商標取消審判
2022-300597
トーワ
- 審判番号
- 2022-300597
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1989-049002
- 登録番号
- 4091979
- 請求日
- 2022年06月29日
- 審決日
- 2023年09月22日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】東和薬品 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 【被請求人】株式会社 TBグループ
- 【被請求人代理人】山田 勝重
- 【被請求人代理人】山田 克巳
- 【被請求人代理人】山田 博重
- 【被請求人代理人】山田 智重
- 【被請求人代理人】平山 巌
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T132 .1 -Z (X09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4091979号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4091979号商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4091979号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOWA」の欧文字を上段に、「東和」の漢字を下段に書してなり、平成元年4月28日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年12月12日に設定登録がされ、同19年12月4日に存続期間の更新登録がされ、その後、同20年7月30日に、第9類「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」を含む第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同29年12月5日に、存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年7月13日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2019年(令和元年)7月13日~2022年(令和4年)7月12日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」(以下「本件審判の請求に係る指定商品」という場合がある。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
2 弁駁の理由
(1)被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を検討し総合的に判断しても、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」について、本件商標の使用をしていた事実は認められない。
(2)被請求人は、本件商標の使用に係る商品について、「POS型レジスター、LED表示装置、液晶表示装置(デジタルサイネージ)であるが、これらの商品は電子応用機械器具に属するものであり、電気通信機械器具にも属するものである。」と述べ、また、「SDカード型Wi-Fiカードは電気通信機械器具に属するものである。」と述べている。
しかしながら、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品「POS型レジスター」(乙4、乙5)は「電子応用機械器具」及び「電気通信機械器具」のいずれの範ちゅうにも属する商品ではなく、「金銭登録機」にすぎない。そして、「LED表示装置、液晶表示装置、デジタルサイネージ」(乙13、乙15)は「電子応用機械器具」及び「電気通信機械器具」のそれぞれの商品に類似すると推定される商品にすぎず、「電子応用機械器具」及び「電気通信機械器具」のいずれの範ちゅうにも属する商品ではない。
また、「SDカード型Wi-Fiカード」(乙8、乙9)は「レジキャッチ」の商標を付して提供されるデータ送信サービスを受ける者が利用する物であって、該データ送信サービスに対応するレジスターにのみ挿入できる専用品であるから、独立した商品としての「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品と認めることはできない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書及び回答書において理由を要旨以下のとおり主張し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第52号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 審判事件答弁書における主張
(1)被請求人は、乙第1号証の会社ホームページからも明らかなように、デジタルサイネージ事業、電子マネー及びストアオートメーション事業を事業目的とする歴史ある企業であり、中でも電子式金銭登録機やPOSシステムの製造、販売に関しては著名な企業として業界において知られるところである。
