商標拒絶査定不服審判
2023-004140
カガヤキデイサービス、カガヤキデーサービス、カガヤキ
- 審判番号
- 2023-004140
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-094465
- 請求日
- 2023年03月10日
- 審決日
- 2024年05月28日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社やまねメディカル
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 【請求人代理人】古岩 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .261-Z (W44) / T18 .262-Z (W44) / T18 .263-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2022-94465拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「かがやきデイサービス」の文字を標準文字で表してなり、第44類「介護,施設における介護,訪問による介護,健康管理に関する指導及び助言,医療情報の提供,栄養の指導,栄養に関する助言」を指定役務として、令和4年8月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年12月27日付けで拒絶理由の通知がされ、同5年1月11日付けで意見書が提出されたが、同年2月27日付けで拒絶査定がされたもので、これに対して、同年3月10日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5520168号商標(以下「引用商標」という。)は、「KAGAYAKI」の文字を標準文字で表してなり、平成23年4月21日に登録出願、第44類「介護,高齢者・障害者の養護・介護施設の提供,居宅介護,施設における介護,訪問による介護,栄養の指導,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布」を指定役務として、同24年9月7日に設定登録され、この商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標は「かがやきデイサービス」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中の「デイサービス」の文字は、本願の指定役務との関係において、役務の質を表すにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たさないから、自他役務の識別標識としての機能を果たしているのは、「かがやき」の文字部分であるとして、本願商標からは、「カガヤキデイサービス」の他、「カガヤキ」の称呼をも生じるとし、観念は「かがやくこと。光できらきらすること。立派で、はなばなしいこと。」が生じるとし、これと、引用商標とを比較し、両商標は、全体の外観は相違するものの、その要部において、その称呼及び観念を共通にする、類似の商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標に係る指定役務と同一又は類似のものを含むとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「かがやきデイサービス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「デイサービス」の文字(語)は、「介護を必要とする在宅高齢者のために日常生活の援助、動作訓練、介護指導などを行う福祉サービス。介護保険法上の名称は通所生活介護。」の意味(「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店))を有する語であって、一般に使用されているものであり、本願の指定役務との関係において、役務の質を表したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものといえる。
一方、本願商標の構成中の「かがやき」の文字(語)は、「かがやくこと。」等の意味(前掲書)を有する平易な語であり、本願の指定役務との関係において、役務の質等を具体的かつ直接的に表したものとはいえず、これが自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情は見当たらない。
また、本願商標は、標準文字によって一連に表記されていることを考慮しても、その構成文字全体が辞書に載録されている成語である等の、観念上の強いつながりは認められない。
そうすると、本願商標は、その構成中の「デイサービス」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえ、その結果として、本願商標の構成中の「かがやき」の文字部分が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
してみると、本願商標は、その構成中の「かがやき」の文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、構成文字全体に相応して生じる「カガヤキデイサービス」の称呼のほかに、その要部と認められる「かがやき」の文字より、単に「カガヤキ」の称呼をも生じ、「かがやくこと。」の観念を生じる。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「KAGAYAKI」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「かがやくこと。」等(前掲書)を意味する「かがやき」の語の表音を欧文字で表したものと認められるから、その構成文字に相応して、「カガヤキ」の称呼を生じ、「かがやくこと。」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記1及び2に記載のとおりの構成よりなるところ、両商標は、その全体の外観構成において相違するものの、本願商標の要部である「かがやき」の文字部分と引用商標とを比較すると、両者は平仮名と欧文字の差異があるとしても、いずれも標準文字で普通に用いられる方法で表されていることに加え、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般に行われている取引上の実情があることからすると、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
次に、称呼においては、本願商標の要部と引用商標からは、いずれも「カガヤキ」の称呼を生じることから、両商標は、「カガヤキ」の称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の要部と引用商標からは、いずれも「かがやくこと。」の観念を生じることから、両商標は、「かがやくこと。」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては構成文字や文字種の相違があるものの、本願商標の要部と引用商標との比較においては、文字種の相違が外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものであり、また、「カガヤキ」の称呼及び「かがやくこと。」の観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼、観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について混同を生ずるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当と認められる。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務中「介護,施設における介護,訪問による介護」は、引用商標の指定役務中「介護,高齢者・障害者の養護・介護施設の提供,居宅介護,施設における介護,訪問による介護」と同一又は類似するものである。
また、本願の指定役務中「健康管理に関する指導及び助言,医療情報の提供」は、引用商標の指定役務中「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」と同一又は類似するものである。
さらに、本願の指定役務中「健康管理に関する指導及び助言,栄養の指導,栄養に関する助言」は、引用商標の指定役務中「栄養の指導」と同一又は類似するものである。
オ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務について使用をするものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する「デイサービス」の文字については、「訪問介護(ホームヘルプ)」、「訪問入浴」等、介護保険を用いて利用できる介護関連役務(以下「介護関連役務」という。)が多岐にわたり、具体的にどのような役務を提供しているのか分かりにくい場合も少なくなく、「デイサービス」等の具体的な介護関連役務を示す文字が存在しない限り、その提供する役務内容を把握、理解できないから、「デイサービス」等の具体的な介護関連役務を示す文字は、具体的な役務内容を知る手がかりとなる重要な要素であって、この部分を除外し、その他の部分のみを抽出して役務出所識別標識として機能することはなく、「デイサービス」等の文字を含めた構成文字全体をもって固有の介護事業者の名称、すなわち、商標として認識される旨主張する。
しかしながら、たとえ、介護関連役務が多岐にわたるとしても、「デイサービス」の語が有する意味及び本願の指定役務との関係からすれば、当該文字は、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものというべきであるから、上記(1)アのとおり、本願商標は、その構成中「かがやき」の文字部分のみを要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきものである。
イ 請求人は、本願の指定役務の分野における取引の実情として、介護関連役務提供者との取引に当たって、需要者は、極めて慎重に高度の注意力をもって、長い時間を費やして、臨むことは明白であり、必ず、実際の施設やパンフレット等を通じて視覚的に必要な情報を確認するのであり、必然的に商標の外観にも接することから、本願商標と引用商標との外観上の差異が存在すれば、本願商標と引用商標との間で役務の出所について混同が生ずるおそれはない旨、また、最高裁判所の判決を引用して、本願商標の観念及び称呼が引用商標のそれらと近しい場合があったとしても、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張する。
ところで、商標の外観上の類否を判断するに当たっては、時と場所を異にして離隔的に観察する方法によるべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10092号同4年1月27日判決)。
そして、たとえ、本願の指定役務の需要者が実際の施設やパンフレット等を通じて視覚的に必要な情報を確認し、必然的に商標の外観にも接するとしても、本願商標及び引用商標はいずれも標準文字で表されてなるものであるから、その外観が需要者に対して強い印象を与えるものではなく、記憶に残るものでもない。
このような標準文字同士の商標の類否判断においては、商標を並べて比較する対比観察においてはともかく、時と場所を異にする離隔的観察においては、たとえ平仮名か欧文字かの違いがあるとしても、その違いが需要者に対して強い印象を与えるものではなく、記憶に残るものでもないことからすると、称呼及び観念を共通にする本願商標と引用商標とは、請求人の挙げる最高裁判所の判決に照らしても、役務の出所について混同を生じさせるおそれのある類似の商標というべきである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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