的な硬さの大小関係、端子の先端が検査デバイスや基板等と接触する際に生じる押圧力、及び、要求される端子の移動長さなどに応じて当業者が適宜定めるべき設計事項である。 b また、前記1(4)において周知技術2として示したとおり「半導体集積回路の検査を行う検査デバイスのコンタクトプローブにおいて、回路基板の電極と接触する一方端子の太さ及び長さを、検査対象の半導体集積回路と接触する他方端子の太さ及び長さに比べて、より太くかつ短いものとすること。」も、コンタクトプローブにおける周知の構成である。 c そうすると、引用発明3において、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部を第1の導電性プランジャ51の接触先端部51b側の軸部よりも太くすることは、上記aにおいて例示した種々の技術的要求及び上記bにおいて示した周知技術2に基づいて適宜設計変更した結果得られる範囲内のものにすぎない。 d そして、第2の導電性プランジャ53の接触先端部53b側の軸部をより太くすることにより、強度がより強くなることは、当業者にとって自明な効果であり、格別のものではない。 したがって、引用発明3において前記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者ならば容易に想到し得たことである。 (ウ) 請求人の主張について a 請求人は、令和6年5月23日付け意見書において、概略、(a)引用文献6及び7は、端子の形状や寸法は目的によって適宜変更可能であることを単に示しているだけにすぎず、本願発明のように端子の損傷防止を目的として強度を増すために軸部を太くするという直接的な動機付けは何ら示唆されておらず、固定端子の先端を他方の端子の先端より太く短くすることは技術常識とはいえないこと、(b)本願発明は基板側端子を太くかつ短くすることで、強度を大きくし、基板への装着時や取外し時に基板側端子が損傷するおそれを低減することができるという、特有の作用効果があること、を主張している。 b しかしながら、前記(イ)で説示したとおり、コンタクトプローブの端子の先端における太さや長さといった全体的な外形形状は、接触対象物のサイズ、端子自身と接触対象物の相対的な硬さの大小関係、端子の先端が検査デバイスや基板等と接触する際に生じる押圧力、及び、要求される端子の移動長さなど、種々の技術的要求に応じて当業者が適宜定めるべき設計事項である。 c そして、そのような具体的形状として、回路基板の電極と接触する一方端子の太さ及び長さを、検査対象の半導体集積回路と接触する他方端子の太さ及び長さに比べて、より太くかつ短いものとする構成は、前記1(4)で説示したとおり出願時に周知の構成であった。 (なお、回路基板の電極と接触する一方端子の太さ及び長さと検査対象の半導体集積回路と接触する他方端子の太さ及び長さとの大小関係について、引用文献6及び7の明細書中に具体的に説明されていないとの主張も考えられるが、そのような大小関係は引用文献6の図4及び引用文献7の図2から読み取れることであり、図面の記載が必ずしも正確な寸法を表現したものでないことを最大限考慮しても、プローブの各部位における径について言及されている引用文献6及び7の図面の記載から上述した大小関係を有するコンタクトプローブの構成を想起することは当業者であれば極めて容易になし得ることである。) d そうすると、引用発明3において、前記bで述べた種々の技術的要求に基づいて、引用文献6及び7に記載された周知の構成も踏まえて、適宜設計変更した結果として、前記相違点2に係る本願発明の構成とすることに、格別の困難性も認められない。 e そして、前記(イ)で説示したとおり、端子の先端をより太くかつ短くすることにより当該端子の機械的強度がより強くなることは、当業者にとって自明な効果であり、格別のものではない。また、端子の機械的強度をより強くするという課題認識自体、前記bに例示した種々の技術的要求に照らせば、当業者であれば当然に検討するものであり、本願発明の構成の元で初めて想定されるような特有の課題認識であるとも認められない。 f したがって、請求人の上記主張は採用し得ない。 (エ) 総合評価 前記(ア)及び(イ)の相違点1及び2に係る検討を総合してみても、引用発明3において、相違点1及び2に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明3並びに周知技術1及び2により当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2) 引用文献8を主たる引用文献とした場合の対比・判断 ア 対比 (ア) 対比分析 以下、前記第2の1で分説した構成要件ごとに、本願発明と引用発明8を対比する。 a (構成X)「コンタクトプローブ」の発明の観点 (a) 引用発明8の「プローブ」は「電極間に電気信号を伝送する電極の接続装置」として用いられるものであるから、本願発明の「コンタクトプローブ」に相当する。 (b) したがって、「コンタクトプローブ」の発明である本願発明と、「プローブ」の発明である引用発明8は、次の点において一致する。 「コンタクトプローブ」の発明である点。 