(2)まず、乙第4号証のカタログに示す「POS型レジスター PROSPER NR-3800」については、2018年4月9日に販売を開始し(乙2)、今日に至るまでその販売を継続している。この商品は時計回路を内蔵し、コンピュータを搭載した販売時点情報管理システム(いわゆるPOSシステム)に係り、そうした機能を有することに関してはカタログ(乙4)中の「機能04”ネットワーク機能”」の記述の内容から明らかである。すなわち、こうした機能を有する商品は、スタンドアローンの「金銭登録機」の範ちゅうにとどまらず「電子応用機械器具」に属するものである。またこの商品に関しては、外部機器(集計用コンピュータや店舗の統合用サーバー)と接続可能な通信機能を標準搭載し、さらにインターネット機器と接続可能な電気通信機器(ルーター等の通信用端子)との接続を可能としているため、電子応用機械器具にとどまらず「電気通信機械器具」にも属するものである。この商品のカタログ(乙4)には、本件商標の上段のアルファベット表示で赤地で白抜きの文字商標「TOWA」が使用されている他、本件商標の下段の漢字表示「東和」を要部とする「東和レジスター」や「東和電子レジスター」の商標も使用されている。すなわち、「東和レジスター」や「東和電子レジスター」の商標において、「レジスター」や「電子レジスター」の部分については登録機、電子式金銭登録機の品質、用途表示に係るため、「東和」の部分が要部と解釈される。
よって、本件商標の上段の表示「TOWA」や下段の漢字表記「東和」に関しては、この商品のカタログ中において使用されているものと解釈され、本件商標とカタログ中の商標「TOWA」や商標「東和レジスター」、「東和電子レジスター」の表示は社会通念上同一と解釈できる。このカタログ中の商品に関しては、過去3年以内はもちろん、現在もその販売が継続されており、例えば株式会社TOWAのホームページ(乙5)においても、その販売事実が確認可能であり、該ホームページ中においては本件商標に係る表示で赤地で白きの文字商標「TOWA」の使用が確認できる。
この商品の過去3年以内の取引事実としては、乙第6号証や乙第7号証により明白である。
(3)次に、被請求人は、乙第8号証のカタログに示す「電子レジスター SmartREGI SX-150II」に使用するための、無線通信用の「SDカード型Wi-Fiカード REGI CATCH専用リンクカード」をオプション部品として販売している。すなわち、この商品は「電子レジスター SX-150II」を外部機器(店舗の無線ルーター)と無線通信により接続し、クラウド上のサーバーとのデータ送受信を可能とするものであり、売上データ、管理データ等を外部機器に送信するための「電気通信機械器具」に属する。このオプション部品を紹介するカタログ(乙9)にも、前記と同様に本件商標の上段のアルファベット表示で赤地で白抜きの文字商標「TOWA」が使用されている他、本件商標の下段の漢字表示「東和」を要部とする商標「東和レジスター」が表示され、本件商標と社会通念上において同一の商標の使用が確認できる。この商品に関しても、過去3年以内にあたる令和4年3月までその販売が継続されており、例えば株式会社TOWAのホームページ(乙10)においても、その販売事実が確認可能であり、該ホームページ中には本件商標の上段をアルファベットで表記した「TOWA」(赤地で白抜きの文字商標TOWA)の商標の記述の存在も確認できる。
この商品の過去3年以内の取引事実としては、乙第11号証や乙第12号証により明白である。
(4)次に、被請求人は、乙第13号証のカタログに示す「デジタルサイネージ DS-WL424S」(液晶表示装置、LEDを用いた電子広告表示装置)を2017年7月3日に販売を開始し(乙2)、今日に至るまでその販売を継続している。この商品は例えば店舗前において設置可能とされ、設置される店舗の広告内容を表示可能とするものである。この商品はコンピュータを内部に搭載しており、乙第14号証に示すように電子応用機械器具にとどまらず「電気通信機械器具」にも属するものである。この商品のカタログ(乙13)にも、本件商標の上段のアルファベット表示で赤地で白抜きの文字商標「TOWA」が使用されている他、本件商標の下段の漢字表示「東和」を要部とする「東和レジスター」の商標が表示され、本件商標と社会通念上において同一の商標の使用が確認できる。この商品に関しては、過去3年以内はもちろん、現在もその販売が継続されており、例えば株式会社TOWAのホームページ(乙15)においても、その販売事実が確認可能であり、本件商標の上段をアルファベットで表記した「TOWA」(赤地で白抜きの文字商標TOWA)の商標の記述の存在も確認できる。
この商品の過去3年以内の取引事実としては、乙第16号証や乙第17号証により明白である。
2 回答書における主張
(1)商品「POS型レジスター PROSPER NR-3800」(乙4~乙7)が、「電子応用機械器具」及び「電気通信機械器具」に属する旨の主張
「POS型レジスター PROSPER NR-3800」のカタログ(乙4)には、「04“ネットワーク機能”」の部分において「※専用の通信ソフトが必要となります。」の注釈が存在するところではあるが、この注釈部分はシステム図[2](審決注:[2]は、「2」を丸囲みしたもの。以下同様。)に示す「[2]LAN、RS-232C接続によりPCとの接続が可能です※。」のみにかかるものである。すなわち商品「POS型レジスター PROSPER NR-3800」に関しては、システム図[1](審決注:[1]は、「1」を丸囲みしたもの。以下同様。)及び「[1]最大8台(親機1台、子機7台)の親子接続(IRC接続)が可能です。レジ間でのデータを共有するとともに、親機での集中管理が可能です。」の記載、システム図[3](審決注:[3]は、「3」を丸囲みしたもの。以下同様。)及び「[3]店舗PCを介さずに、レジスターからルーター経由でサーバーヘのデータ通信が可能です。」の記載のとおり、専用ソフトウェアを要することなく、電気通信を行う機能を標準に有しており、まさしく「電気通信機械器具」にも属する。
