商標拒絶査定不服審判
2023-004542
コッカクシンダンナナタイプ、コッカクシンダンシチタイプ、コッカクシンダンセブンタイプ、コッカクシンダン、ナナタイプ、シチタイプ、セブンタイプ、タイプ
- 審判番号
- 2023-004542
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-039363
- 請求日
- 2023年03月16日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】一般社団法人国際カラープロフェッショナル協会
- 【請求人代理人】小川 清
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第56条第1項、特許法第150条、特許法第169条第3項、特許法第135条、商標法第15条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2022-39363拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
請求の趣旨中、「原査定を取り消す。本願商標は登録すべきものとする。」についての請求は、成り立たない。
請求の趣旨中、「審判費用は特許庁の負担とする。」との請求は、却下する。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおり、「骨格診断7タイプ」の文字を横書きしてなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供」を指定役務として、令和4年4月6日に登録出願されたものである。
原審では、令和4年9月8日付けで拒絶理由の通知、同年11月25日付けで意見書の提出、同年12月6日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同5年3月16日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、「骨格診断7タイプ」と横書きしてなるところ、「骨格」は「動物の体を支持し、内臓を保護し、筋肉をつけ、運動を営む器官。」を、「診断」は「物事の欠陥の有無をしらべて判断すること。」を、それぞれ意味し、「7タイプ」は「7つの型」程度を認識させる。
また、骨格の型(タイプ)を診断することが「骨格診断」と称して行われており、かつ、特定の事柄について特定の数の型に分ける診断が、「○○診断○タイプ」(○○には事柄、○には数字が入る。)と称して行われている。
これらのことから、本願商標は全体として、「骨格を7つの型に分ける診断」程度の意味合いを認識させる。
そして、骨格を7つの型に分ける診断が実際に行われている。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、骨格を7つの型に分ける診断に関する役務(「骨格を7つの型に分ける診断に関する知識の教授」等)であることを理解するにとどまり、本願商標は、単に役務の質・特徴を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
4 上記通知に対する意見書
今回の最大の問題は、役務の質の「質」の言葉の意味をどのように解釈するかである。
5 当審の判断
(1)「審判費用は特許庁の負担とする」との請求について
請求人は、違法な拒絶査定のために審判請求せざるを得なかったとして、審判費用は特許庁の負担とする、との審決を求めている。
しかしながら、拒絶査定不服審判に関する費用は、商標法第56条第1項で準用する特許法第169条第3項において、請求人の負担とする旨定められているから、請求人による、審判請求費用を特許庁の負担とする旨の主張は、実定法上の根拠を欠く不適法な請求である。
したがって、請求人による前記主張は、不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性
ア 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くと規定されているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される(最判昭和54年4月10日同53年(行ツ)第129号参照)。そうすると、出願に係る商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決時点において、当該商標が当該役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標の取引者、需要者によって当該役務に使用された場合に役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和4年1月25日同3年(行ケ)第10113号参照)。
イ 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「骨格診断7タイプ」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「骨格診断」の文字部分は、以下ウで詳述する取引の実情にあるとおり、近年、注目を集めているスタイリング方法などの分類、診断手法である「骨格診断」を想起させるもので、「7タイプ」の文字部分と結合して、「7タイプに分類する骨格診断」程度の意味合いを想起させる。
ウ 「骨格診断」に係る取引の実情
ファッション分野やメディアなどにおいて、別掲2のとおり、「骨格診断」と称する、人の体の特徴に基づきタイプ別に分類して、それぞれに合うアイテムやスタイリング方法などを導き出す診断手法が広く注目を集めている。
そして、「骨格診断」には、別掲3のとおり、体の厚みやボディーラインなどの骨格の特徴から7タイプに分類する診断手法があり、「骨格診断7タイプ」又は「7タイプ骨格診断」などと称して、複数の事業者により実践、教授又は紹介されている実情がある。
エ 小括
以上によれば、本願商標「骨格診断7タイプ」は、商標の構成やその指定役務に係る取引の実情を踏まえると、スタイリング方法などの診断方法の一種である、(骨格の特徴から)「7タイプに分類する骨格診断」程度の意味合いを想起させるから、その指定役務との関係で役務の質(内容)を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、その指定役務に係る取引者、需要者をして、当該役務に使用された場合、役務の質(内容)を表示したものと一般に認識されるといえる。
したがって、本願商標は、その指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」などについて、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張
ア 請求人は、原査定の「結論」には、商標法第15条の規定に基づき商標登録ができない旨を記載しており、同条の中のどの規定に基づき登録できないのか記載がないため、拒絶査定の体をなしておらず、原査定は取り消されるべきである旨を主張する。
しかしながら、原査定は、「結論」の「理由」として、同法第3条第1項第3号該当性について言及している(令和4年9月8日付けの拒絶理由通知書にも同項同号該当性の記載はある。)のだから、原査定の拒絶理由は明らかであり、それを取り消すべき理由はない。
イ 請求人は、商標法第3条第1項第3号は、「取引者、需要者」の認識ではなく、「商標自体」が役務の質を表示しているか否かで判断すべきであり、また、ISO、JIS、品質工学等が定めている「質」の定義に本願商標が該当する場合のみ登録できないとすべき旨を主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号該当性は、上記(2)アのとおり、当該商標が当該役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。
また、同項同号の規定の解釈を、請求人が主張する定義に沿って判断しなければならない理由はない。
したがって、請求人の主張は独自の見解にすぎず、採択することはできない。
(4)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできないから、請求の趣旨中、「原査定を取り消す。本願商標は登録すべきものとする。」についての請求は、成り立たない。
請求の趣旨中、「審判費用は特許庁の負担とする。」との請求は、却下する。
審決本文(J-PlatPat)
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