b (構成A0)「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」の観点 (a) 引用発明8の「チューブ77」は「両端が開口した筒形状で軸方向に延在した形状」であるから、本願発明の「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点において一致する。 「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレル」を備える点。 c (構成B0)「前記バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が検査デバイスと電気的に接触する検査デバイス側端子」の観点 (a) 引用発明8は「接触対象物の配線基板43の電極44に対しては可動ピンが接[する]」ものである。さらに、当該「可動ピン」は「上端は電極に接し、下端はばねに接[する]」ものであり、「可動ピンの下端がチューブ77に収容されて[いる]」ものである。 (b) そうすると、引用文献8の「可動ピン」と本願発明の「検査デバイス側端子」とは、「バレルの一端に基端側が収容されるように配置され」、「先端が接触対象物と電気的に接触する接触対象物側端子」である点で共通する。 (c) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が接触対象物と電気的に接触する接触対象物側端子」を備える点。 (d) そして、本願発明と引用発明8は、以下の点で相違する。 本願発明の「検査デバイス側端子」が電気的に接続される接触対象物はICパッケージなどの「検査デバイス」であるのに対し、引用発明8の「可動ピン」が電気的に接続される接触対象物は「配線基板43」であり、検査デバイスではない点。 d (構成C0)「前記バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子」の観点 (a) 引用発明8は「下方の他方の配線基板48の表面に形成された電極49に対しては可動するチューブ45aが接[する]」ものであり、「当該他方の電極に接するチューブの一端は、適当なプローブ先端形状に成形した先端部78をチューブ77にカシメあるいはレーザースポット溶接などにより接続され[る]」ものであり、「先端部78の一端がチューブ77に収容されて[いる]」ものであるから、引用発明8の「先端部78」は本願発明の「バレルの他端に基端側が収容されるように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子」に相当する。 (b) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子」を備える点。 e (構成D0)「前記バレル内で、前記検査デバイス側端子の前記基端と前記基板側端子の前記基端との間に接触した状態で配置されたバネ」の観点 (a) 引用発明8は「可動ピンとチューブとの間に両者に弾性力を付与するばね」を含むものであり、「ばねがチューブ77に収容されている」ものであり、両者に弾性力を付与している以上両者に接触した状態で配置されていることは明らかである。 (b) そうすると、上記cも踏まえると、本願発明の「バネ」と引用発明8の「ばね」とは、「バレル内で、接触対象物側端子の基端と基板側端子の基端との間に接触した状態で配置された」点で共通する。 (c) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「バレル内で、接触対象物側端子の基端と基板側端子の基端との間に接触した状態で配置されたバネ」を備える点。 f (構成B1)「前記検査デバイス側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ」の観点 (a) 引用発明8の可動ピンは「チューブ77に対して当該チューブ77の軸方向に可動に構成されて[いる]」ものであり、上記cも踏まえると、このことは本願発明において「前記検査デバイス側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ[ている]」ことと、「接触対象物側端子」が「バレルに対して軸線方向に進退する進退端子とされ[ている]」点で共通する。 (b) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「接触対象物側端子は、バレルに対して軸線方向に進退する進退端子とされ[ている]」点。 g (構成C1)「前記基板側端子は、前記バレルに対して固定された固定端子とされ」の観点 (a) 引用発明8は「当該他方の電極に接するチューブの一端は、適当なプローブ先端形状に成形した先端部78をチューブ77にカシメあるいはレーザースポット溶接などにより接続され[る]」ものであるところ、「先端部78」が「チューブ77」に対して少なくとも軸方向に固定されていることは明らかである。 (b) そうすると、引用発明8のプローブにおいて、「先端部78」が「チューブ77」に対して固定されていることは、本願発明において「基板側端子」が「バレルに対して固定された固定端子とされ[ている]」ことに相当する。 (c) したがって、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「基板側端子は、バレルに対して固定された固定端子とされ[ている]」点。 