また、商品「POS型レジスター PROSPER NR-3800」が本機能を発売当初より有していることは、乙第4号証及び株式会社TBグループホームページ上に掲載している。すなわち、2018年4月9日発表の商品「POS型レジスター PROSPER NR-3800」のプレスリリース(乙28)の2ページに詳細に記述されている。
さらに、商品「POS型レジスター PROSPER NR-3800」のカタログ(乙4)中にある「04“ネットワーク機能”」における「※専用の通信ソフトが必要となります。」の注釈が存在するケースについても、また請求人が製造、販売する乙第8号証に係る商品「電子レジスター smartREGI SX-150II」についても、「SDカード型Wi-Fiカード REGI CATCH専用リンクカード」を搭載した商品「電子レジスター smartREGI SX-150II」からWi-Fi信号を送信することを可能としているため、「電気通信機械器具」に属することは自明である。
(2)商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」が「電子応用機械器具」及び「電気通信機械器具」に属する旨の主張
商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」を含む被請求人の商品は、液晶表示装置、LEDによる電光表示装置として表示画面に表示するデータに関し、パソコン、スマートフォン、タブレット等との間で無線又は有線で送受信を行う機能として、「スグスマDS」(乙13、乙15)を有している。
このように、商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」は、データの送受信機能を備えた、液晶表示装置又は電光表示装置であり、電子的に広告を表示する装置である。
ここで、「データの送受信機能を備えた音声・映像による電子広告表示装置」なる商品が指定商品として認定されている。この商品は、正に「デジタルサイネージ DS-WL424S」に対応する商品であり、電気通信機械器具及び電子応用機械器具である。
したがって、「データの送受信機能を備えた音声・映像による電子広告表示装置」に対応する「デジタルサイネージ DS-WL424S」についても当然に電気通信機械器具及び電子応用機械器具に該当することは明白である。
(3)商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」自体、及び商品「LED表示機 Super ecoRea Next3」自体に、それぞれ本件商標が付されている旨の主張
商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」及び商品「LED表示機 Super ecoRea Next3」のいずれにおいても、「タテ・ヨコ自在」と記載されているように(乙13、乙15、乙41)、縦置きと横置きの設置形態を選択可能である。この設置形態は、顧客の希望に応じて、被請求人傘下の株式会社TOWA等が設置場所において縦置き又は横置きとなるように設置する。商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」及び商品「LED表示機 Super ecoRea Next3」のいずれにおいても、額縁部分に貼付可能なシールが用意されており、設置作業の終了後に、設置形態に応じて、横方向に延びる額縁部分に上記シールが貼付され、これにより、シールが付された商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」又は商品「LED表示機 Super ecoRea Next3」の納品が完了するのである。シールは、商品「デジタルサイネージ DS-WL424S」及び商品「LED表示機 Super ecoRea Next3」の納品一式に同梱されている貼付位置指示書(乙44)にしたがって所定の位置に貼付される。乙第13号証、乙第15号証及び乙第41号証においては、本件商標が商品上に付されていない状態の画像が掲載されているが、実際は上述のようにしてシールが付された商品が納品され(乙45、乙46)、納品に係る設置手順等については、被請求人社員のBが作成した陳述書(乙47)に示すとおりである。
(4)被請求人が使用する商標について
実際各カタログ(乙4、乙8、乙9、乙13)中にはアルファベットの「TOWA」が表示され、これらカタログについては、要証期間において商品の販売活動において頒布している。
したがって、少なくとも2段書きの商標のうち、上段の「TOWA」の部分については、これらカタログの頒布により、商標法第2条第3項第8号の「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、」に相当する使用がなされているものと思料する。
また、各カタログ中に記載された「東和レジスター」、「東和電子レジスター」のうち、「レジスター」や「電子レジスター」の部分については、使用する商品との関係で除外して観念するのが自然であり、本件商標の下段部分の漢字表記「東和」に関しても事実上、これらカタログにおいて使用しているものと解釈するのが自然である。
さらに、過去の審決を参照しても、2段書きの登録商標の上段又は下段のいずれか一方の使用証拠をもって、登録商標の使用を認めた審決例(乙48~乙52)が存在するところである。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)株式会社TOWAは、本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)のグループ企業である(乙1)。
