商標拒絶査定不服審判
2022-650099
モンドリアン
- 審判番号
- 2022-650099
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1561095
- 請求日
- 2022年11月10日
- 審決日
- 2024年02月06日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】Mondrian Investment Partners Limited
- 【請求人代理人】城山 康文
- 【請求人代理人】岩瀬 吉和
- 【請求人代理人】横川 聡子
- 【請求人代理人】大島 良太
- 【請求人代理人】北口 貴大
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .261-Z (W36) / T18 .262-Z (W36) / T18 .263-Z (W36) / T18 .264-Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1561095号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)10月21日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は、以下のとおりである。
2021年(令和3年)11月 2日付け:暫定拒絶通報
2022年(令和4年) 3月18日 :意見書及び手続補正書の提出
2022年(令和4年) 7月27日付け:拒絶査定
2022年(令和4年)11月10日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「MONDRIAN」の欧文字を横書きしてなり、第36類に属する日本国を指定する国際登録において指定された役務を指定役務として国際商標登録出願されたものであり、その後、指定役務については、前記1の原審における手続補正書において、第36類「Investment management services; asset management services.」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6332967号商標は、「MONDRIAN」の文字を標準文字で表してなり、令和元年12月20登録出願、第36類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、同2年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記2のとおり、「MONDRIAN」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「オランダの画家(1872-1944)」を意味(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館)する英単語として英和辞典に載録があるものも散見されるが、我が国における英語の普及の程度に鑑みても、平易で一般に広く慣れ親しまれたものであるとはまではいい難く、特定の意味合いを理解するということはできないから、これより特定の観念は生じないと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標からは、その構成文字に相応して「モンドリアン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記3のとおり、「MONDRIAN」の文字を標準文字で表してなるところ、上記(1)と同様に、その構成文字に相応して、「モンドリアン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標は、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりであるところ、外観における「MONDRIAN」の文字構成及び「モンドリアン」の称呼を同じくし、観念においては共に特定の観念を生じないものであることから比較することができないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較できないとしても、外観における文字構成及び称呼を同じくするものであるから、本願商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
なお、請求人は、この点について何ら主張していない。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否
本願の指定役務中「investment management services;」と引用商標の指定役務中「不動産投資信託に関する管理,ホテルコンドミニアムに関する金融資産の管理,不動産に関する財務管理,不動産に関する財政投資」とは同一又は類似の役務であり、また、本願の指定役務中「asset management services;」と引用商標の指定役務は同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務には、本願の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は、本願の指定役務中「asset management services.」について、金融業界におけるアセットマネジメント業務は、投資運用業を指すインベストメントマネジメントを包含する概念であり、請求人が権利範囲としたいサービスは、金融業界における「投資運用業」、「投資助言代理業」及び「投資信託」といった金融商品を取り扱う業務であり、金融業界におけるアセットマネジメント業務と不動産業界におけるアセットマネジメント業務とは、取り扱う資産の範囲が異なり、事業者を規制する法律(金融商品取引法及び宅地建物取引業法)が異なることから、金融業界でアセットマネジメントを行う事業体と不動産のみのアセットマネジメントを行う事業体とにおいて同一の名称が使用されていたとしても、 事業体が取り扱える資産の対象が異なり、登録認可の有無も容易であるため、需要者がその出所の誤認混同を生ずるおそれはない旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮される取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない旨判示されているところ(最高裁昭和47年(行ツ)第33号、昭和49年4月25日第一小法廷判決参照)、指定役務についても同様に理解されるものである。
また、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」の「商品・サービス国際分類表」の第36類の注釈によれば、「第36類には、主として、銀行業務及びその他の金融又は財務取引、財務評価、並びに保険及び不動産活動を含む。」とあることから、当該「asset management services.」の表示は、請求人の主張する「金融業界におけるアセットマネジメント」及び「不動産業界におけるアセットマネジメント」の両者を包含するものと解される。
そして、「金融業界におけるアセットマネジメント」も「不動産業界におけるアセットマネジメント」も投資資産の運用を実際の所有者・投資家に代行して行う業務(甲3)であることを共通にし、当該役務を取り扱う業界においては、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(甲6)や別掲2のように、「金融業界におけるアセットマネジメント」及び「不動産業界におけるアセットマネジメント」の両業務を行っている事業者は複数存在しているから、請求人の取り扱いにかかる役務が「金融業界におけるアセットマネジメント」のみであるとしても当該役務が「不動産業界におけるアセットマネジメント」と非類似の役務であるとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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