h (構成C2)「前記固定端子は、前記軸線方向に延在する軸部と、該軸部よりも大径とされた大径部とを有し」の観点 (a) 引用発明8において、「先端部78」に軸方向に延在する軸部及び当該軸部よりも大径とされた大径部を有することは特段限定されていない。 (b) したがって、本願発明と引用発明8は、以下の点で相違する。 本願発明の「固定端子は、軸線方向に延在する軸部と、軸部よりも大径とされた大径部とを有[する]」のに対し、引用発明8の「先端部78」はそのような軸部及び大径部を有しない点。 i (構成A1)「前記バレルには、前記大径部の前記軸線方向における両側を固定するように形成されたカシメ部が設けられ」の観点 (a) 引用発明8は、「当該他方の電極に接するチューブの一端は、適当なプローブ先端形状に成形した先端部78をチューブ77にカシメあるいはレーザースポット溶接などにより接続され[ている]」ものである。 (b) したがって、上記g及びhも踏まえると、本願発明と引用発明8は、次の点で一致する。 「バレルには、」固定端子「を固定するように形成されたカシメ部が設けられ[ている]」点。 (c) そして、本願発明と引用発明8は、以下の点で相違する。 本願発明のカシメ部は固定端子の「大径部の軸線方向における両側」を固定するよう形成されているのに対し、引用発明8の先端部78は大径部を有していないため、「カシメ」「により接続され[た]」部分はそのような大径部の軸線方向における両側を固定するように形成されていない点。 j (構成C3)「前記固定端子の先端側の前記軸部は、前記進退端子の先端側の軸部よりも太くかつ短い」の観点 (a) 前記hで説示したとおり、引用発明8には、可動ピンの先端部78に軸部を設けることが限定されておらず、当然そのような軸部を可動ピンの軸部よりも太くかつ短く形成することについても限定されていない。 (b) したがって、本願発明と引用発明8は、以下の点で相違する。 本願発明の「固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも太くかつ短[く]」形成されているのに対し、引用発明8の「先端部78」にはそのような軸部を有していないため、可動ピンの先端部よりも短くかつ太く形成された軸部も有していない点。 (イ) 一致点及び相違点の認定 前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本願発明と引用発明8は、次のaに示す一致点において一致し、後記bに示す相違点において相違すると認められる。 a 一致点 「両端が開口した筒形状とされて軸線方向に延在するバレルと、 前記バレルの一端に基端側が収容されるように配置され、先端が接触対象物と電気的に接触する接触対象物側端子と、 前記バレルの他端に基端側が収容するように配置され、先端が基板と電気的に接触する基板側端子と、 前記バレル内で、前記接触対象物側端子の前記基端と前記基板側端子の前記基端との間に接触した状態で配置されたバネと、 を備え、 前記接触対象物側端子は、前記バレルに対して前記軸線方向に進退する進退端子とされ、 前記基板側端子は、前記バレルに対して固定された固定端子とされ、 前記バレルには、前記固定端子を固定するように形成されたカシメ部が設けられる、コンタクトプローブ。」 b 相違点 (a) 相違点3 本願発明の「検査デバイス側端子」が電気的に接続される接触対象物はICパッケージなどの「検査デバイス」であるのに対し、引用発明8の「可動ピン」が電気的に接続される接触対象物は「配線基板43」であり、検査デバイスではない点。 (b) 相違点4 本願発明の「固定端子は、軸線方向に延在する軸部と、軸部よりも大径とされた大径部とを有し、」「固定端子の先端側の軸部は、進退端子の先端側の軸部よりも太くかつ短い」構造であって、また本願発明の前記「カシメ部」は当該「大径部の軸線方向における両側を固定するように形成され[る]」のに対し、引用発明8はそのような構成を有していない点。 イ 判断 前記相違点について検討する。 (ア) 相違点3について a 前記1(2)ア(イ)~(エ)において摘記したとおり、引用文献8には、電極の接続装置の接続対象を検査対象物である半導体素子2(すなわち、検査デバイス)とすることが記載されている。 b そうすると、引用発明8において、上記aを踏まえて、電極の接続装置の接触対象物である「上方の配線基板43」を検査デバイスとすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 c したがって、引用発明8において前記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者ならば容易に想到し得たことである。 (イ) 相違点4について a 前記1(2)ア(オ)及び(カ)において摘記した引用文献8の図3並びに13(A)、(D)及び(E)においても、コンタクトプローブの接触ピンの形状として、電極と接触する側に軸方向に延在する軸部を設け、チューブに収容される部分に当該軸部よりも大径に形成された大径部を設ける構成が記載されているように、「軸線方向に延在する軸部と、軸部よりも大径とされた大径部とを有[する]」ようにしたコンタクトプローブの接触ピン形状は周知である(以下「周知技術3」という。)