(2)使用商品1について
ア 株式会社TOWAは、「PROSPER NR-3800」と称するレジスター(以下「使用商品1」という。)を製造又は販売している(乙4、乙5、乙36)。
イ 使用商品1の商品カタログには、「機能04“ネットワーク機能”」のタイトルの下、「コンパクトフラッシュ対応により、売上/ジャーナル/設定データの外部記憶保持を実現。PCへのデータ受け渡しも容易です。」、「ネットワーク、システムの拡張性に優れたインターフェース、LAN×1.RS-232C×4を標準装備。」、「最大8台(親機 1台、子機 7台)の親子接続(IRC接続)が可能です。レジ間でのデータを共有するとともに、親機での集中管理が可能です。」、「LAN、RS-232C接続によりPCとの連動が可能です。」及び「店舗PCを介さずに、レジスターからルーター経由でサーバーへのデータ通信が可能です。」の記載がある(乙4、乙36)。
ウ 使用商品1の商品カタログの表表紙及び裏表紙には、「東和電子レジスター」の文字からなる商標(以下「使用商標1」という。)又は「東和レジスター」の文字からなる商標(以下「使用商標2」という。)が表示されている(乙4、乙36)。
エ 使用商品1の本体には、「TOWA」の文字からなる商標(以下「使用商標3」という。)が表示されている(乙4、乙36)。
オ 株式会社TOWAのウェブサイトにおいて、使用商標3とともに使用商品1が掲載されている(乙5)。
カ 商標権者は、2022年(令和4年)3月2日及び同月24日に株式会社TOWAに対して、使用商品1を納品した(乙6)。また、株式会社TOWAは、2022年(令和4年)3月24日に東和プロネッツ株式会社に対して、使用商品1を納品した(乙7)。
(3)使用商品2について
ア 株式会社TOWAは、「Smart REGI SX-150II」(乙8)及び「Smart REGI SX-550R(F)II-WH」(乙32)と称するレジスターを製造又は販売しており、当該レジスターの商品カタログには、「REGI CATCH」と称する「クラウド型レジ売上情報サービス」が紹介されており、「サービスのご利用にあたっては、レジキャッチ専用リンクカード(有償)及びインターネット接続環境が別途必要です。」と記載されている(乙8、乙32)。
イ 商標権者は、当該「REGI CATCH」専用リンクカード(以下「使用商品2」という。)を製造又は販売している(乙9)。
ウ 「REGI CATCH」のカタログには、「REGI CATCHを始めるために」及び「オプション「レジキャッチリンクカード」が必要となります(有償)。」の記載がある(乙9)。
エ 「REGI CATCH」のカタログの裏表紙には、使用商標2及び3が表示されている(乙9)。
(4)使用商品3について
ア 株式会社TOWAは、「DS-WL424S」と称するデジタルサイネージ(以下「使用商品3」という。)を製造又は販売している(乙13)。
イ 使用商品3の商品カタログの表表紙及び裏表紙には、使用商標3又は2が表示されている(乙13)。
ウ 使用商品3は、商品本体に貼付するための、使用商標3が表示された銘板シールを同梱して出荷される(乙44~乙47)。
エ 商標権者は、2022年(令和4年)6月6日に株式会社TOWAに対して、使用商品3を納品した(乙16)。また、株式会社TOWAは、2022年(令和4年)6月6日に東和レジスター宇都宮販売株式会社に対して、使用商品3を納品した(乙17)。
(5)使用商品4について
ア 株式会社TOWAは、「Super ecoRea Next3」と称するLED表示機(以下「使用商品4」という。)を製造又は販売している(乙41)。
イ 使用商品4の商品カタログの表表紙及び裏表紙には、使用商標3又は2が表示されている(乙41)。
2 判断
(1)使用者について
上記1(1)のとおり、株式会社TOWAは、商標権者のグループ企業である。
そうすると、商標権者は、株式会社TOWAに対して、本件商標の使用について黙示の許諾を与えていたものと推認することができる。
したがって、株式会社TOWAは、本件商標の通常使用権者であると認めることができる。
(2)使用商品1について
ア 上記1(2)によれば、株式会社TOWAは、使用商品1の広告(商品カタログ)に使用商標1及び2を付していること、使用商品1の広告(ウェブサイト)に使用商標3を付していること、使用商品1に使用商標3を付したものを東和プロネッツ株式会社に引き渡したことが認められる。
イ 使用商品1が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」に含まれるかについて
使用商品1は、レジスター(金銭登録機)であるところ、使用商品1の商品カタログの記載からして、POS型のレジスターであると認められる。
そうすると、使用商品1は、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものと解される「電子応用機械器具」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。
そして、使用商品1は、たとえ通信機能を有しているとしても、POS型のレジスターに付随する機能であって、専ら電気通信をするための商品ではないから、「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」の範ちゅうに含まれるということはできない。
したがって、使用商品1は、本件審判の請求に係る指定商品に含まれるとはいえない。
ウ 以上により、たとえ上記アの行為が認められるとしても、使用商品1は本件審判の請求に係る指定商品に含まれるとはいえないから、使用商品1に基づく本件商標の使用を認めることはできない。
(3)使用商品2について
ア 上記1(3)によれば、商標権者は、使用商品2の広告(商品カタログ)に使用商標2及び3を付していることが認められる。
イ 使用商品2が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」に含まれるかについて
使用商品2は、レジスターにおいて、「クラウド型レジ売上情報サービス」である「REGI CATCH」を利用するために必要な専用リンクカードであるから、レジスターの付属品と解するのが相当である。
そうすると、使用商品2は、「金銭登録機」又は(POS型のレジスターの場合には上記(2)イのとおり)「電子応用機械器具」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。
したがって、使用商品2は、本件審判の請求に係る指定商品に含まれるとはいえない。
ウ 以上により、たとえ上記アの行為が認められるとしても、使用商品2は本件審判の請求に係る指定商品に含まれるとはいえないから、使用商品2に基づく本件商標の使用を認めることはできない。
(4)使用商品3について
ア 上記1(4)によれば、株式会社TOWAは、使用商品3の広告(商品カタログ)に使用商標2及び3を付していること、使用商品3に使用商標3が表示された銘板シールを同梱して東和レジスター宇都宮販売株式会社に引き渡したことが認められる。
そして、使用商品3に使用商標3が表示された銘板シールを同梱することは、使用商品3に使用商標3を付したものと評価することができる。
イ 使用商品3が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」に含まれるかについて
使用商品3は「デジタルサイネージ」であるところ、「デジタルサイネージ」とは、屋外や店頭などに設置される映像表示装置であるから、「映像周波機械器具」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。
被請求人は、使用商品3は、パソコン、スマートフォン、タブレット等との間で無線又は有線で送受信を行う機能を有していること、データの送受信機能を備えた、液晶表示装置又は電光表示装置であり、電子的に広告を表示する装置であること、「データの送受信機能を備えた音声・映像による電子広告表示装置」に対応する商品であることから、「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具」に該当する旨主張する。
しかしながら、たとえデータの送受信機能を備えているとしても、使用商品3は、「デジタルサイネージ」であって、専ら映像を表示する装置であることからすれば、「映像周波機械器具」の範ちゅうに含まれる商品というべきである。
したがって、使用商品3(デジタルサイネージ)は、「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」の範ちゅうに含まれる商品であるということはできない。
ウ 以上により、たとえ上記アの行為が認められたとしても、使用商品3が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」の範ちゅうに含まれるとはいえないから、使用商品3に基づく本件商標の使用を認めることはできない。
(5)使用商品4について
使用商品4はLED表示機であるところ、これはLEDを用いた映像表示装置であり、使用商品3と同種の商品といえるから、上記(4)イと同様の理由により、使用商品4が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」の範ちゅうに含まれるとはいえない。
そうすると、たとえ、上記1(5)により、株式会社TOWAが使用商品4の広告(商品カタログ)に使用商標2及び3を付していることが認められるとしても、使用商品4に基づく本件商標の使用を認めることはできない。
(6)以上(1)ないし(5)によれば、使用商品1ないし4は、いずれも本件審判の請求に係る指定商品「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」に含まれるものとはいえないから、使用商品1ないし4に基づく本件商標の使用を認めることはできない。
よって、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを証明したものと認めることができない。
(7)なお、被請求人は、同人が提出した証拠について疑念があるならば口頭審理や証人尋問等をもってさらに証明する用意があるなどと述べているが、本件審判請求における主な争点は、本件商標の使用商品が「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」に含まれる商品であるか否かであり、その事実は、上記のように判断し得るものであるから、合議体は口頭審理や証人尋問等は要しないと判断した。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「電気通信機械器具(但しラジオ通信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。)」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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