。 b また、前記1(4)において周知技術2として示したとおり「半導体集積回路の検査を行う検査デバイスのコンタクトプローブにおいて、回路基板の電極と接触する一方端子の太さ及び長さを、検査対象の半導体集積回路と接触する他方端子の太さ及び長さに比べて、より太くかつ短いものとすること。」も、コンタクトプローブにおける周知の構成である。 c さらに、前記1(3)において周知技術1として示したとおり「コンタクトプローブにおいて、筒状体に部材を固定する手段として、当該筒状体の軸方向に離間した2か所をかしめて位置決め固定すること。」は周知技術であり、そのようなかしめを設ける具体的な位置の選定も、周知技術の採用に伴う設計変更の範囲内のことにすぎない。 d 前記a~cより、引用発明8にこれらの周知技術を採用して、先端部78の形状及びその固定形態を相違点4に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得たものであって、それによる効果も自明なものに過ぎない。 (ウ) 請求人の主張について 令和6年5月23日付け意見書における請求人の主張に関しては、前記(1)イ(ウ)において説示したものと同様であるから、当該主張を採用することはできない。 (エ) 総合評価 前記(ア)及び(イ)の相違点3及び4に係る検討を総合してみても、引用発明8において、相違点3及び4に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、相違点3及び4を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明8及び周知技術1~3により当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明3並びに周知技術1及び2、又は、引用発明8及び周知技術1~3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-006646

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決8件(山一電機株式会社)
  • 2023-006616拒絶査定不服審判 / 2024-06-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンタクト端子、コンタクトピンモジュール、および、それを備える半導体装置用ソケッ…
    同じ当事者: 山一電機株式会社
  • 2020-009479拒絶査定不服審判 / 2020-12-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)光モジュールコネクタ用ケージ
    同じ当事者: 山一電機株式会社
  • 2020-009478拒絶査定不服審判 / 2020-12-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)光モジュールコネクタ用ケージ
    同じ当事者: 山一電機株式会社
  • 2020-009477拒絶査定不服審判 / 2020-12-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)光モジュールコネクタ用ケージ
    同じ当事者: 山一電機株式会社
  • 2020-700215異議申立 / 2021-03-26 / 訂正認容プラグ、ソケット、および、それらを備える基板接続用コネクタ
    同じ当事者: 山一電機株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)342件(121・G01R)
  • 2024-016200拒絶査定不服審判 / 2026-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)接続構造、及び検査システム
    共通の審決分類: 121・G01R
  • 2025-000948拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)劣化状態推定装置、劣化状態推定方法、及びプログラム、並びにこれらを搭載したアノー…
    共通の審決分類: 121・G01R
  • 2024-015812拒絶査定不服審判 / 2026-07-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)磁気多回転センサおよび製造方法
    共通の審決分類: 121・G01R
  • 2024-015483拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)異常診断装置および異常診断方法
    共通の審決分類: 121・G01R
  • 2024-016447拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 請求不成立誘電率測定装置、及び誘電率測定方法
    共通の審決分類: 121・G01R

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存